2weeks(イ・ジュンギ)16話(最終話)あらすじ&シーン対訳or日本語訳
イ・ジュンギ主演「Two Weeks」最終回です。
なぜこんな訳のわからん警備体制なんだ?と悶々とした夜が明け、いよいよ最終話に取り掛かります。
悪あがき、阻止なるか!
ではさっそく。
+-+-+-+
キムはもうひとつ、空いていると聞いた手術室へ入った。
人が横たわっている。
その人物の顔を見た瞬間、彼はギクリとして目を見開いた。
チグクだ。
チグク:
”大将”だ。
父さんと呼ぶ代わりに、お前がつけてくれたあだ名。
「大将!」そう呼ぶ子どもの声がキムの頭の中に蘇る。
キム:
!!!
チグクはゆっくりと起き上がった。
キムの前に進み出ると、万年筆の本体を出し、ピンクのキャップを外す。
キムの胸ポケットに差してあるキャップを取ると、それにはめる。
それはピッタリとはまった。
チグク:
お前は…ハン・チニョクだ。
キム:
!!!
キムは手に持っていたナイフを落とした。
+-+-+-+
イルソクは振り上げたナイフを眠っている人物に思い切り突き刺した。
イルソク:
?!
妙な感触に、イルソクはその人物に掛かっているシートを剥ぐ。
それは…人形だった。
~~その日の午前10時
テサンはチグクの家でチェギョンと話していた。
テサン:
ムン・イルソクは絶対に黙ってはいません。
チェギョン:
手術の日の警備を強化しますから。
テサン:
それでは足りません。
自分の首がちぎれたって、一度食らいついたものは飲み込むまで離さないヤツです。
どんな手を使ってでも報復するに違いない。
チェギョン:
それでDr.パクに手術の予定を早められるか訊いたんですか?
テサン:
(頷く)検事さんの助けが必要です。
チェギョン:
検査が必要だから、骨髄を先に摘出することは出来ないって言ってたのに。
テサン:
…。
チェギョン:
話して。
テサン:
ムン・イルソクを逮捕できなければ、スジンの手術が無事済んだとしても、イネとスジンは生涯不安の中で行きなきゃならない。
無視された恨みでチグクおじさんの子どもをさらって外国へ飛ばしたヤツなんです。
チェギョン:
…。
テサン:
俺はそれ以上でしょう?
チェギョン:
やられて黙っているヤツじゃないのは私も分かってます。
テサン:
絶対に密航か何かするはずだ。
密航してでも誰かを送り込んで、イネとスジンに危害を与えるはずです。
チェギョン:
手術の前にムン・イルソクを誘い出して捕まえようってことですか?
テサン:
(頷く)えぇ。
ムン・イルソクは明日の朝9時に俺が骨髄を摘出するって知ってます。
チェギョン:
!
そこへチグクが戻ってきた。
伸ばし放題だった髪を綺麗に整え、まるで昔に戻ったかのようにさっぱりしている。
テサン:
それを今夜に早めるって、ムン・イルソク側に情報を流すんです。
チェギョン:
情報を誰に?
テサン:
…。
チェギョン:
パク刑事?!
テサン:
(頷く)死んでもムン・イルソクが国を脱出する前に絶対に捕まえなきゃ駄目です。
スジンとイネを生涯危険にさらすわけにはいきません。
チェギョン:
ムン・イルソク本人でなく、マーティンという男を寄越すかもしれないわ。
じっと背を向けていたチグクが口を開いた。
チグク:
手術室を二つ取ってください。
そうすれば、ムン・イルソクも捕まえ、俺の息子も捕まえられます。
+-+-+-+
チェギョンはすぐに警察チームと作戦会議を開いた。
チェギョン:
ムン・イルソクを完全に騙して、病院へ誘いこむことが一番大事なんですが…
パク刑事、やってくれますか?
パク刑事:
…。
~~その前のある日
ヤン班長とパク刑事は二人きりで話していた。
パク:
最初はチャン・テサンが脱走した後、どこかに現れたら一度だけ知らせてくれと言われたんです。
ヤン:
それでお父さんの手術費を借りることにしたのか?
それなのになぜその後も?!
パク:
続けなければ、情報を流したことを暴露するって言うんです。
うちは7人家族で、俺1人で皆を養わなきゃいけないのに…
パク刑事はうなだれて頭を抱えた。
パク:
今すぐ監査室に自首します。
ヤン:
…。パク検事がな、お前から先に告白したら、償ってから自首しろって言ってた。
パク:
…?
#ほえ~、なるほど。前回のままただの裏切り者じゃ不自然だらけだもんな。
~~
パク刑事はチェギョンの依頼にハッキリと答えた。
パク刑事:
もちろんやります。
どうすればいいのか、それだけ教えてください。
午後3時50分。
パク刑事はイルソク側に連絡を入れた。
電話を切ると、側にいたスンウが声を掛ける。
スンウ:
どうなった?
パク刑事:
乗って来ました。
6時に金を持って来ると。
スンウ:
慎重に話を進めてください。
+-+-+-+
ある病室で、テサンは不安そうにベッドに横になっていた。
そこへ主治医が入ってくる。彼は待ちかねていたように起き上がった。
主治医:
検査の結果、異常はありませんでしたよ。
明日、無事に手術を受けられそうですね。
テサン:
ありがとうございます!
+-+-+-+
午後4時45分。
チェギョンと警察チームの作戦会議が続いていた。
病院の見取り図を皆で検討する。
患者や保護者たちがいる場所は危険なので、手術室まで完全に誘い込んでから逮捕する必要がある。
職員の中に買収されているものがいる可能性もあった。
スンウは病院の警備室へ向かう。
スンウ:
CCTVを操作して報告してくれと要求し、金を渡してくるでしょう。
そうしたら金を受け取って、恩を売った振りをしていてくだされば結構です。
+-+-+-+
午後9時20分。
洗濯業者に扮したイルソクの姿がCCTVに捉えられた。
すぐさま警備員が画面を指す。
警備員:
あそこ!手術室の階に到着しましたよ!
ヤン班長がすぐに全員にGoサインを出した。
7番手術室の前に集合した彼らは一斉に中へ踏み込む。
イルソクは天井の通気口へ上がり、脱出した後だった。
+-+-+-+
テサンは病院の前に停めた車の中で、そっと様子を覗っていた。
突然慌ただしくなり、警察官たちが中へ駆け込んでいく。
驚いて外へ出ようとしたテサンは、かろうじて踏みとどまった。
チェギョン(声):
逮捕されてムン・イルソクが出て来るところ…ここで見ていてください。
もしあいつらがチャン・テサンさんを見てしまってはいけないから、車の中にいてくださいね。
+-+-+-+
チェギョンはもうひとつの手術室へ駆けつけた。
ガックリと床にへたり込んでいるキムに、チグクが寄り添っていた。
ヤン班長:
ムン・イルソクは地下へ降りたそうです!
チェギョン:
地下?!
