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夜警日誌あらすじ&日本語訳13話vol.2

   

チョン・イル、チョン・ユンホ(東方神起ユノ/ユンホ)出演、「夜警日誌」13話の後半です。 あらすじの中で表情や心の動きも拾いながら、台詞も詳細に翻訳していきますね。

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いなくなったトハを探すうち、疱瘡神の姿を目にしたリンは、夢中で追っているうちにふと立ち止まった。

リン「ここは…」

ムソクの屋敷ではないか。

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疲れ切ったトハはムソクの膝の上ですっかり眠りに落ちていた。

まだイナは彼女の中にいるのだろうか…
ムソクは動くことも出来ず、恐る恐る彼女の顔に手を近づける。

そこへ入って来たのはリンだ。

リン「!」
ムソク「いらしたのですか」

トハの頭を膝に乗せたまま、ムソクはリンを見上げた。

リン「どうなっているんだ?」

「…。」ムソクは咄嗟に説明できず、口をつぐんだ。
リンは辺りの気配をさっと探ると、改めて尋ねた。「どういうことだ?」

ムソク「…分かりません」
リン「トハはなぜここで眠っているんだ?」

リンの強い口調が耳に障ったのか、眠っているトハがピクリと眉を動かす。
ムソクは彼女の顔を穏やかに見下ろした。

373

ムソク「イナだと言うんです。トハではなく…イナだと」
リン「!」

衝撃を受けたリンは、ふと部屋の隅に縮こまっている影に気づく。
一人の少女が膝を抱え、自分を見つめていた。
前にもムソクのそばにいるのを見たことがある、ムソクの妹ではないか。

イナはそっと立ち上がると、リンに何か耳打ちをした。

374

リン「…。」

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「それでは、イナはどこにいるのですか?」まだぐっすり眠っているトハを起こすこともなく、ムソクはリンに尋ねた。
リンは、イナのそばに座っているイナに視線を移す。

リン「君のすぐ隣にいる」

「!」ムソクはゆっくりとリンの視線の先へと目を動かしてみる。
彼の目は、兄を見つめるイナの視線を間違いなく捉えていた。

375

リン「この子は…新しい疱瘡神になる運命だと…」
ムソク「!」
リン「それを阻止できなければ、君の妹は… 疱瘡を広める悪鬼になるだろう」

そのとき、まさにその疱瘡神がイナの前に現れる。

イナ「!」

イナの動揺に気づき、リンも後ろを振り返ると、背後に立っている疱瘡神の姿を捉えた。

リン「!」
ムソク「どうなさったのですか?」
リン「…。」
ムソク「何事ですか?」

疱瘡神はイナの後ろに回りこむと、彼女の小さな肩を抱き、あっという間に連れ去った。

リン「消えた!疱瘡神が… 疱瘡神がイナを連れて行った!」
ムソク「!!!」

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サンホンは落ち着かないまま、宿で一人リンたちを待っていた。
そこへ、無事トハを連れ、リンが戻ってくる。

サンホン「大丈夫か?」

トハが頷くのも待たずに、リンが口を開く。「疱瘡神を阻止しなければ!」

リン「だから、教えてください」
サンホン「申し上げた通り、強力な怨霊たちと戦うためには、四方を塞ぎ、結界を張らなければなりません。…二人では難しいのです」

そこへ入り口の暖簾をくぐり、誰かが顔を覗かせた。

ムソクだ。

ムソク「私も共にやります」

「!」サンホンの鋭い視線に続き、リンとトハが驚いて一斉に振り返る。
ムソクの瞳は澄み渡り、一切の迷いはなかった。

376

+-+-+-+

彼らは地下室へと場所を移していた。

奥に収納されていた剣を大切に手に取り、サンホンはリンの前に進み出る。
すっかり彼らの意志を受け入れたサンホンの表情は、とても穏やかで、晴れ晴れとしていた。

377

#この晴れ晴れとしたサンホン兄、ちょっと泣きそうになった

サンホン「四寅斬邪剣です」
リン「…。」
サンホン「邪悪な気運を断ち切り、災いを防ぐ剣です。大君が守りたい全てのものを、この四寅斬邪剣が守り通すよう、切に… 切に祈ります」

