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SPY(スパイ:JYJジェジュン主演)6話あらすじ&日本語訳vol.2

   

JYJキム・ジェジュン、ユ・オソン出演、「SPY」6話。後半に進みます。

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翌日も、ソヌとウナはそれぞれ映像の解析にあたった。
煮詰まってPCモニターから目を離すと、彼は携帯を取り出す。
表情は冴えなかった。

彼は母宛てにメールを打ち始める。

『母さん… ごめん…』

送信ボタンを押そうか押すまいか、しばらく迷った末、彼は文章を削除し、代わりにどこかへ電話を掛ける。

ソヌ(電話)「どうなった?」

電話を受けたのは、ブローカーの男だ。

男(電話)「えぇ、連れ出しますよ。ホントですってば。けど、かなり危険です」

「死んだ娘がやらかした一件があるじゃないですか」男は周囲を気にし、声のトーンを落とす。

男「うちの手のヤツらも安全の保障は出来ないと言ってます。えぇ、出来るだけ早く韓国へ連れて来なきゃいけないと思うんですが… 何か方法はありませんかね?」
ソヌ「俺がどうにかしてみる」

ブローカーとの通話を終えると、ソヌはまたすぐどこかへ電話を掛けた。「父さん」

ソヌ(電話)「主任と会う日は決まったんですか?」

「いや、まだ決まっていないが」ウソクは資料を睨みながら電話を受ける。

ウソク「どうした?主任さんが何か言ってきたのか?」
ソヌ「そういうわけじゃないんです。父さんから主任に電話してもらえますか?3分でいいんです。きっかり3分」

ソヌは話しながら廊下を急ぐ。

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ソン・ジュンヒョクの執務室にソヌがやって来た。「お話したいことがあるんです」
「何だ?」ジュンヒョクが答えた瞬間、電話が鳴った。

ソヌ「チョ・スヨンさんの家族のことなんですが」

「ちょっと…」ジュンヒョクが電話を手に取る。「電話だから待っててくれ」
「誰の話だって?」電話に出る前に、ジュンヒョクがソヌを見上げた。

ソヌ「チョ・スヨンさんの家族のことです」
ジュンヒョク「そうか。待っててくれ」

「えぇ、こんにちは、キム・ウソク理事!」ジュンヒョクは先日同様、明るく電話を取る。
ソヌはジュンヒョクの前にとどまったまま、そっと部屋の扉を閉めた。

ジュンヒョク(電話)「お会い出来る日はお決まりですか?えぇ、承知いたしました。その時間に合わせて私が行くようにしましょう」

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旅行会社の窓口へやって来た女性客に、ユンジンが対応しているのが見える。
店の前に車を停め、ヘリムはじっとユンジンの様子を窺っていた。
ここから見ている限り、何も疑わしい点はない。
ヘリムは静かに考えを巡らせた。

そこへ電話が鳴り始める。『発信者表示制限』
彼女は軽く周囲を確かめ、電話を受けた。「何の用?」

「どうだ?事は順調か?」キチョルが言う。

キチョル(電話)「また別のことに無駄骨折ってるんじゃないだろうな」
ヘリム(電話)「相手は国家情報院の主任なのよ。簡単な相手じゃないのは分かってるでしょう?」
キチョル「出来ると言ったのはお前だぞ。無理なら言え。時間がない」
ヘリム「終ったも同然よ。もうじき会うわ」
キチョル「どうやって?」
ヘリム「向こうから電話してきたのよ。夫に会いたいとね」
キチョル「キム・ウソクに?!」

「なぜだ?」キチョルが目を細める。

ヘリム「正確なことは私にもよく分からないわ。あなたにとっても別に興味のないことでしょ?携帯に盗聴器さえ仕掛ければいいんじゃないの?」

キチョルは思わずふっと笑う。「昨日は助けてくれとせがんだくせに」

キチョル「もう元気になったようだな。いいだろう。失敗だけはするなよ」

電話が切れる。

ヘリム「…。」

そこへ、タスクを知らせる通知が携帯に上がった。『午後5時 ヨンソ学校』
ヘリムは我に返ったようにシートベルトを付ける。
また電話の着信音が鳴った。「ヨンソ?もう家に帰ったの?」

ヘリム(電話)「ごめん。まだ外なのよ」
ヨンソ(電話)「お母さんってば!家にいないならお金でも置いていってくれなきゃ。今日、塾終わるの9時なのに、それまでお腹ペコペコでいろって言うの?!」
ヘリム「ごめんね。お母さんすぐ行くから…」

