トライアングル13話あらすじ&日本語訳vol.2
ジェジュン、イ・ボムス、イム・シワン、ペク‥チニ出演「トライアングル」13話の後半に進みます。
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廊下を歩いてきた男性が一人、エレベーターに乗る。
ドアが閉まりかけた時、男がもう一人乗り込んだ。
帽子を目深に被り、俯いている男に、最初に乗った男性は警戒心を見せる。
「イ・ヒョングンさん」後から乗った男が口を開いた。
ドンスだ。
ヒョングン「あんた何だ?」
ドンスはその瞬間、隠し持った機械でヒョングンに電気ショックを与えた。
小さく呻き声を上げ、ヒョングンはその場にフラフラと倒れる。
あっという間の出来事だった。
+-+-+-+
気づいた時、ヒョングンは薄暗い部屋の中で椅子に縛られていた。
顔を上げると、無表情で見下ろしているドンスの姿に、彼は凍りつく。
ヒョングン「あんた何なんだ?!」
ドンス「…。」
ヒョングン「ここはどこだ?私が誰だか知っててやったのか?」
ドンス「よく知ってる」
ヒョングン「知ってるくせに…死にたいのか?!」
ドンス「死ぬ?そうだな、思い通りにならなければ死ぬ覚悟だ」
ヒョングン「…。」
ドンス「だが、俺の思った通りになるし、あんたは俺の言う通りするしかない」
ヒョングン「!」
ヒョングンは後ろで縛られた手を解こうと、もがいた。
ヒョングン「お前、誰だ?」
「これだ」ドンスは手に持った封筒を掲げてみせると、ヒョングンの方へ放り投げた。
ヒョングン「?!」
ヒョングンの足元に落ちた封筒の口から、中にはいった写真や資料が見えている。
ドンス「あんたの過去がみんな入ってる」
ヒョングン「!」
ドンス「権力で俺を殺したいだろうな」
ドンスはフッと鼻で笑う。
ドンス「だが、それが世間に出れば、あんただって耐えるのは難しい」
ヒョングン「…。」
ドンス「犯した悪事は権力でもみ消せるが、あんたの卑猥で汚い性嗜好を家族が知ったら、どうやってもみ消す?」
ヒョングン「!!!」
「よく聞け」ドンスが畳み掛ける。
ドンス「テジョンカジノで働いてるあんたの一人娘、名はイ・スジョンと言ったな。我が娘より若い女と遊んでいる写真から、世にぶちまけてみるか?」
ヒョングン「望みは何だ?」
ドンス「…。」
+-+-+-+
ジェリーはジュノから小さく畳んだ書類を受け取った。
ジュノ「予約ルームの顧客リストですよ」
ジェリー「OK、ありがとうな」
ジュノ「この間のVIP顧客名簿とこれ、何に使うんですか?」
ジェリー「これはな、お前にとっちゃ大したもんじゃないが、俺たちには金になるんだ」
ジュノは怪訝な表情でジェリーを見つめる。
ジェリー「また酒おごるからさ」
ジュノ「いつも口ばっかだ」
ジェリー「今度はホントだって!ジャンス兄貴がおごってくれるからさ」
#とにかく言いたいことは「ジ」の名前が多すぎるってことだ。
+-+-+-+
「君に取り締まってもらわないとな」ペ主任は女性主任に漏らした。
女性主任「取締りって?」
ペ主任「ソウルのラッキーカジノが、うちのディーラーを引き抜こうとしてるって情報がある。給料もいいし、あっちにたくさん流れるぞ」
「それなら私も移りたいわ」女性主任が腕組みをする。
ペ主任「何で?」
女性主任「最近息が詰まってどうしようもないんです。本部長、殺伐とし過ぎじゃないですか?」
ペ主任「それも仕方ないさ。集団訴訟のことで会長の雷が落ちたらしいからね」
「?」ペ主任は前方にいるジュノに目を留めた。
エレベーターの前で、彼はジェリーと何やら言い合っているのだ。
女性主任「?」
ペ主任「先に行ってて」
