韓国ドラマから美しい言葉を学ぼう

韓国ドラマのあらすじや詳細日本語訳を紹介!プロデューサー/SPY/夜警日誌/トライアングル/主君の太陽など

トライアングル22話あらすじ&日本語訳vol.2

   

ジェジュン、イ・ボムス、イム・シワン、ペク・チニ出演「トライアングル」22話の後半に進みます。

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薄暗く寂れた通りに、ふいに車が2台滑り込んだ。
車のドアが一斉に開くと、コ・ボクテ配下の男たちが大勢降りてくる。

偶然近くの歩道橋を一緒に通り掛かったマンボンとクク刑事は、驚いて立ち止まった。

マンボン「あいつら何だ?」
クク刑事「?!」

男たちは一箇所に集まり、リーダーらしき男が指差して指示をしているのが見える。

クク刑事「あぁ、面倒なことになったな」

クク刑事はすぐ同僚に電話をし、非常事態を告げる。
マンボンもまた、電話を取り出した。

マンボン(電話)「チャンマダム、俺だけど、今日はカジノを閉めたほうが良さそうだ。戦争でも始めそうな雰囲気のごろつきどもが外にいる。下手すりゃ俺たちにまで飛び火するぞ。あぁ、今すぐ急いでお客を返すんだ」

#刑事の前で不法カジノを閉めろと電話しちゃうほど、慌ててたってことですよね?^^;;;

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別の場所では、また別の男たちが集まっていた。
マンボンがやってくると、全員が一斉に頭を下げる。

マンボン「何でこれだけしかいないんだ?」
手下「残りは今ソウルから向かっているところです」

マンボンは整列した男たちを眺めた。

マンボン「お前らはこれから自分を刑事や防犯員だと思え。3組に分かれて三叉路とテジョンカジノ周辺を見張るんだ。チョンジン建設の一団が現れたら、そのときとっ捕まえればいい」

「分かったか」「はい!」マンボンの号令に、全員が声を揃えた。

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「お客とスタッフ、皆帰ったな」私設カジノにマンガンが戻ると、ガランとした場内にマダムとヤン社長だけが残っていた。

ヤン社長「おい、店じまいさせるとは一体何事だ?」
マンガン「この辺り、ゴロツキどもで一杯ですよ。クク刑事と晩飯食って出てきたところだったんだけど、クク刑事もビックリして、非常事態だって連絡したんだから」
マダム「ゴロツキってどこのヤツら?」
マンガン「俺も初めて見るヤツらだ」

#視聴者は何度も見てるヤツらだ

マンガン「揃いも揃って殺伐とした雰囲気だった」
ヤン社長「ビビってどうする?そいつら全員とっ捕まえて、国土建設団、三清教育隊、そういったところへ送らなきゃ」

#ヤン社長、身振り手振りがすごすぎて、肝心の話がさっぱり分からん

「三清教育隊は知ってるけど…」と不思議がるマダムに、ヤン社長は国土建設団の話を聞かせてやる。
物知りなヤン社長にマダムが感心するのを、マンガンは無表情で眺めた。

ヤン社長「マダムは知らないがな、俺は三清教育隊にも行ってきた男だ。拳じゃかなりのモノだぞ」

マンガンは思わず吹き出した。
そこへ…

今しがたマンガンたちが目にしたゴロツキたちが、カジノ内へ入ってくる。
「人はいねぇのか」入ってきた男たちは、店の中央でマダムたちと対峙した。
拳自慢をしたばかりのヤン社長が、仕方なく先頭に立つ。

ヤン社長「お前ら、何だ?」
男「(笑)お前ら?」
ヤン社長「いや、あの… あなた方」
マダム&マンガン「…。」
男「俺を見りゃ、何をしてる男なのか皆ちゃんと分かるがな」

「社長さんはご存じないようで」男はからかうようにヤン社長の肩を掴んだ。

ヤン社長「いや、分かるけどね。ここにはどんな用で?」
男「ここにホ・ヨンダルがよく来ると聞いたが」
ヤン社長「あぁ、ヨンダルか。よく知ってますよ。ヨンダルに会いたけりゃ、ここじゃなくてテジョンカジノに行かなきゃな。どうしよう、ご案内しようか?」

