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SPY(スパイ:JYJジェジュン主演)5話あらすじ&日本語訳vol.2

   

JYJキム・ジェジュン、ユ・オソン出演、「SPY」5話。後半に進みます。

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「頼みがある」ユンジンのアパートを出ると、ソヌは電話を掛けた。

「些細な仕事なら中国のヤツらに言ってくださいよ」電話の向こうで男が渋る。

ソヌ(電話)「電話で話せることじゃないんだ。人を連れ出したい。3人だ。いくら欲しい?」
男(電話)「(笑)こりゃまた先生、大きく出たな。ちょっと待って… 今、保安フォンで電話してるんですよね?」
ソヌ「今から事務所に行く。会って話そう」

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ソヌ以外の面々はまだカフェの作戦本部で事後処理にあたっていた。
事件を記録した映像を、ウナがじっと覗きこむ。

「マスコミに漏れないように、そっちは私がしっかり収拾しておきました」班長のジュンヒョクが上に報告の電話を入れていた。
落ち着かない様子で、しきりに足元に散らかった花を踏みつける。

ジュンヒョク(電話)「とりあえず反応を見ようってことでしたから、あまり心配なさらなくても。こんなに簡単に姿を現すとは思いませんでしたが、間違いなさそうです」

そう言いながら、彼は花瓶の花をもうひとつもぎ取り、床へ捨てる。

ジュンヒョク(電話)「はい、途中途中で報告を入れるようにします」

ふと振り返ると、静かに自分を見つめているヒョンテと目が合う。
ジュンヒョクは電話を切った。

ジュンヒョク「キム・ソヌはどこだ?」
ヒョンテ「ショックが大きいようだったので、ちょっと休むように言いました。落ち着いたようですから、すぐ出てくるはずです」
ジュンヒョク「何だって?休む?事態をめちゃくちゃにしておいて、休むって?」
ヒョンテ「…。」
ジュンヒョク「今すぐ出て来いと言え」
ヒョンテ「…。」
ジュンヒョク「出て来いと言え!!!!!」

上の階でPCを睨んでいたウナが、恐る恐る下を覗いた。

ジュンヒョク「おい!さっさと連絡しろ。いいな?」

ウナにそう言っておいて、ジュンヒョクはヒョンテを外へ連れ出す。

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「俺だって辛いんだ」人気のない非常階段へやって来ると、ジュンヒョクはそう漏らした。

ヒョンテ「…。」
ジュンヒョク「キム・ソヌが憎くてやってるわけじゃない。組織ってやつは、事故が起きれば誰かが責任を取らなきゃならない。それが組織だろ?」
ヒョンテ「そんなこと誰だって分かってますよ!ヤツら白昼に人まで殺すと誰が思いますか?勘づいたら来ないだろう… その程度にしか考えてなかったんです。だとしたら、今回の失敗はキム・ソヌの責任に出来るんですか?」
ジュンヒョク「俺は自分の考えを話してるんじゃない。上の考えを言ってるだけだ」

ヒョンテは嫌気が差してそっぽを向く。

ジュンヒョク「それじゃ誰が責任取る?お前か?」
ヒョンテ「…。」
ジュンヒョク「それなら俺が責任取ろうか?」

#ドウゾドウゾドウゾ!

ヒョンテ「…。」
ジュンヒョク「お前、本当にキム・ソヌを助けたいか?それなら俺を助けてくれ。頼むから、ヤツらを捕まえるんだ。全部調べ上げて、俺に報告しろ。現場の資料は全部うちの物だから、他の部署には見せるなよ」
ヒョンテ「…。」
ジュンヒョク「その3つだ。お前、鼻だけはエラく効くだろ。頼むよ、友人として頼んでるんだ」

「…えぇ」ほとんど声にならない返事で、ヒョンテは小さく頷いた。

ジュンヒョク「頼むぞ。信じてるからな」

階段を降りていくジュンヒョクを、ヒョンテは渋い顔で見送った。「頼み事ばかりだ」

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「兄貴のおっしゃることは分かりますけどね」出前の飯を食べながらそう言うのは、さっきソヌの電話を受けたブローカーの男だ。
ここは貿易業務を扱っている小さな事務所だった。

