韓国ドラマから美しい言葉を学ぼう

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夜警日誌あらすじ&日本語訳5話vol.2

   

チョン・ユンホ(東方神起ユノ/ユンホ)、チョン・イル主演、「夜警日誌」5話の後半です。 あらすじの中で表情や心の動きも拾いながら、詳細に翻訳していきますね。

さっそくどうぞ♪

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書物を目で追うも、スリョンはひとつも集中出来ず、浮かない表情で顔をあげる。
彼女の前で、リンは座ったまま居眠りをしていた。

「何をなさるんですか?!」男の叫び声に、リンはふと目をさます。
ひどく怯えたようなその声は、頭痛に悩む患者のものだった。

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患者は庭にいた。
サダムに詰め寄られ、腰を抜かしたまま、地面を後退りしていたのだ。

患者「何ですか?どうしたのです?!」

患者がこれ以上後ずさり出来なくなると、ムソクは手に持った刀でサダムの行く手を阻んだ。

104

サダム「…。」

「何をしておるのだ!」外へ出てきたリンは大声で場を制すと、ひれ伏す患者の前へとやってきた。

リン「患者に対して何の真似だ?」
サダム「大君媽媽、この者をお調べくださいませ」
リン「調べると?」
サダム「この者は…」
リン「早う申せ!」
サダム「殺人を犯しております」
リン「!」

周りを取り囲んだ志願者たちが、一斉に騒ぎ出す。

サダム「(患者に)早く白状するのだ」
患者「な、何を白状しろとおっしゃるのですか!わ、私はただの病人です!大君媽媽、お助けください!どうぞお助けくださいませ!」

患者は顔が地につくほど、深くひれ伏すと、リンが静かに口を開いた。

リン「此の度の課題を出したのは、王の御心が民にあることを知らせたかったためだ」

「しかし」リンは厳しい目をサダムに向ける。

105

リン「なぜ騒ぎを起こし、殿下を煩わせる?」
トハ「患者は嘘をついているのです!」
リン「?」

患者がドキリとして顔をあげる。

トハ「この者の病は、殺人に因るものです」
リン「患者を治療せよと言ったのだ。根も葉もない濡れ衣を着せよと言ったのではないぞ!」
トハ「!」
リン「故に、お前たちは不合格だ」
トハ「そんなのってないわ!見たのよ!緑のチョゴリに藍色のチマの女の人!私、見たんだから!」

リンの合図で、彼女の前に立ちはだかったムソクは「外へ出るように」とトハに目で促す。

リンがうんざりして視線を逸らしたそのとき…

緑のチョゴリに藍色のチマを着た尚宮の霊が、リンの目の前を通り過ぎた。
トハも霊に気づき、目を丸くする。

リン「止まれ!」

尚宮はリンの声に立ち止まると、感慨深い目で彼を振り返った。
幼いリンを一番近くで見守っていた、キム尚宮だ。
宮廷を去るときも、誰よりも別れを悲しんだのは彼女だった。

リン「!!!」

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リンは志願者や患者、官吏たちを連れて森へやって来ると、地面を掘らせていた。

しばらく掘り進めると、そこに硬い棺らしきものが現れる。
ムソクが腰をかがめ、刀の先でコンコンと叩いてみる。
蓋を開けると、むせ返るような臭いと共に、白骨死体が現れた。

サダム「骨をよくお調べください」

106
ムソク「オオスズメバチの毒でしょう。昔から暗殺によく使う方法の一つです」
リン「この墓の主は誰だ?」

サダムが顔をあげると、正面にキム尚宮の霊が現れる。
リンにトハ、3人の視線がキム尚宮に集まった。
「キム尚宮?」リンは驚き、思わず声を漏らす。

サダム「女人にございます」
リン「ただの女人ではなかろう」
サダム「?!」

サダムがリンに近づいた。「どういう意味でございましょう?」

リン「… 女人にもいくつか種類があろう。例えば… 老女、既婚女、見た目であるとか…」
サダム「一般の夫人でございます」

リンはゆっくりとサダムを振り返る。「まことか?」

サダム「さようにございます」

「お前もそう見えるか?」リンの問いにトハも振り返った。「はい。夫人に間違いありません」
「もうおやめください」リンの後ろで、ムソクが静かに声を掛ける。

ムソク「大勢が見ています。大君が鬼神を云々なさるのは相応しくありません」

武官が両脇を抱えられ、患者は一層うろたえた。

患者「お助けください!私は言われたとおりにしただけです!」
リン「待て」
患者「この女を殺せば、大金をやると言われて、そうしただけなのです」
リン「誰だ?誰が言ったのだ?」
患者「そ、その御方は…」
リン「誰だ!」
患者「この国の… し、し…」

