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SPY(スパイ:JYJジェジュン主演)10話あらすじ&日本語訳vol.2

      2015/02/10

JYJキム・ジェジュン、ユ・オソン出演、「SPY」10話。後半に進みます。

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「車のナンバーは追えたか?」電話で話しながら、ソヌは個人ブースへ向かった。

ソヌ(電話)「今デスクにいるから、場所を言ってくれ」

ソヌはPCで地図を開いた。

ソヌ(電話)「正確な座標は?」

ソヌは電話の向こうで言われたとおりキーを叩く。
地図の場所が切り替わり、一箇所に赤いピンが表示された。

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#凝り性の私はいちいち場所を探さずには通れません。
地図はここなんだけど、赤いピンのある一角だけ合成されてますね。

ソヌはとうとう彼らの潜伏先を突き止めた。

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アジトの前に停めた車から、ヘリムはじっと中を窺っていた。
人の出入りはあるものの、大きな動きは見られない。

ヘリム「…。」

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「昨日の薬だけど」不意に近くでウナの声がして、ソヌはさっと画面を切り替える。

ソヌ「?」
ウナ「精神安定剤よ。誰のか知らないけど、だいぶ辛いみたい」
ソヌ「…。」
ウナ「強い薬だから、なるべくなら処方しないようにする物なんだけど。もしかしたら、長い間飲んでるから耐性が出来ちゃってるのかもね」
ソヌ「これを飲んでいても日常生活に支障はないのか?」
ウナ「普通の人なら不可能だろうし、超人的な意志?耐えるだけの理由のある人なら可能だろうね」

「…。」ソヌは手渡された分析結果を見つめた。

※ ZOLPIDEM 0.3mg Diazepam 0.25mg とありますね。
ゾルピデムは睡眠導入剤に用いられる成分で、夢遊症状やめまい、幻覚などの副作用があるようです。
また、ジアゼパムは抗不安剤や鎮静薬に広く用いられ、こちらも長期間服用すると体に異常をきたすことがあるようですね。

「ウナ、ありがとう」ソヌは立ち上がった。

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アジト前でのヘリムの張り込みは随分長くなっていた。
パンを頬張りながらアジトの出入口を見張っているうちに、数人の男たちが外へ出てくるのが見える。

テシク、そしてキチョルの手下たちだ。
彼らを乗せた黒いバンが発進すると、ヘリムはすぐさまシートベルトを締めた。

その時だ。

誰かがやって来て、車の窓をコンコンと叩く。

ヘリム「?」

窓の向こうでこちらを見ていているのは、仏頂面のキチョルだった。
彼女は仕方なく窓を開ける。

キチョル「お前、何してる?俺たちの監視か?」
ヘリム「通りすがりに寄っただけよ」
キチョル「もっとまともなことを言えよ。どうした?俺たちが妙な真似をするんじゃないかって?」
ヘリム「初めて見る男がいたわ。誰なの?あんたの部下たちはその人に付いて行ったけど」
キチョル「お前は知らなくてもいい奴だ」

「作戦延期だと言ったら、逆にやる気が出たようだな」キチョルが表情を緩める。

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キチョル「時が来れば指示を出すのに」
ヘリム「あんたたちが何を企んでるのか気になるからよ。少しの間でも休んでる人たちじゃないでしょ」
キチョル「…。」
ヘリム「次の計画、そのまた次。どんどん人を殺して、情報を盗み出す悪巧みばかり」

「…。」キチョルは静かに頷くと、車のドアに手を掛けた。「ソンエ」

キチョル「ここでお前の味方になってやれるのは俺しかいない。他の人間の言うことは絶対に聞かないで、俺の言うとおりにしろ。そうすれば何事もないはずだから」
ヘリム「あなたさえあの時死んでいれば、何事もなかったわ!」

#きっついわー 

ヘリムはキチョルを残し、アクセルを踏んだ。

キチョル「…。」

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家に戻ると、ソヌは改めて両親の洗面所を調べ始めた。
棚の扉を開けてみると、薬の瓶がいくつか並んでいる。
一つを手に取り、中身を出してみると、彼が拾ったものと同じ薬だった。

