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SPY(スパイ:JYJジェジュン主演)13話あらすじ&日本語訳vol.1

   

キム・ジェジュン、ペ・ジョンオク出演。SPY13話前半。
あらすじの中で情景や表情も捉えつつ、台詞を丁寧に拾って翻訳していきます。

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「キム・ソヌ…」目にも留まらぬ速さで銃を突きつけたソヌに、キチョルは身動き一つせず、静かに彼の名を口にした。

ウソク「ソヌ、やめろ!母さんが!」
ソヌ「分かってます」
キチョル「…。」
ソヌ「父さん、外の人たちが入って来ないようにしてください」
ウソク「やめるんだ!」
ソヌ「早く!」

ウソクが入り口へと向かうと、ソヌはそれと入れ替わりに奥のキチョルの方へと回り込んだ。
「あぁ、何でもない」ドアの外に出て、ウソクが社員たちに告げる。

ソヌ「母さんはどこだ?」
キチョル「来る時に会わなかったか」

キチョルがチラリと窓の外へ視線を移した。
ちょうど彼の乗って来た車が見える。

ソヌ「…。」

キチョルが携帯を取り出した。

キチョル(電話)「キム・ソンへを連れてちょっと出て来い。キム・ソヌが会いたがってる」

手下のジョンホがヘリムを車の外へ引っ張り出し、腰に銃を向けた。
ヘリムが心配そうにビルを見上げる。

キチョル「どうする?俺を殺せばハードディスクは手に入るが、母親は死ぬだろうに」

「…。」銃を向けたまま、ソヌの顔がかすかに苦痛に歪む。

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一方、ジュンヒョクの部下ジョンハンたちもヘッチテクニックへ向かっていた。

ジュンヒョク(電話)「他のヤツらは気にせずに、まずはキム・ソヌとキム・ウソクを確保しろ」
ジョンハン(電話)「はい」
ジョンヒョク「ハードディスクを回収したら、キム・ソヌは殺して構わん」
ジョンハン「はい、了解しました」

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「イ・ユンジン君」ソヌの後ろで黙っているユンジンに、キチョルがようやく声を掛けた。

キチョル「家族のことはどうなってもいいのか?」
ユンジン「違います!私は…!」
ソヌ「(キチョルに)無駄口を叩くな!」
キチョル「…。」
ソヌ「さっさと母さんを解放しろ。死になくなければな」

「死ぬほど楽なことはないさ」キチョルは落ち着いてそう答える。

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ジョンハンたちは車3台で乗りつけ、一斉にヘッチテクニックのビルへと踏み込んだ。

すぐさまキチョルの携帯にメールが届く。「国家情報院 到着」
キチョルはその文字にふっと笑った。「後続がいたか」

キチョル「(ソヌに)お前が呼んだのか?」
ソヌ「…。」
キチョル「いい考えとは言えんな。あいつら、俺たちのうち誰を捕まえると思う?俺か?」

キチョルは首を横に振った。「お前だ」

ソヌ「…。」

「ジョンホ」キチョルは再び外で待つ手下に電話を掛けた。「猟犬が来た。移動しろ」

ソヌ「駄目だ!」

窓から黒いバンが直ちに発車するのが見える。

ソヌ「それならお前だけでも引き止めて置かなきゃな」
キチョル「母さんを救いたいと言っていたのに… 気が変わったか?」
ソヌ「どうせ利用するだけしてゴミみたいに捨てるつもりだろ!お前とハードディスクを国家情報院に引き渡すほうがマシじゃないか」
キチョル「賢いな。(ユンジンを見て)スパイ二人にハードディスクまで。お前が助かるには十分だ」
ソヌ「…。」
キチョル「だが、母さんを捨てられるのか?本当に出来るのか!」
ソヌ「…。」

沈黙を破ったのはメールの着信音だ。
「出口確保。お急ぎを」キチョルにメールが届いたのだ。

キチョル「父親とパスワードを解け。母さんとハードディスクの交換はそれからだ。指一つ触れないと約束しよう」

キチョルはソヌの脇をすり抜け、部屋の出口へと向かった。

キチョル「一日やる。パスワードが解けたら連絡しろ」

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ジョンハンたちが部屋へ踏み込むと、そこは静まり返っていた。
キチョルの手下が一人、床に気絶したまま放置されている。

「…。」ジョンハンは茫然とし、天を仰いだ。

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ホンランの誘導でビルを出てきたキチョルは、目立たぬようゆっくり歩いて車に乗り込んだ。
助手席に座った途端、思わず車体を蹴り飛ばす。
さすがの彼も苛立っていた。

