韓国ドラマから美しい言葉を学ぼう

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2weeks(イ・ジュンギ)15話あらすじ&シーン対訳or日本語訳

   

イ・ジュンギ、キム・ソヨン、リュ・スヨン、パク・ハソン出演「Two Weeks」15話です。

1733

さっそく…。

+-+-+-+

訪ねてきたテサンとの話を終え、彼を送り出したチョ・ソヒはムン・イルソクに連絡を取った。
「たった今チャン・テサンが会いに来た」と。

すぐに出掛けた彼女の車を、テサンとチェギョンが陰から見送る。
チョ・ソヒの行動はテサンの予想通りだった。

~~前日 スジン救出後

テサン:
手術まであと2日なんです。
それまでにムン・イルソクとチョ・ソヒを捕まえてこそ、俺は堂々と手術室に入れる。

チェギョン:
2日の間にムン・イルソクとチョ・ソヒを二人とも捕まえる?
どうやって?

テサン:
まずはムン・イルソクです。
ムン・イルソクの代わりにファン・テジュンを犯人として追い込むんだ。

チェギョン:
ファン・テジュンを?

テサン:
ムン・イルソクはどこに行くにもファン・テジュンを連れて回る。
ミスクを殺したときファン・テジュンも一緒にいたように。
ナイフはファン・テジュンのものだし、俺のアリバイ工作の指示も、
それに、今日病院で睡眠薬入のドリンクを配った女も、間違いなくファン・テジュンが指示してる。

チェギョン:
ファン・テジュンを犯人として追い込み、
真犯人はムン・イルソクだっていう自白を誘導するってことですね?

テサン:
いいえ。
ムン・イルソクがファン・テジュンを真犯人に仕立てるよう仕向けるんだ。

チェギョン:
ムン・イルソクがファン・テジュンを真犯人に仕立てる?

テサン:
(頷く)ファン・テジュンは簡単にはムン・イルソクを裏切れません。
20年以上そばにいたんだ。ムン・イルソクは裏切り者を絶対に許さないって分かってる。
真犯人にされるかもしれないと怯えているところに、背信感まで感じるように仕向けるんだ

チェギョン:
背信感?(頷く)ムン・イルソクならそうするかもしれませんね。
それなら、刑事たちがファン・テジュンをターゲットにしているよう捜査させます。

テサン:
(頷く)あ、それと、さっきチョ・ソヒの家と写真館が同じ会社の名義だって言ってましたよね。

チェギョン:
間違いなくムン・イルソクのペーパーカンパニーです。

テサン:
それらの登記簿謄本と…あぁ、望遠鏡は俺が持ってるから、カメラを手に入れてください。
それに、写真館に閉じ込められてるときに送られてきたイネの動画、CD-Rに焼いて。

チェギョン:
そんなもの、全部どうするんです?

テサン:
”第二のカメラ”を作れば、チョ・ソヒも捕まえられます。

チェギョン:
”第二のカメラ”?
二人が会う現場を撮ろうってことですか?

テサン:
いえ。チョ・ソヒとムン・イルソクでなく、俺とチョ・ソヒです。

チェギョン:
!…あなたがチョ・ソヒに会うって?!

テサン:
(頷く)チョ・ソヒを訪ねて行って、取引するんです。

チェギョン:

テサン:
ムン・イルソクとチョ・ソヒのコネクションを示す証拠を持ってチョ・ソヒを訪ね、
”俺にはムン・イルソクが真犯人だという確かな証拠がある”
”だから、ムン・イルソクを殺人犯として捕まえるのを見過ごしてくれれば、コネクションは伏せてやる”と。
そうすれば、チョ・ソヒは26日のオークションのために、ムン・イルソクに俺の話を伝えるだろうし、オークションまで2日しかないムン・イルソクは、直ちに何らかの手を打たなければならない。

チェギョン:
どうにかして捜査線上から逃れようとするでしょうね。

テサン:
その間に検事さんは俺がチョ・ソヒに会ってる写真を撮ってください。

チェギョン:
全国民の尊敬するソウル市長候補が脱走犯に会った…。
それなのに通報もしないで返したと…。
簡単に収拾できることじゃなさそうだわ。

テサン:
ムン・イルソクのことは言い逃れができても、
俺は言い逃れようのない人物だから。

チェギョンは思わず笑った。

テサン:
どうしたんです?
雲を掴むような話ですか?

チェギョン:
いえ。こんなに頭の回転が早い人が、今までどうしてこんなふうに生きてきたんだろうって。

テサン:
(笑う)…とにかく、その写真を撒いたときのチョ・ソヒの反応を見れば、
検事さんが解けずにいた宿題の答え、見つけられるかもしれません。

#テサンの話をひたすらなぞり続けるチェギョンの受け答え。
どんだけ素直なんだと苦笑い^^;

~~

チョ・ソヒ面会後の二人へ戻り…

チェギョン:
もう犬は追い込んだから、猫に噛み付くのを待てばいいわね。

テサン:
犬の方は俺に任せてくれ。

チェギョン:
私はウィノス通商の代表を突き止め次第、また連絡します。
捜査権ももう一度確保するわ。

テサン:
時間がない。早く動こう。

+-+-+-+

チョ・ソヒとムン・イルソクはあるビルの屋上で落ち合った。

#ちなみに、そばに見える建物をヒントに場所も調べたりする暇人^^;
別に重要な場所じゃないけど、クリックして航空写真で見ると、ちょっとリアル感が増します♪

지도를 클릭하시면 위치정보를 확인하실 수 있습니다.

テサンがチョ・ソヒの元へ持ち込んだ証拠の品々を見るムン・イルソク。

ソヒ:
ムン会長が殺人に関わっている証拠があるって。
黙っていてくれるなら、私の事情については口をつぐむと言ったわ。

イルソク:
イカれた奴め…どうして!(証拠の品を見て)いつの間にこんなもの…!

ソヒ:
私たち、慈善オークションは取りやめましょう。

イルソク:
取りやめ?!

ソヒ:
明日になるか明後日になるか、ムン会長がいつ殺人罪で逮捕されるかわからないのよ。
そうしたら落札金は誰が受け取るの?
ムン会長が落札金を受け取ったのを確認してから、折半分が振り込まれるのに。
誰か他の人に指示して落札金を受け取らせなさい。

イルソク:
…。

ソヒ:
私のお金は?
ムン会長が逮捕されて取り調べを受ける間、
ムン会長の口座に入るお金を信じて、私一人でこの件を進められると思う?

イルソク:
俺の殺人罪の証拠を掴んでると言ったって?
それは何だ?