女性主任が立ち去ると、ペ主任は表情を引き締めた。
「オ・ジュノさん!」ペ主任の低く厳しい声に、ジュノが驚いて振り返る。
「じゃあな」ジェリーはそそくさといなくなった。
ペ主任「あいつ、ホ・ヨンダルの子分じゃないか。お前、あいつと何で会ってるんだ?」
ジュノ「地元の先輩なんです」
ペ主任「…。お前、ホ・ヨンダルが最近どうしてるか知ってるか?」
+-+-+-+
「分かりましたか?」ヤンハが椅子から体を起こした。
ペ主任「はい。担保貸の利子を受け取って暮らしているそうです。刑務所に入る前と同じく、オ・ジョンヒさんの家に間借りしていまして」
ヤンハ「確かですか?」
ペ主任「はい。ところで、何のためにお調べに?」
ヤンハ「何でもありません」
ペ主任が退室すると、ヤンハは考えに耽った。
「チャン・ドンスは毒蛇同然です。下手に触って噛まれれば、コ会長も僕も死に至るかもしれません」
「それなら一撃で終わらせる蛇使いが必要だ」
「ホ・ヨンダルが出所する時期です」
ヤンハは電話を手に取った。
電話の向こうでコ・ボクテが応答する。
ヤンハ(電話)「ホ・ヨンダルが出所したのはご存知ですか?」
コ・ボクテ(電話)「あぁ。それが、ムショから戻ってきたら使い物にならないクズになってるってな、チャン・ドンスの蛇使いにするには問題がある」
ヤンハ「そのクズが目障りなんです。コ会長が処理してください」
コ・ボクテ「分かった。君の頼みなんだ。それくらいやらないとな」
コ・ボクテは電話を切ると、苛立ちを見せた。
コ・ボクテ「こいつ、何でこうホ・ヨンダルに執着するんだ?(側近に)ホ・ヨンダルを連れて来い」
+-+-+-+
イ・ヒョングンが入ってくると、ユン会長は立ち上がって歓迎した。
「お元気で?」「我々の事情はよくご存知でしょう」簡単な挨拶を済ませ、席につくと、ユン会長は早速本題に入る。
ユン会長「さっそくこんなことを申し上げるのは心苦しいのですが、イ会長の助けが必要なんです」
イ会長「永宗島事業のことですか?」
ユン会長「えぇ。アンダーソングループへの持ち株売却契約がダメになり、永宗島事業の資金繰りが厳しくなりましてね」
イ会長は厳しい表情で息をつく。
ユン会長「イ会長にお力添えをいただきたいんです」
イ会長「申し訳ないが、私は手を引かなければ」
ユン会長「!いや、それは突然どういうことなんです?」
イ会長「今、困った状況にありまして。ご理解いただきたい」
ユン会長「…。」
+-+-+-+
会長室を出ると、イ会長は電話を取り出した。
イ会長(電話)「あんたの言う通りにした」
電話の相手はドンスだ。
ドンス(電話)「念のために警告しますが、間違っても良からぬ考えを起こしませんよう。テジョンカジノとの関係を綺麗さっぱり整理しなければ、自ら墓穴を掘ることになりますよ」
+-+-+-+
シネがやって来ると、ドンスは店で一人、酒を煽っていた。
シネ「ドンスさん」
ドンス「あぁ、シネ」
シネ「どうしてそんなに飲んだの?」
空いたグラスに酒を注ぎ足し、ドンスがテーブルに置いた瓶が虚しい音を立てた。
ドンス「イ・ヒョングン相手に卑劣な脅迫をした。俺の思い通りになったのに… 何でこう気分が腐ってるんだろうな」
シネ「…。」
ドンス「悪魔と手を組めば、何だって出来ると思ってた。それなのに、酒に頼らなきゃ耐えられそうにない」
「ドンスさん」虚ろな彼を見つめるシネの目は、どこまでも悲しげだった。
悲しみに耐え切れず、ドンスは拳でテーブルを叩く。
「ハンパなヤツ!」彼は自らをなじった。
ドンス「こんな情けなくて気弱なヤツに何が復讐だ!!!」
恥ずかしげもなく泣くドンスに、シネは涙をこぼした。
テーブルの縁に置いた彼の手に、彼女はそっと自分の手を重ねる。