+-+-+-+
イルソクは仕掛けたロープを使い、エレベーターのBOXの上へ着地した。
天井を開けると、誰も居ないのを確認してエレベーターの中へ降りる。
彼は薄暗い地下駐車場に飛び出した。
乗って来た業者用トラックに乗ると、車を発進させる。
+-+-+-+
不安の募ったテサンは、帽子を目深に被り、車の外へ出た。
すると、真後ろに激しくクラクションを鳴らして通り過ぎる一台のトラック。
運転席に乗っているのは…イルソクだ!
テサン:
!!!
テサンはトラックが前の車につかえて止まった隙に、荷台の中へ潜り込んだ。
+-+-+-+
検察・警察両チームが外へ駈け出してくる。
ムン・イルソクも車も、もう逃げ出した後だったのだ。
悔しさに頭を抱えたチェギョンは、テサンのことを思い出し、走りだした。
全員が彼女を追いかける。
テサンは…車の中にいなかった。
チェギョン:
いないわ!
スンウ:
どういうことだ?
チャン・テサンがいなくなったって?!
テサンの携帯電話が足元に落ちていた。
チェギョン:
病院前のCCTVを確認して下さい。今すぐ!
確認に向かったト捜査官から、すぐに連絡が入った。
チェギョン:
どうでした?
ト捜査官:
チャン・テサン、ムン・イルソクの車の荷台に飛びついて中に入りました!
チェギョン:
すぐに交通統制センターに連絡して、トラックを探してもらってください!
+-+-+-+
イルソクのトラックは、人気のないスクラップ工場に入って来て、そこで止まった。
隣には、イルソクの乗って来た黒い乗用車が止まっている。
すぐに車を乗り換え、発進させようとすると、車にテサンが飛びついた。
手に持った棒で運転席のガラスを叩き割る。
ドアを開けると、彼はイルソクをひきずり出した。
テサン:
出て来い、この野郎!!!
どこへ逃げるんだ!!!
イルソクは、テサンを突き飛ばし、もう一度トラックに乗り込んで走りだした。
テサンは黒い乗用車に飛び乗り、後を追う。
広い敷地内で競り合った末、思い切ってトラックの横っ腹に車を突進させるテサン。
ぶつかった衝撃で両者の車が止まる。
痛みを凌ぎ、テサンが車の外へ出た時には、イルソクの姿は消えていた。
テサン:
ムン・イルソク!!!
とことん何でもやるんだな、ムン会長!
今度はネズミみたいに隠れんぼか?!
車の陰に身を潜めているイルソク。
テサン:
隠れたところで、お前は絶対に逃げられはしない!!!
お前はもう終わりだ!
イルソクはその場にあった角材を掴み、姿を現した。
イルソク:
終わり?俺が終わりだと?
このムン・イルソク史伝に終わりなどない。
俺がどうやってここまで来たか、100回死んだってお前みたいなやつに分かるものか。
テサン:
知りたくもないね!
イルソク:
…。
テサン:
兄弟姉妹の芋やとうもろこしを奪って生き残ったのを、
自慢たらしく吹きまわるお前みたいなヤツの理屈で、
もう耳を汚したくない。
イルソク:
生意気なヤツめ。
テサン:
愚か者め。
イルソク:
何だと?
テサン:
食っていた芋を奪われたお前の兄弟姉妹は、みんなもう餓死したんだろ?
イルソク:
黙れ!!!
テサン:
どうした?
どうってことないヤツ相手に、何も出来ずにやられ放題で腹立たしいか?
無気力だと…他愛もないと言ったくせに!!!
俺に腹を立てる資格のある人は、スジンとイネしかいない。
テサンはイルソクに向かって歩き出す。
テサン:
お前は最初から俺の人生に手を出す資格なんかなかった。
お前に屈したんじゃない。俺の大事な人たちに危害が及ぶことに屈したんだ。
イルソク:
いいだろう。一発やってやろうじゃないか。
イルソクは角材を振り上げ、テサンに殴りかかった。
テサンは素手で角材を受け止め、木っ端微塵にすると、高く飛び上がり、イルソクを鮮やかに蹴り飛ばした。
+-+-+-+
イルソクのトラックの行方を追っているチェギョンたち。
交通統制センターへ急行したト捜査官は、「サンチ洞で左折し、CCTVのない道路で消えてしまった」とチェギョンに報告する。
チェギョン:
その道路から抜ける道はどことどこですか?!
テサンがいなくなったことが、スンウからイネに告げられた。
イネ:
テサンさんがいなくなったって…どういうことですか?!
スンウ:
ムン・イルソクを追って行ったようなんです。
イネ:
!!!
スンウ:
検査まで終わったのに…。明日の朝は手術なのに…!
そこへスンウの電話が鳴る。
チェギョン(電話):
サンチ洞の横、ソッキ洞側で危険運転の通報が入ったんですが、
ムン・イルソクのトラックのようです。
+-+-+-+
テサンの攻撃で痛めた腰でよろけながら、イルソクは並んで停めてある車の上を逃げる。
追って来たテサンが跳びかかり、倒れた衝撃でフロントガラスが飛び散った。
イルソクの襟首を掴むと、テサンは何度も彼を殴った。
テサン:
俺の人生を…俺の人生を奪う資格はない!!!
+-+-+-+
ガックリとうなだれ、抵抗しなくなったイルソクを、テサンはその場にあったロープでグルグルと縛った。
#なんか笑っちゃうんですが…。
テサン:
約束したろ、殺さないって。
絶対に殺さないってな!!!
30年監獄で腐らせてやるって。
イネとスジンに手は出させないって。
手は出せないってな!!!
すっかりイルソクを縛ったテサンは、ほとんど気を失ったイルソクを残し、その場を離れた。
ハッと正気に戻ったイルソクは、ロープから逃れようともがき始める。
身動きできずに途方に暮れたところで、側に落ちているライターに目が止まった。
ロープを焼きちぎろうと、手探りで火をつけるイルソク。
しかし、それはそばに放置してあった繊維に燃え移り、ケーブルを伝ってあっという間に炎が広がった。
#ちょっとーー!これじゃテサンが下手したら殺したことになって、また2weeksパート2が始まるじゃないか!
+-+-+-+
スクラップ工場にチェギョンたちが到着する。
ちょうど奥から現れたテサンに、チェギョンが駆け寄った。
チェギョン:
大丈夫ですか?ムン・イルソクは?
テサン:
ムン・イルソクは(後ろを指差し)後ろに縛ってあります。
刑事たちが走りだす。
チェギョン:
どうなったんですか?
テサン:
検事さんのお父さんを刺したやつじゃないですか。
行って自ら手錠をはめてください。
そのとき、積み上げられたスクラップの向こうで大きな爆発が起きた。
!!!!!
+-+-+-+
居ても立ってもいられず、イネは病院の前でテサンが戻るのを待っていた。
チェギョン(声):
チャン・テサンさんは無事です。
今、病院に向かっていますから。
ムン・イルソクは捕まえました。
そこへ一台の車が入って来て、イネの前で止まる。
運転しているのはチェギョン。
助手席に乗っているテサンが降りてきた。
イネ:
テサンさん!
テサン:
ビックリさせてごめん。
イネ:
やっと…捕まえたの?