「結構ですよ」男はふっと笑い、さっさと店を出て行った。

ヤン社長「気をつけてお行きなさいよ~!」

振り返ったヤン社長に、マダムたちの冷たい視線が刺さる。

ヤン社長「何を食べてやがるのか、デカい図体しやがって!息子みたいなヤツらなのに、不憫になるねぇ」
マダム「不憫なのはヤン社長の方だわ」
ヤン社長「…。」

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ディーラーの控室では、チョンジャを中心にディーラーたちがチキンをつまんでいた。

#とうとうチョンジャグループとジョンヒの同僚グループが仲良くなってますね。

ミニョン「ユン・ヤンハが拘束されたってことは、今度はホ・ヨンダルが代表理事になるのかしら?」
チョンジャ「分かってないわね。ユン・ヤンハは会長の息子だから代表になれたのよ。誰にでもやらせるわけないでしょ」

「オ・ジョンヒ」ソンジュがふいにジョンヒを呼ぶ。
離れた席で考え事をしていたジョンヒが顔を上げた。

ソンジュ「あんた、何か知らないの?」
ジョンヒ「…。」
ソンジュ「あんたはどちらとも親しいじゃない?何か聞いてないの?」
ジョンヒ「…私も知りません」

「ちょっと、一人でしょぼくれてないで、こっちに来てチキン食べなさいよ」チョンジャがジョンヒを誘った。
「いりません」ニコリともせず立ち上がると、ジョンヒは部屋から出て行く。
ディーラーたちの中に、少し気まずい沈黙が流れた。

チョンジャ「私、ジョンヒのこと小さい頃から知ってたでしょ?昔も今も大して可愛いわけでもないのに、何でモテるのか分からないわ。正直、女として魅力ゼロじゃない?」
ミニョン「セクシー度じゃ先輩が100倍勝ってますよ」
チョンジャ「(ニッコリ)その点ではあんたもなかなかよ」

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ジョンヒは誰も居ないロッカールームのベンチに座っていた。

ジョンヒ「…。」

一人思い悩んでいるところへ、電話が鳴る。

ジョンヒ(電話)「ヨンダルさん」
ヨンダル(電話)「今どこですか?」
ジョンヒ「もう少ししたら仕事が終わるんです。ヨンダルさんはどこですか?」

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「ユン・ヤンハさん、捕まったって聞きました」ジョンヒは顔を曇らせる。

ジョンヒ「ヨンダルさん、大丈夫ですか?」
ヨンダル「…ちょっと会えますか?」
ジョンヒ「えぇ。どこに行けばいいですか?」

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ジョンヒが外で待っていると、彼女の後ろからヨンダルは現れた。

ヨンダル「ジョンヒさん」

「ヨンダルさん!」ジョンヒは振り返り、彼の顔を見て微笑んだ。

ヨンダル「一人じゃ耐えられそうになくて電話したんです」
ジョンヒ「良かった。私もヨンダルさんが心配で、一日中仕事が手につかなかったんです」
ヨンダル「…。」

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二人は平凡な屋台のテーブルで、焼酎と小さな鉢を前に座っていた。

ヨンダル「孤児院にいたとき、ちょうど一歳になったばかりだったドンウの面倒を見なきゃいけなかったんです。どういうわけか、兄さんは俺にドンウを任せて孤児院からいなくなってしまって。ドンウを守らなきゃ… そう思うと途方に暮れて、怖くなりました」
ジョンヒ「…。」
ヨンダル「それがある日、見慣れない人たちがドンウを連れて行ったんです。そのときは、それが養子入りだなんて知らなかったし、ドンウを奪われたんだと思って、本当に恐ろしかった…」
ジョンヒ「…。」
ヨンダル「孤児院を去っていくドンウの泣き顔… 今でもハッキリ覚えてます」
ジョンヒ「そんな思いで別れた弟がユン・ヤンハさんだなんて、私も信じられません」