ブローカー「ニュースに出てた、あの死んだ娘の家族を連れて来いってことでしょう?そいつは難しいですよ。誰なのか向こうでもバレてるだろうに、どうにもなりませんよ」

「もう収容所に放り込まれてるかもしれませんよ」ソヌの背後で、彼はとぼけたように言った。

ソヌ「収容所の中にもお前の手先がいるのは分かってる」
ブローカー「兄貴、金は持ってるんですか?」

そこへソヌの電話が鳴る。
ユンジンからだ。「…。」彼は電話をそのままポケットに戻した。

ソヌはテーブルの上のメモに何やら走り書きをすると、それを男に差し出す。「俺の全財産だ」

ソヌ「これでどうにかならないか」
ブローカー「足りませんね」
ソヌ「…。」
ブローカー「助けられるのは一人と半分程度だな」
ソヌ「これを契約金にしてくれ。残りはどうにかして用意する」

「全く!」男が呆れた。「状況が良くないってハッキリ言ったはずですよ」

ブローカー「神経を使わなきゃならないことが、どれだけあると思ってるんです?」
ソヌ「お前ならどうにか出来るじゃないか」
ブローカー「兄貴。黙って知らんぷりするわけにいかないんですか?」
ソヌ「…。」
ブローカー「この仕事をやる人はね、命を投げうってやらなきゃならないんですよ。こんなこといちいち気にしてたら、どうやって生きていくんですか?」
ソヌ「…。」

食べ終わり、男はティッシュで口を拭き、タバコを掴んで立ち上がった。

ブローカー「中国にいるときはナイフみたいに鋭かったのに。同僚が死んだからですか?」

ブローカーがタバコに火をつけようとした瞬間、ソヌがテーブルの上の皿を思い切り払いのける。
残った飯が窓に散り、容器は床にコロコロと転がった。

ブローカー「!」

ソヌはそっぽを向いたまま、金額を書いたメモを差し出す。

ソヌ「お前と冗談を言ってる暇はない」
ブローカー「…。」
ソヌ「チョ・スヨンさんはもう死んだ。(*)」
ブローカー「兄貴、俺だって兄貴と冗談言ってる暇はないんすよ。金を稼がなきゃいけないんです」
ソヌ「お前が脱北者を集めて不法携帯の商売をやってるのは知ってる。今まで見逃してやったが、今日からはそうは行かないな」
ブローカー「(笑)兄貴一人の力でどうにかなるものなんですか」
ソヌ「あぁ」

そう言って、ソヌは静かに男を見た。「やってみようか」

050

ブローカー「…。全くツイてないぜ。今回は俺の貸しですからね」
ソヌ「…。」
ブローカー「金を用意してください。はぁ、ホント気が進まないのに!」
ソヌ「ありがとう。出来るだけ早く頼む」

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先端技術室にジュンヒョクがやって来る。
「暗号はまだ解けないのか?」奥でPCを睨んでいる男性に尋ね、持って来たアタッシュケースを机の上に置いた。

職員「えぇ、その… 暗号体系がもともと強固に出来ていまして、無理やり突破するのは難しいですね。しかも、5回間違うと自動的にシャットアウトするんです。慎重にアプローチする必要があります」
ジュンヒョク「方法はないってことか?」
職員「今のところはそうですが、今最善を尽くしていますので」

「はぁ、一人でも捕まえられたらいいのに」そう言いながら、ジュンヒョクは職員のノートPCのケーブルを乱暴に抜き始める。

職員「あの… 主任。この中に何が入っているのか教えてくだされば、暗号解読の助けになると思うんですが」
ジュンヒョク「機密だ。国家機密」
職員「あぁ… はい。あ、そうだ!この前、国防部で暗号解読プログラムの入札があったのをご存知ですか?」
ジュンヒョク「知ってるさ。全部ダメだったじゃないか」
職員「えぇ。国防部で作った暗号を誰も解けずに、そのまま終わりました。ですが、その中に、成功間近まで近づいた会社があったそうです。プログラムの開発がまだ終わっていないのに、そこまで近づけたんだから、もしかすると彼らにならこれが解けるかもしれません」

話を聞きながら、持って来たアタッシュケースを開き、機材の準備をテキパキと進めていたジュンヒョクは、中央のスイッチを押した。

職員「そちらを一度あたってみてはいかがです?」
ジュンヒョク「考えてみよう」

ジュンヒョクは再びアタッシュケースを手に、職員の前を後にした。

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先端技術室をジュンヒョクが廊下を進んでいると、そこへ戻ってきたソヌと出会う。

ジュンヒョク「あぁ、気持ちの方は落ち着いたか?」
ソヌ「はい。今朝は申し訳ありませんでした」
ジュンヒョク「人が死んだから監察が入るが、あまり落ち込まないように。ちゃんと気持ちを整理するんだ」

