韓国ドラマから美しい言葉を学ぼう

韓国ドラマのあらすじや詳細日本語訳を紹介!セリフを題材にした文法解説も

プロデューサー6話あらすじ&日本語訳 vo.1

   

チャ・テヒョン、コン・ヒョジン、キム・スヒョン、IU出演、KBS韓国ドラマ「プロデューサ」6話、パート1です。

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「思い出しましたか?」スンチャンの声はどこまでも静かで、その表情からも感情はうかがえない。

ジュンモ「…。」
スンチャン「先輩がカットしてしまった、あの夜のイェジン先輩の話… 思い出しましたか」

『…覚えているさ。覚えていないわけがない。あの日の… 事故を。
事故ってやつは、3度の”よりのよって”で起きる。
あの日、イェジンは”よりによって” 腹を立てていたし、
”よりによって” 空きっ腹だった。
あのとき、もうすっかり酔っぱらってたんだから、家に帰ろうって言うべきだったのに…
”よりによって” 俺もまだ飲みたかったんだ。
そうやって、3度の”よりによって”が引き起こした事故の後遺症は、軽くはなかった』

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イェジンをおんぶして歩くジュンモの後を、スンチャンはふらふらとついて歩いた。

スンチャン「先輩、何でそんなあっちこっちふらふら歩くんですか」
ジュンモ「…。」
スンチャン「そんなことしてたら転びますよ。まっすぐ歩いてくださいよ、まっすぐ」

「気をつけて…」そう言いながら、スンチャンはふらふらと道端に倒れこむ。

ジュンモ「お前こそまっすぐ歩け。自分ん家に帰れって!」
スンチャン「ダメです。不安だからお二人が無事帰るのを見届けてから…」

そう言いながらスンチャンは垣根に体ごとダイビングした。

ジュンモ「全くどいつもこいつも…。はぁ、イェジン、そんなに飲んだのか?」

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ベッドにイェジンを寝かせると、ジュンモは氷嚢に氷を包み、彼女の部屋へ戻ってくる。
そっと顔を覗き込むと、冷たい氷嚢をおでこに乗せてやる。「明日まで辛いだろうな」

『そうやって、衝撃と混乱で夜を明かし、俺はこの事故を忘れることにした。
俺さえ忘れてしまえば、なかったことになるだろう… そう思ったんだ。
それなのに、よりによって… こいつが覚えていた』

「何だよ、その目は」ジュンモに言われ、スンチャンはジュンモを睨んでいた視線を軽く逸らす。

スンチャン「目が… どうだかは特別大事じゃなくて、僕は個人的に先輩が卑怯だと思っている方なので」
ジュンモ「どこが?」
スンチャン「編集しても原本は残っていますから。先輩はその原本をお持ちだと思います」

1907

「そうだな」ジュンモが頷く。「原本は残る」

ジュンモ「けどな、その原本を廃棄するか、どこか片隅に保管するか、それは持ち主の自由だ。持ち主が決めることだろ」
スンチャン「先輩は誰かに片思いしたことがないようですね」
ジュンモ「…。」
スンチャン「誰かを好きになったのに、好きだって言うことも出来なくて、言えないけどすごく好きで諦めることも出来なくて、言ったら今の関係が壊れるんじゃないかって怖い…。そんなこと一度もなかったようです。それがどんなに辛いかご存知なら、イェジン先輩の気持ちを知っているのに知らんぷり…、酔って何も覚えてない… そんな嘘はつかなかったでしょう」
ジュンモ「それでお前、子犬みたいに俺の後をついて回ってたのか」

「本当に覚えていらっしゃらないんですか?」
「もともと酔ったら覚えてない方ですか?」
「確率で言うとどれくらいです?」

そうやって自分にしきりに探りを入れたスンチャンの姿を、ジュンモは思い浮かべた。

ジュンモ「俺が覚えているかいないか、それを確かめようって?」
スンチャン「…。」
ジュンモ「先輩相手に探りを入れたってわけか」
スンチャン「…。」
ジュンモ「お前、法学部を出たんだってな。PDなんかじゃなくて検事になれよ、検事に。特技を活かさないとな。取り調べがこんなに上手いんだから」

「いいえ」スンチャンの語気が強くなる。「僕は検事ではなく、証人になります」

ジュンモ「!」
スンチャン「本件の証人として、明確な真実を伝える義務があると考えます」
ジュンモ「誰に?」
スンチャン「もちろん… イェジン先輩です」

「イェジンが気になるか?」ジュンモは穏やかに尋ねる。

スンチャン「…。」
ジュンモ「気にしないでくれないか?」
スンチャン「え?」

「なぜって、俺たち編集しなきゃならないから」そう言って、ジュンモはスンチャンの耳をギュッと掴む。

スンチャン「!」
ジュンモ「ここで油売ってて締め切りに間に合わなかったら、お前が責任取んのかよ!」
スンチャン「…。」
ジュンモ「責任とれんのかって!放送事故起こしたら!」

