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夜警日誌あらすじ&日本語訳12話vol.2

   

チョン・イル、チョン・ユンホ(東方神起ユノ/ユンホ)出演、「夜警日誌」12話の後半です。
あらすじの中で表情や心の動きも拾いながら、台詞も詳細に翻訳していきますね。

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「サダム。あの男が疱瘡神を呼び入れたんです」宿に戻ったサンホンは、トハの言葉に目を閉じ、眉間に皺を寄せた。

リン「どうなさったのですか?」

「サダム…」サンホンは記憶を呼び起こすように、その名を呟く。

サンホン「あの男は怨霊を必要とする人間です。大君によって手に入れ損ねた怨霊が惜しかったのでしょう」
リン「…。」
サンホン「つまり、疱瘡神を呼んだのも民を怨霊にするためです」
リン「サダムを止めなければ」
サンホン「…。」

「教えてください」リンはサンホンを真っ直ぐに見つめた。

リン「鬼神を阻む方法を」
サンホン「!」
リン「夜警術について教えてほしいのです」
サンホン「…。」
トハ「夜警術?」
リン「夜警隊長、あなたはこれ以上表に出ないでください。私が… 私がやります」

「私たちがやります」トハもリンに同調する。

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サンホン「夜警兵器は訓練もせずに使うと危険です。道力(術を使う力)と武力のない者は、自分でも気づかぬうちに魂を兵器に奪われるのです。だから、そんなことは考えないでください」
トハ「大君と私は鬼神が見えるから、武器を使えるはずです」

「二人だけでは、疱瘡神に立ち向かうことは出来ません」そう言って、サンホンは視線を逸らす。「…。」

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サンホンの部屋の前に座り込み、サゴンは聞き耳を立てていた。
そこへ階段を上がってきたのはオンメだ。

彼はオンメの姿に気づくと、静かにするようにと人差し指を口に当て、手で彼女を制した。

サゴン「オンメ」
オンメ「何です?」
サゴン「その… もう一度よく考えてみろよ」
オンメ「?」
サゴン「兄貴よりは俺のほうがマシじゃないかな」

「どこが?」オンメが呆れて笑う。

サゴン「…。」
オンメ「どこがマシなんです?」
サゴン「俺は… 俺は… 長い間一緒にいてやれるから…」

「…。」オンメは思わず俯いた。

サゴン「何で黙ってるんだよ?」
オンメ「私もそれは不安だけど、それでも私には旦那さんしかいません。たとえあと一日だとしても」

オンメは運んできた煎薬の膳をサゴンに手渡し、階段を下りていった。

#「このシーンいるの?」ってことは韓ドラによくあるけど、いらないどころか、そのシーンが挟まったせいでテンションがた落ちになることもあるよね…。

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宮廷では疱瘡の拡大を抑えるため、王により祭祀が行われていた。

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王の後ろでそれを見守っていたリンは、隣にいるムソクの横顔にそっと視線を送る。
リンが視線を戻すと、今度はムソクも同じようにリンの横顔を見た。

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祭祀を終えたキサン君は、右相ミン・ジョンソと共に大殿へと戻ってくる。

キサン君「話とは?」
右相「民に回すための痘瘡治療薬がないそうです」
キサン君「!」
右相「そのため、民から不満の声があがっておりまして。梅蘭房でもすでに薬剤を全て処分しており、石薬も甘草も一つもないと言うのです」
キサン君「何と!薬を買って行ったのは誰なのだ?その者に早く薬を提供させよ。どんなに高くとも、欲しいだけ払うと言うのだ!」
右相「それが… 分からないらしいのです」
キサン君「!」
右相「情報を集めても、名が挙がらないのです」

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「薬を手に入れなければ!」キサン君はまたしてもパニックに陥り、立ち上がった。