彼は棚の左端にあったファイルを取り出してみる。

最初のページには、『初めての出会い』『ソヌ超音波写真』とネームタグの貼られたエコー写真。
次のページには、小さな小さな足型。

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#ちょっと涙出てきた…。

パラパラとめくると、彼が渡した『企画財政部』の名刺が現れる。
そこには『ソヌ初めての名刺』とネームタグが貼ってあった。

ソヌ「…。」

最後のページには、一通の封筒が入っている。
彼は迷わずそれを開いた。

それは、母がしたためた手紙だった。

『私の名前はキム・ソンへ。
1964年平壌北道の新義州で生まれました。
1988年、中国で夫に出会い、韓国へやって来ました。
これまで家庭を営み、子どもを産み、平凡な幸せを夢見て生きてきましたが、
実際にはたったの一日も心穏やかに暮らしたことはありません。
告白します。私はスパイでした。
夫を抱き込むために接近し、心変わりをして、一緒に韓国へやって来たのです。
私が過去にスパイだったことは、家族じゅう誰も知りません。
北からやって来た昔の仲間に脅迫されなければ、今でもこの事実を隠していたはずです。
彼らは私の息子が国家情報院に勤めていると告げ、
息子を抱き込まなければ、全てを暴露すると言ったのです。
彼らの脅迫に勝てず、今まで彼らに協力してきました。
これ以上家族を騙して生きる自信がなく、自首するつもりでいます。
北の要員たちとの会話を証拠として一緒に提出します』

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ソヌは右端に置いてあった黒い小さな物を手に取る。

#何だか分からないので書かなかったんですが、2日前にキチョルと会った後、これをここに戻していました。
最初にアジトへキチョルに会いに行ったときも、バッグの中に忍ばせていた物ですね。

それはUSB端子がついており、記憶媒体のようだ。

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ユンジンは暗い表情で高校の前に立っていた。
帰宅する学生たちが一人二人と外へ出てくる。

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「キム・ソヌには妹が一人いるんだってな。君が適役だ。子どもを連れ去るには、顔を知ってる人が一番いい」テシクはそう言ったのだ。

ユンジン「拉致… しろと言うんですか?」
テシク「キム・ソヌが何の理由もなく俺たちに従うと思うか?理由を作ってやらなきゃな」
ユンジン「言うことを聞かなかったら… あの子は?」

