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夜警日誌あらすじ&日本語訳14話vol.2

   

チョン・イル、チョン・ユンホ(東方神起ユノ/ユンホ)出演、「夜警日誌」14話の後半です。 あらすじの中で表情や心の動きも拾いながら、台詞も詳細に翻訳していきますね。

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「蔵書閣には特に気になる動きはありません」地下室では潜入調査をしているサゴンが報告を行っていた。

話を続けようとして、彼は皆の注目を前に溜息をつく。

サゴン「私は夜警師でもないのに、こんなところで何してんだか、全く…」

「もう知りません!」サゴンは勝手に話を打ち切り、部屋を出て行った。「本当に知りませんから!」

サンホン「サダムはすでに随分準備をしていたようです。結界まで張って大君を阻むとは」

3人はお互い顔を見合わせる。

サンホン「どうした?」
トハ「実は… 結界の中で彼らを見たんです」
サンホン「彼ら?」
トハ「間違いなく夜警師たちでした」
サンホン「!」
リン「結界に閉じ込められた時、私たちを攻撃してきたのは… 夜警師たちだったのです」
サンホン「!」
リン「一体なぜ我々に攻撃して来たんでしょうか」
サンホン「本当に彼らだったのですか?」

「…えぇ」リンは頷いた。

サンホン「怨霊たちは、自分の怨念が拒まれれば、少しずつ怨念が積もり、悪霊になることがあるんです」
トハ「つまり、彼らが悪霊になったということですか?」
サンホン「そうでないことを、切に願うことしか…」

「…。」重苦しい空気が場を包む。

サンホン「彼らの怨念を利用されれば、予想もつかない状況がやって来るかもしれません。それが心配です」

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話し合いを終え、リンはトハと共に宿の外へと出てきた。

「予想もつかない状況とは…」沈黙を破ったのはリンだ。

トハ「…。」

「トハ…」リンの声はどこか切実で、トハはドキリとして立ち止まった。

トハ「?」
リン「お前が漢陽で暮らす理由は、本当にサダムだけなのか?」
トハ「ご存知じゃないですか。あの男が私にとってどういう存在なのか」
リン「あやつがトハにとってどういう人間なのか… それはよく分かっている」

そこへ中から出てきたムソクは、二人の姿に気づき、そっと足を止める。

リン「けれど私は… 私だったらいいのにと… そう思う」
トハ「!」
リン「トハ、お前が漢陽にいるただ一つの理由… それが私であったら… 私であったら嬉しい」
トハ「…。」

「…。」二人を見守っていたムソクは、沈黙が生まれると、二人に近づいた。

ムソク「帰らないのですか?」

「それじゃ、お気をつけて」トハはリンに頭を下げ、彼の前を後にする。
トハの背中を目で追うリンを、ムソクはさらに後ろで見つめた。

390

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リンとムソクは帰り道を二人で歩いていた。

ムソク「あの娘を想っていらっしゃるのですか?」

リンは静かに立ち止まると、黙ってムソクを振り返る。「…。」
ムソクはまっすぐリンに向き直った。

ムソク「なぜじっとご覧になるのですか?」
リン「いや…。君がそんなことを訊くから… 妙な気がしたのだ」
ムソク「大君が責任をとれる娘ではありません。ですから、これ以上はおやめください」

リンは力なく頷いた。

リン「それでも… どうしようもない。もう始まってしまったのだ」
ムソク「…。」
リン「そして… 随分遠くまで来てしまった」
ムソク「責任というものを疎ましく思って来られたではありませんか。官職も人間関係も、大君は責任というものをまともに取られたことはないのです」
リン「だから、今度こそちゃんとやってみようと思う。責任を取り、護り… トハ、あの娘のことから始めるつもりだ」
ムソク「大君が他のことから始めてくださればと、私はそう願います」

リンを残し、ムソクは一人歩きだした。

リン「…。」

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「どうしよう~」相変わらず留守番をしているソン内官が、他の二人にぼやいた。

ソン内官「大変なことになってるんです。怨念も晴らして、追善(=極楽浄土を祈ること)もしてくれるからって、みんなその人について行ってるんですから」
左相(霊)「ホントに?そいつは何だ?人なのか?鬼神なのか?」
ソン内官「私も詳しいことはよくわからないんですよ」

