SPY(スパイ:JYJジェジュン主演)4話あらすじ&日本語訳vol.1
キム・ジェジュン、ペ・ジョンオク出演。SPY4話前半。
あらすじの中で情景や表情も捉えつつ、台詞を出来るだけたくさん拾って訳して行きます。
わからないところが残っちゃってますが、すみません。
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ナイフ以外を戻したバックを返しやり、キチョルの手下はニヤリと笑った。
ヘリムは手下に掴まれた腕を振り払い、キチョルに詰め寄る。
ヘリム「あなたが何と言おうと、私は絶対ソヌを…」
キチョル「あぁ」
ヘリム「!」
キチョル「好きにしろ」
ヘリム「…。」
キチョル「望み通り、息子の代わりにやれ」
ヘリム「…。」
キチョル「ただし、一度でも失敗したり、指示に従わなければ、息子は渡してもらう。いいな」
ヘリム「そんなことにはならないわ。絶対に」
断言するヘリムに、キチョルは頷いた。
キチョル「キム・ソヌがどこへ出掛けたか、誰に会ったのか、どんな話をしたのか。突き止めて俺に報告するんだ」
「とりあえず24時間やる」そう言って、彼は一式の機材を差し出した。
キチョル「息子が何をして誰に会うのか、情報を集めて提出してみろ。特に、会社関係だ」
ヘリム「…。」
キチョル「会社の人間に関する情報は一つも逃すな。これは一種のテストだ。どれだけやれるか見てやろう」
「ソヌに何をさせるつもり?」彼らが話している間、ヘリムのバッグの中で小さな装置のスイッチが赤く灯っている。
ヘリム「回り道をしないで、それを言いなさいよ」
キチョル「お前は必要なことだけ知っていればいい。知りすぎれば、そのせいで死ぬことになる」
ヘリム「仕事を楽に進めるためよ。望みを言いなさい。それを突き止めるわ」
キチョルは一旦彼女に背を向け、ブラインドを覗く。
キチョル「キム・ソヌに望むことはない… それだけ知っておけ。俺たちが見ているのは、その上だ」
ヘリム「どの線?」
キチョル「…。」
ヘリム「何のために南へやって来たの?どう考えても変よ。単に情報のためなら、あなたみたいな野獣を寄越すわけないわ」
「人は皆変わる」そう言って、キチョルは鋭い目を向けた。「お前も昔のキム・ソンエじゃないだろ」
キチョル「(*)も出来ない南朝鮮の女、パク・ヘリムだ」
ヘリム「…。」
キチョルが小さなチップを差し出す。「キム・ソヌの携帯電話とノートPCに仕込め」
ヘリム「これは何?このせいでソヌに悪いことでも起きるんじゃないの?」
キチョル「単純なハッキング用プログラムだ。俺たちにとっても、お前の息子は大事な存在だ。簡単に潰したりはしない」
ヘリム「…。」
彼女はチップ類をポケットに突っ込み、その他の物を手早く手に取った。
キチョル「もう帰るのか」
「せっかく来たんだから、昔話でもして行けよ」キチョルが部屋の出口に向かい、腕で行く手を塞ぐ。
ヘリム「話すことなんてないわ」
キチョル「寂しいこと言うなよ。そうは言っても、一時は肌を合わせて暮らした仲なんだ。あの時はお前だって俺のことが好きだったろ。キム・ウソクが現れるまではな」
ヘリム「ちっとも。いつだってムカムカしてたわ」
キチョル「!」
言葉を失うキチョルを押しのけ、ヘリムは部屋を出た。
手持ち無沙汰にしていた手下が、ヘリムのナイフを差し出す。「お持ち帰りを。果物を剥かないと」
「俺を殺したいなら」キチョルが口を開いた。「ナイフよりマシな方法を考えるんだな」
ヘリム「努力してみるわ」
ヘリムは手下がぞんざいに差し出したナイフを受け取り、クルリとそれを回転させると、目にも留まらぬ速さで彼が咥えていた煙草の先を斬り落とした。