何も言わず、彼女はただそうして彼に寄り添った。
+-+-+-+
ヨンダルがコ・ボクテの部屋に入ってくると、コ・ボクテは笑って彼を迎えた。
「久しぶりだな」ヨンダルを抱き寄せ、背中を叩いて再会を喜ぶ。
ヨンダル「…。」
コ・ボクテ「お前な、困ったことが起きたらすぐ俺に連絡しなきゃダメだろ。お前がムショに行ったこと、知らずにいたんだぞ」
「こっ恥ずかしくて連絡出来ませんでした」彼は本心を隠し、穏やかに答える。
ヨンダル「申し訳ありません」
コ・ボクテ「俺の言ったこと忘れたか?俺はお前の兄貴だ。何を恥ずかしがることがある?」
ヨンダルが笑って俯くと、コ・ボクテも笑う。
コ・ボクテはヨンダルに席を勧めた。
コ・ボクテ「出所してかなり経つんだって?」
ヨンダル「はい」
コ・ボクテ「今何をしてるんだ?」
ヨンダル「どうにかこうにかやってます」
「お前は俺の部下だぞ」コ・ボクテの声が飛ぶ。
コ・ボクテ「どうにかこうにか暮らせればいいのか?いい暮らしをすべきだろ」
ヨンダル「…。」
「ヨンダル」コ・ボクテが身を乗り出し、ヨンダルの顔を覗きこんだ。
コ・ボクテ「お前はまだ俺の部下だ。俺を信じるよな?」
ヨンダル「会長の下にいるには、自分は器が小さすぎます」
コ・ボクテ「…。」
「こいつ、学校でぼんやりしてたようだ」コ・ボクテがぼやく。
コ・ボクテ「勉強して来たなら成長が見て取れるはずなのに、お前、エラく自分を卑下するようになったな」
ヨンダル「…。」
戻ってきたヨンダルは、コ・ボクテにとっても掴みどころがなくなっていた。
+-+-+-+
ふらりと会長室を出てきたヨンダルは、しばらく歩くごとに眼光が鋭くなり、足取りが確かになる。
彼は上手く周囲を欺いていた。
#あれですね。毎日ふらふら遊び歩いて「仇討ちするつもりなんかないんだ」と周囲を欺いた大石内蔵助の作戦です^^
+-+-+-+
「どう思う?」ヨンダルが帰ると、コ・ボクテは側近に意見を求める。
側近「あいつにチャン・ドンスをやらせるのは難しいでしょう」
コ・ボクテ「(頷く)俺も同感だ。ギラギラしてた眼が腐ってる。すっかり変わったな」
側近「…。」
+-+-+-+
女性主任に呼ばれ、ジョンヒは静かな休憩室のテーブルへやって来る。
主任「ひょっとしてソウルのラッキーカジノから連絡がなかった?」
ジョンヒ「それをどうして?」
主任「ディーラーへのスカウトはカジノ側にすれば一番困った問題なの」
主任の口調は穏やかだ。
主任「あなたはこの間のディーラーカジノ大会で優勝したんだから、当然スカウトの対象だろうと思ったわ」
#ええっ?ジョンヒが代表で出るって言ってた大会のこと?もう終わったの?そして優勝なの?(゜Д゜)
#何なの、その大会ー(棒読み
ジョンヒ「…。」
主任「正式に提案があったの?」
ジョンヒ「いいえ。ヒョンミ先輩を通して、一度会おうって誘われただけなんです」
主任「どうするの?」
「まだ…よく分からなくて」ジョンヒは素直に迷いを口にする。
主任「あなたが判断することだけど、慎重に判断してね」
ジョンヒ「…。」
主任「目の前の条件だけで動くような人に、幹部まで出世した人はいないわ。全部あなたのためを思って言ってるの」
ジョンヒ「はい。心掛けます」
「本部長が呼んでたわよ」話が終わると、主任はそう告げた。
ジョンヒ「…。」
+-+-+-+
ジョンヒが入ってくると、ヤンハは上機嫌で席を勧める。
彼は用意していた封筒を大切に持ってくると、彼女の前に差し出した。
ジョンヒ「何ですか?」
ヤンハ「カジノ大会で優勝したらラスベガスに行かせてあげるって約束だったでしょう?」
「ラスベガス1週間旅行のチケットですよ」ヤンハは微笑んだ。
