夜警日誌あらすじ&日本語訳21話vol.2
イ・ジェヨン(領相)、キム・ソンオ(サダム)主演(笑)、「夜警日誌」21話の後半です。
あらすじの中で表情や心の動きも拾いながら、台詞もまじえて詳細に翻訳していきますね。
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外へ出ようとするスリョンを、下女が両手を広げて止めた。
スリョン「退きなさい」
下女「落ち着いてください、お嬢様」
スリョン「私の行く道を塞ぐとは!今すぐ退くのよ!」
「いけません、お嬢様」憤るスリョンに、下女は静かに訴える。
下女「大君媽媽はお嬢様が傷つくのを望まないはずです」
スリョン「大君を救わなければ… 大君を助けなければならないの。大君が危ないのよ!」
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「私の言うことをお聞きになっていれば良かったのです」刀を突きつけられたリンを前に、領相は説教を楽しんだ。
領相「おとなしく従っていれば、私が反逆を起こし、大君を斬ることなどなかったでしょう」
リン「…。」
領相「こうなったのも全て大君のせいです。大君が責務を果たせなかったからなのです!」
リン「全ての過ちを私のせいにしたからといって、ありもしない大義名分が生まれるわけではない」
領相「大君!!!」
リン「…。」
領相「何をしておる。大君を斬るのだ!」
リンの後ろに控えていた兵士が、ゆっくりと刀を構える。
まさに振り下ろそうとした瞬間、何かが空中をすり抜け、兵士の左胸を貫く。
クナイだ。鈍い呻き声を上げ、兵士はその場にバタリと倒れた。「!!!」
彼らの後方から姿を現したのは… 黒装束に身を包む一人の男。
サンホンだった。
彼はリンめざして進みながら、襲いかかる兵士たちを、たった一人で次々に斬り捨てる。
***兄貴の勇姿を心ゆくまでご堪能ください***
リンのそばまで来たところで、サンホンは兵士たちに囲まれた。
リン「なぜ… なぜそんな無謀なことを!」
サンホン「…。」
リン「なぜ私のために命を賭けたりするのですか!」
「大君に希望を見たからです」兵士たちを剣で制し、サンホンはそう言った。
リン「!」
サンホン:
대군이 다스리는 나라라면 감히 희망을 가져도 될듯하여
제 목숨쯤은 아깝지 않습니다.
大君の治める国ならば、恐れながら希望を持ってもいいのではないかと…
だから、私の命など惜しくはありません。
リン:
대장…
隊長…
サンホン:
박수종, 너가 가려는 자리가 어떤 자린지 아느냐?
바로 망백성의 희망이 향하는 자리다.
パク・スジョン、お前が狙っているのがどんな座だか分かっているのか。
まさに万民の希望が向かう座なのだ!
領相はまだ余裕で彼らの”最後のあがき”を眺めていた。
領相「私は、民に無駄な希望など与えたりはせぬ。それしきの希望を持ったところで、叶うことなどない」
サンホン「…。」
領相「今日一日を過ごせたことにただ感謝させることにしよう」
リン「!」
領相「私に感謝し、一日一日それなりに暇を潰す生活。それこそが民の生活だ!」
リン「パク・スジョン!!!」
「騒々しい」領相がボヤくと、手下に命じた。「早う斬れ!」
領相の手下が直接リンの元へ向かう。
サンホンは急いで回りの兵士たちを蹴散らし、リンめがけて走った。
手下は雄叫びを上げ、刀を振り上げる。
そのとき!