「あの…」立ち去ろうとしたジュンヒョクを、ソヌが呼び止める。

ソヌ「北にいるチョ・スヨンさんの家族なんですが」
ジュンヒョク「チョ・スヨンの家族がどうした?」
ソヌ「助け出すって、チョ・スヨンさんと約束したんです」
ジュンヒョク「… 誰が?俺はそんな約束したことはないが。ソヌさんが約束したんなら、ソヌさんが嘘をついたことになるな」

#下唇をピュッとつまんでやりたい

「僕が責任を持ちます!」ソヌが頑なに訴えた。

ソヌ「組織に迷惑は掛けません。主任が少しだけ支援してくだされば…」
ジュンヒョク「何だ?ブローカーでも使うってことか?」
ソヌ「放っておけば、あの人たちは死んでしまいます」
ジュンヒョク「人はみんな死ぬんだ」
ソヌ「主任!」
ジュンヒョク「大事な税金をそんなところに使えるか?」

ジュンヒョクを追いかけようとするソヌを、ジュンヒョクのそばについていた男が手を伸ばして制止する。「グダグダ言ってないで、離れてください」

ソヌ「(男に)今、重要な話をしてるのが見えませんか」

「おい、お前何のつもりだ?」ソヌを制止した男を、ジュンヒョクが振り返る。「話に割り込んでどうする?」
男が慌てて手を引っ込め、頭を下げた。

ソヌ「主任、チョ・スヨンさんは僕たちのせいで死んだんです。このまま知らないふりなんて出来ないじゃないですか!」
ジュンヒョク「知らないふりしてろ」
ソヌ「主任!」
ジュンヒョク「自分の心配をしろよ。人の心配してないで。俺はハッキリ言ったからな」

絶句するソヌの前で、ジュンヒョクの乗ったエレベーターの扉が閉まった。

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誰もいない自宅の窓ガラスを見つめ、ヘリムは口紅を塗り直した。
軽く上着を羽織り、外へ出てみる。
そろそろ帰って来る時間だ。
いつもどおりに車が入ってくる。
ソヌが降りてくると、彼女はニッコリ笑いかけた。

ソヌ「母さん?何で外に?」
ヘリム「息子の顔をちょっと早く見たくてね」
ソヌ「仕事が終わったらすぐ帰るつもりだったのに、終わるのが遅くなったな」

「疲れた。家に入ろう」ソヌは歩き出した。

ヘリム「鞄貸しなさい。疲れてるだろうから、お母さんが持ってあげる」
ソヌ「いいって。重くないから、大丈夫だってば」

「いいのいいの」ヘリムが無理やりソヌの鞄を持つと、ソヌは呆れたように笑い、ゆっくりと歩き出した。

ヘリム「…。」

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家の中へ入ってソヌに鞄を返すと、ヘリムは黙って彼の顔を見つめた。

ソヌ「何?話でもあるの?」
ヘリム「ううん。息子の顔を見てるだけよ」
ソヌ「…。」

051

そこへヨンソが部屋から出てきた。「あれ?お兄ちゃん」

ヨンソ「帰って来たんだね。今日は彼女の部屋に… 違う、夜通し夜勤かと思ったのに」
ソヌ「テストはうまく行ったのか?」

「その話はしないでよ」ソヌが口唇を尖らせる。
「だから、普段から一生懸命勉強しとけば良かったんだ」ソヌはそう言って、嫌がる妹の頭を撫でた。

ヘリム「ソヌ、疲れてるんだから、部屋で休みなさい。服はちゃんと出しておくのよ」

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ヘリムは洗面所で懸命に洗濯物を擦っていた。

ヘリム「人に見られたらどうするのよ」

ソヌのシャツの袖にうっすらと残ったスヨンの血は、彼の長い一日を如実に語っていた。

それをキッチンの隅に干すと、突然叫び声が聞こえる。「ダメだ!!!」

ヘリム「?!」

ソヌの部屋からだ。
急いで部屋の前まで行ってみたものの、ドアノブに手を掛けたままヘリムは躊躇した。

ヘリム「…。」

悪夢から覚めて、ソヌは汗びっしょりになって目を覚ました。
だるい体を起こし、ベッドの上で膝を抱える。

ソヌ「…。」

ヘリムは息子との間を隔てたドアに手のひらでそっと触れた。
これまでなら何の躊躇いもなくドアを開けて飛び込んだはず。
しかし、息子の苦悩の理由を知っている以上、それは出来なかった。
彼女はドアから手を離し、静かにそこを離れた。