「…。」ヨンダルはグラスに酒を注ぎ足し、一気に流しこむ。

ジョンヒ「ユン・ヤンハさんはこれからどうなるんですか?」
ヨンダル「拘束されるのだけは阻止しようとしてるんですけど、どうなるかよく分かりません」

テーブルの上に乗せたヨンダルの手を、ジョンヒは黙って両手で包み込んだ。

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ヨンダル「…。」
ジョンヒ「ヨンダルさんの気持ち、いつかはユン・ヤンハさんにも分かるはず。だから、あまり苦しまないで」
ヨンダル「…。」

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ヨンダルがじっと彼女を見ると、ジョンヒは温かく微笑みかけた。

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「おい、ホ・ヨンダル」不意に男の声が割り込んでくる。

ヨンダル「?」

大きな男が数人、ニヤニヤ笑いながら二人に近づいてきた。

ヨンダル「!」
男「お前を探すのに苦労してたんだが、早めに会えて嬉しいぞ」
ジョンヒ「…。」
ヨンダル「今はお前らの相手をする気分じゃない。戻ってコ・ボクテに無駄なマネはやめろと伝えろ」
男「(笑)ほざいてないで、表に出て来いや」

「ヨンダルさん!」彼の顔を覗き込むジョンヒに、ヨンダルは穏やかな顔を見せる。

ヨンダル「心配ないですよ」

彼は立ち上がり、男たちの先に立って歩き出した。

ジョンヒ「ヨンダルさん!」

一人残されたジョンヒは、ハッと思い出し、電話を取り出す。

ジョンヒ(電話)「ジェリー、大変よ!」

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脇道へ入ったところで、ヨンダルはゴロツキ共と向き合った。

男「会長がお前をミンチにしてやれって特別指示をお出しになってな」
ヨンダル「泣きたい心境だったが、お前らが目を覚まさせてくれた」

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「来いよ」ヨンダルの声に、一斉に男たちが飛びかかる。
鬱々と溜まっていたヨンダルのストレスが、男たち相手に爆発した。

ヨンダル「これ以上続けたら、俺は何をやらかすか分からない。早いとこ消えろ」

再び飛び掛かったものの、あっという間にヨンダルに制圧されると、男たちはあっさり逃げていく。

#はぁ~?!

ジョンヒ「ヨンダルさん!!!」

そこへジョンヒが後を追ってきた。

ジョンヒ「ヨンダルさん、大丈夫?」

「ちょっと気が晴れましたよ」ヨンダルは笑みを浮かべた。

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翌朝。
やきもきして廊下で待っているジャンスたちの元へ、ジュノが走ってくる。

ジェリー「ヨンダル兄は?」
ジュノ「ヴィラスイートにはいません。昨夜は帰ってないみたいです」
ジャンス「あぁ、マジで気が狂いそうだ!コ・ボクテが撒いたヤツらにやられたんじゃないだろうな」

「ジョンヒだ!ジョンヒに電話してみたか?」ジャンスがジェリーに尋ねる。

ジェリー「電源切ってる」
ジャンス「…。こりゃ何かあったに違いない」
ジュノ「ミン社長に一度連絡なさったらどうですか?」
ジャンス「もうした。マンボン兄貴も知らないってさ」
ジュノ「それじゃ、警察に通報したほうがいいんじゃないですか?!」
ジャンス「はぁ…」