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ソヌも手錠ごとユンジンの手首を握り、歩いて外へ出てくる。
一人動揺を隠せないウソクが、彼を引き止めた。

ウソク「あんなふうに行かせていいのか?母さんはどうするんだ!」
ソヌ「今はこうするのが最善です。行きながら説明しますから。とにかくここを離れないと」

ウソクは仕方なく、ソヌと一緒に歩き出した。

ウソク「ところで、どうしてユンジンさんを連れて来たんだ?」

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「どうなった?」国会議事堂の前に停めた車の中で、ジュンヒョクが尋ねた。

ジュンヒョク(電話)「逃したのか?二人とも?…。おい、そんな下っ端捕まえてどうするんだ。そんなことしてないで、キム・ソヌの家を調べろ。つべこべ言わずに家を調べるんだ!!!」

「…。」ジュンヒョクの脳裏にある場面が鮮やかに甦る。
彼は取調室で一人の男と向き合っていた。

~~~~

ジュンヒョク「俺もお前も一体何やってるんだ?たった一言で終わるじゃないか」

「さっさと言え。パスワードは何だ?」そう言いながら、彼は注射器に薬品を入れる。

男「やめろ!知らないって言ってるだろ!」
ジュンヒョク「知らないって?」

必死に訴える男とは反対に、ジュンヒョクの言葉には全く感情が感じられない。
彼は注射器を持って男に近づくと、両手を縛られ抵抗できない男の肩に、容赦なく針を突き刺した。

「ううっ!」男はすぐに口から泡をふき、がっくりとうなだれた。

ジュンヒョク「おい?おい!」

ジュンヒョクは男の顔を覗き込み、胸を叩く。
「おい!しっかりしろ!」反応しなくなった男の脈を調べ、ジュンヒョクは茫然とした。

#なーーーんやそれ!茫然なのはこっちや

「見つけ出した監督官が死んでしまって… どうしたらいいのか」
「落ち着け。ハードディスクに金があるのは確かなのか?」
「はい」
「それならいい。後はブツを処理すればいいんだ」

次長の指示により、今日に至ったのだった。

~~~~

クラクションの音に、ジュンヒョクはハッと我に返り、後ろを振り返った。
国会から出てきた車が隣で停まる。
乗っていた次長が車の窓を開けた。

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ジュンヒョクは次長の車に乗り込み、街中を移動していた。

ジュンヒョク「中で皆さん何と…?」
次長「みんな口座が開かれるのを待っていたから、血が昇って大騒ぎだ。特にキム議員は今回の総選挙に全財産を投じているから… 金をバラまいても足りない時期に、資金がなくて話になるかってな」
ジュンヒョク「申し訳ありません」
次長「構わん。俺はまぁどうってことはない。大変なのはソン主任だ」
ジュンヒョク「…。」
次長「残念だが、あれがなけりゃ君の義父は今回の選挙で望みなしだろうな」
ジュンヒョク「次長、何とかお力を…」
次長「2日で何とか出来なかったら対共班にこの件は渡す。そのつもりでな」
ジュンヒョク「…。」

「降りろ」次長は冷たい目をジュンヒョクに向けた。

周辺をぐるりと回り、二人を乗せた車はまた同じ所へ戻ってきて停まった。
ジュンヒョクが降りると、次長が窓を開ける。

次長「監督官はしっかり保護しているんだろうな」
ジュンヒョク「え?いや、監督官がどうなったか次長の方がよくご存知じゃないですか。パスワードを聞き出せと私に指示なさいましたし」
次長「俺が?そんなことを言った覚えはないが」

「!」思ってもいない言葉に、ジュンヒョクは思わず沈黙する。「次長」

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次長「書面でもあるのか?ないならソン主任の単独行動だろ。」
ジュンヒョク「!」
次長「監督官にもし何かあったら、ソン主任がどうなるか俺にも分からん」
ジュンヒョク「…。」
次長「自分が今どういう状況なのか、しっかり把握しておけ」

次長の車が走り去った。

ジュンヒョク「…。」

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ソヌの運転する車が、郊外のホテルまでやって来て停まった。
ソヌがどこかへ電話を掛けるが、電源が入っておらず、繋がらない。

ソヌ「父さん、じっと部屋にいて、誰が来ても開けないでください。ヨンソを連れてすぐ戻ってきますから」
ウソク「私も一緒に行ったほうがいいんじゃないか?お前がユンジンさんと行っていいのかどうか、私はどうも…」
ソヌ「父さんまで動いたら、かえって危険です。他はともかく、ハードディスクは絶対に守らないと」
ウソク「…分かった」

