SPY(スパイ:JYJジェジュン主演)14話あらすじ&日本語訳vol.2
JYJキム・ジェジュン、ユ・オソン出演、「SPY」14話。後半に進みます。
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「ソヌ、ちょっと」玄関でヒョンテが呼び止めた。
ヒョンテ「お前は何か得するのか?」
ソヌ「どういうことです?」
ヒョンテ「いや、悪いヤツを捕まえるのは俺の仕事だから、何とかなったとしてもだ。これが終わったらお前は… どんなに軽くても処罰は免れないぞ」
ソヌ「先輩は悪いヤツらを捕まえてください。僕は家族を守ります。悪いヤツらは捕まって…善良な人たちは家に帰って」
そう言ってソヌは穏やかに微笑んだ。
ヒョンテもそれに応え、ふっと微笑む。「詩人だな」
ソヌが出掛けて行くのを、ヒョンテは静かに見送った。
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椅子に腰掛けたまま、ヘリムは朝の日差しが差し込む窓をじっと見上げていた。
「お前の家族はどうしたって元には戻れない。お前がいる限りな」キチョルの言葉を反芻する。
そのとき、彼女はハッと息を呑んだ。
窓の外に、突然ユンジンの姿が現れたのだ。
ユンジンもまた、ふとヘリムのいる方を振り返った。
二人の目が合う。
ヘリム「イ・ユンジン」
ユンジン「!」
そこへユンジンの前にキチョルが現れた。「イ・ユンジン君」
「あの娘がなぜここへ?」ヘリムはユンジンの現れた理由を思い巡らせる。
彼女がユンジンに会ったのは、路線バスへ呼び出したとき以来だ。
その後ユンジンがどういう道を辿ったのか、彼女には察しもつかなかった。
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「なぜ一人で来た?」雨に濡れた川辺を歩きながら、キチョルが口を開いた。「キム・ソヌは?」
ユンジン「こっそり抜けてきました。キム・ソヌは別の方法を探っています」
「別の方法?」キチョルが立ち止まった
ユンジン「国家情報院のソン・ジュンヒョク主任と取引する予定です。家族の赦免権を貰って、その代わりにハードディスクを渡すと」
「…。」少し考えるように目を細めると、キチョルは再び歩き出した。
キチョル「家族の赦免とは…。母親を捨てることにしたのか。そんなヤツじゃないはずだが」
ユンジン「取引が成立したら、直ちにソン・ジュンヒョク側の支援で同志を追う計画です」
キチョル「時間はない…。ハードディスクを失い、母親も捨てる道を選んだか」
キチョルはどこか悲しそうに俯く。
「ところで」キチョルは立ち止まると、ユンジンを振り返った。
ユンジンが俄に緊張を高める。
キチョル「全てを知ってる君が消えたのに、キム・ソヌは何も言わないのか?」
ユンジン「キム・ソヌはソン・ジュンヒョク主任に会いに行きました。私は父親と妹を守ると口実を作って残ったんです」
「…。」キチョルがじっとユンジンの目を見る。
動揺を見ぬかれぬよう、ユンジンは努めてまっすぐに彼を見つめ返した。
キチョル「ハードディスクのパスワードは解いたのか?」
ユンジン「はい」
キチョル「それならいい。どこで会うって?」
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ソヌは荒れ果てた廃プール場にいた。
「赦免証は準備出来ましたか?」彼はジュンヒョクに連絡を取る。
ジュンヒョク(電話)「あぁ、苦労して準備したぞ」
ソヌ(電話)「それならこれ以上時間を引き伸ばしていないで、会いましょう」
ジュンヒョク「お母さんを助けるって言ってたろ?現場要員を何人か連れて行くから、すぐヤツらを捕まえに行こうと思うんだが、どうだ?」
ソヌ「それならヒョンテ先輩をお願いします。知っている人がいれば僕も気が楽ですから」
ジュンヒョク「…それならそうしよう。ヒョンテが喜ぶだろうな、ソヌさんのことを随分心配していたから」
ソヌ「それから、家に軟禁している家族を解放してください。職場や学校へ自由に行けるように」