+-+-+-+

ジョンヒの家の離れ。

窓から朝の柔らかい光が差し込んでいる。
床に敷かれた布団で、誰かがスヤスヤと眠っていた。

ヨンダルだ。

ガラガラと扉が開き、ピョンスが顔を覗かせる。
しばらく様子を窺うと、彼はヨンダルに近づいた。

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#しばらくこのまま寝かせてあげてください…。

ピョンス「お義兄さん、起きてよ、義兄さん」

「?」ピョンスの声に、ヨンダルの目がピクリと動く。

ピョンス「起きてよ、早く!起きてってば」
ヨンダル「?」

ヨンダルはようやく目を開ける。
まだ少し重い体を引きずるように、彼は起き上がった。

ピョンス「ご飯食べに来てよ」
ヨンダル「お前、さっき何て言った?」

「義兄さん」ピョンスはニヤリと笑う。

ヨンダル「…。」

「ちょっとここに座れよ」ヨンダルは手招きをし、ピョンスを呼んだ。
素直にピョンスが脇に座ると、ヨンダルは頭を撫でてやる。

ヨンダル「そうだろ?もうじきそうなるよな?」
ピョンス「俺の友達のお義兄さんはお小遣いもたくさんくれるけど」
ヨンダル「…。」

「あのジャケット、取ってくれ」ヨンダルが壁を指さすと、ピョンスが飛び上がる。
壁に掛けてあるジャケットを持ってくると、ピョンスはそれをヨンダルに渡した。

ヨンダルが懐から出したのは財布だ。

ピョンス「!」

ヨンダルは財布の中から札を一枚抜き取ると、ピョンスに差し出した。

ヨンダル「ほら」
ピョンス「ありがとうございます、お義兄さん!早くご飯食べに来てくださいね!」

ピョンスは小遣いを受け取ると、上機嫌で出て行った。

ヨンダル「あぁ、すぐ行くよ」

ヨンダルは実に分かりやすく素直なピョンスに、思わず笑った。
これが義兄ってヤツか…。なかなか悪くない。

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+-+-+-+

ヨンダルが居間へやって来ると、笑顔で待っていたジョンヒの家族と、テーブルいっぱいのご馳走が彼を迎えた。

ジョンヒ「よく眠れました?」
ヨンダル「えぇ」

ヨンダルはいつもの場所に腰を下ろす。

祖母「これはね、ジョンヒが明け方から起きて全部作ったんだよ。たくさん食べなさい」

「そんなぁ」ヨンダルの前で、ジョンヒは照れた。
ヨンダルがチラリと彼女を見上げ、遅れてジョンヒが彼をチラリと見る。
照れくさくも、二人は幸せに包まれていた。

祖母「ヨンダル君、出世したら、顔つきもまた立派になったように見えるね。ん?」
ヨンダル「今度、ホテルで美味しいものをご馳走します」
祖母「ホテルで?!」
ピョンス「♥」
祖母「おやまぁ、長生きしてると贅沢できるもんだね」

「ほら、食べよう」祖母が皿をヨンダルの前に寄せる。

祖母「ヨンダル君の好きな豚肉炒めだよ」
ヨンダル「いただきます」

そうやって、ヨンダルは久しぶりの団欒の中、ゆっくり食事を味わった。

+-+-+-+

ヨンダルが社屋へやって来ると、ジュノが驚いて駆け寄った。

ジュノ「理事!」
ヨンダル「あぁ」

#この、人に会って「うん」っていうの、ドンスと全く一緒^^ハッとした

ジュノ「どうなさってたんですか?ヴィラスイートにもいらっしゃらないし、連絡もつかないし、すごく心配したんです」
ヨンダル「バッテリーが切れてたんだ。ごめんな」
ジュノ「…何事もなかったんですよね?」
ヨンダル「あぁ。何か連絡は入ってたか?」
ジュノ「ハンチャングループのソン・ユジンさんが、連絡して欲しいそうです」

+-+-+-+

「どうなってるのよ、ホ理事!」電話の向こうのミン社長の大声に、ヨンダルは苦笑いした。

ミン社長「マンボンも私もどれだけ心配したと思ってるの?!」
ヨンダル「すみません」
ミン社長「大丈夫なの?昨夜コ・ボクテの手下に出食わしたんでしょう?」
ヨンダル「特に何もなかったですよ。心配なさらないでください。それより、コ・ボクテの問題で折り入ってご相談したいことがあるんです」
ミン社長「何?」
ヨンダル「会ってお話しします」

「分かったわ」ミン社長は電話を切った。

マンボン「無事だったんすか?」
ミン社長「えぇ。本当に良かったわ。ホ理事がコ・ボクテのことでちょっと会いたいって。この際コ・ボクテともケリをつけるつもりかしら」
マンボン「そうこなくては。やるなら確実にやるべきでしょう。いい加減に手を出しても面倒が増えるだけです」

ミン社長は頷いた。

#えっと、ずっと気になってるんですが、マンボン軍団的には昨夜結局どうなったんです?^^;

