韓国ドラマから美しい言葉を学ぼう

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トライアングル5話あらすじ&日本語訳vol.2

   

ジェジュン、イ・ボムス、イム・シワン、ペク‥チニ出演「トライアングル」5話の後半に進みます。

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ディーラー養成クラスでは、ルーレットの台の周りにジョンヒが色とりどりのチップを丁寧に並べ、実習の準備をしていた。

「ちょっと!オ・ジョンヒ!」他の実習生たちが彼女を遠巻きに眺めていたかと思うと、乱暴に彼女を呼びつける。
ジョンヒが振り返ると、彼女たちはひょいと指を動かし「こっちへ来て」と合図をした。

#意地悪女グループって3人組が鉄則ですね^^;

1「あんたがディーラーになるって聞いて、まさかと思ったけど、ホントだったのね。どうなってんの?」
2「どうなってるって、決まってるじゃない?コネよ」
1「だから、誰のコネなのか聞いてるの。ふっ、全く…。もうディーラーのプライドも捨てなきゃ」
2「そうよね」
1「これからは犬も牛もみんなディーラーになるわよ」

「犬も牛もって」他の二人が笑う。

黙って聞いていたジョンヒが口を開いた。

ジョンヒ「先輩だって私にそんなこと言える立場じゃないでしょう?」
1「…。」
ジョンヒ「先輩がディーラーになったのは、同郷出身のウ先輩のおかげなんじゃないですか?」
1「何ですって?!」
3「この子ったら!生意気ね」
1「大した勢いだけど、どこまで行けるかしらね」
ジョンヒ「先輩の方がよっぽどだわ。お互い遊んでた過去はバレバレなんだから、こんなことやめましょ」
1「ちょっと!言いたいことはそれで全部?!」
ジョンヒ「…。」

そこへ足音が聞こえると、入り口にジョンヒの仲の良い先輩、ヒョンミが現れる。

ヒョンミ「ちょっと!あんたたち何してるの?」
3人「…。」
ヒョンミ「あんたたち、もう先輩風吹かせてるわけ?やめなさいよね」

ヒョンミが睨みつけても、彼女たちは収まりがつかなかった。

1「あんたね、生意気な真似したら、真っ赤に燃やしてやるから!」

「気をつけなさいよ」彼女たちは揃って出て行く。

ジョンヒ「先輩、燃やしてやるってどういう意味?」
ヒョンミ「虐めるってことよ。気にすることないわ」
ジョンヒ「虐めたって、やられるもんですか。私はオ・ジョンヒよ。ファンジ工高を出たオ・ジョンヒ!」

「本性が出てるわよ」ヒョンミはジョンヒをつつき、笑った。

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レッスン室のある建物の非常口を出て、階段を下ってくると、そこでジョンヒの電話が鳴った。
チャンマダムからだ。
彼女は緊張した面持ちで電話に出た。

ジョンヒ(電話)「はい、もしもし」
マダム(電話)「あたしよ。誰だか分かるわよね?」
ジョンヒ「えぇ。どうなさったんですか?」
マダム「どうしたって何よ。電話しちゃダメなの?」
ジョンヒ「いえ、そうじゃなくって」
マダム「今日から営業するから出勤していいわ」
ジョンヒ「あの…それが… 私、もうそこには行けそうにないんです」
マダム「来られないって?あんた、何言ってんのよ!」

トライアングル

#ねーさん、今日も最高っす♪

ジョンヒ「私、本物のカジノディーラーになったんです」
マダム「それはそれよ!あたしとの契約は守らなきゃいけないんじゃないの?あたしに借金があるのよ!」
ジョンヒ「研修を終えて正職のディーラーになったら、お金も借りられるそうなんです。それまで少しだけ待ってくだされば…」
マダム「(嘲笑)全くふざけた女ね!!!あんたの事情を全部飲んでやったら、あたしはどうなる?土でも掘り返して生きろっていうのかい?」
ジョンヒ「…。」
マダム「今すぐ借金を返すか、あたしと仕事するか、どっちか選びな!」