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車の中にいたヒョンテは、ウナが現れるのを待ち受けてドアを開けた。「おう、ノ・ウナ」
ヒョンテ「もうちょっと早く出勤しろよな」
ウナ「どうしたんです?こんなところで」
ヒョンテ「なぁ、何にも考えずにすぐ答えるんだぞ。キム・ソヌとソン・ジュンヒョク、どっちだ?」
「え?」訳が分からず、ウナが笑う。
ヒョンテ「選べって。キム・ソヌか、それともソン・ジュンヒョクか」
ウナ「いきなり何それ?」
ヒョンテ「キム・ソヌ、いや、ソン・ジュンヒョク?」
ウナ「そんなのキム・ソヌに決まってるでしょ!いや、もちろん同僚として好きだというか、好きだったっていうか」
ヒョンテ「分かった分かった。とりあえず乗れ。説明してやるから」
車へ乗り込もうとしたヒョンテを、ウナが引き止めた。「ホント、朝から何事なんですか?」
ヒョンテ「つまりな、俺たち、ソヌのためにやらなきゃならないことがあるんだ。正しいかどうかは敢えて考えずに、いや、俺だってよくは知らないし」
ウナ「?」
ヒョンテ「とにかくやればいいんだ、ウナ」
「とりあえず乗ろう」怪訝な顔のウナを引っ張り、ヒョンテは車に乗り込んだ。
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ヘリムはさっき目にしたユンジンの表情をずっと思い浮かべていた。
ヘリム「…。」
「まずは」声が聴こえ、ヘリムは上階を見上げる。
ホンランたちキチョルの手下たちが揃っていた。
ホンラン「ハードディスクが本物かどうか確かめないと。チャンスはいくらでもあるから」
「ちょっとトイレに行きたいの」ヘリムは彼らに声を掛ける。
ホンランが渋々下りてくると、ヘリムを後手に縛っているロープを解きはじめた。
「ひそかに何か相談しているようね」ヘリムがそっとホンランに囁く。
ホンラン「!」
ホンランがいきなり襟首を掴む。
「うっ!」ヘリムは小さくうめき声を上げた。
ホンラン「ファン・ギチョル同志が甘いからって、いい気になってるようね。そうやってずっと無駄口を叩いてなさい。一体どうなるか見届けてやるわ」
そこへやって来たジョンホがホンランの腕を払いのけ、ヘリムを立たせて代わりにトイレへ連れて行く。
「…。」ホンランは冷めた視線でそれを見送った。
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「ごきげんいかがですか、キム議員」執務室で出掛ける準備をしながら、ジュンヒョクはキム議員に電話を掛けた。
ジュンヒョク(電話)「他でもないんですが、先日義父を通してご連絡差し上げた対北情報班のソン・ジュンヒョクと申します。今晩のお約束の際、お待ちになっていた物を持って伺おうと思うんですが。あぁ、チョン・ギュヨン次長ですか?」
「次長は今回の件から抜けることになりました」すぐ外の廊下で、ヒョンテが傍受装置から聴こえてくる音声に耳を傾けていた
ジュンヒョク(電話の声)「これからは私がご報告を。えぇ、よろしくお願いいたします。それでは後ほどお目にかかります。ご連絡差し上げますので」
立ち去ろうとしたヒョンテを、ちょうど部屋から出てきたジュンヒョクが彼を呼び止める。「おい、キム・ヒョンテ」
ジュンヒョク「俺と一緒に現場へ行こう」
ヒョンテ「今ですか?」
「突然予告もなしに…」ヒョンテは困ったように辺りをキョロキョロと見回す。
ジュンヒョク「つべこべ言ってないでついて来いよ」
ヒョンテ「えぇ。歯磨きしてなくて口の中が気持ち悪いので、歯磨きだけしてすぐ追いかけます」
ジュンヒョクが出掛けて行くと、ヒョンテはさっとウナのブースへ入った。「時間がない。急ごう」
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二人はミーティングブースに移り、周囲のブラインドを閉めた。
ヒョンテの胴に手を回し、ウナが小さな装置を取り付ける。
「こんなことしてたら、付き合ってるみたいだ」照れたヒョンテが思わず漏らした。
ウナ「でも、赦免証を貰えなかったら?」
ヒョンテ「…。」
