韓国ドラマから美しい言葉を学ぼう

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夜警日誌あらすじ&日本語訳19話vol.1

      2014/10/11

チョン・ユンホ(東方神起ユノ/ユンホ)、チョン・イル出演、「夜警日誌」19話前半、ドラマのあらすじを掴みながら、セリフも丁寧に日本語に翻訳していきますね。

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「今すぐ出て行け!」キサン君は寝殿に乗り込んできたリンに刀を向け、声を荒らげた。

リン「それは出来ません」
キサン君「何だと?余に歯向かうつもりか!」
リン「殿下!」

そのとき、内官がやって来て声を掛けた。「殿下、宮中で…宮中に異変が起きております」

キサン君「何?」
内官「怪物が現れ、宮人たちを殺しているとのことございます」
キサン君「内禁衛は何をしておる?さっさと捕らえよ!」
内官「武芸に長けた内禁衛の武官たちも、どうすることも出来ずにやられているとのことでございます」

「…。」内官の報告に、リンも考えを巡らせる。

キサン君「怪物…?怪物が現れた?」

「内禁衛を大殿へ集合させよ」キサン君な内官に命じたところで、リンが口を開いた。「殿下」

リン「私が… 私がやります」
キサン君「!」
リン「私とこの娘が、殿下をお守りします」
キサン君「!」

キサン君は目を見開き、リンとじっと座っているトハを見比べた。

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悲鳴を上げて逃げ惑う宮人たちの姿に、リンを追ってきたムソクは唖然とした。

ムソク「?!」

そこへ、トハの手を引いたリンがやって来る。

ムソク「どうなっているのですか?」
リン「宮中に鬼神が現れた」

「…。」ムソクの視線は、ぼんやりしているトハに移る。

ムソク「トハはどうしたんです?」

リンは隣のトハを振り返ると、自分が持っていたトハの鈴輪を彼女の手に戻した。
その瞬間…「!」虚ろだったトハの目がパッと開く。

#なんやそれ (←本日これが多い予感

リンはトハを自分の方へ向かせると、顔を覗きこんだ。

トハ「…どうなってるんですか?」

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正気を取り戻したトハに、リンはホッと安堵の息をついた。

リン「後で話してやろう。今はまず鬼神を捕まえなければ」

トハから視線を上げると、リンは向こうを誰かが横切るのに気づいた。「?」
髪の長い女の後ろ姿が足早に通り過ぎたのだ。「向こうだ!」

#リンの後ろに、いつもと変わらず王の部屋の前でじっと立ってる女官たちが見える。プロ根性だ

リンはトハの手を引き、走りだした。
ムソクも直ちに後に続く。

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宮中は”怪物”にやられた人々で地獄絵図と化していた。
駆けつけたリンたちは、女が武官の首を片手で締め上げているのに出くわす。
首を締められた武官は、声を上げることさえ出来ず、その場にドサリと崩れた。

トハ「!」

トハは女の顔を見て目を丸くした。「房主…!」
ヨンウォルの目がトハを捉える。

トハ「房主がどうして?!」
ムソク「あれは梅蘭房主ではない」
リン「副護軍の言うとおりだ。元は誰であろうと、今は人を殺す悪鬼だ」

リンとムソクは迷わず刀を抜く。

トハ「!!!」

そのときだ。

トハの目の前で、ヨンウォルの姿が姉のヨナに変わる。

トハ「?!」

ヨナは何も言わず、じっとトハを見つめた。

トハ「…お姉さん?お姉さん!」

トハは放心状態で”姉”に近づく。

リン「トハ!トハ!止まれ!!!」

トハの目にはヨナに見えても、実際の姿はやはりヨンウォルのままだ。
「お姉さん」トハは恐る恐る姉に手を伸ばした。「お姉さんなんでしょ?」
恐ろしいヨンウォルの顔から、再び微笑んでいるヨナの顔が浮かび上がった。

トハ「!」

次の瞬間、ヨンウォルがトハの首を掴む。「うっ!」

リン「今すぐトハを離せ!今すぐだ!」

ヨンウォルはさらに強くトハの首を締め上げる。
リンが駆け寄って斬ろうとしたその時、トハが手で彼を制した。

トハ「ダ…メ…!ダメです!」

ヨンウォルの手首を持つトハの手元で、鈴輪が激しく震える。
その鈴の音に、ヨンウォルは突然我に返った。

#なーーーんやそれ

ヨンウォル「!!!」

彼女が驚いて手を離した途端、トハはふらふらと地面に座り込む。「お姉さん…!」
逃げ出したヨンウォルを、トハは慌てて追いかけた。

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「ふふふ」懸命に王を務める偽のキサン君を、本物が笑った。