テサン:
…捕まえた。
これ以上ムン・イルソクのせいで心配することはない。
イネ:
!!!
イネはたまらずテサンに抱きついた。
テサン:
…。
テサンは戸惑いながら、イネの腰にそっと手を回した。
二人の様子を、後ろで見守るチェギョン。
一足遅れて病院に戻ってきたスンウは、前方に立っている人影に気づいた。
生還を喜んでいる、イネとテサンの姿だった。
スンウ:
…。
+-+-+-+
チョ・ソヒは明日に迫った慈善オークションの最終打ち合わせに入っていた。
チョ・ソヒ:
明日、記者たちの出入りは確実に防いであるわね?
招待状を持っている人だけを確認して入れるのよ。
そこへイム室長から電話が入る。
イム室長(電話):
ムン・イルソク会長が逮捕されました。
ソヒ:
そう?
+-+-+-+
顔の焼けただれたイルソクが救急医療センターに担ぎ込まれていた。
担架の上で「離せ!離せ!」と叫ぶイルソク。
#また笑ろてしもた
+-+-+-+
静かな朝がやって来た。
ベッドの上でスヤスヤと眠っているスジンを、対面ガラスの向こうでテサンが見守っている。
愛らしい娘を撫でるように、彼はガラスに手のひらをかざした。
枕元の手製カレンダーには、全ての数字に「☓」印がついている。
とうとう…この日が来たのだ。
+-+-+-+
手術が始まった。
麻酔の吸引器が被せられ、テサンが目をとじる。
+-+-+-+
目覚めたスジンは母に文句を言わずにはいられなかった。
スジン:
왜 안 깨웠어?
どうして起こさなかったの?
イネ:
아빠가 깨우지 말랬어.
お父さんが起こすなって。
スジン:
아빠가?
お父さんが?
イネ:
…。
スジン:
그래도! 그렇다고 엄머!
아빠가 나한테 아빠 골수를 주는데
나를 살려 주는데!
미리 얼굴도 못보고…
인사도 못하고…
이러는 게 어딨어!
それでも!だからってお母さん!
お父さんが私に骨髄をくれるのに…
私を救ってくれるのに!
先に顔も見られないなんて…
挨拶も出来ないなんて…。
そんなのってないよ!
イネ:
대신 아빠 골수 뺴는 동안 너한테 이거 부탁하고 갔어.
代わりにね、お父さんが骨髄を取り出す間、これをスジンにお願いしていったの。
イネは緑の小さなノートを差し出した。
スジン:
부탁?
お願い?
イネ:
여기다가 수진이가 좋아하는 음식 아빠랑 하고 싶은 것들
다 적어 보래.
ここにね、スジンが好きな食べ物、お父さんとやりたいこと、
全部書いてごらんって。
スジン:
그럼 이거 다 해 준데?
そしたら全部してくれるって?
イネ:
글세.
どうかな^^
#あぁ…スンウ(涙
スジンは早速ノートを開き、鉛筆を握った。
– お父さんと一緒にやりたいこと –
一緒にサッカーすること
お絵かき
腕相撲
お父さんとお母さんと一緒に寝ること
肩車– スジンの好きな食べ物は? –
焼きエビ
活きタコ
海鮮キムチチゲ
アイスクリーム
綿菓子+-+-+-+
目が覚めると、テサンは病室のベッドの上にいた。
彼の隣にはチェギョンが付き添っている。
テサン:
검사님.
検事さん。
時計を見ると、14時25分になっていた。
テサン:
여기 왜 있어요?
どうしてここに?
チェギョン:
수진이한테 인계까지 하고 가려구요.
スジンにちゃんと引き継いでから行こうと思って。
テサン:
조서희는요?
チョ・ソヒは?
チェギョン:
뭐, 아마 경매하고 있겠죠?
…きっとオークションしてるでしょうね。
テサン:
…。
チェギョン:
수진이는 골수 받을 시간이고.
スジンが骨髄移植を受ける時間だし。
そう言ってチェギョンがニッコリ笑うと、テサンが慌てて起き上がった。
チェギョン:
내 선물 먼저 받고 수진이 보러 가요.
スジンに会いに行く前に、私からのプレゼントを受け取ってください。
テサン:
?
チェギョン:
장태산씨 전과이범 억울한 딱지 벗어야죠.
チャン・テサンさん、前科二犯の無念な称号、外さなきゃ。
テサン:
네?
え?
チェギョン:
문일석 체포 뉴스 보고 방금 황대준이 자수했대요.
ムン・イルソク逮捕のニュースを見て、ついさっきファン・テジュンが自首したそうです。
テサン:
…。
チェギョン:
8년전 우리 아버지 상해죄는 문일석 진범이고,
5년전 한치국과 김시진 상해죄는 황대준이 진범이잖아요.
8年前の私の父の傷害はムン・イルソクが真犯人で、
5年前のハン・チグクとキム・シジンの傷害はファン・テジュンが真犯人でしょう?
テサン:
…。
チェギョン:
진범 밝여지면 재심 받아서 전과 벗을 수 있어요.
真犯人が明らかになったら再審を受けて、前科も外せます。
+-+-+-+
スジンの処置が病室で始まっていた。
テサンはガラスの向こうでその様子を見守る。
テサンから受け取った骨髄がとうとうスジンの体に流れていく…。
主治医:
全て終わりましたよ。
皆の表情に笑顔が戻った。
ガラス越しに手を振り合う父子。
イネも静かに笑いかけた。
中から出て来た主治医がテサンの元へやって来る。
主治医:
変な気分でしょう?
テサン:
えぇ。
見てるだけじゃ、たいしたことじゃないように見えますね。
主治医:
どんなにすごいことか!
これからスジンが生涯健康に行きていける武器が入っていくところなんですから。
テサン:
ありがとうございます。
主治医:
骨髄がスジンの体に定着するまで4週間ほど掛かるんです。
それまでは無菌室にいる必要があります。
テサン:
それなら、その後すぐに退院できるんですか?
主治医:
予防病室に移って、2,3週?さらに経過を見てからですね。
テサン:
はい。
+-+-+-+
慈善オークションが開催されていた。
参加者の席にはイム室長の姿がある。
39番の仏像がステージ上へ運び込まれた。
参加者:
500!
イム室長が22の札を上げる。
イム室長:
5000!
参加者たちが驚いて声を上げた。
さらに金額を上げる参加者はなく、イム室長の落札が決まる。
+-+-+-+
オークション会場を出たソヒは車の中で銀行の取引残高を確認していた。
画面の中に莫大な金額が記されているのが分かる。
イム室長(声):
ムン会長の分まで、我々の分は全て預けます。
微笑んだソヒは車を発進させた。
+-+-+-+
落札品の積み込みを指示し、駐車場を立ち去ろうとしたイム室長に、刑事が声を掛けた。
イム室長:
!!!
+-+-+-+
チョ・ソヒは旅券を手に、空港へ来ていた。
そこへ、そっと後ろに現れたのはチェギョンだ。
チェギョン:
最近は食い逃げが流行してるようですね。
ソヒ:
?!