ソヒ:
…。

イルソク:
聞かなかったんですか?!

ソヒ:
聞いたわよ。言うと思う?

イルソク:
確認もしなかったのか?天下のチョ・ソヒが?!

ソヒ:
(テサンに渡された資料を指し)これが見えないの?
こんなことまで暴かれたのよ。
娘の命を救うんだって目を血走らせていたわ。それなのに何を聞くっていうの?

イルソク:
これは一体どうなさったんです、図太い女傑が。
チャン・テサンのヤツ、どんな証拠を持ってるって言うんだ?!!!

ソヒ:
それはムン会長が調べることよ。
最低限、船はキャンセルして。こんな状況のままでは決して進めないわ。

イルソク:
2000億を諦めてこの国に居座ると?

ソヒ:
居座るんじゃないわ。居座る羽目になるのよ。誰のせい?

+-+-+-+

自社の駐車場に戻ってきたムン・イルソクは、エレベーターに向かって歩き出した。
と、そこへさっと横に並んだテサンの姿にギョッとして立ち止まる。

イルソク:
イカれた奴!ここをどこだと!

テサン:
通報しろよ。

イルソク:
何だと?

テサン:
もう通報もできないだろ。
俺が捕まれば、自分のやったこともバレるんじゃないかってな。
しかも、まだ逃げ道も用意できてないんだから。

イルソク:
何を企んでる?

テサン:
ムン会長、今ビビってんだろ。
全ての証拠はお前に向かっていて、チャン・テサンの奴が何を考えてるのかも分からない。

イルソク:
…。

テサン:
感じてみろ。得体のしれない不安感を。

イルソク:
ファン・テジュンとチョ・ソヒをつついたって…

テサン:
仲違いさせるなって?
これは仲違いって言わないだろ。
あのナイフがファン・テジュンのだって証拠があがれば、
ファン・テジュンに自白させるつもりだったんだろ?
けど、俺の録音機のせいでそれは出来ないし、チョ・ソヒと俺の取引まで知ったら、だんだん怖くなってきたろ?
チョ・ソヒのことを頼りにしてたのにさ。

イルソク:
…。

テサン:
チョ・ソヒは何て言ってた?
俺の言うとおりにするって言ってたろ。

イルソク:
おい!お前、ビビリもせずに軽口叩くんじゃないぞ。ドジョウ一匹が水をかき回したところでどうなる?

焦るイルソクに対し、テサンは落ち着いてエレベーターのボタンを押す。

テサン:
自分が稚魚だと思ったことないのか?

エレベーターの扉が開くと、「乗れよ」と目で合図し、彼は来た道を引き返し始めた。

テサン:
あぁ。ファン・テジュンは今何やってるだろうな?
”証拠があがればムン・イルソクはお前を自首させるぞ”って、
ファン・テジュンにそう言っといたぞ。

言葉もないイルソクを残し、テサンはその場を後にした。

+-+-+-+

会長室へ戻ってきたイルソクをイム室長が迎えた。
まずは、船を故障に見せかけて待機させてあるというイム室長。

テサンがチョ・ソヒと取引をし、ついさっき自分の前に現れたと、イルソクはイム室長に意見を求める。
テサンの頭の中が分からず、イルソクは焦りを募らせた。

+-+-+-+

ファン・テジュンは本当にイルソクが自分に罪をかぶせるのではないかと、恐怖に怯えていた。
彼はイルソクに指示されたとおり、前科のない適任者を探すが、目星をつけたソクトゥはなかなか連絡がつかない。
ソクトゥもまた、テサンに「会長がミスクを殺した」と言ってしまったことで、制裁が下るのを恐れているのだ。

隠れているソクトゥの電話がまた鳴った。
「ムン・イルソクだ」ショートメールを見るなり、ソクトゥは慌てて折り返した。

+-+-+-+

オープン準備中のあるナイトクラブに、スンウが入って来た。

スンウ:
ここで働いてる女の子は何人だ?

従業員はすぐに、昨日ファン・テジュンに「口が堅くて、顔のありふれた子を一人送れ」と言われたことに思い当たる。

従業員:
5人です。

スンウ:
6人だってことは分かってるんだ。
一人残らず全員連れて来い。

前日、睡眠薬ドリンクを配った女の写真を見たテサンは、それがこのクラブで働いている女性だとすぐにわかったのだ。
仕事中とても化粧の濃い彼女は、『魔術』というニックネームがついているほど。

6人の女性を前に並べたスンウは、そのうちの一人におしぼりを渡し、
化粧を落とすよう要求する。少しアイメイクがソフトになった彼女に、今度は黒縁メガネを掛けさせた。

睡眠薬ドリンクを配った女性が特定された。

警察署へ連れて来られた彼女は、すぐにそれがファン・テジュンの指示だったと告白する。
「絶対に化粧をせず、女子大生みたいな格好で病院の前へ来い。お父さんが回復した記念だ」と言われたと…。
彼女が来た時には、もうドリンクが用意されていたという。

そこへ駆け込んできたキム刑事が、ミスク殺しに使われたナイフがファン・テジュンの物であると特定されたことを告げた。

+-+-+-+

イルソクはファン・テジュンを呼び出した。
今置かれている状況には素知らぬ顔で、自首させる要員としてソクトゥを質屋の前に呼んでおいたと告げる。

また、警察がミスク殺しの凶器に使われたナイフの出処を突き止めたから、
そのナイフもソクトゥに渡しておき、ソクトゥにプレゼントしてやった物だと言えばいいと吹き込む。

テジュンの経営するクラブを譲ってやると言って餌にしろというイルソクに、不安を覚えるテジュン。
そこへすかさずイルソクは、ユジンガスさえ手に入れれば、お前にこのソンシンキャピタルを譲るとほのめかす。
すっかりその気になり出掛けるテジュン。

+-+-+-+

さっそく室屋に向かおうとテジュンが車に乗り込む。
ソクトゥに電話をし、「室屋の前で身動きせずに待ってろ」と指示するテジュン。
発進してハッと気づくと、いつの間にか後部座席にはテサンが座っていた。

テジュン:
なななっ!

テサン:
どうした?幽霊でも見た気分か?

テジュン:
自分から俺の車に乗り込むとは?(?)

テサン:
ソクトゥに会いに行かないの?
お前、ソクトゥに会いに行くところなんだろ?ムン・イルソクに言われて。

ドキリとして車を止めるテジュン。

テサン:
けど、そこに行けば、待ってるのはソクトゥかな?警察かな?

テジュン:
何言ってるんだ?!

