韓国ドラマから美しい言葉を学ぼう

韓国ドラマのあらすじや詳細日本語訳を紹介!セリフを題材にした文法解説も

トライアングル10話あらすじ&日本語訳vol.1

   

ジェジュン(JYJ)、イ・ボムス、イム・シワン(ZE:A )主演、「トライアングル」10話、セリフの日本語訳を交えつつ、あらすじを追っていきます。

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ジョンヒ「ゲームを始めます。オープンゲーム」

VIPルームでゲームが始まった。
最初はオープンゲームといい、ベットを受け付けずに1ゲームが行われる。

ジョンヒ「PLAYER 4, BANKER Naturary. Banker Win」

次のゲーム。
ヨンダルはチップを一枚だけ、PLAYERにベットした。

ジョンヒがカードを配る。

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ヨンダルはそれを見守りながら、ゲームの段取りを反芻した。

「最初は最小限の額をベットして、適当に時間をやり過ごす」
「本格的にベットするのはカードをチェンジしてからだ」

#ところで、VIPルームってお金さえ持ってれば誰でもすぐ入れるんですかね

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静かに進行するゲームの様子を、ヤンハはCCTVの映像で見守る。

~~彼は事前に主任たちと打ち合わせをしていた~~

ヤンハ「詐欺賭博をやるとしたら、どんな手を使ってくるでしょう」
女性主任「予約ルームに入るとき、あらかじめカードを一枚持っておいて、決定的な瞬間にカードをすり替えるんです」

ヤンハがなるほどという表情で頷く。

女性主任「香港から来た詐欺師が使った手法です」
ペ主任「それは難しいでしょうね。ディーラーたちやマネージャーが見ている前でカードをすり替えるのは、容易いことじゃありません。ホ・ヨンダルはそんなテクニックを持っていないはずです」
ヤンハ「…。」
ペ主任「もしも、うちの職員の誰かが内通しているとすれば、カード全部をすり替えようとするでしょうね」

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「チャン理事」ヤンハは応接ソファで待機しているドンスに声を掛けた。

ヤンハ「ちょっとこれを見ていただけますか?」

そう言って、ヤンハはドンスをPCの前に呼ぶ。
ドンスはヤンハの脇に立ち、PCの画面を眺めた。

ヤンハ「今、VIPの予約ルームで実際にゲームをしているところをカメラが撮影しているんです」

ドンスは顔色一つ変えず、画面を見つめながら腕を組む。
彼の目が確かならば、画面の中にいるのはヨンダルだ。

ヤンハ「この男は街のチンピラなんですが、もうすぐ詐欺賭博を試みるはずです」
ドンス「…。」
ヤンハ「そのとき、チャン理事が警備員たちを連れて、現場をおさえてください」
ドンス「…。」
ヤンハ「それから警察に引き渡せばOKです」
ドンス「まだ詐欺を働いたわけじゃないんだから、未然に防げばいいじゃないですか」

ヤンハが不敵に笑う。

ヤンハ「僕は是非ともあいつを牢屋送りにしたいんですよ」
ドンス「…。」

ドンスはじっと画面を見つめた。

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ヨンダルはまだチップを一枚ずつベットし続けていた。
今回もまたPLAYERに一枚、チップを差し出す。

ジャンス「オ・ジョンヒさん、可愛い顔してるのにさ、もっといいカード出してくださいよぉ」

「そろそろ行こうぜ」ジェリーがパンと手を叩く。
ジョンヒがカードを配った。

ジョンヒ「PLAYER 6, BANKER 7. BANKER Win」

ヨンダルは少しずつ負けていた。

ジャンス「ジョンヒ、酷いよ」
ジョンヒ「お客様、礼儀をわきまえていただきませんと」
ジャンス「あ、Sorryです」

そこへヨンダルの胸ポケットで携帯が鳴る。
彼は携帯を取り出し、メールを見た。

ドンス(メール)「今すぐゲームを中止して俺に電話しろ。急用だ」

彼は何でもないようにポケットに携帯を戻し、「トイレに行ってくる」と席を立った。
ヨンダルの行動に、ペ主任の目が厳しく動く。

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トイレにやって来たヨンダルは、、そこで電話を掛けた。

ヨンダル(電話)「どうしたんですか?」

「よく聞けよ」ドンスが電話で話しながら、誰もいない廊下へ出てくる。

ドンス(電話)「今すぐゲームを中止して外へ出るんだ」
ヨンダル「なぜです?」

#なぜも何も、まずは「ゲームしてることをなぜ知ってるんですか?」が先じゃないのか?