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夫婦の寝室へ入ると、ヘリムは夫に連絡を取った。

ヘリム(電話)「あなた、まだ会社なの?」

真っ暗な執務室で、ウソクはデスクスタンドの明かり一つで作業を続けていた。
「プログラムが上手く行ったり行かなかったりでね」そう言って、彼は目頭を押さえる。

ウソク(電話)「難しいものは上手く解けるのに、むしろ簡単なものが解けないんだ。どこを直せばいいのか…」

彼は空になったコーヒーの紙コップをゴミ箱へ投げ捨て、腕時計を見て眉間にしわを寄せた。

ウソク(電話)「とにかく、朝までには帰るよ。どうした?何かあったのか?」
ヘリム(電話)「あなたの会社に盗聴感知器があるって言ってたでしょう?」
ウソク「本当にやるつもりなのか?」
ヘリム「ソヌを守るためには、その手しかないわ」

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まんじりともしないまま夜が更けていった。
幾度と無く寝返りを繰り返した末、ヘリムはベッドの上に起き上がる。

052

ソヌもまた一人、眠れぬ朝を迎えていた。

053

ヨンソは机に向かったまま、ウトウトしてはハッと顔をあげる。
彼女は壁に貼り付けた標語を見上げ、溜息をついた。『1日10分でも勉強すれば、夫の顔は変わる』

ウソクは仕事を切り上げ、まだ暗いうちに家へ向かっていた。
助手席に置いた盗聴感知器に、彼の気持ちは重かった。「…。」

+-+-+-+

翌朝。

出勤してきたソヌは、廊下で待っているヒョンテの姿に気づき、立ち止まった。

ヒョンテ「絶対に口答えしないで、はい、ミスしました、申し訳ありませんでした… それだけ言え」
ソヌ「…。」
ヒョンテ「向こうを刺激して何もいいことはないからな。後は俺がどうにかカバーする」
ソヌ「どういうことですか?」

「ついて来い」ヒョンテは先に立って歩き出した。

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小さなブースの前へ来ると、中にいた男性が顔をあげた。「キム・ソヌさん?」

監察官「監察部から来ました。どこか静かなところで話しましょう」

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ソヌは取り調べ室にいた。
「今回の作戦に無理があったと認めますか?」監察官が問う。

ソヌ「はい」
監察官「チョ・スヨンさんの安全策も疎かでした。死亡の可能性まで念頭に置いていましたか?」
ソヌ「…。」
監察官「キム・ソヌさん、質問にお答えください」
ソヌ「…。」

じっと黙っているソヌに、監察官が苛立ちを露わにする。

監察官「チョ・スヨンさんの死亡後、どこへ行かれたんです?」
ソヌ「…。」
監察官「作戦立案者が現場を離れるのは、責任の放棄です」
ソヌ「そこには、それ以上やることがありませんでした」

監察官は冷笑を浮かべた。「それなら、別のところにはやることがあったんですか?」

ソヌ「守るべき… 約束があったんです」

モニタールームで様子を見ていたジュンヒョクが思わず笑う。
彼は呆れたと言わんばかりに首を横に振り、手元に置いてあった資料を手に取る。

暗号解読プログラムの入札業者リストだ。
解読失敗を現す☓印がズラリと並び、その下には次のように書き添えてあった。

『最高点:(株)ヘッチテクニック
暗号解読には失敗したが、可能性は十分。開発が完了したら、再度コンタクトを取ってみる必要がある』

ジュンヒョク「…。」

ジュンヒョクはヘッチテクニックという名前に聞き覚えがあった。
ソヌが中国での作戦に失敗した直後のことだ。
彼の身辺情報をチェックしていたところ、国防部にいた父親が、今はヘッチテクニックで働いていることがわかったのだった。

ジュンヒョクはガラスの向こうにいるソヌと、手元の資料を慎重に見比べた。

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駐車場に車を停めると、ヘリムは黒革のキャップをキリリと被り、まっすぐに歩き出した。
建物の中に入ると、なんなくドアの鍵を破る。

彼女が入ってきたのはソヌの恋人、ユンジンの部屋だ。

さっと部屋の中を見渡し、ヘリムは鞄から盗聴感知器を取り出した。
スイッチを入れると、彼女はめぼしいところへ感知器をかざして歩く。
壁の収納棚、ソファーの後ろや下、ブックシェルフ、屋根裏収納へと上がるはしご周り、ベッドの下、ドレッサー、サイドテーブル…。

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「彼、どうにもなりませんね」モニタールームへやって来た監察官が漏らす。

