韓国ドラマから美しい言葉を学ぼう

韓国ドラマのあらすじや詳細日本語訳を紹介!プロデューサー/SPY/夜警日誌/トライアングル/主君の太陽など

夜警日誌あらすじ&日本語訳18話vol.1

   

チョン・ユンホ(東方神起ユノ/ユンホ)、チョン・イル出演、「夜警日誌」18話前半、ドラマのあらすじを掴みながら、セリフも丁寧に日本語に翻訳していきますね。

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「あんた… 何者?」目の前で自分を見ている生き写しに、トハが言う。
ムソクの後ろで鬼神奴隷のトハがしたたかに微笑んだ。

トハ「何で私と同じ格好してるのよ!」

鬼神トハも前に出てきて、本物に立ち向かう。「あんたこそどうして私の真似してるの?」
「…?」まるで自分自身を見ているかのような錯覚に、トハは言葉を失った。
思わず詰め寄ろうとしたところを、リンが引き。「やめておけ」

リン「一体どうなっているのか… そこから調べるんだ」

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鍛冶場にいたサンホンとサゴンは、目の前で睨み合っている”トハたち”を、揃ってキョロキョロと見比べた。

サゴン「ひょっとして、子どもの頃に別れた双子とか?」

「!」二人のトハの視線が同時にサゴンに移る。

トハ「私にはそんな妹…いません」
トハ「私だって姉のヨナ一人だけです」

このままでは埒が明かない。「冷静になるんだ」リンが諌めた。

リン「(サンホンに)これは一体どういう状況ですか?」
サンホン「…。」
ムソク「二人のうち一人は間違いなく偽物でしょう」

#ムソクにはもうどっちが偽物かわかるはずだけどね。証拠はないにしても

サンホンはもう一度二人を見比べる。

サンホン「二人とも腕を見せてみろ」
サゴン「そうだ。私が夜警師の烙印を押したんだから、それがある方が本物のトハだ」
リン「早く見せてみろ」

一人のトハがすぐに袖をめくった。
彼女の腕には…烙印があるではないか!

サゴン「もう決まったな。こっちが本物だ」

皆の冷たい視線がもう一方のトハの方に集まる。

トハ「…。私がどうして?どうしてそんな疑いの目で見られなきゃならないんですか!」
サンホン「たとえ無念であっても、自らを証明するために腕を見せてみろ」

彼女は右腕の袖をめくる。
そこにも夜警師の烙印があった。
「!」全員が沈黙に包まれる。

サンホン「他の方法を探してみなければ」

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「鬼神よ、出てこい!」次に彼らが試したのは、偽物のトハの正体が鬼神だと推測しての方法だ。

「鬼出!」リンがトハに護符を撒く。
何の変化も起きず、トハはただ悲しげにリンを見つめた。

それを受け、ムソクはもう一人のトハに護符を撒く。「鬼神よ、出て来い」
トハは撒かれた護符を一枚手に取ると、馬鹿馬鹿しいとでも言いたげにそれをくしゃくしゃに丸めた。

トハ「副護軍!」

これも駄目だ。

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当事者である二人のトハを除き、4人の男たちは一旦地下室へ集まった。

サンホン「二人のうち一人は、おそらく遁甲の術で作った偽物です」
ムソク「サダムが送り込んだのでしょうか」
サンホン「この間の報復のつもりでしょう」
リン「しかし、どちらからも鬼気は現れません」
サゴン「遁甲の術っていうのは霊が憑依してるわけじゃないから、鬼気は出て来ないんですよ」

リンが頷く。

サンホン「急がねばなりません。どちらが本物か明らかに出来なければ、全員が危険です」

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リンの守護霊、ソン内官と左相(霊)は、まさに今から議事が行われようとしている正殿にぶらりとやって来た。
彼らは王の前にある踏段に腰を下ろし、ずらりと並ぶ官僚たちを眺める。