そう言って何気なく外を見ると、ちょうどユンジンが出てくるのが見えた。
ユンジンは職場の前でタクシーを止め、どこかへ出掛けて行く。

ヘリム(電話)「ヨンソ、悪いけど、今日はラーメン作って食べて行って」

そのまま娘の返事も聞かず、ヘリムは急いで車を発進させた。

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ヘリムは慎重にユンジンの乗ったタクシーの後を追う。
ショッピングモールらしきビルの前でタクシーを降りると、ユンジンは中へ入っていった。
ヘリムもその場で車を降り、急いで後を追いかける。

中へ入ると、ユンジンは中央のエスカレーターで下の階へと下りていく。
近くのファッション雑貨店に入り、彼女がマフラーを選ぶのを、ヘリムはじっと観察した。

ユンジンが次に立ち寄ったのは、本屋だ。
パラパラと本をめくると、彼女はその本を手にそこを離れる。
ヘリムは遅れてその棚の前へ行き、同じ本を手に取った。

『今この瞬間 -ラオス- 幸せを夢見る旅行者の楽園』

※著者がラオス旅行で出会った自然や人々との交流を綴った本のようですね。

レジの前で平積みの本を手に取ると、何の気なしにパラパラとめくり、すぐにそれを戻すと立ち去った。

ユンジンは街中のありふれた中華料理屋に入ると、本を静かにめくる。
車の中でその姿を眺めながら、ヘリムは夫の言葉を思い浮かべた。「君は最近の出来事のせいでナーバスになってるんだ」
そうかもしれない…。もう引き上げようとエンジンを掛けたとき、彼女は思いがけない光景に目を見開いた。「?!」

ユンジンのいる店の前に立っていた若者たちが、少し脇に退き、ユンジンの後ろの席が見える。
そこに背中合わせに座っているのは…
キチョルではないか。

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ヘリム「!!!」

店の入り口からキチョルの手下が顔を覗かせ、ドアの表示を「準備中」に掛け替える。
窓のロールスクリーンが下ろされ、外からは中が見えなくなった。

「違うわ!そんなはずない!」あまりの衝撃に、ヘリムは思わず苦しげに胸を押さえた。

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ロールスクリーンが下りると、キチョルは立ち上がり、ユンジンの向かいへ移動する。

キチョル「こうやって会うわけにはいかないと分かってるはずだが」

彼は伏せてあったコップを表に返し、やかんの飲み物を注ぐ。「何の用だ?」

ユンジン「この仕事… やめたいんです」

キチョルは手を止め、やかんをテーブルにドンと戻す。

キチョル「…。俺たちの仕事は、辞めたくなりゃ辞められるようなものだったか?」
ユンジン「…そんな意味じゃありません。また中国へ行ってもいいし、ここで他の仕事をくださってもいいんです」

「ソヌさんを…!」ユンジンが語気を強める。「ソヌさんを監視する仕事は、もう抜けたいんです」

キチョル「ソヌさん…?イ・ユンジン同志、本気で好きにでもなったか?」
ユンジン「どうせ私がいても、これ以上やることなんてありません。お母様も…!いえ、キム・ソンエも…」

キチョルが小さく笑みを浮かべる。

ユンジン「もう私たちのために働いているじゃないですか」
キチョル「君が突然いなくなったら、キム・ソヌが黙っているか?ヤツの性格上、君を探しだそうと血眼になるだろうに。それで正体がバレでもしたらどうする?」

「…。」ユンジンの目に涙が滲む。「別れます」

ユンジン「中国へ行くから別れようって、そう言います。どうにかして諦めさせますから。お願いです」
キチョル「同志、チョ・スヨンと知り合いだったな」
ユンジン「!!!」

ユンジンが小さく震える。「訓練所にいた頃、親しくしてました」

ユンジン「南に来てからは会ったこともありません」
キチョル「それなら、友だちを殺したんだな」
ユンジン「スヨンが関わっているとは知りませんでした!」
キチョル「知っていたら?」
ユンジン「!」
キチョル「報告しなかったか?」
ユンジン「…。」
キチョル「チョ・スヨンは党に忠誠でなかったために死んだ。忠実に任務を遂行するのを見て、イ・ユンジン同志は違うと思っていたが… 思い違いだったのか?」
ユンジン「…。」