マダムは一方的に電話を切った。
「もしもし!」ジョンヒは切れた電話に困り果て、溜息をついた。

下を向いたまま、うなだれて歩き出すと、彼女はそこにいた人影に、ハッとして立ち止まる。
ヤンハだ。

ジョンヒ「あっ!」
ヤンハ「どうしてそんなに驚くんです?」
ジョンヒ「…。」
ヤンハ「電話してるのが聞こえたんだけど、私設カジノに脅迫されてるんでしょう?」

トライアングル イム・シワン
ジョンヒ「そんなんじゃありません。人のことに首を突っ込まないでください」

そう言い捨てて去っていく彼女の背中を、ヤンハは振り返った。

そこへ、ちょうど外の駐車場へやって来たヤンハの友人、ホテルの部屋へ遊びに来た女性がヤンハに気づく。
ジョンヒがいなくなった後、どこか寂しげなヤンハの様子がが気になり、彼女は彼をみつめた。

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オフィスのある一室へ理事が入ってくる。
オフィスにいた社員が頭を下げると、理事の後に先ほどの女性が続いて入ってきた。

理事「(女性を指し)新しくいらした室長だから、挨拶を」
社員1「オ・ジノです」
社員2「チャ・ユナです」
スジョン「イ・スジョンです」
理事「(スジョンに)それでは、何か必要があれば私にすぐご連絡ください」
スジョン「はい」

「お疲れ様」理事がオフィスを出て行く。

スジョン「オ・ジノさん、お願いしたいことがあるんですが」
ジノ「どうぞ」
スジョン「今回のカジノ新人研修生の中でオ・ジョンヒという人がいるんです。彼女の身の上を詳しく調べてください」

「…。」少し戸惑うと、ジノは笑顔で「承知しました」と答えた。

#何でしょう、このシーン全体の芝居のわざとらしさは。

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ヨンダルがふらりとカフェへ入ってくると、奥のテーブルにキム女史が待っていた。
彼の姿をみとめると、彼女は小さく微笑む。

キム女史「座って。久し振りね」
ヨンダル「うん」

座るなり、水の入った彼女のグラスに手を伸ばし、一口飲んで大きく息を吐くヨンダルを、彼女は静かに見つめる。

ヨンダル「兄貴に捨てられたって、さっき聞いた」
キム女史「それを聞いてあんたがどう思ったか、気になるわね」
ヨンダル「なんて言うべきかな。ちょっとすまないとも思うし、まぁ、その方が良かったって気もするし」
キム女史「あの人と別れたのは、ずっと続いてた葛藤の末よ。全部あんたのせいってわけじゃないから、悪いなんて思わなくていいわ」
ヨンダル「まぁ、それなら良かった」
キム女史「私に何か言うことはないの?」
ヨンダル「あるにはあるけど、このタイミングで言うのはちょっとな」
キム女史「何よ?ホ・ヨンダルが人の機嫌を伺うなんて。言ってみなさい」

「金貸してよ」なかなか目を合わせなかったヨンダルが、急にまっすぐ身を乗り出した。
プッと思わず吹き出したキム女史は、高らかに笑い声を上げる。

ヨンダル「…。」
キム女史「あんた、ホントに犬クズよ」
ヨンダル「(ニヤリ)」
キム女史「離婚して初めて会う私に言うこと?」
ヨンダル「いや、まぁ、俺もこっ恥ずかしいけどさ。事情が事情で」

「いいわ、お金あげる」キム女史は淡々と言い放った。

キム女史「貸すんじゃない。あげるわ。あんたが望むだけ、いくらでも」

「はははっ」ヨンダルが驚いて笑った。

キム女史「けど、条件があるわ」
ヨンダル「?」
キム女史「私と暮らしましょ」
ヨンダル「…。」
キム女史「私と一緒に暮らすなら、あんたの望みは何だって聞いてあげる」

「…。」彼はズリズリと後ろに下がり、背もたれに身を沈めると、グラスの水を飲み干した。

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「どうなった?借りられたか?」ヨンダルがカフェから出てくると、待ち構えていたジャンスが待ちきれずに尋ねた。
ヨンダル複雑な表情で首を横に振る。