「どうなってるのか調べてきますね」ソン内官がそわそわと歩き出す。

左相「待て!」
ソン内官「?」
左相「行っては駄目だ」
ランイ「そうだよ。行かないで。何だか嫌な感じがする」

ソン内官は思わず噴き出す。「二人が止めるから、余計行きたくなりましたよ」

ソン内官「心配しないでください。行ってきますね!」

ソン内官は駈け出した。

左相&ランイ「…。」

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夜の街に霊たちが大勢集合していた。
真ん中に立った男の霊が、話し始める。

男「我々は生前晴らせなかった無念のせいで怨霊となった。そんな我々の心をいたわり、怨念を晴らしてくれる御方だ」

「さぁ!」男は右上へと手を差し出す。「この御方に続いて宮廷へ行こうではないか!」

男が指した先に立っていたのは、他でもないサダムだ。
怨霊たちが一斉に咽ぶような声を上げる。

サダム「無念の怨霊たちよ!私について来い!このサダムについて来るのだ!」

この穏やかでない空気に萎縮し、キョロキョロしているのはソン内官だ。

ソン内官「大変!早く知らせなきゃ」

彼はふと隣にいた霊にぶつかった。相手を見て彼は目を丸くする。

ソン内官「キム尚宮ではありませんか?!私、ソン内官です」
キム尚宮「…。」

キム尚宮は何も言わず、この集会の様子をじっと見つめた。

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屋敷へ戻ってきたリンは、庭に座り込んでいる左相(霊)とランイに気を良くした。

リン「出迎えてくれるとは、いい気分だな」
ランイ「勘違いしないでよ!ソン内官がいなくなったの」
リン「いなくなったって?」
ランイ「何か調べるって出掛けたんだけど、戻って来ないんだよ」
左相「…。」
リン「!」

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リンは二人の霊を引き連れ、再び街の中へと出てきた。

リン「ここに間違いないか?ソン内官が来たのはここなのか?」
左相「はい。ここで秘密の会合があると聞きました。そうだよな?」

「!」ランイが突然何かを目にして驚愕する。

左相「何で答えないんだよ?」
ランイ「!!!」

民家の扉の向こうで、こちらを見つめている影。
それは、キム尚宮だったのだ。

「おい」硬直しているランイの顔の前で、リンが手を振ってみせる。

ランイ「はっ!」
リン「大丈夫か?」
ランイ「あ!うん、大丈夫」

キム尚宮がスッと背を向ける。
「?」リンが振り返った時、すでにその姿はなかった。

リン「それにしてもソン内官はどこへ行ったんだ?」

ソン内官の姿を見つけられぬまま、彼らはそこを後にした。

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梅蘭房は今日も多くの客で大賑わいだ。

その中に、友人二人と茶を楽しむスリョンの姿があった。

友人1「これまで随分苦労されたと聞きました」
スリョン「…。」
友人2「毅然と乗り越えられたなんて、本当にご立派です」
スリョン「ご心配ありがとうございます」
友人1「それはそうと、噂はお聞きになりました?ここに術師がお一人いらっしゃるんですが、その方の術が凄くて、願い事を全て叶えてくれるそうですよ」
友人2「私も聞きました。キム進士のお宅のヒョリョン嬢は、その方に頼んで、想い人の気持ちを掴んだそうではありませんか」
友人1「本当ですか?!それなら私たちも一度…」

黙って聞いていたスリョンが、茶器を置いた。

スリョン「そのような左道は信じるに値しません」
友人たち「!」
スリョン「それに、心なんてどこが重要なのかしら」
友人たち「…。」
スリョン「見えもしないものを手に入れようと、年月を無駄にしてはいけないわ」

「では」スリョンは冷たい表情で立ち上がった。

一度外へ出た彼女は、上に羽織る長衣を忘れたことに気づき、再び梅蘭房の中へと戻る。
彼女の耳に聞こえてきたのは、友人たちが言い合う自分の陰口だった。

友人1「偉そうにしちゃって、国母(=皇后や皇太后)にでもなったつもりかしら?」
友人2「そうですよね。月光大君のおそばばかり彷徨いて、怨女になってしまったんですわ」