テサン:
”ソクトゥ、お前、ファン・テジュンに会いに行くついでに、警察も一緒に呼んでおけ。
ファン・テジュンがナイフを持ち歩いてるのを見たってな。
ソクトゥ、お前、俺の言うとおりにしなかったら、ファン・テジュンの代わりにお前が牢獄行きだぞ”

テジュン:
…。

テサン:
”オ・ミスクを刺したナイフもファン・テジュンのものだし、
オ・ミスクを殺したのだってファン・テジュンだ。
テサンも録音機でそう言ってなかったか?”

テジュン:
何の戯言を!

テサン:
ファン社長、もう俺を殺したって、オ・ミスク殺害罪からは絶対逃れられないぞ。

テジュン:
俺はオ・ミスクを殺してないぞ!!!

テサン:
あんたがそう言ってるだけだろ。
殺人幇助、証拠隠滅、アリバイ工作、拉致共謀まで、
それを全部合わせたら何年入ることになるかな?
それがオ・ミスク殺人罪になれば?最低20年は喰らうな。

テジュン:
…。

テサン:
それに付け加えて、イネ拉致、スジン拉致未遂、
春川で俺とパク検事の拉致・殺人未遂まで。
はぁ…これじゃ少なくとも30年は喰らうだろうな。

テジュン:
…。

テサン:
『魔術』捕まったぞ。

テジュン:
何?!

テサン:
(焦ってたようだな?)俺がこの界隈で何年生きてきたと思ってんだ?
スジンの拉致までしたくせに、こいつ…
俺が顔を知らない女を使ったとしても、地の果てまで追って行ってお前を殺してやったはず。
俺が見過ごすとでも思ったのか?

テジュン:
…。

テサン:
春川で俺とパク検事が拉致されたとき、お前は指揮をとっていなかったと証言してやる。
そうしたらお前、ムン・イルソクの指示に従った謀議と、殺人の証拠隠滅が残るだけだ。
…(前を指す)出発しろよ。

テジュン:
…。

テサン:
行って自分の目で確認するべきだろ。
俺の言うとおりか、ムン・イルソクの言うとおりか。

+-+-+-+

質屋から少し離れたところにテジュンは車を止めた。
質屋の前にはソクトゥが一人で立っている。

テサン:
他の場所に来いと言うか、ちょっと遅れるって言うんだ。

テジュンはその場からソクトゥに電話し、遅れるからクラブへ来るようにと指示する。
そのまま様子を見ていると、質屋のビルの中からスンウとチン・イルドが出て来て、ソクトゥと話し始める。

テジュン:
!!!

1732

テサン:
(ニヤリ)俺の携帯の番号、知ってるよな?
どうするか決めたら、俺に電話しろよ。
あぁ、(前を指差し)イム刑事に連絡してもいいぞ。

テジュンの肩を叩き、テサンは車を降りた。

+-+-+-+

チェギョンは重い足取りで部長室のドアを叩いた。

一通の封筒を差し出し、彼女は口を開く。
「辭職書(辞表)」だ。

チェギョン:
懲戒委員会をあと2日だけ延期してください。
その後、退くつもりです。

部長:
チョ・ソヒの側に立ち、ムン・イルソクを釈放させたときは何も問いたださなかったくせに。

チェギョン:
何も聞けなかったんです!
…怖くて。
ご存知じゃないですか。私がどれほど部長を信じていたか。

部長:
なぜ信じた?
なぜ人を信じる?

チェギョン:
…。

部長:
俺は何者でもない、ハン・ジョンウだ。
俺の心の中だって、腹の底までハン・ジョンウだ。

チェギョン:
私の知る部長はチョ・ソヒの圧力に屈して、ムン・イルソクを釈放させるために、部下を足止めなさる方ではありませんでした。

部長:
俺は辞めるつもりだ。(?)
それなら検事服を脱いで出て行ってやるのが、この業界の慣例だからな。
うちの子たちは中学生と高校生なんだ。

チェギョン:
言い訳なさるのはやめてください。
弁護士になるために、前もって収入を確保なさったんですか?

部長:
(頷く)それでも、チャン・テサンがムン・イルソクの家に侵入すると知っていたら、そんなに早く釈放することに同調しなかった。
それを言わなかったのは、お前の失態だ。

チェギョン:
部長が負担に思われるのではないかと言わずにいたんです。

部長:
蛇以上のものを相手にしながら、なぜあらゆる状況を計算しなかった?
俺のこともお前の計算に入れておくべきだろう。

チェギョン:
…えぇ。わかっています。
自分がどれほど至らなかったか、どれほどせっかちだったか、どれほど資格不足か、ものすごく痛感しています。

部長:
辞める前に権力にへつらって堕落した俺を、また必要とする理由は何だ?

チェギョン:
二日後はスジンの手術です。
無事手術を受けて、私のせいでチャン・テサンが背負った無念な濡れ衣、晴らしてあげたいんです。

部長:
二日後までにムン・イルソクを真犯人として捕まえる自信はあるのか?

チェギョン:
(頷く)あると思います。

部長:
分かった。二日だ。

チェギョン:
…。

部長:
しっかりやれ。

+-+-+-+

部長室を出て溜め息をつくチェギョンの電話が鳴った。

テサン(電話):
ファン・テジュン、上手く釣れましたよ。

チェギョン(電話):
そうですか?!

テサン:
確実に逮捕の準備を整えて。
絶対に逃しちゃ駄目だ。

チェギョン:
分かりました。警察署で待機します。

+-+-+-+

怖い顔で自分の経営するクラブへやって来たテジュンは、奥の金庫へ向かい、そこから箱を取り出した。
それを開けると、血で赤く染まったワイシャツが出て来る。
袖には「ムン・イルソク」と名前が刺繍されていた。

+-+-+-+

ムン・イルソク逮捕の準備は整った!
テサンは待ちきれずにやって来たのは、スジンのいる病院だ。

携帯電話を取り出すと、彼は病院の前でイネにメールを打った。

テサン(メール):
수진이는 좀 어때?
スジンはどう?

イネの携帯に着信が入る。

イネ:
수진아, 아빠가 너 좀 어떠냐네.
(スジンに)スジン、お父さんがスジンはどうしてるって。

スジン:
괜찮다고 해.
(起き上がる)大丈夫だって言って!

イネ:
직접 말할래?
(携帯をスジンに)自分で言う?

スジン:
그럴까?
そうしよっかな?