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#超なごむよね^^

キサン君「蒼天塔の建設に使う財物がすでに底をついた。税金をもっと上げ、工事人力も増やすのだ」
領相「殿下、これ以上税金を上げれば、民心は離反します」
キサン君「何と?」
領相「お取り下げくださいませ!」

「お取り下げくださいませ!」官僚たちが一斉に頭を下げた。

キサン君「そこまで民を思う人たちが、なぜ何もせずぼんやりしている?!口だけではなく、忠誠心を証明されよ!」
領相「どういう意味でしょうか」

キサン君はニヤリと笑う。

キサン君「夫人や娘たちを妓房へ送り体を売らせてでも、塔建設に必要な資金を用意せよと言うのだ!」

のんびりと会議を眺めていたソン内官と左相(霊)が、驚いて王を振り返る。
考えられない乱暴な発言にざわめく議場を、キサン君は足早に後にした。

左相(霊)「情けない家臣だ!王の間違いを指摘するどころか、保身しか考えていないではないか!それでも民の血税から禄を受け取っている臣下なのか!!!」
ソン内官「そう憤慨なさいなさんな。疲れるだけですよ」

目の前の領相が立ち上がる。

左相(霊)「この悪党どもめ!!!」

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サダムが差し出した金品目録を、キサン君はじっと見つめた。

サダム「黄金10万両にございます。梅蘭房主が殿下に捧げる蒼天塔建立の資金です」

サダムの後ろに控えるヨンウォルが、静かに頭を下げる。
「黄金10万両か」キサン君が小さく笑い声を上げ、ヨンウォルを見上げた。

キサン君「梅蘭房主、そなたこそ真の女傑だ。自分たちのことしか考えぬ朝廷の官僚たちより、そなたの方が遥かに度胸がある。余はそなたの功を忘れぬぞ」
ヨンウォル「泰平蒼天塔が完成すれば、皆が殿下の権威を仰ぎ見ることで御座いましょう」
キサン君「如何にも。お前たちは真の忠臣たちだ」

目録を眺め、キサン君は再び満足気に笑った。

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「王の後ろ盾を得たのですから、梅蘭房は朝鮮の物産における中心となるでしょう」王の反応に満足し、サダムは宮中を歩きながらそう言った。
「…。」ヨンウォルはサダムの言葉に反応することなく、前を見据えたまま不意に立ち止まる。

サダム「房主、どうなさったのです?」

「?」ヨンウォルはハッと我に返った。「何でもありません」

サダム「…。」

ヨンウォルは何か感じたのか。サダムに不安が広がった。

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スリョンの元にリンがやって来た。

「スリョン嬢」彼女が茶を淹れ終わるのも待たず、リンが口を開く。

リン「先日トハを呼んで何の話をされたのです?」
スリョン「大君の寵愛を受けているようですので、大君のご迷惑にならぬよう、おせっかいながらよく教え諭して帰しました」
リン「ただそれだけですか?」
スリョン「はい。なぜお聞きになるのですか?」
リン「何でもない。これで失礼しよう」

リンが立ち上がろうとすると、スリョンが続けた。「大君」

リン「?」
スリョン「我が国には厳格な班常(=特権階級と平民)の制度があります。大君がいくらトハをおそばに置こうとなさっても、身分の貴賎を超えることは出来ないでしょう」
リン「…。」
スリョン「私は必ずや大君との結婚を叶えます。その後にあの娘を妾とするなら、口を出すつもりはありません」

「私の問題は自分で決める」リンの答えは実に短く淡々としていた。

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彼は厳しい表情で立ち上がり、早々に部屋を出た。

「…。」一人残されたスリョンを、底知れぬ寂しさと虚無感が襲う。
彼女はサダムに渡された人形を、震える手で握りしめた。

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リンとムソク、そしてサゴンの前で、サンホンはある巻物を広げた。

サンホン「この絵にある青銅鏡で九尾狐の尾を消せば、サダムの遁甲の術が破れ、偽物が正体をあらわすでしょう」
リン「この青銅鏡は今どこに?」
サンホン「夜警軍が解体された後、厳重に隠してあります。他の武器も幾つか取って来なくては」