「リン!!!」ランイが突然駆けてきて、リンの体にしがみついた。
同時に妙な気が風と共に湧き起こり、彼らの視界を乱す。「!!!」
次の瞬間。
リンもサンホンも、彼らの前から煙のように消え去っていた。
兵士たち「???」
領相「どうなっているのだ?早う月光大君を探せ!!!」
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全身全霊で祈祷していたサダムは、思わずその場に倒れこんだ。
トハ「大君は… 助かったの?」
サダム「…。」
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ふと気づくと、リンとサンホンは誰も居ない街の通りにいた。
サンホンが辺りを窺いながら刀を収める。
リン「これは…どうなっているのです?」
サンホン「このような術を使えるのはサダムだけです」
サンホンはリンの体を縛っている縄を解いた。
リン「サダムがなぜ?」
体が自由になると、リンはすぐに歩き出した。
サンホン「大君!」
リン「トハが囚われています。サダムにトハが囚われているのです」
サンホン:
앞으론 대군의 선택에 많은 이들의 목숨이 달려 있다는 걸 명심하셔야 됩니다.
지금 당장 도하를 구하러 가서 도하는 구할 수 있을지 모르나,
부호군은 죽게 될 겁니다.
이무기를 부활시키기 위해선 누구보다도 도하를 필요로 하는 자는 바로 사담입니다.
허니 그자가 당분간 도하를 어찌하진 못할 겁니다.
今後は大君の選択に多くの命が掛かっていることをお忘れにならないでください。
今この場でトハを助けに行けば、トハは救い出せるかもしれませんが、
副護軍は死ぬことになるでしょう。
大蛇を復活させるため、誰よりもトハを必要としているのはサダム本人です。
ですから、当分の間はトハをどうこうすることはできないはず。
リン:
대장…
隊長…
サンホン:
지금 우리가 해야 할 일은 그 용신을 막기 위해 우리의 힘을 키우는 겁니다.
해서 우리에게 힘을 보태 줄 부호군을 데려와야 합니다.
그것이 도하를 위하는 것이고 많은 사람을 위하는 길입니다.
今我々がすべきことは、龍神を阻むため、力を蓄えること。
ですから、我々に力を加えてくれる副護軍を連れて来なければなりません。
それがトハのためであり、多くの人々のための道なのです。
近くの家の陰から、誰かがそっと顔を覗かせた。
ランイだ。
ランイ「良かった…。怪我がなくて…」
「!」ふと異変に気付き、彼女は自分の手を広げてみる。
小さなその手は透け、消えようとしていた。
ランイ「!!!」
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リンはサンホンと共にムソクの元へ戻った。
サンホン「副護軍が息絶えて二日が過ぎようとしています。残る時間は一日。一日のうちに副護軍を連れ戻さなければなりません」
リン「どうすれば?」
サンホン「そろそろ三途の川に着く頃です。私が副護軍を…」
「私が行きます」リンがサンホンの言葉を遮った。
リン「その心臓であの世まで行くのは無理です」
決意に満ちたリンの顔を、サンホンは黙って見つめる。
リンは黙って静かに頷いた。
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小箱を開けると、そこには瓶が一つ入っている。
サンホンは瓶を取り出し、寝台に腰掛けたリンに差し出いた。
サンホン「神仙草で作られた、魂と肉体を分離させる薬です。これを飲めば、霊魂の行き来する道が見えるでしょう」
リン「…。」
サンホン「時間はきっかり一刻。お忘れにならないでください」
「…。」リンはその小さな瓶をじっと見つめた。