「違います」ユンジンはいっぱいに涙を溜め、辛うじてそう答えた。

キチョル「キム・ソヌがそんなに好きか?自分を産み、育ててくれた党の命令を拒むほど?」
ユンジン「…いいえ」
キチョル「祖国を捨て、家族を捨てれば、キム・ソヌが受け入れてくれると思うか?」

「どうせ二人が結ばれることはない」キチョルは眉間に深く皺を刻み、黙りこむユンジンを残して立ち上がった。

キチョル「任務をしっかり遂行して、英雄になるほうがマシだろう」

固く口唇を結ぶユンジンの目から、大粒の涙がこぼれ落ちる。

キチョル「そうすれば君も幸せだし、君の家族も幸せになれるんだ」

キチョルはそう言って、ユンジンの肩をトントンと叩く。

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ユンジン「…分かりました」

キチョルの手下が料理を運んできて、ユンジンの前に置いた。

キチョル「たっぷり食っておけ。人生を2倍生きるためには、2倍食わないとな」

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ミーティングブースに分析班の面々が集まっていた。

ヒョンテ「最大限に努力してはみたんですが、車両ナンバーの最後の桁が(*)」
ジュンヒョク「それで?」
ヒョンテ「え?それで…」
ジュンヒョク「車両はまだ見つかってないのか?」

「はい」ソヌが答える。

ソヌ「防犯カメラの映像を元に動きを追ってみたんですが、途中でカメラのない地域を通っているので」
ジュンヒョク「…。」
ソヌ「正式に手配する手もありますが、車両番号一つでは車両を特定するのは難しいですし、向こうが勘づいたりすれば、車を廃棄する可能性もあります。とりあえず状況を見守ることにしました」

「OK」ジュンヒョクが頷く。

ジュンヒョク「状況を見守ることにして。まだ確かなことでもないから、外に漏れないように。決定的になるまで、知ってるのは俺たちだけだ。いいな?」

「次は?」ジュンヒョクが仕切ると、ソヌがPCのキーボードを叩いた。
これまで防犯カメラの画像が表示されていたのが、北朝鮮の軍人たちの写真に切り替わる。

ソヌ「いろいろな状況からみて、この人物が新しくやって来た工作組織の責任者、別名”火傷の痕”だと思われます。最近あった保衛軍の創立記念式典で似た顔がいないか探しているところです」
ジュンヒョク「とりあえず探してみて、まぁ名前は必ずしも重要ってわけじゃないが、それでも名前がついてるほうが値打ちも上がるからな」

「会議はこれで終わろう。お疲れ」ジュンヒョクはいつもの調子で軽く会議を終わらせた。
皆が思い思いに動き出した瞬間、ジュンヒョクの電話が鳴る。「あぁ、俺だ」

ジュンヒョク(電話)「そうか?OK、お疲れ」

ジュンヒョクがそっけなく電話を切ると、何気なくソヌに呼びかけた。「ソヌさん」

ソヌ「?」

ソヌだけではなく、ヒョンテとウナも二人に注目する。

ジュンヒョク「前に俺に頼んでたことがあったろ?…上手く行ったらしい」
ソヌ「ということは…今?」
ジュンヒョク「(頷く)韓国入りしたそうだ」
ソヌ「!」

「ありがとうございます!」ソヌは何度も礼を言うと、矢のようにミーティングブースを飛び出した。

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北朝鮮から韓国へやって来た人たちが大型バスから降りてくる。
「これから簡単な調査があります」バスの前で係が声を掛けた。「こちらへ続いてお入りください」

女性が一人降りてきた。
左手を娘、右手を息子としっかりつなぎ、彼女はビクビクした様子で前の人に続く。

チョ・スヨンの家族だった。

息子と娘を廊下に待たせ、母親が一人で部屋へ入る。
カウンター越しに調査官が応じた。

調査官「名前と年齢」
スヨン母「名前はキム・スンシルで… 年齢は47です」
調査官「脱北して一日でいらっしゃったんですね。韓国に後ろ盾でもいらっしゃるんです?」
スヨン母「そんなのは…私にはよく分かりません。娘が… 私の娘が助けてくれたと聞いてます」
調査官「お嬢さんの名前は?」
スヨン母「チョ・スヨンです」