キサン君「そうせねば民は私を… 民が宮廷に押し寄せるぞ」

「サダム!」キサン君は不意に思いつき、その名を口にする。

キサン君「サダムがいれば!」
右相「…。」
キサン君「駄目だ。サダムに頼ってはいけない。サダムに頼っては駄目だ」
右相「殿下!」

キサン君は俄に震え、両手で体を抱えた。「なぜこんなに寒いのだ?」

右相「殿下、具合でもお悪いのですか?」
キサン君「!… 病に掛かったのだ!御祖母媽媽にお会いして、病が伝染ったのだ!」
右相「…。」
キサン君「全て御祖母媽媽のせいだ!御祖母媽媽を追い出せ、早く!!!」
右相「殿下、落ち着いてください!」
キサン君「…。」
右相「殿下の責任を問う声は、さほど多くありません」
キサン君「?」
右相「民の間では、疱瘡神を呼んだのが月光大君だという噂が回っています。この機会に、全て月光大君の責任だと追い込むべきです。そうすれば殿下は助かるはず」
キサン君「!」
右相「月光大君は疱瘡神を呼び入れ、薬を買い占めて、民を危険に陥れたと、そう追い込むのです」
キサン君「…。」

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「御祖母媽媽が石光寺へ向かわれたと?」内官からの知らせに、リンは愕然とした。

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大妃が宮廷を出たことは、キサン君ににも伝えられる。

キサン君「御祖母媽媽は出発なさったのか?」
内官「はい、殿下。石光寺へ療養に出られました」
キサン君「あぁ、いいぞ。今すぐ大妃殿へ行って、御祖母媽媽が使っていた服や布団を焼き払うのだ!早く!」

「大丈夫だ。大丈夫だ」内官が下がると、キサン君は譫言のようにそう繰り返した。

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門を出た大妃の行列は、街の中を進んでいた。
町の人々が足を止め、道端へ退いて行列を見送る。

そっと駕籠の扉を開けてみた大妃が見たのは、民の突き刺さるような視線だ。
彼らはジロジロと大妃の駕籠を見ては、口々に噂しあう。

大妃「一体なんということ…」

そこへ後ろからやって来たリンが行列に割って入った。「止まるのだ!」
護衛官や女官たちが一斉に道を空け、頭を下げる。

大妃「何事なの?」
イ尚宮「月光大君でいらっしゃいます」
大妃「月光が…!止まらないで進みなさい。早く!」

大妃の声が、駕籠の横までやって来たリンの耳に届いた。

リン「御祖母媽媽」
大妃「ここへ何の用なの?大君」
リン「なぜこのようにお発ちになるのですか?弱ったお体で」
大妃「…。」

リンは駕籠の扉をそっと開く。
大妃は思わずその顔をそむけた。

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大妃「痘瘡に風は良くないわ。早く扉を閉めなさい」
リン「御祖母媽媽がそのようにおっしゃれば、以前なら寂しくなって扉を閉めたことでしょう」
大妃「…。」
リン「ですが、今はよく分かります。私に痘瘡が伝染るのではないか…そう心配して仰っているのだと…」

切々と訴えるリンを、大妃は振り返って見つめると、再び静かに目をそらす。

大妃「無駄話をしている時間はないわ」

リンの目から涙が流れ落ちた。

リン「私の家へご案内します。桃花堂にお泊りください」
大妃「…。イ尚宮、何をしておる?早く石光寺へ向かいなさい」
リン「!」

祖母を純粋に想うリンの気持ちに、大妃は心を鬼にして背を向けた。

大妃「…。」

駕籠の扉が閉じられ、行列は何事もなかったように再び進む始める。
小さくなっていく駕籠を、リンは茫然と見送った。

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ざわつく心は、ムソクを剣の修練へと向かわせる。
彼は庭の的を相手に、無心で木刀を振るった。

ふと人の気配に振り返ると、リンがやって来るのが見える。

ムソク「どうなさったのですか?」
リン「君の妹のような人がこれ以上増えぬように、決断したのだ」
ムソク「?!」
リン「だから、左道だと蔑んだりせず、私と共にしてくれ」
ムソク「左道で一体何が出来るのですか!それで痘瘡が消えるとでも?」
リン「…。」
ムソク「大君もいい加減目を覚ましてください」

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ムソクは冷たく言い捨て、リンの前を去ろうとする。

リン「それなら君はどうするつもりだ?」
ムソク「?!」
リン「今、この状況でどうやって人々を救い、痘瘡を阻止するつもりなのだ?」
ムソク「…。」
リン「たとえ左道でも、目に見えなくとも、やってみなければ分からないだろう!」
ムソク「…。」

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黙ったままリンを睨むと、ムソクはそれでも彼に背を向けた。

リン「…。」

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さらに殺気立った人々が、リンの屋敷の前に集まっていた。
「何でこんなに集まってるの?」「何か事故でも起きたらどうしましょう」3人衆は為す術もなく、集まった人々を前に途方に暮れる。