その瞬間、サダムが厳しい視線をキム尚宮の霊に向ける。
キム尚宮の目が赤く光ると、彼女は今にも白状しようとしていた患者のこめかみを針でさした。

患者「あっ!」

男は突然崩れるように座り込んだ。

リン「おい!」
患者「…。」
リン「誰だ?誰が殺らせた?誰だと訊いておろう!」
患者「この国の… し、し…」

男はそれっきりガクンと倒れ、息絶えた。
サダムが男に最後まで言わせぬよう、キム尚宮の霊を操ったのだ。

#「この国の」がついているところから見ても、「この国の主上(王)」と言おうとしたのか?と匂わせているのだと思います。ただ、主上だと주(チュ)…ですが、男はどうも지(チ)と言っているようで、どうもすっきりしません。

呆然と立ち上がると、リンは厳しい目でサダムを振り返る。
サダムは無言で静かに頭を下げた。

#この一連のシーン、リンにはどこまで見えていたのでしょう。
キム尚宮が男を刺すのは、見えていなかったように思えますし、サダムが「一般の夫人」と言ったのも、リンが見た実際とは食い違っています。いろいろと謎が残るシーンですね。

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闇の中。

サダムは龍神の気を捉えようと、神経を集中させていた。
うまく掴めず、彼は目を開ける。

サダム「あの娘が龍神を見つけ出すことでしょう。もう少しお待ちください」

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宿の女将は心配そうに2階の様子を伺っていた。
そこへ気配もなく現れたサゴンに、女将は飛び上がるほど驚く。

サゴン「どうしたんだ?」
女将「トハがね、試験に落ちて部屋に閉じこもってるのよ」
サゴン「まぁ、今は悔しいだろうが、昭格署のようなところに足を踏み入れなくて良かった、そう思うことだな」
女将「それ、どういう意味なんです?」
サゴン「いや、まぁ、ただそういうことだよ。人生ってのはね、何一つ思い通りにはいかないもんだ」

そう言いながらやたらと近づいてくるサゴンに、女将は眉をひそめる。

女将「この旦那、頭おかしいの?何でこんなにくっつくわけ?」

「ご免ください」そこへ男の声がする。
眼光の鋭い武人が入り口に立っていた。
姿は変わっているが、サダムの手下だ。

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トハは部屋に閉じこもったまま、思いつめた様子で膝を抱えていた。

ムソク「公正であるべき試験において、大君は公平性を欠かれたのです」
リン「私の勝手であろう!」

リンがムソクに声を荒らげたところへ、トハが追いすがった。

トハ「鬼神が見えるのを証明したんだから、合格にしてくれないとおかしいでしょ?どうして私だけ落ちたの?ねぇ」
リン「まだ分からぬか。これだからお前は落ちたんだ」
トハ「え?」
リン「身分も分からずに、礼儀など目を皿のようにして探しても見当たらない。官位の違いも分からぬお前を、どうして王室と国の安寧を祈る仕事に就かせられる?」
トハ「勉強するよ。一生懸命覚えればいいでしょ?機会を奪わないで、あんたが教えてよ」
リン「学んだからといって良くなるものか?字も読めないのに、何年掛かって教えろと?」

「切干大根のヤツ!このままじゃ済まないわよ」トハはあまりの悔しさに立ち上がり、部屋を出た。
そこへ階段を上がってきたのが… サダムの手下だった。

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しばらくして、トハはサダムの手下に導かれるまま、夜道を歩いていた。

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そこは生い茂った草に覆われていた。
誰の気配もない。
リンは丸い門に垂れ下がった草をそっと掻き分けると、慎重に中へ入った。

あの日以来、大君殿は時が止まったままだった。
庭を進むにつれ、優しい母と無邪気に遊ぶ自分の姿が思い浮かぶ。

108

リン「…。」

どうにもやり切れず、リンは涙を飲み込んだ。

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キサン君の寝室にサダムがやってきた。

キサン君「試験に合格したのだから、余のそばにいる理由も出来たであろう。今後は余の治療に専念せよ」

「聖恩の限りにございます」サダムは丁寧に頭を下げると、部屋の中へと視線を動かした。「ところで…」

サダム「奇妙なことがありました」
キサン君「?」

サダムはキサン君のそばへ近づくと、誰もいないのを確かめ、耳打ちする。

キサン君「何と?!宮人であったと?」
サダム「はい、殿下。何か事情があるようでしたので、私が処理しました。ご心配なく」
キサン君「…。」
サダム「ですが、月光大君はそれをご覧になったようです」
キサン君「!… いや、そんなはずはない。鬼神は見えぬ、そう言ったのだ」