そこへまたメールが入る。

スンウ(メール):
수진인 좀 어때요?
놀란 건 좀 진정 됐나?
スジンはどうです?
驚いたのは少し落ち着いたかな。

スジン:
…。

イネ:
왜? 뭐라는데?
どうしたの?何て?

スジン:
아저씨야.
おじさんだよ。

イネ:
…아저씨야?
아저씨구나.
…おじさん?
(携帯を受け取り)おじさんだね。

~~以前、「お父さんとの写生大会」に二人でやって来たスンウとスジン

お父さんと仲良く絵を描く他の子から離れて、スジンはやはり寂しそうだった。
終了の合図が聞こえ、周辺を歩いていたスンウがスジンの元へ戻ってきた。
彼にスジンが見せた絵は…

1734

スンウ:

スジン:
이게 아저씨에요.
아빠가 왼쪽, 어저씨가 오른쪽이에요.
これがおじさん。
お父さんが左側で、おじさんが右側なの。

スンウ:
아… 아저씨랑 아빠 같이 그렸어?
어떻게, 어떻게 이렇게 그렸어?
あ… おじさんとお父さん、一緒に描いたのか?
(感激)どうして…どうしてそんなふうに描いたんだよ?

スジン:
음…음… 왜냐면요,
수진이 유치원 입학 때 아저씨가 와 주고,(?) 때도
그동안 아빠 대신 보디가드 해 줬으니까요.
えーと、えーと、どうしてかって言うとね、
スジンが幼稚園に入るときもおじさんが来てくれたし、(?)のときも。
今までお父さんの代わりにボディーガードしてくれたから。

スンウ:
진짜 서수진, 너 이럴래?
…全くソ・スジン、そんな手で来るのか?

スジン:
왜요?
どうしたの?

スンウ:
꼭 아빠 돼 달라는 프로포즈 받는 기분이잖아.
야, 이것 엄마한테 프로포즈 할 때보다 더 떨린다.
まるでお父さんになってくれってプロポーズされた気分だ。
なぁ、お母さんにプロポーズするより震えるよ。

スジン:
에이 거짓말!
もう!嘘ばっかり!

スンウ:
진짠데?
ホントだよ。

スジン:
진짜에요?!
어떻게 진짜에요?
어저씬 엄마 좋아하는 건데?
ホントに?
どうしてホントなの?
おじさんはお母さんのことが好きなのに。

スンウ:
엄마가 너무 좋으면 엄마가 좋아하는 사람도 좋아해지는 거거든.
우리 수진이는 서인혜엄마가 세상에서 제일 사랑하는 사람이니까.
お母さんがすごく好きなら、お母さんが好きな人も好きになるんだ。
スジンはソ・イネお母さんがこの世で一番愛してる人だからな。

スジン:
그건 그래요.
それはその通り。

スンウ:
그러니까.
だからさ。

スジン:
아, 근데 난 아닌데?
あぁ、でも私は違うんだけどな。

スンウ:
?

スジン:
난 아저씨가 나한테 잘해 줘서 아저씨가 좋은 건데?
私、おじさんが私に優しくしてくれるから好きなの。

スンウ:

スジン:
엄마가 좋아해서 좋은 거 아닌데?
お母さんが好きだから好きなんじゃないよ。

スンウ:
아이고…이이고 우리 수진이 뽀뽀!
全く…ホントに…スジンは!(頬を向け)チューして!

頬にチューしてもらい、感激でよろけてみせるスンウ。
二人は楽しそうに笑いあった。

~~

スジンはメールを見つめ、深い溜息をついた。

イネ:
?…서수진, 너 방금 한숨 쉰거야?
?…ソ・スジン、あんた今溜め息ついたの?

スジン:
걱정이 많아서 그래.
いろいろ心配事があるから。

イネ:
고맹이가 무슨 걱정 또 생겼을까?
다행이 감염도 안됐고 열도 많이 내렸는데.
おチビちゃんにどんな心配事が出来たのかな?
感染もしてないし、熱もだいぶ下がったのに。

スジン:
엄마, 산이랑 해랑 달이랑 셋이 같이 있을 수는 없는거지?
お母さん、山と太陽と月は三人一緒にはいられないよね?

イネ:
응?
え?

スジン:
산이랑 해랑 달이랑.
山と太陽と月。

イネ:
그건 안되지?
해는 낮에만 있고 달은 밤에만 있는데.
そりゃダメだよ。
太陽は昼だけだし、月は夜だけなんだから。

スジン:
근데 산한테 필요한 건 해지?
해가 있어야 산에 나무도 살고 꽃도 피고 그러잖아.
だけど、山に必要なのは太陽でしょ?
太陽がないと、山には木が生えないし、花も咲かないもん。

イネ:
응, 그렇겠지? 아무래도 달보단…!
うん、そうだろうね。どう考えても月よりは…!

ようやく気づいたイネは驚いてスジンの描いた絵を見た。

イネ:
수진아, 너 저 게…
スジン、あんた、あの絵は…

スジン:
나는 그냥 아빠가 좋으니까.
私、お父さんが好きだから。

イネ:

スジン:
아저씨도 좋은데 아빠는 아빠니까.
おじさんも好きだけど、お父さんはお父さんだもん。

病院へ入って来たところでスンウの携帯が鳴った。

スジン(メール):
아저씨, 수진이에요.
수진이 괜찮아요.
열은 조금 남았는데 살 만해요.
おじさん、スジンです。
スジンは大丈夫です。
熱はまだ少し残ってるけど、辛いほどじゃないよ。

スンウ:
자식, 신경 써 주군.
지 아빠도 만났다면서.
こいつ、気を遣って…。
お父さんにも会ったのに。

1735

待合室にいるテサンの電話にもメールが入る。

スジン(メール):
아빠, 수진이에요.
수진이 괜찮아요.
열은 조금 남았는데 참을 만해요.
お父さん、スジンです。
スジンは大丈夫です。
熱はまだ少し残ってるけど、我慢できるよ。

テサン:
다행이다. 다행이야.
良かった…。良かったな。

1736

テサンは「イネ、ムン・イルソクはもうすぐ逮捕され…」とメールを打とうとして、やはり思い直して削除する。
病院内を歩いていると、向こうからやってくるスンウと出くわした。

+-+-+-+

テサンとスンウは人気のない待合室に並んでいた。

スンウ:
수신이 만나러 왔어요?
スジンに会いに来たんですか?

テサン:
꼭 보려고 온 건 아닙니다.
必ずしも…会おうと思って来たわけじゃありません。

スンウ:
문일석 체포되고 나면 그쪽도 자수해서 조사받아야 되는 건 알죠?
ムン・イルソクが逮捕されたら、そちらも出頭して取り調べを受けなきゃならない。
それは分かってますよね?