+-+-+-+

展望のいいレストランにヨンダルが入ってくる。
窓際のテーブルで待っていたユジンと隣の男性が立ち上がった。

ヨンダル「すみません。遅くなりました」
ユジン「こちらはラッキーカジノのユン・ジョンウ理事です」
ユン理事「お会いできて光栄です。ユン・ジョンウです」

「ホ・ヨンダルです」ヨンダルはユン理事と握手を交わす。

手早く挨拶を済ませると、3人は席についた。

ユジン「アンダーソングループをご存知ですか?」
ヨンダル「えぇ。アメリカのカジノグループでしょう?テジョンカジノの持ち株を売却する予定だったのが、土壇場でご破算になったと聞いていますが」
ユジン「今、ハンチャングループではアンダーソングループと投資協賛の話を進めているんです」

「ユン理事からどうぞ」ユジンに話を振られ、ユン理事が代わりに説明を始めた。

ユン理事「アンダーソンが我々ハンチャングループを通じて国内に投資する予定なんですが、その規模は100億ドルになります」
ヨンダル「100億ドルということは」

「10兆ですよ」ユジンの声が飛んだ。

ユジン「テジョンカジノで進めている永宗島の事業とは比較にもならないほど大規模だわ。だけど、アンダーソンが10兆投資するのには、条件があるんです」
ヨンダル「国内客の出入りも認めてくれということですね?」

「さすが早いですね」ユジンが笑みを浮かべる。

ユジン「私、その問題をホ・ヨンダルさんと一緒に解きたいんです」
ヨンダル「…。」
ユジン「それさえ解けるなら、ホ・ヨンダルさんと一緒に進めるわ」

+-+-+-+

シネがいつになく急いだ様子でカフェに入ってくる。
ドンスの姿を見つけると、彼女は腰を下ろすなり話し始めた。

シネ「ドンスさん、ヤンハが出てくるって」
ドンス「どういうことだ?」
シネ「ドンチョルさんがアン・チャンボン氏に頼んだのが効いたみたい。カン・サンテも何も喋らないから、捜査を続けられなくなったのよ」
ドンス「ドンウに会わなければ」

「分かったわ」シネが頷いた。

+-+-+-+

テジョングループ本社前に、一台の車が入ってくる。
車が止まると、一人の男が降りて来た。

ヤンハだ。

#はやっ!捕まってから出てくるまで25分(笑

彼は目の前にそびえる本社ビルを見上げる。

ヤンハ「…。」

入り口へと歩き出すと、やって来たシネが声を掛けた。

シネ「ヤンハ」
ヤンハ「?」

「ここにどうして?」ヤンハは驚いてキョロキョロと辺りを見回す。

シネ「あなたが出てくるって聞いて待ってたのよ。ちょっと話さない?」

微笑むシネに、ヤンハは戸惑い、ただ目を丸くした。

+-+-+-+

本社前の小さな広場で、二人はベンチに並んで腰を下ろした。

シネ「こんなに早く出られたのは、ドンチョルさんがアン・チャンボン氏を通して手を尽くしたからなの。カン・サンテを黙らせたのもドンチョルさんよ」
ヤンハ「危害を加えておいて、後で助けたから感謝しろって言うんですか?」
シネ「ヤンハ」
ヤンハ「もう一度言いますけど、僕はあの人たちと何の関係もないんです。これ以上僕の前でその話をしないでください」
シネ「…。」
ヤンハ「…。」
シネ「あなたが会わなきゃいけない人がいるわ」
ヤンハ「?」
シネ「あなたがどんな選択をしようと、それは会ってからでも遅くない」
ヤンハ「誰なんです?」
シネ「チャン・ドンス」
ヤンハ「!」
シネ「どんなに否定しても、あなたのお兄さんなのよ。会ってみなさい」
ヤンハ「…。」