「そんなはずはない」キサン君は呆然と繰り返した。

サダム「間違いなくご覧になっています」
キサン君「!」
サダム「月光大君が王の資質を持っているのかどうか、確認なさいますか?」
キサン君「…。」

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大君殿の庭に蝋燭を灯し、リンは一人で祭祀を行っていた。
目を閉じると、妙な気を感じ、彼はすぐに目を開ける。

リン「キム尚宮…。キム尚宮、そこにいるのか?」

109

そこへ駆け込んできたのはキサン君だ。

キサン君「お前は余に嘘をついたのか!!!」

おそらく大君殿の外に控えていたのであろうムソクも、王と共に中へ入ってくる。

リン「殿下!」
キサン君「鬼神が見えるのに、余に嘘を言ったのか!!!」

キサン君はムソクの腰の刀を抜くと、リンに突きつけた。

リン「!!!」
ムソク「!!!」

そこへ、妙に落ち着いた声が聞こえてくる。「殿下、亥の月、亥の日、亥の刻の巫女にございます」

入ってきたサダムは、後ろにトハを連れていた。

サダム「亥の月、亥の日、亥の刻、この巫女が殿下を癒やすことでしょう」
リン「!」

「殿下のおそばを取り巻く邪気を、その巫女に被せます」書庫の奥で密かに耳にしたサダムの言葉が、リンの頭のなかで蘇る。
その巫女がトハだと言うのか?!

「殿下!」リンは跪いた。

リン「ここは母との思い出が宿る場所です。ただ母を恋しく思っただけなのです。それでキム尚宮が思い浮かび… ただそれだけなのです。信じてくださいませ、殿下」
キサン君「その程度の嘘で余を騙すつもりか?余がお前の嘘にのせられるほど愚かに見えるのか!!!」

逆上して振りかざしたキサン君の剣を、ムソクがその前に立ちはだかり、鞘で弾いた。

キサン君「退け!」
ムソク「…。」
キサン君「大胆にも余の剣を阻み、大君を守るのか?それならお前も斬ってやる!」

再びキサン君が大きく剣を振り下ろすと、またしてもムソクは鞘で受け止めた。

ムソク「殿下のために阻んでいるのです」
キサン君「何だと?」
ムソク「殿下は聖君になられる御方。そのような殿下の治世に、大君の血で汚点を残すわけにはいきません」
キサン君「…。」
ムソク「どうか刀をお納めください、殿下」
キサン君「…。」

「お気を鎮めてくださいませ」後ろからサダムが声を掛ける。

キサン君はようやく退き、手に持った剣を放り出した。

リン「…。」

110

#イル君はね、特に泣いているわけじゃなくても、感情がこもるとすぐ目の淵が赤くなるのよ。
私はそれがとっても好き。

リンはようやく胸をなでおろし、ホッと息をついた。

キサン君「今すぐ、今すぐ月光を離宮に幽閉せよ」
リン「!…殿下!」
キサン君「何をしている!早く命令を受けるのだ!」

「…。」ムソクは仕方なく、リンの腕に手を掛けて立たせ、王の前を離れた。

リンのいなくなった大君殿の庭で、まだ興奮をおさえられずにいるキサン君を、サダムは後ろで見つめる。

112

 #カラフルなマゴ族の衣装はとっても可愛くて好きなんだけど、
着替えちゃうとどこかのアイドルみたいになっちゃうね…。

よく分からずに連れて来られたトハは、不安に駆られ、王とサダムを見比べた。

#リンに霊が見えるのかどうか確かめろとけしかけたのはサダムですが、なぜトハを連れて呑気に途中登場したのか、これまたよく分かりません。

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離宮へ連れて来られたリンは、まだ律儀に彼の腕を掴んでいるムソクに苦笑いを浮かべた。

リン「もう離してくれよ。男の手に掴まれるのは、あまり愉快じゃないな」

ムソクはようやく手を離した。

ムソク「当分の間、ここで過ごすことになるでしょう」
リン「いや、すぐ出ることになろう」
ムソク「なぜ言い切れるのです?」
リン「理由がないではないか、理由が。殿下の怒りが鎮まれば、解放してくださるはずだ」

リンは腰を下ろし、大きな扇子をバサッと広げると、呑気な様子で部屋を見渡す。

リン「久しぶりに家の外で過ごすのも新鮮だし、悪くはない」
ムソク「…。」

ふっと息をついたリンは、怖い顔で見つめているムソクに笑い掛けた。「そろそろ寝よう」

リン「もう出て行ってくれ」

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ムソクが部屋を出て扉が閉まると、その瞬間リンの表情が変わった。

