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夜警日誌あらすじ&日本語訳23話vol.2

   

チョン・イル、チョン・ユンホ(東方神起ユノ/ユンホ)出演、「夜警日誌」23話の後半です。
あらすじの中で表情や心の動きも拾いながら、台詞もまじえて詳細に翻訳していきますね。

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#今日は巨木のふり♪

サダムたちが昭格署の建物を離れるのを見届けると、ソン内官たちが夜警団を呼び入れた。

神弓はあっさりと見つかった。
祭壇の前に堂々と供えてあったのだ。

まずはサンホンが護符を貼ってみる。
護符の下端に小さな炎がつき、じわじわと広がった。「?」

それを見て、ムソクが夜警剣を弓に向かって振り下ろす。
その瞬間、神弓の周りに青く光る障壁が生まれ、剣を弾いた。

ムソク「護符も夜警剣も役に立ちません」
トハ「どうすれば?」
サンホン「…。」

後列にいたリンが動く。「場所を開けてください」
前に進み出たリンは、国璽の神笛をゆっくりと前に突き出した。
慎重に笛を差し込むと、障壁は相手を認めたようにスッと消え去る。

リンは神弓をそっと手に取った。

サンホン「先代王が大蛇の逆鱗を射止めた神弓です」
リン「私もまたこの神弓で大蛇を破壊しよう」
ムソク「サダムが戻る前に、早く大蛇を倒さなければ」

神弓を見つめ、リンは頷いた。

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結界を破壊している国璽を見張るためにサンホンが祠堂に残り、他の3人は秘蔵庫へと向かった。

「?!」彼らが目にした大蛇は、これまでに見たそれとは随分違っている。
細かく入った割れ目の内側から燃えるような光が漏れ、低い唸り声をあげていたのだ。

トハ「何の音ですか?」
リン「大蛇が神弓を感じ取り、恐れているのであろう」

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祠堂へ戻ってきたサダムはそれほど驚いた様子も見せなかった。

サダム「私の予想どおりに動いてくださるとは」
サンホン「…。」

サンホンが刀を抜こうとしたその瞬間、サダムの放った気が彼を直撃する。
胸を押さえてしゃがみ込むサンホンの前で、サダムはなんなく祭壇の国璽を手にした。

サダム「これが朝鮮の王室を守る国璽か」

持ち去ろうとするサダムの背中に、サンホンは辛うじて言った。「ならぬ!」

サンホン「国璽は渡せない…!」

サダムはトドメを刺そうと杖を振り上げ、やはり思いとどまると、微かに微笑んだ。

サダム「どうせ先の短い命、大事になさいませ」

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リンはいよいよ神弓に矢をつがえ、大蛇へと向けた。

リン「…。」

後ろで静かに眺めていたのは… サダムだ!

サダム「大君自らの墓場へおでましですか」

「!!!」ようやくサダムとホジョに気づいた夜警師たちが一斉に武器を向けた。

リン「ここが誰の墓になるか、今に分かるであろう」

リンは構わず大蛇に神弓を向ける。

サダム「この万波息笛を手に入れるため、私が皆さんをここへお招きしたのです」
リン「!!!」

サダムが杖で床を突いた瞬間、彼らは森の中へと転移していた。

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戦い始めてすぐに、彼らは増大したサダムの威力を思い知ることになる。

トハの捕鬼縄を掴んだ彼は、指でそっとなぞるだけでそれを炎に包んだ。
トハが慌てて縄を引き寄せると、あっけなくちぎれてしまう。

リン「トハ!」
ムソク「トハは私が守ります。結界を脱出してください」
リン「…。」
ムソク「必ずや大蛇を破壊するのです!」

「破結界!」ムソクが剣で地面を斬ると、リンはそこを走りぬけ、結界を脱出する。
その様子を、サダムは何一つ慌てることなく眺め、微笑まで浮かべた。

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秘蔵庫に戻ったリンは、再び神弓を構えた。
そのとき、不意に彼の前にサダムが戻ってくる。

リン「!」
サダム「龍神にとって一番の脅威となる武器、神弓。その神弓を破壊することの出来る唯一の武器は、この世にたった一つしかありません」

サダムは国璽の笛をかざす。「まさにこの万波息笛です」

サダム「神弓は神が遣わした武器。この万波息笛もまた、神笛と呼ばれる神の物です」
リン「…。」
サダム「この万波息笛で神弓を破壊し、龍神を守りましょう」

リンは黙って神弓に矢をつがえる。
サダムは真正面から万波息笛を掲げた。

万波息笛が神弓に反応し、赤い強力な気を放つ。
赤い気に包まれながら、それでもリンは懸命に弓を構えた。

リン「…。」
サダム「…。」

気が限界まで高まったそのとき…!
パンという音を立て、神弓と万波息笛が共に弾き飛ばされる。「!」
リンが拾おうとしたその瞬間、神弓は矢もろとも目の前で消えてしまった。

