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トライアングル20話あらすじ&日本語訳vol.1

   

ジェジュン(JYJ)、イ・ボムス、イム・シワン(ZE:A )主演、「トライアングル」20話、セリフの日本語訳を交えつつ、あらすじを追っていきます。

+-+-+-+

「ドンチョル!」一触即発の二人を前に、ドンスは思わず呼びかけた。

ヨンダル「?」
ヤンハ「?」

振り返り、ドンスが心配そうにしているのを見ると、ヨンダルは静かにヤンハに向き直り、襟を掴んでいる彼の手を振り払った。

ヨンダル「テジョングループ後継者の立場だろ。これ以上醜いザマ見せてないで、体面は守れよ」
ヤンハ「お前、下手に俺を刺激したな」
ヨンダル「…。」
ヤンハ「俺を怒らせたらどうなるか、骨身にしみるほど思い知らせてやる」

「お前のやることなんてお見通しだ」ヨンダルは冷ややかに笑う。

ヨンダル「班長さんと俺を監獄送りにしたのはお前の仕業だって、全部分かってる」
ヤンハ「…。」
ヨンダル「これ以上みみっちいことを企てるな。お前がくだらないことを企めば企むほど、何倍にも返してやる」
ヤンハ「…。」
ヨンダル「知ってんだろ。俺は元々クズのホ・ヨンダル、チンピラのホ・ヨンダルじゃないか」
ヤンハ「…。」

何も言わずじっと睨んでいるヤンハに、ヨンダルは穏やかな視線を向ける。
ヤンハはもう一度ドンスを一瞥すると、そのまま身を翻し、去って行った。

ヨンダル「兄さん!」

笑顔で近づくヨンダルの肩越しに、ドンスは遠ざかっていくヤンハの背中を目で追う。
「…。」彼は物憂げに肩を落とすと、視線をヨンダルに戻す。

ドンス「何かあったのか?」
ヨンダル「たいしたことじゃないですよ。一発やられたから、そのまま返してやったら、あいつ目を剥いちゃって」
ドンス「…。」
ヨンダル「連絡もなしにどうしたんです?」
ドンス「ハン・ミョンジェが組員たちを皆舎北に呼んだって聞いて、お前が心配になってな」
ヨンダル「兄さん、下準備はすっかり出来てます。拳一つ使わずにハン・ミョンジェが倒れるのを見られますよ」
ドンス「…。」
ヨンダル「俺、急いでやることがあるんです。後で連絡しますね」

「あぁ、仕事に戻れ」ドンスは優しく頷く。
ヨンダルが去って行くと、彼はその背中を見つめながら小さく溜息をついた。

+-+-+-+

ジュノは個室でハン・ミョンジェ相手に一人奮闘していた。

ジュノ「申し訳ございません。近頃VIP顧客資格の審査が厳しくなっておりまして」
ミョンジェ「おい、結局は金だろうが。金で勝負する場で、資格が何だ?」
ジュノ「お金も重要ですが、VIPとしての品格も重要なんです」

「何だって?」ハン・ミョンジェが眉をひそめる。
ハン・ミョンジェの側近がジュノの襟首を掴んだ。

側近「お前、うちの兄貴にVIPとしての品格がないって?」
ジュノ「…。」
側近「死にたいか?」

そこへやって来たヨンダルは、側近がジュノに手を振り上げたところへ、室内へ入った。

ヨンダル「何事ですか?」
ミョンジェ「ホ・ヨンダル!お前、俺にこんなマネしていいのか?」
ヨンダル「…。」
ミョンジェ「お前らがそう出るなら、このカジノ、ひっくり返しちまうぞ」

ヨンダルは余裕の笑みを浮かべると、ミョンジェにVIPカードを発行するよう、ジュノに指示を出した。

ヨンダル「VIPルームはすでに予約受付を終了しています。もしVIPルームでゲームをなさりたいなら、他のお客様と同席になりますが」
ミョンジェ「どんなヤツらか知らないが、キャンセルすればいいだろ」
ヨンダル「それはできません。これから予約なされば、1週間後に予約ルームでのゲームが可能になりますが、他のお客様と一緒にゲームをなさったほうがよろしいかと」
ミョンジェ「どういうことだ?そりゃ」
ヨンダル「お客様お一人でのゲームなら最大ベット額は3000万ウォンですが、他のお客様と一緒になされば、ベット金額を無限大に増やすこともできます」
ミョンジェ「?」
ヨンダル「バンカーとプレイヤー間でベット額の差が3000万ウォンになればいいんですから」