リン「…。」

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彼は悲しみさえも心の底深くに隠し、生きていなければならないのだ…。

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サダムは前をぼんやり歩くトハの後ろ姿をじっと見ているうちに、少しずつその顔を輝かせた。

サダム「龍神よ、亥の月、亥の日、亥の刻の巫女、まさにマゴの巫女にございます。お目覚めください」

そのとき、龍が呻くような声がどこからか聞こえ、サダムはハッと顔を上げた。

サダム「はい、間違いありませんか?私が連れて行きます。少しだけお待ちくださいませ」

サダムはそっとトハの背後に近づくと、携帯していた小さな香炉の蓋をあける。
煙が上がった。

#煙、自分の方にばっかり向かってますけど?サダムさん

「おい!」誰かが呼ぶ声に、サダムとトハは揃って声の方を振り返った。
サダムがさっと香炉を隠すと同時に、内官がやって来る。

内官「殿下がお呼びだ。巫女は帰らせて、すぐついて来られよ」
サダム「…。はい、承知いたしました」

サダムはトハを残し、内官について歩き出す。

トハ「私は…どうなるんですか?昭格署は?」
サダム「改めて連絡しよう」

「はい!」トハは嬉しそうに頷いた。

#ちゃんと丁寧な言葉づかい出来るんだよね、トハちゃんよ。

トハ「必ず!必ず連絡くださいね!待ってますから、きっとですよ!」

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「月光に鬼神が見えるとは!」キサン君はリンの持つ特殊な能力に焦りを募らせていた。
ただでさえ不安なのに、リンがそれを自分に隠していたことは衝撃だった。

キサン君「余に嘘をついたのだ」

「鬼神の見える者は王になるってな」彼の背後で、あざ笑うような声が飛んだ。

キサン君はゆっくりと声の方を振り返る。
彼を悩ませている、あのもう一人の自分だ。

偽キサン君「やはり月光が嫡流だったってことだ。鬼神まで見るんだから」
キサン君「…。」
偽キサン君「宮廷の外に王がもう一人いるとは、一体どうしたものか?」
キサン君「黙れ」
偽キサン君「殺せよ」
キサン君「!」
偽キサン君「殺すんだ。今がいい機会だ。前から殺したかったろ」
キサン君「お前の言葉などに惑わされるものか。余が血縁をも殺す暴君に見えるというのか!!!」

「殿下、お気を鎮めてくださいませ」不意に聞こえてきたサダムの声に、キサン君は我に返った。

周りを振り返ると、サダム以外に、そこには誰も居ない。
キサン君はおおいに狼狽え、寝処へ倒れこんだ。

キサン君「あいつらが攻撃しようとしているのだ!月光大君を解放しろ、嫡流の大君を解放しろ、そう言って余を攻撃するに違いない」
サダム「…。」
キサン君「心の狭い王が弟の首をはねようとしていると、民はどれほど噂するであろうか」

サダムは静かにキサン君に近づく。

サダム「防御すれば宜しいのです」
キサン君「理由がないではないか!」
サダム「理由など、作ってしまえばいいでしょう」
キサン君「…。」

サダムはやわらかな煙を発する香炉を、キサン君の前に差し出した。
途端にキサン君の目が微睡む。

サダム「大君は殿下を呪ったのです」
キサン君「…。」
サダム「「私には見えます。邪悪な気が大殿を包み、殿下を包んでいるのが」
キサン君「…。」
サダム「これは全て、月光大君の仕業なのです」

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さっそくサダムが動く。
彼の手下は、夜更けのうちに宮廷内を周り、お札付きの蛇や藁人形など、あちらこちらに呪いの品を隠した。

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翌日、大王大妃にお付の尚宮が囁いた。

大妃「何と?月光が殿下を呪っていると?そんなはずはない。そんなはずは!」

「大殿へ出向こう」大妃は立ち上がった。

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怖い顔で大殿の前へやって来た大妃を、内官が困った様子で出迎えた。「大妃媽媽、お待ちを!」

大妃「開けなさい」

有無を言わさず、大妃は中へ乗り込む。

大妃「主上!月光を離宮に幽閉したと…」

突然、寝処へやって来た大妃に驚き、キサン君に添い寝をしていた下着姿の女が二人、慌ててひれ伏す。
「…。」王の醜態と、周囲に脱ぎ散らかした衣服。大妃は絶句した。「主上!」