リン「ならぬ!!!」
サダム「!」

サダムが狂気に満ちた笑い声をあげる。
彼は床に落とした万波息笛を拾い上げ、笑いながら秘蔵庫を出て行った。

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宮中で待っていたムソクとトハの元へ戻ってきたリンは、まっすぐ歩くことも出来ず、よろめいたところをムソクが抱きとめた。

#ムソクとトハが普通に戻ってきてるのとか、クライマックスに来てホントこういうイージーなところが耐え難いレベルになっております…。

ムソク「大蛇はどうなったのですか?」
リン「神弓が… 神弓が破壊された」
トハ「それはどういうことですか…?!」
リン「大蛇を阻むことが出来るのは… もうなにもない」
ムソク「!」

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祠堂に戻ったサダムは実に満足していた。

サダム「いまや龍神の昇天を阻む武器はなくなった。朝鮮王室も息絶えることであろう」

そこへやって来たのはスリョンだ。

スリョン「なぜ父を解放してくれないのですか!大君と夜警師たちをおびき寄せれば、父を解放すると約束したではないですか!!!その約束を信じて、私は…大君まで裏切ったのです…!」
サダム「…。」
スリョン「…今すぐ父を返してください」
サダム「えぇ。房主と約束したのは確かです。しかし、領相を無事な姿で返すとは言っていません」
スリョン「…。」
サダム「愚かな欲のために魂まで壊れてしまったのです。私にも治療の施しようがありません」

茫然と見つめるスリョンを残し、サダムは祠堂を出て行った。

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「私が王だ!!!」領相は狭い牢の中で喚き散らした。
見張っている兵士が中へ入り、棒で殴打する。

#領相を外から眺めている手下たちは、今どういう状況なんでしょうねぇ。
普通なら、領相が囚えられた時点で、彼らも無事ではないはずですが。

ぼろぼろに叩きのめされ、倒れたまま檻にしがみついている領相の前に、スリョンはそっと身をかがめた。

スリョン「お父様…。私が愚かでした。お父様が権力欲のせいでこうなったように、私も大君への執着心のために…全て駄目にしてしまいました」

「…私が朝鮮の王だ」涙をこぼすスリョンの前で、領相はうわ言のようにつぶやくばかりだ。

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キサン君は酒を片手に上機嫌だ。「それみたことか。余が何と言った?」

彼の前にいるのは、自分の幻だ。

キサン君「王位は余のものだ。領相だろうが月光であろうが、誰にも渡しはせぬ」
幻「王位を守ったところで、お前はただの操り人形だ」
キサン君「!」
幻「今回は上手く乗り越えたが、またパク・スジョンのような逆賊が現れたらどうするんだ?そのときも全て投げうって命乞いするのか?」
キサン君「サダムがそばにいる限り、二度とそのようなことはない!」
幻「口さえ開けばサダム、サダム!サダムのヤツもお前の座を狙っているに違いない」
キサン君「黙れ!そんなはずはない!」

ちょうどそこへ顔を出したのは、当のサダム本人だ。
キサン君は思わず顔を輝かせ、サダムの手を取った。「よく来た」

サダム「…。」
キサン君「真の忠臣はお前だけだ」

「殿下」笑うキサン君にサダムは何か書を差し出した。

キサン君「?」
サダム「泰平蒼天塔落成式の日を選んでおきました」
キサン君「!」
サダム「落成式の日には祝祭をお上げください。誰もが殿下の治世を崇めることでしょう」
キサン君「あぁ、そうしよう。お前がそうしろと言うなら、そのとおりにする」

意気込むキサン君に、サダムはニヤリと微笑んだ。

キサン君「盛大に祝祭を上げるぞ!」

『龍神が昇天なされば、あなたは我が傀儡となり、朝鮮の民は龍神族をに仕える奴隷となろう』

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宿の地下室へ戻ると、リンは悔しさのあまり机を叩いた。

リン「私には資格がありません。神弓は壊され、国璽も失ってしまったのです」
サンホン「サダムの力があれほど強いと予想できなかっただけです」
ムソク「スリョンがサダムに利用されるとは思いませんでした」
リン「大蛇の昇天を阻む道は… 消えてしまったのです」