サンホンはリンの前に跪き、恭しく四寅斬邪剣を差し出した。
リンは力強い手で、剣を受け取る。
鞘から勢い良く剣を抜くと、手入れの行き届いた刃先は銀色に輝き、刻まれた文様が光を放った。

リン「…。」

次にサンホンは、小ぶりの刀をムソクに差し出す。

サンホン「武芸に秀でているから、きっとこの剣をうまく使いこなしてくれると…そう信じる。しかし、鬼神を見ることが出来ないから、これが目となってくれるだろう」

サンホンはさらに鬼針盤をムソクに与えた。

次に進み出たトハに、サンホンは小さな縄をあしらった道具を選んだ。

サンホン「捕鬼縄だ。体が先に動くお前を、これが守ってくれるだろう」

これで3人それぞれが、サンホン自ら選んだ武器を手にしたのだ。

378

サンホン「今はまだ、これらの武器では鬼神に掠ることさえ出来ないでしょう」
リン「どういう意味ですか?」
トハ「何の役にも立たない…?」
サンホン「物心一如。精神と武器が一つにならねばなりません。そのためには、まず継承儀式をする必要があります」

サンホンが後ろに控えていたサゴンを振り返り、合図を送った。

サンホン「継承儀式で印を刻み、精神と武器が一つになれば、武器に精神が染み込み、鬼神に立ち向かうことが出来る神物となるのです」

サンホンの言葉に全員が押し黙った。

サンホン「どうなさいますか」

リンとトハが迷わず頷く。
サンホンの視線がムソクへと移った。「どうする?」

ムソク「やります。イナのために…」

直ちに儀式は行われた。
腕に赤い文様を描くと、熱した鉄で焼き印を刻みつける。
確固たる決意のもと、三人は三様にこの儀式を乗り越えた。

サンホン「これを以って夜警団の始動です。険しい道のりとなるでしょう。平凡な人々よりさらに痛々しい声を聞き、さらに苦しむ者たちを見ることになります。辛い思いをしない日などほとんどありません。眠れぬ夜を明かすことになるでしょう」

リンが再び四寅斬邪剣を抜く。
腕の刻印が赤く光り、その光が刀へと伝わった。

サンホン「疎外された者、無念を抱えた者… 彼らのために戦うことは、平凡な人々には出来ぬ偉大なこと。だから、自らに誇りを持たねばなりません。人々から認められることのない日陰の英雄、まさにそれが夜警師です」

+-+-+-+

翌日。

リンとムソクは遠巻きに梅蘭房を窺った。

379

#わー さっそく二人でつるんでるやん!ワクワクだね♪

リン「サダムはここに滞在していた。そのとき、疱瘡神も一緒にいたんだ」

外から眺める梅蘭房は、特別奇妙な点もなく、彼らがこれまで知っていたとおりの賑わいだ。

リン「どうだ?反応は?」

ムソクは手に持った鬼針盤を見つめる。
「…。」何の反応も見せない鬼針盤を、ムソクは少しやけになって振った。

リン「…いないな。ここに疱瘡神はいない」

「行こう」彼らはそこを諦め、次の行動に移った。

+-+-+-+

梅蘭房では、房主ヨンウォルが客人をもてなしていた。

ヨンウォル「私は青島の出身なんです。青島を行き来していらっしゃるなら、父をよくご存知ではないかしら。モ大人と言うんですが」

※大人(デイン)というのは、お偉い人物に対してつける言葉です。

商人「モ大人ですか?」
ヨンウォル「まさか青島を基盤にお商売をされている方が、父を知らないなんて」
商人「モ大人とは、モギョンオク大人のことを仰っているんですか?」
ヨンウォル「えぇ、そのとおりです。今度、青島へいらっしゃる時、父へ書簡を届けていただけますか?」

「本当にモ大人なのですか?!」えらく驚いた様子の商人に、ヨンウォルは思わず笑った。

ヨンウォル「そうですが… どういう意味ですか?」
商人「モギョンオク大人と言えば、青島でとても有名な富豪ですよ」

「えぇ、その通り」ヨンウォルは優雅に微笑む。

商人「もう100年以上前の話ですが」

その瞬間、ヨンウォルの微笑みが凍りついた。

ヨンウォル「?!」

+-+-+-+

380

サダムは布団の中で静かに目覚めた。
起き上がり、服を着替えると、彼はまるで獣のように息をついた。

そして、彼は悠然と部屋を後にする。

布団の隣に、真っ黒に干からびた女の屍を残して…。

#な、何をしたの?!何があったのぉおー?!