ジャンス「だよな。お前のせいで離婚までしたのに、また金出したりしたら完全にバカだよ」
ヨンダル「金はいくらでもやるってさ」
ジャンス「?」
ヨンダル「その代わり一緒に暮らそうって」
ジェリー「良かった!それなら一緒に住めばいいじゃないか」

「こいつ」ヨンダルは脳天気なジェリーの頭を小突く。

ヨンダル「俺は犬コロか?誰とでも一緒に暮らすなんて」
ジャンス「(笑)おいおい、ヨンダル、笑わせんなよ。お前、犬じゃないかぁ」
ヨンダル「…。」
ジャンス「犬クズ、犬◯◯、犬☓☓、犬ジャンス(犬売り)!だから俺とお前はダチなんだ。黙って一緒に暮らせばいいのに、どうしたんだよ?」
ヨンダル「俺の名前の前についてる犬の文字、もう取っ払いたいな…」

※韓国語では無駄なものやつまらないものに対し、”犬”をつけます。

ひとりごとのように呟くと、ヨンダルは二人を置いて去っていく。

ジャンス「あいつ、悪いもんでも食ったか?」
ジェリー「だよな」

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ドンスたち広域捜査隊のメンバーはチョンジン開発からの押収品の調査に集中していた。

ドンス「不審な点は一つも見逃さずに調べろ」
ミン刑事「関係者の召喚捜査はいつからやりますか?」
ドンス「とにかく資料から全て調べてからだ」

今度こそ失敗するまい。ドンスはいつになく慎重だった。
ジンが咳払いをして、小さく手を上げる。

ジン「あの… 正直、再開発地域のヤクザ者たちについてはこれまでも警察で調べつくしてますよね。今更また調べるのは…恥ずかしいんですけど」
ドンス「恥ずかしがることはない。この機会に根を全部掘り出すんだ」

「余計なこと言うな」そう言いたげに、タク刑事がジンを睨んだ。

そこへ隊長が様子を見に来る。

ドンス「今度はひっくり返せないはずです」
隊長「お前、その言葉、一度や二度じゃないぞ。今度こそ失敗せずに上手くやれ」
ドンス「…はい」

そこへ顔を見せたのは、シネの父、ジョンマンだ。

ジョンマン「チャン班長に会いに来たんだ」
隊長「ドンスに?」

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「こんにちは」ジョンマンが入ってくると、料理屋の女主人は目を丸くし、エプロンで手を拭くと、彼の手を両手で握りしめた。

女主人「あらまぁ、隊長さん!いつ以来かしら!」
ジョンマン「久しぶりだなぁ、パ・ジュテ」
女主人「本庁に移られたそうですけど、ご立派になられましたねぇ」
ジョンマン「カカシの風采だよ」

ジョンマンは席につくと、懐かしそうに店を見渡す。

ジョンマン「久し振りにパ・ジュテ特製のクッパを食べたいな」
女主人「はい!少しお待ちくださいね」

女主人が厨房へ下がる。

ドンス「一杯召し上がりますか?」
ジョンマン「いやいや、勤務時間だからな」
ドンス「呼んでくだされば、僕が行きましたのに」

「…。」ジョンマンの表情から笑みが消える。

ジョンマン「お前に頼みがあって来たんだ」
ドンス「おっしゃってください」
ジョンマン「ドンス…」
ドンス「はい」
ジョンマン「私の口からお前にこんなことを頼む日が来るとは、自分でも思わなかった。だが、仕方がないんだ」
ドンス「?」
ジョンマン「今、お前が捜査しているチョンジン開発の件、伏せてくれ。」
ドンス「…。」
ジョンマン「理由は訊かないでほしい。何も言ってやれないんだ。俺に免じて、一度だけ伏せてほしいんだ」
ドンス「…。」

ジョンマンの言葉に、ドンスは何も言えず深い溜息をついた。

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自宅でトランプの練習をしながら、ジョンヒは憂鬱だった。
電話の向こうで怒っていたチャンマダムの言葉が頭から離れなかったのだ。