「早く大君に知らせなければ」そう言った矢先に、当のリンが屋敷へ戻ってきた。

ランイ「ここへ来ちゃ駄目だよ!」
リン「?」
ランイ「ここに来ちゃ危ないってば!」

ランイの叫びも虚しく、民衆はリンを見つけ、彼に詰め寄った。

リン「何事だ?」
民「疱瘡神を呼んだのはあんたなんだってな!」
民「そうよ、私たちみんな疱瘡神の生贄にするつもりなんでしょう?」
民「それで、薬も買い占めたらしいな!」
民「すっかり噂になってるんですよ!疱瘡神を呼んだのは月光大君だってね!」

民衆が一斉に罵声を浴びせ、ジリジリとリンを追い込む。

リン「…。」

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チャン氏はオンメが言ったとおり赤い字でまじないを書き、思い切ってその紙を口へ放り込んだ。
やはり不安で仕方なかったのだ。

チョヒ「おじさん!全部迷信だって言ったくせに!」
チャン氏「これを飲み込んだら、キムさんだけ痘瘡に掛からなかったそうじゃないか」
チョヒ「…。」
チャン氏「君も飲み込むかい?」
チョヒ「私も!」

そこへ入ってきたリンは、慌てた様子で入り口の外を窺った。

オンメ「どうなさったんですか?」

「…。」リンは階段を下りてきたトハを悲しげに見上げる。

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自分の部屋の中へ入ってくると、トハは横になっているリンを見つめた。
辛い夢でも見ているのか、彼は眉間にしわを寄せ、ときどき苦しそうに小さな声を上げた。

思わず伸ばしたトハの手が、リンの顔のそばでしばし躊躇う。
トハは手を引っ込めると、胸の上で上品に組んだ彼の手に、そっと重ねた。

トハ「…。」

リンは目を閉じたまま、片方の手をトハの手の上に重ね直す。

トハ「!」

慌てて手を引き抜こうとすると、リンは彼女のその手をしっかりと握り、引き止めた。

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静かに目を開け、トハを見上げる。

リン「トハ…」
トハ「…。」
リン「温かくて… いいな」

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二人は、穏やかに見つめ合った。
家にも帰ることが出来ず、行き場を失って逃げてきたリンの冷えた心は、こうして彼女のぬくもりで癒やされていった。

#君らすっかりラブラブやな

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領相パク・スジョンの書斎で、サダムは領相と向き合っていた。

サダム「薬を解放すべき時が来ました。梅蘭房から受け取った薬剤を解放なさいませ」

「…。」努めて涼しい顔で書物の頁をめくる領相の手に、思わず力が入る。
彼は静かに書物を閉じた。

領相「私に何を望む?都で一番高価な薬剤を私に流した目的は何だ?」
サダム「領相が仕える人は殿下ではない…。ただ、そう申し上げておきましょう」
領相「こやつめ!恐れ多くも殿下を蔑ろにするのか!」
サダム「そうではございません。事実のままを申し上げたのです」
領相「…。」
サダム「そして、今領相が胸の奥深くに抱いている、その大きな志」
領相「!」
サダム「ただそれに従おうとしているだけなのです」
領相「私の抱いている志が、なぜお前に分かる?」

サダムがにやりと笑う。

サダム「その大きな志が私に推し量れるはずもございません。ただ大業に加わりたい、それだけでございます」
領相「私をどう助けるつもりだ?」
サダム「疱瘡神を呼び入れ、都を混乱に陥れたのは、月光大君です」
領相「…。」
サダム「そして、その疱瘡神を追い払い、民を助けるのが、まさに領相大監なのです」
領相「!」

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自室でいつものように書物をめくりながらも、今夜のムソクはたびたびその手を止めた。

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「それなら君はどうするつもりだ?」
「どうやって人々を救い、痘瘡を阻止するのだ?」
「いくら左道でも、目に見えなくとも、やってみなければ分からないではないか!」

リンの言葉が頭の中に渦巻いたまま、一向に消えなかったのだ。

「…。」ムソクは書物を閉じた。

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夜道を歩いてきたムソクは、領相の家から出てきた人影に、咄嗟に身を隠した。
サダムだ!