370

+-+-+-+

先ほどのカフェに、今度はヤンハが入ってくる。
ドンスは同じ席で待っていた。

#何だかねぇー、店に入ってくるところからの撮り方もシネの時と全く同じってわざと?
ずっとここに座ってたのかと思うと…。御意見番みたいだね

ヤンハに席を勧めると、ドンスは切ない目で彼を見た。

371

ドンス「苦労したな」
ヤンハ「…。」
ドンス「お前が今どんな心境でいるか、シネから聞いた。十分理解するよ」

ヤンハは突っぱねるようにドンスから視線を外す。

ドンス「俺はお前に兄だと名乗る資格もない男だ。幼いお前を守れもせずに別れてしまったんだから」
ヤンハ「…。」
ドンス「けどな、ドンウ。俺たちとの関係はどんなに否定しても、親父だけは否定するな」

「…。」頑なに逸らしていたヤンハの視線は、再びドンスに注がれる。

ドンス「チャン・ジョングク。お前がどう生きようと、その名前だけは決して心から消しちゃダメだ」
ヤンハ「…。」
ドンス「今、ドンチョルを説得してるんだ。お前たちが争うのは、これ以上見ていられないから。お互いが幸せになるために、それぞれが選択した道を進むのを止めたくはない。俺は、お前の選択を尊重する」
ヤンハ「…。」
ドンス「それから、最後にお前に一つ願い事をするとしたら、お前を育てたユン・テジュン会長、あの人のようにはならないでほしい」
ヤンハ「…。」
ドンス「いつだったか、金が名誉であり、プライドであり、全てだと、俺にそう言ったよな」

「それは絶対に違う」ドンスは首を横に振った。

ドンス「金よりいくらでも大切なものがあるのに、ユン会長はお前をそう育てた。それが本当に悔しいし、辛いんだ」
ヤンハ「…。」

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ドンスは目を赤くし、大きく息をついた。

ドンス「話は全部済んだから、もう帰るよ」

ドンスが立ち上がり、店を出て行く。

ヤンハ「…。」

一人になっても、ヤンハはしばらくそこでじっと動けずにいた。

+-+-+-+

会長室で待っていたユン会長は、ヤンハが入ってくると立ち上がり、満面の笑みで彼を迎えた。
ヤンハが頭を下げるのを待ち、ユン会長は彼を抱きしめる。

ヤンハ「!!!」

373

「ご苦労だった」息子を抱きしめたまま、ユン会長はそう言った。

「お前を育てたユン会長。あの人のようには決してなるな」ドンスに言われたばかりの言葉が蘇る。
彼は大きく混乱していた。

+-+-+-+

「一体どうなったなんだ?」息子に席を勧めると、ユン会長は呑気に尋ねる。

ユン会長「予想より遥かに早く出てきたな」

「父さんがお気遣いくださったお陰です」感情のこもらないヤンハの言葉に、ユン会長は満足気に笑った。

ユン会長「とにかくご苦労だった。しばらく休んだら、テジョンカジノ代表理事に戻って、思い存分仕事をすればいい」

正面に座るキム専務が、嬉しそうにヤンハを見る。

ユン会長「お前の邪魔になるホ・ヨンダルは、私が片付けてやろう」
ヤンハ「アン・チャンボン氏はどうするんです?」
ユン会長「あの老人に弱みを握られていては、何も出来ん。私が処理しておくから、お前は気にするな」
ヤンハ「…。」

ユン会長は終始ニコヤカだ。
ヤンハの心の中に、得体のしれない不安が広がっていた。

+-+-+-+

「ユン・ヤンハが出てきたそうです」スチャンの報告にコ・ボクテは目を丸くした。

コ・ボクテ「何だと?もう出てきたとは、どういうことだ?」
スチャン「詳しい内幕は知りようがありませんが、とにかく捜査は終わったようです。会長も検察に出頭なさる必要はなくなりました」

コ・ボクテは豪快に笑う。

コ・ボクテ「人生でこんな大吉を引く日が来るとはな。いやぁ、随分肝を冷やしたが、これでスッキリしたぞ」

「今日は飲まないとな。バーに予約を入れて、ヒョン・ピルサンを呼べ」コ・ボクテは上機嫌で指示を出し、再び高らかに笑った。

コ・ボクテ「こりゃ何とも…ジャックポットで大当たりするよりいい気分だ」

#コ・ボクテも会長室から誰かに指示するだけで、すっかり蚊帳の外になったね。
会長室かバーでほくそ笑んでるシーンしかない…。まぁ、前半あれだけ目立ったから、この人はまぁこれでいいけど。