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#何ですか この美しさは
緊張した面持ちで横たわると、リンはムソクの隣で静かに目を閉じた。
サンホンと守護霊たちに見守る中、彼の魂はすぐに肉体から起き上がり、横たわった肉体を振り返る。
『その門をくぐれば、それが三途の川に通じる道です。
おそらく副護軍はそのどこかにいるでしょう。
副護軍があの世へ向かう船に乗り込む前に、連れ戻さなければなりません』
ムソクが歩いた草原を、リンは彼を探して足早に進んだ。
川の畔まで来ると、小さな舟に乗ろうとしているムソクの後ろ姿が見える。
その姿を黙って見ていると、ここまで案内してきた死神がリンに気づいた。
リン「何者だ?」
死神「そなたこそどなたです?」
男の正体を探るかのように、リンは眉間にしわを寄せる。
死神はムソクにしたのと同様、リンの頬に手をかざした。
その手はリンの顔をスルリと通り抜ける。
リン「そなた死者ではないではないか。なぜ生者がここに来られたのだ?」
「今すぐ捕らえよ」死神が他の者に命じると、リンはたちまち周りを取り囲まれる。
死神「あの世の戒律を乱す者を許すわけにはいかぬ」
リンは落ち着いて周囲の者たちを窺った。
リン「人を探しに来た。彼さえ見つかれば立ち去ろう」
死神「ここはあの世だ。死を通し、生を終えた者しか来ることは出来ぬ」
「…。」リンは腰の剣をゆっくりと抜いた。
死神「その剣は!」
斬りかかった死神たちに、リンは一人で応戦した。
一斉に攻められれば防ぎきれず、彼は一気に追い詰められる。
死神たちがリンに迫ったそのとき…
ムソクが剣を抜き、彼らの前に立ちはだかった。
リン「ムソク!」
ムソク「なぜここへいらしたのですか、大君」
リンは立ち上がると、ムソクと共に駈け出した。
どこまでも同じ景色が続く。
ひとしきり走ったところで、彼らは立ち止まった。
ムソク「また同じ場所です」
次の瞬間、ふいに現れた死神が再び彼らに襲いかかる。
死神「なぜ人が鬼神に干渉するのだ」
リン「鬼神とて初めから鬼神として生まれたわけではないはず」
死神「…。」
リン「人であろうと鬼神であろうと、無念な者をなくすためだ」
リンに近寄ろうとした死神の前に、再びムソクが割って入る。
ムソク「大君!」
死神の攻撃を自分の剣で受け止めると、ムソクはその威力に思わずたじろいだ。
死神「どうする?何の代償もなしに戻ることは出来ぬ」
二人「…。」
死神「選択するのは君だ」
無言でリンと顔を見合わせると、ムソクはじっと死神を見上げた。「…。」
+-+-+-+
制限時間を告げる蝋燭が、今にも消えようとしていた。
一人、リンとムソクの帰りを待つサンホンは、蝋燭を見つめたまま、どうすることも出来ずに焦りを募らせた。
「大君!大君!」彼は思わずリンの体を揺り動かす。「起きてください!」
反応のないリンのそばから、サンホンはムソクの元へ移る。「副護軍!副護軍!!!」
そのとき…
突然ムソクが目を大きく開いた。
サンホン「!!!」
仰向けになったまま周りに視線を動かすと、彼は自分を覗き込んでいるサンホンに気づく。
サンホンはムソクを抱き起こした。
起き上がったムソクは、となりの寝台に横たわっているリンに目を移す。
ムソク「どういうことでしょう。大君はなぜ目覚めないのですか?」
「大君!」サンホンは夢中でリンに呼び掛けた。
~~~~
リンはまだ三途の川へと続く草原にいた。
死神「あの世に干渉しようとするものは、当然その責任を取るべきだ」
~~~~
今や彼らはムソクではなく、まだ戻らないリンを囲んでいた。
ソン内官「大君様、起きてください」
左相(霊)「すぐお目覚めになるはずだ」
ソン内官「それにしてもランイは一体どこへ行っちゃったの?」
ちょうどそのとき、ランイがふと姿を現した。
リンのそばに近づいたランイは、急にふらりとよろめき、倒れてしまう。