「そいつはいいな」ミョンジェが頷く。

ミョンジェ「分かった。ゲームさせてくれ」

「VIPルームの準備が出来たら知らせて差し上げろ」ヨンダルはジュノに重ねて指示した。

+-+-+-+

「怖くてたまりませんでしたよ」ようやく解放されたジュノがヨンダルにぼやく。

ヨンダル「ご苦労だったな。もう終わるから少しだけ我慢してくれ。まずはハン・ミョンジェをVIPルームに入れておいて、その後ミン社長に入ってもらうんだ」
ジュノ「はい」

ヨンダルはニヤリとして歩き出した。

+-+-+-+

ジョンヒは控室で考え込んでいた。

323

「俺の言ったこと、もう忘れたんですか?」
「俺にはもう話すことなんかないけど」

彼はそう言って彼女に背を向けたのだ。

ジョンヒ「…。」

そこへ、ファランが入ってきた。
隣にはディーラーの制服ではなく、ファランと同じ黒いスーツに身を固めたヒョンミも一緒だ。

ファラン「みんな、ヒョンミがフロアマネージャーに昇進したの、知ってるわよね」
皆「はい」
ファラン「(ヒョンミに)挨拶して」
ヒョンミ「すっかり知ってる同士なのに、今更挨拶なんて。まぁ、一言だけ言うわ。コ・チョンジャ、シン・ミニョン、キム・ソンジュ」
3人「!」
ヒョンミ「軍隊でもあるまいし、規律どうこう言って皆を集合させるのはやめなさい」
3人「…。」
ヒョンミ「私に隠れて皆を集めて虐めたりしたら、そのときはタダじゃ置かないわ」

頼もしいヒョンミに、ジョンヒは嬉しそうに微笑んだ。

「さて」ファランがファイルを開く。

ファラン「オ・ジョンヒ」
ジョンヒ「はい」
ファラン「コン・ミソン、チョン・ユリ。3人はVIPの予約ルームに入ってもらうわ。ついて来て」

3人を引き連れ、ファランたちが出て行くと、残されたチョンジャから溜息が漏れた。

#何でしょう?この「指名された者が控室から呼ばれて接客」みたいな感じ

ミニョン「先輩、このまま黙ってるんですか?」
ソンジュ「やり返してやりなよ」

「ちょっとだけ待ってなさい」チョンジャはヒョンミたちが出て行った方向を睨みつけた。

#このシリーズ、まだ続くの?今度はまたチョンジャの逆襲?もうマジでお腹いっぱい

+-+-+-+

ドンスは一人、キム専務の話を反芻していた。

「私がジョングクに罪滅ぼしをするには、死んだジョングクの子どもをユン会長の手で育てさせることだと、そう考えた」
「それで私がチャン・ドンウをユン・ヤンハとして養子に迎えたんだ」
「君たちが現れるまで、ユン・ヤンハの人生には何の問題もなかった」
「弟を思うなら、今からでも会長に向けた刀を収めてくれ。会長はチャン・ドンウを育てた父親だ」

ドンス「…。」

廊下でドンスは深い溜息をつく。
「兄さん」そこへヨンダルがやって来た。

ヨンダル「待たせてごめん」
ドンス「いや、いいんだ」
ヨンダル「部屋へ行きましょう」
ドンス「他の人たちの目につくから、ここの方がいい」

「自分の兄を部屋へ行くのに、誰がどうこう言うんですか」ヨンダルが笑った。

ドンス「どこか静かな所があったら、そこにしよう」

「えぇ」ヨンダルが歩き出すと、ドンスが後に続いた。

+-+-+-+

建物の中が見渡せる、上階の開けたスペースに二人はやって来た。

ドンス「ドンチョル」
ヨンダル「?」
ドンス「いつだったか、俺に夢の話をしたことがあったろ」

「そうですね」ヨンダルが頷く。

ドンス「好きな女と幸せに暮らすこと。それに、兄弟を探し当てることだって」

ヨンダルは微笑むと、柵にもたれて上を眺める。

ヨンダル「その夢、俺にとっちゃ遥か昔の話だ。今、俺には夢を見る暇なんかない」

「いや。お前はぜひ夢を叶えて欲しい」ドンスの目は真剣だった。

ヨンダル「…。」
ドンス「もう取り返しがつかないのに、考えてみたら俺もお前も過去に拘りすぎてるように思うんだ」

324

「兄さん、急にどうしたんだ?」ヨンダルの表情が変わった。

ヨンダル「ここで諦めんのか?」
ドンス「…。」
ヨンダル「父さんを殺して、俺たちを数十年離れ離れにさせて苦しめたヤツら、このまま見過ごすのかよ?」
ドンス「…。」
ヨンダル「俺は絶対に許せない」