手下「?!」
背後でキチョルの笑い声が聴こえる。「息子をしっかり見張れよ」
+-+-+-+
会議は続いていた。
なかなか妻からの連絡が入らず、ウソクの焦りは募るばかりだ。
事業の仕切り直しを決め、皆が会議を終えて立ち上がった。
上の空のウソクに、代表が目を留める。「キム理事」
ウソクは一呼吸遅れて我に返った。
代表「今度こんなことがあったら困るよ。次からはちゃんとやってくれないと」
ウソク「はい、申し訳ありません、代表」
そこへ、ウソクの電話が鳴り出す。
ヘリムからだ。
電話を持つ彼の手が震えた。
+-+-+-+
「どうなった?」窓際へ移ったウソクは、乱れた呼吸で言った。
ウソク(電話)「君は大丈夫なんだろう?はぁ、良かった。あぁ、分かったよ。詳しいことは後で話そう」
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薄暗い執務室で、主任のジュンヒョクはPCのモニターを見つめていた。
画面に映っているのは、4台のカメラが捉えている取調室のスヨンの様子だ。
映像を巻き戻すと、ソヌが彼女と話しているのが映しだされた。
「あなたの言った、火傷キズの男… 僕の同僚を殺したんです」
「絶対に見つけ出して、捕まえます」
「あの男のことを話してください。思い出せること、聞いたこと、何でもです」
「その代わり、僕もあなたの家族を連れて来られるよう協力します」
ジュンヒョクが電話を手に取った。
ジュンヒョク(電話)「あぁ、俺だが。次長に繋いでくれ。折り入って話があると伝えてくれればいい」
+-+-+-+
ソヌが待っているミーティングブースを開けたのは、ヒョンテだ。
「全く…」彼はソヌの顔を見るなり、悪態をついた。「誰かと思ったら…お前の仕業か?」
ヒョンテ「お前の仕業かって言ってんだ!」
ソヌ「いいチャンスを逃す手はないって、そう主任に話したんです。会議でフォローお願いします」
ヒョンテ「はぁ、頭がおかしくないそうだ。話が通じないんだな、お前は。じっとしてろって言ったろ」
ソヌ「…。」
ヒョンテ「もう一度言うがな、人生で取り残されたくなかったら、今からでもやらないと言え。それにお前、ソン・ジュンヒョクがどんな人間か…」
ちょうどそこへ当のジュンヒョクが入ってくる。
ぞろぞろと男たちが続き、席についたジュンヒョクの後ろに並んだ。
その間をくぐるように、ウナが顔を出す。
「お前、飲んだのか?」鋭いジュンヒョクの指摘に、ウナは気まずそうに目を逸らした。
ジュンヒョク「こうして集まってもらったのは他でもない。キム・ソヌさんから面白い提案があったから、緊急に集まってもらったんだ」
「話してくれ」ジュンヒョクが早々にソヌへ話を振った。
ソヌ「はい。僕はチョ・スヨンをマスコミに公開するよりも、彼女を皮切りに、新しく構築された工作組織の目的を掴むべきだと考えます。これまで大概の工作員が起こした事件を見ると、単純に権力闘争の結果だと考えるには(*)が急で、方法もあまりに無慈悲です。僕は彼らが何らかの目的を持って韓国へやって来たと考えます」
「そりゃ何だ?」ヒョンテが言う。
ソヌ「まだ分かりません。ただ、韓国へやって来てからの行動がこれだけ早急で残忍だということは、小さい目的ではないはずです。向こうにもそれだけ重要なことがあるんでしょう。先日の地下鉄爆弾テロも、ヤツらの仕業かもしれません」
ジュンヒョク「いや、まだ確定したわけじゃないから、先走るな。それでも、危険なヤツらだから捕まえるべきだって点については認める。どうやって捕まえるかについては… 考えがあるなら言ってみろ」