ソン内官が咄嗟に彼女を抱きとめた。
+-+-+-+
次の日になっても事態は進まず、領相はさらに焦っていた。
領相「大君まで逃げ出したのだ。どんな手段を使ってでも国璽を手に入れねばならぬ。良いか!」
手下「はい!」
彼らのやりとりを、門扉の陰でそっと聞いていたのはスリョンだ。
スリョン「国璽?」
彼女は監視の目を盗み、そっと抜けだした。
+-+-+-+
昭格署にいるトハは、まだじっと毒薬の瓶を握りしめていた。
「まだ解毒剤を飲もうとしません」ホジョがサダムに彼女の様子を伝える。
ホジョ「月光大君が無事だと聞くまで、決して解毒剤を口にしないと言うのです」
サダム「…愚かな娘だ」
昭格署の前を離れようとしたサダムの前に、スリョンが現れた。
サダム「房主?」
スリョン「私にご協力を」
サダム「どうしました?」
スリョン「国璽…。国璽が必要なのです」
サダム「!」
+-+-+-+
トハが目を開けると、いつの前にか彼女の前にはスリョンがいた。
「お嬢様!」トハは布団の上を這い、スリョンのそばに近づく。
トハ「大君は… ご無事なのですか?」
スリョンはまっすぐに自分を見上げるスリョンを、静かに見つめた。
スリョン「なぜ私に大君の安否を訊くの?あなたに本当のことを言うと思う?」
トハ「大君を慕うお嬢様が、大君の命のことで嘘をついたりはしないでしょう」
スリョン「そうね。大君は無事どこかに身を潜められたそうよ」
トハが大きく息をついた。「よかった」
スリョン「でも、あなたが大君のそばにいれば…」
トハ「!」
スリョン「大君はまた危険に陥るわ」
トハ「…。」
スリョン「だから、大君のことを思うなら、もう死になさい」
トハ「お嬢様!」
スリョン「あなたが大君にしてあげられることは…それだけよ」
#何回も同じやり取りしなくていいよー
+-+-+-+
「何を話したのです?」昭格署の外へ出て来たスリョンに、サダムが探りを入れる。
サダム「大君が無事であると話してやったのですか?」
スリョン「事実のまま話しました」
サダム「いらぬことまで吹き込んではおりますまいな」
スリョン「それを道流にお話しする義務はありませんわ」
スリョンは澄ました顔で歩き出す。
サダム「房主もお忘れになってはいけませんよ」
スリョン「?」
サダム「私の側に立ったことを大君が知った以上、房主を愛することはないでしょう」
スリョン「何が言いたいのです?」
サダムは思わせぶりにスリョンに近づき、声を抑えた。
サダム「房主が大君の心を手に入れる方法は、私の秘術の他にありません。お忘れなく」
スリョン「…。」
+-+-+-+
昭格署の中で、トハは一人じっと考え込んでいた。
「大君のためを思うなら、死になさい」スリョンの言葉が頭の中で巡る。
「サダムも領相も…その女も…許しはしない」以前、リンはそう語った。
彼の運命を狂わせたその女は…彼女が探し求めていた姉だったのだ。
自分がそばにいることが、さらに不幸を繰り返してしまうのだろうか。
彼女は混乱していた。
+-+-+-+
「うっ」小さな声を上げ、リンは寝台の上で顔をしかめた。
目を開けると、すぐに彼は起き上がる。
そばにいたサンホンが驚いて振り返った。
#さっきまで緊急事態だったのに、昼寝から目が覚めたくらいに見える。本人も周囲も
リン「副護軍」
「大丈夫ですか」ムソクは安堵の息をつく。
リン「君はどうだ?大丈夫なのか?」
ムソクは大きく頷いた。
ホッとしたサンホンはすぐには言葉も出せず、リンをじっと見つめた。
サンホン「御二人ともご無事で良かった」
リン&ムソク「…。」
+-+-+-+
3人はさっそく作戦会議に入った。
サンホン「まずは国璽を先に見つけることが先決です」
ムソク「国璽というと…玉璽のことですか?」
サンホン「そうではありません」
リン「それでは何ですか?」
