韓国ドラマから美しい言葉を学ぼう

韓国ドラマのあらすじや詳細日本語訳を紹介!プロデューサー/SPY/夜警日誌/トライアングル/主君の太陽など

トライアングル20話あらすじ&日本語訳vol.2

   

ジェジュン、イ・ボムス、イム・シワン、ペク‥チニ出演「トライアングル」20話の後半に進みます。

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カジノを出たミン社長とマンボンは、廊下で待っていたヨンダルに迎えられた。

ヨンダル「お疲れ様でした」
マンボン「お疲れなんてもんじゃないぞ。姐さんも俺も死ぬかと思ったんだからな」
ミン社長「私もたいていのことは経験してきたけど、こんな殺伐とした経験は二度とごめんだわ」

ヨンダルが思わず笑う。
「おい、ホ・ヨンダル」そこへ反対側から呼ばれ、ヨンダルは振り返る。

ミョンジェだ。
彼の前にやって来たミョンジェは、どこか清々しい表情に見えた。

ミョンジェ「何の因果か、出会ってみりゃ始末する相手という悪縁だったが、俺が負けたから綺麗さっぱり引き下がろう」
ヨンダル「コ・ボクテとの関係も切ったほうがいいでしょう」
ミョンジェ「こいつ、そりゃお前が言わなくても…」

「いや」ミョンジェは思い直して首を横に振る。

ミョンジェ「俺はもう終わりだ。体面も何も全て失った」

「元気でな」そう言ってミョンジェは静かに去って行った。

ミン社長「後でごちゃごちゃ言ってこないわよね?」
マンボン「自分の言ったことには責任を持つ男です。絶対にそんなことはありません」
ヨンダル「約束通り潔く引き下がったら、担保に取ったビルは返してあげてください」
ミン社長「分かったわ」

これで一山越えた。ヨンダルは小さく息をついた。

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「療養所に行ってきたのよ」意気揚々と店に現れたシネとは対照的に、待っていたドンスは浮かない目をしていた。

シネ「園長の具合がすごく良くなってね、もう少しすれば園長の口から詳しい話を聞けそうよ」

「もうそんな必要はない」ドンスは溜息をつく。

シネ「それどういうこと?」
ドンス「キム専務に会って直接聞いた」

「君の言った通り、ユン・ヤンハがドンウだ」ドンスはグラスに酒を注ぎ足した。

シネ「!」

ドンス「ユン会長は事実を知らない。親父と親しかったキム専務が、罪滅ぼしにドンウを養子に迎えさせたんだ」
シネ「それが本当なら、ユン・ヤンハと戦ってるドンチョルさんを止めなきゃいけないわ」
ドンス「…。ドンチョルに一体どう話せばいいのか…」
シネ「兄弟の間でもっと傷が深まる前に、早く話すべきよ」

「もしも…」ドンスが自分に問いかける。

ドンス「もしもドンウが今までどおり暮らしたほうが幸せなら、俺とドンチョルが引き下がるべきなんじゃないかって、そう思うんだ」

「それはドンスさんの考えが間違ってるわ」シネはいつになく自分の意見を主張した。

シネ「ユン・ヤンハは決して幸せじゃない。ユン・テジュン会長はヤンハを息子としてじゃなく、テジョングループの後継者として育てたの」
ドンス「…。」
シネ「後継者として能力がないと判断されれば、いつ捨てられるかわからないわ」
ドンス「…。」
シネ「いつ養子関係を切られるか…ヤンハは常にそんな強迫観念に苛まれて生きてきたの。思春期には鬱病とパニック障害にかかって、その頃私と初めて会ったのよ」
ドンス「…。」
シネ「ユン・ヤンハはユン・テジュン会長の息子でいるよりも、チャン・ドンスとチャン・ドンチョルの弟、チャン・ドンウとして生きていくほうが、遥かに幸せなはずよ」

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「…。」寂しく育ってきた弟ドンウの人生に触れ、一体弟たちのためにどうすればいいのか、ドンスの答えは簡単には出そうになかった。

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「ジョンヒさん」仕事を終えたジョンヒが家の近くまで帰って来ると、待っていたヤンハに呼び止められた。