テサン:
…네.수진이 수술 끝나구요.
…えぇ。スジンの手術が終わったら。

スンウ:
수진이 수술 끝나구요.
근데 나한테 조사 받을 일은 없을 것 같으니까
그건 걱정 안 해도 됩니다.
(頷く)スジンの手術が終わればです。
でも、俺に取り調べを受けることはないから、
それは心配しなくても大丈夫です。

テサン:
?

スンウ:
문일석 체포하고 나도 감사방 가서 조사 받아야 하니까요.
ムン・イルソクを逮捕したら、俺も監査を受けなきゃならないから。

テサン:

スンウ:
…비겁하게 말 못했습니다.
미안합니다.
…卑怯にも言えずにいました。
すみません。

テサン:

スンウ:
그 디카 문일석한테 내가 넘겨 줬어요.
あのカメラ、ムン・イルソクに渡したのは俺なんです。

テサン:
…압니다.
…知ってます。

スンウ:
?! …아,인혜씨가 말했구나.
?!… あぁ、イネさんが話したんですね。

テサン:
인혜가 말했을리가.
(首を横に振る)イネが言うはずがない。

スンウ:
?

テサン:
3일전에 공사장에서 나 따라왔을 때,
그 때 알았어요.
3日前、工事現場まで俺を追って来たとき、
そのときに気づいたんです。

~~3日前、自首を装ってキムを捕まえたときのこと

スンウ:
그날 총 쐈던 거 미안하다.
あの日、撃ったこと…すまなかった。

テサン:
그 말 하려고 총 갖고 쫓아왔나?
それを言いに、銃を持って追いかけて来たのか?

スンウは腰の銃に掛けていた手を下ろした。

テサン:
수진이 수술 날까지 무사히 갈 테니까
괸히 나 쫓느라고 힘 빼지 말고
수진이하고 인혜 잘 지켜.
スジンの手術の日には無事に行くから。
俺を追うのに力を無駄遣いしたりせずに、
スジンとイネをちゃんと守れ。

スンウ:

テサン:
문일석이 인혜를 아니까 보호하라고.
인혜까지 끌여들어서 미안합니다.
ムン・イルソクはイネのこと知ってる。保護してほしい。
イネまで引きずり込んで…謝ります。

スンウ:
나도…미안합니다.
俺も…謝ります。

テサン:
?

スンウ:
수신이 수술 전까지 몸 잘 지켜요.
혹시 무슨 일이 있거나 내 도움이 필요하면 언제라도…
スジンの手術の日まで体に気を付けて。
もし何かあったり、俺の助けが必要なら…

テサン:
그럴 일이 없습니다.
そんなことにはなりません。

スンウ:
오미숙 사건 제조사하고 있어요.
수진이 수술 전에 어떡하든 진범 찾아낼게.
オ・ミスク事件、再捜査してるんです。
スジンの手術までに、何が何でも真犯人を捕まえる。

~~

テサン:
당신의 그 미안한 눈, 수진이 수술 걱정,
그리고 수술 때까지 내가 살기를 바라는 마음.
あなたのその心苦しい目、スジンの手術への心配、
それに、手術まで俺が生き残ることを願う気持ち。

スンウ:
그 때 알았다고?
そのときに気づいたと?

テサン:
절대 인혜가 뒤를 밟히지 않게 했었거든.
(頷く)絶対にイネの後をつけられないようにしてましたから。

スンウ:
그 때 알았으면서 왜 인혜씨한테 말 안했지?
そのとき気づきながら、どうしてイネに言わなかったんだ?

テサン:
인혜한테 말해서 얻어지는 게 뭔데?
イネに言って何が得られる?

スンウ:
?!

スンウ:
인혜 마음만 아프지.
イネが心を痛めるだけだ。

テサン:

そこへスンウの電話が鳴った。
『ファン・テジュン』

テジュンはイルソクがミスク殺害のときに来ていた服を持ち、警察署の前に来ていた。
報復を恐れるテジュンは、証拠の品だけ警察署の前に置き、イルソクが逮捕されて留置場に入るまでは絶対に自首も証言も出来ないと言う。
先に自首すれば、イルソクの手の者に殺されるのだ。テサンのように。

電話が切れた。

テサン:
뭐랍니까?
何と言ってました?

スンウ:
증고는 경찰서에 갖다 놓고
증언은 문일석 잡힌 후에 한답니다.
証拠は警察署に持って来てあり、
証言はムン・イルソクが捕まってからするそうです。

テサン:
증고는? 확실하대요?
証拠は?確かなんですか?

スンウ:
박검사 경찰서에 있으니까, 바로 확인해 보라고 할게요.
パク検事が警察署にいるから、すぐに確認するよう言いましょう。

いよいよ待ちに待った時が来た。
テサンの心が踊る。
スンウが立ち上がった。

スンウ:
그동안 고생 많았어요.
これまで…随分苦労されましたね。

テサン:

スンウ:
난 그럼 문일석 잡으러 갑니다.
じゃあ俺はムン・イルソクを捕まえに行きます。

1737

二人は笑顔で別れる。

+-+-+-+

ヤン班長とチェギョンがすぐに証拠品を確認した。
箱のなかには血のついたシャツと、住所の書かれたメモが入っている。
ムン・イルソクが普段から利用しているオーダーメイドシャツ店の住所だ。
科学捜査に送るよう、依頼するチェギョン。

ヤン班長:
(血のついたシャツを見て)こいつ、何でこんなもの持ってたんだ?

チェギョン:
見て学んだんでしょう。
ムン・イルソクがやって来た手法…そのままです。

+-+-+-+

眠っているスジンのそばで、イネは山と太陽の絵を見つめていた。

「昔々、山と太陽が愛しあったの。
すご~~く愛しあったのに、別れちゃったの」

「だから、仕方なく山は熱くて暑くて汗が止まらないって、
太陽に怒ったの。ちょっと寝ようって。
本当はね、山は100日眠れなくったっていいくらい、太陽が好きだったのに」

「それで太陽は行っちゃったの?どこに行ったの?」

「たぶん月のところへ行ったんだよ」

知らないうちに、自分たちの事情を察し、悲しんでいたスジン。
イネは今まで気づかずにいた。

そのとき、イネの電話が鳴る。
『スジンのお父さん』

イネ(電話):
여보세요.
もしもし!