ウナ「ソン主任の支援でファン・ギチョルを捕まえたとしても、赦免証がなきゃキム・ソヌの家族が巻き込まれたことまでカバー出来ないでしょう?」
ヒョンテ「だから俺が生きた赦免証になろうとしてるんじゃないか」
ウナ「いやいや。これ(※ヒョンテに取り付けた装置)で証拠になるだけのことが録音できたとしてもよ、うちの組織って私たちみたいに愛と人情に溢れた集団だった?」
ヒョンテ「…。」
ウナ「動機が何であれ、結果的にスパイ活動をしたんだからって、処罰するかもしれないでしょ」
ヒョンテ「ウナ、だからお前の役割が重要なんだ。準備ができたらすぐ連絡が行くから、必ずチョン次長のそばに張り付いてろよ。いいな?」
ウナ「はぁ、こんなことしてるうちに私までクビになっちゃうかも」
「それで」ウナが顔を上げる。
ウナ「誰が連絡して来るんです?キム・ソヌ?」
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ジュンヒョクが駐車場へやって来ると、待っていた要員たちが頭を下げた。
「ここに集まってるのは外部のヤツらだろうな?」彼はジョンハンに確かめる。
ジョンハン「はい」
ジュンヒョク「キム・ソヌを捕まえることが漏れちゃ駄目だ」
ジョンハン「はい、キム・ソヌの家族はどうしますか?逮捕させますか?」
ジュンヒョク「ハードディスクが確保できたら、スパイ容疑でみんな捕まえろ」
車に乗ろうとしたところで、ジュンヒョクの電話が鳴った。
チョン・ギュヨン次長からだ。
彼はそのまま電話を懐に戻す。
ジョンハン「キム・ヒョンテ分析官なんですが、ちょっと妙なことが」
ジュンヒョク「何?」
二人はハイテク車の中へ乗り込む。
「キム・ソヌがキム・ヨンソを連れて逃げようとしたところなんですが」ジョンハンが指差した画面には、ある映像が流れていた。
それは、カラオケボックスのビルに、ヒョンテがソヌを救いに現れたあの瞬間ではないか。
#このドラマ、何でも簡単にバレすぎ
ジョンハン「キム・ソヌに仲間がいたと聞いて調べたんです」
ジュンヒョク「こいつ、完全に赤(共産主義者)の一味だな」
ジョンハン「どうしますか?すぐ逮捕しましょうか?」
ジュンヒョク「いや、キム・ヒョンテも連れて行くから、そこで一緒に処理すりゃいい」
ちょうどそこへヒョンテが走ってやって来る。
「来たか。行こう、同期」ジュンヒョクは何事もなかったように、声を掛けた。
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ソヌの待っている廃プール場にユンジンが戻ってきた。
「どうなった?」尋ねるソヌに、ユンジンはとにかく頷いてみせる。
ユンジン「けど、ファン・ギチョルの反応がちょっと気に掛かるわ。勘づかれた気がするの」
ソヌ「簡単になびくヤツじゃないのは分かってたろ。たとえ勘づかれたとしても、こっちへ来させることさえ出来れば、それでいい」
ユンジン「私はこの後、電話してから追跡機をつければいい?」
ソヌ「あぁ。じっと隠れていて、向こうが動いたらそうしてくれ」
ユンジンは頷いた。「あ、それから、ソヌさん」
ソヌ「?」
ユンジン「私… お母さんをお見かけしたわ」
ソヌ「! 母さんは… 大丈夫だった?」
ユンジン「うん。怪我はなさってないわ。少しでも話そうと思ったんだけど、ファン・ギチョルがいて出来なかった」
ソヌは母を想い、溜息をつく。
背を向けた彼を、ユンジンが呼び止めた。「ソヌさん」
ユンジン「私も… お母さんの救出を祈ってるわ」
ソヌ「…。」
「これからどうするんだ?」ソヌが彼女を振り返る。
「私も家族に会いに行かなきゃね」ユンジンは俯いたまま、そう答えた。
ソヌ「…方法は?」
ユンジン「…。」
ソヌ「家族は無事なんだよな?」
ユンジン「それは私の問題だから…。今はあなたの家族のことだけ考えて」
「ユンジン…。」ソヌは懐から静かに銃を取り出す。「これを」
ユンジン「!…どうして?」
ソヌ「この国を出るまで… 俺より君のほうが必要なはずだ」
ユンジン「ソヌさんに何かあったら…!」
ソヌ「俺がどうなろうと… これが終わったら君は自分の道を行けよ」
「ほら」彼女の手を取り、銃を握らせる彼は、以前と少しも変わらず穏やかで優しい。