ウソクが降りると、ソヌは無言でシートベルトを締め直し、車を発進させた。

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「ゆっくり行って」車を飛ばすソヌに、ユンジンがたまらず言った。

ユンジン「ヨンソは塾にいるんだから、簡単には手を出せないはずよ」
ソヌ「いや。主任ならヨンソを絶対に放っておかない」
ユンジン「まさかそこまでする?」
ソヌ「ハードディスクを手に入れるためなら、どんなことでもする人だ」

ソヌはさらにアクセルを踏み込んだ。

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ジュンヒョクは電話を手に取る。「おい、キム・ソヌの妹を捕まえろ」

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ヒョンテは遺体を元通りに収め、急いでドアを閉めた。
「…。」動けないほどの衝撃に、ひとりでに息が乱れる。

彼の頭の中に、悪夢のようなあの日の記憶が甦った。

~~~~

監督官の居場所を突き止めたヒョンテたちは、現場へ駆けつけた。
そこはホテルだ。
同僚と二人で、ヒョンテはドアの両側に立つ。

カードキーをかざそうとして、ヒョンテはふと同僚の靴に目を留めた。「おい、靴紐が解けてるぞ」
「何だ、えらく余裕だな」同僚はニヤリと笑い、目でドアのキーを指した。

ヒョンテがカードで解錠し、ドアを開けたその瞬間…
爆音が響き、彼は吹き飛ばされた。

「!!!!!」

虚ろな意識の中で彼の視界に入ったものは… 床に転がっている同僚の靴と、指が2本なくなっている人物の手だった。

~~~~

ヒョンテは愕然と頭を抱えた。
同僚を死に追いやった監督官への恨みを、ずっと胸に抱いて今日この日までやってきたのだ。

彼を突き動かしていたものが、無残にも崩れ去った。

電話が鳴り始める。
ウナからだ。「もしもし」

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「どこですか?先輩」ウナはすっかり荒らされた部屋の中を歩いていた。
靴下姿で歩く彼女のそばを、土足の職員が通り過ぎる。
「みんな、家の中なんだから靴を脱ぎなさいよね」彼女は顔をしかめた。

ウナ(電話)「こっちは大騒ぎですよ」

彼女は洗面所の扉を開ける。「今どこにいると思います?」

ウナ(電話)「キム・ソヌの家の捜索に来たんですよ。令状もなしに」

そう。ここはソヌの家だ。

ウナ(電話)「先輩、こんなことしてもいいんですか?」

「そんな状況じゃないんだろ、主任は」混乱した頭で、ヒョンテは辛うじてそう答えた。

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ヒョンテ(電話)「他のヤツらは?…分かった。事務所に戻ったらな」

電話を切ると、ヒョンテはふらふらと歩き出した。

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ウナは洗面所の棚に転がっている薬に目を留めた。「?」
この薬、彼女には見覚えがある。

どんな薬か調べてほしいと、ソヌから依頼されたものだ。
調べた結果、それは強い精神安定剤だった。

ウナ「…。」

彼女は洗面所の扉を閉め、改めて戸棚の中を調べ始める。
目についたファイルをパラパラとめくると、そこに封書が挟んであるのに気づいた。

#手紙にたどり着くの早すぎるだろ

静かに手紙に視線を落とすと、ウナの目が鋭くなる。「…。」
それは、パク・ヘリム… いや、キム・ソンへの告白文だった。

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ソヌの車が辿り着いた時には、すでにジョンハンたちが到着していた。
「少しでも不審なことがあったら報告しろ」ジョンハンは車の外に見張りを立たせ、車の中で待機する。

「遅かったわ。このまま行きましょう」そういうユンジンに耳を貸さず、ソヌは銃の準備を始める。

ユンジン「何やってるのよ!」
ソヌ「ヨンソまで失うわけにはいかない。連れて来る」
ユンジン「頭おかしいんじゃないの?あそこに何人いると思ってるのよ!入れっこないわ。ソヌさんまで捕まるわよ!」
ソヌ「妹は平凡ないい子なんだ。何も知らない」

彼は塾の入り口を振り返る。「俺が捕まったとしても、このままには出来ない」

ユンジン「…。」

ソヌは黙って手錠の鍵を外した。

ソヌ「もう行けよ。助けてくれてありがとう」
ユンジン「それでいいの?私を捕まえておけば、ソヌさんの家族だって情状酌量の可能性があるのに」
ソヌ「約束したろ。放してやるって」