+-+-+-+

「10兆?!」ジャンスはつぶらな瞳をまん丸に見開いた。
ヨンダルは昨日ジョンヒと訪れた屋台に、今度はジャンスとジェリーと3人で来ていた。

ジェリー「10兆ってことは、ゼロがいくつだ?1,2…」
ジャンス「本当に俺たちが10兆の事業が出来るって?」

「十分に叶う夢だ」ヨンダルは頷いた。

ジャンス「あぁ、そりゃただの夢で終わったとしても、いい気分だな」
ヨンダル「…。」

「兄貴!尊敬します!」立ち上がったジェリーの頭を、ジャンスがはたいた。

ジェリー「!」
ジャンス「何だよ、気が利かねーな。(立ち上がり)愛してます!ホ・ヨンダル会長!」

3人は仲良くグラスを合わせた。
そこへジュノがやって来る。

ジャンス「おぉ!ジュノ、来たか!」
ジェリー「お前、何でこんなに遅かったんだよ」

「忙しくて」ジュノは空いた席に腰を下ろした。

ジュノ「ユン・ヤンハ代表の話、お聞きになりましたか?」
ヨンダル「いや?」
ジュノ「今日、検察を出てきたそうです」
ヨンダル「…。」

「おぉ、良かったな」ジャンスが呟く。
ジェリー「全部兄貴が手を尽くしたからだろ」

ヨンダル「(ジュノに)捜査は終わったのか?」
ジュノ「えぇ。完全に終わったそうです」

374

「…。」ヨンダルは静かに喜びを噛みしめる。
心の底から、彼はホッとしていた。

ジャンス「あのへそ曲がり、お前が自分のためにどれだけ気を遣ったか、分かってんのかな」
ヨンダル「構うもんか。出てきたんならそれでいい」

ヨンダルの言葉に、一同が黙って頷いた。
そこへヨンダルの電話がなる。

ヨンダル(電話)「あぁ、兄さん」

+-+-+-+

ドンスは落ち着いた居酒屋のカウンターに、たった一人でいた。

ドンス(電話)「ドンウのこと、聞いたか?」
ヨンダル(電話)「あぁ、たった今聞いた」
ドンス「… お前のお陰だ、ドンチョル」

「…。」ヨンダルはテーブルを離れ、屋台の外へ出た。

ドンス「ドンチョル、俺はお前に合わせる顔がないよ」
ヨンダル「何言ってんだ?兄さんが何で?」
ドンス「兄のくせに、弟のために何一つまともにしてやった試しもない」

「本当に済まない」ドンスは言葉を詰まらせた。

ヨンダル「兄さん、どうしたんだよ。酔ってるのか?」
ドンス「あぁ。ちょっとな。ドンウが出てきたから嬉しくもあるし、ドンチョル、お前のことを思ったら胸が詰まるような気もするんだ」
ヨンダル「…。」
ドンス「俺たち3兄弟がどうなるのか、それを考えるとどうにも苛立って仕方ないし、ユン・テジュンのことを考えたら… 気が狂いそうになる」
ヨンダル「…。」
ドンス「それでちょっと飲んだんだ」

「兄さん…」電話の向こうから聞こえる兄の沈んだ声に、ヨンダルは思わず呼び掛ける。

ドンス「ドンチョル…。今日みたいな日は俺… 親父にすごく会いたいよ」
ヨンダル「…。」

376

「親父…」電話の向こうの兄の声は、泣き声に変わっていた。

ヨンダル「兄さん…」
ドンス「ドンウのこと、どうすればいいんだろうな。ドンウ…」
ヨンダル「…。」

そこで不意に電話が切れた。

ヨンダル「兄さん?」

悲しみが込み上げてどうにもならず、ドンスは思わず電話を切っていた。
電話をテーブルに置き、彼は静かに涙を流す。

377

「…。」兄の悲しみを思い、ヨンダルの目からも涙が溢れた。

+-+-+-+

ヤンハは部屋で一人、グラスにウィスキーを注いだ。
一人になると、またドンスの言葉が蘇る。

「俺たちとの関係はどんなに否定しても、親父だけは否定するな」
「チャン・ジョングク。お前がどう生きようと、その名前だけは心から消しちゃダメだ」

ヤンハ「…。」

それと同時に、ユン会長が「ホ・ヨンダルは排除してやる」と言ったことも、気に掛かって仕方なかった。
ユン会長は、アン・チャンボン氏の処理は任せろ、そう言ったのだ。

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#ピカピカだけど、ガランと淋しいテーブルが、彼の人生を物語ってます…。

