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夜警日誌あらすじ&日本語訳15話vol.1

   

チョン・ユンホ(東方神起ユノ/ユンホ)、チョン・イル出演、「夜警日誌」15話前半、ドラマのあらすじを掴みながら、台詞を丁寧に日本語に翻訳していきますね。

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「領相!」リンは母の血書を握りしめ、領相に詰め寄った。

領相「いかがなさいましたか」

「領相…」あまりの怒りに、肝心の言葉は出て来ない。
そこへ、意外な人物が彼を止めた。「駄目だよ!」

リン「!」

いつの間にか彼のそばにいたのはランイだった。
後ろには左相(霊)も付き添っている。

ランイ「駄目だよ、リン」
リン「?」

彼女は大きな目を見開き、彼を懸命に見上げた。
後ろにいる左相(霊)は、パク・スジョンの姿に唇を震わせる。

ランイ「分からない?中殿媽媽はあんたにこんな無謀な真似をさせたくて、それを遺したんじゃない。あんたが危険な目に遭わないように、この男から身を守れって… そのために教えてくれたんだよ」
リン「…。」
ランイ「どうして… どうしてお母さんの心が分からないの?」
リン「…。」
ランイ「どうして!」

じっと黙っているリンに、ランイの言葉の聞こえるトハが促した。「大君!」

領相「お話しください、大君。どのような御用でいらしたのですか」
リン「…。」
領相「大君」
リン「…。」
領相「大君!」

「…。」リンは握りしめた血書を手のひらの中に収めると、辛うじて手を下ろした。
そして、静かに口を開く。

リン「近頃、宮廷に鬼神が出没しているそうですね」
領相「?」
リン「宮廷で無念の死を遂げた者が、何か言いたいことがあって現れたのだと、皆そう言っています」
領相「大君、そのような話は別の人にどうぞ。私は鬼神などに関心はありません」

「それではこれで」領相は家の中へ入ろうとする。

リン「キム尚宮の姿もあったそうです」
領相「!」
リン「皆の話によると、キム尚宮は何か無念な目に遭ったそうですが…」
領相「…。」
リン「それが何なのか疑問です」

リンはもう一歩領相に近づき、声を落とした。

リン「ひょっとして、領相は何かご存知ですか?」
領相「…。」
リン「12年前なら、領相も宮廷内にいらしたではないですか」
領相「12年前に死んだ中宮殿の尚宮が…私に言いたいことなどあるはずもないでしょう」

リンがハッと表情を変える。
彼の目に力が宿った。

リン「キム尚宮と言うのは… 中宮殿のキム尚宮だったのですか!」
領相「!」
リン「母上に仕えていた尚宮を、12年過ぎても憶えておいでだとは…。領相には感銘を受けました」
領相「… そんなところに意味を持たせる必要はありません」
リン「お望みなら…そうしましょう」

領相はピクリと眉を上げる。「それでは気をつけてお帰りを」
リンの横を領相が通り過ぎると、お付きの者たちも一斉に散る。

「…。」立ち尽くすリンの後ろで、ムソクとトハはじっと彼を見つめた。

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屋敷へ戻ってきた領相を、娘のスリョンが待っていた。「お父様」

スリョン「決して大君に負けてはなりません」
領相「…スリョン?!」
スリョン「もはや… 私が大君を手に入れる方法はお父様の力しかありませんから」
領相「!」
スリョン「ですから、いつも壮健でいらしてください」

父の知らぬ間に、娘はすっかり変わっていた。
パク・スジョンさえも、冷えきったスリョンの眼差しに言葉を失い、ただ当惑して彼女を見つめた。

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歩き出したリンは、半ば放心状態で辺りを見渡した。

トハ「誰をお探しですか?」
リン「ランイ… ランイの姿が見えないのだ」
ムソク「…。」

ランイは近くの石塀の影に隠れ、そっとリンの様子を窺う。
リンは母の血書を両手で握りしめ、震えていた。

ランイ「…。」

困ったランイが背を向けると、目の前に突然現れた左相(霊)が彼女を睨んだ。

ランイ「はっ!ビックリした!」
左相(霊)「言ってみろ」
ランイ「な、何を?!」
左相「誰だ?」
ランイ「…。」
左相「誰なんだ?お前は」
ランイ「!」

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宿の地下室へ戻ってくると、リンはそこにいたサンホンに声を掛けた。「夜警隊長」