ソヌ「チョ・スヨンを我々側の二重スパイにし、現場復帰させるんです。以前と同じように活動しながら情報を流させ、まだ粛清されていないスパイたちを一人ずつ集め、抱き込めば…」
ジュンヒョク「いや、ダメだ。集めて抱き込むまでにどれだけ時間が掛かる?そうじゃなくてな、火傷キズのある男は工作金のトラブルで工作員たちを殺したんだろう?チョ・スヨンが金を取り戻したと言えば、会うんじゃないか?そのとき、現場に踏み込んで逮捕すれば簡単に済むと思うが」
ソヌ「それは危険すぎると思います」
ジュンヒョク「この程度の危険を避けて、どうやってやり遂げる?」
ソヌ「…。」
ヒョンテ「…。」
ジュンヒョク「時間を引き伸ばせば、こっちの不利になるだろう。それに、よその部署が勘付くかもしれないから、その前にうちのチームでそいつを捕まえるんだ。それで終わりだ」
「え?私たちが?」ウナが声をあげる。「私たちは分析するだけなんじゃ?」
ウナ「そういうのは現場要員がすることなのに」
ジュンヒョク「キム・ソヌさんがいるじゃないか。この間まで最前線で活動していたイケメン要員がね」
ソヌ「…。」
ジュンヒョク「(後ろの男たちを指し)信用できる現場要員たちを連れて来たから、力仕事が必要ならさせればいい」
「挨拶しろ」ジュンヒョクに言われ、ずっと黙っていた男たちが頭を下げる。
ジュンヒョク「挨拶はちゃんとやれ」
現場要員たち「よろしくお願いします」
ソヌ「…。」
ジュンヒョク「それから、作戦はキム・ソヌさんが計画するのがいいだろうな」
ヒョンテの目が鋭くなる。
ジュンヒョク「そもそもソヌさんのアイディアだし、現場経験も多い。方法もよく解ってるだろうから」
ソヌ「はい。僕が担当します」
ジュンヒョク「OK」
「終わりにしよう」ジュンヒョクはあっさり立ち上がった。
+-+-+-+
廊下を歩くジュンヒョクに、ヒョンテが並ぶ。
ジュンヒョク「何だ?話でも?」
ヒョンテ「主任は冒険がお好きじゃないと思ってたんですが。このまま記者会見した方が、主任のキャリアのためになるんじゃ?」
ジュンヒョク「自分のキャリアよりチームのことを考えてるってことだ。それにしても、言い方がちょっとひねくれてるんじゃないか?俺に対して」
ヒョンテ「心配だからですよ」
ジュンヒョク「自分の人生でも心配しろ」
ヒョンテ「えぇ、僕の人生も心配ですがね。バレたらソヌが被るにしても、主任のズボンに糞がつくような気がするんですよ」
ジュンヒョク「ヒョンテ、お前は俺の言うとおりやってろ。頭を使って人生台無しにしたくせに、懲りないな」
ヒョンテ「そうですね、頭使っちゃダメだ。使いませんよ。ちょっと気になったもんで」
「おい、キム・ヒョンテ!!!!!」苛立ったジュンヒョクが怒鳴り声をあげる。
前を歩いていた現場要員たちが驚いて振り返った。
ヒョンテ「…。」
ジュンヒョク「なぁ、お前はただキム・ソヌがやるのを黙って見てればいい。お前にはまた他にやらせることがあるから。いいか?」
ヒョンテ「…えぇ」
「それからな、俺は冒険が好きだ」ジュンヒョクはそう言って、黙りこむヒョンテを残し、立ち去った。
ヒョンテ「…。」
+-+-+-+
再び誰もいなくなったミーティングブースに、ソヌは一人佇んでいた。
重苦しい気分を振り払うと、彼はモニターのスイッチを入れる。
ズラリと並んだ画面が一斉に明るくなり、さまざまなテレビのチャンネルが映しだされた。
その中の一つが、地下鉄の爆発事件について伝えている。
「事件発生直後、現場に設置された防犯カメラ映像を分析した警察は、つばの広い帽子に黒いコートを着て、サングラスをつけた女性を有力な容疑者と見て、身元の割り出しに力を注いでいます」