サンホン「王室に代々…いや、ずっと昔、この地の指導者たちにだけ許された王室の宝物がありました。それが国璽です。パク・スジョンが国璽を手に入れ、自ら王座に上がる前に、大君が先に見つけなければなりません」
「…。」リンの表情は重かった。
サンホン「選択なさってください。今はトハよりも、これが問題なのです」
+-+-+-+
サダムは一人、大蛇の眠る秘蔵庫へとやって来た。
サダム「これまで随分お待たせしました」
サダムはおもむろに蛇の杖を掲げ、呪文を叫ぶ。
#しんじひばやらしぇーーー
そして、その杖を思い切り床に突き立てる。
杖の先から黒い気が一気に噴き出し、大蛇の周りを取り巻く。
サダムは両手に意識を集中させ、呪文を唱え続けた。
やがて黒い気は次々と大蛇の口へと吸い込まれていく。
成功だ。
#…らしいです
そこへホジョが駆け込んできた。「大変です!」
サダム「どうした?」
ホジョ「泰平蒼天塔の工事が中断されました」
サダム「何だと?なぜ中断されたのだ?」
「領相の仕業です」ホジョが悔しさを噛みしめる。
二人が足早に立ち去った後、大蛇の石像はひそかに不気味な音を立て、怪しげな光を放った。
+-+-+-+
領相は誰もいない正殿にいた。
玉座の前に立ち、じっとそれを見つめる。
そこへやって来たのはサダムだ。「領相」
サダム「なぜ工事を中断なさったのですか」
領相「誰かが私を邪魔したのだが、どう考えても人間の技とは思えぬ」
サダム「何のことでしょう」
領相「月光大君を救出した者のことだ」
サダム「…。」
領相「どうもそなたの所業に見えるが」
サダム「何のことかさっぱり分かりません」
領相「我が志に逆らう者は、誰であろうと決して許しはせぬ!」
「私と約束なさいました」領相の言葉に怯むことなく、サダムはまっすぐに彼を見上げる。
サダム「泰平蒼天塔だけは許可なさると、そう仰ったのです!」
「ははっ」領相は冷たく笑う。「約束だと?」
領相「そなたも私も、約束などに意味を持たせる性分ではなかろう。それしきの言葉、覆せばそれまで。約束などに何の力があろうか」
「今すぐ…今すぐ工事を再開なさいませ」サダムの声は怒りに震えていた。
領相「道流ごときが誰に命令するつもりだ!!!」
#ところで、サダムは昭格署提調で、すごーく偉い身分になったんじゃなかった?
サダム「…。」
領相「主上が王位についている時こそ意味があったもの。しかし今、主上の失策まで引き継ぐ必要はない!」
「!」領相の裏切りは、とうとうサダムの怒りに触れた。
彼の目は一瞬にして赤く染まり… そして、元に戻る。
領相「…どうしたのだ?」
次の瞬間、サダムが突き出した手のひらが真っ赤な気を放つ。
領相「何だ?どうした!!!」
刀を掴んだ領相の手は制御を失い、刃先を自らに向ける。「お前!!!一体何者だ!!!」
サダム「一国の宰相として接してやったが、傲慢不遜この上ない」
領相「!!!」
サダム「私が自分の力が足りずに、お前ごときの機嫌をとったと思うか?」
領相「!!!」
サダム「答えよ。泰平蒼天塔を完成させると約束するのだ!!!」
サダムは赤い気を放っていた手のひらを収める。
ハッと脱力した領相は、真っ赤になった目で顔を上げた。
サダム「塔を完成させるのだ。早く!!!」
次の瞬間、ふいに元の眼の色に戻った領相は、何事もなかったように歩き出した。
まるで意志を失ったかのように…。
サダム「…。」
+-+-+-+
工事が再開された現場の空気は一層荒れていた。
誰か彼構わず兵士が鞭を打ち、人夫たちは「誰が王でも同じだ」とぼやいた。
領相の監視のもと、兵士たちは倉庫や書庫を片っ端に調べる。
+-+-+-+
「皆、国璽を探すのに血眼だって?」ひとりぼっちのキサン君は呑気につぶやいた。
笑いがこみ上げてたまらない。
キサン君「国璽が何だか知りもしないで」
~~~~
キサン君が王位についたとき、彼は大妃から一本の横笛を見せられた。
大妃「王室に代々、ずっと昔からこの地の王にだけ伝えられてきた国璽です」