サンホン「…大君?」

リンは手に持った血書を、震える手でサンホンに差し出す。

リン「絶対にパク・スジョンを許せません」

サンホンはそれを受け取り、広げてみる。「!!!」

サンホン「大君!」
リン「こんな酷いことがあろうとは!これまで私を案ずる振りをして来た者なのです!我が母を殺しておいて、私を案ずる振り、私を慰める振り!!!」
サンホン「…。」
リン「そうとも知らず、私は感謝の気持ちでいたのです。それなのに、こんなことがあろうとは…。どうしてこんなことが!!!」
サンホン「落ち着いてください…」
リン「この状況で落ち着いていられるわけがありません!」
サンホン「これから私が言うことをよくお聞きになってください。人々の前で声を荒らげ、悲嘆に暮れてはなりません。そして…パク・スジョンに勝てる可能性があるときだけ、そのときだけ行動を起こしてください」
リン「母上を殺したのです!腹が立って我慢なりません!」

「そんなに興奮して一体何が出来るとお思いですか!!!」サンホンが大声でリンを諌める。

リン「!」

サンホン「今は… 耐えなければなりません。大君に出来るのはそれだけです」
リン「…。」
サンホン「いつか来る日のために…どうか力を蓄えてください」
リン「…。」

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リンは何も言わず、踵を返した。
怒りに満ちたその足音に、サンホンは深く溜息を漏らす。「…。」

+-+-+-+

ムソクとトハはリンが出てくるのを宿の外で待っていた。
出てくると、彼らのことなど目に入らないかのように、リンはまっすぐに通り過ぎる。
トハは思わず彼を追いかけた。

橋の上まで歩いてくると、リンはそこで足を止める。
すぐ後ろを黙ってついて歩いていたトハも、彼に合わせて立ち止まった。

リン「…。」
トハ「…。」
リン「もういい… ついて来なくとも」

リンは小さく彼女を振り返る。虚ろな横顔が彼女の目に入った。

リン「大丈夫…」
トハ「…。」
リン「大丈夫だ」

それだけ言って、リンは再び力なく歩き出す。

トハ「…!」

到底一人で行かせることなど出来ず、トハは後ろからリンを抱きしめた。

トハ「私の目には… とても… とても辛そうに見えます」
リン「…。」
トハ「だから… 私も辛いです」

背を向けたまま、リンの頬を涙が一筋流れ落ちる。「…。」

398

彼の腰に回したトハの手に、リンは自分の手のひらを重ねた。

#盛り上がってるとこ悪いけど(笑)、この綺麗な橋はパク・スジョンの屋敷のすぐそばのはず。
7話でスリョンが「逃げてください」って泣いたのもここだもんねぇ

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+-+-+-+

翌日、領相パク・スジョンは血書の処分を命じた手下を呼んだ。

領相「血書を奪われたと?!誰なのだ?誰が持って行ったのだ?!」
手下「分からないのです。一瞬のことで…。申し訳ありません」

昨夜リンが何か握りしめていたのを、領相は思い浮かべる。

領相「まさか!!!」

#ふむ。サダムは悪いやつだけど、他の悪人たちをいい感じに引っ掻き回してくれるから嬉しいね^^

+-+-+-+

リンが母の血書を持ち込んだのは、大妃の元だった。

#あんたって人は…

「これは何?」血書を差し出されると、大妃はそれほど怪訝な様子も見せず、それを広げ始めた。

リン「母上の書簡です」
大妃「?」

広げた血書に、大妃は静かに目を走らせる。
読み進める大妃の表情を、リンはじっと見つめた。

大妃「中殿のものに間違いはないの?」
リン「はい、確かです」

「分かったから、帰りなさい」大妃は淡々とそう告げた。

リン「…御祖母媽媽?」
大妃「帰るようにと言ったのです」
リン「母上が私に遺されたものなのです。母上は領相に殺され…」
大妃「黙りなさい!」
リン「!」
大妃「どうしてそう軽率なの?なぜ… 出処も明らかでない文書一つに分別を忘れるのですか!」
リン「…御祖母媽媽!」
大妃「帰りなさい。それから、私が呼ぶまで宮中への出入りは慎みなさい。いいわね?」
リン「!」

愕然とする孫を前に、大妃は厳しい表情で目を逸らした。

+-+-+-+

大妃殿から出てきたリンは、外で待っていたキサン君に出くわす。

キサン君「何事だ?」
リン「御祖母媽媽にご挨拶に参りました」
キサン君「御祖母媽媽はお怒りのようだったが?」
リン「私が不甲斐ないため御祖母媽媽のお怒りを買ったのです」
キサン君「要領の悪い奴だ。御祖母媽媽に心配をお掛けするとは!」
リン「…。」