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サダムは”九尾狐の尾”を手に取ると、愛おしげに撫でた。

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サダム「如何なる夜警術でも、我が遁甲の術を破ることは出来ぬ」

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キサン君はリンと共に蒼天塔の工事現場を訪れていた。
後ろにはいつものように官僚たちが続く。
リンの後ろにはムソクがピッタリと控えていた。

「なぜ工事が進まぬのだ!」立ち止まったキサン君は責任者のリンを責める。

リン「殿下、昼夜を問わず工事を進めたため、皆疲れが溜まっております」
キサン君「黙れ!民を全て動員してでも完成を早めるのだ。一日でも遅れれば、お前を厳重に問責しようぞ!」

キサン君が歩き出すと、リンは領相に声を掛ける。

リン「塔が高くなるほどに民心は真っ逆さまに落ちるばかりです。殿下のお考えを変えさせねばなりません」
領相「塔工事の責任者は大君です。上手くおやりになると信じていますぞ」

領相は他人事のように微笑むだけだ。

リン「…。」

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領相パク・スジョンが帰宅したところへ、門の前で待っていたムソクが進み出た。
対峙した二人の間には、口を開く前から張り詰めた空気が漂う。

「何の用だ?」領相の言葉に、ムソクは端正に頭を下げた。

領相の書斎で二人きりになると、ようやくムソクは口を開く。「叔父上」

ムソク「あの夜の事故とは本当に関係がないのですか」
領相「何と?お前は恐れ多くも私を疑うのか」
ムソク「…。」
領相「お前を殿下に推挙し、そばに置くよう仕向けたのは私だった。お前が殿下の忠臣となる人間だと考えたからだ」
ムソク「私の忠誠心に決して変わりはありません」

ムソクの言葉を領相は鼻で笑う。

領相「どの逆賊も最初はそう言うものだ」
ムソク「!」
領相「王と民のためだと言っておきながら、最後には謀反を起こし王を殺す。まさにそのような者共だ!」
ムソク「殿下への私の忠誠心をお試しになりたいなら、私の憂慮することを叔父上がなさればよろしいのです」
領相「?」
ムソク「そうすれば、私の忠誠心がどれほどのものか、ご自身の目でご覧になれるでしょう」

自分の挑発にも乗らない冷静なムソクの言葉に、領相はカッとなって机を叩いた。

領相「家族同然に育ててやった恩も忘れ、私を裏切るつもりか!!!」
ムソク「私の考え違いであってほしいと… そう願います」

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ムソクは最後まで静かに述べ、立ち上がり、叔父の前を後にする。
甥の追及に、領相は確実に動揺していた。

#で、最初のセリフで「あの日の夜の事故」ってムソクは言ってたけど、何を指してるんですかね。
最近、夜に領相関係で何かありましたっけ?
王を殺そうとしたのは昼間だったけど。

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領相のいる舎廊棟を出てきたところで、ムソクはスリョンに出会った。
彼女はムソクを待っていた様子だ。

スリョン「お兄様が流言飛語に振り回されて父を傷つけるなら、私もお兄様を許しはしません」
ムソク「スリョン!」

スリョンは大きな目でムソクを睨むと、冷たく視線を外し、背を向けた。

ムソク「…。」

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「余を殺そうとしたのは誰なのか分かったか?」ムソクはキサン君に呼ばれていた。

キサン君「領相の仕業か?それとも、月光の仕業か?」
ムソク「まだ明確な証拠を掴めていません」
キサン君「証拠がない?まさかお前も一味ではないのか?」
ムソク「殿下!」
キサン君「左道に夢中になり、月光と鬼神遊びをしているそうだな。楽しいか?」
ムソク「…。」

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キサン君「余を裏切り、月光に忠誠を尽くすのは楽しいかと聞いておるのだ!!!」
ムソク「殿下、私の忠誠心を信じられないならば、この場でお斬り捨てください」
キサン君「そんな言葉で余を安心させようという魂胆か」
ムソク「殿下!」
キサン君「行け!余を殺害しようとした者を早う見つけるのだ」