「大君、まだ終わったわけではありません」トハが言う。

トハ「私を貢物として捧げなければ、大蛇は昇天出来ないはずです。ですから、あまりご自身を責めないでください」
リン「…。」

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外へ出てくると、サンホンは苦しそうに胸を押さえた。

ムソク「傷は大丈夫ですか?」
サンホン「サダムの罠を見破れなかった私の失敗です」
ムソク「…。」

そこへオンメがやって来た。

オンメ「早く中で休んでください。このところお体が弱っているようですから、鶏を煮ておいたんです」

「あの…」戸惑うサンホンに、オンメは余裕の笑みを浮かべた。

オンメ「トハ、あんたは元気だから大丈夫ね?」
トハ「(うんうん)」
オンメ「副護軍も大丈夫でしょう?」
ムソク「大丈夫ですから、どうぞ」

「いや…」さらに困るサンホンを、オンメはなだめる。「ほら、大丈夫だと言っているじゃありませんか」
「早く行きましょうよ」サンホンは引っ張られるように宿へと連れて行かれた。

ムソク「サダムが狙っているはずですから、しばらくは特に気をつけてください」
トハ「二度とサダムに利用されたりはしません。例え自ら命を絶ってでも、大蛇の貢物にはなりません」
ムソク「そんなことを言わないで。きっと大君… そしてチョ隊長が守ってくれるはずです。そんなことには決してなりませんから」

ムソクの温かい言葉に、トハは笑顔を見せる。
そこへ姿を現したのはスリョンだった。

ムソク「よくもここへ来られたな」
スリョン「どれほど許しを請うても… 許されないことだと分かっています」

#うーん、ちょっと待って。
スリョンはリンが「神弓が必要だ」と言ったから、「昭格署で見たよん」と言っただけで、それだけで”スリョンがサダムと結託してる”って夜警師たちが決めてかかることは出来ないんじゃないの?
神弓の周りに結界が貼ってあることだって、ちゃんと予想した上で行ってるんだし、笛を残して秘蔵庫に行った皆の判断ミスでしょ。

スリョン「大君に少しでも罪滅ぼしをしたくて来たのです」

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地下室に残り一人悶々とするリンの隣には、ランイがいた。

ランイ:
린아.누구나 실수할 수 있는 거야.
그것 때문에 자책에 빠져 포기한다면
다시는 만회할 기회가 없어.
그러니까 힘내.
リン、誰でも失敗はするの。
そのために自分を責めて諦めたら、もう挽回する機会はなくなる。
だから… 元気出して。

リン:
…。

611

リンの頭の中で、幼い頃の記憶が不意に甦った。

~~~~

弓の稽古に励むリンは、母が見ている前で的を外してしまった。

リン:
어마마마.소자는 자질이 없나 봅니다.
母上、私には素質がないようです

リンがうなだれると、中殿は腰を屈め、リンをまっすぐ見上げた。「リン」

中殿:
누구나 처음부터 잘할 수는 없는 법이란다.
실수도 할 수 있고.
허나 그것 때문에 자책에 빠져 포기한다면
두번 다시 만회할 기회가 없단다.
힘을 내거라.
最初から上手く出来る人は誰もいないわ。
失敗することもある。
けれど、そのために自分を責めて諦めれば、
二度と挽回する機会はなくなるの。
元気を出しなさい。

リンがコクリと頷くと、中殿は立ち上がり、次の矢をリンに差し出す。
か弱い力で懸命に放った矢は、見事に的の中央を射抜いた。

リン「母上!命中しました!」

612

喜ぶ息子に、中殿は温かく頷いた。

~~~~

…リンの目に涙が光った。
胸を一杯にして隣を振り返った時には… ランイの姿は消えていた。

リン「ランイ?!」

+-+-+-+

地下室へ戻ってきたムソクがリンの前に無造作に置いたのは… 奪われてしまった国璽の笛だった。

ムソク「…。」
リン「君がなぜこれを?!」
ムソク「スリョンが持って来たのです。大君に渡してくれと」

#スリョンに腹が立って、そっぽ向いてるムソクが微笑ましス。

+-+-+-+

「お嬢様!」トハは帰って行くスリョンを追いかけた。

トハ「決してサダムと取引してはいけません。邪悪な人間なのです」
スリョン「…。」
トハ「きっといつの日か、耐えられないほどの報いを受けるはずです」
スリョン「私は大君に大きな罪を犯した。それでも、あなたにそんな忠告をされたくはないわ」
トハ「お嬢様」
スリョン「大君への思いが叶わないとしても、私と大君の関係を壊したあなたを許せないわ」(←ちょっとヘンですね。”叶ったとしても”なら分かるけど。