スンチャンの耳を引っ張り、ジュンモは無理やり歩き出した。

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編集室にスンチャンがコーヒーを抱えて入って来る。
作業を進めるジュンモの目の前に、彼の分を置いてやると、そのコーヒーをスンチャンはジーっと見つめた。

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画面を見つめたまま、ストローを咥えたジュンモは、しばらくして突然顔をクシャクシャに歪める。「あぅっ!」

スンチャン「(喜)」
ジュンモ「おい!こりゃコーヒーか?砂糖水か?!最初っからシロップ入れんなよ」

「さっき先輩、シロップたくさん入れろっておっしゃったじゃないですか」スンチャンが平然と答える。

ジュンモ「おい、俺がいつそんなこと!俺は甘いのが嫌いだから、シロップは入れるなって言ったんだ」
スンチャン「ああ~、そうですか?僕はたくさん入れろっておっしゃったのかと」
ジュンモ「わぁ、今度は嘘までつくようになったか」

スンチャンは自分のコーヒーをストローでチュチュっと吸う。「僕のを召し上がりますか?」

ジュンモ「いいって。お前飲んどけ」

#このシーンで気になるのはですね、ジュンモが編集中の映像(音声が流れてるのみ)です。
カメラマンの「バッテリー交換します」っていう声の後、シンディがスンチャンに「一体何やってるんですか!一日中山の中を彷徨い歩いて…」ってまくし立ててるところなんですよ。シンディはここは映ってないと思ってスンチャンに文句言ったのに(笑

「おい、これどうだ?」ジュンモは本隊が「お尻で箸割りゲーム」をしている映像を自慢気に見つめる。

スンチャン「(笑いを押し殺し)まぁ、そうですね」
ジュンモ「面白くねぇのか」
スンチャン「まぁ、単に… 白々しいって感じで」
ジュンモ「お前、反抗してんのか」
スンチャン「違いますけど?僕はホントに白々しくって古臭い感じがして、そう言ったんですよ。さっきも先輩がシロップをたくさん入れろっておっしゃったと思って、そうしたんだし」
ジュンモ「わぁ、全く…。嘘の下手くそなヤツが嘘ついてやがる」
スンチャン「…。」
ジュンモ「お前はな、バレバレなんだ」

「…。」スンチャンはクルリと背を向けると編集室を出た。

ジュンモ「このカットどうだ?これは面白いだろ?」

ふと振り返ると、ようやうジュンモはそこに誰も居ないのに気づいた。「あいつ、またどこ行ったんだ?」

ジュンモ「あいつ、最近何であんなに反抗するんだ?思春期かよ?」

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イェジンが手作りの料理をテーブルに運ぶと、弟イェジュンが嬉しそうにつまんだ。

弟「さすが」
イェジン「最高でしょ」
弟「姉さんはさ、男が出来たら無駄なことしないで、家に連れて来て手料理作れよ」
イェジン「…。」
弟「ジュンモ兄と俺は外しててやるからさ」
イェジン「(笑)食べ物で落とせって?」
弟「何で落としたっていいだろ。結婚さえすりゃいいんだから」
イェジン「あんたこそ食べ物になびいて結婚するんじゃないの?ナマズスープにでもなびいて結婚すりゃいいのよ」

そこへイェジンの電話が鳴りだした。「あぁ、ペク・スンチャン」

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公園のブランコで待っていたスンチャンは、イェジンがやって来るとサッと立ち上がった。

イェジン「座ってて」

イェジンは隣のブランコに腰を下ろす。「あんた忙しいんじゃないの?徹夜なんでしょ?」

スンチャン「えぇ、ちょっと家に用事もあるし、先輩にお話しすることもあって」
イェジン「何?」
スンチャン「先輩の… あの夜のことなんですけど」

「うん」イェジンの顔に緊張が滲む。

スンチャン「もう心配なさらなくてもいいみたいです」
イェジン「?」
スンチャン「ジュンモ先輩、完全に酔っ払ってたそうですから」
イェジン「そう?どうして分かったの?」
スンチャン「屋台に行ったら、女将さんがおっしゃってたんです。あの日、ジュンモ先輩が一番酔ってたって。完全に泥酔状態だったそうです」