テサン(電話):
어, 인혜야, 나 장태산.
あ、イネ。俺だ、チャン・テサン。

イネ:
어.
うん。

母に背を向けたまま、スジンがそっと目を開けた。

1738

テサン:
저기, 문일석이 진범이란 증고가 나와서
나 이제 누명 벗을 수 있게 됐거든.
あの…、ムン・イルソクが真犯人だっていう証拠があがって、
俺やっと濡れ衣が晴れることになったんだ。

イネ:
!!! 진짜?
!!!本当に?

テサン:
그래서 이제…
だから、もう…

イネ:
지금 어디야?
병원이야?
今どこ?
病院なの?

母の嬉しそうな声を聞いたスジンは、そのまま静かに目を閉じた。

+-+-+-+

ベンチでそわそわして待っているテサンの元へ、イネが駆けつけた。

テサン:
늦었는데 수진이도 잔다면서 뭐하러 와?
遅いのに、スジンも寝てるのに何で出て来るんだよ?

イネ:
얼굴 보고 축하해 주려고.
…축하해요. 고생했어.
顔を見てお祝いを言いたかったの。
…おめでとう。大変だったね。

テサン:
고생이 무슨…
大変だなんて…

イネ:
수진이한테는 아빠 이제 나쁜 일 다 끝났다고 말해 줄게.
スジンにはお父さんの困ったことは全部終わったって、そう言ってあげるね。

1739

二人は心から笑いあった。

+-+-+-+

林の中の隠れ家で、キムは作業を続けていた。
どこか建物の図面を広げ、ボールペンでチェックを入れる。

「タップル(糊)なのか?」

自分に向かってそういった男性。
その男からはまだメールが届いていた。
なんとなく気になって、携帯を手に取るキム。

「携帯を充電しておけ」
キムは言われたとおり、充電ケーブルをつないでみる。

携帯の電源が入ると、溜まっていたメールが一斉に受信される。
キムは眉をひそめた。

「メールをみたらすぐ連絡しろ」
「避けようと思って避けられるものじゃない」
「電話しろ、タップル」
「どこにいるんだ?」
「何してるんだ?電話に出てくれ」
「写真を見てみろ」

写真…?
キムがメールを開くと、父子の写真が現れた。

1740

キム:
…。

そこへまたメールが届く。

「その万年筆はナイフとして使うために与えたんじゃない」

携帯を放り出すと、キムはまた無表情で作業に戻った。

+-+-+-+

キムに電話をかけ続けるチグクの元に、テサンが帰ってきた。

チグク:
왔냐?
帰ってきたか。

テサン:
아직도 이러고 계셨어요?
まだ起きていらしたんですか?

チグク:
봤는지 안 봤는지 도무지 답이 없다.
(携帯を見つめ)見たのか見てないのか、ちっとも返事がないな。

テサン:
진작에 문일석 찾아가서 속 시원하게 물어보지 그랬어요.
最初からムン・イルソクを訪ねて行って、ストレートに聞けばよかったんですよ。

チグク:
그랬으면 문일석 그 아이 시켜서 날 죽아리고 했을 거야.
そうすれば、ムン・イルソクはあいつを寄越して、俺を殺せと言ったろう。

テサン:
예?
え?

チグク:
아무리 모르고 있다고 해도 지 애비 죽이는 놈 만들 수는 없잖아.
いくら知らずにいたとしても、父親を殺せる奴は作り出せない。

テサン:

チグク:
…?

テサン:
아니, 어떻게 그런 생각까지 하시는지 모르겠어서요.
저는 아직도 모르겠는데요, 만약에 문일석이 정말로 내 아들을 저런 꼴을 만들어놨다면
저 단장 가서 죽여버릴 것 같더군요.
いや…何でそこまで考えるのか分からなくって。
俺にはまだよく分からないけど、もしムン・イルソクが自分の息子をあんなザマにしたら、
すぐにぶっ殺しに行くでしょうから。

チグク:
(お前は殺せなかったじゃないか?)

テサン:
네?

チグク:
문일석이가 네 딸 납치할라 그럴 때 문일석이 못 죽였잖아.
네 딸 때매 그런 거 아니야.
ムン・イルソクがお前の娘を拉致しようとしたとき、ムン・イルソクを殺せなかったろ。
娘のためにそうしたんじゃないか。

テサン:

チグク:
화는 나도 살인자 딸 만들기 싫어서 (?) 참은 거 아니야.
腹は立っても、殺人者の娘にしたくなくて、ぐっと堪えたんじゃないか。

テサン:

チグク:
애비라는 게 다 그런 거지, 뭐.
父親ってやつは皆そうさ。

テサン:
어쩌면 우리 아버지도 이럴 수도 있겠네요.
저를 싫어하신 게 아니라 말 못한 사연이 있었을지도 모르겠어요.
もしかしたら、俺の父さんもそうなのかもしれませんね。
俺を嫌いだったんじゃなくて、言えない事情があったのかもしれない。

チグク:
그래. 그러셨을 거야.
하… 딱풀이 빨리 잡혔으면 좋겠다, 이 놈이가.
あぁ、きっとそうだ。
(携帯を見る)はぁ…タップルが早く捕まればいいのに、こいつ…。

テサン:
문일석만 체포하면은 잡을 수 있어요.
ムン・イルソクさえ逮捕すれば、捕まえられます。

チグク:
체포?
逮捕?

テサン:
네. 오늘밤만에 체포될 거에요.
えぇ。今夜中に逮捕されますよ。

+-+-+-+

ムン・イルソクは自宅からソクトゥに電話を掛ける。
「テジュンにクラブで待つように言われた」というソクトゥの言葉にピンと来るイルソク。

+-+-+-+

ムン・イルソクの家に到着した刑事たちとチェギョン。
中に入るとそこはもぬけの殻だ。

暖炉の横に隙間が開いているのを見つけたチェギョンは、そこが地下室へと繋がっているのに気づいた。
地下室に降りると、そこは急いで物を持ちだした後があった。

+-+-+-+

ムン・イルソクは持ち出せるだけの物を持ち出し、一人で車を走らせていた。
ファン・テジュンは未だ応答がない。
そこへイム室長から電話が入った。

イルソク(電話):
どうなった?

イム室長(電話):
ファン社長があの日会長が着ていらっしゃったシャツを警察に渡したそうです。
あの日のシャツ、焼いていなかったんです。

イルソク:
何だって?何で焼いてないんだ?
靴まで全部焼けといったのに何故?!

イム室長:
…もう打つ手はありません。

イルソク:
す、すぐにチョ・ソヒに電話して俺を助けるように言え。
今すぐそのシャツを取り戻せと言うんだ!

イム室長:
どこに向かっていらっしゃるんです?