そう言うとヨンダルは固く視線を逸らした。

ドンス「…。」

+-+-+-+

ヤンハはユン会長の元へ出向いていた。

ユン会長「ディーラーの娘にのぼせ上がった結果がこれか!お前の失態のせいでテジョングループ全体がどれだけ損失を被ったと思う?!」
ヤンハ「…。」

会長室にユン会長の怒号が響く。

ユン会長「最後の警告だ。オ・ジョンヒを切り捨てろ。今すぐにな」
ヤンハ「!」
ユン会長「それから、ユジンに謝るんだ」
ヤンハ「それは出来ません」

「何だと!こいつ!!!」ユン会長はヤンハの頬を思い切り打った。
「会長!」黙って見守っていたキム専務がたまらず声を掛ける。

ユン会長「お前が始末できないなら、私がやってやろう」
ヤンハ「!」

「オ・ジョンヒを今すぐ解雇しろ!」ユン会長はキム専務に指示を出した。

キム専務「…。」
ヤンハ「ジョンヒさんを解雇するなら、僕もテジョンカジノから手を引きます」
ユン会長「それはお前にやった権利を全て放棄するということか?」
ヤンハ「僕はちっとも構いません」
キム専務「…。」
ユン会長「お前のような情けないヤツにテジョングループの未来を任せることは出来ん。今すぐやめろ!」

ユン会長が言い捨てると、ヤンハはそのまま立ち上がり、頭も下げずに部屋を出た。

ユン会長「…。」
キム専務「会長、私が収拾をつけます。どうか堪えてください」
ユン会長「…。やはり出処も分からぬヤツを引き取るんじゃなかった」
キム専務「…。」

+-+-+-+

これからVIPルームへ入るジョンヒたちを前に、ファランが口を開く。

ファラン「これから入るVIPルームのお客様は、とんでもない暴力団のボスよ」
ジョンヒたち「…。」
ファラン「ゲーム進行を間違えたら大変なことになるわ。ミスしないで頂戴」
ミソン「マネージャー、他の人じゃダメなんですか?私、自信がなくて…」
ファラン「馬鹿なこと言わないで。誰が来ようと落ち着いてやれば何の問題もないわ」

「行くわよ」ジョンヒたちはファランに先導され、歩き出した。

+-+-+-+

「いらっしゃいませ」VIPルームにミョンジェが入ってくると、待機していたファランとディーラーたちが揃って頭を下げた。
顔を上げたジョンヒは、入ってきた客に目を丸くする。
紛れもない、自分を拉致した張本人だ。
ミョンジェはジョンヒをチラリと見ると、椅子に腰をおろし、余裕の表情でジョンヒを見上げた。

ミョンジェ「お久しぶりで」
ジョンヒ「…。」

黙っているジョンヒを不審に思ったファランが、後ろから「どうしたの?」と声を掛ける。

ジョンヒ「…。い、いえ…」

ジョンヒたちはそのまま持ち場についた。

ミョンジェ「さぁ、始めようぜ」

+-+-+-+

「準備は出来てますね?」カジノの入り口で待っているミン社長とマンボンを、ジャンスが呼びに来る。

#このお二人、ずっとここでおとなしく待ってたに違いない(涙

ミン社長「えぇ」
ジャンス「出動なさってください」

「どうしてこう震えるのかしら」ミン社長は深く息を吐き出す。

マンボン「自分がついていますから、あまり怖がらないでください、姐さん」
ミン社長「私がハン・ミョンジェごときにビビると思ってるの?!ヨンダルがお膳立てしたこの戦い、台無しにしないように緊張してるのよ」