「そうなの」イェジンがホッとして笑顔を見せる。

スンチャン「…。」
イェジン「ジュンモはいつも通り潰れてたのね。心配して損しちゃった♪」
スンチャン「はい、もう気になさらなくてもいいと思います」

「…。」二人は穏やかに顔を見合わせた。「ところで、ペク・スンチャン」

スンチャン「はい」
イェジン「私、あんたにちょっと恥ずかしいよ」
スンチャン「そんなふうに思わないでください。僕、誰かが誰かを好きになることは恥ずべきことじゃないと思います」
イェジン「もうこの子、何を…。そんなハッキリ好きだとか、そこまでは…」
スンチャン「…。」
イェジン「ねぇ、あんたここにいつから住んでるの?」
スンチャン「生まれた時からです」
イェジン「ホント?!私もそうだったんだけど。私が今住んでるとこ。まさにそこよ」
スンチャン「ジュンモ先輩のお宅ですか?」
イェジン「今はそうだけど、昔はうちの家だったの」
スンチャン「それなのに、どうして?」
イェジン「IMFのとき、お父さんが銀行を名誉退職して、まぁまた何かやるっておっしゃってるうちに、それもダメになっちゃってね。うちの家、すごく苦しくなっちゃったのよ。それで地方に移ることになったんだけど、そのときに家を捨て値で売りに出したの。それを買い取ったのがジュンモのお母さんだったのよ」
スンチャン「あぁ、それで今ジュンモ先輩の家になったんですね」
イェジン「どういうわけか私、もともと自分の家だった所に居候するっていう、珍しい身の上になっちゃったのよ」

そう言って、イェジンはふっと笑った。

イェジン「この公園、私の子どもの時からそのままなんだよね」
スンチャン「はい、僕もここで遊んでました」
イェジン「私はジュンモとたくさん遊んだの」

彼女が大きくブランコを漕ぐのを、スンチャンは静かに眺めた。

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1997年 夏

少女イェジンはブランコで沈み込んでいた。
「イェジン、ずっとそうやって落ち込んでるつもりか?」隣で誰かが言う。

イェジン「あんたは気分いいわけ?うちの家があんたの家になるのに!」
ジュンモ「…。」
イェジン「ラ・ジュンバル、あんた!私の部屋使わないでよね」
ジュンモ「…。」

イェジンがワッと泣き出す。
そこへ、ずっと年下の子どもたちがやって来て、二人を笑った。

ジュンモ「あっち行けって!」

子どもたちがクスクス笑いながら散っていく。

#この中にスンチャン君がいるのかもね。一番小さな男の子がそんな感じ^^

ジュンモは彼女の元へ戻ると、そっと抱き寄せた。

1910

イェジン「ちょっと… あんた何すんのよ」
ジュンモ「嫌なら離れろよ」
イェジン「…。」
ジュンモ「おばあちゃんが言ってた。泣けば、また泣きたくなるようなことばかり起きるって」