ソヌの電話が鳴った。
「見つかったか?」ソヌが中国語で答える。
ソヌ(電話)「…良かった。いつになる?金は出すから心配するな。出来るだけ急いでくれ。時間がないんだ」
+-+-+-+
キチョルから渡された機材を手に、ヘリムはソヌの部屋にいた。
盗聴器のマイクを手に、彼女は隠し場所を探して部屋を見渡す。
彼女が手にとったのは、棚に飾ってあった家族写真だ。
ヘリム「…。」
幸せそうに微笑んでいる自分たちをみつめる彼女の目が、涙で光る。
ヘリム「本当に… 上手くやるつもりだったのに。全部終わったと思っていたのに」
零れ落ちた涙が写真の上をつたう。
ひとしきり見つめると、彼女は写真立てを裏返し、そこにマイクを貼り付けた。
+-+-+-+
ソヌはスヨンの元に来ていた。
スヨン「分かりました。言われたとおりにやります。その代わり、終わったら新しい身分とどこか外国で暮らせるだけのお金をください」
ソヌ「…韓国にいる方が安全だと思いますが」
スヨン「もううんざりなんです。どこでもいいから争いのないところに行きたくて」
ソヌ「…。」
スヨン「それから、北にいる家族を必ず連れて来ないと。私一人じゃ絶対にここを離れられません」
ソヌ「…。」
「おい」イヤモニターからヒョンテの声が聴こえる。「何も約束するな。最大限に努力するって、それだけ言え。失敗したら全部お前が被ることになるぞ」
「…。」ソヌはそっとイヤモニターを外した。
ソヌ「分かりました。どんな手を使ってでも、家族に会わせます」
スヨン「…。」
ソヌ「絶対に危ない目には遭わせません」
スヨンは返された携帯電話を手に取った。「キム・ソヌさんを信じます」
「ありがとう」ソヌが笑顔を見せる。
ソヌ「気楽に言えばいいんです。金は見つけた、重要な情報を持ってる、会いたいって」
彼女はソヌの見ている前で、すぐに電話を掛ける。「もしもし」
「突然連絡が途切れたから、何かあったのかと思ったぞ」電話の向こうから聴こえてきたのは、キチョルの声だ。
スヨン(電話)「すみません。その… 実はショックが大きくて、しばらく休んでいたんです」
キチョル(電話)「分かるさ。あり得ることだ。もう大丈夫か?」
彼らが話している間、モニタースペースではウナたちが懸命に通話状況を解析していた。
モニター内の地図に表示された座標は、中国の北京だ。
ウナは隣にいるヒョンテに、首を横に振った。
スヨン(電話)「はい、仲間が隠したお金も見つかりました」
キチョル(電話)「そうか?そりゃよかった。ご苦労だったな」
スヨン「どこに持って行けばいいですか?お金以外に、重要な情報が一つあるんです」
キチョル「情報?」
スヨン「直接見ていただかないと」
チラリと視線を上げたスヨンに、ソヌが静かに頷く。
スヨン(電話)「監督官に関する情報なんです」
キチョル(電話)「そりゃ見なきゃな。時間と場所を決めて、また連絡する」
+-+-+-+
「おい」取り調べ室を出てきたソヌに、ヒョンテが言った。「監督官って何だよ」
ソヌ「あのとき、監督官がどこにいるのか知りたがってたじゃないですか。ついでに調べようかと」
ヒョンテ「事がそんなに上手く運ぶなら、俺は今、国情院なんかに…! なぁ、それにだ、何で出来もしない約束するんだ?しくじったら全部お前が被るんだぞ」
ソヌ「約束は…守ります」
+-+-+-+
「ただいま」ソヌが家へ帰って来ると、ソファにいたヘリムが立ち上がる。
「会社で何もなかった?」息子と一緒に奥へ歩いて行く妻を、ウソクは緊張した様子で見送った。