「もう行け!」黙って頭を下げ、立ち去るリンの後ろ姿を、キサン君はそっと振り返った。

+-+-+-+

リンに続き、キサン君が大妃の前へ腰を下ろした。

キサン君「月光は御祖母媽媽に何か心配をお掛けしたようですね」
大妃「心配などと… そのようなことはありません」
キサン君「嘘をつくのはおやめください」
大妃「!」
キサン君「御祖母媽媽の声は外まで聞こえていました。それなのに何でもないと?どうぞお話しください」
大妃「…。」
キサン君「一体何を隠しておられるのです?一体私に隠しているのは何ですか?」

「もうおやめください、主上!」大妃が声を荒げる。

キサン君「!」
大妃「いつまで… いつまで幼子のように弟を妬むのですか!」
キサン君「…。」

怒りで一杯になって大妃殿を出てきたキサン君は、すぐにムソクを呼ぶよう指示した。

+-+-+-+

一人になった大妃は忌々しい記憶に苛まれていた。
「大妃媽媽、主上殿下をどういたしましょうか」パク・スジョンが自分を訪ねてきた日のことが、頭を渦巻く。

大妃「…。」

+-+-+-+

ムソクは直ちに王の元へ参上した。

キサン君「月光大君の様子はどうだ?最近は何をしている?」
ムソク「…お変わりありません」
キサン君「ひょっとして、夜警隊というものを聞いたことがあるか?」

「…。」表情を変えぬまま、ムソクの視線が泳ぐ。

キサン君「月光が夜警隊を組織しているという情報がある。お前の目にもそのような動きはあったか?」
ムソク「…。」

401

ムソクの反応をキサン君は注意深く窺う。

ムソク「…。」

黙っているムソクに、キサン君は顔をしかめ、頭をおさえる。「なぜ答えられないのだ?」

ムソク「夜警隊は…」

「御医を呼べ!!!」ムソクの言葉を遮るようにキサン君が叫んだ。

ムソク「!」
キサン君「なぜ少しも頭痛が良くならないのか…」
ムソク「…。」

「続けろ」キサン君が痛む頭を押さえ、下を向いたまま促した。

ムソク「夜警隊には… 私は接触しておりません」
キサン君「そうか。今後、夜警隊について何か聞いたら、すぐ余に報告せよ」
ムソク「はい、殿下」

立ち上がり、背を向けたムソクは、ハッとして立ち止まる。
鬼針盤の針が激しく回っていたのだ。

ムソクは振り返り、キサン君の周りの気配に神経を研ぎ澄ませた。

キサン君「どうした?余に何か話でもあるのか?」

ムソク「いえ… 違います」

ムソクは頭を下げ、キサン君の前を去った。
キサン君の後ろにいるキム尚宮の姿は… ムソクには見えなかったのだ。
彼女は手に持った針でキサン君の頭を刺し続けた。

キサン君「あっ!」

+-+-++-+

「領相」茶を器に注ぎながら、大妃は静かに口を開いた。

大妃「12年前、あの夜のことをお忘れではないでしょう」
領相「…。大妃媽媽、何を仰っているのか…」
大妃「王室のためなら、私に出来ぬことはありません」

「我が息子まで見捨てた人間なのです」領相を見据え、大妃は強調した。
「…。」領相は何も言わず、自分の器を差し出す。
器に目を落とし、茶で満たすと、大妃はもう一度ゆっくり視線を戻した。

領相「大妃媽媽」
大妃「私は王室のためなら何でもやります。それが我が国朝鮮のためであり、民のためであるという考えに変わりはありません」
領相「…。」
大妃「領相もまた王室の安寧のためご尽力くださると信じます」