キサン君は冷たく顔を背けた。
ムソクが立ち上がり、頭を下げたところで、キサン君が再び口を開く。「ムソク…」

ムソク「…はい、殿下」
キサン君「余はこの世の誰よりもお前を信じる」
ムソク「…。」

ムソクの視線がかすかに動く。
彼はもう一度頭を下げ、主君の元を後にした。

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リンはランイと二人で、屋敷の庭を歩いていた。
体調がすぐれない様子で、リンは頭に手をやり、眉間にしわを寄せる。

ランイ「最近顔色が良くないね。大丈夫?」
リン「悩ましいことが多くてな」
ランイ「リン、いっそのこと都を離れようよ」
リン「?」
ランイ「景色のいい田舎で暮らせばいいでしょ」
リン「両親を殺した者たちを放って?全部忘れてここを離れるのか?」
ランイ「どうして復讐なんかのために年月を無駄に使うの?」
リン「…。」
ランイ「自分自身のために生きなよ。ね?」

ランイの訴えにも、リンは表情を硬くする。

リン「絶対に許しはしない。母上を殺したパク・スジョン、父上に嘘を告げた殿下、それにその女も!誰のことも… 許せない」

「リン!」頑ななリンにランイは溜息をついた。

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宿の裏庭でサンホンは思い切って刀を抜く。
その途端、胸に激痛が走り、彼は顔をしかめて胸を押さえた。

「?」彼は何か気配を感じ、後ろを振り返る。
ランイが現れ、彼を見上げた。

ランイ「…。」

サンホンはランイに丁重に頭を下げる。

ランイ「そなたが力になって。私が止めても無駄だった」

小さなランイの言葉に、サンホンは穏やかに目を細める。

ランイ「リンは夜警師になってはいけないわ」
サンホン「人は誰もが運命とぶつかり合います。運命を受け入れるか、立ち向かって戦うか… それは大君がお決めになる問題です」
ランイ「…。」
サンホン「媽媽が幼い子どもの形を甘んじて受け入れ、三途の川を渡っていらしたように」
ランイ「!!!」

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#サンホンのセリフは要チェックですね。
마마께서 어린아이의 몸을 감수하신 채 삼도천을 건너오신 것 처럼
(媽媽が幼い子どもの体を甘受なさったまま、三途の川を渡って来られたことのように)
一つはランイを媽媽と呼んでいること。
そして、ランイは”幼い子どもの体に戻った状態で” 現世に現れなければならなかったこと。

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部屋の中では二人のトハが眠っていた。
背を向けて眠っていた片方のトハがそっと起き上がる。
もう一人のトハが眠っているのを確かめると、彼女は部屋を出た。

#ん?本物トハと手を繋いでいるのはオンメさん?

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地下室へ下りてきたサンホンは、何者かの気配にゆっくりと奥へ視線を移した。

トハだ。

彼女はサンホンに背を向けた体勢で、床に置いてあるサダムの杖を触っていた。

サンホン「誰だ?」

トハはサンホンの声にハッとして振り返る。「おじさん…」
サダムの杖を手に、彼女は立ち上がった。

サンホン「なぜお前がそれを持っている?」
トハ「それは…」
サンホン「…。」

トハは誤魔化すように微笑む。「これをどう処理すればいいのか、お訊きしようと思って」
サンホンはゆっくりとトハに詰め寄った。

サンホン「百衆の日に供養すると、すでに言ってある」
トハ「…え?」
サンホン「…。」
トハ「いけない。私、うっかり忘れてました」

サンホンは思わずフッと笑う。そして、さらにトハへと近づいた。

サンホン「お前だな。偽物は」

手を伸ばした瞬間、偽物のトハはクルリと身を翻す。
彼女が持つ杖の先で蛇の目が赤く光り、口から黒い邪気が噴き出すと、サンホンの胸へ一直線に向かった。
サンホンの動きが止まった瞬間、偽トハが彼の体を杖で打つ。
「あっ!」サンホンが呻き声を上げ、その場にうずくまった。