「大事な仕事を前に、若干の緊張感は必要でしょう」ジャンスは微笑んだ。

ジャンス「けど、一つだけ忘れないで下さい。ハン・ミョンジェがうまく行ってる時は、最小金額をベットするんです。調子がぐんぐん上がって、ガクンと負けたら、そこで!すかさず最大金額をベットしてください。いいですね」
ミン社長「分かったわ」

「行きましょう」ミン社長が元気に声を上げた。

+-+-+-+

全ての手配を終え、執務室へ戻ったヨンダルは、窓辺でぼんやりと考えに耽っていた。

「いつだったか、夢の話をしたことがあったろ。好きな女と幸せに暮らすこと。それに、兄弟を探し上げることだって」
「お前にはぜひ夢を叶えて欲しいんだ」

兄の言葉が、重く彼の心にのしかかっていた。

そこへジュノが入ってくる。

ジュノ「ゲームがスタートしました」
ヨンダル「VIPルームの映像、こっちに繋いであるか?」
ジュノ「はい」

「よし」ヨンダルはPCの画面に向かった。
画面の中で、ゲームに参加しているミョンジェと側近の姿が見える。

ヨンダル「…。」

+-+-+-+

好調な滑り出しに、ミョンジェは嬉しさを隠せなかった。
差し出されるチップの山を上機嫌で受け取る。

そこへ同席する客が入ってきた。

ミン社長とマンボンだ。

ファラン「いらっしゃいませ」

「ミン女史!」ミョンジェが彼女に気づき、驚いて声を掛ける。

ミョンジェ「どうしてここに?」
ミン社長「訊きたいのは私の方ですよ。私が先に予約したんですから」
ミョンジェ「あぁ、そうでしたか。済まないことをしたな。一緒にやりしましょう」
ミン社長「知らない仲でもなし、お好きにどうぞ」

ミン社長とマンボンは、ミョンジェたちの向かい側に腰を下ろした。
好調なところで人数が増えたことに、ミョンジェは心を躍らせる。
さらに大きく稼げそうな期待で一杯だった。

ミン社長の前にチップが置かれると、ミョンジェはその量に感嘆の声を上げる。

ミョンジェ「いやぁ、ミン社長、大した投資だな」
ミン社長「予約したのは私だから、ベッティングの優先権は私にあるわ。お分かりね?」

「そうしましょう」ミョンジェは余裕で頷く。

ミン社長「一つ、提案してもいいかしら」
ミョンジェ「提案とは?」
ミン社長「偶然にもこうして対決することになったんだから、お互い拳を使うのはやめて、今日の勝負で決着をつけるのはいかが?」
ミョンジェ「…。」
ミン社長「負けた方が勝った方の要求を飲むのよ」
ミョンジェ「はて、そんな提案をして来るとは、俺の要求が怖くないのか」
ミン社長「何だって構わないわ」
ミョンジェ「それなら、ホ・ヨンダルを俺に引き渡すことも?」

「!」両者の間に座っているジョンヒに緊張が走った。

ミン社長「…。」

ミョンジェの言葉に、ミン社長はしばらく沈黙した。

ミン社長「何であろうと私たちに二言はないわ」

「その代わり」ミン社長が続ける。

ミン社長「あなたが負けたら、ここへ呼んだ手下たちを全員撤退させて、綺麗さっぱり立ち去ってくださいな」
ミョンジェ「いいだろう」

「さぁ、ゲームをやろう」ミョンジェの掛け声でディーラーたちが再び動き出す。
ジュノはそっとVIPルームを後にした。

+-+-+-+

「何だって?!負けたらハン・ミョンジェにヨンダルを引き渡すって?!」ジャンスが声を荒らげた。

ジュノ「はい」

ジュノの視線が、黙って座っているヨンダルの横顔に移る。

ジェリー「ミン社長、どうかしてる!そんなこと賭けるなんてさ!」
ジャンス「なぁ、ヨンダル!ミン社長を呼んで、今すぐ止めろよ」

「ミン社長が勝ったら?」ヨンダルがジュノに尋ねる。

ジュノ「舎北に呼び寄せた手下を全員撤収させてて、本人も完全に舎北を去るようにと」

「それならいい」ヨンダルは穏やかにそう言った。

ヨンダル「続けさせろ」
ジャンス「おい、ヨンダル!」

ヨンダルが立ち上がる。

ヨンダル「ハン・ミョンジェが負ければ、数10億を失って文無しになるんだ。そんな勝負なら、やってみる価値は十分あるんじゃないか?」
ジェリー「ミン社長が負けたらどうすんだよ」
ジャンス「そうだよ!」
ジュノ「…。」
ヨンダル「最初から負けるのをビビっててギャンブルなんて出来るか。お前たちも愉しめばいい」