ドンス「カジノ側はお前らの計画を知ってる。罠に掛かるのを待ってるんだ」
ヨンダル「!」
ドンス「牢屋にぶちこまれたくなかったら今すぐやめて外へ出ろ!」

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ヨンダルは電話を切り、焦って考えを巡らせた。

+-+-+-+

VIPルームへ戻ってくると、ヨンダルはジャンスたちを部屋の外へ呼び出した。
彼らがいなくなると、ペ主任がヤンハへ連絡を入れる。

ペ主任「今、3人とも予約ルームを出ました」
ヤンハ「見ていますよ」
ペ主任「そろそろ始めるつもりでしょう」
ヤンハ「現場で捕まえなければなりません。神経を集中させてしっかり見張ってくださいよ」
ペ主任「はい。ご心配なく」

そこへドンスが戻ってくる。

ヤンハ「そろそろ始めるようです。チャン理事もご準備を」

「えぇ」ドンスは頷いた。

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「どうしたんだ?」急に外へ連れ出され、ジャンスが不安げに尋ねた。

ヨンダル「俺たち、計画は諦めよう」
ジャンス「そうだよ!それがいい!こんな作戦、最初からムリだったんだ」
ジェリー「突然どうしたんだよ?」
ヨンダル「カジノ側は俺たちの計画を知ってる。俺たちが詐欺を働く瞬間を待ってるんだ」
ジャンス「何だって?!」

二人は驚いて顔を見合わせた。

ヨンダル「ジェリー、ヒョンタク兄貴に連絡して、急いで撤収するように言ってくれ」
ジェリー「分かった!」

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バンにいるヒョンタクの電話が鳴る。

ヒョンタク(電話)「あぁ、いつ始めるんだ?」
ジェリー(電話)「兄貴!今すぐ撤収してください!急いで!」
ヒョンタク「どういうことだ?」
ジェリー「カジノに俺たちの計画が全部バレてるらしいんです。捕まる前に急いで撤収してください!」

「分かった」ヒョンタクはすぐに車を発進させた。

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「エラいことになるところだった」ジャンスが呟く。

ジャンス「けど、作戦が漏れてるってどうして分かったんだ?」
ヨンダル「それは知らなくていい」

「戻ろう」ヨンダルは静かに目を閉じた。

ジェリー「俺たちも撤収するんだろ?」
ヨンダル「いや。ゲームは続ける」
ジャンス「それどういうことだよ?作戦は諦めるのにゲームは続けるって?」
ヨンダル「詐欺はやらずに、本当にゲームをやるんだ」
ジャンス「何だって?お前、どうかしてるぞ。それでコ・ボクテ兄貴の金をスッちまったらどうすんだよ」
ヨンダル「勝てばいいんだ」

「兄貴!」すがるようにジェリーが言った。

ジェリー「詐欺やらずに勝てんのかよ!」
ジャンス「ヨンダル、そりゃダメだぞ。コ・ボクテ兄貴に認められたい気持ちは分かるけどさ、これはマズイって。金を全部スッちまったら大変なことになるぞ!」
ヨンダル「どっちにしたってギャンブルなんだ。こんな大金で勝負できるチャンスなんか他にない。俺はやるから、怖けりゃお前らは抜けろ」

茫然とするジャンスたちを置いて、ヨンダルは来た道を戻った。

ジャンス「あー、畜生!」
ジェリー「どーすんだよ?」

「生きるも死ぬも一緒だ!行くぞ」ジャンスはヨンダルの後に続く。
ジェリーもそれに従った。

+-+-+-+

コ・ボクテの側近に連絡が入った。

コ・ボクテ「カジノからか?」
側近「はい」
コ・ボクテ「どうなった?始まったか?」
側近「その…問題が起きたようです。詐欺は中止して、撤収したそうです」
コ・ボクテ「何だと?」

「会長との賭けは私の勝ちですね」ミン社長が笑う。

ミン社長「ヨンダルはバカじゃないんです。あんな難しいゲームをやるはずがありませんわ」

コ・ボクテは酒を口へ運び、目を細める。

コ・ボクテ「あいつ、なかなかの器だと思ったが、見込み違いだったか」

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「Bet down,please」ジョンヒが宣言し、ゲームが再開される。