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感情を失ったかのように淡々と話すと、スリョンは背を向けた。

トハ「…。」

重い気持ちで戻ろうと振り返ると、トハは目を丸くする。「!!!」
そこにホジョが立っていたのだ。
彼女は即座に背中の短剣を抜いた。

ホジョ「手出しをするつもりはない」
トハ「?!」
ホジョ「これを見せに来たのだ」

ホジョが持っている杖に、トハは驚愕する。

614

トハ「これは神母の物…!お前がなぜこれを!」
ホジョ「知りたければついて来い」
トハ「!」
ホジョ「どうするかはお前の勝手だ。だが、来なければ、お前の神母もマゴ族も皆死ぬことになる」

絶句するトハを残し、ホジョは歩き始める。
「…。」トハは彼について行くしかなかった。

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「神母を一体どうしたの?」昭格署へやって来たトハは、すがるような目でサダムに問いかけた。

サダム「お前の神母がどうなるか、全てはお前の選択に掛かっている」
トハ「…え?」
サダム「自ら貢物となれば、犠牲になるのはお前一人だ。だが、お前が拒めば、神母はおろかマゴ族もろとも皆殺しとなるであろう」

「卑怯者!!!」トハは悲痛な叫び声を上げる。

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サダム「私は望むものを手に入れるため、手段を選ばぬだけ。卑怯だという言葉は、敗者の言い訳に過ぎぬ」
トハ「…。」

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トハの後をつけて昭格署まで行ったソン内官は、急いで宿へ戻った。
「何だって?!」話を聞き、リンは目を丸くする。「トハがサダムに連れ去られたのか?!」

ソン内官「あの、それが… 連れ去られたんじゃなくて、その…」
左相(霊)「連れ去られたんじゃなければ何だ?じれったい!」
ソン内官「それが… 自分から会いに行ったようです」
リン「?!」
ムソク「トハがなぜサダムの元へ?」
ソン内官「サダムがマゴ族の人たちを人質にして、脅迫したようなんです」
リン「何?マゴ族?!」

すぐに向かおうとしたリンの前に、ムソクが咄嗟に立ち塞がった。

リン「退いてくれ」
ムソク「大君、軽率に動いてはなりません。今は勝算がないのです」
リン「ならばトハを放っておけというのか?」
ムソク「じきに昇天式が開かれるでしょう。そのときを狙ってトハを助けだすのです」
リン「…。」
ムソク「私も誠心誠意をもってお手伝いします」

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ムソクの力強い言葉に、リンは悔しい思いを押さえ込んだ。

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彼らがやって来たのは、蒼天塔の前だ。
闇の中にそびえ立つ塔を見上げ、リンとムソクは決意を新たにした。

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リン「我が命を捧げても、必ずや大蛇の昇天を阻んでみせる!」

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とうとう蒼天塔完成の日を迎えた。

朝儀の席で、キサン君は宣言する。「蒼天塔の完成に合わせ、今夜、泰平御代を願う祝祭を執り行う」

キサン君「皆出席し、祝祭を盛り上げていただきたい」
左相(現)「満朝の百官と民が、殿下の徳を仰ぎ見ることでしょう」

全員が声を揃え、王の命を受けた。

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リンは大蛇を倒すための道を探っていた。

リン「神弓がなければ、大蛇を倒す方法は本当にないのですか?」
サンホン「私の知る限り、神弓が唯一の武器です」
リン「神弓以外に、大蛇を倒す方法は必ずあるはずです」

「なぜそこまで確信が持てるのですか?」サンホンはリンと視線を合わせぬまま、淡々と言った。

リン「私におっしゃったでしょう。世界に永世不死なる存在などないと」
サンホン「…。」
リン「大蛇がどれほど恐ろしく強大な存在だとしても、必ずや倒す方法はあるはずです」

サンホンは『夜警軍日誌』の冊子を机の上に放り出す。

サンホン「そんなものがあるならば、ここに書いてあるはずです」

+-+-+-+

サンホンが庭へ出てくると、そこにランイがぽつんと立っていた。
彼はランイに黙って頭を下げる。

ランイ「私がこの世にいられるのは、もうあと少しだわ」
サンホン「!」
ランイ「最後にリンの役に立ちたいの」
サンホン「すでにこの世に留まっているのもお辛いはずです。無理をなされば、魂が消滅してしまうかもしれません」

ランイは静かに首を横に振った。

ランイ「我が子のためなら、このまま消えたって悔いはないわ」
サンホン「…。」

618

+-+-+-+

リンは地下室に残り、何か糸口はないかと夜警軍日誌をめくった。
彼はある頁で手を止める。

619

#↑尹進士の三女が夜中に逃亡?!