ジョンヒ「!… ユン・ヤンハさん」

ヤンハはもたれていた塀から身を起こすと、穏やかな表情で近づいてくる。

ジョンヒ「何時だと思ってるんです?ここで何してるんですか?」
ヤンハ「ジョンヒさんのこと待ってたんですよ」
ジョンヒ「だいぶ酔ってるみたい。もうお帰りください」

「そうですね」素直に受け入れるヤンハは、微笑んでいてもどこか寂しそうだ。

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ヤンハ「ジョンヒさんの顔見たから、帰らなきゃ」
ジョンヒ「…。」
ヤンハ「ジョンヒさん。僕… 全て捨ててしまって、残ったのはジョンヒさんだけなんです」
ジョンヒ「それどういうことですか?」
ヤンハ「それなのにジョンヒさんにまで冷たくされたら、本当に…」

悲しみがこみ上げ、ヤンハは思わず強く首を横に振った。

ジョンヒ「…。」
ヤンハ「すみません。帰ります」

ヤンハは彼女に背を向けると、フラフラと遠ざかっていく。
彼女はその後姿をじっと目で追った。

#一度みつめて、一旦視線を外して相手の気持ちを推し量る表情をし、もう一度みつめるっていう演技法、本当に頻発させるよね。

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翌日。キム専務とピルサンが会長室に集まっていた。

キム専務「ヤンハ坊っちゃんの件、どうか再考なさってください。
ユン会長「あいつの話は持ち出すな!」
キム専務「会長」
ユン会長「(ピルサンに)ヤンハはテジョンカジノから手を引かせ、オ・ジョンヒは解雇しろ」
ピルサン「承知しました」
キム専務「…。」

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出社したジョンヒはロビーでファランに呼び止められた。

ファラン「あなた、私の知らない所で何かミスでもしたの?」
ジョンヒ「ミスですか?」
ファラン「本社からあなたを人事処分しろって指示が出たの」
ジョンヒ「人事処分って?」
ファラン「解雇よ」
ジョンヒ「え?!私がどうして?どうして解雇になるんですか?」
ファラン「理由が分からないから聞いてるのよ」
ジョンヒ「私、解雇になるようなミスはしていません」
ファラン「もうすぐ人事チームから呼ばれるはずよ」

ファランがそう告げて立ち去る。
ジョンヒは途方に暮れ、その場に立ち尽くした。

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「お聞きになりました?」ファランはスジョンと話しているペ主任を探し当て、出し抜けに尋ねた。

ペ主任「?」

只ならぬファランの様子に、その場にいたジュノたちも彼女に注目する。

ファラン「ユン・ヤンハが辞めて、オ・ジョンヒも解雇になったんです」
ペ主任「何だって?!」
スジョン「突然どういうことです?ユン・ヤンハがどうして辞めるんですか?」
ファラン「会長の指示だそうです」
スジョン「!」
ペ主任「…。」

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誰もいないところまでやって来ると、ペ主任は携帯電話を取り出した。
ヨンダルを裏切り、ヤンハ側についたのは、ヤンハの方が優勢だと見込んだからだ。他人ごとではなかった。

電話を掛けるが、「今電話に出られません」というアナウンスが流れるばかり。

ペ主任「…。」

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ジャンスとジェリーを連れて歩いてきたヨンダルの元へ、ジュノが走ってきた。

ジャンス「おい、そんなに急いで走ってきたらドキッとすんだろ。今度は何だ?」
ジュノ「会長の指示でユン・ヤンハがテジョンカジノを辞めたそうです」
ヨンダル「…。」

「おぉ!良かったな!」ジャンスが無邪気な声を上げた。

ジャンス「(ヨンダルに)ソンチャングループを使ったお前の作戦、バッチリ決まったようだな」
ジェリー「ユン・ヤンハがクビになったってことは、会長がめちゃくちゃ怒ったってことだろ?」
ジャンス「ハン・ミョンジェを追い返しつつ、コ・ボクテをやきもきさせ、ユン・ヤンハを切り捨てる!いやぁ、やっぱりヨンダルが真の勝者だ」

“You win!” ジャンスが親指を立てると、隣でジャンスも嬉しそうに笑った。

ヨンダル「勝ちを名乗るにはまだ早い。最終ボスはテジョンカジノとユン・テジュン会長だ」

「あの、それから…」ジュノが言いづらそうに口ごもる。

ジャンス「まだあるのか?」
ヨンダル「?」
ジュノ「オ・ジョンヒも解雇になりました」
ジャンス「何だって?」
ヨンダル「…ジョンヒさんがどうして?」
ジュノ「それは僕もよく分かりません」