心配そうに見つめるジャンスたちを前に、ヨンダルは部屋を出た。

+-+-+-+

ヤンハはバーのカウンターにいた。
そこへユジンがやって来ると、黙って隣に座る。

ヤンハ「…。」
ユジン「もう酔ってるの?」
ヤンハ「いや」
ユジン「もう会うことはないと思ってたけど、どうして連絡したんです?」
ヤンハ「ホ・ヨンダルと何を条件に取引したんだ?」
ユジン「なんの条件もないビジネスだったわ」
ヤンハ「?」
ユジン「彼、自分のことをクズだチンピラだって言ってたけど、本物のクズは他にいるでしょ?」
ヤンハ「…。」

ヤンハは自虐的な笑みを浮かべた。

ヤンハ「何が望みだ?」
ユジン「私、ユン・ヤンハさんに本気で好きになってほしいわけじゃなかった。でも、プライドを傷つけるべきじゃないわ」

ユジンの目がひときわ冷たくヤンハの横顔に向かう。

ユジン「たかがディーラーなんかを好きになって私を弄ぶなんて、我慢ならないわ」
ヤンハ「たかがディーラー?」
ユジン「ホ・ヨンダルは私にとって別世界への好奇心よ。ユン・ヤンハさんにとってのオ・ジョンヒもそういう存在じゃなきゃダメ」
ヤンハ「…。」
ユジン「本気で好きになる対象じゃないから」
ヤンハ「…。」

325

「分かったから、もう帰れよ」ヤンハは辛うじてそう言った。

ユジン「私のプライドを傷つけた報い、もう少し受けてもらうことになるわ。私もユン・ヤンハさんに劣らず根に持つタイプだから」

ユジンが立ち去ると、ヤンハはグラスの酒を一気に流しこむ。

ヤンハ「…。」

+-+-+-+

VIPルームでは2勢力の命運を賭けた勝負が始まっていた。

ミョンジェがBANKER側にベットすると、ミン社長は反対側のPLAYERにベットする。
ジョンヒがそれぞれのカードを双方に渡した。
ミン社長はチラリとカードを見ると、ジョンヒに投げ返す。

PLAYER 4 3 合計7
BANKER 12(=0) A 合計1

※ドラマの序盤にもあったとおり、バカラは9に近いほうが勝ち。絵札は0扱い。とりあえず、それだけ覚えていれば大丈夫です。

PLAYERが勝ち、ミン社長にチップが入る。

+-+-+-+

待機しているヤン社長の元に、ミョンジェの側近が現れた。

ミョンジェの側近「もっと金を貸してほしい」
ヤン社長「いくら?」
ミョンジェの側近「あと10」
ヤン社長「合計30で全部の建物が担保になっちまいますよ。それでもいいんですか?」
ミョンジェの側近「さっさと用立ててくれ!」

「分かりました」相当焦っている側近の様子に、ヤン社長は溜息をつく。

ヤン社長「用意してくるからお待ちを」

+-+-+-+

待機していたのはヤン社長だけではない。
同じくじっと待っているチャンマダムの元へ、ヤン社長がやって来た。

ヤン社長「あいつ、あと10貸してくれってさ」
マダム「穴が開いた瓶に水を注いでるだけじゃないですか」

マンガンが笑う。

マンガン「俺たちの瓶でもないんだ。水が漏れようと別に心配ないさ」
マダム「…。」
マンガン「(ヤン社長に)金額はそれで確かですね?」
ヤン社長「もちろん。全部ミン社長が責任取るって言ってるから心配するな。それにな、担保にしたビル、売れば2倍になるぞ」

マダムとマンガンは黙って顔を見合わせた。

+-+-+-+

「もう決まりだ」ジャンスとジェリーがゲラゲラと笑いながらヨンダルの部屋へと入ってくる。

ジャンス「ハン・ミョンジェ、あんな怖い顔して、ギャンブルは完全にド素人だぞ」
ジェリー「(うんうん)」
ジャンス「いい感じで上がってきたと思ったら、逆に進んで自滅してやがる」