ヨンダルはしばらく考え、チップを3枚差し出した。

ヨンダル「PLAYERに3000」

ジョンヒがPLAYERとBANKERにカードを振り分ける。

PLAYER A 7

ジョンヒ「PLAYER, Natural 8」

ジョンヒがBANKERのカードをめくる。

BANKER 3 6

盛り上がっていたテーブルが一気に静まり返った。

ジョンヒ「申し訳ありません。BANKER Natural 9, BANKER Win」

「なぁ、ヨンダル」ジャンスがたまらず声を掛けた。

ジャンス「いい予感がしないぜ」
ジェリー「兄貴、もうやめようよ」

ヨンダルは何も言わず、じっとテーブルを見つめる。
何を考えているのか、彼の表情から感情を推し量ることは出来ない。
ヨンダルはただゲームに集中していた。

ヨンダルは再びチップを3枚差し出す。

ヨンダル「PLAYERに3000」
ジャンス&ジェリー「…。」

隣の二人は絶望で目を固く閉じた。

ジョンヒがカードを配る。
PLAYERのカードが2枚、ヨンダルに渡された。

ゆっくり…
ゆっくりとヨンダルはカードをめくった。

#ところで、ヨンダル逮捕を頼まれたドンスがずーっとヤンハの部屋のソファに座って待ってるの、違和感ないですかぁ?

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ヨンダルたちは、放心状態でカジノを出てくる。
まだ半分、夢の中にいるような気さえした。

ゲートをくぐったところで、彼らはしばらく茫然と立ちすくむ。

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ヨンダル「…行こう」

彼らは再びフラフラと歩き出した。

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ジョンヒはロッカールームのベンチに一人座っていた。
彼女もまた、まるで魂を抜かれたようにぼんやりと物思いに耽る。
そこへヒョンミがやって来て、彼女の隣に腰を下ろした。

ヒョンミ「大丈夫?」
ジョンヒ「分かんない。何だか罪でも犯した気分」
ヒョンミ「ジョンヒ、あんたのせいじゃないんだから、気にしちゃダメ」
ジョンヒ「先輩、こういうことって今まであった?」
ヒョンミ「ううん。ディーラーになって10年になるけど、こんなのホント初めてよ」
ジョンヒ「…。」
ヒョンミ「はぁ、私、そばで見てるだけでも冷や汗かいたのに、あんたはそれじゃ済まないよね」

ジョンヒはさらに憂鬱になり、俯いた。

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「どうなった?」私設カジノへ入ってくるなり、キム女史は待ちきれずに尋ねた。

キム女史「ヨンダルのヤツ、イカサマで捕まった?」

彼女の前にいるチャンマダムとマンガンは、揃って重苦しい表情だ。
返事の代わりに、口から出たのは溜息だった。

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キム女史「何なの?この空気。何とか言ってよ」
マダム「お姉、ヨンダルがやらかしたらしいわ」
キム女史「何を?」
マンガン「ヨンダルのヤツ、昨夜カジノでボロ儲けしたってさ」
キム女史「どれくらい?」
マダム「それは分からないけど、一晩で勝った金額ではテジョンカジノで新記録らしいわ」
キム女史「それが詐欺なのよ!捕まえなきゃ!!!」
マンガン「捕まってないってことは、イカサマはやってないんだろ」
マダム「…。」
キム女史「有り得ないわ!」

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ディーラーの控室にもよからぬ空気が広がりつつあった。

チョンジャ「みんな知ってることだけど、VIPルームに私とヒョンミ、オ・ジョンヒの3人で入ってるでしょ?私とヒョンミがディーラーだと特に問題ないんだけど、オ・ジョンヒがディーラーをやったらホ・ヨンダルが勝つのよ!」

驚きの声があがる。

ソンジュ「ホ・ヨンダルってどれくらいの勝率だったんですか?」
チョンジャ「10回ベットしたら9回は勝つわね」
ディーラー仲間「そんなことってある?!」
チョンジャ「そうなのよ!二人で組んでるって言っても信じるくらいよ」

ヒョンミに付き添われ、ジョンヒが控室に戻ってきた。
皆の無言の視線がジョンヒに突き刺さる。

ヒョンミ「何なの?あんたたち、そんな顔して」

ヒョンミが腕を組む。

ヒョンミ「ジョンヒがあんたたちに何か悪いことでもした?ジョンヒのお陰で昨夜受け取ったチップは2000万を超えたわ。全部私たちで分けるのよ」

馬鹿らしいとでも言いたげに、チョンジャが嘲笑した。

チョンジャ「(ヒョンミに)ご苦労なことね。私たち全員で分けたって、一人あたり1万にもならないわ」
ジョンヒ「…。」
チョンジャ「けど、この冷えきったムードはどうするつもり?これは全部、資格もないのにディーラーになって、経験もないのにVIPルームに入ったせいで起きた事故よ。分かる?!」