チェギョン:
チョ・ソヒ、あなたを麻薬取締法違反の疑いで逮捕します。
彼女の合図で、ト捜査官がソヒに手錠を掛ける。
ソヒ:
!!!
~~テサンがチェギョンの家にいた夜のこと
ホワイトボードに貼られたソヒの写真を見たテサンが、ハッとしたように表情を変えた。
テサン:
この人だったのか?
チェギョン:
?
テサン:
あのときのあれは…
チェギョン:
何のことですか?
テサン:
何年か前、金の好きな女が密かに金を出せと言うから、
それも(?)だとムン・イルソクが言ってたんです。
チェギョン:
密かに…?
金の好きな女が、金を貯めて見物しているだけのはずはない…
そう思ってはいたけど。
テサン:
ムン・イルソクがあらゆるものを後ろ盾に事業を大きくしたのはわかっていたけど、
(ソヒの写真を見上げ)こんなに長い間、たった一人の人物だったとはな。
チェギョン:
もしムン・イルソクから事業について聞いたことがあったら、全部話してください。
少し前にこっそり金を使ったみたいに。
テサンは考えを巡らせた。
テサン:
手抜き工事、株価操作、不動産、現金賄賂、借名取引…
チェギョン:
ひょっとして、密輸の話、聞いたことないですか?
海外美術品の密輸とか、違法発掘品の密輸みたいな。
テサン:
いいえ、美術品には関心がないんです、ムン・イルソクは。
麻薬密輸ならわかるけど。
チェギョン:
麻薬はチョ・ソヒのテリトリーじゃないわ。
チェギョンは捜査官たちと捜査を進めた。
オークションに出品する作家たちのうち、5番、26番、39番の作家と連絡がとれないこと。
その3人は全てタイの作家であると分かった。
~~続いて、スジン拉致未遂後、テサンとチェギョンの会話
テサン:
その写真を撒いた時のチョ・ソヒの反応を見れば、検事さんが解けなかった宿題の答えも見つかるでしょう?
チェギョン:
…。
テサン:
チョ・ソヒがあれほど権力を振るうってことは、慈善オークションに命を掛けているようだから。
チェギョン:
慈善オークションがゴールのように見えるわ。
オークションさえ終われば、この国を去る人みたいに。
春川のCCTVのときもそう。ムン・イルソク逮捕の後、釈放させたときもそうだわ。
テサン:
逃げるつもりでいるとは… 一体どれだけの大金が掛かってるんだ?
チェギョン:
…ちょっと待って。
テサン:
…。
チェギョン:
ちょっと待って!
前に言ったでしょう?ムン・イルソクには麻薬だって。
美術品なんかに関心はないって。
テサン:
(頷く)ムン・イルソクならね。
チェギョン:
ムン・イルソクはオークションの日、日本へ発つの。
オークションが午後2時。美術品を積んだ船は、当日の朝9時に着くわ。
普通は通関審査があるから前日に入ってくるのに。
テサン:
チョ・ソヒ議員が麻薬にまで手を付けたとしたら…?
チェギョン:
大儲けして、高飛びするつもりだわ。
~~
チョ・ソヒは取調室でじっと目を閉じていた。
そこへチェギョンが入って来て、向かいの席に座る。
彼女はソヒが手にしていた旅券を出した。
チェギョン:
韓国からアメリカまではチョ・ソヒ、アメリカからスイスまではメイフォン、スイスからサイプレスまではジェニー・キム。
スイスで息子を連れてサイプレスへ向かい、ジェニー・キムとして隠れ住むつもりだったんですね。
ソヒ:
…。
チェギョン:
さぁ、ムン・イルソクとの関係がいつからなのか、それから話してくださいます?
チェギョンがPCに向かうと、ソヒはスーツの縫い目の裏に隠し持っていた薬剤のカプセルをこっそり取り出した。
チェギョン:
(タイピングをしながら淡々と)その薬をお飲みになる前に、まずはこれをご覧に。
チェギョンは隣にあったノートPCを開いた。
チェギョン:
息子さんからメッセージが来ていますよ。
画面の中では息子のソンジュンが母の絵を手に笑っていた。
母の後ろには天使の羽根が生えている。
ソンジュン(映像):
Hi,Mom!
お母さんに贈るプレゼントです!
会いたいな…。
瞬きもせずに見入るソヒの目に、涙が滲んだ。
歯を食いしばるソヒ。
チェギョンは立ち上がると、彼女が手に握りしめた薬のカプセルを奪い取った。
ソヒの目から涙がこぼれ落ちる。
チェギョン:
死んだら息子はどうするつもりなの?!
あなたの息子一人にとって天使でいるために、多くの人を泣かせたのよ。
キム・ソンジュン君はハヨン洞の福祉センターで暮らすことになるでしょう。
#ソヒが建設を進めていた福祉センターですね。
+-+-+-+
釜山裁判所。
法廷前のロビーではイ・ドンミョン記者が全国に真実を伝えていた。
イ・ドンミョン記者:
無念にも殺人容疑の濡れ衣を着せられ、14日間脱走犯となり話題となったチャン・テサン氏の再審が開かれている法廷です。
オ某氏殺害の真犯人として明らかになったムン・イルソク会長の裁判が進んでいる中、チャン氏の8年前および5年前の暴力傷害の前科も、ムン会長の脅迫によるものであったということが露呈しました。
本日の再審で二つの前科が全て帳消しになると思われます。
法廷内。
ハ・ジョンウ弁護士(元地検部長):
2005年、パク・ホシク傷害事件の真犯人はムン・イルソク、2008年、キム・シジン傷害の真犯人はファン・テジュンだと明らかになりました。
当時のチャン・テサンの自白は、証拠能力に欠けると判断します。
刑法325条2項”犯罪証明のない場合”に基づき、この二件について無罪を要求します。
被告席のテサンと検察席のチェギョンは、無言で視線を合わせた。
頷き合う二人。
傍聴席ではスンウがホッとした表情を見せていた。
+-+-+-+
裁判を無事終えたテサンが外へ出て来る。
チェギョン:
前科も全てなくなって、どんな気分です?
テサン:
検事さんのおかげです。
俺の裁判のためにここまで来てくださって。
「そうだな」後ろからやってきたハン・ジョンウが続ける。
ジョンウ:
久しぶりに、まともに検事業をやったな。
チェギョン:
(笑顔)最後まで辞表を保留にしてくださったこと、恩に着せないでくださいよ。
テサン:
弁護士さん、ありがとうございます。
僕の再審を受け持ってくださって、オ・ミスク事件まで。
ジョンウ:
初めての事件を無料で受けるのは残念だが、学ぶことも多いだろう。
君のストーリーはあまりにドラマチックで人間的じゃないか。
(階段をチラリ)記者たちは俺が阻止してやるから、早く行くんだ。
階段を降りていくジョンウに記者たちが群がる。
チェギョン:
私の父もようやく心穏やかに眠れるわ。
テサン:
お父さんのことは…本当にすみませんでした。
チェギョン:
(笑顔)いいえ。ありがとうございます。
チャン・テサンさんのお陰で、ムン・イルソクとチョ・ソヒ、二人共捕まえられたわ。
チェギョンは右手を差し出した。
チェギョン:
完全に自由になって… おめでとうございます。
テサンは彼女の手を握り返し、微笑んだ。
+-+-+-+
テサンがチグクの家へ戻ると、すぐにチグクも帰ってきた。
酒を飲んで帰ってきた様子のチグク。
チグク:
お前がこんなに早く帰ってくるなら、一緒に一杯やればよかった。
祝い酒をな。
疲れた様子で座り込むチグク。
テサン:
おじさんは複雑な気持ちだろうに、祝い酒なんて。
息子さん、どうですか?