イルソク:
…。

イム室長:
会長?

しばらく走ったところで、ムン・イルソクは道端に車を停める。

イルソク(電話):
これだったんだ。
テサンのやつの狙いはこれだったんだ、イム室長。

イム室長:
(悶絶)

イルソク:
あいつが何故俺の前にまで現れたのかと思ったが、
俺がテジュンの奴をハメるのを、テジュンに分からせるためだった。

+-+-+-+

ムン・イルソクを取り逃した知らせは、すぐテサンに伝わった。
緊急手配をして探していると告げるチェギョン。

テサンが向かったのは病院だ。

そこにはパク刑事が見張りをしていた。

パク刑事:
ここはまだ何事もありませんよ。

テサン:
…えぇ。

+-+-+-+

チョ・ソヒは夜中にイルソクが自宅まで押しかけてきたと聞き、彼の待つ部屋へやって来る。

ソヒ:
何の真似?何しに来たのよ!

イルソク:
俺の買った家です。鍵の一つも持っていないと?

ソヒ:
正気を失ったのね。何事なの?時計を見る冷静さもないの?

イルソク:
時間を気にしている状況じゃないんです。

ソヒ:
チャン・テサンに…ハメられたの?

イルソクの眉がピクリと動く。

イルソク:
(笑)そうですね。

ソヒ:
どうしてここに来たの?

イルソク:
何故来たと思います?

ソヒ:
予定通りオークションを開催して、2000億を受け取らせてくれと?

イルソク:
…。

ソヒ:
刑務所で何十年も腐っていくようなムン会長じゃないから。

イルソク:
2000億を受け取って、船で脱出できるようにしてください。

ソヒ:
密航まで?

イルソク:
えぇ。俺がしくじったら、議員の2000億まで全部台無しになるのはよくお分かりのはずだが。

ソヒ:
お金は…まず私にちゃんと入るようにするべきだわ。

イルソク:
…。

ソヒ:
お金のことで私を脅したのはほんの昨日のことよ。
そんな目に遭ったのに、素直にムン会長の手にお金を渡したら、それは愚か者じゃない?

イルソク:
…。チョ・ソヒ、お前、俺相手にゲームを仕掛けようなどと思うな。

ソヒ:
…。

イルソク:
俺の口座に2000億が入るまで、24時間殺し屋に見張らせておく。

ソヒ:
私はね、金にしがみつく人に対して、お金を掛けたゲームを仕掛けたりはしないわ。

イルソク:
…。

ソヒ:
どうする?私の口座に変更する?

イルソク:
…。イム室長に処理させるから、明確に計算しろ。

ソヒ:
口座変更を確認したら、その瞬間、オークションは再び進めることにするわ。

イルソク:
…。

ソヒ:
早く出て行きなさい。目の血走ったパク・チェギョンが踏み込んでくる前にね。

+-+-+-+

テレビが速報を流し始めた。
オ某氏殺害事件の真犯人はチャン・テサンではなく、ソンシンキャピタル イルソク建設のムン・イルソク会長。
チャン・テサンは濡れ衣を着せられており、ムン・イルソクは全国に指名手配になったと。

隠れ家に身を寄せたイルソクの元に、キムとイム室長が集まっていた。

イルソク:
俺の人生はこうやって終わるんだな。
チャン・テサンのせいで…。

イム室長:
明日の船に乗るには、今夜のうちにインチョンへいらっしゃる必要があります。

イルソク:
俺の人生はこうやって終わるのかと言ってるんだ。
チャン・テサンのヤツのせいで!

イム室長:
…。

イルソク:
イム室長、お前は分かってるよな?
俺がこのまま去るわけにはいかないと。

イム室長:
あまりに危険です。

イルソク:
俺は去る前に…死んでもテサンのやつの(?)削いで行かなきゃならない。
イム室長、(?俺の株式を譲り受けろ?)

イム室長:
…。

イルソク:
明日朝の9時にテサンの娘の手術が始まるそうだ。
絶対に手術室に入らせるな。
俺の(棺桶?)を踏むまでは、テサンの奴は絶対に娘を救えない。

+-+-+-+

スジンのいる病棟の前を離れられず、悶々とするテサン。
そんな彼の様子を、パク刑事は何気なく観察していた。

テサンはイルソクの執念深さを誰よりもよく知っている。
テサンの策略にはまり、指名手配から逃れているイルソクが、絶対にテサンを放っておくわけがなかった。

+-+-+-+

翌朝早く、テサンは主治医の部屋で彼女を待っていた。

テサン:
すみません。許可もなく入って待っていました。

主治医:
夜のニュース、見ましたよ。濡れ衣が晴れたんですって?

テサン:
えぇ。それより先生、スジンの手術を一日でも早くすることは出来ませんか?

+-+-+-+

チグクの家に戻ったテサンを、チェギョンが訪ねていた。
焦りが隠せないテサン。

テサン:
ムン・イルソクは絶対にここまま黙ってはいません。

チェギョン:
手術の日、警備を強化します。

テサン:
それでは足りません。
自分の首がちぎれたって、一度喰らいついたものは飲み込むまで離さないヤツです。
どんな手を使ってでも報復してくるはずだ…。

チェギョン:
それでDr.パクに手術の日程を早められるかどうか聞いたんですか?

テサン:
(頷く)検事さんの助けが必要です。

+-+-+-+

チェギョンからの指示を受け、ト捜査官とキム捜査官は、チョ・ソヒとテサンが握手している写真をインターネットに掲載した。

報道機関が慌ただしく動き出す。
イ・ドンミョン記者もすぐに記事を書き始めた。

1741

『創造党チョ・ソヒ議員、脱走犯とある種の取引を?選挙を前に一波が万波に。

最近ソウル市長候補に立ったチョ・ソヒ創造党議員が2週間近く脱走を続けているチャン・テサン(32)氏と接触している場面が捉えられた。
これまでクリーンなイメージで確固たる支持基盤を固めていたチョ議員だが、今回の事件が選挙前に及ぼす波紋は小さくはなさそうだ。

25日、匿名の情報提供者が送った写真によると、チョ議員はソウル永登浦區大方洞の創造党の事務室にてチャン氏と会い、握手をしている。写真の中のチョ議員は淡々とした表情であり、チャン氏は脱走13日目には見えないさっぱりとした正装で、少し口角が上がっている様子だ…』

記事と写真は瞬く間にインターネットに広がり、記事には「これはどういうシチュエーションなの?」「チョ議員は何をやってるんだ?」「尊敬していた議員なのに」と書き込みが殺到した。

当然のことながら、チョ・ソヒの元に記者がやって来る。
外の騒ぎが耳に入ると、チョ・ソヒは静かに事務室の外へ出て、記者たちの前に立った。

#ちょっと記者が少ない…。

ソヒ:
私が本当だと言えば信じられますか?
違うといえば信じるのかしら?
この写真の真偽は、警察と検察が明らかにしてくれるでしょう。
現在の我が国の技術力ならば、このような写真の真偽は2,3日あれば明らかになるのでは?
すみやかな処理を願います。

+-+-+-+

病院の廊下でテサンとイネが話していた。

テサン:
パク先生から聞いたよな?