「全くふざけた女ね!」
「すぐ借金を返すか、あたしと仕事するか、どっちかよ!」

ジョンヒが溜息をついたところへ、祖母が入ってくる。

祖母「何かあったのかい?浮かない顔して」
ジョンヒ「(ニッコリ)ううん。何でもないよ」
祖母「あたしゃ騙されないよ。どうしたんだい?」
ジョンヒ「…。」
祖母「早く言ってみなさい」
ジョンヒ「…。お祖母ちゃん」
祖母「うん」
ジョンヒ「どこかお金貸してくれるところ、ない?」
祖母「お金?」
ジョンヒ「(頷く)」
祖母「ちょっと!そんなところがあったら、とっくに借金返してるよ」
ジョンヒ「…。」
祖母「どうしたんだい?お金をどうして?」
ジョンヒ「(ニッコリ)ううん。訊いてみただけ」

祖母は訝しげにジョンヒを見つめる。

+-+-+-+

ジョンヒが母屋の外へ出てくると、ちょうどそこへヨンダルが帰ってくる。

お互い頭を下げると、ヨンダルはぎこちなく口を開いた。

ヨンダル「バイクが必要なときは、いつでもおっしゃってください」
ジョンヒ「えぇ。あのときは焦っていて、すみません」
ヨンダル「(笑顔)ディーラー研修はどうでした?まぁ、全部知ってることだから退屈でしょう?」

「えぇ、ちょっと」ジョンヒは微笑み、俯いた。

ジョンヒ「あの… 私設カジノのチャンマダムと親しいんですか?」
ヨンダル「えぇ、そうですね。何でです?」

「あの…」ジョンヒは話を切り出そうかとしばらく躊躇うと、「いいんです」と笑った。

「では」頭を下げると、ジョンヒは彼の横をすり抜けて出て行く。
ヨンダルは静かにジョンヒを振り返った。

#「全部知ってることだから退屈でしょう?」なんて気の利いたことを言えるあたり、
とても健全なコミュニケーション能力を持ってますよね、彼は。

+-+-+-+

「忙しい?」キム女史が事務所を覗くと、チャンマダムは顔を輝かせて立ち上がった。

マダム「外国に旅に出たって聞いたけど、いつ戻ってきたの?」
キム女史「昨日よ」
マダム「独身に戻ってどんな気分?」
キム女史「そうね。瘤がスッと消えて、10年ぶりに呪いから解放された気がするわ」

「わぁ」マダムは思わず手を叩いた。

マダム「お姉、本当におめでとう!一杯やらなきゃね」

さっそくテーブルにウィスキーや焼酎が並ぶ。

マダム「これからどうするの?」
キム女史「本格的に金貸しをやろうと思って」
マダム「金貸し?」
キム女史「あんた、カジノに来る上客をたくさん知ってるわよね」
マダム「そりゃね。お姉に全部紹介してあげるわ。心配しないで」

二人は微笑んでグラスを合わせた。

キム女史「ヨンダルはよく来るの?」
マダム「お姉、まだあいつのこと忘れられないわけ?」
キム女史「私も気がおかしくなりそうよ。何で未練を捨てられないのか」
マダム「不思議でたまんないわ。あたしにとっちゃ天下のチンピラなのに、お姉がそんなに執着するなんて、一体どんな魅力があるわけ?」
キム女史「あんたも一度付き合ってみなよ。そうすれば私の気持ちが分かるわ」

そこへドアが開き、マンガンが顔を覗かせた。

マンガン「チャンマダム、お客だよ」
マダム「誰?」
マンガン「来てみなって」

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マダムが賭博場へ来てみると、あるテーブル席に腰掛けている男性の後ろ姿に気づく。

マダム「誰?」
マンガン「お若い方が会いにいらしたんだ」

二人の気配に、待っていたヤンハが振り返った。
彼に気づくと、マダムは「あぁ」と笑顔になり、会釈する。

マダム「まだ営業時間じゃないんです」
ヤンハ「今日はゲームしに来たんじゃないんです。話があって」
マダム「私に?何です?」
ヤンハ「ジョンヒさん、ここに借金がありますよね」
マダム「…あぁ、えぇ」
ヤンハ「(頷く)その借金、僕が代わりに返しましょう」
マダム「!」
マンガン「うちの利子は高いんだけど」
ヤンハ「だから、ここで働けと強要なさらないでください」
マダム「強要なんてしてませんけど…」