チグク:
(何も話さない?)… 話はよく聞く。
チグクは懐から出した封筒をテサンに差し出した。
チグク:
慰謝料だ。
テサン:
?
チグク:
うちの息子はお前の家族同然の友人を殺したろ。
それに、お前を殺そうと何度も追い回した。
テサン:
それはムン・イルソクの命令だったからじゃないですか。
記憶だってなかったし。
チグク:
…。
テサン:
どうしてこんなことなさるんですか。
俺がどれだけおじさんの世話になったか。
チグク:
それでもお前のおかげで息子を見つけたろ。
テサン:
どれほど腹を立てても足りないはずなのに…。
本当に不思議な人ですよ、おじさんは。
チグク:
過去の悔いを振り返って生きていたら、人は長生き出来ん。
悔いのない人生なんてないのに、考えれば腹が立つばかりなのに…
そんなことでどうやってまともに生きていくんだ?
テサン:
並大抵のことじゃなかったじゃないですか。
チグク:
俺はな…本当に今ようやく驚いてるよ。
お前のことを手伝わなけりゃ、タップルを見つけられなかった。
そうなれば、あいつはこれからも酷い人生を送ることになったろう。
ずっと人を傷つけ、人の情けも知らずに。
テサン:
確かにそうですね。
今からでも… 本当に。
俺もそうです。
けど、(封筒を返す)こういうのは本当にいりません。
チグク:
なぁお前、俺と一緒に暮らさないか?
テサン:
そんな。何でおじさんと一緒に暮らすんですか?!
チグク:
誰が同じ部屋で食べて寝て…そんなこと言うもんか。
同じ街にでも一緒に暮らしちゃいけないか?
…うちのヒョク(息子)が出て来るまで、農業までやって暮らすさ。
テサン:
何です?俺のことが心配でおっしゃってるんですか?
チグク:
バカなヤツ。
若くて男前で力持ちのお前を誰が心配するんだ?こいつ。
テサンは楽しそうに笑った。
テサン:
明日、スジンが無菌室から出るんです。
チグク:
それじゃ、いよいよ本当に娘と会えるんだな。
テサン:
えぇ。
+-+-+-+
スジンはガラス窓の向こうを覗こうと、一生懸命背伸びをしていた。
何度も覗いては踵を下ろし、覗いては踵を下ろし。
後ろに座っているイネは、そんな娘の様子に顔をほころばせた。
イネ:
그만 봐. 종아리 쥐 나겠다.
もうやめなさい。ふくらはぎが攣っちゃうよ。
スジン:
엄마, 종아리 아퍼.
お母さん、ふくらはぎが痛くなっちゃった。
イネはスジンを抱きかかえると、ベッドの上にドスンと座らせる。
スジン:
엄마!
お母さん!
スジン:
살아났지? 살아났어?!
生き返ったでしょ!
スジン:
아빠랑 악수도 하기로 했는데, 엄마 때문에 삐뚤어졌어.
お父さんと握手もするつもりだったのに、お母さんのせいで予定が狂っちゃったでしょ!
そこへ扉が開く。
イネ:
?
テサンが立っていた。
彼の顔を見て微笑むイネ。
スジンは父の顔を見るのが恥ずかしく、振り返れずにモジモジしている。
そんな娘の微妙な表情が可笑しくて、イネは先に立ち上がった。
するとスジンも振り返って笑顔を見せる。
テサン:
안녕.
やぁ。
スジン:
아빠!
お父さん!
イネ:
왔어요?
いらっしゃい。
テサン:
어.
あぁ。
テサンはベッドの縁に座っているスジンの前に進み出た。
テサン:
무균실에서 나온 거 축하해, 수진아.
無菌室から出られておめでとう。スジン。
テサンが右手を差し出すと、スジンがその手を取った。
力強く握手する父娘。
テサンが背中に隠していた左手を出すと、そこにはスジンから預かった人形が顔を出した。
あの逃走劇の中、何があっても絶対に手放さずに持っていた…大切な預かり物。
テサン:
자, 약석한 팅팅.
ほら。約束のティンティン。
テサンはそれを受け取らずにそのままベッドから降りると、テサンに抱きついた。
愛くるしい瞳で見上げる娘の頭を、テサンはそっと撫でた。
娘の目線まで腰を下ろすと、テサンは間近で娘の目を見つめた。
確かめるように頬を撫でると、スジンもまたテサンの頬を撫でる。
スジン:
신기하다.
맨날 유리창 밖에서 보다가 가까이서 보니까.
엄마,아빠 코가 되게 이뻐.
不思議だなぁ。
いつもガラスの窓の向こうで見てたから、近くで見てみたら…
お母さん、お父さんの鼻、すごく綺麗。
ふっと笑うと、テサンはスジンを優しく抱きしめる。
+-+-+-+
チェギョンは自宅のホワイトボードいっぱいに貼られた付箋を一枚ずつ剥がしてた。
小さな器にシリアルと牛乳を入れ、手早く食事をとる。
「これ、本当に美味しい!」
ハッとして前を見ると、そこには自分を見つめているミスクの笑顔。
ミスク:
お酒を飲んだ次の日は二日酔いにも効くのよ。
そう言ってシリアルを口に運ぶミスク。
チェギョンの目から涙があふれた。
チェギョン:
ごめん。
…ありがとう。
チェギョンの涙を拭うと、ミスクはまた無邪気に笑いかけた。
後ろのホワイトボードは…すっかり真っ白になっていた。
+-+-+-+
罪に問われた者たちは、それぞれの日々を過ごしていた。
爆発で視力を失ったイルソクは、皿から転がり落ちたとうもろこしを拾うことが出来ず、隣の受刑者に奪われる。
チョ・ソヒは独房で一人、静かに思考に耽っていた。
タップルの元にはチグクから手紙が届いていた。
チグク(手紙):
だんだん寒くなる。
下着をちゃんと着るんだぞ。
手紙から目を離したタップルの目には、温かさが戻っていた。
視線を上げると、父に思いを馳せる。
+-+-+-+
刑事たちは相変わらずだ。
今日も楽しく酒を酌み交わしているところへ、ウェイター服を身につけたパク元刑事が「ジャジャーン!」と料理を運んでくる。
スンウ:
先輩、刑事のときよりいい顔してるな。
イルド:
(スンウに)それは先輩だってそうですよ。旅行に出掛けて帰ってきたら、顔がパーッと明るくなってさ。
キム刑事:
何で免職、停職になった人ばかり顔が明るくなるんだ?
俺たちまた他の捜査があるってのに。
ヤン班長:
イム刑事、明日用事がなければ俺たちについて来ないか?