領相を試しているかのような大妃の前で、領相は苦々しい表情で最後まで口をつぐんだ。

#Twitterの予告動画訳で「息子を倒した」と書いちゃったところ、「裏切った、見捨てた」の間違いでしたm(_ _ )m

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自分の元へ集まる上疏文に、キサン君は眉をひそめた。

キサン君「誰も彼もやめろの一辺倒だ!」

「反対」「これも反対」広げては、乱暴に投げ捨てる。
官僚たちは押し黙ったまま、じっと俯いた。

キサン君「なぜ余のすることに反対ばかりするのだ!!!」

ふと床をみたキサン君は、自分が投げ捨てた上疏文の一つに目を止める。
そこには真っ赤な字で記された書が挟んであったのだ。「挙句の果てに血書まで!!!」

領相が大慌てで立ち上がる。

領相「殿下!そんな惨たらしい物をご覧になってはなりません!お目汚しになりますので、どうかお控えくださいませ!」

領相の言葉に反し、キサン君はその血書を広げた。

領相「!!!」
キサン君「(血書に目を通し)何と?左道に目が眩んだ暴君?!」

その内容に、領相はひそかに平静を取り戻した。「…。」

キサン君「書いた者を今すぐ捕らえよ!早く!!!」

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領相は右相ミン・ジョンソと肩を並べて正殿を出てきた。

右相「塔の工事現場から血書が見つかったそうですな」
領相「…初耳です」
右相「実に気になります。血で文字を書いて遺すとは、一体どのような内容だったのか」
領相「…。」

領相の反応を楽しむかのように、右相はじっと顔を見つめる。
「…。」領相は、ふと向こうにリンが姿を見せたのに気づいた。

二人が頭を下げると、リンは厳しい表情のまま、その場を立ち去った。

+-+-+-+

「上疏は?」人気のない場所で、リンはある官吏に尋ねた。

リン「ご苦労であった」

官吏が立ち去ると、リンは呟く。「キム尚宮を探さなければ。キム尚宮を…」

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リンは宮中を急ぐ内官の霊の後を追った。
その霊に導かれ、彼はある書庫の中に入る。

#序盤でも一度ここへ来たことがありましたね。
奥の部屋でキサン君とサダムが話しているのを耳に挟んだんでした。

そこは霊で溢れていたが、リンは彼らには目もくれず、ひたすらキム尚宮の姿を探した。

リン「キム尚宮、一体どこへ行ったんだ?」

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秘蔵庫の大蛇の周りを、サダムについてきた大勢の怨霊たちが取り囲んでいた。
キム尚宮がいたのはここだ。
彼女の隣にはソン内官もいた。

若い術士が一人、順番に怨霊の後ろに立つと、両手で術を掛ける。
「ここは一体どこなんです?」おどろおどろしい雰囲気に耐えられず、ソン内官は隣のキム尚宮に漏らした。

ソン内官「キム尚宮、大君様にお伝えすることがあるって仰っていましたよね?」

キム尚宮は彼の声など聞こえていないかのように、無表情で大蛇を見上げる。
だんだん近づいてくる若い術士に、ソン内官は恐怖を募らせた。

ソン内官「わ、私を帰らせてください。本当に恐ろしいのです!」

ソン内官はその場にゆっくりしゃがみ込むと、怨霊たちの間を這うようにして、夢中で外へ逃げ出した。

+-+-+-+

「退け!」大声を上げる左相(霊)の前で、ランイは懸命に両手を広げ、道を塞いだ。

ランイ「あの男のところへ行ってどうするのよ!今、リンのそばには私たちしかいないんだよ!」
左相「…。」
ランイ「しっかりしなよ!私たちは守護霊だってこと、忘れたの?!」
左相「忘れるわけがなかろう。どれほど腹立たしく無念なことか… 私を殺したパク・スジョン!」
ランイ「!」
左相「あやつをズタズタに切り裂いても足りぬ!このまま黙っていられるか!」

進もうとした左相に、ランイはそれでも両手を広げて立ち塞がった。

そこへ…
「助けてくださいまし!」ひどく取り乱した様子で、ソン内官が駆け込んでくるではないか。

左相「!」
ランイ「ソン内官!」

ソン内官は思わずランイに抱きついた。

左相「一体何があったのだ?」

「太っちょ宰相~!」ソン内官は子どものように泣いた。

ソン内官「死ぬ思いでしたよ!」
二人「?」
ソン内官「大君様の顔も見られずに、このままこの世からさようならするのかと思ったんですから!」

「ソン内官!」不意に呼ぶ声にソン内官は振り返る。「?!」

ソン内官「大君様ぁ!!!」

+-+-+-+

リンの部屋の前の縁側で、ソン内官はようやく落ち着きを取り戻した。

リン「キム尚宮に会ったって?!」
ソン内官「はい。宮廷にもキム尚宮媽媽について行ったのです。キム尚宮媽媽が大君に伝えてほしいことがあると、私にそう言うので」
リン「伝えてほしいこと?」
ソン内官「キム尚宮媽媽なら、きっと中殿媽媽に関係のあることでしょう」
ランイ「!」
左相(霊)「それは何だ?」