「そりゃ、これまでやって来た通りだろ」テシクは不敵な笑みを浮かべ、飴を歯で噛み砕いた。

~~~~

向こうからヨンソが一人で歩いてくるのが見える。

ユンジン「!」

ユンジンは手に持っていた本の包みを少し緩め、タイミングを測って歩き出す。
ヨンソの少し前へ来たところへ、彼女はわざとそれを地面に落とした。
紐が解け、本が地面に散らばると、付近の学生たちが拾いに集まる。

ユンジン「ありがとうございます」

携帯を見ていたヨンソがふと顔を上げる。「?」
「あ、お姉さん!」ヨンソはユンジンに気づき、パッと顔を輝かせた。

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車に戻ったソヌは、ハンドルを掴んだまま、ガックリとうなだれた。
母が一人で隠してきた苦しみが、彼に重くのしかかる。

「あなたが何と言おうと、ソヌは絶対に渡さないわ!」
「ソヌが心配だったからよ。あなたとぶつかるんじゃないかって。下手をすると酷い目に遭うかもしれないから」
「私が悪かったわ。何でも言うとおりにするから!もう一度だけチャンスを頂戴!」
「私が死ねば、ソヌのことは放っておいてくれるのよね?」

※記憶媒体に保存されていた音声ですね。

車を走らせるソヌの目から、涙が零れ落ちた。

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「えーっと」ヨンソはワクワクしてショーケースを覗き込んだ。「チーズケーキ」
「チーズケーキ一つください」隣でユンジンが店員に告げる。

無邪気な横顔を、ユンジンは静かに見つめた。
「連れ回して時間を稼げ。普段通りにな」テシクの指示が頭を巡る。「俺が合図を送ったら、子どもを連れて来い」

「超ラッキー!あんな場所でばったり会うなんて」テーブル席でケーキを食べながら、ヨンソが言った。

ユンジン「そうよね。印刷所が学校の隣だったなんて」
ヨンソ「運命だよ、運命。今日補修サボりたくなったのは、そういうことだったのかぁ」

そう言ってから、ヨンソは気まずそうにユンジンを見る。

ユンジン「お兄さんには秘密にしてあげるから、たくさん食べて」

ヨンソはホッとして微笑んだ。

ヨンソ「あ、お兄ちゃん昨日泊まったんでしょ」
ユンジン「!…あっ」
ヨンソ「お母さんには秘密にしてあげるから、お兄ちゃんに伝えてくださいよ。今度からはデタラメでも夜勤だとか言ってくれって」
ユンジン「…。」
ヨンソ「お母さん、眠りもしないで一晩中リビングにいたの」
ユンジン「ひょっとして… 家で何かあったわけじゃないよね?」
ヨンソ「わかんない。最近みんな自分のことで忙しくて、お互いに興味もないんですから」

「私に対してだけかもしれないけど」ヨンソは小さくそう呟き、ケーキをつついた。

ユンジン「…。」
ヨンソ「だから早く結婚してください。うちの雰囲気が変わるように」
ユンジン「…そんな資格があるのかどうか」
ヨンソ「私はお姉さん好きだけど?」
ユンジン「!」
ヨンソ「まぁ、美味しいもの奢ってくれるしね」

ヨンソの言葉にハッとした瞬間、ユンジンの携帯が鳴り出した。
ユンジンは立ち上がり、テーブルを離れる。「もしもし」
「子どもは?」テシクの声が聴こえてきた。「!」

ユンジン(電話)「一緒にいます」
テシク(電話)「連れて出ろ。今パク・ヘリムを連れに向かうところだ」

電話が切れる。
ユンジンはテーブルへ戻った。

ユンジン「お兄さんが今日仕事が早く終わるから、3人で食事でもしようって」
ヨンソ「ホントですか?!はぁ、こんなに食べるんじゃなかった」
ユンジン「そろそろ行こうか」
ヨンソ「でも… 塾があるからお母さんに許可貰わなきゃ」
ユンジン「…。」

躊躇するユンジンの前で、ヨンソは携帯を取り出した。
「…。」どうしようかユンジンが迷っているうちに、ヨンソは携帯の電源を切る。

ヨンソ「まぁいいや。お姉さんたちが責任取ってね」

「行こう」ユンジンはニッコリ頷き、立ち上がった。

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ソヌは職場へ戻っていた。
席につくと、すぐに受話器を取る。

ソヌ(電話)「もしもし、さっき俺が話した件、あるだろ。(*)。後で問題になるかもしれないから、資料は全部消してくれ」

電話を切り、PCを起動させると、ソヌは資料画像の一覧をチェックする。
その中から一つを選択しした。

『選択したファイルを削除しますか?
削除されたファイルは二度と復旧できません』

彼は次々とファイルを選択し、削除ボタンを押した。

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ジュンヒョクはヒョンテを伴い、次長の元を訪れていた。

次長「今度は失敗しないでまともにやれよ。ソン主任が何度も言うから特別にチャンスをやってるんだ」

「はい」ヒョンテが顔を上げた。「お話し中申し訳ありませんが、トイレに行ってきます」
ヒョンテは唐突に立ち上がり、足早に部屋を出た。

次長「あいつは全く。これじゃ長くはもたんぞ。ヤツに被らせるつもりか?」
ジュンヒョク「はい。監督官に恨みもありますし、ピッタリじゃありませんか?」
次長「確かにな。このためにキープしてたのか?」
ジュンヒョク「えぇ、まぁ、国のために使い途があると思いまして」

ソファの上に置いて行ったヒョンテの上着のポケットから、何かが覗いている。
通話状態になったままの携帯電話だ。

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ヒョンテは廊下で別の電話を耳にあてていた。
「ゴキブリより寿命のしぶといヤツだから」次長の声が聴こえてくる。「気をつけろよ」

ジュンヒョク(声)「ご心配なく。明日になれば全て終わります」

電話を切り、ヒョンテはぼんやりと息をついた。「こういうことだったか」

ヒョンテ「面白い。面白いよ」

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マンションの前へ戻ってきたヘリムの後ろを、黒いバンが静かに滑り込んでくる。
テシクが腕時計を覗く。「あと10分だな」

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家に帰ってきたヘリムは一人静かに過ごしていた。
ベッドに腰掛け、家族写真をじっと見つめる。