スリョンは彼女たちの前に現れると、椅子の背もたれに忘れた長衣を無言で掴んだ。

スリョン「…。」

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「私はね…」帰り道、スリョンは独り言のようにお付の下女に呟いた。

スリョン「ただ好きだったの。大君だから好きになったんじゃなくて、私の好きな御方が、たまたま大君だっただけ」
下女「お嬢様…」
スリョン「恵民署でも… ただただ患者を助けるのが嬉しかった…」
下女「もうお忘れください」
スリョン「けれど… 分からないの。本当にただ好きだったのか。自分でも気持ちがよく分からないわ」

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自宅の庭で今日もムソクは一人、黙々と鍛錬を続けていた。
そこへやって来たのはトハだ。

トハ「大君もここへいらっしゃるそうです。結界を破る方法を、一緒に考えようって」

ムソクは不意に視線を逸らす。「大蛇なんて物が本当にいるんですか?」

トハ「どうなさったんですか?」
ムソク「私はイナのような人が出ないことを願う気持ちで加わったんです。でも… 正直よく分からない。今やっていることが」
トハ「そんな疑問はずっと続くと思います。実体のない鬼神を相手にしているんですから」
ムソク「…。」

「お兄様!」そこへ入って来たスリョンは、ムソクがトハと一緒にいるのを見て顔をひきつらせた。

スリョン「なぜ賤しい巫女などを家に入れたりなさるのですか!」
ムソク「スリョン!」

スリョンは冷たい目でトハを見据える。「巫女も妓女も同じだわ」

トハ「!」
スリョン「そう、賤しい本性は隠せないのよ」
トハ「お言葉が過ぎます」
スリョン「今度無礼な真似をしたら、言葉だけでは済まない… 間違いなくそう警告したはず。それなのに!私の警告を無視して、今度はお兄様にまで!」
ムソク「スリョン、やめるんだ!」

自分を諌めるムソクに、スリョンは呆れて絶句した。

スリョン「お兄様!どうしてお兄様がこの娘の肩を持つのですか?私ではなく、どうしてこの娘なのですか!!!」
ムソク「…。」

「スリョン嬢」いつの間にか門を入って来たリンが、後ろから声を掛けた。

スリョン「!!!」

顔を見ずともその主は分かる。スリョンはゆっくりと振り返った。
リンもムソクも、そしてトハも、彼女を前にとても悲しい目をしていた。
いたたまれず、スリョンは足早に屋敷を後にする。

リンはスリョンを追うことなく、立ち尽くすトハに視線を移した。

リン「…。」

+-+-+-+

憤ったスリョンはもう一度梅蘭房へと戻ってくる。
つかつかと中へ入ると、彼女は房主の姿を探した。「房主!」

「お嬢様」応対したのは秘書だ。

秘書「房主様はお体の具合が良くないのです。ですから」
スリョン「恐れ多くも誰の前に立ち塞がるの?」
秘書「お嬢様!」
スリョン「早く退きなさい!早く!」

スリョンは秘書を怒鳴りつけた。

そこへ現れたのはサダムだ。

サダム「房主に何か御用ですか?」
スリョン「!あなたは… 梅蘭房に居候しているという術師ですか?」

サダムは微笑んだ。「私に頼み事がおありのようですね」

+-+-+-+

応接室でサダムとスリョンは向き合って座った。

サダム「どうぞお話しください」
スリョン「人の心を奪うことが出来るそうですね」

緊張しているスリョンとは逆に、サダムは寛いだ様子で頷く。

サダム「難しいことではありません」
スリョン「それでは…お願いします」
サダム「誰ですか?」
スリョン「月光大君」
サダム「…。」
スリョン「彼の心を手に入れたいのです」

「…。」サダムはしばらく思案した。

サダム「そういうことならばお手伝いしなければ。それで、私には何をくださるのです?」
スリョン「何をお望みですか?お金でも何でも、お望みのものを仰ってください」
サダム「すでに欲しいだけ持っていますので、そんなものは必要ありません」
スリョン「?」
サダム「月光大君の心の中にいるあの娘。あの娘を私にください」