「行けよ。お前は自分の家族を守れ」ソヌはそう淡々と言い、車のドアを開けた。
ユンジンは思わず彼の手を掴む。「私も行くわ」

ソヌ「?」
ユンジン「もう一度だけ協力する。そうすれば少しでも借りを返せると思うの」
ソヌ「…。」
ユンジン「これが終わったら、すぐここを発つわ」

再び背もたれに身を沈め、ソヌは考えこむ。
裏切っていたのは彼女だとしても、自分たち家族のことにユンジンを巻き込むわけにはいかなかった。

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そこへソヌの電話が鳴る。「あぁ、ヨンソ」

ヨンソ(電話)「バッテリー切れてて気付かなかったの。どうしてこんなに何回も…」

彼女は一人でカラオケボックスにいた。

ヨンソ(電話)「どこって… 塾だよ。まさか塾に来てるの?!」
ソヌ(電話)「いや、塾に行かなかったのをどうこう言うつもりじゃないから…」
ヨンソ「サボったんじゃないよ!」
ソヌ「分かったから、今どこにいるんだ?そこまで行くからさ」

ソヌは妹を動揺させないよう、いつものように優しく話す。

ソヌ「あぁ、母さんには言わないって。とりあえず携帯を切って外に… いや、そこで待ってな。今すぐ行く。携帯の電源は絶対切っておくんだぞ」

ジョンハンのいるハイテク車の中で、モニターに赤く点灯していたヨンソのGPSが信号を断った。
「主任、キム・ヨンソが携帯の電源を一瞬だけ入れました」ジョンハンが電話で話しながら、外を覗く。

ジョンハン(電話)「到着まで5分あればいいようです。すぐ出発します」

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ソヌはカラオケボックスの前に車を停めた。
「ここで待ってろ」建物を見上げ、ユンジンにそう告げる。「すぐ出てくるから」

車を降り、遠ざかっていくソヌの姿を、ユンジンは心配そうに目で追った。

ユンジン「…。」

ちょうどそこへ、ユンジンの電話が鳴る。「発信番号表示制限」

ユンジン「!」

ユンジンはまだ向こうに見えるソヌの後ろ姿を見つめ、素早く考えを巡らせると、電話に出た。「もしもし」

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「イ・ユンジン君」キチョルは人気のない河畔にいた。

キチョル(電話)「キム・ソヌに協力しろ。ハードディスクのパスワードを解いて、無事俺に持ってくるよう監視するんだ。迷うことはない。キム・ソヌを助け、家族も救える。一石二鳥じゃないか」
ユンジン(電話)「それは党の命令ですか?それとも、ファン・ギチョル同志個人の命令ですか?」
キチョル「今それが重要か?大事なのは家族の安全じゃないのか?」
ユンジン「私は党を裏切ったファン・ギチョル同志を信じることが出来ません」
キチョル「信じなければどうなる?今後君の家族を守ってくれる人は俺しかいない。今さら党に忠義を尽くしたところで、君に対する党の判断が変わると思うか?もう俺と結託した前歴のある反動分子なんだ」
ユンジン「もう反動分子としてマークされているなら、ファン・ギチョル同志に従う理由はさらにありません!」

キチョルは呆れたように舌を鳴らした。「賢いと思っていたのに」

キチョル「なぜ皆が党を裏切り、俺の下に入ったと思う?金だ。党の力より、金の力のほうが強いとわからないのか?君がハードディスクさえ持って来れば、君の家族、いや、平壌じゅうの人をまとめて連れ出すだけの金だって用意できるんだ。俺が面倒を見てやる。北でも南でもないところで、一生幸せに暮らせるようにな」

「…。」ユンジンは思わず黙り込んだ。

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キチョル「イ・ユンジン君。腐った金づるを掴むつもりか?その金づるの先には、家族の死体がぶら下がっているだろうな」
ユンジン「!」
キチョル「君の家族は果たして北を抜け出せるだろうか…。よく考えろ」

電話はそこで切れた。

ユンジン「…。」

そこへ、黒い車が何台もやって来て、ビルの前に停まる。
ジョンハンたちが降りてきて、ビルの中へと駆け込んだ。

ユンジン「!」

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ソヌは大急ぎでヨンソのいる部屋を探した。
いくつかの部屋を覗き、ようやくヨンソを見つけると、カラオケの再生を停める。

ヨンソ「お兄ちゃん、来たのね!ちょうど良かった、サービスタイムに入ったの」

ヨンソが顔を輝かせると、ソヌは急いで彼女の荷物をまとめる。「行こう」
「え?」戸惑うヨンソの腕を掴み、部屋を飛び出した。

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ここで一旦区切ります。

ヨンソのGPS情報がバレバレだったり、ちょっと都合のいいところが引っ掛かったりしますです^^;

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