「またすぐ出なきゃならないんだ」部屋に入って机に鞄を置くと、ソヌは携帯を取り出してそう言った。
ソヌ「持って行くものがあって、寄ったんだ」
ヘリム「こんな時間に?」
ソヌ「うん。最近他の部署と協議してることがあるんだけど、返事がなくて。事務所で待機しなきゃ」
黙って見つめるヘリムに、ソヌは思わず笑った。「夜勤手当は出るから、心配しないでよ。行って待機してればいいんだ」
ヘリム「それじゃ夕飯は?」
ソヌ「友だちと食べることにしたよ」
「ちょっとシャワーするよ」ソヌはクローゼットの扉を開く。
「えぇ」ヘリムはソヌが机の上に置いた携帯電話をチラリと見た。
+-+-+-+
ヘリムは冷蔵庫からグリーンジュースを出すと、それをトレイに乗せた。
部屋から出てきたソヌが洗面所へ向かう。
「あなた」彼女が小声で夫に声を掛けると、ウソクが苦渋の顔で頷く。
畳んだ服とジュースを持って、ヘリムは誰もいなくなったソヌの部屋に入った。
畳んだ服に忍ばせてあったチップを取り出すと、手早く携帯の中にセットする。
ただちにセットアップが始まり、ほんの数秒でハッキングプログラムのインストールが完了した。
彼女は素早く携帯を元通りに戻し、別の小さな装置を彼の鞄の一番奥に突っ込んだ。
次にノートPCを取り出し、携帯同様にハッキングプログラムをインストールする。
インストールが完了するまでの時間がとんでもなく長く感じられた。
+-+-+-+
シャワーを済ませたソヌが、首からタオルをぶら下げたまま、リビングのウソクの前を通り過ぎる。
間に合うのか?!
ウソクは固唾を呑んで息子の姿を目で追う。
#顔に出過ぎてて、どこかでボロだしそうだわ。ウソクさん
+-+-+-+
97%、98% …
あともう少しのところで、突然部屋のドアが開いた。
ヘリム「!!!!!」
しまった!
その瞬間…
「ソヌ」向こうでウソクが息子を呼ぶ。「水を一杯頼む」
見開いたヘリムの目に、少し開いたドアの向こうでソヌが背を向けているのが見えた。
ソヌ「冷たい方?」
ウソク「あぁ。(咳払い)コップにたっぷりな」
ソヌは一度開けたドアを閉め、キッチンへ向かった。
ウソク「ありがとうな」
+-+-+-+
インストール完了の表示が出た瞬間、ヘリムはUSBメモリーを抜き取り、PCを鞄に戻す。
服の上に並べていた小さなチップ類を回収し、服を畳み直した瞬間、ドアが開いてソヌが入ってきた。
「一気に飲み干して」ヘリムは机の上のグリーンジュースを息子に差し出し、ニッコリ微笑んだ。「体にいいから」
+-+-+-+
「行って来るよ、母さん」ソヌが鞄を担ぎ、玄関へ向かう。
ヘリム「気をつけてね。あまり遅くならないで」
出掛けたソヌが、エントランスを出て行くのを窓から確かめると、ヘリムは夫に声を掛けた。「行ったわ」
すでに身支度を整えていたウソクが部屋から出てきた。
ヘリム「ヨンソの塾が終わるまでに帰って来られるわよね」
ウソク「そりゃ行ってみないと分からないんじゃないか?」
ヘリム「あんまり遅くなるようなら、あなたは先に家に戻って。いいわね?」
ウソク「車は?」
+-+-+-+
二人が乗り込んだのは、いつもと違う軽自動車だ。
昼間、ヘリムが乗って帰ってきたものだった。
ウソク「この車は何だい?」
ヘリム「長期レンタルしたの」
ウソク「?」
ヘリム「うちの車で尾行なんて出来ないでしょう?」
ウソクが納得して深く頷く。
ヘリムが手にしたGPS追跡装置には、対象が移動していく様子が赤い点で示されていた。
さぁ、出発だ。
+-+-+-+
ここで一旦区切ります。
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