意外な提案に、スリョンは愕然とした。

サダム「お嬢様は大君の心を、私はあの娘を。いかがです?」
スリョン「!」

+-+-+-+

スリョンとの話を済ませたサダムがヨンウォルの元へ向かおうとすると、秘書が立ち塞がった。

秘書「いけません、道流様」
サダム「?」
秘書「今日はどうかこのままお引き取りください」
サダム「!」

何を感じ取ったのか、サダムは秘書の制止を振りきった。

+-+-+-+

どんなに資料を探っても、何一つ分からない。
ヨンウォルはいよいよ完全に混乱していた。

居ても立ってもいられず部屋を出ようとすると、ちょうどそこへ入って来たサダムに、彼女は思わず後ずさりした。

ヨンウォル「何もわからないのです!一つも思い出せないわ!」

「一体何をしているのです?」サダムは卓上に散らばった資料に目をやった。

ヨンウォル「私は誰なのか… 私の父、母は…!」

ヨンウォルは再び錯乱して資料を漁る。

ヨンウォル「道流様に出会ってからの記憶しかないのです!」

サダムは彼女の腕を掴み、自分の方へ無理やり振り向かせた。

サダム「落ち着いてください、房主」
ヨンウォル「私に一体何をしたのですか?」
サダム「なぜそんなことを?」
ヨンウォル「全部観たのです!!!道流様が侍女たちにしたことを!!!」
サダム「房主!!!」
ヨンウォル「全部道流様のせいだわ。私に何をしたのですか?一体私は…私は誰なのですか!私は誰だと聞いてるのです!!!」

サダムは大きく目を見開き、叫ぶヨンウォルに眼力を送った。

ヨンウォル「はっ!」

気を失ったヨンウォルを、サダムは抱きとめる。

サダム「…。」

+-+-+-+

蔵書閣付近で行われている工事には、今日もサゴンとチャン氏が潜り込み、密かに目を光らせていた。

ある男が石垣の隙間に手をいれると、妙な物を見つけた。
「どうしたのだ?」声を掛けた文官に、男はそれを手渡す。

白い布いっぱいに、赤い色で文字が書かれていた。

文官「!!!」

その布を広げてみた文官は酷く驚いた様子で、それを畳む。「これは私に任せよ」
文官は急いでどこかへと姿を消した。

チャン氏「ちょっと見ただけでも妙だよな」
サゴン「そうですね。何であんなに驚いたんだろう?」

遠巻きに様子を窺っていたチャン氏たちは、布を見つけた男にそっと近づく。

チャン氏「何て書いてあったんだい?」
男「何がです?」
サゴン「さっきの布に何て書いてあったんだ?」
男「あぁ。字が読めないから、何も分からないよ」

+-+-+-+

文官が持ち去った布は、ある武官へと渡る。
その武官はただちに領相の屋敷へ向かった。領相の手下だったのだ。

手下「大監、大変な失態を犯しました」

武官はその布を領相に差し出す。

領相「他に誰が知っている?見た人間は?」
手下「今のところは安心なさって大丈夫です」
領相「!」

領相は手にした布で男の横っ面を思い切りはたく。

手下「!」
領相「どこで見つかったのだ?」
手下「蔵書閣の工事現場です。どういたしましょうか」
領相「家宝にでもしろと言うのか?今すぐ始末せい。今すぐ!」

布は再び手下の手に戻る。「出来の悪い奴め」

#危険だって!そういうのは自分自身で処分しなきゃ
悪い奴はいつか利用するために、こっそり取っておくものだよー

+-+-+-+

トボトボと歩いてきた手下の様子を窺っていたのは、どこからか忍び込んだホジョだ!
彼は背後から近づくと、男の後頭部を殴り、あっさり気絶させた。
ホジョは男の手から布を奪い取ると、懐に入れ、悠々と立ち去る。

#あらら、ホントに出来の悪いだけの手下だった…。

+-+-+-+

手から手へ。赤く文字が記された布は、サダムのいる祠堂へと届けられた。
サダムは祭壇の前の床に布を広げ、静かに微笑んだ。

サダム「領相は随分と悪事を働いたものだ」

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キサン君は今夜も落ち着かずに部屋の中を歩きまわった。
彼の様子を幻がじっと眺めている。

偽キサン君「キム尚宮が現れたってさ、キム尚宮が!」
キサン君「やめろ。やめぬか!」
偽「きっとキム尚宮はお前の秘密をばらしに来たんだ」
キサン君「…。」
偽「どうする?それを知ったら、誰がお前を王と認めるかな?お前みたいな嘘つきを!それにお前は不孝者じゃないか!」
キサン君「黙れ!!!」