ヒョンミが心配そうにジョンヒを見つめる。
ずっと黙っていたジョンヒは、いよいよチョンジャの前に進み出た。

ジョンヒ「私、ディーラーになる資格は満たしてます。予約ルームのお客様に対して失態もおかしていないし、ゲームの進行もしっかりやれます」
チョンジャ「(嘲笑)」
ジョンヒ「これ以上、この問題について私にあれこれ言うなら、社内人事委員会に正式に提訴します」
チョンジャ「(ドキッ)」
ジョンヒ「人事委員会が私のミスだと判断したなら、直ちに辞職します。だけど、ミスはないと判断が下ったら、私を侮辱した責任を取ってください」

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皆が驚きで口をポカンと開ける。
ジョンヒの堂々とした言葉に、チョンジャが思わず顔を歪めた。

チョンジャ「あんた、大げさなのよ!」
ジョンヒ「自信がないなら、その口閉じててください」

ジョンヒは最後にしっかりチョンジャを睨みつけ、部屋を出て行く。
完全に圧倒され、狼狽えるチョンジャに、新入りディーラーはひそかに喜び合った。

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ミン社長の事務所にヨンダルたちが戻ってくる。
「どうなったのよ?」心配していたミン社長の声が飛んだ。

もうすっかり日が昇っていたが、ミン社長もヒョンタクも昨夜の服装のままだった。

ヒョンタク「急に連絡があってビックリしたぞ!」

ヨンダルは黙ってソファーに腰を下ろす。

ミン社長「放棄したのはなぜ?カジノ側にバレたの?」
ヨンダル「…えぇ」
ミン社長「いい判断だわ。つまらないことに命を賭けることないもの」

ヨンダルは胸元から封筒を出す。

ヨンダル「コ会長が出してくださった軍資金です」
ミン社長「私が渡しておくわ」

「これは何?」ミン社長がもう一つ封筒があるのに気づく。

「それはですね」指を指したジャンスはまだどこか心ここにあらずだ。

ジャンス「ヨンダルがイカサマをやらずに、ホントに勝った金ですよ!」
ミン社長「何ですって?!」
ヒョンタク「お前ら!撤収しないでゲームを続けたってことか?!」
ヨンダル「…えぇ」
ミン社長「それで負けたらどうするつもりだったの?コ会長のお金なのに!」
ヨンダル「大勝負をやってみたんです」

「いくら勝ったのよ?」ミン社長の声が踊る。
ジャンスとジェリーは顔を見合わせ、ようやく笑った。

ミン社長が封筒を覗き、中身を取り出して思い切り息を呑んだ。

ミン社長「これ!これ!本物の小切手よね?!」
ジェリー「もちろんですよ!テジョンカジノが出来て以来、一晩で最高額を手に入れたんです!!!」

「あんた!!!」ミン社長が歓声を上げる。

ミン社長「こんなことがあるなんて!」

喜ぶ皆の前で、ヨンダルは静かに勝利の喜びを噛み締めた。

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「どうなってるんです?」重く、静まり返った部屋にヤンハの声が響く。

ヤンハ「間違いなく何の詐欺行為もなかったんですか?」
ペ主任「はい。私がゲーム進行をずっと見ていましたし、CCTVももう一度確認しましたが、問題は何一つ見つけられませんでした」
女性主任「特異なテクニックや詐欺を行った痕跡は見当たりません」

うんざりしてヤンハが目を閉じる。

ヤンハ「それなのに、一晩であれだけの金を手に入れるなんてことがあっていいんですか?」
ペ主任「何とか彼の連勝を断ち切ろうとしたんですが、何一つ効果がなかったんです」
女性主任「特にオ・ジョンヒがディーラーをしている間はどうしようもありませんでした」
ヤンハ「それならオ・ジョンヒさんを外すべきじゃないですか!」