スンウ:
明日、スジンが退院する日なんですよ。
+-+-+-+
スジンはすっかり外出着に着替え、退院する準備をしていた。
扉を開けたのはスンウだ。
スジン:
おじさん!
振り返って笑うスジンの頭には、テサンからもらったヘアピンがついている。
イネ:
スンウさん…。
スンウはスジンの足元にかがみ、持って来たプレゼントを差し出した。
スンウ:
ソ・スジンちゃん、退院おめでとう。
これはチョコレートと、スジンが食べたがってたアイスクリームの商品券だ。
スジン:
ありがとうございます!
スンウ:
…。
イネ:
旅行は楽しかったですか?
スンウ:
(立ち上がる)停職中の身で旅行なんて…。
少し気晴らしに行っただけだ。
「全部準備できたんだな」そう言って、荷物をバッグに入れ始めるスンウ。
イネはそんな彼を気まずい表情で見つめた。
+-+-+-+
荷物をすっかり持って、スジンの手を引いて病院の前へ出て来たスンウは、
そこにテサンが立っているのを見て、足を止めた。
すでにわかっていたように挨拶を交わす二人。
スンウはスジンの元に腰を下ろした。
スンウ:
スジン、お父さんが来たな。
テサン:
スジン!
テサンが手を広げると、スジンはスンウの手を離れ、父の腕の中へ飛び込んだ。
「父さんと旅行するか?」そう言うと、テサンは高々とスジンを掲げ、肩車をしてやる。
嬉しそうなスジンの表情を、スンウは笑って見守った。
そんな彼の横顔を、そっと振り返るイネ。
不安げなイネの表情に気づくと、スンウは明るく笑ってみせた。
「これでいいんだ」と言うように。
+-+-+-+
親子三人。
彼らは水入らずでキャンプにやってきた。
ひとしきり遊ぶと、今度はイネをモデルにテサンとスジンは絵を描き始める。
スジン:
아빠는 엄마가 왜 좋았어?
お父さんはどうしてお母さんが好きなの?
娘の無邪気な質問に、テサンの視線がイネに向かった。
照れくさくて素知らぬ顔をするイネ。
娘は期待に胸を膨らませて父を見つめた。
テサン:
처음에 아빠가 엄마한테 실수를 좀 했거든.
근데 엄마가 아빠를 오해하지 않았어.
最初はな、お父さんがお母さんにちょっと失敗したんだ。
だけど、お母さんはお父さんのこと誤解しなかった。
スジン:
오해?
誤解?
テサン:
사람들은 겉모습만 보고 오해를 참 잘하거든.
人は表面だけ見て誤解することがとっても多いんだ。
スジン:
맞아.
나도 사실 사실은 진짜 되게 많이 먹고 많이 먹는데,
사람들이 내가 말랐다고 “아이고,평식하는 구나?” 그래.
근데 엄마는 ?
そうだよ。
私もね、ホントは…ホントはすごくたくさん食べるのにね、
みんな私が痩せてるって、”あらまぁ、偏食なのね” って言うの。
…だけど、お母さんは?
テサン:
근데 엄마는 처음 본 사람인데도 아빠 실수를 오해하지 않고
그대로 실수로 알아 줬어.
だけど、お母さんは初めて会った人なのに、お父さんの失敗を誤解しないで、
ただの失敗だって分かってくれたんだ。
+-+-+-+
日が落ちてくる。
一人で料理の用意をするテサンを、イネとスジンは椅子に腰掛けてニコニコと見守る。
「キムチチゲが吹きこぼれるよ!」というスジンの声に、慌てて鍋に駆け寄り、「熱っ!」と手を引っ込めるテサン。
見ていられずイネが「一緒にやろう」と立ち上がると、テサンは彼女を止めた。
テサン:
오늘은 내가 다 하기로 했잖아.
그지? 수진아!
今日は全部俺がするって言ったろ?
なぁ、スジン?
スジン:
어어어!
うん、うん、うん!
テサンは下ごしらえをしたエビのタッパをテーブルに運んだ。
スジン:
근데 아빠, 아빠도 새우 되게 좋아해?
お父さん、お父さんもエビが大好きなの?
テサン:
…
イネ:
아니, 아빠 해상물 안 좋아해.
ううん、お父さんはシーフードが好きじゃないの。
テサンが困る間も与えず代わりに答えたイネは、立ち上がった。
スジン:
그럼 뭐 좋아해?
じゃあ、何が好きなの?
イネ:
고기!
(肉の入った容器を取り出す)お肉!
さぁ、三人で初めて囲む食卓だ。
スジンがキムチチゲを口に運ぶ。
スジン:
맛있어!
매워, 매워!
美味しい!
(唐辛子が効いてくる)辛い、辛いよ!
テサン:
매워?
辛い?
テサンがすかさずコップに水を注いだ。
テサン:
괜찮아?
大丈夫か?
スジン:
아빠도.
(お肉を差し出す)お父さんも。
テサン:
음, 맛있네.고마워.
(パクリッ)うん、美味しいな。ありがとう。
スジン:
근데 아빠, 아빠 진짜 어디 살아요?
ところでお父さん、お父さんどこで暮らしてたの?
テサン:
…어?
…え?
スジン:
완전히 퇴원하면 얘기해 준다고 했잖아.
退院したら教えてくれるって言ったでしょ?
スジン:
수진아…
スジン…。
しばらく考えて、テサンは口を開いた。
テサン:
수진아, 아빠는 실수를 참 많이 했어.
スジン、お父さん、たくさん失敗して来たんだ。
スジン:
엄마 만날 때도 말고 또 실수?
お母さんに会った時だけじゃなくて?
テサン:
어.실수를 많이 아주 길게 했어.
근데 아직 실수를 다 되돌지 못했어.
그래서 미안한데 수진아, 다 되돌리고 나서 그 때 말해 주면 안될까?
あぁ、すごくたくさん、長い間失敗して来た。
だけど、まだ失敗を全部取り返せてないんだ。
だから悪いけどスジン、全部取り返せたら、そのとき話しちゃ駄目かな?
スジン:
사실은 엄마가 아직 아빠한테 사연 물어보지 말랬는데.
죄송해요, 아빠.
本当はね、お母さんがまだお父さんに事情を聞いちゃダメだって。
ごめんなさい、お父さん。
テサン:
…아니야.
아빠가 너무 미안하고 기다려 준다고 해서 고마워.
…いいんだ。
お父さん方こそ本当にごめん。待つって言ってくれてありがとうな。
+-+-+-+
夜、三人はスジンを真ん中にし、仲良く並んで横になった。
こうやってスジンの夢は、1つずつどんどん叶っていく。
三人の手は固く握られていた。
イネ:
수진아, 안 졸려?
スジン、眠くないの?
スジン:
어, 자장가를 못들어서 그런가 봐.
うん、子守唄がないからかも。
イネ:
자장가?
子守唄?
スジン:
아빠, 자장가 불러 주세요.
(テサンの方へクルリ)お父さん、子守唄歌ってください。
テサン:
자장가?
子守唄?