キサン君「御祖母媽媽、何のご用です?」
大妃「これは一体なんの真似ですか!」
キサン君「ご覧になればお分かりでしょう?巫女たちですよ」

キサン君は自暴自棄な目で大妃を見上げると、フラフラと立ち上がった。

キサン君「御祖母媽媽が大事になさっている月光が、私を呪っているのです。この体を呪いの気が回っているのですよ。その気を始末せねばならないでしょう!術なり祭祀なり、月光がまき散らした呪いを全て!全て消さなければならないでしょう!!!」

興奮し、取り乱すキサン君を大妃が一喝した。「しっかりなさい、主上!」

キサン君「!!!」
大妃「主上、月光ではありません」
キサン君「…。」
大妃「お分かりではないですか。そのような度胸も意志もない子なのです」
キサン君「御祖母媽媽!心配なのですか?」

気丈な大妃の眉がピクリと動く。

大妃「月光のことを案じているのではありません。王位は恐れ多くも月光が狙えるような座ではないのです!」

「やめろ!!!」キサン君がありったけの声で叫ぶ。

大妃「!」

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「いつも私を案ずる振りをなさるだけ」キサン君の目に涙が滲んだ。

キサン君「心はいつも月光に向かっていること… 私が知らないとでもお思いですか?」
大妃「主上!」
キサン君「いつだって”主上!主上”と…。本当に… 本当に聞きたくない言葉です」

「もうお帰りください」キサン君は、涙の流れる顔を背け、小さくそう告げた。

大妃の深い溜息を背中に受け、彼は寝処へ戻ると、自虐的な笑い声を上げる。
御簾の外で密かに様子を伺っていたサダムは、満足気に目を閉じた。

大妃「…。」

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#このときの大妃、サダムがいるのに気づいたように見えますが、確信が持てません。

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大殿を出てきた大妃は、あまりの心痛によろめき、尚宮に支えられた。

大妃「あやつらをさっさと追い出しなさい。領相の耳にでも入れば、主上は… いいえ、王室の危機だ」
内官「はい、承知いたしました、大妃媽媽」

「主上、体面を保つのです!」大妃はもう一度大殿を振り返った。

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正殿にはいつものように大臣たちが集まっていた。
朝議の席に呼ばれたのは、サダムだ。

右相「それは月光大君が呪いをかけたという証拠なのか?」

「さようでございます」サダムの前に置かれた箱には、いくつかの物品が収められている。

領相「ただの蛇でございましょう、殿下」
キサン君「…。」
サダム「蛇は五行のうち火を象徴します。殿下は強い火気を持った御方。蛇をこのようにしたのは、まさに主上殿下を…」
領相「黙りなさい!」
サダム「…。」
領相「恐れ多くも邪道を持ちだして殿下の権威を揺るがすつもりか!」
サダム「…。」
領相「殿下、賤しい道吏に過ぎませぬ。道吏の言葉に耳を傾けることのありませぬよう」

キサン君は何も言わず、ただ成り行きを見守っている。

領相「証明も出来ぬことで、月光大君を陥れようとする凶悪な者たちの所業にございます!」
右相「王室を呪ったものは極刑に処す習わしですぞ、殿下!」
領相「…。」
右相「月光大君を厳罰に処すべきです!」
大臣「今すぐ投獄なさいませ!」
領相「道吏の言葉だけで月光大君を投獄するなど、もってのほか!」

「その場に!」黙っていたキサン君が声を上げると、ゆっくりと身を乗り出した。

キサン君「そなたの甥、カン・ムソクも共にいたのだ」
領相「!」

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薄暗い部屋の中、静かに目を閉じていたリンは、不穏な予感がしてふと目を開けた。

リン「!」

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ここでエンディングです。

一言ずつ見ては訳して… という特殊な観方をしているせいもあるとは思いますが、サダムの思惑をうまく掴めない気持ちの悪さが残ります。
一番の目的が龍神の復活なのは分かるのですが、なぜそこまで王に取り入り、惑わせて、王室をかき乱すのか。
もともと王がうなされた原因、あの黒い気も、サダムたちが放っているものですよね?

また、リンが恵民署で試験をした理由も結局よく分からず…。
男に霊が憑いているのを予めリンが気づき、それで課題にしたのかと思ったんですが、そこはハッキリ描かれていませんね。

その場その場で雰囲気を作ったり、インパクトを与えるだけで終わらせず、ちゃんと筋の通ったストーリーを描いてくれる事を願ってます!
↑こういう中途半端な演出を、最近私の中では「トライアングる」と言うのだ(完全に余談

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