ソヌ「帰って家族を守るんだ」
「…。」彼女はじっと彼の目を見つめた。
#この二人はユンジンの正体がバレてからぐっと良くなった
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キチョルが足早に階段を下り、ヘリムの元へやって来た。
「イ・ユンジン、何しにここへ来たの?」待ちきれずにヘリムが尋ねる。
ヘリム「あなたたち、何を企んでるのよ!」
キチョル「すっかりキム・ソヌに正体がバレてるのに、今さら何を」
彼はヘリムの腕を椅子に括りつけているロープを解き始めた。
キチョル「ハードディスクにくっついてる単なる位置追跡機みたいなものだ」
ヘリム「どこへ行くの?」
キチョル「お前の息子に会いにな」
ヘリム「まさかソヌに手を出すつもりじゃないわよね?!」
キチョル「心配するな。お前の息子が馬鹿なことさえ企んでなきゃ、何もない」
ヘリム「約束は守って。私も守るから」
キチョルは頷くと、ヘリムの腕を引き、歩き出した。
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キチョルの手下たちは車の中でトランプをめくっていた。
「金は…」ホンランが口を開く。「生き残った者で均等に分けるのよ」
そこへヘリムを連れたキチョルがドアを開ける。
中央にばらまかれたトランプを見て、キチョルが眉間にしわを寄せる。
キチョル「狭いところでネズミ共みたいに何やってる?」
ホンラン「ポンプ場が寒くて。ここでポーカーをやってました」
ホンランが淡々と答える。
キチョルは台に並んでいるカードを眺めた。「金も賭けずに?お前たちらしくもない」
「片付けろ」そう言って、キチョルは車の中へヘリムを押し込んだ。
ヘリム「…。」
ヘリムは両側を囲むホンランたちを窺い、バックミラー越しに助手席のキチョルを見た。
「?」キチョルが彼女の視線に気づき、振り返る。「何だ?言いたいことでもあるのか?」
ヘリム「…いえ。何でもないわ」
もう一度左右にさっと目を配り、彼女は静かに答えた。
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ジュンヒョクたちがソヌの待つ廃プール場へ到着した。
#ここってキチョルたちが前から使ってた施設ですね。キチョル側に有利な場所ってことか
「キム・ソヌ!」車を降りると、ジュンヒョクは大声でソヌを呼ぶ。
すぐに、一番奥の扉からソヌが姿を現した。
ジュンヒョクはヒョンテや要員たちをゾロゾロと伴い、手に持った封筒をかざしながら近づいた。
ジュンヒョク「赦免証はここだ。お母さんを助けるのに何人か連れて来た」
「…。」バッグの持ち手を、ソヌはぎゅっと握りしめる。
ジュンヒョク「先にハードディスクを確認したいんだが」
「ジョンハン」ジュンヒョクが軽く後ろを振り返ると、ジョンハンが前に進み出た。
「…。」ソヌが慎重に視線を動かす。
ジョンハンが持参したPCをバッグから取り出すと、ソヌに手を伸ばした。
ソヌが持っているハードディスクを接続し、真偽を確かめるためだ。
ヒョンテ「…。」
ソヌ「…。」
ヒョンテ「…。」
ソヌは右手に持ったバッグではなく、左手で裸のハードディスク本体を差し出した。
ジョンハンが確認するのを、皆が無言で待つ。
程なく、マカオ銀行の口座画面が、ジュンヒョクの目の前に向けられた。
ジュンヒョク「ちゃんと持って来たんだな」
「これはお前のだ」ジュンヒョクが封筒を差し出した。
ソヌは封筒を受け取り、中を覗く。「!」
それはからっぽだった。
「…。」ソヌは封筒をポイと放り出す。「これは何です?」
ソヌ「約束を破るんですか」
ジュンヒョク「赤相手に何を約束するってんだ?」
ジュンヒョクが軽く右手を上げると、後ろに控えていた要員たちが一斉に銃を向けた。
「…。」ジュンヒョクの隣で、ヒョンテが困ったように周囲を窺う。
プール場の奥、数十メートル離れたところに、小さな建物が立っている。
その陰から、ユンジンはじっと彼らの様子を窺っていた
ジュンヒョクが約束を破ったのを見て、ユンジンは電話を手に取った。「ウナさん」
ユンジン「今です!」