「あぁ」ととりあえず起き上がったものの、テサンは困ったように苦笑する。
テサン:
근데 아는 자장가가 없는데.
けど、知ってる子守唄がないな。
イネも起き上がった。
スジン:
아빠가 좋아하는 노래.
끝까지 가사 아는 노래.
お父さんが好きな歌。
最後まで歌詞を知ってる歌。
テサン:
끝까지 가사 아는 노래?
最後まで歌詞を知ってる歌?
テサンは静かに歌い出した。
テサン:
구름낀 하늘은 왠지 네가 살고 있는 나라일 것 같아서…
♪雲のかかった空は どこか君が暮らしている国のようで…♪
イネが驚いたようにテサンを見る。
テサン:
창문들마저도 닫지 못하고 하루종일 서성이고 있었지
삶의 작은 문턱조차 쉽사리 넘지 못했던 너에게
나는 무슨 말을 하고파서 였을까…
♪窓も閉められずに 一日中佇んでいたんだ
人生の小さな敷居さえ 楽には超えられなかった君に
僕は何て言いたかったんだろう♪
~~
それは昔、イネが好きだった歌だ。
イネ:
먼 산 언저리마다 너를 남기고
돌아서는 내게 시간은 그만 놓아주라는데
♪遠い山のほとりに君を残しては
振り返る僕に、時間はもう手放してやれと…♪
イネ:
난 왜 너 닮은 목소리마저 가슴에 품고도
같이 가자 하지 못했나
♪君に似た声さえ胸に抱いても
一緒に行こうと言えなかったんだろう…♪
(–윤도현 “너를 보내고” –)
嬉しそうに歌うイネに、テサンはぼやいた。
テサン:
아, 진짜 마음에 안 들어.
あぁ、ホント気に入らない。
イネ:
왜 또 ?
また何よぉ?
テサン:
너는 이 노래가 왜 좋아?
가사가 그렀잖아.
“난 왜 너 닮은 목소리마저 가슴에 품고도 같이 가자 하지 못했나”
이건 헤어지잔 노래잖아.
お前、何でこの歌が好きなんだ?
歌詞がちょっとあれだろ。
”なぜ君に似た声さえ胸に抱きながら、一緒に行こうと言えなかったのか”?
これって別れようって歌だろ。
イネ:
너 닮은 목소리라도 가슴에 품는다잖아.
영원한 사랑이야, 그거.
君に似た声だって胸に抱くんでしょ?
永遠の愛だよ、それは。
テサン:
시간은 이제 그만 놓아주라잖아.
時間はもう手放せってさ。
イネ:
오빠 지금 노래 가사 질투해?
歌詞に嫉妬してるわけ?
テサン:
뭐?
何だって?
イネ:
내가 이 노래 부르는 게 그렇게 싫었어?
알았어. 안 불러 주지, 뭐.
私がこの歌を歌うの、そんなに嫌なの~?
分かったよ。歌わないであげる。
テサン:
…
イネ:
근데 안 부르는 대신 오빤 거기 그만 둬.
일석주류.
だけどね、歌わない代わりに、あそこをやめて。
イルソク酒類。
テサン:
…
イネ:
창피해서 그러는 거 아니다.
진짜 그런 거 아니고 오빠랑 안 어울려.
그런 생활.
恥ずかしくて言ってるんじゃないよ。
ホントにそんなんじゃなくて、あなたに似合わないもん。
そんな生活。
テサンはイネの両手を握った。
テサン:
알아.
그만 둘 거야.
分かってる。
やめるよ。
イネ:
진짜?
ホント?
テサン:
그럼. 나도 양심 있지.
너같은 사람을 어떻게 나같은 놈 옆에 무작정 있으라 그래?
あぁ。俺だって良心はある。
お前みたいな人に、俺みたいなヤツのそばにいてくれなんて闇雲に言えないさ。
イネ:
오빠…
テサンさん…。
テサン:
그러니까 조금만 더 기다려 줘.
だから、もう少しだけ待っててくれ。
イネ:
…그럴게.
…そうする。
テサン:
너도 참 이렇게 힘들었으면서 왜 아무 말도 안 했어?
そんなに辛かったのに、何で何も言わなかったんだ?
イネ:
기다리고 싶어서.
待ちたかったの。
じっと見つめると、テサンはイネに優しく口づけた。
+-+-+-+
スジンが眠ると、テサンとイネは外へ出て来た。
テサン:
너한테 너무 부끄러워.
부모님한테도 버려진 나한테 내 인생에서 처음으로 먼저 손 내밀어 준 사람이 너인데.
너의 용기 나 그 때 왜 그걸 잊었을까?
お前にすごく恥ずかしいよ。
両親にも捨てられた俺に、人生で初めて先に手を差し伸べてくれたのはお前だったのに。
お前の勇気…俺、あの時、何でそれを忘れてたんだろうな。
イネ:
그 때 태산씨를 더 믿어 주지 못해서 미안해.
그럴리가 없는 사람인데.
그럴리가 없다고 생각하고 더 알아봤어야 했는데
그러지 못했어.
あの時、テサンさんをもっと信じてあげられなくてごめんなさい。
そんな人のはずがないのに。
そんなはずないと思って、もっと確かめなきゃいけなかったのに。
それが出来なかったわ。
テサン:
수진이가…너를 닮았구나.
スジンは…お前に似てるな。
イネ:
…
テサン:
아이가 너무 예뻐, 너무 예쁘게 잘 커서 마음이 찢어지게 아파.
子どもがあんまり可愛くて… あまりに可愛くいい子に育ってて、胸が張り裂けるほど痛いよ。
イネ:
…
テサン:
수신이 골수이식 받고 나서 매일 면회가고 싶었어.
근데 못했어.
수진이가 묻는 거야.아까처럼.
“아빠는 뭐하는 사람이에요?”
スジンが骨髄移植を受けてから、毎日面会に行きたかった。
…でも行けなかったんだ。
スジンが訊くんだ、さっきみたいに。
”お父さんは何をしてる人なの?”って。
イネ:
아이니까. 당연히 궁금한 거야.
子どもだから。気になるのは当然だわ。
テサン:
너무나 당연한 내 딸의 질문에 뭐라고 대답도 못할 사람으로 살았어, 나는.
어떤 이유로든 최소한 자격도 못가진 그런 아빠로 8년만에 내 딸 만난 거야.
当然の娘の質問に、何とも答えられない人間として生きたんだ、俺は。
どんな理由であれ、最小限の資格ももたない、そんな人間として8年ぶりに娘に会ったんだ。
イネ:
…
テサン:
8년을 넉넉히 산 내 책임이지.
8年間のうのうと暮らしてきた俺の責任だ。
イネ:
앞으론 안 그럴 거잖아.
これからはそうじゃないでしょう?
テサン:
…나는 인혜야.
수진이가 9살이 되고 13살이 되고 18이 되고
대학교를 가고 결혼을 하고 아이를 낳고…
그 어느 순간마다 외롭고 힘들 때,
마음 놓고 찾을 수 있는 그런 아빠가 되고 싶어.