落ち着き払ったヤンハを、マンガンがじっと見つめた。

+-+-+-+

ゴールドの社長室で、ミン社長は電話の相手に釘をさしていた。

ミン社長(電話)「今度は失敗のないようにするのよ。私の性格、わかってるわよね」

そこへ大柄の男が入ってくる。

男「姐さん!僕です!」
ミン社長「あら!あんた、ヒョンタクじゃない!」
ヒョンタク「元気でいらしたんでしょう?」
ミン社長「久し振りだわ!」

二人は久しぶりの再会を喜び、ソファに腰を下ろした。

ミン社長「あんた、未だに闘犬場に出入りしてるの?」

そう、以前、闘犬賭博でドンスに捕まった男だ。

ヒョンタク「何をおっしゃってるんですか。足洗いましたよ。兄貴の面会に行ったら、姐さんに一度会いに行けって。それで来てみたんです」
ミン社長「ただでさえ人が必要だったのよ。ちょうど良かったわ」

「姐さん」ヒョンタクがにわかに真顔で切り出す。

ヒョンタク「ひょっとしてホ・ヨンダルってご存知で?」
ミン社長「この街でその名を知らなきゃモグリね。あいつがどうかしたの?」

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ヨンダルがビリヤード場に顔を出すと、ジャンスたちが楽しげにプレーしているところだった。

ジャンス「おい、ミン社長が探してたぞ」
ヨンダル「ミン社長って誰だ?」
ジャンス「ゴールドのミン社長だよ」
ヨンダル「…。何で俺を?」
ジャンス「知らねえよ。早く行ってみな、急用みたいだった」

+-+-+-+

ミン社長の社長室では、まだヒョンタクとミン社長の話が続いていた。
ノックの音がすると、ヨンダルが入ってくる。

ヨンダル「僕をお探しですか?」
ミン社長「えぇ。とりあえず座りなさい」

ヨンダルは開いているソファに腰を下ろす。

ミン社長「あんた、コ・ボクテ会長を知ってるわよね」
ヨンダル「はい」
ミン社長「なぜ知ってるの?」
ヨンダル「話せば長くなります。コ・ボクテ会長に俺の名前を知ってもらうのに、随分代償を払いましたから」
ミン社長「コ会長、あんたのこと気に入ったみたいだわ」
ヨンダル「?」
ミン社長「あんたのやること、後押ししてくださるそうよ」
ヨンダル「!」

ヨンダルは身を乗り出した。

ヨンダル「それ、本当ですか?コ会長が僕を認めてくださった… そういうことですよね?」
ミン社長「そうよ。必要なことがあれば何でも言いなさい」

+-+-+-+

外へ出てきたヨンダルは、ふらふらと歩きながら、込み上げてくる喜びを隠せずにいた。
立ち止まり、しっかりしろと自分の頬を叩く。
再び、今度はしっかりとした足取りで彼は歩き出した。

+-+-+-+

ビリヤード場に戻ってくると、ジャンスが心配そうに声を掛けた。

#ヨンダルは嬉しい知らせがあるとき、絶対嬉しそうに現れないよね。

ヨンダル「ジェリー」
ジェリー「ん?」
ヨンダル「夢は何だって?」
ジェリー「?…か、叶う」

「大~韓民国!」ヨンダルの突然の掛け声に、みながつられて手を叩く。

ヨンダル「ジェリー!俺が悪かった!」
ジェリー「何だよぉ?」
ヨンダル「お前の言うとおりだ。夢は叶うんだ!」

039

がっしりと掴んだジェリーの頭を乱暴に放り出すと、今度はジャンスの前へ。

ヨンダル「ジャンス」
ジャンス「ん?」
ヨンダル「コ・ボクテ会長が俺を認めたぞ」
ジャンス「!」
ヨンダル「天下のコ・ボクテが、このホ・ヨンダルを後押ししてくれるってよ!!!」
ジャンス「ホントかよ!!!」
ヨンダル「そういうことだ!!!」