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ウナはチョン・ギュヨン次長の執務室の前にいた。
ユンジンからの合図で、彼女は直ちに動き出す。
「次長!」扉の外を見張っている秘書を押しのけ、彼女は中にいる次長に呼びかけた。「知っていただきたいことがあるんです!」
あっちへ行け、と次長は涼しい顔で追い払おうとする。
「ソン・ジュンヒョク主任に関することなんです!」ウナの言葉に、次長の表情が変わった。
次長「!」
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確認を終えたハードディスクを、ジュンヒョクはジョンハンから受け取った。
それを弄ぶように振りかざし、ジュンヒョクはソヌに近づく。
ジュンヒョク「お前とお前の家族… スパイ容疑で取り調べを受けることになるぞ。ソヌ…」
ソヌ「…。」
ジュンヒョク「分かるだろ。俺はな、誰かに弱点を握られていると耐えられないんだ」
「ヒョンテ、逮捕しろ」ジュンヒョクに言われ、ヒョンテは腰の後ろに手を差し込んだまま、えらくゆっくり近づいてくる。
ジュンヒョク「何してる?さっさと手錠かけろ」
ヒョンテ「何の容疑なのかハッキリわからないと…」
ジュンヒョク「出来ないだろ。仲間だからな」
ヒョンテ「!」
ソヌの視線が、ヒョンテからジュンヒョクへ、静かに移る。
ヒョンテ「何だって?」
ジョンハンがつかつかとやってきて、ヒョンテの上着を乱暴にめくる。
そこに潜ませてあるマイクが露わになった。
ジュンヒョク「ヒョンテ、失望したぞ。静かにナイフを研いでろと言ったんだ。そのナイフを俺に振り回すのか?」
「ははは」出し抜けにヒョンテが乾いた笑い声を上げる。
ヒョンテ「おい、お前が監督官を殺したんじゃないか。他にどこでナイフを振り回せってんだ?」
「こいつも逮捕しろ」ジュンヒョクはボソッと言った。
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次長は警戒心を隠せずに、目の前のウナを見つめていた。「…。」
ウナはしばらく電話にじっと耳を当てていたと思うと、それを次長に差し出す。
「監督官が死んだという事実も、上は知っているんですか?」ヒョンテの服につけたマイクを通し、ソヌの声が聴こえてきた。
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ジュンヒョク「当然のことじゃないか?チョン・ギュヨン次長の指示なんだから」
ソヌ「…。」
ジュンヒョク「だから、俺の話を録音したって何の役にも立たんぞ、ソヌ。俺の上に何人いると思う?」
ソヌ「今この件も、次長の指示ですか?」
「…。」視線をぶつけ合ったまま、沈黙が流れる。
ジュンヒョク「いや。遥か上にいる人たちだ。俺がお前ら二人を撃ち殺したって、秘密裏に処理できる、そんな方だ。分かったか?」
ソヌ「あんたが裏金を持って行けなかったとしても、後ろ盾になってくれると?」
ジュンヒョク「…。」
次の瞬間。
パン!!!
山間に突然銃声が響く。
後ろにいた要員の左胸に風穴が空き、皆が怯んだ。
ソヌ以外は…。
慌てて後ろを振り返ると、そこにはキチョルたち一団が勢揃いしていた。
#細シュワちゃん登場って感じ
役者は揃った。
目の前に現れたキチョルに、ソヌは微かに笑みを浮かべた。
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ここでエンディングです。
最後のソヌの表情がとてもいいですねぇ。「やっと来たか」とでも言ってるよな^^
このシーン全体を通しても、また他のシーンでも、彼はそんなに表情豊かな人じゃないんだけど、ほんの僅かな表情の変化でちゃんと伝わってると思います。
表情一つで画面が持つのは素晴らしい^^
キチョルとソヌの対面シーンは今回もセリフ無しで圧巻ですわ。
そして、最終週予告で泣きそうになりましたよ、あたしゃ。
ソヌはもちろん、ユンジンも無事家族の元へ帰ってほしい…。
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