… 俺さ、イネ。
スジンが9歳になって、13歳になって、18歳になって、
大学に通って、結婚して、子どもを産んで。
そのどんな瞬間でも、寂しくて辛い時は、
気楽に会いに行ける、そんな父親になりたいんだ。
イネ:
그렇게 될 수 있을 거야.
きっとそうなれるわ。
テサンは静かに首を横に振る。
テサン:
그런 아빠가 되기 전에 그럴 수 있는 사람 먼저 돼야지.
そんな父親になるには、そうなれる人間になるのが先だ。
イネ:
그래서 오늘 하룻동안 수진이가 하고 싶은 거 몰아서 다 해준 거지…
떠날려고.
それで、今日一日、スジンがやりたいことを全部寄せ集めてやってくれたのね。
…去るつもりで。
いつの間にか、テントの中でスジンは涙を流していた。
テサン:
네가 나를 용서했다고 해서 수진이가 아빠를 원한다고 해서
무작정 옆에 있을 수는 없어.
이주일 14일이야.
그동안 너무나 많은 일들이 너를 덮쳐서 너무 쉽게 나를 용서하게 된거야.
그건 너무나 고마운데 너는 8년전에도 나 때문에 부모님하고 헤어졌잖아.
お前が俺のこと許すと言ったとしても、スジンが父親を求めたとしても…
手放しに傍にはいられない。
2週間。たった14日だ。
その間、あまりにたくさんのことがお前にのしかかったから、簡単に許す気になったんだ。
それはすごく有り難いことだけど、8年前だってお前は俺のせいでご両親と別れたじゃないか。
イネ:
…
テサン:
이번에도 내가 가여워서 그 사람 잃는 그건 실수를 하지마.
4년을 너랑 수진이 지켜 준 사람이잖아.
今度も俺が哀れだからって、あの人を失う過ちを犯しちゃダメだ。
4年間、お前とスジンを守ってくれた人じゃないか。
~~
スジンの手術後、スンウとイネは二人で会っていた
スンウ:
監査室へ自首して、停職になったんです。
イネ:
脅迫されたからでも?
スンウ:
…。
イネ:
ご両親、随分ガッカリされたでしょうね…。
スンウ:
それで、ちょっと旅行に出ようかと思って…。
イネ:
…。
スンウ:
長い間、心にずっと張り付いたまま、離れないものって何だと思います。
イネ:
…。
スンウ:
心残り。未練だそうです。
イネ:
…スンウさん。
スンウ:
俺、スジンのお父さんは死んだと思ってたでしょう?
死んだなら…死んだ人はもう戻って来ないから。
どれほどの事情があっただろう…あったところで、生き返ることはないじゃないかって。
イネ:
話せなくてごめんなさい。
スンウ:
…。
イネ:
スンウさん、すごく辛いと思うわ。
スンウ:
俺が苦しんだって、失った8年の年月を一度に知ったイネさんたち程じゃない。
イネ:
…。
スンウ:
俺の方が…イネさんに対する愛が足りないからじゃない。
切なくて…やるせない君たち。イネさん、チャン・テサン、それに…スジン。
3人の気持ちに…知らない振りをして暮らす自信がないからだ。
イネ:
…。
スンウ:
それに何よりも…スジンは父親を求めてるから。
イネ:
スンウさん…
スンウ:
一人で行かせるんじゃないぞ。あいつを…。
絶対にイネさんを捕まえようとはいないはずだ。
イネは静かに首を横に振った。
イネ:
テサンさんに今一番必要なのは…時間です。
彼の人生を整理する時間…。
スンウ:
…。
イネ:
スンウさんに必要なのも、私に必要なのも…。
スンウさんには本当に申し訳ないけど、今は…そう思うの。
~~
キャンプ場で。
イネ:
좋은 사람이야.
고마운 사람이고.
내가 사람을 좀 볼 줄 알거든.
いい人よ。
感謝したい人。
私、人を見る目があるからね。
二人はお互いの目を見つめ、微笑んだ。
イネ:
그러니까 우리 걱정을 말고 태산씨 하고 싶은 대로 해.
だから、私たちのことは心配しないで、テサンさんのやりたいようにして。
テサン:
…고맙다.
…ありがとう。
イネ:
어디가서 뭐하고 살 건지 물어보면 대답 안해 줄 거지?
どこで何をして暮らすのか、聞いても答えてくれないんでしょ?
テサン:
나는 이제 어디서 뭘하든 제대로 살 수 있어.
우리 수진이가 있으니까.
俺、もうどこで何をしてもちゃんと生きていける。
スジンがいるから。
イネ:
(頷く)
テサン:
언젠가 준비가 되면 수진이 한번씩 보게는 해 줄래?
いつか準備ができたら、スジンに一度会わせてくれるか?
イネ:
8년동안 못 본 아빤데 보고 살아야지.
수진이가 아빠 보고 싶어할 때 필요할 때
태산씨 얼굴 보여 줄 의무 있어.
잊지마.
8年も会えずにいたお父さんなのに、会わなきゃ駄目よ。
スジンがお父さんに会いたいとき、必要とするとき、
テサンさんは顔を見せてやる義務があるわ。
忘れないで。
テサン:
안 잊어. 어떻게 잊어, 그 걸.
잊을 게 따로 있지.
잊혀질 게 따로 있지?
忘れないさ。忘れるもんか。
忘れることは他にある。
忘れていくことは他にあるだろ?
+-+-+-+
夜中。
テントの中で、3人は3人ともそれぞれ眠れぬ夜を過ごしていた。
スジンがたまらず父親にしがみつくと、テサンは彼女の腕をそっと外し、腕枕をしてやると、娘を優しく包み込んだ。
可愛い娘のおでこにそっとキスをするテサン。
父娘の姿を、イネは静かに見守る。
スジンを抱きしめるテサンの目から涙がこぼれた。
テサン(心の声):
나를 보고 웃는 이들이 있다.
나를 보고 웃어 준다.
나도 웃는다.
가슴에서 싹이 돋는다.
꽃이 핀다…
俺に笑いかける人たちがいる。
俺に笑いかけてくれるんだ。
俺も笑う。
胸の中で幼芽が芽生え、
花が開く…。
+-+-+-+
再出発を切ったテサンが一人で歩いていた。
その足取りは逞しい。
「お父さん!」
スジンの声にハッとして振り返るテサン。
彼は明るく笑った。
+-+-+-+
ここでエンディングです。
最初の方はほんの少ししか訳せなかったのが心残りですが、
それでも長い間お付き合いいただいてありがとうございました。
本当にいいドラマでした。不満はありません。
でも、感想を書くのはやめておきますね。
心の中に余韻として残したいので^^
2weeksの素晴らしい俳優さんたちに、また良いドラマで会えますように。
yujina
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Comment
2Weeks すごく面白かったです❤
ストーリーも良かったし 台詞の一つ一つが好きでした。
ジュンギ氏の 誠実で努力家の彼の人柄が良く活かされていて良い作品に出会えて嬉しくなっちゃいました。「アラン」が今一だったから特に❤
こまっしゃくれた大人びた台詞もイ・チェミちゃんは 可愛くこなしていて将来が楽しみです。
ありがとうございました。