その隙に、偽物トハは杖を持って逃げる。
サンホンは夢中で後を追った。

宿の一階へ来たところで、ちょうど上から下りてきたサゴンは外へ出て行くトハを目撃する。

サゴン「あれ?」

遅れてやって来たサンホンが胸をおさえて床に倒れ込んだ。

サゴン「兄貴!!!大丈夫ですか?!」

胸を押さえるサンホンの指の間から、血が流れていた。
サンホンは力を振り絞ってサゴンの肩を掴む。

サンホン「偽物が… 杖を持って行った!
サゴン「偽物?杖?」

あまりの痛みに、サンホンはそこで気を失ってしまった。

サゴン「兄貴!しっかりしてください!」

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拭っても拭っても出てくる血に、オンメは必死で傷口を押さえた。

オンメ「血が止まりません!旦那さんがこのまま死んでしまったらどうしよう!」

夢中で傷口を押さえるオンメの手に… サンホンが手を重ねる。

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サンホン「大丈夫…」

サンホンは自分で傷口を押さえ、身を起こす。
そこには目を潤ませているリンと、まっすぐな目で見守るムソクの姿があった。

サンホン「偽物が分かって… 幸いです」

サンホンは小さく微笑む。

リン「こんなに怪我をされたのに、幸いだなんて」

「最初から赤い髪留めが偽物だと思ってたんだ!」サゴンが訴えた。

「おじさん!」トハが部屋に入ってくる。
皆の視線が彼女に注がれた。

「おじさん…」彼女はサンホンのそばに跪き、何度もそう言って目を潤ませる。

トハ「全て私の失態です」

「お前のせいじゃない。サダムの仕業だ」サンホンは目の前の”本物のトハ”に優しく言った。

サンホン「自分を責めるな。大丈夫だ、大丈夫」

「大丈夫」サンホンはトハを安心させようと、譫言のように繰り返す。

トハ「おじさん!」

「トハ」リンが静かに口を開いた。

リン「お前の振りをした偽物… 私が必ず捕まえてやる」
トハ「…。」

傷ついたサンホンを囲み、彼らは決意を新たにした。

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「ついに取り返した」サダムは戻ってきた蛇の杖を満足気に眺めた。

サダム「ここに封印された怨霊で、龍神が治癒できる」

#治癒治癒ってずっと言ってるけど、何一つピンとこない大蛇の件は、とっくの昔にどーでも良(以下略

サダムは蛇の杖を祭壇に捧げると、高らかに笑い声を上げた。

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部屋で書き物をしていた梅蘭房主ヨンウォルは、筆を置いた瞬間、頭を押さえた。「!」
訳の分からない光景が、頭の中に突然降ってきたのだ。

首の後ろに赤い烙印を押された女が手足を縛られ、吊られている。
謎の男が叫ぶ。「昇天の儀式を執り行う!!!」
荒れ狂う大蛇の逆鱗を矢が居抜き、女の間近に激突した。

ヨンウォル「あぁ!!!」

ヨンウォルは思わず悲鳴を上げた。
「房主様!」驚いた秘書が飛び込んでくる。「大丈夫ですか?」

今、頭をかすめた光景は一体何だったのか。
ヨンウォルはゆっくりと首の後ろに手を回し、「赤い烙印」があった場所を押さえてみる。

ヨンウォル「!!!」

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言い知れぬ恐怖が彼女を襲った。

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訪ねてきた領相に、大妃はいつもと変わりなく茶を振る舞った。

大妃「月光とスリョンの婚礼を急がねばなりません」
領相「媽媽、以前にそれは叶わぬとお答えしたはずです」

「領相」大妃は茶器を置いた。

大妃「月光を婿に迎えてこそ、我が国の王室と朝廷が平穏になるのです。私の考えに従ってください」
領相「媽媽!」

そこへ突然入って来たのはキサン君だ。「御二人でまた何の謀議を?」

大妃「謀議ですって!主上、なんという不敬なことを!」
キサン君「以前にも御二人で密かに謀議なさった上、月光へ渡るべき王座を私にくださったではありませんか」
領相「!」
大妃「口をお慎みなさい、主上!」