彼はそう言って、彼女が落ち着くまで優しく背中を叩いた。

~~~~

18年前のその場所で、イェジンは懐かしい記憶に顔をほころばせる。

イェジン「ねぇ、私、あんたにこんな話までしちゃって」
スンチャン「あ、僕言ったじゃないですか。誰でもいいから吐き出したいようなことがあったら… その相手がいなかったら、僕に言ってくださいって」

一生懸命語るスンチャンに、イェジンは温かく微笑み、頭をクシャッと撫でる。「大人になったねぇ、ペク・スンチャン」

1911

スンチャン「(嬉)」
イェジン「ちょっと、あんたこんなに長居していいの?ずっと電話鳴ってるけど」

スンチャンは慌てて電話を取った。「あ、はい!今すぐ戻ります!」
と、走りかけて、彼はハッと立ち止まると、戻ってきてイェジンにニッコリと頭を下げる。
遠ざかっていくスンチャンの背中を、イェジンは笑顔で見送った。

ふと携帯を取り出すと、彼女は連絡帳を開く。
「ドアをゴツン」という名前をタップすると、「ペク・スンチャン」と書き直した。

1913

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バスに乗って通勤していたホンスンは、隣のオープンカーに目を奪われる。
運転していたのは… コ・ヤンミだった。「!!!」

さっそく彼は編集で忙しいジュンモの元へやって来る。「あの女、何者なんだ?」
「何がだよ。事務局で事務してる女だろ」画面から目も離さず、ジュンモが面倒くさそうに答えた。

ホンスン「一体どこからそんな金が… ひょっとして、トナーや紙をくすねてるんじゃ?」
ジュンモ「そうだな。紙を100年くすねりゃ買えるだろーよ」

「どけって、忙しいんだ!テロップ確認しなきゃいけないんだから」ジュンモが椅子ごとホンスンを突き飛ばす。

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ホンスン「なんだか秘密が多いと思わないか?上の人の弱みでも握ってるとか。そうじゃなきゃ、あんな補職を長年やったりするもんか。よく考えりゃ可哀相だ。楽しみがないからああやってトナーやらA4に執着するんだよ」

食堂で熱弁するホンスンの前で、静かに食事をしているのは、イェジンだ。

イェジン「あんた、ヤンミさんが好きなの?」
ホンスン「頭おかしいのか?」
イェジン「そうじゃないなら、もうやめなよ。あんた最近あの人の話ばかりでしょ」
ホンスン「何言ってんだ。そんなことないって!」
イェジン「だったらやめなってば」
ホンスン「そうだ、テホ先輩から聞いたろ?俺がスペシャルショーやるの、手伝ってくれって」
イェジン「聞いてないけど」

「話せって言ったのに」ホンスンは身を乗り出した。「俺、今度”家庭の月”のスペシャルショーやるだろ?」

ホンスン「市会議員や区会議員に、長官次官級の役員たちに、うちの会長まで来賓として参加されるんだ」

「超ワクワクするよ、イェジン!」ホンスンは嬉しそうに胸を押さえる。

イェジン「だけど、何でそこに私が加わるのよ?」
ホンスン「ステージを演出できるPDがいないと」
イェジン「何それ。あんたがやんなさいよね」
ホンスン「それじゃ大勢の貴賓たちは誰が接待するんだよ?」
イェジン「あぁ、呆れるわ、ホント!」
ホンスン「…。」
イェジン「それで?ステージに誰々上がるわけ?」

待ってましたとばかりにホンスンが書類を差し出す。
彼女は恐る恐るそれを開いた。

イェジン「シンディ?!」

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撮影の合間、シンディにマネージャーがスケジュールを説明した。

マネ「撮影が終わってすぐ空港に向かえば、7時のに乗れる。釜山の大学祭が終わって、ソウルに着くのが夜中の3時。6時にメイクとヘアをやって、9時に上岩洞で音楽番組の事前収録。それからすぐビッグショー。これが汝矣島で午後1時にリハーサルだから… 合間に昼食をとれるかどうかは微妙だな」

シンディは無表情で手元の本を開く。デミアンだ。

シンディ「食べられないのはいつものことでしょ」
マネ「一週間に22件のスケジュールを入れる代表も、それをやり切る君も、強烈だよ」
シンディ「ビッグショーって何?」
マネ「これはKBSでやるんだ。あ、共同演出がミューバンのタク・イェジンPDだな」

シンディが眉をひそめる。「別番組のPDなのに」

マネ「もともと大きなスペシャルをやるときは、他のチームからPDやらADやら派遣されるだろ?」

「ってことは…」シンディがさりげなく耳に手をやる。「一泊チームからADが来たりもするわけ?」

マネ「そこまではまだ…」

シンディは努めて無表情で本に視線を戻した。

マネ「あ!あの傘PDのことを言ってんだな!」
シンディ「!!!」
マネ「あの傘PDがまた空気も読めずにバカなマネするんじゃないかって?」
シンディ「…。」
マネ「OK。俺がしっかり要求しといてやる。あの人は絶対に来させるなってな」
シンディ「!」
マネ「名前は… ペク・スンチャンって言ったっけ?」

「ねぇ」シンディが呆れてマネージャーを見上げる。

マネ「何だ?」
シンディ「私が何か言ったら、言葉通りに受け取ってよ。そこから深読みしたりしないで」
マネ「いや、だって… この間、君が行間を読めって言ったから」
シンディ「読み違えてばかりだからよ!」
マネ「…。」
シンディ「読まないで!」
マネ「…分かった。読まないよ」