キサン君(魂)「お前も大したことはないな」
キサン君(偽物)「!」
キサン君(魂)「鬼神などを恐れるとは」
キサン君(偽物)「違う!月光が追い払うと言ったのだ」
キサン君(魂)「お前は騙されている。月光が鬼神を呼び入れ、お前を追い出そうとしたのだ」
キサン君(偽物)「黙れ!俺が斬り捨ててやる!月光だろうが鬼神だろうが、全部叩き斬ってやる!!!」

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本物に挑発され逆上したキサン君は、誰もいない部屋の中で闇雲に刀を振り回した。
そこへ内官が駆け込んでくる。「殿下!早くお逃げください!」
彼が内官を斬ったところで、続いて尚宮たちが入ってきた。

尚宮「!!!」
キサン君「お前たちも月光の差し金か?」
尚宮「殿下!なぜそんなことを!!!」

驚く尚宮を、キサン君は問答無用で斬り捨てた。

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「何と!」領相の顔が険しくなった。「宮中に異変が起きた?!」

部下「絶好の機会です。いますぐ挙兵し、宮廷を掌握なさいませ!」
領相「!」

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外へ出たキサン君は、見境なく宮人たちを斬り進んだ。
訳のわからぬまま、怪物がもう一人増えてしまったのだ。

内官「殿下!落ち着いてくださいませ!」

キサン君の刀は、か弱い女官の一人に狙いを定める。

キサン君「どこへ逃げるつもりだ!!!」

刀を振り上げたところで、ムソクが駆け寄った。「殿下!」

ムソク「落ち着いてください!」

「ムソク!」キサン君が嬉しそうに笑い出した。

ムソク「…。」
キサン君「見てみろ。月光が送り込んだ鬼神たちを、余が残らず斬ってやったぞ!」

「殿下!」困り果てるムソクの前で、キサン君は高らかに笑い声を上げた。
そのとき、大妃が現れる。「主上!」

大妃「なんと惨いことを!!!」
キサン君「御祖母媽媽!私は鬼神どもを退治して、王室と国を守りましたよ!」
大妃「主上!!!」

狂乱して笑うキサン君に、大妃はそれ以上どうすることも出来なかった。

「殿下」ムソクはそっとキサン君に近づき、優しく呼び掛ける。

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#このときにムソクの目がキラキラ光るのが綺麗だねー

キサン君「?」
ムソク「お酒が過ぎたようです。寝殿へ戻りましょう」
キサン君「そうだな、ムソク。戻って祝いの酒を飲もう!」

「行くぞ!」王はムソクに抱えられ、上機嫌で戻っていく。

大妃は後ろの尚宮を振り返った。「死体をしっかり回収しなさい。今夜のことは絶対に外へ漏らしてはいけないわ」

大妃「いいわね」

あまりの衝撃に軽く眩暈をおぼえた大妃は、ふと後方に目を留めた。

大妃「!」

こちらをじっと眺めている男が一人。
領相パク・スジョンではないか!

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領相は直ちに大妃殿へ招かれた。

大妃「今日のことで朝廷が揺らぐようなことは決してあってはなりません」
領相「大妃媽媽、殿下の心神喪失はどんどん酷くなっています」
大妃「領相!」
領相「蒼天塔の工事のせいで民心は離れる一方です。宮中に軍を入れ、万一の事態に備えるべきでしょう」
大妃「いけません!」
領相「…。」
大妃「先王の時のような惨禍を二度と繰り返してはなりません。領相が我が国の王室を守ると約束なさったことを、私は信じます」

大妃の頑なな言葉に、領相は考え込んだ。

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逃げてきたヨンウォルは、真っ赤に染まっている獣のような指先に愕然とした。
何がどうなっているのかさっぱりわからない。
彼女は頭を抱え、叫び声を上げた。

彼女の中に、忌々しい記憶が蘇る。

「お前はもはやマゴの巫女ではない」
「龍神族の巫女として甦ったのだ」

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ヨンウォル「!」

彼女は封じられていたヨナの記憶を取り戻した。

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「お姉さん…どこへ行ったの?」姉を探し、トハはふらふらと歩いていた。
全速力で追いかけてきたリンが、彼女の腕を掴む。「トハ!」

トハ「探さなきゃ…。もっとたくさんの人を殺してしまう前に、お姉さんを止めなきゃいけないんです!」
リン「一体どういうことだ?梅蘭房主がお前の姉さんだって?」
トハ「今は私も説明できません。だけど、姉なんです。私があれほど探した姉に間違いないんです!」
リン「トハ…?」
トハ「ヨナお姉さんを助けなきゃ!どうか… どうか力になってください、大君」