サダムは門の前で笠をかぶり、ゆっくりと帰っていく。
なぜここに?ムソクは疑惑の目でその背中を見つめた。

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領相は書物に手を掛けたまま、じっと思案にくれていた。

「叔父上」外でムソクの声が聞こえると、彼は我に返ったように顔を上げる。

領相「入りなさい」

ムソクは一礼すると、叔父の正面に腰を下ろした。

領相「話があるのか?」
ムソク「私が叔父上と唯一似ているところは、左道に依存しないところでした」
領相「…。」
ムソク「それなのに、今や左道にまで頼るおつもりですか?」
領相「何のことだ?自分がどれほど恩知らずなことを言ったか、分かっておるのか?」

「…。」二人の視線の間で激しい緊張が走る。

ムソク「私を支援してくださった理由は分かっています」
領相「…。」
ムソク「叔父上の野望のため、犠牲となるべき生贄でしょう。しかし、生贄として消えるようなことは決してありません」
領相「!」
ムソク「それから、殿下を脅かすようなことがあれば、私もまた黙ってはいないつもりです」

「大胆にも私に警告するのか?」領相はムソクをじっと見据えたまま、声を一層低くした。

ムソク「そう聞こえたなら、その通りなのでしょう」

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「それでは」ムソクは立ち上がると、叔父の部屋を後にする。

領相「天地の分別も分からぬ奴が… これまで面倒を見てやったのに、何だと!」

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叔父の家へ向かった時と同じように、ムソクはまだぼんやりと夜道を歩いていた。

彼が思い返していたのは、親を弔ったあの日のことだ。

「これからは私を父親だと思いなさい」領相は、幼い自分と妹を前に、そう言った。

領相「お前の望むことには、私が全て力になってやろう」

「ありがとうございます」ムソクは端正に頭を下げ、叔父を見上げた。
その手は怯える妹の手を固く握ったまま…。

「子どもの面倒を見るとは、どうなさるお考えなのですか?」そう尋ねた男を、領相は「口を慎め」とたしなめる。

領相「真っ直ぐな気質を持った子だ。上手く育てておけば、後でしっかり我が盾の役目を果たすだろう」

彼らの後ろで、幼いムソクは静かにその話を聞いていたのだった。

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#こりゃまた抜群の子役さんを探してきましたねぇ

ムソク「…。」

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「何と?薬を持っている?!」目を丸くするキサン君の前に座ったいたのは、領相パク・スジョンだった。

領相「殿下のお赦しがあれば提供し、そうでなければ全て燃やす所存です」
キサン君「どういう魂胆だ?」
領相「魂胆など!ただ私の真心を分かっていただきたい。私はいつだって殿下のために働く忠臣なのです」

「分かった。領相の思うようにせよ」キサン君は視線を逸らす。

キサン君「…。」

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恵民署ではさっそく苦しむ患者たちに薬が配られていた。

医員「領相大監がくださった薬だ」

一方、義禁府では、憔悴したスリョンが門を出てきた。
父が提供した薬のお陰で、放免されたのだ。

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久しぶりに外の世界を眺める彼女の目に、喜びは窺えない。
リンに裏切られたという衝撃と、ここで受けた耐え難い屈辱は、彼女をどう変えてしまったのか…。

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サンホンが地下室へやって来ると、そこにはチャン氏がいた。
チャン氏はここに保管している装備品を大切そうに眺めていたのだ。

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サンホン「ここにいらしたのですか」
チャン氏「死にかけた君が蘇った後、一番最初にやったことは、秘蔵庫の工事現場に潜り込むことだった。これらをそこから持ち出すためにね。」
サンホン「…。」
チャン氏「何でそう大切に持ち出すのか?金にもならぬ物を… そう思っていた。だけど、これらのお陰で… 君のお陰で、無念を晴らすことができたんだ」
サンホン「…。」

チャン氏は振り返り、手に持った杖を見つめる。

チャン氏「私はね、これらがいつか役に立つ日が来ると、そう信じるよ」
サンホン「…。」

「おじさん!」そこへ入って来たのはトハだ。
リンも一緒だった。

リン「領相が薬を提供したそうです。梅蘭房の薬を。どうも領相はサダムと手を組んだのではないでしょうか」
サンホン「!」

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「サダム… サダム… サダムがいなければ…」キサン君はちっとも落ち着かずに、サダムの名前を繰り返した。