+-+-+-+

キサン君から呼び戻され、品階も上がったサダムは、宮中に住処を与えられていた。
リンとムソクが次にやって来たのは、その住処だ。

「どうだ?」リンはここでも同じようにムソクの鬼針盤を覗く。
針は動いてはいなかった。

ムソク「反応はありません」
リン「サダムの住処にもいないと…。疱瘡神が宮中にもいないとなれば、一体どこへ行ったのか」

+-+-+-+

夜警団の面々は地下室で顔を揃え、作戦会議を始めていた。

リン「疱瘡神の行方は見つかっていません。さらに痘瘡もおさまりつつあります。痘瘡の発病地域から疱瘡神の行方も推測出来たんですが…」

「どうすればいいでしょうか?」リンがサンホンを振り返る。

サンホン「疱瘡神が何を望んでいるのか、それさえ分かれば潜伏先を推測出来るはず…」

全員が考えを巡らせた。

サンホン「今のところは何一つ分かっていない」
リン「疱瘡神… 一体何を望んでいるんだ?」
ムソク「…。」

+-+-+-+

宮中を歩くサダムにホジョが付き添っていた。

#サダムが白黒服を着て、後ろに手を組んで宮中を歩く姿が、私はかな~り好き♪

ホジョ「石光寺へ向かわれるのですか?」
サダム「疱瘡神が大妃の魂を抜き取り、肉体を乗っ取るそうだ。協力してやらねばば」
ホジョ「サダム様、そのような雑鬼のことにまで気を遣われるのですか?昇天のためにやるべきことはたくさんあるのです」
サダム「だから協力するのだ。そうすれば疱瘡神は私の欲する怨霊をいくらでも作ると言うからな」

+-+-+-+

「サダムはなぜ来ぬのだ!」キサン君はサダムとようやく仲直りを果たしてからも尚、苛立ちを募らせるばかりだ。

内官「大妃媽媽のために石光寺へ向かわれました」
キサン君「大妃媽媽のために?!」
内官「はい。大妃媽媽の全快を願い、祈祷を捧げると…」
キサン君「何と?!」

「へへへ」突然嘲笑うような声がどこからか降ってきて、キサン君は思わず部屋を見渡した。
「今や堂々とお前を無視するってわけか」いつも彼が劣等感に支配されると現れる、あの幻の声だ。