絶句するリンを残し、トハは先を進んだ。

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サダムは祠堂の祭壇の前で、静かに黙祷していた。

そこへ扉がそっと開く。
顔を覗かせたのはヨンウォルだ。
いや、もはやヨナというべきであろうか。

彼女は密かに背後に忍び寄り、手に持った小刀を振り上げる。
サダムが右手の杖で床を突くと、湧き起こった気が彼女を弾き飛ばした。

ヨンウォル「!!!」

サダムはゆっくりと振り返ると、床に倒れたヨンウォルを見下ろす。

ヨンウォル「サダムめ!!!」
サダム「お苦しいのですか」
ヨンウォル「!」
サダム「その肉体は限界に達しています。新しい体を用意し、苦痛を鎮めて差し上げましょう」
ヨンウォル「黙れ!我が魂が永遠に黄泉を彷徨おうとも、お前の息の根を止めてやる!」

憤るヨンウォルにサダムは首を傾げた。

サダム「なぜ私のせいにする?」
ヨンウォル「…。」
サダム「先に要求してきたのはお前だ。先代王の心を手に入れられるなら、お前の魂をくれてやると」
ヨンウォル「!」
サダム「ヨナ、お前は永遠に私のもとを離れることは出来ぬ」

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「違う!そうじゃない!」ヨンウォルは夢中で首を横に振る。「そんなことは出来ない!」

彼女は持って来た刀を拾い上げ、自分の胸に思い切り突き刺した。

ヨンウォル「うっ!」

サダムは彼女を眺め、不敵に微笑む。

サダム「その肉体は死んで随分経ちます。自ら死ぬことなど出来ませんよ」

「?!」彼女の胸から取り出した刀は、一滴の血も浴びず、銀色に輝いていた。

サダム「言ったではありませんか」
ヨンウォル「…。」

そこへホジョがやって来る。「月光大君が来ました」
「!」サダムが外へ駆け出す。
残された蛇の杖の目が赤く光った。

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姉を探して歩くうち、トハの鈴輪が再び激しく震え始めた。

トハ「!」
リン「!」

そこへ、目の前にヨンウォルが飛び出してくる。
目が合うと、リンはまず彼女に剣を向け、牽制した。

「お姉さん…」思わず近づこうとするトハの腕をリンが掴み、自分の後ろへ下がらせる。
ヨンウォルは鋭い爪をかざし、ゆっくりと近づいてきた。

トハ「お姉さん!」

いよいよ彼らの目の前まで近づいたヨンウォルは、突然リンの四寅斬邪剣を素手で掴み、自分の腹めがけて思い切り引き寄せた。

リン「!!!」
トハ「!!!」

ヨンウォルの指の間から、真っ赤な血が流れ出す。

ヨンウォル「…。」

剣を手放すと、彼女はその場にバタリと倒れた。
「嫌!駄目よ!」駆け寄ったトハが姉を夢中で揺する。

後から出てきたサダムは、四寅斬邪剣に倒れたヨンウォルを見て、顔をひきつらせた。

サダム「四寅剣で刺されたからには、もう生きかえらせることは出来ぬ」

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「待て!!!」早々にその場を後にしたサダムを、リンが追いかけた。

サダム「…。」

剣を抜こうとしたホジョを、サダムが制する。
二人は静かに向き合った。

リン「狂気に包まれた父上、トハの姉、多くの夜警師や民の死。全てはお前が引き起こした惨事だ」
サダム「…。」

リンはゆっくりと四寅斬邪剣をサダムに向ける。

リン「お前を殺し、全ての悪縁を断ち切ってやる」

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リンの意気込みをサダムは鼻で笑った。

サダム「なぜそれが私のせいなのです?」
リン「!」
サダム「全ては大君が大事になさっているトハ、トハの姉のせいで起きたことです」
リン「何と?」
サダム「ヨナという女は先代王を欲し、私に取引を持ちかけました。その欲望の対価として、自らの魂まで差し出したのです」
リン「!」
サダム「全ての惨禍はトハの血筋から始まったことなのです!!!」
リン「…違う。そんなはずはない。嘘を言うな!!!」