ジョンヒ「あぁ」
「ありがとうございます」ジョンヒは封筒を手に取り、笑顔で頭を下げる。
少し間を置いて、ヤンハが切り出す。
ヤンハ「1ヶ月すれば僕も投資誘致の件でラスベガスに行かなきゃならないんです。一緒に行きましょう。案内してあげますよ」
ジョンヒ「え?」
ヤンハ「何です?僕と行くのはイヤですか?」
ジョンヒ「い、いえ… 考えても見なかったから」
戸惑うジョンヒに、ヤンハはただ微笑んだ。
+-+-+-+
ユン会長は一人、考え込んでいた。
イ・ヒョングンの件は慎重に対処する必要があったのだ。
~~イ・ヒョングンが訪ねてきたときのこと~~
イ会長「済まないが、私は手を引かなかれば」
ユン会長「突然どういうことなんです?!」
イ会長は気まずそうに切り出した。
イ会長「チャン・ドンスをご存知でしょう」
ユン会長「…。」
イ会長「その男に脅迫されているんです」
ユン会長「イ会長がそんなヤツの脅迫に屈するなど有り得ますか!」
イ会長「ユン会長もご存知のように、私は叩けば埃の出る人間です。あの男がその気になれば避けようがない」
~~~~
ユン会長「…。」
そこへノックの音が響き、誰かが入ってくる。
ユン会長に呼ばれてやって来たコ・ボクテだ。
コ・ボクテ「何のご用です?」
ユン会長「昔、ドンジン炭座の時代だ。チャン・ジョングクの企てたストライキは私の人生最大の危機だった。その危機を解決してくれたのは君だったね」
コ・ボクテ「…。」
コ・ボクテは俄に警戒を強める。
ユン会長「今やその息子がさらなる危機を生み出した」
コ・ボクテ「チャン・ドンスのことですか」
ユン会長「今回も君に解決してほしい」
「これ以上放ってはおけない」ユン会長の声が低くなった。
コ・ボクテ「!」
#コ・ボクテがすでにドンスをやっつけようと思ってたのに、今度はその上のユン会長からコ・ボクテに指示が出るとは…。
命令系統がどうなってるのか、「何か無駄な矢印が多くないか?」とぼんやり考えてしまう。
+-+-+-+
ドンスはソウルの屋上部屋で父の祭祀を行っていた。
#この部屋まだあったんだ!と思った人、手ぇ上げて!(笑)
今日も小さな部屋の隅に祭壇を用意し、正装して拝む。
それが終わると、彼は床に座り込んで父の遺影を見つめた。
ずっと続いてきた光景だ。
そこへ…
玄関の扉が開く。
ドンス「?」
ヨンダルだった。
彼は入ってすぐ祭壇に気づき、驚いた様子でドンスを見る。
ドンス「親父の祭祀だ。入れよ」
ヨンダルは中へ入ると、遺影の写真をじっと見つめた。
ヨンダル「…。」
なぜだか彼には分からない。それでも、彼は遺影の写真から目が離せなかったのだ。
ドンス「親父の亡くなったのは、今の俺の年齢だ」
ヨンダル「…。」
ドンス「あまりに若すぎた」
ヨンダル「班長さんがお父さん似だからかな。遺影の写真、初めて見る気がしませんね」
「座れよ」小さく頷くと、ドンスは声を掛けた。
ドンス「ソウルに用事か?」
ヨンダル「コ・ボクテに会いに来たんです」
ドンス「コ・ボクテになぜ?」
ヨンダル「人まで寄越して俺を探してたんです」
ドンス「何か言われたのか?」
ヨンダル「見え見えですよ。お前はまだ自分の部下だって」
ドンス「それで、何て答えた?」
「困った振りしたんです」ヨンダルは笑う。
ヨンダル「部下になるには、自分は器が小さすぎるって」
ドンス「それを信じたのか?」
ヨンダル「俺、そういう才能はあるんですよ」
ドンスもようやく笑った。
ドンス「計画は?上手く行ってるか?」
ヨンダル「えぇ。班長さんは?」
ドンス「ユン・テジュンに一発食らわせた。今回はかなりダメージを受けるはずだ」
ヨンダル「…。」