ヤンハが声を荒げる。

#そもそも、みんな反対したのに君が無理強いしたんでしょーが

ペ主任「申し訳ありません。そう判断したときには、すでに手遅れでした」
ヤンハ「…。」

うんざりしたヤンハは主任たちを退席させる。
部屋にはヤンハとドンスが残った。

ヤンハ「(ドンスに)ご足労いただいたのにすみません。無駄な時間になりましたね」
ドンス「いいえ。よく分かりませんが、そのお客がそれほどの金額を手に入れたのなら、カジノに大きな打撃なのでは?」
ヤンハ「いえ、これが噂になればカジノの売上は伸びるはずです。他の客たちも大金を手に出来ると幻想を抱いてやってくるんですが、そう簡単なことじゃありませんから」
ドンス「…。」
ヤンハ「僕が腹を立てたのは、あいつが金を手に入れたからじゃなく、捕り逃したからです」
ドンス「失礼ですが、そのお客と個人的な悪縁でも?」

ヤンハはフッと笑う。

ヤンハ「どうでしょうね。偶然知り合った舎北のチンピラですが、妙に神経を逆撫でするんです。今回は失敗しましたが、あいつがどんな手を使おうと、僕の手で必ず捕まえますよ」
ドンス「…。」

ドンスはようやくヤンハの部屋を後にした。

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一人になると、ヤンハはデスクに戻り、深く溜息をつく。
PCの画面の中では、ゲームをしているヨンダルの映像が再生されていた。

ヤンハ「…。」

ヤンハは映像のヨンダルの姿に吸い込まれるように身を乗り出す。
ヨンダルはカメラを見上げ、その向こうで見ているヤンハを挑発するようにじっと見つめると、嘲るように口角を上げた。

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ヤンハ「…。」

ヤンハの怒りは簡単に頂点に達した。
目の前の物がすっかり投げ飛ばれたのは、一瞬のことだ。

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ヨンダルは質素な料理屋のテーブルで、淡々と飯をかきこんでいた。
ジャンスとジェリーは何も喉を通らず、ぼんやりとヨンダルを見つめる。

ジャンス「ヨンダル、俺はお前が恐ろしいよ」

ジェリーがもやしを箸で摘み上げ、口に放り込む。

ジャンス「そう思わないか?ジェリー」
ジェリー「だよな。俺の力じゃこれ以上手に負えないよ」
ヨンダル「(モグモグ)ゴチャゴチャ言ってないで食え」
ジャンス「よくこんなときに食ってられるな。俺、興奮がおさまらなくて何も食えねーよ!」

二人はとにかく感無量だ。

ジャンス「今までこの偉大なダチをバカにしてばかりだったこと…」

「心からお詫びいたします!!!」ジャンスは立ち上がり、深々と頭を下げる。
ジェリーも隣で立ち上がり、ジャンスに頭を並べた。

ジェリー「お許しくださいませ!!!」

二人の頭をヨンダルの匙がコンと打つ。

ヨンダル「飯を食えって」
ジャンス&ジェリー「(ニコニコ)」

そこへヨンダルの電話が鳴った。

ヨンダル(電話)「えぇ、班長さん」
ドンス(電話)「どこだ?」
ヨンダル「飯食ってます」
ドンス「ちょっと会おう」
ヨンダル「えぇ」

「二人で食ってな」ヨンダルは席を立った。

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人気のない寂れた建物にヨンダルがやって来ると、ドンスはそこで彼を待っていた。

ヨンダル「班長さん!こんにちは」
ドンス「あぁ」
ヨンダル「いやぁ、班長さんのお陰でエラい目に遭わずに済みました」

「ありがとうございます」頭を下げるヨンダルの前で、ドンスはのんびりとサイダーを飲む。

ヨンダル「ところで、カジノが知ってるってこと、どうして分かったんですか?」
ドンス「俺、あそこに就職した。テジョンカジノ保安管理理事だ」
ヨンダル「え?班長さんがどうして?」
ドンス「お前は知らなくていい」

ヨンダルを見つめていたドンスは、たまらず笑い出す。

ドンス「こいつ…。くだらん街のチンピラだと思ってたのに、昨夜はたいしたギャンブラーだったな」

「運が良かったんですよ」ヨンダルも笑う。

ドンス「お前、テジョンカジノのユン・ヤンハ本部長を知ってるか?」
ヨンダル「…えぇ」
ドンス「どういう知り合いなんだ?」
ヨンダル「成り行きで知り合ったんですけど、忌々しいヤツですよ。正直、昨夜はちょっと無茶したけど、あいつに一泡吹かせようと思ってやったんです。幸い運が良くて一撃食らわせたってわけですよ」

ドンスは空になったサイダーの缶を片手で捻り潰し、放り投げた。

ドンス「気をつけろよ」
ヨンダル「なぜです?」
ドンス「ユン・ヤンハがお前のことで歯ぎしりしてる」
ヨンダル「…。」
ドンス「昨夜だって、お前を捕まえようと罠を仕掛けて待ってたんだ」
ヨンダル「…。」