監察官「跪いて謝っても足りないくらいなのに。最低でも停職、状況が悪ければ免職になるでしょう」

「よく言うぜ」ヒョンテがぼやく。「はなから筋書きなんて決まってるんだ。ハリウッド映画を撮ってるわけじゃあるまいし」

監察官の目が鋭くなる。「今何と仰ったんです?」

ヒョンテ「聞こえなかったのか?」
監察官「…。」
ヒョンテ「こんなこと一度や二度じゃないだろ。誰が責任とるかなんて、来る前から決まってるんじゃないか。キム・ソヌが何したってんだ?お前、現場に行ってないだろ。お前ら現場に行ったらどう書くんだろうな」
監察官「あんた、前に会ったことがあるな」

監察官はヒョンテをまじまじと見て、皮肉な笑みを浮かべる。「まだここで働いてるのか」

ヒョンテ「頭は悪いが、目の記憶力はいいんだ。俺もお前のことは覚えてるぞ。あのときも俺を免職にする(=服を脱がせる)って言ったんだ、この変態野郎。セクハラで訴えてやろうか」

詰め寄るヒョンテを、隣にいたウナが止める。
「やめろ」ジュンヒョクは立ち上がり、監察官を促した。「私と話しましょう」

ジュンヒョク「キム・ヒョンテ分析官の言い分にも一理あると思います。考えてみれば全て国のためを思ってやった結果なのに、なんというか… そこまで処分する必要があるんだろうかと… 私はそんな気がします」
監察官「それでも、人が死んだんですよ」
ジュンヒョク「我が国民が死んだわけじゃないでしょう。スパイが一匹死んだだけです。そう考えましょうよ。下っ端を使って大物を捕まえようとした意図は悪くないし。考えてみてください。我々の職業は、若干の危険も受け入れる必要があるんじゃないですか?」

「そうだろ、ウナ」ジュンヒョクの言葉に、ウナは軽く答えた。「そうですね」
答えておいて、彼女は訝しげに眉間にしわを寄せる。「主任は誰の味方なわけ?」
ヒョンテは黙ったまま、ガラスの向こうにじっと座っているソヌを見つめた。「…。」

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取調室で待っているソヌの電話が鳴る。
うなだれたまま電話を取り出した彼は、発信者名を見ると、ハッとしたように電話を取った。「どうなった?」

「兄貴、金を用意してくださいよ」チョ・スヨンの家族救出を依頼したブローカーだ。

ブローカー(電話)「中国を通じて連絡を入れてみたんですがね、直通じゃなきゃダメだそうですよ」
ソヌ「…。」
ブローカー「金ももっと要るし、一度始めたら引き返せません。後からやめるなんてなしですよ。やめるなら今言ってください」
ソヌ「必ず成功させろ。全部聞き入れるから」

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盗聴器の捜索はまだ続いていた。
クローゼットやドレッサーを調べることには、ヘリムは何となく彼女は違和感を覚えていた。

ヘリム「この子、自分の持ち物が少なすぎるわ」

PC台の引き出しを調べるうちに、ヘリムはふと手を止めた。
引き出しの隅にあったのは、黒い携帯電話だ。
スイッチを入れると、彼女は連絡帳を開いた。
登録されているのはたったの一件。

『お母さん』

「…。」ヘリムは、ユンジンが家にやってきた時の会話を思い浮かべた。

「それなら、ご両親は潯陽にいらっしゃるの?」
「あ、それが… 亡くなったんです」
「あぁ… ごめんなさいね。ご両親お二人とも?」
「はい」

両親は死んだと言いながら、引き出しに忍ばせた携帯電話に登録されている『お母さん』の文字…。
ヘリムは発信ボタンを押し、携帯を耳に当てた。

呼び出し音が鳴り始める。

その時だ。
不意に足音が響き、彼女は驚いて振り返った。
窓から外を覗くと、アパートに入ろうとするユンジンの姿が見える。「!!!」

ヘリムは急いでユンジンの電話の履歴を開き、今電話を掛けた履歴を消した。
引き出しにそれを戻すと、身を潜める場所を探し、家の中を見回す。
コツコツと廊下を足音が近づいてきた。

ヘリム「!!!!!」

+-+-+-+

ここでエンディングです。

血のついた息子のシャツを黙って洗う心境。
息子が夢でうなされているのに、ドアを開けずに引き返す心境。
さりげない心情描写が素敵ですね。

ストーリーはそれほど動いてないのに、ことごとく聞き取れなくて頭抱えっぱなしでした。
皆さん、もう少しハッキリ喋ってくれないものか…。

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