カッとなったリンは、闇雲にサダムへと突進する。
サダムの前に張られた目に見えぬ障壁が、彼を阻んだ。

それならと四寅剣を振り下ろしてみるが、その障壁は四寅剣さえも弾く。
為す術もないリンを眺めるサダムには、まだまだ余裕があった。

サダム「私の話が信じられぬなら、直接お確かめになれば宜しい」
リン「!」

+-+-+-+

胸元に抱いたヨンウォル… ヨナの顔には、とめどなく流れるトハの涙がこぼれ落ちた。

ヨナは最後の力で妹の頬にその手を伸ばした。「トハ…」

トハ「お姉さん!」
ヨナ「私の愛する妹… 大きくなったわね…」
トハ「!」
ヨナ「魂がすっかり駄目になってしまっても… あなたの顔だけは忘れなかったわ。私が悪鬼にならなかったのは… ひとえにあなたのお陰」
トハ「お姉さん…死んじゃ駄目よ!私が助けてあげる。私が助けてあげるから!」
ヨナ「逝かせて頂戴。トハ…。全ては私の執着のせいなの。私の欲が殿下を狂気に追い込んだのよ…」
トハ「…?」

そっと現れたリンは、ヨナの言葉に茫然と立ち尽くす。

ヨナ「トハ…。あなたはどうか… 愛を叶えて…!」

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「私の妹…」ヨナはそのまま眠るように目を閉じた。

トハ「お姉さん!…逝かないで。私が悪かったわ。気付かずにいたなんて…!」

「お姉さん!!!」泣きじゃくるトハに抱かれた姉の体から、キラキラと美しい魂が舞い上がり…消えた。

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+-+-+-+

ヨンウォルの遺体は祠堂へと運ばれていた。

ホジョ「どうしますか?龍神が目覚めても、マゴの巫女の魂が駄目になってしまっては…」

#え?え?え?トハたちはヨンウォルの体を置いて帰っちゃったの?

サダム「龍神に捧げるマゴの巫女は、もう一人残っている」

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凄惨たる夜が明け、都に朝が訪れた。

領相がそっとサダムに近づく。

領相「主上をいつまで放っておくつもりだ。心神喪失がさらに酷くなっておる」
サダム「あともう少し堪えてください。もうじき機が熟しますので」
領相「あまり待たせるな。私も我慢の限界だ」

そこへ現れた左相(霊)は、さっそく二人の怪しげな気配を察知する。

左相(霊)「パク・スジョン、今度はまた何を企んでおるのだ?」

「?!」サダムがチラリと彼らを見る。

「殴ってやることも出来んし」ぶつぶつボヤく左相(霊)を、サダムはじっと見つめた。
そこへさらにやって来たのはソン内官だ。彼は左相(霊)の肩を叩くとサダムを見た。「駄目ですよ!」

ソン内官「サダムがどんなに恐ろしい奴かご存知でしょうに」
サダム「…。」

領相はサダムの視線をを不審に思い、怪訝な顔で後ろを振り返る。

左相(霊)「そうだな。恐ろしい奴だよな」

二人はあっという間に姿を消した。

領相「どうした?」
サダム「ひょっとして、毛むくじゃらで野獣のような男に怨みを買ったことは?」
領相「いや。憶えがないが」

「行きましょう」サダムが歩き出すと、領相は不安そうにもう一度後ろを振り返った。

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リンは、宿の庭で茫然と遠い記憶を思い返していた。

優しかった父は狂気に冒され、周りの人々を次々と殺し、自分にまで刀を向けたのだ。
あのときのことは12年経った今でも忘れようがない。
それが、トハの姉のせいだというのか…?

リン「…。」

そこへサンホンが姿を現した。

「…。」サンホンがずっと恐れていたのは… この事態だった。

リン「父上を狂わせた女がトハの姉だったなんて… 信じられません」
サンホン「…どうなさるおつもりですか」
リン「分かりません。どうすべきなのか… 全く分からないのです」
サンホン「トハが危険です」

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「…。」リンがゆっくりとサンホンの方を振り返る。

サンホン「トハは… 大蛇の昇天に捧げられるマゴ族最後の巫女なのです」
リン「…。」

それ以上何も言わず、サンホンは戻って行った。
リンの心にどうしようもない悲しみがこみ上げる。

+-+-+-+

トハは誰かに頬を触られ、目を覚ました。

トハ「?」

「気がついた?!」見守っていたランイが声を掛ける。
隣にはソン内官もいた。

ランイ「3日も寝てたんだよ」
トハ「…。」
ソン内官「何か食べて元気出さなきゃ」

トハは起き上がり、周りを見渡した。
ここはリンの部屋ではないか。

トハ「大君… 大君はどこ?話があるの」

「えっと…」彼らが答えに窮していると、扉が開く。
リンが戻ってきたのだ。

トハはふらふらと起き上がり、彼の手を握った。

トハ「サダムに復讐しなきゃ」
リン「…。」
トハ「サダムは… お姉さんを殺して魂を利用したんです!あの男を許せません!」

「白頭山に帰れ」リンはトハと目も合わせず、淡々と言った。

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トハ「…え?」
リン「もともと姉を探しに来たのだ。もう魂は逝ったのだから、お前がここにいる理由はない。帰るのだ」
トハ「… どうしてそんなことをおっしゃるのですか?サダムはお姉さんを…」