三人は抱き合って飛び上がった。

+-+-+-+

ユン会長はキム議員と共にゴルフ場を回っていた。

ユン会長「謝礼はうちのキム常務からお渡ししますよ」
キム常務「私が議員会館を直接お訪ねします」
キム議員「いいえ。人の目もあるから、秘書を寄越してください」

クラブハウスから出てきたのはコ・ボクテだ。
彼は3人に気づくと「おやおや」とサングラスを外した。

コ・ボクテ「ユン会長」

コ・ボクテの顔を見て、キム議員は慌てて目をそらす。

ユン会長「久し振りだな」

ユン会長も明らかに歓迎しない様子で背を向けた。

コ・ボクテ「キム議員もお元気そうで」
キム議員「あぁ、えぇ。(ユン会長に)夕食の約束があるので先に失礼しますよ」

キム議員は逃げるようにその場を後にした。

コ・ボクテ「(ユン会長に)少しお時間をいただけますか?」

+-+-+-+

ゴルフクラブのカフェに二人はいた。

コ・ボクテ「たいそう大きな構想を描いていらっしゃると聞きました」
ユン会長「大きな構想?そりゃどういう意味かね?」
コ・ボクテ「永宗島の複合リゾート建設計画ですよ」
ユン会長「それを君がどうして知っている?」
コ・ボクテ「私が食っていけるのは人より優れた情報力のお陰ですから」
ユン会長「…。まだ準備段階だ。口に気をつけろ」
コ・ボクテ「口に気をつけるどころか、私の口をギュッと閉じさせる、簡単な方法があるじゃないですか」
ユン会長「…。」
コ・ボクテ「私も会長の大きな構想の一端に加えてください」
ユン会長「無理だ。君がでしゃばるような問題じゃない!」
コ・ボクテ「…。」