キサン君「国璽?」
大妃「そう。王は天が作ると云うわ。王となる資格があるかどうか、天が優劣を決めるのです」
キサン君「…。」
大妃「吹いてみなさい」
キサン君は恐る恐る笛を手に取り、息を吹き込んだ。
フー フー。
何度繰り返しても、虚しく息の音が漏れるばかりだ。
「…。」大妃が眉をひそめる。
大妃「本当に…音を出せないの?」
キサン君「御祖母媽媽、一体どうしてなのか、音が出ません」
~~~~
そのときの焦りが鮮やかに蘇る。
キサン君は自嘲して笑い声を上げた。
キサン君「私が吹けなかった国璽を、領相は吹くことが出来るのか。実に興味深い」
と、そのとき、誰かの気配を感じ、キサン君は慌てて起き上がる。「!」
いつの間にか領相が立っていた。
領相「それはどういう意味ですか?」
キサン君「…。」
領相「今、国璽が何と?」
領相の目が赤く染まる。
「領相!どうしたのだ?」キサン君は思わず後ずさりした。
領相「主上!!!!!」
キサン君「余は… 御祖母媽媽が見せてくださったから… 余よりも御祖母媽媽に!御祖母媽媽に訊くべきだ。国璽は御祖母媽媽が持っているのだ!!!」
領相の蛇のような目がキサン君を睨んだ。
+-+-+-+
領相は兵士を連れ、再び大妃殿へ乗り込んだ。大妃殿へと向かう領相の様子を、サダムはそっと物陰から見送る。
サダム「そうです、領相。早く国璽を手に入れなさいませ。欲しい物は手に入れなければ」
「そして、国璽を手に入れれば、私の元へ持ってくることになるでしょう」サダムは不敵に笑った。
+-+-+-+
「大妃媽媽、国璽を出すのです!!!」大妃を相手に、領相は恫喝した。
大妃「今すぐ出て行きなさい、領相」
「私の命令を拒むとは!」領相は刀を抜き、大妃に突きつける。
大妃「!!!」
領相「国璽を渡さなければ、主上は無論のこと、大君と王族たち一人残らず命はない!!!」
大妃「パク・スジョン!!!天が怖くないのか!!!」
領相「天よりも私を恐れることになろう!!!」
「いけません、大監!」止めに入ったイ尚宮を払いのけ、領相は彼女を突き刺そうとする。
その瞬間、「領相!!!」大妃が叫び声を上げた。
「…。」領相は静かに刀を下ろす。
大妃「…。」
領相「また来ましょう」
#えー また来るのー
領相「そのときもまだ国璽が用意されていなければ、この国の王室を根絶やしにしてやる!!!」
領相が出て行くと、大妃はあまりの衝撃にふらふらと座り込んだ。
イ尚宮「媽媽!大丈夫ですか?」
大妃「あれは領相ではない。人の皮をかぶった鬼神よ!!!領相に…鬼神が取り憑いている!!!」
+-+-+-+
リンは一人、地下室で何かをじっと見つめていた。
それは、大妃が直接自分の指から外し、彼に手渡した指輪だ。
一見何の変哲もないその指輪を、裏返し、角度を変え、彼は注意深く観察した。
そして…
リン「?」
+-+-+-+
ここでエンディングです。
22話を見ていないので何とも言えませんが、すったもんだの末に結局「あー よく寝た」みたいに二人共起きてきたのは、あれでいいの?脚本ぶちぶち切るから感動もないし、いろいろウヤムヤだし、こういうの多いですねぇ。
それに、リンの危機にランイが飛び出してきたなら、彼女が救う筋書きにすればいいのに、ランイが出て来た意味さえなくなってる…。
最後のほうで工事現場が出て来ましたが、その中にチャン氏の姿があればなぁと、何となくぼんやりしてしまいました。
あー 疲れた。本当に肩の凝る回でした。
「大君ためなら命など惜しくない」「今は副護軍を連れ戻すべき」というサンホン兄の男気に萌えたのが、今回の収穫でした。
次も頑張りヤス^^;
#最後に予告みたら「大逆罪人の月光大君を斬れ!!!」で終わってる(涙)マダヤッテルノカ
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