キサン君「サダムを探せ!都じゅうを…いや、朝鮮じゅうをくまなく探しまわってでも、絶対に見つけるのだ!」

そこへ、誰かが訪ねてくる。「殿下、臣パク・スジョンが入ります」

キサン君「!」

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向き合って座ると、キサン君は努めて平静を装った。

キサン君「領相、余がサダムの話を持ち出したのを、誤解しないでいただきたい。特に意味はないのだ」
領相「殿下の思うようになさいませ。殿下がそれほど大事になさっている臣下ではありませんか。しかも、殿下のためなら何事も厭わぬほどの者です。そのような忠臣はおそばに置かなくては」
キサン君「…領相?」
領相「そんな忠誠心を持つ者を、一度は誤解で追い出すまでになってしまったのですから」
キサン君「…そうだ。私もそれが気に掛かってな」
領相「この機会に品階も上げて、寂しい思いをお慰めください。昭格署の提調はいかがでしょう?」
キサン君「昭格署提調?!本当にそうしてもいいのか?」
領相「殿下は我が国朝鮮の国王なのです」
キサン君「…如何にも。余は国王だ」

キサン君は俄に体を起こし、肘置きをポンと打つ。

キサン君「サダムを昭格署の提調にするのも、国王である余の思うように出来る!」

領相はが微笑む。

キサン君「そうだ!そうだった!」

礼を言うキサン君に、領相は静かに頭を下げた。

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かくしてサダムは堂々と宮廷に戻ってきた。
昭格署へやって来たリンは、文官に止められる。

文官「もう提調の職を辞されると聞きましたが」
リン「私が… 昭格署提調の職を下りると?!」

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嬉しい知らせに、キサン君は子どものように喜びを隠せずにいた。

キサン君「サダムが宮廷入りしたのか!早く!早くここへ来るように言うのだ。余が待っているとな。早く!」

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サダムは久しぶりに祠堂の扉を開けた。
変わりのない部屋の中を眺めると、脇の棚に目を移す。

そこには、怨霊が詰まった瓢箪が、そのまま残されていた。

サダムは大きな中央の香炉を開けると、香を足した。
そこへ、「殿下が呼んでいる」と知らせが入る。

サダム「承知したと伝えよ」
文官「今すぐいらっしゃるようにとのご命令でして」

「じきに参る」サダムは背を向けたまま、文官に厳しく言い放つ。

文官「…。」

サダムは人知れずほくそ笑む。
もっと待ち焦がれるまで、ゆっくり焦らしておけばいい…。

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祠堂へやって来たリンは、入るなり脇の棚を見た。

リン「!」

もぬけの殻になっているではないか。
彼はすぐに人を呼ぶ。

リン「ここにあった瓢箪は?」
文官「瓢箪ですか?」
リン「箱に入っていた瓢箪のことだ!」
文官「あぁ、蔵書閣へ運ぶようにとの仰せでして」
リン「誰が蔵書閣へ運べと?」
文官「新しい昭格署提調大監です」
リン「…昭格署提調大監?!」

#元の階級は知りませんけど、昭格署の提調は領相たち正一品に次ぐ従一品という高位。
ホントなんでしょうかねぇ。

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領相とサダムは蔵書閣の前にいた。

領相「なぜ蔵書閣が欲しいのだ?」
サダム「もうじきここで潜竜が目覚め、昇天することになります。準備をしなければ」
領相「潜竜と?潜竜とは月光大君のことを言っているのか?」
サダム「潜竜が月光のみとは限りません」

よく分からぬまま聞き流した領相は、蔵書閣を見上げる。
その背中に、サダムは密かに手のひらをかざした。
白い気が出ると、領相の首もとに忍び入る。

領相「?」

そこへ姿を見せたのはリンだ。
先ほどの”妙な気”に違和感を感じてサダムを振り返った領相は、その肩越しにリンがこちらを見ているのに気づいた。

領相「?!」

領相の視線に、サダムも振り返る。
「…。」言い知れぬ緊迫感が場を包んだ。

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ここでエンディングです。

キサン君はまた何で急に「サダム、サダム」と言い出したんでしょうねぇ。
ストーリーを造るのは人の感情と行動であり、それが切れ切れでうまく繋がっていないと、見ていてモヤモヤするし、テンションが上がりませんです。

リンやムソク、サンホンは特にブレがなく、筋が通っているのが救い。(結局スリョンを放ったらかしだったこと以外…ね)
特に、これまで少~しずつ小出しに人物像を描いてきたムソクは、後半に向けて一気に確変させてはいかがでしょう♪

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