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一泊二日チームは無事編集を終えた様子だ。
新シーズンの初回放送を前に、皆はヒットを祈願して”賭け”を行なっていた。
視聴率を予想して賭け金を出し、当てれば配当金がもらえる仕組みだ。

イリョンは10と予想。

ジュンモ「2桁なら大ヒットだ。けど、イケるかな?」
イリョン「感触いいので」
ジュンモ「そうか。次はヒョングン」

ヒョングンは12。

ジュンモ「お前、デカく出過ぎじゃないのか?」
ヒョングン「楽しみでしょ」

「次はテホCPだ」ジュンモが嬉しそうに数字を見ると、そこに現れたのは…7。

皆「(シーン)」
ジュンモ「酷いな。金さえ稼げりゃいいって?担当部長なのに?」
テホCP「違うさ。反対だろ。7なんて絶対ないから、俺は金はいらないって意思表示だ」

「さぁ、次はペク・スンチャンは?」ジュンモは気を取り直し、スンチャンを笑顔で指さす。
出た予想数字は… 6.8。

ジュンモ「7でもなく6.8?!」
スンチャン「あ、先シーズンの最終回が5.5で、シーズン通算の初回放送は、その前シーズンの最終回より2ほど上がってるんです。
皆「(絶句)」
スンチャン「だけど、陽気な気候という変数があるので、週末の流動人口を考え合わせると、0.7を引いて…」
ジュンモ「お前、水さすなよな!」
スンチャン「…。」

次はミンジョンだ。
彼女は15。

ジュンモ「15?オーバーなんじゃないか?♪」
ミンジョン「それくらいは、まぁ十分に」

「みてみろ!」ジュンモがスンチャンに声を上げる。「一番下はこうあるべきだろ!明るく、肯定的にな!」

スンチャン「それじゃあ僕も…」
ジュンモ「もういい!」
スンチャン「…。」
ジュンモ「(みんなに)とにかく、今回は… 超感触がいいぞ」
皆「!」

「まぁ焦らずに」テホCPが抑える。「とりあえずは謙虚に、結果を待ってさ」

ジュンモ「いや、先輩。今回はホントにそう思うんだ。やけに感触いいんだから!」
皆「…。」
テホCP「あんまり確信持って話すなって」

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「あぁ、それ」FDが頷いた。

FD「ラ・ジュンモPDは別名”芸能局のペレ”っていってね。あのPDが”感触がいい、上手く行く”って言ったら、とことんダメ。”上手くいきそうにない”って言えば、上手く行く、そういうジンクスがあるんですよ」

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「代表、僕の言うとおりにしなさいって。この子は芝居をやらせちゃダメだ。バラエティ?ダメだよ。歌だけやらせなさいよ。歌だけ。いくつも手を出しちゃダメだよ」そう言って、ジュンモがテーブルに置いたのは、イ・スンギの写真だ。

ジュンモ「歌はイケる」

「上手く見つけてきたな」次に見ているのは女性アイドルたちの写真。Miss Aのメンバーだ。

ジュンモ「一体どこで見つけてきたんだ?みんないいけど、この子だけ問題だな」

彼が拾い上げたのは、スジの写真だ。

ジュンモ「この子はおとなしそうだし、なんだかこう引っ掛かるものがない。個性がないっていうか?この子だけ外せばいいと思うけど。こっちの3人で行こう」

1912

別のときはCDを片手に興奮する。「お前らいいぞ!」

ジュンモ「今度の曲、超イイぞ!韓流のスタートになりそうだ。この”3枚目”とシャウトの出会い!こんなグループは初めてだ。全世界的にいないぞ」

彼はNORAZOの二人を前に絶賛した。

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「あぁ、いつも反対ってことですか」スンチャンが納得する。

FD「えぇ。一貫してるんです。反対。例外なく逆です。だから、マネージャーたちはタイトル曲を選んだりするとき、わざとラPDに訊きに来るんですよ。これにしろって言われた曲は外して、ダメだって言われたのをタイトル曲に」
スンチャン「僕、この間からラ・ジュンモ先輩はちょっと… ちょっとセンスがないってそんな感じがしてたんです」
FD「あぁ…」
スンチャン「僕がこんなこと言ったって、言わないでくださいね」

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スンチャンの両親は、スンチャンが帰って来るのを今か今かと待ち構えていた。
長男に続き、スンチャンが帰って来ると、彼らは飛び上がる勢いでスンチャンを出迎える。

母「あらまぁ!何日ぶりかしらぁ~~!よく帰って来たわ!こんなにシュッと痩せちゃって、ほら見て!うちの子、すごく苦労してるみたい!」
父「どうした?下のヤツが苦労かけるのか?」
スンチャン「僕が一番下ですよ」

大喜びする両親の間で、大きなお土産を持って帰った長男は、小さく身を縮めた。

母「(長男の荷物を見て)あんた、何日いるつもり?」
長男「あぁ、かみさんが子どもたちを連れて実家に行くって言うから」
母「また喧嘩したの?!」
父「また追い出されたのか!」

「早く冷蔵庫に入れないと」長男はお土産を手に、逃げるようにその場を離れた。

#涙なしではみられない…。

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ここで一旦区切ります。

 - プロデューサー