「運の欠片もないぞ」二人はまた笑う。

#「そこまで愉しめとは言ってない(by ヨンダル)

ジェリー「ミン社長は反対に賭けるだけで金が入るんだ」
ヨンダル「金額は?」
ジャンス「とっくに天井知らずだが、まだまだ大きくなってる。もう30億は吸い上げたはずだ」
ジェリー「いやぁ、30億か」

+-+-+-+

さて、ミョンジェに全て任せて暇なコ・ボクテは、今夜も会長室で観葉植物の手入れに勤しんでいた。
そこへ、スチャンが入ってくる。

スチャン「会長、ハン・ミョンジェから連絡がありました」
コ・ボクテ「仕事は?終わったのか?」

「それが…」スチャンが言いづらそうに口ごもる。

スチャン「金を送ってほしいそうです」
コ・ボクテ「いきなり何だ?」
スチャン「テジョンカジノのVIPルームでゲームをしている最中のようです」

「バカ者め!」コ・ボクテが声を荒げる。

コ・ボクテ「ホ・ヨンダルを捕まえろと言ったのに、ゲームだと?!」
スチャン「そのゲーム、ホ・ヨンダルが懸っているようです」
コ・ボクテ「どういうことだ?そりゃ」

+-+-+-+

「コ会長」VIPルームを出ると、ミョンジェは電話を受けた。

コ・ボクテ「ホ・ヨンダルが懸ってるって、それはどういう意味です?」

「確かなのか?」電話で説明を聞くと、コ・ボクテはそう尋ねる。

コ・ボクテ「分かった。そういうことなら金を借りてでも勝たなければ」

コ・ボクテが笑うと、そばで聞いているスチャンが眉間にしわを寄せた。

コ・ボクテ「すぐ金を送りますよ」

電話を切ると、コ・ボクテはさっそくスチャンに指示を出した。

コ・ボクテ「今すぐハン・ミョンジェに30億送金しろ」
スチャン「はい?そんなにたくさんお送りになる必要は…」
コ・ボクテ「1度きりの勝負だ。ミン社長が受け入れれば成り立つ話だから、金を送ってやれ」
スチャン「…承知いたしました」

+-+-+-+

VIPルームにミョンジェの側近が戻ってくると、コ・ボクテからの送金があったことを告げる。

ミョンジェ「ミン社長、俺はこれからデカく賭けるつもりだが、受けてくれるか?」
ミン社長「…。」
ミョンジェ「俺たち、ちまちまとやってないで、勝負しようぜ」
ミン社長「いくら賭けるつもりなんです?」

「30億」ミョンジェが指を3本だす。

場の空気が凍りついた。

ミン社長「…。」

「30億なんてベットしていいんですか?」マンボンがファランに尋ねる。

ファラン「はい。あちらのお客様の反対側に、29億7000万ウォンから30億3000万ウォンの間でベットなさればゲームは成立します」

※最大額と最小額の差が3000万ウォン以内であれば、金額はどんなに大きくてもいいと、ヨンダルがミョンジェに説明していましたね。

さすがのミン社長もじっと考えこむ。
ミョンジェは彼女の様子にニヤリと笑った。

ミョンジェ「ビビったようだな」

「少し考えて来るわ」ミン社長は席を立った。

+-+-+-+

別室で待っているミン社長とマンボンの元へ、ヨンダルたちが駆けつける。

ヨンダル「どうしたんです?」
マンボン「30億ベットするから受け入れてくれるかって、ハン・ミョンジェがな」
ジャンス「えぇ?!30億ですか?!」

「…。」ヨンダルはじっと前を見つめる。

ミン社長「ホ理事、私は自信がないわ。それを受け入れてもし負ければ、お金だけじゃない、勝負にも負けるのよ」
ジェリー「そうだな、兄貴。どう考えても無理だ。勝ってるところなんだから、時間さえ稼げば俺たちの勝ちなんだぞ」
ジャンス「あぁ、ヨンダル。無理して受け入れて負けでもしたら、本当に大変なことになる」