+-+-+-+

翌日。
テジョンカジノへ復帰したユン・ヤンハ代表理事を、職員たちが整列して迎えた。

彼は出迎えてくれた職員一人ひとりと挨拶を交わす。

#ペさんはやっぱり新しいメガネを買ったらしい。

その様子を、階上からピルサンとファランが眺めていた。

ファラン「どうなってるんです?」
ピルサン「何がだ?」
ファラン「テジョングループの後継者になるなんて言っておいて、代表理事の座も掴めないんですか?」
ピルサン「あいつ、あの座に長く座ってはいられまい」
ファラン「今回、会長の代わりに検察へ行って、会長の信頼もものすごく深まったらしいですけど?」

ファランの言葉はいつになく嫌味に満ちていた。

ピルサン「お前は会長を知らないからな。会長の体には冷たい血が流れてる」
ファラン「…。」
ピルサン「絶対に誰のことも信用しない。互いに互いを利用する関係があるだけだ」

「いよいよ俺がユン会長とユン・ヤンハを利用する番だ」連れ立って歩いて行くユン・ヤンハ一団を、ピルサンは余裕で見送った。

+-+-+-+

「午後に役員会を開きます」ヤンハはペ主任に指示を出した。

ヤンハ「ホ・ヨンダルに必ず参加するよう伝えてください」
ペ主任「はい、代表」
ヤンハ「それから明日の午前中に全職員に招集を掛けてください。今後のテジョンカジノのビジョンについて、ぜひ話したいことがあるんです」
ペ主任「準備しておきます」

そこへヤンハの電話が鳴った。
ユン会長からだ。

ユン会長(電話)「アン・チャンボンは処理した」
ヤンハ「!」
ユン会長「後はお前がホ・ヨンダルを追い出せばいい」

+-+-+-+

ヨンダルがジャンスたちと揃って出社すると、大慌てでジュノがやって来た。

ジュノ「大変です!」
ヨンダル「どうした?」
ジュノ「アン・チャンボン先生が交通事故に遭いました」
ヨンダル「!!!!!」
ジュノ「今、救急手術中ですが、危篤だそうです」
ヨンダル「病院は?」
ジュノ「ソウルのハンソン病院です」

「…。」ヨンダルは踵を返すと、全速で駈け出した。

ちょうど向こうからやって来たヤンハは、ヨンダルが急いで出て行くのを目撃する。

ヤンハ「!!!!!」

アン・チャンボン氏の件に違いない。
ヤンハに戦慄が走った。

379

+-+-+-+

ここでエンディングです。

コ・ボクテ命令のヨンダル襲撃事件が有り得ないくらいのショボさに終わった(終わったかどうかも定かではない)ことを除けば、これまでの放送回の中でも、結構見応えがあったんじゃないでしょうか。

ドンスは相変わらず表舞台には立っていませんが、それでも彼がしっかり絡んでくれると、ドラマがすごく引き締まります。
ヨンダルに電話をして泣くシーンは素晴らしかった…。こういうシーンを私は訳したいんですよね。

ドンスの話を聴いてから、頑ななヤンハに少し変化が見えたのも良かったですよね。
長男の存在感がぐんと引き立った気がします。
ラストの一件でヤンハは自分の養父の恐ろしさを思い知ることになるでしょうし、次回のヤンハの変化がとても楽しみですね。

全く期待しなくなるほど萌え台詞のないことでお馴染みのこのドラマですが、今日はこれに萌えました♪

혼자선 버티기 힘들 것 같아서 연락했어요.
一人じゃ耐えられそうになくて連絡したんです。

ではでは~

 - トライアングル ,