二人の会話はとても穏やかで、静かだった。
+-+-+-+
テジョンカジノへやって来たチャンボンをスタッフたちが出迎える。
スジョン「テジョンカジノへのご訪問、歓迎いたします」
チャンボン「歓迎してくれて嬉しいね」
ヤンハ「カジノへご案内いたします」
チャンボン「いや、結構だ。私が行っても仕方ない。話をしよう」
ヤンハ「はい」
ヤンハはチャンボンを自分の執務室へ案内した。
チャンボン「もう数十年になる。随分前にマカオへ行ったことがあってね。そのとき初めてカジノという物を見たんだ」
ヤンハ「今ではラスベガスの資本が入り、すっかり様変わりしました」
チャンボン「そう聞いたよ。考えてみれば、人間の欲を刺激する事業ほど、成功の可能性が高いものはない。人間の欲は決して終わりがないからね」
ヤンハはチャンボンの話に微笑んで見せると、真剣な表情にスイッチした。
ヤンハ「決心なさいましたか?」
チャンボン「こちらの条件さえ受け入れるなら、私の金を使って構わない」
「ありがとうございます!」ヤンハが頭を下げる。
#って、その話はこの前、食堂で済んだんじゃなかった?「条件を受け入れるなら貸す」「それなら受け入れます」ってやってたやーん。めんどくさい人たちや。
+-+-+-+
チャンボンは忙しかった。
次に彼は、ヒョンタクに案内されてミン社長の事務所を訪れる。
ヒョンタク「姐さん、お連れしました!」
待っていたミン社長とヨンダルが立ち上がった。
ミン社長「まぁ!私を覚えておいでですか?明洞の事務所で経理をしてたソジョンです!」
チャンボン「おや、君がどうしてここに?」
ミン社長「カジノのお客様を相手に金貸しをしてるんです」
チャンボン「うまく行ってるのかね?」
「もっと教えていただかないと」ミン社長は謙虚に笑った。
皆が顔をつき合わせ、話が始まった。
ヨンダル「どうなりましたか?」
チャンボン「君の望んだ通りになった。いつでもカードを切れる」
ミン社長「!」
ヨンダル「ありがとうございます」
チャンボン「ユン・ヤンハという青年、容易くはなさそうだったが」
ヨンダル「…。」
チャンボン「勝負にケリをつけるとき、一番重要なのは忍耐だ。待つことを知らなければ、決して勝てはしない」
ヨンダル「肝に銘じます」
+-+-+-+
ヤンハは意気揚々と父に報告を入れる。
ヤンハ(電話)「アン・チャンボン氏の資金誘致が決まりました」
ユン会長(電話)「よくやったな。ご苦労だった」
ヤンハ「ありがとうございます」
「チャン・ドンスの問題も僕が解決します」気を良くしたヤンハは一歩踏み込む。
ヤンハ「僕にやらせてください」
ユン会長「うむ、ダメだ。チャン・ドンスは私が処理する。お前は気にするな」
+-+-+-+
ヨンダルはジョンヒの家へと向かう坂道を登っていた。
今夜はどこか足取りが軽い。
ジョンヒの家の前へ近づいたところへ、誰かが目の前に不意に現れる。
ヨンダル「!」
ヤンハだった。
ヨンダル「…。」
ヤンハ「お久しぶりです、ホ・ヨンダルさん」
ヨンダル「俺を待ってたのか?」
ヤンハ「いい気はしないが、あんたにぜひ言っておきたいことがあってね」
「どんな話だ?」頷いたヨンダルには余裕が感じられる。
ヤンハ「オ・ジョンヒの周りから消えろ。しつこくうろついてると取り返しがつかなくなるぞ」
ヨンダル「…。」
ヨンダルはチャンボンの言葉を一つ一つ思い浮かべる。
「ヤンハは容易い相手じゃない」
「勝負に一番重要なのは忍耐だ」
「待つことを知らなければ、決して勝てはしない」
ヨンダル「俺の住処にまで干渉するのか?そんなに気になるなら、家の一軒でも買ってくれよ」
ヤンハ「舎北を去るならそれも考えよう」
ヨンダルは笑った。