ユン会長を見据えるコ・ボクテの目が厳しくなる。

コ・ボクテ「会長と私の縁はその程度だったんですか?実に寂しいですね」
ユン会長「私を脅迫しているのか?」

コ・ボクテは愉快そうに笑う

コ・ボクテ「会長がそう感じられたなら、きっとそうなんでしょう」

+-+-+-+

コ・ボクテの前では辛うじて余裕の態度を通したものの、帰りの車の中で、ユン会長は憂鬱極まりなかった。

コ・ボクテとユン会長の縁は遠く遡る。

~~舎北の炭鉱にて~~

「悪徳社長はやめろ!」「鉱夫も人間だ!」
鉱夫たちは、当時炭鉱業を営んでいたユン社長を縄で縛り、彼を引き連れてデモを行った。

「生存権を保証しろ!」

彼らはユン社長を柱に括りつけて、丸く取り囲み、叫び続ける。

そして…

ユン社長は当時舎北のゴロツキだったコ・ボクテに事態の収拾を求めたのだ。

ユン社長「主導者を処理してもらいたい」
コ・ボクテ「チャン・ジョングクですか?」

「消せ」ユン社長は頷いた。

~~~~

広域捜査隊の面々まだ調査を続けていた。

タク刑事「去年の7月、チョンジン建設に渡った資金がいくらだったか、確認してくれ」
ジン「はい」
タク刑事「どうにもこりゃ臭うぞ。コ・ボクテが裏金に使った可能性が高い」
イ刑事「これまで把握した裏金だけでも120億を超えます」
ミン刑事「資金の流れを見ると、まだ隠してある裏金があるのは明らかですね」

彼らと離れ、ドンスはじっと自分のデスクに向かっていた。

タク刑事「その裏金を海外に送るかもしれん」
ジン「それなら私が7月から年末までの分を調べてみます」

ドンスの頭のなかを、ジョンマンの言葉が渦巻いていた。

「お前が捜査しているチョンジン開発の件、そのまま伏せるんだ」
「理由は訊くな。何も言ってやれないから」
「俺に免じて、一度だけ伏せてくれ」

真面目で優しいジョンマンが、彼にそう話す苦々しい表情が頭から離れない。
ドンスの中で沸々と怒りが湧き上がった。

040

次の瞬間、ドンスは突然雄叫びを上げ、暴れ出した。
机の上の物をなぎ倒し、モニターを掴んで叩き割る。
刑事たちが慌てて駆け寄り、ドンスを羽交い締めにした。

ドンス「…。」
ジン「どうなさったんですか、班長?!」
ドンス「…。親父の命日だから、先に帰る」

ドンスは自分が暴れた後の残骸の上を、出口へと向かう。

ジン「法事の準備、お手伝いしましょうか?」

ドンスの背中には何も届かない。
彼の背中を見送り、刑事たちは茫然とため息をついた。

ジン「いかれてるわ、ホント」

+-+-+-+

ドンスは自室の隅に準備を整え、正装すると、父に祈りを捧げた。
遺影の写真は…チャン・ジョングク。デモの中心人物だった男性だ。

彼は遺影の中の父をじっと見つめた。

ドンス「…。」

+-+-+-+

コ・ボクテの側近に連絡が入る。

側近「会長、チョンジン建設の件、解決したそうです」
コ・ボクテ「俺が何て言った?心配するなと言ったろ」

「ははは」コ・ボクテは静かに笑い声を上げた。

コ・ボクテ「チャン・ドンスのヤツ、頭に血がのぼってるだろうな」

そこへ若者が一人、コ・ボクテの前に踊りでた。
ヨンダルだ。
急いで間に入った護衛を、コ・ボクテが下がらせる。
ヨンダルは緊張した様子で息を整えた。

コ・ボクテ「お前、ホ・ヨンダルじゃないか」
ヨンダル「はい、会長」

ヨンダルはその場に跪いた。

コ・ボクテ「?」
ヨンダル「僕を認めてくださり、本当にありがとうございます!会長のためなら何でもやります」
コ・ボクテ「…。」
ヨンダル「やれとおっしゃれば何でも… 命だってかけます!」

ニヤリと笑うと、コ・ボクテは「立て」と手を差し伸べる。
ヨンダルは立ち上がり、姿勢を正した。
コ・ボクテがヨンダルの間近に足を進める。

コ・ボクテ「お前、俺に言われれば何でも出来るか?」
ヨンダル「はい、会長」
コ・ボクテ「広域捜査隊に捕まったらしいな」
ヨンダル「…はい」
コ・ボクテ「それならチャン・ドンスを知ってるだろう」
ヨンダル「…はい」
コ・ボクテ「お前、俺の命令ならチャン・ドンスのヤツを刺せるか?」

「…。」ヨンダルの視線がゆっくりとコ・ボクテへと降りてくる。

ヨンダル「え?」

戸惑うヨンダルに、コ・ボクテは黙って口角を上げた。

+-+-+-+

ヨンダルとコ・ボクテが話している向こうから、階段を上がって誰かが近づいてくる。
チャン・ドンスその人だ。

コ・ボクテが最初にドンスに気づくと、護衛たちがドンスめがけて走りだした。

ドンス「(コ・ボクテの護衛に)殴られたくなけりゃ退け」
コ・ボクテ「せっかくのお出ましだ。退いてさしあげろ」

護衛たちがドンスの前を退くと、ちょうど振り返ったヨンダルがドンスに気づく。
ヨンダルは素知らぬ顔で顔を逸らした。

コ・ボクテ「無駄骨を折らせて実に申し訳なかったな」
ドンス「コ・ボクテ、よく聞け。いくら窮地に陥ったとしても、絶対に…絶対に超えちゃいけない一線を、お前は超えたんだ」
コ・ボクテ「…。」
ドンス「生涯、たった一度も欲張ることなく、ひたすら名誉一つで踏ん張ってこられた方の人生を汚した。絶対に…絶対に俺が許さない」

背中越しにドンスの言葉を聞くヨンダルがひそかに唾を飲み込んだ。

041

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ここでエンディングです。ゼェゼェ

ヨンダル、野望と情の間で揺れることになるんでしょうか。
今日はクク刑事が出てこなかったので殺伐としてましたわん♪

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