「?!」ハッと気づくと、そこに立っていたのは幻の分身ではなく、サダムであった。
狼狽えるキサン君を見透かしたように、サダムは冷たい表情で主君を見つめた。

キサン君「お前の言葉だけを信じていたのだ。前にキム尚宮を!… キム尚宮を処理したと言ったではないか!」
サダム「そうです」
キサン君「何と?それなのになぜキム尚宮が再び現れたのだ?」
サダム「はて…」
キサン君「!」
サダム「どうなっているのか、私もよく分かりません」
キサン君「何だと?分からないなどと、よくも口に出来るものだ!分からぬわけがなかろう!!!」

「私に怒らないでいただきたい」サダムの声が低くなる。

キサン君「何と?!」
サダム「今キム尚宮を処理できるのは私以外におりません」
キサン君「!」
サダム「殿下の秘密をばらして回るよう、このまま放っておきましょうか?」
キサン君「!!!」

動揺するキサン君を、サダムは余裕の表情で眺めた。

+-+-+-+

キサン君はすぐに領相を部屋へ呼んだ。

キサン君「夜警師という者たちは鬼神が見えるのであろう?あやつらがもしキム尚宮も会って、あの日、領相と余がやったことを知ったら、一体どうなると思う?」
領相「殿下と私がしたことですと?」
キサン君「キム尚宮は余が殿下(先王)に嘘を話したことを知っているのだ。あやつを処理したのは領相であろう?」
領相「私がキム尚宮を処理するように言ったと?」
キサン君「?」
領相「先日もそうですが、殿下が何を仰っているのか、私はさっぱり分かりません」
キサン君「領相!!!」
領相「…。」

大殿を出てきた領相は、足が震えて歩くのも精一杯だった。
立ち止まると、彼は大きく息を吐きだす。「…。」

+-+-+-+

「詳しく仰ってください」チャン氏たちの報告に、リンは身を乗り出した。

サゴン「だから、皆が言うには、人の血みたいだったって」
リン「血ですか?!」
チャン氏「いや、つまりね、血書ってやつですよ、血書」
リン「…。」
チャン氏「あぁ、私が見てりゃ読めたのに」