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ソヌは地下資料室から持ちだした瀋陽爆発事故の資料を、一枚ずつシュレッダーに掛けた。
母らしき女性を捉えた写真も、あっという間に飲み込まれ、粉々になる。

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テシク一味が動き出した。
テシクを除く全員が車を降り、はしごやバールを手に黙々と進んだ。

マンションの入口までやって来ると、二人はそのまま通り過ぎ、残りは中へ入る。

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キチョルは誰も居ないアジトで悶々としていた。
電話を手に取り、ヘリムに電話しようかしまいか、ひとしきり迷っては、何も出来ずに電話を放り出す。

キチョル「…。」

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ひどく憔悴した様子でソヌは廊下を歩いていた。
すると、向こうからジュンヒョクとヒョンテがやって来た。
「ソヌさん」ジュンヒョクがすれ違いざまに彼を呼び止める。

ジュンヒョク「お父さんから何か聞いたか?明日お父さんの会社を尋ねることになったんだ」

#正確には「明後日」と言ってるんですが… ウソクと約束したのは昨日のことだから、「明日」ですよね?
違うかなぁ。間違ってたらごめんなさいねー。

ソヌ「いえ、何も聞いていませんが」
ジュンヒョク「そうか?なぜ何も言ってないんだろう…?。前に言ったことを覚えているか分からないが、重要な物だから現場要員とソヌさんが一緒に言ってくれると有難いんだ。お父さんの会社にな」
ソヌ「…。」
ジュンヒョク「それから、事情が差し迫っていたから、ソヌさんの身分を明かした。理解してくれるといいんだが」
ソヌ「え?!」
ジュンヒョク「俺たちの仕事ってやつは、どのみち最後まで隠し通せるわけじゃないだろ」

ジュンヒョクの隣で、ヒョンテが静かにソヌを見つめる。「…。」

ジュンヒョク「この機会に家族に身分を明かして、楽に生きよう」

#これはひどいよねぇ 家族のデリケートな問題なのに ひどいよねぇ

ジュンヒョク「まぁ問題があれば俺が責任を持つから。分かったな?」
ソヌ「… はい」

ジュンヒョクが歩き出すと、ヒョンテは何か言いたげに悲しい目をソヌに向け、そのまま何も言わずに背を向けた。

ソヌ「…。」

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「…。」隣でワクワクしているヨンソを見つめ、ユンジンの不安は膨れ上がるばかりだ。

「行くところがないんだ」
「親孝行ってのは大変ですよ」
「私、お姉さんのこと好きだけど」
「あとはユンジン、あんたがそばにいてくれさえすれば、もう望むことはないよ」

いろんな人のいろんな思いが、彼女の中で錯綜する。

「運転手さん!」彼女はギュッと目を閉じた。

ユンジン「…テセ語学院に行ってください」
ヨンソ「お姉さん?!どうして?」

ユンジンはじっと前を向いたまま、小さく震えた。

ヨンソ「お姉さん、どうしたの?」
ユンジン「約束… キャンセルになったわ」
ヨンソ「はぁ、ホント!キム・ソヌ!」

「…。」何かがユンジンの中で崩れ落ちた。

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テシク一味は粛々と目標へ近づいていた。

外回りの二人は外壁にはしごを掛け、2階のヘリムの家の窓へとよじ登る。
中へ入った3人は階段を上がり、玄関前へと辿り着いた。

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ヘリムは洗面所の棚を開けた。
薬を手に取ろうとして、ふと異変に気づく。「?」
何かが昨日と変わっていた。

彼女はまっさきに左端のファイルを手に取る。
一番後ろのページに入れたはずの封筒が…ない!

慌ててページを遡ると、それは違うページに入っていた。

ヘリム「!」

彼女はふと気配を感じ、窓の外を見た。「?」

#言っちゃいけないけど、昨日隠して今日見つかるとは…早い。

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ソヌの車が停まったのは、探し当てたばかりのキチョルのアジト前だ。
拳銃を手に、彼は階段をあがる。

「ファン・ギチョル!!!!!」

ガランとした2階へ上がると、彼は大声で叫んだ。
「こっちだ。入って来い」向こうからキチョルの静かな声が聴こえる。

曇ったガラスの向こうに、ブラインドから差し込む柔らかい陽光が見える。
そこに、椅子に座って背を向けているシルエットが浮かんで見えた。

ソヌが奥の部屋へ入ると、キチョルは背を向けたまま小さく息をつき、立ち上がった。

キチョル「答えは決まったか」

「…。」ソヌは何も言わず、腰に忍ばせた拳銃に手を伸ばす。
僅かな動きに、キチョルが緊張を高めた。

ソヌが拳銃を抜くと同時に、キチョルがゆっくりと振り返る。
二人の視線がぶつかった。

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ここでエンディングです。

すごく緊迫した展開になってきたのに、徹底して静かな描写。
とてもイイです。

特に覚悟を決めたヘリムの表情や佇まいが好き。
余計なセリフや描写がないから、逆に彼女がどんな思いでいるのか、どんな思いで生きてきたのか、観ている方が脳内で補完でき、余韻も生まれますね。

ここへ来て、登場人物たちの関係が一気に複雑になってきました。
ヘリムたちやユンジンの気持ちは素直に理解できるし、ジュンヒョクやテシクたちはシンプルに憎しみがわきますが(笑)、
面白い存在なのがキチョルやヒョンテです。
宙に浮いた状態の彼らがどう転ぶのか、そこがとても楽しみですね。

今回も長い文章に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
Twitterでも感想を聞かせてくださる方が増えてきて、すごく嬉しいです。
これからも出来る限り細かく拾い、丁寧に訳していきますね。

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