イネ:
(頷く)ムン・イルソクっていう人、ホントに怖しい人だわ。
どうしてここまでとことん人を苦しめるの?

テサン:
心配するな。
万が一何か起きたとしても、スジンのことは絶対に救う。

イネ:
…どうしてそんなこと言うの?全部うまくいくわ。

テサン:
分かってる。全部うまくいくから。

その二人の様子を遠巻きに見ていたのは、パク刑事だ。

#パク検事にドクターパクにパク刑事。この人は一番どうでもいいパクさん。
情報屋だと分かっても、依然としてどうでもいい存在。

+-+-+-+

アジトにいるイルソクたち。
昨日からキムが調べていたのは、病院の図面だった。
図面を広げ、非常口や経路、人員配置について丁寧に説明するキム。

イルソクは苛立って最後まで説明を聞くことが出来ない。

イルソク:
こんなものは捨ててしまえ!
俺はどうやって入って、どうやってチャン・テサンを刺せばいいんだ!!!
おい、集めた奴らの配置はお前が勝手にすればいいだろうが!!!

キム:
申し訳ありません。

イルソク:
爆弾で吹き飛ばすなり、催眠ガスで眠らせるなり好きにしろ!!!

そこへ、イム室長の電話がなる。
パク刑事からだ。
これまでとは比較にならないほど大きなネタなのでムン・イルソクに直接話したいと、通話を要求するパク刑事。

病院の警備中、テサンとイネの話を聞いたというパク刑事は、現金10億を要求する。
この情報を流せば、自分はもう警察にはいられないと判断したからだ。
情報を教えるのは金を受け取ってからだというパク刑事に、イルソクは人を向かわせると電話を切った。

イム室長:
会長、今下手に動けば危ないことはご存知じゃないですか!

イルソク:
(頷く)俺の株を全部持って来い。

イム室長:
はい?

イルソク:
チャン・テサンのヤツをどうしても殺すと言ってるんだ!!!

+-+-+-+

田舎道で待っているパク刑事の元へ、イム室長が現金入りのダンボール箱を持って来た。
金を受け取ったパク刑事は、「中で話を」と車に乗り込む。

+-+-+-+

イム室長は病院の警備スタッフにこっそり交渉していた。
CCTVを見て、2時間の間連絡をくれればいいんだと。
戸惑うスタッフに、イム室長は「2時間1億です」とアタッシュケースを差し出した。

+-+-+-+

イム室長がアジトに戻ってくる。
手術は今夜10時。開いている手術室は6と7だ。
そこは警察官の配置も最小限だという。

イルソク:
手術室が二つとは…。
(キムに)お前と俺、一つずつ受け持とう。

キム:
はい。

イム室長:
警備も手薄なんですから、キムを一人で行かせては?

イルソク:
俺が殺したいんだ、俺が。
自分の手で!
手術室が二つあるから一人で行けずに分担するんだ。

+-+-+-+

テサンとイネは手術について主治医から説明を受けていた。
簡単な検査の後、全身麻酔をし、2時間掛かって骨髄を摘出すると。
摘出したあとは、麻酔が切れるまでに時間がかかり、止血の必要もあるので、3,4時間は横になっている方がいいという。

病棟を出て来ると、イネはスジンに笑いかけた。

イネ:
頑張って。スジンのお父さん。

いよいよテサン側の手術が始まった。

+-+-+-+

黒いコートに身を包み、出掛ける支度を整えるイルソク。
そこへキムが声を掛ける。

キム:
お父さん。

イルソク:

キム:
僕は誰なんですか?

イルソク:
いきなり何のことだ?

キム:
コロンビアで偶然僕に会ったんではなく、もしかしてその前から…僕を知っていらっしゃったんですか?

イルソク:
…。お前は誰なんだ?

キム:
…。

イルソク:
お前が誰だから、俺がお前のことを知ってるんだ?
今更両親を探したいのか?
前は嫌だと言ったろ。

キム:
…。

イルソク:
この局面で、今お前の両親を探してほしいのか?

キム:
…いいえ。申し訳ありません。
車を回させます。

+-+-+-+

キム刑事は病院のロビー、チン刑事は非常階段、スンウとチェギョンはスジンのいる病棟前で警護を続けていた。

「医療機関洗濯専門」と書かれたトラックが病院の駐車場へ入ってくる。
運転しているのはキムだ。

ヤン班長は病院の警備室で、ずらりと並ぶCCTV映像に目を光らせていた。
警備員が彼の目を盗み、イルソクにメールを送る。「(イ・サン・ム?)」

業者に扮したイルソクとキムが、洗濯した医療用品をカートに乗せて運びこむ。
二人は二手に分かた。

#うーん、キムは変装してもわかるけど、ムン・イルソクは完全に業者のおじさんだ…。

イルソクはエレベーターに乗り込み、キムは非常階段へ回る。
電話で友人に愚痴をこぼすチン刑事の隙をつき(←アホー!)、キムは非常階段の扉を開け、中へ侵入した。

+-+-+-+

全身麻酔を受けたテサンは、すっかり眠りに落ちていた。
手術室の前を守るパク刑事からメールが入る。
「チャン・テサンの手術室は7番のようです。そこから30分前に担当医師が出て来るのを見ました。チャン・テサンは麻酔で目覚めません」

まんまと手術室の前へやって来たイルソクはさっと7番の部屋の中へ入る。
そこにスタッフは誰もおらず、薄暗い部屋の中央で、テサンが眠っていた。

イルソクはベストの中に隠し持ったナイフを取り出す。
ゆっくりとテサンに近づくと、それを高く掲げた。

+-+-+-+

ここでエンディングです。

⊂⌒っ*-ω-)っZzz…モウダメ

すみません、これまでボーっとしていて2000億を1000億と書いていたような…。
培違いますが、ピンと来ない大金であるには違いないので、どうかお許しくださいませ<(_ _)>

 - Two Weeks ,

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