+-+-+-+

祠堂へと戻ってきたサダムは、棚の箱を開け、中にしまってあった”血書”を取り出した。
彼はそれをホジョに託す。

サダム「月光大君のところへ持って行くのだ」
ホジョ「はい」

ホジョが出発すると、サダムは密かにほくそ笑んだ。

+-+-+-+

リンの屋敷へやって来ると、ホジョは懐から血書を取り出し、縁側にそっと置き去った。

ほどなくリンは屋敷へ帰って来る。
ムソクとトハも一緒だった。

リン「?」

真っ直ぐ歩いてきたリンは、正面にポツンと置いてある、折りたたまれた血書に気づく。

リン「何だろう?」

布を広げてみると、真っ赤な血で記された文字が彼の目に飛び込んできた。
彼は一瞬にして、そこから懐かしい母を感じ取る。「母上?」

黙って文字を目でたどるリンの様子を、ムソクとトハは固唾を呑んで見守った。

391

みるみるうちにリンの瞳に涙が光る。
読み終えると彼は血書を握りしめたまま、来た道を駈け出した。

トハ「どうしたんですか!」

ムソクとトハも急いでリンの後を追った。

『リン…
どうかこの書簡があなたに届くよう、切に願います』

リンは夢中で走った。

~~~~12年前のあの夜

大君閣にリンを残し、外へ出てきた中殿は、倒れている人々のそばを通り、脇道への階段を上がった。
そのとき…
後ろで剣を抜く音に、彼女は凍りつく。
そこにいたのは、パク・スジョンの手下であった。

中殿「誰なのです?私に刀を向けるとは!」
男「中殿ですね?」
中殿「無礼な!!!知っているのに刀を向けるとは何事?!」
男「死んでもらわねば」

男は刀を振り上げ、思い切り中殿めがけて斬りつける。
倒れた中殿にトドメを刺そうとした時、後ろからパク・スジョンが現れた。「主上は見つけたのか?」

男「まだ大君閣にいます」

二人はそのまま中殿を残し、大君閣へと向かった。

中殿「…。」

ヨロヨロと起き上がった中殿は、力を振り絞ってその場を離れると、少し歩いてきたところで柱の下に倒れこんだ。
上のチマをめくると、下に現れた真っ白なチマを力いっぱい破る。

斬られた胸元からは、とめどなく血が流れだした。
その血で、彼女は愛する息子に最期の手紙を刻んだ。

『リン…
今、もし許されるなら、もう一度だけあなたの頬に触れてみたい
あなたのぬくもりを指先に感じられたら、どれほどいいかしら…
こうしてあなたに会えずに逝くと分かっていたら
もう少し深く… 温かく見ておけばよかった
何もかもがただ歯がゆいわ

392

リン…
どうか無事でいるのよ
決して傷つかないで…
この母が、いつでも見守っているわ
リン…』

我が子への思いを託した血書を握り締めると、そこへ誰かが駆けつける。「中殿媽媽!」
キム尚宮だ。

中殿は微かな意識でキム尚宮に血書を握らせた。

中殿「どうかこれを… リンに…」

そう言って中殿は息を引き取った。

キム尚宮「媽媽!媽媽!」

「中殿の死体を探せ!」物々しい声が聞こえ、キム尚宮はとっさにその血書を石垣の隙間に隠したのだった。
夢中で隠し終えたとき、キム尚宮は駆けつけた兵士たちに囲まれる。

キム尚宮「!」

兵士たちの後ろからやって来たのは、パク・スジョンだった。

キム尚宮「…。」
パク・スジョン「何をしておる!」

パク・スジョンは柱にもたれかかって息絶えている中殿の遺体に視線を移す。

パク・スジョン「中殿の死体を収容せよ!」

兵士たちが直ちに動いた。

『リン…
パク・スジョンを絶対に近づけないで
あの男よ!母を殺したのは…
そして、いつかあなたを害しようとする男なの!』

393

+-+-+-+

夢中で走ったリンが辿り着いたのは、パク・スジョンの屋敷の前だ。

#だからー 何ですぐ張本人を直撃するかねぇ
泳がせろっつーの

彼は屋敷の前で立ち止まると、手に握りしめた血書を見つめる。
その手はガタガタと震えていた。

屋敷へ乗り込もうとしたところへ、ムソクとトハが追いついた。
ムソクはリンの前に滑り込み、立ち塞がる。

リン「退け…。退くのだ!!!」
ムソク「大君が今、領相を相手に何が出来るのですか!」
リン「狂気に包まれた父上が母上を殺して自決したと… これまでずっと私にそう話してきた者たちなのだ。それなのに!そうではなかったではないか!!!」

前へ進もうとするリンを、それでもムソクは引き止めた。
そのとき…
ちょうど輿に乗って領相が帰宅する。

領相「一体我が家の前で何をしておいでですか?」
リン「!」

輿を悠然と下りると、領相はゆっくりリンの前へと進み出た。

領相「大君が私に急用でもおありですかな?」
リン「領相…」
領相「…。」
リン「…領相!!!」

395

+-+-+-+

ここでエンディングです。

よく分かりませんね。
他のところは全部目をつぶっても、父と母の死の真相はまだよくわからない。
先代王が術で気が狂ったのは確かで、そこは領相の企みとは別のところだし。
先代王が暴れだしたからって、領相が「それなら!」って急遽便乗したのか?
それとも、もともとクーデターを起こそうとした日と重なったのか?
それとも、まだ秘密があるのか?

一つの話の後半を訳すうちに、もう前半を忘れてるほど(笑)記憶喪失が激しいので、
何か忘れてるかも…と思うんですが、確かめるほどのモチベーションが残っておりませぬ…。

いつもお付き合いいただいてありがとうございます。
コメントは全てありがたく読ませて頂いています。
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 - 夜警日誌 ,

Comment

  1. むっさん より:

    いつも楽しみに拝見させていただいています。私も韓国語を勉強しながら、ドラマを楽しんでおります。ドラマを見ながら、どうしてもわからないところを参考にさせていただいています。大変な作業かとおもいますが、これからもよろしくお願いします。
    それにしても夜警軍日誌は、おもしろいようなよくわからないような、まだつかみきれていません…私は

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