皆がヨンダルの決断を待った。

ヨンダル「…。」

+-+-+-+

ミン社長とマンボンがVIPルームに戻ってくる。
彼女が席につくと、ミョンジェは彼女の返事を待ち構えた。

ミン社長「受けるわ」
ミョンジェ「!」
ミン社長「ベットなさいな」

326

驚いたディーラーたちがポカンと口を開ける。

マンボン「兄貴、すっかりやられちまう前に、今からでもギブアップしたほうがいいですよ」
ミョンジェ「お前は黙ってろ、マンボン」
マンボン「…。」

「俺は…BANKERだ」ミョンジェはケースごとチップを前に差し出す。
「それなら私は、PLAYERね」ミン社長も全てのチップを出した。

「カードを配れ」ミョンジェがジョンヒに指示する。

ジョンヒ「No more bet, please」

ジョンヒが双方に2枚ずつ順にカードを配った。

+-+-+-+

ヨンダルはジャンスたちと共に、PC画面を食い入るように見つめた。
「どうにかなりそうだ」緊張でジャンスが声を上げる。

ジャンス「一発で9を出して終わらせなきゃな」

画面の中でミン社長がカードをめくっている。

ジェリー「ミン社長、表情が良くないぞ」
ジャンス「そうだな。おい、ハン・ミョンジェの顔見ろよ。笑ってるぞ」
ヨンダル「…。」

ジョンヒがミン社長側のカードをめくる。

ジョンヒ「PLAYER, 0」

ヨンダル「!」
ジェリー「2枚とも絵札!0じゃないか!」
ジャンス「どうしよう!」

ハン・ミョンジェ側がカードを差し出した。

ジャンス&ジェリー「0!0!0!0!」

ジョンヒがカードを表に返すと、絵札が2枚現れた。

ジャンス&ジェリー「やった!!!」

ホッとすると同時に「あいつ、何笑ってたんだ?」とジャンスが画面を指さしてぼやく。

+-+-+-+

ゲームは2巡目に進んだ。

PLAYERのカードがミン社長に、BANKERのカードがハン・ミョンジェに、一枚ずつ渡る。

「足さえ掴めばいいんです。そうすりゃこっちの勝ちですから」マンボンがそっとミン社長に告げた。
そっとカードをめくり、ミン社長はあからさまに肩を落す。

ジョンヒがカードを受け取り、表に返した。

ジョンヒ「PLAYER, No.2」

「…。」ミョンジェが手元にある自分のカードに視線を落とした。
ゆっくりと、彼は端からカードをめくる。

「0かAだ!」「0!0!」ジャンスたちは祈るように連呼しながら画面に見入った。

ミョンジェ「…。」

ミョンジェは厳しい表情でカードを確かめると、ジョンヒにカードを返した。
ジョンヒがカードを表に返す。

Aだ。

「Aだ!!!」ジャンスたちが歓声を上げ、抱き合った。
ずっと黙っていたヨンダルが、ようやく顔をほころばせる。

+-+-+-+

コ・ボクテとスチャンは会長室で顔を突き合わせ、ひたすら報告を待っていた。
スチャンの電話が鳴る。

スチャン(電話)「はい。はい?」
コ・ボクテ「…。」
スチャン(電話)「分かりました」

短い電話が切れた。

コ・ボクテ「どうなった?」
スチャン「送金した金を全て、一度に失ったそうです」

「何だと?」コ・ボクテは目を丸くした。

コ・ボクテ「一度で全額ベットしたのか?!」
スチャン「…。」
コ・ボクテ「そんなこと出来るのか?!」
スチャン「ミン社長が金額を受け入れさえすれば、十分可能です」
コ・ボクテ「ホ・ヨンダルを叩けと送り込んだものを、やすやすと追い払われるとは!!!」
スチャン「…。」
コ・ボクテ「情けないヤツめ」

コ・ボクテは低く唸り声を上げ、首を横に振った。

+-+-+-+

ここで一旦区切ります。

手に汗握る大勝負なのに、何だか淡々とした描写になってしまいました。
訳している私の作業も淡々そのもの(笑)

ミョンジェが0を出さなきゃミン社長が負けるからと、「0出ろー!」と皆が祈ると0が出るし、今度は0かAがでないと負けだぞ!って言うと、きっちりAが出る。
いかにも説明にならないように工夫はしてあるし、ある程度説明が入るのは仕方ないけど、これってもう少し何とかならないものですかねぇ。難しいね。

それにしても、長男と三男の「蚊帳の外」感が尋常じゃないです…。
ユジンが怒ってるのは結局、自分を差し置いてディーラーに熱を上げたから?えぇっ?

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