「帰れと言っているのだ!」頑なに顔を背けていたリンが彼女を振り返る。

トハ「!」

彼女の手を冷たく振り払うと、それっきり彼は部屋を出た。

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身を切るような思いで外へ出てくると、途端に彼の目から大粒の涙が溢れた。

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大切なトハを突き放すことが、これほど苦しいことだったとは…。
心を奮い立たせ、彼は再び歩き出す。

そこへ、ムソクが現れた。
彼が差し出したのは、リンが用意したトハへの贈り物だ。

ムソク「この間、トハにあげようとなさっていた物です」

「必要ない」リンは目もくれずにそう言った。

ムソク「必要ないと?」
リン「トハは白頭山に帰る」

歩き出そうとしたリンの前に、ムソクが立ち塞がった。

ムソク「どういうことですか?」
リン「…。」
ムソク「トハが何か失態でも?」
リン「トハの探していた姉が… 父上を死に追いやった女だったのだ」
ムソク「!!!」

部屋を出てきたトハは、遠目に彼らを見つめ、涙を流す。「…。」

一度は驚いたものの、ムソクは再び毅然とリンを見た。

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ムソク「トハが悪いわけではありません」
リン「…。」
ムソク「トハは夜警師の印を受けた仲間です。過ぎたことのために、なぜ仲間を突き放そうとなさるのですか」

「…君は口を出さないでくれ」リンは絞りだすように短く答える。

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「…。」涙に滲むトハの視界の中で、リンの後ろ姿が遠ざかって行った。

+-+-+-+

サダムはキサン君に呼ばれていた。

キサン君「なぜ宮中に鬼神がやって来たのだ。昭格署提調のお前は一体何をしていた?!」
サダム「此度の鬼神事件は月光大君の捏造です」
キサン君「捏造?何のために月光が鬼神を捏造したというのだ?」
サダム「巫女が殿下のものになるのを阻むため、夜警師たちを使い、鬼神事件を起こしたと考えられます」
キサン君「それはまことか?」
サダム「月光大君と夜警師たちを捕らえるのです。真相を明らかになさいませ!」

キサン君は机を叩く。「今すぐ月光と夜警師たちを捕らえよ!」

#偽物でも本物でも結局一緒やんか、キサン君(ブツブツ

+-+-+-+

リンの屋敷を出てきたトハの後に、ソン内官とランイがついて来る。
「トハ…」寂しそうな背中に、ソン内官は思わず声を掛けた。

ソン内官「もう少し休んでから行きなよ。まだ具合が悪いのに」
トハ「出て行ったと… 大君に伝えてください」

ソン内官は黙って頷き、うつむく。
「…。」トハはランイに微笑みかけると、背を向けた。

+-+-+-+

リンの元へランイがやって来る。

リン「トハは… 無事行ったか?」
ランイ「あんた、わざとトハを追い出したんでしょ」
リン「…。」
ランイ「一体どうして?」
リン「…トハを守るためだった」
ランイ「え?」
リン「今行かせなければ、大蛇への生贄にされる」
ランイ「…。」
リン「どんなに心が傷んだとしても… どうしようもない」
ランイ「リン…」

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「大君媽媽!」そこへ慌ててやって来たのは”毛むくじゃらの野獣”だ。

左相(霊)「早くお逃げください!大君と夜警師を捕らえよと、御命が下りました!」
リン「!」

+-+-+-+

ここで一旦区切ります。

この回は間違いなく後半の大きな山だったと思うんですが、私は”悲しむイル君”が大好物なだけに(笑)実に残念。
なぜ心に響かないかというと、一番大きな原因は「ヨナが先代王を欲して取引をし、魂を売った」という大前提が全くピンと来てないからですねー。

はぁ~?そんな話だったっけ?って(笑)

「魂を売って王の心を手に入れた」と言われて思い返してみれば、まぁ確かにそうだったけど、ヨナがそんなことを考える人には見えないし、王と結ばれたシーンも「突然どうした?」という印象しか残ってない…。描写不足ですね。

チラッと出てきたムソクやサンホンやランイが超オアシスだったので、救われましたです。

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