「月光とスリョン嬢の結婚話が上がっているようですが」キサン君がチラリと領相へ視線を移す。

キサン君「スリョン嬢は月光の伴侶には勿体ない」
大妃「主上!」
キサン君「私の後宮(=側室)にしましょう」
領相「!!!」
大妃「何ということを!」
領相「殿下、お言葉が過ぎます」
キサン君「私はこの国の王であり、民の主(あるじ)です。我が民を後宮にするのに、一体何が問題なんです?お二人共、王に対して反旗を翻すおつもりで?」

キサン君は唖然とする二人を見比べると、愉しげに笑い声を上げ、大妃殿を後にする。
「…。」領相は怒りに震え、拳を固く握りしめた。

#大妃様の青いお召し物がとても素敵なのです。ほとんど映らなかったけど

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「私を侮辱しおって!!!恐れ多くもこのパク・スジョンを!!!」自宅へ戻ってきたパク・スジョンは、怒りを爆発させた。

部下「大監、命令をお出しください。大監のご命令とあらば、数千の精鋭兵が宮廷に進撃します」

「どうしたものか」怒りの頂点にありながらも、領相は慎重に考えを巡らせた。

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「殿下がスリョン嬢を後宮になさると…」梅蘭房で考えに耽るサダムに、ヨンウォルが背後からゆっくりと忍び寄る。
手に握りしめた小刀を振り上げると、サダムめがけて一気に下ろすと、サダムは軽くそれをかわし、ヨンウォルの腕を掴んだ。

サダム「房主、何の真似ですか?」
ヨンウォル「サダム!!!」

「…ヨナ?」ヨンウォルの顔を覗き、サダムが不意に言った。

ヨンウォル「お前の心臓を貫いてやる!」

そこへ入って来たホジョがヨンウォルの後頭部を手で突く。
途端にヨンウォルは気を失い、彼女の手から小刀が転がり落ちた。

サダム「!」
ホジョ「マゴの巫女の魂が記憶を取り戻したのですか?」

「連れて行け」サダムは動揺していた。

サダム「別の体を借りて、ヨナの魂を閉じ込めなければ」

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「お嬢様、一体どうすれば?」泣きそうな顔で訴える下女の前で、スリョンは感情を失ったように黙っていた。

下女「王様がお嬢様を後宮になさるなんて」
スリョン「私は今まで… ひたすら月光大君だけを見つめて生きて来たわ。たとえ王の命令に背くことになったとしても… その思いは捨てられないわ」
下女「お嬢様…」

そこへ訪ねてきたのは、梅蘭房主ヨンウォルの秘書だ。

秘書「道流様がお嬢様にお会いたいとおっしゃっています」

スリョン「今は心が落ち着かないから、会いに伺えないと伝えて」
秘書「お嬢様の将来がかかっているそうです」
スリョン「?!」

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結局、スリョンはサダムに会いに梅蘭房を訪ねた。

サダム「お嬢様が後宮になるのを阻止して差し上げましょう」
スリョン「方法があるのですか?!」
サダム「私が嘘を言ったことがありますか?」
スリョン「!」
サダム「その代わり条件があります」
スリョン「条件?」
サダム「梅蘭房の主人になってください」
スリョン「!…梅蘭房主だなんて、とんでもない!」
サダム「お嬢様ほどの気質を持っていれば、十分に梅蘭房を率いていけるでしょう」

「…。」思いがけないサダムの提案に、スリョンはただ驚いて彼を見つめた。

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ここで一旦区切ります。

で、偽トハがムソクに言い寄っていた目的は、「リンとトハを仲違いさせるため」だよね?
今のところ、偽トハの好みがムソクだった…って程度にしか思えんのですが(笑

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