キサン君「違う。余が命じたのだ。そうするようにと!無視されているわけではない!」

「無視されてるんじゃない」キサン君は自分に言い聞かせるように繰り返した。

キサン君「サダムは余を無視したりはせぬ!!!」

+-+-+-+

「どこもすっかり落ち着いていると?」リンが尋ねると、報告したソン内官は頷いた。

リン「痘瘡がこれ以上起きていないということだな」
ソン内官「私が調べた限りではそうです」

「大変だよ!」そこへランイが慌てた様子で走ってくる。

リン「?」
ランイ「石光寺の近隣の人たちが避難してるって」
リン「!」
ランイ「石光寺で痘瘡が発病してるんだよ!」
リン「石光寺?」

ランイが頷く。

リン「石光寺と言えば、御祖母媽媽がいらっしゃる場所だ!」
ランイ「!」
リン「まさか… 疱瘡神の標的は…!」

+-+-+-+

夜警団の3人は馬を走らせた。
先頭に立っていたムソクが馬を止める。

ムソク「霧が深いため道が見えません。ただでさえ、崖の多い場所なんですが」
リン「どうすればいいのだ?」

トハが前方に目を凝らした。「あそこに!あそこに灯りが見えます」

3人が灯りのそばまでやって来ると、そこにはポツンと家が建っている。
彼らはそこで馬を降りた。

「主人はいるか?」ムソクの声に、中から若い女が二人、顔をだす。

女「何用で御座いましょう?」

「まさか… この霧の中を通って来られたのですか?」もう一人の女が驚いた様子で尋ねた。

トハ「道に迷ったのです。石光寺へ向かうところなんですが、霧のせいで道が分からなくて」
女「もともと霧の深い場所です。方法はありません。霧が晴れるまで待つ他は」

仕方がない… 彼らは黙って顔を見合わせる。

+-+-+-+

案内された部屋に、三人は身を寄せた。
「もっと酷くなっています」霧の様子を見に行ったトハが戻ってくる。

トハ「自分の足元も見えなくくらいです」

そこへ女が食事の膳を運んでくると、三人の間に置いた。

女1「お食事をなさいませ。お腹が減っていらっしゃるでしょう?」
リン「有難い」
女2「お礼なんて。お客様がいらっしゃれば、もてなすのは当然のことです」

三人はさっそく匙を手に取り、食事にありついた。
そのとき…

ムソク「?」

ムソクの足元に置いた鬼針盤の針が、激しく回転しているではないか!
リンとトハもまた、鬼針盤の異変に目をやった。
三人は無言で視線を交わす。

ムソクとリンは平静を装ったまま、脇の剣に手を伸ばすと、そっと鞘から抜く。
先にムソクが立ち上がり、女の首元へ刀を突きつけた。

女「ど、どうなさったのですか?」

「何の真似です?!」女たちが立ち上がると、リンとトハも立ち上がり、武器を向けた。

ムソク「鬼神です」

その瞬間、女の顔から赤い痘瘡が現れる。「!」
女たちは疱瘡神の手下だったのだ。
ニヤリと笑い、姿を消した鬼神たちを追い、彼らは直ちに外へ出る。

一歩外へ出てみると、さらに深まった霧のため、鬼神たちの行方は到底分からなかった。

リン「みんな大丈夫か?」
トハ「何も見えません!何も…!」
ムソク「鬼針盤さえも見えません」
リン「誰かが結界を張ったのだ」

リンはサンホンの教えを反芻する。

サンホン(声)「鬼神が張った結界に閉じ込められたら、何より初期の対応が重要です。序盤に結界を迅速に脱出せねばなりません。四寅斬邪剣を信じるのです」

リンは四寅斬邪剣を構える。

サンホン(声)「精神一到何事不成」

精神を集中させると、リンは闇に向かい剣を振るった。

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深い霧は一瞬のうちに消え去り、彼らの前に広い空間が広がる。

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#この決めポーズ見ちゃったら、一応いじっとかなきゃね

ここは…?

リン「石光寺だ!」

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居室の中へ入ると、リンは目を丸くした。
大妃が倒れていたのだ。

リン「御祖母媽媽!」

リンが抱きかかえると、目を開けた大妃は嬉しそうに孫を見上げた。

大妃「大君…月光大君。この祖母が心配でいらしたのね」
リン「!」
大妃「やはり月光大君しかいないわ。本当に… 本当に孝行な方です」
リン「…。」

「御祖母媽媽」リンが呼び掛けた瞬間、大妃は両手でリンの首を掴み、締め上げた!

リン「うっ!!!」

苦しむリンの目に、大妃に乗り移っている疱瘡神の姿が見え隠れする。

リン「疱瘡神!」
大妃(疱瘡神)「お前は恐れ多くも私の行く手を阻むのか!!!」
リン「!!!」
大妃(疱瘡神)「お前の命から断ち切ってやるわ!!!死ぬがよい!!!」

次の瞬間、疱瘡神の力が弱まり、大妃はハッと我に返った。
彼女は愛する孫の首を締めていた自分の手に驚愕する。

大妃「リン!」
リン「…。」
大妃「これはどうしたことだ!早く…早く逃げなさい、リン!早く!」

そのとき、再び大妃の体を奪った疱瘡神がリンの首を締める。「死ね!!!」

#翻訳するのにここで一時停止すると、なかなかすごい顔だよ^^;