「チョ・スヨン…?」調査官が目を細める。「チョ・スヨン…?」
そこへ誰かがドアをノックする。
訪ねてきた人物を中へ招き入れると、調査官は入れ替わりに退室した。

誰かがそっと視界へ入ってきたのに気付き、俯いていたスヨンの母はゆっくりと顔をあげる。
彼女の前に立っていたのは、ソヌだ。

ソヌ「長旅に調査、お疲れ様です」

「キム・ソヌと申します」ソヌはそう言って、どこか悲しげに下を向く。

ソヌ「もう何事もありませんから、お気を楽になさってください」
スヨン母「…。」
ソヌ「スヨンさんに頼まれたんです」
スヨン母「あぁ!そうなんですか!それじゃ、うちのスヨンはどこにいるんですか?」
ソヌ「…。」
スヨン母「ここに来れば会えると言われたんですよ。調査が終わったら会えるんですか?」

「…。」ソヌはなかなか言い出せず、じっとスヨンの母親を見つめる。

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目を伏せたまま、ソヌは静かに事実を告げた。「申し訳ないことになりました」
スヨンの母親が泣き崩れるのを、彼はその場でじっと耐えた。

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外へ出てくると、ソヌはもう一度振り返る。

063

ソヌ「…。」

スヨンが自分の命と引き換えにした約束を守ったものの、決して心が晴れることはなかった。
ようやく娘のいる韓国へ来たのに、むしろ永遠に引き裂かれてしまったのだ。
母親の底知れぬ悲しみを思い、彼はやり切れない気持ちで足を踏み出した。

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車を道端に停めたまま、ヘリムはただぼんやりと運転席に座っていた。
小さくメールの着信音が鳴る。

『母さん、ごめん』

ソヌからだった。

ヘリム「…。」

彼女は短いメールの文字を見つめ、指でそっと文字を撫でる。

ヘリム「お母さんこそ、ごめんね…」

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ヘリムはようやくアクセルを踏んだ。

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「ソヌさん、今日は声が明るいね」買い物袋をぶら下げ、家への帰り道を歩きながら、ユンジンは電話で言った。

ソヌ(電話)「仕事が片付いたんだ」
ユンジン(電話)「良かった。これまでホントに大変だったね」
ソヌ「帰りにちょっと寄ろうと思うんだけど、いい?」
ユンジン「もちろん。ご飯食べた?帰りにスーパーで安売りしてたから、すごくたくさん買っちゃったの。うーん、まぁ食べたい物。カレーにしようかな。飽きた?美味しいものたっぷり作っとくから、早く来て」

「もう着いたよ」電話で話すうちに部屋の前まで辿り着いたユンジンは、そこで電話を切る。「じゃあ、後でね」
電話の時計を見て、彼女は俄に慌てた。7時56分。約束の時間だ。

部屋に入ると、彼女はとりあえず荷物をその辺に置いて、まっすぐテレビ台へ向かうと、引き出しを開けた。

ない!

あの黒い携帯電話が見当たらないのだ。「!!!」

そのとき… 別の場所でふいに着信音が鳴り始めた。
「…。」彼女は凍りついたような表情で、ゆっくりと立ち上がる。

誰かが灯りを点け、部屋の中が明るくなると、ユンジンは驚いて振り返った。
そこに立っていたのは… ヘリムだ。

ユンジン「!!!!!」
ヘリム「…。」

ヘリムは鳴り続けるユンジンの携帯を片手に、ゆっくりと彼女に近づいた。

ヘリム「探しているのは、これかしら?」

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ここでエンディングです。

いくつかよくわからないところが残ったまま終わっちゃいましたね。

「3分だけ」と父親に頼んで、ジュンヒョクに電話させ、同時にソヌもジュンヒョクを訪ねたこと。
ブローカーが苦労してるからと、ジュンヒョクに協力を求め、あっさり成功した件。などなど。

逆に、ただただ怪しいと思っていたユンジンが、実はスパイでありながらも本気でソヌを愛しているのがよく分かり、ここへ来て共感できるようになったのが嬉しいです。
諜報相手を愛してしまったのは、ヘリムも同じであり、この女二人の今後の関係も気になるところです。

とても印象的だったのは、車でぼんやりしていたヘリムが、「母さん、ごめん」というソヌからのメールをキッカケに、再び動き出したこと。向かったのはユンジンの元であり、息子を守ろうとする母の強さがうかがえます。
ソヌがヘリムにメールしたのも、スヨンの母に会った後。
描写がとてもさり気なくて、このドラマの好きなところはこういうところだなぁって、そんな気がします。

今週も長い記事に最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
台詞の聞き取りにくい役者さんが多く、かなり苦戦していますが、
応援や感想の声をいただくのが本当に嬉しくて、唸りながら頑張ってます^^
これからものんびりお付き合いください。

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