ヨンダル「俺はどんなにクズでも乞食じゃない。物乞いをするくらいなら、いっそのこと奪った金で生きるね」
歩こうとしたヨンダルの前に、再びヤンハが立ちはだかる。
ヨンダルは小さく溜息をついた。
ヤンハ「俺の言葉を侮るな」
ヨンダル「…。」
ヤンハ「オ・ジョンヒさんはお前みたいなクズが欲張る相手じゃない」
ヨンダル「分かってるさ。けど、どうしようもないだろ?ジョンヒは俺が好きなんだ」
ヤンハ「…。」
ヤンハは込み上げる怒りを押さえ込んだ。
ヨンダル「それが嫌なら、オ・ジョンヒの心を掴んだらどうだ?」
ヨンダルはニヤリと笑うと、ヤンハの肩をポンと叩く。
立ち尽くすヤンハを残し、彼は家の中へ入って行った。
ヤンハの目の前で大きな音を立てて門が閉まる。
ヤンハ「!!!」
ヤンハは悔しさに唇をぎゅっと噛みしめる。
#何しに来たんだよー おまいは
30分経っても一緒か!一緒なのかーーっ
+-+-+-+
朝からヨンダルはシネの家を訪れていた。
爽やかな飲み物を用意し、シネはソファで待っているヨンダルの元へ運ぶ。
シネ「そんなに緊張することありませんよ」
ヨンダル「…。」
シネ「これを飲んでリラックスしてください」
「ありがとうございます」ヨンダルは器を受け取り、口へ運ぶ。
シネ「本当に大丈夫ですか?思い出したくない記憶のせいで、苦しむことあるわ」
ヨンダル「大丈夫ですよ」
シネ「やめたくなったら、いつでも信号を出してください。催眠状態にあっても、意識はあるし、身体も動かせますから」
「えぇ」ヨンダルが頷いた。
シネ「それじゃ、始めましょう」
+-+-+-+
ヨンダルはリクライニングさせた一人掛けの椅子にゆったりと身を預け、目を閉じた。
シネ「息を長く吐き出して、身体の力を抜いてください」
シネ「息を吐き出す度に、ヨンダルさんの心と身体は深い休息へと入って行きます」
シネ「5から1まで逆に数えます。一つ数えるごとに、ヨンダルさんはずっと昔に戻って行きます」
「5,4,3,2,1」
身体の上でまだ緊張していた彼の手が、スルリと下へ落ちる。
そこへ入ってきたドンスは二人を見て驚いて立ち止まった。
ドンス「!」
シネがすかさず「シッ」と人差し指で口をおさえる。
シネ「扉が開いたら、あなたは何でも思い出せるわ」
ドンス「…。」
シネ「さぁ、何が見えますか?」
「幼い子どもです」ヨンダルが記憶を探るように眉間に皺を寄せた。
ヨンダル「幼い僕が、赤ん坊をおんぶしています」
ドンス「…。」
ドンスが思わずヨンダルに近づいた。
シネ「そこはどこですか?」
ヨンダル「分かりません。夜で… 暗くて… 寒くて」
ヨンダル「幼い子は泣いてばかりでいるんです」
シネ「他に誰かいますか?」
ヨンダル「兄がいます」
ドンス「!」
ヨンダル「兄が僕に言うんです…」
ヨンダル「兄が僕に… 弟を守れって」
ヨンダルの表情が悲しみで歪み、目から涙がこぼれ落ちる。
ヨンダル「そして…行ってしまいました」
ヨンダル「小さい弟はずっと泣いているし… 怖いです」
シネが黙ってドンスを振り返る。
二人の視線がぶつかった。
+-+-+-+
ここでエンディングです。
はぁー
めっちゃ泣きました。
悲しみが乗り移ったみたいになっちゃって、これを書きながらも、まだ戻って来られずにシクシク泣いてます。
別れたときの悲しみ、別れてからの苦しみ、寂しさ。
それを彼らがこれからどう癒していくのか、埋めていくのかが、このドラマで一番大切なところだと思います。
どうかそれを丁寧に描いて欲しい。
文句ばかり言ってますが、それでも私は先がとても楽しみです^^
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