そこへムソクとトハが駆けつける。

リン「御祖母媽媽に疱瘡神が憑いてるんだ!」

「!」ムソクとトハは驚いて顔を見合わせる。
ムソクの手の鬼針盤は激しく震えた。
ムソクは刀を抜くと、大妃… いや、疱瘡神に向ける。

ムソク「疱瘡神です」
疱瘡神「!」

再び疱瘡神が力を弱め、大妃の精神が勝った。

大妃「リン…!」

大妃の手を離れ、リンは後ろに尻もちをついた。

「早く斬りなさい!」大妃は立ち上がり、刀を向けるムソクに近づいた。

大妃「大君が死にそうなのに、放っておくというの?!」
ムソク「!」
大妃「早く!早く私を斬りなさい!早く!」

今だ!立ち上がったリンは、大妃の背中に護符を貼り付けた。

大妃「!!!」

崩れ落ちる大妃を、リンはそのまま抱きとめる。
疱瘡神は大妃の体を抜けると、外へと姿を消した。
と同時に、周囲に倒れていた尚宮や女官たちも一斉に意識を取り戻した。

+-+-+-+

石光寺を出ていこうとする疱瘡神を追い、三人は外へ出た。
振り返った疱瘡神の背後には、二人の手下とイナが立っている。

リン「!」

ムソクは再び激しく反応する鬼針盤を見つめた。
そこに霊がいるのか?
辺りを見回すムソクの横で、リンが静かに刀を抜いた。
ムソクもそれに続く。

疱瘡神の手下二人がまずは前に出ると、同時にリンとトハが立ち向かった。
ムソクは鬼針盤を頼りに、霊の居場所を懸命に探る。

リンの剣を受け、まずは一人の手下が散る。
そして… 目隠しの訓練にはやはり効果があるようだ。ムソクの剣で、もう一人の手下が砕け散った。

戦況を見ながら、疱瘡神はイナの肩に両手を置き、謎の気を送る。
緑色の気を注ぎ込まれると、イナはゆっくりと歩き出した。

一人を倒したムソクは、もう一度鬼針盤を確かめた。
鬼針盤が指したのは… イナがいる方だ。「こっちです!こっちに鬼神が!」
ムソクの声に振り返ったリンとトハが目にしたのは、ムソクに向かってくるイナの姿だった。

トハ「駄目!!!」

ムソクが何も見えないまま刀を振り上げると同時に、トハが二人の間に割って入り、体ごとムソクを抱きとめる。
とそのとき、突き出したイナの両手はトハの背中に命中し、緑の気が湧き上がった。

382

リン「!!!」

気を浴びせたのがムソクではなかったと気づくと、イナはガッカリした様子で手を離す。
「あっ!」トハはその場に崩れ落ちた。

リン「トハ!!!」

ムソクの腕の中で、トハは気を失っていた。
「!!!」リンは疱瘡神へと斬りかかる。

リンの攻撃を鮮やかに避けると、疱瘡神は渾身の力でリンへと向かった。
疱瘡神が飛びかかろうとしたその瞬間、リンの構えた四寅斬邪剣がまばゆい光を放つ。

383

疱瘡神「!!!」

疱瘡神が怯んだ隙に、リンは懐の護符を撒く。
護符は疱瘡神の目の前に舞い上がった。

リン「封鬼!!!」

四寅斬邪剣で地面を叩くと、護符は矢のように疱瘡神へと向かい、その体に張り付いた。
動きの取れなくなった疱瘡神めがけ、今度こそリンは四寅斬邪剣を振るう。

384

疱瘡神は… 砕け散った。

+-+-+-+

石光寺へ向け歩いていたサダムは、突然胸を押さえ、その場に身を屈めた。

ホジョ「サダム様!」
サダム「だ… 駄目だ。疱瘡神を… 疱瘡神を救わなければ」

サダムは立ち上がると、先を急いだ。

+-+-+-+

「目を開けるんだ!目を開けてくれ!」ムソクは意識を失ったトハに必死で呼び掛けた。

じっとその様子を見つめていたイナは、もう一度ゆっくりと近づき、いきなりムソクの首を締める。

ムソク「!!!」

疱瘡神を倒し、振り返ったリンが見たものは、兄を絞め殺そうとするイナの姿だった。

リン「!!!」

+-+-+-+

ここでエンディングです。

終盤にようなほとんど台詞のない場面が今後増えるかも。
うっかりしてると長々と全て書き起こしてしまうのですが、こういうところは適度に端折っていくようにしますね^^;

鬼神が見えるリンとトハ、鬼針盤頼りのムソクは、三人で息を合わせ、しっかりフォーメーションを組む必要がありますよね。
サンホンは四方を塞ぎ、結界を張らなければならないと言ったものの、今回はリン一人で倒してしまいましたが…。
霊が見えないムソクの初陣はかなりハラハラもので、息子を送り出した母のような気持ちになってしまいましたが、今後の成長と、三人の協力体制が整っていくのが楽しみです。

サンホン兄は今頃一睡もできず、悶々として待ってるんでしょうねぇ

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