「聞けずに出てきてしまいました」ソン内官は申し訳なさそうに顔を歪めた。

リン「…。」
ソン内官「そこへ怨霊たちがウヨウヨしていて、恨めしい声を出すもんだから… 死ぬなら潔く死ねばいいのに、怨恨を持った霊は本当に恐ろしいです!」
リン「そなたがそこで見聞きしたこと、一つ残らず話してくれ」

ソン内官は大きな目を見開き、リンを見上げた。

+-+-+-+

ソン内官から話を聞いたリンは、サンホンの元へ向かった。

リン「ソン内官の話によると、宮中に多くの怨霊たちが集まり、サダムの追善(=極楽往生を祈祷すること)を待っているそうです」
サゴン「つまり、サダムが追善を餌に怨霊たちを宮中に引き入れたってことですね」
サンホン「怨霊というのは、それを率いる者さえ往生すれば、その下にいる者たちも自然に往生するものです」
リン「追善しなければ。そして、キム尚宮を救い、パク・スジョンであろうとサダムであろうと、彼らが成し遂げようとしていることを全て阻止します」
サンホン「追善は個人の怨恨を解くためにするものではありません」
リン「隊長!」

402

サンホン「大君は今、復讐のために彼らを利用しようとしているのです!」
リン「!」
サンホン「… 怨霊とは生前捨てられた者たちです。大君の復讐のために、再び彼らを利用するのはおやめください」
リン「宮中を彷徨う鬼神たちを、何とかして往生させるべきでしょう!感謝されることではないですか!」
サンホン「大君!」

そこへトハとムソクが遅れて現れる。
二人の姿を見ると、リンは黙って部屋を飛び出した。

トハ&ムソク「?」

#丁寧な言葉づかいのまま、親のように毅然とリンを叱るサンホン兄が好き♥

+-+-+-+

すぐにリンを追ってきた二人は、足早に歩くリンを引き止めた。

トハ「一人じゃ駄目です!」
リン「…。」
トハ「もし何かあったら…!」
ムソク「冷静に考えるべきです」

「どんなに考えても答えは同じだ」リンは前を見据えたまま首を横に振る。

リン「私は一人でも行く」
トハ「!」
リン「行って怨霊たちを追善し、キム尚宮に会って、あの日の事件について聞かなければ」

リンは自分の袖を掴んだトハの手を外すと、彼らを置いて立ち去った。
一体どうすれば… 残された二人は途方に暮れ、頑なな後ろ姿を見つめる。

+-+-+-+

領相は再び手下の武官を呼び寄せた。

領相「血書は月光大君が持っているはずだ。今度は何があっても血書を手に入れよ。よいな」

領相は大きく目を見開き、手下に圧力を加える。
手下はすぐさま行動に移った。

+-+-+-+

領相の手下は夜中にリンの屋敷の塀を超えた。
誰もいない部屋へやって来ると、めぼしい場所を探す。

男は守護霊3人衆にすっかり見られているとは夢にも思わなかった。

ソン内官「何探してるの?」
ランイ「!」

壁際の棚をひと通り調べると、男は座卓の物入れを開けた。

ソン内官「どうして大君様の文箱を漁るのよ?」

そこへ、ふいに男に駆け寄ったランイは、小さな手で力いっぱい男の首を締めた。

男「うっ!!!」

男は首もとを押さえ、もがき苦しむ。

ソン内官「どうしたのよ!」
ランイ「!!!」
ソン内官「この子ったらどうしちゃったの?!離しなさい!」

ソン内官はやっとのことでランイを男から引き離した。
逃げ出す男を睨みつけると、ランイは突然足の力が抜けたのように、その場に座り込む。

左相(霊)「しっかりするんだ」
ソン内官「さっきはどうしたの?悪霊みたいに。怖かったじゃないの」
ランイ「…。」

そのとき部屋に入って来たリンは、床にへたり込んでいるランイを目にする。

リン「大丈夫か?」

「はっ!」我に返ったようにリンを見上げると、ランイはコクリと頷いた。

ランイ「パク・スジョン」
リン「?」
ランイ「あの男が人を送り込んだの」
リン「!」

左相とソン内官も驚いて顔を見合わせた。

ランイ「逃げよう、リン。逃げなきゃ駄目だよ」

403

+-+-+-+

ここで一旦区切ります。

本当のところはまだ分かりませんが、もしランイがリンの母だったら、リンの部屋に忍び込んだ男は彼女を殺した張本人ですね。
彼を見たランイの表情にも頷けます。

それにしても…ソン内官のラブリーなこと♪

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