ドンスはヨンダルをまっすぐ見つめ、深く息をつく。

ドンス「お前は俺とまだまだやることがある。コ・ボクテのヤツとケリをつけるまで、つまらないことで怪我したりするな」
ヨンダル「心配しないでください。ユン・ヤンハなんて一つも怖くありません」

「…。」ドンスは目で小さく頷いた。

110

+-+-+-+

ようやく帰宅したジョンヒを、祖母が迎えた。

祖母「遅かったねぇ」
ジョンヒ「用事があって…」
祖母「(ジョンヒの顔を見上げ)エラく疲れた顔してるじゃないか」

何か食べる物を用意しに立とうとした祖母を、ジョンヒが止める。

ジョンヒ「すぐ寝ますから」

ジョンヒは自室のドアを開ける。

祖母「ジョンヒ、お祖母ちゃんね、サングのお母さんとハンベク山へ山菜採りに行ってくるからね。自分でご飯作って食べるんだよ」

「えぇ」閉めたドア越しにジョンヒが返事をした。

+-+-+-+

バッグを置き、鏡の前に座ると、ジョンヒの携帯にメールが届いた。

ジョンヒ「?」

ヨンダルからだ。

ヨンダル(メール)「ジョンヒさんのお陰で勝ったけど、ジョンヒさんにすごく迷惑を掛けたんじゃないかな」
ジョンヒ「…。」

ジョンヒは返事を打ち始める。

+-+-+-+

テーブルの上に置いた携帯をヨンダルがじっと見つめて待っていると、着信音が鳴った。
待ってましたと笑顔で彼は電話を手に取る。

ジョンヒ(メール)「いえ。私は大丈夫だから気にしないでください。ディーラーになったのにこんなことを言うのは変だけど、私、賭博が怖いです。あんな大金が行ったり来たりするゲームを、他の人でもなくホ・ヨンダルさんがしてるのを、どこか不安に感じました。人は運がいい時ばかりじゃないでしょう?私、ホ・ヨンダルさんには賭博に人生を賭けてほしくないんです」

109

+-+-+-+

カフェの席で待っているシネの元へ、ドンスが二人分のコーヒーを持ってやって来る。
一つを彼女に差し出すと、彼は向かいの席に腰を下ろした。

ドンス「今日、お父さんの誕生日だろ?」
シネ「うん」
ドンス「あとで伺わなきゃな」
シネ「ううん、今日は来ないで」
ドンス「何でだ?」
シネ「私今日、爆弾宣言するつもりなの」

ドンスが思わず笑う。

ドンス「他の日にしろよ。何で今日なんだ?」
シネ「お父さん、ピルサンさんが来るのを待ってるわ。これからはそんな日は来ないって、ハッキリさせておいたほうがいいと思うの」
ドンス「…。」
シネ「それより私、ドンスさんの意図がすごく気になるわ」
ドンス「?」
シネ「テジョングループに入った理由は?」
ドンス「…。ユン・テジュン会長は俺がコ・ボクテを抑えるだろうと思っているが…全く笑える話だ」
シネ「…。」
ドンス「そんなことするもんか。むしろ衝突させるつもりだ。取っ組み合いの喧嘩をするようにな」
シネ「そんなことが出来るの?」
ドンス「出来るさ。結局は欲の問題だ。二人が父を死に追いやったのも、金への欲のためだった」

静かに憎しみを燃やすドンスを見つめるシネの目は、どこか不安げだ。

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ドンス「欲を捨てない限り、あいつらは争って自滅する。俺がそうさせてやるんだ」

「俺が自らテジョングループに足を踏み入れた理由はそれだ」ドンスはシネをまっすぐ見つめた。

+-+-+-+

ここでいったん区切ります。

これまで、負けると思ったら負け、勝つと思ったら勝ち、ボコられると思ったらボコられるヨンダルでしたが、今度も「捕まると思ったら捕まる」んだろうと思ってたら違いましたか^^;;;
それでも、テジョンカジノ始まって以来の最高額をヨンダルが勝ったと言われてもピンと来ないのが残念。

それにしても、ヤンハをここまで性悪に描いちゃっていいのだろうかと心配です。
悪役は他に何人もいるし、ヨンダルの背中で泣いてた可愛い弟なのに。一度こんなに嫌な印象ついちゃったらなかなか消えませんよ。
そもそも突然会社に熱心になったのも、理解できないままだしねぇ。

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