リン「そう。まさにこれだ」

そこへムソクが差し迫った様子で現れる。「今夜、昇天式が執り行われます」

+-+-+-+

すっかり日が暮れていた。
塔の前に宮人たちが勢揃いする。

キサン君が一番後方で見守る中、サダムは中央の台に上がった。
彼はいつもの衣装ではなく、かつて龍神族として暮らしていた頃のような装いだ。

サダム「今夜、泰平蒼天塔の完成と共に、朝鮮に新しい天が開かれよう!」

「儀式を執り行う!」サダムの掛け声で太鼓が鳴らされ、兵士たちが一斉に足を踏み鳴らす。

# あれでしょ? ♪ ウィ~ ウィル ウィ~ ウィル ロックユー!!!(by Queen)

サダムが天を仰ぎ、祈祷を始めた。
微動だにせず凝視するキサン君の周りに、黒い気が蠢きだす。

サダムの祈祷に呼応し、秘蔵庫の大蛇は激しい音を立て、今にも動き出そうとしていた。
大蛇の気を感知し、サダムはさらに祈祷を強める。

俄に風が吹き始め、場を包む不気味な空気に、官僚たちはそわそわと辺りを見回した。

620

# TMレボリューション?

いよいよ秘蔵庫の中で抑えられなくなった大蛇の威力により、地は揺るぎ、そこかしこに亀裂が入る。
機は熟した。

サダム「マゴの巫女を連れて来るのだ!」

ホジョがトハを連れて来たのは、サダムの後ろに張った幕の裏側だ。
そこは、儀式に参列している兵士や官僚たちからは死角になっていた。

トハ「天は決してお前を許しはしない!」

トハを前にほくそ笑んでいたサダムの笑みが消えた。「縛れ」

幕の裏側にトハは両手を縛られる。
それは12年前、姉のヨナが捧げられたのと同じ姿であった。

621

サダム「龍神様、マゴの巫女を貢物として捧げます」

サダムは塔を見上げた。「姿を現すのです!!!」

+-+-+-+

リン、そしてムソクとサンホンは素早く宮中に侵入した。

「急いでください!」先に偵察に入っていた左相(霊)が状況を伝える。「そろそろ昇天式が始まります」

+-+-+-+

全てが揃った。
サダムは満を持して杖を地面に突き立てる。

杖の蛇の目が赤く光り、その口から噴き出した黒い気が、その場にいる兵士たちの身体に次々と飛び込んだ。

サダム「龍神に生者の血を捧げるのだ!」

その瞬間、剣を抜いた兵士たちが一斉に殺し合いを始める。
驚く官僚たち、愉しげに高笑いをするキサン君…。祝祭は一瞬で修羅場と化した。

623

騒ぎをしばらく眺めていたサダムは、塔への階段をゆっくり上がっていく。

トハ「!」

身動きできないトハの目の前で、サダムが塔の扉を開き、中へと消えて行った。

リンたちが現れたのはその時だ。
彼らは縛られているトハを発見し、見張っていたホジョもまた、リンたちの出現に目ざとく気づいた。

リン「トハ!!!」
トハ「…大君!」

リンがトハの元へ駆け出そうとした瞬間、どこからか奇妙な音が聴こえ始める。「!!!」
だんだんと近く、大きくなってくると… とうとう甦った龍神が姿を現した!

624

+-+-+-+

ここでエンディングです。

 - 夜警日誌 ,

Comment

  1. yamamechin より:

    こんばんは、ちょっと調子悪かったので読むのに間をおいてしまいました。
    ツッコミ最高です。(笑) QUEENとTMはうちのツイ友の間でも同じこと言った方が多くて、かなりウケました。演出の方に好きな人がいたんですかね? 
    私的にはスリョンちゃんが神弓を「昭格署で見たよん」って言ったのを「なんでお前がそれ知ってんだよ?」的に疑って、実は罠だとおもったんだけど行った。そう思いたかったです。
    スリョンちゃんとサダムが一緒のとことか見てるんだし、繋がってるなんてことは梅蘭房の主になった時点で黒ですよ。 あそこはサダムの巣でしたもん。
    ほんとに騙された~!だったらごめん。。みんなアホやん。。って思いますね。
    結果的にサダムの総取りになりましたしね。(苦笑)
    ああ、もう終わってしまう・・。 終わったら最初から読み返します。
    ありがとうございました。

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