「…。」ヨンダルが急いで来た道を戻る。
ジャンスたちもとにかくそれに続いた。

ジュノ「…。」

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「姐さん、本当に肝っ玉が強いですよ」マンボンに絶賛され、ミン社長はまんざらでもない。
ミン社長の事務所は明るい空気で満ちていた。

そこへ、さらに賑やかな面々がやって来る。
ヤン社長にチャンマダム、マンガンだ。

ヤン社長「来ましたよ!」
ミン社長「皆さん、いらっしゃい」
チャンマダム「おめでとうございます、ミン社長~♪」

#まぁ!犬猿の仲だったのに!(゚∀゚)

「どうぞどうぞ、お座りください」ミン社長の勧めで、皆がソファに腰を下ろした。

マンガン「十数年カジノで食ってますがね、こんな凄まじい勝負はホントに初めてですよ~」

皆が明るく笑う。
「さぁ」ミン社長はヤン社長とチャンマダムに封筒を差し出した。

ミン社長「ヤン社長へのお礼と、チャンマダムへの利子よ」
ヤン社長「ありがとうね」
マダム「わぁ♪」
ヤン社長「こりゃホ・ヨンダル一人育てて、恩恵に預かった人間は一人や二人じゃないな」
マダム「本当にそうだわ!ホ・ヨンダルが私たちをこんなに儲けさせてくれるなんて、誰も思いませんでしたよ!」
マンガン「あとはホ・ヨンダル理事がテジョンカジノを手に入れりゃ、おこぼれは全部俺たちの物でしょ!」

「当然だぁ!!!」マンボンが雄叫びを上げ、ガッツポーズすると、一同はもう一度豪快に笑った。

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本部長室にノックの音が響く。
デスクで仕事をしていたピルサンが顔を上げた。

「どうぞ」入ってきたのはヨンダルだ。

ピルサン「連絡もなしにどうしました?」
ヨンダル「オ・ジョンヒが解雇された理由は何です?」
ピルサン「そのために来たんですか?」
ヨンダル「理由を言ってください」
ピルサン「…。」

ピルサンはヨンダルを見上げていた視線を、手元の資料に戻した。

ピルサン「ユン・ヤンハがオ・ジョンヒにうつつを抜かし、仕事を台無しにしたからです」
ヨンダル「それはユン・ヤンハ個人の問題でしょう。なぜ解雇処分にまでなるんですか」

ピルサンはもう一度ヨンダルを見上げ、ふっと笑って立ち上がった。

ピルサン「会長の決定事項です。問いただしたいなら会長に直接どうぞ」
ヨンダル「…。」

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シネがカフェに入ってくると、待っていたキム専務の向かいに腰を下ろした。

#待ち合わせの店に入ってくる誰かと、迎える誰か。もう何回書いたか、この描写(笑)

キム専務「お忙しいでしょうに、ご連絡をさし上げて申し訳ありません」

「いいえ」シネは柔らかく微笑んだ。

シネ「どうなさいました?」
キム専務「どうも会長はヤンハを追い払うおつもりのようです」
シネ「追い払う?養子縁組を解消するということですか?」
キム専務「そうなるかもしれません」
シネ「…。」
キム専務「昔、自分が養子だと初めて知った時、命を絶とうとしたことがありました」
シネ「!」
キム専務「それでファン博士のところへ連れて行ったんです。私はヤンハがまた極端な選択をしはしないかと、怖いんです。ファン博士、どうかお力を貸してください」
シネ「…。」

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テーブルの上には、空になった酒の瓶やグラスが放置されている。
ヤンハはソファでぐっすり眠っていた。

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#このブルーのシャツ、いい色♪ 似合ってるね。

そこへ入って来たペ主任は、眠っているヤンハとテーブルの上の残骸を交互に眺めた。

ペ主任「本部長、本部長」

ペ主任に揺り動かされ、ヤンハはハッと目を覚ます。
起き上がると、ふっと息をついた。

ヤンハ「何か用です?」
ペ主任「どうなってるんですか?テジョンカジノを辞めるというのは本当なんですか?」
ヤンハ「えぇ。ペ主任には申し訳ないことになりました」
ペ主任「何をおっしゃってるんですか!チンピラのホ・ヨンダルに負けを認めるんですか?」
ヤンハ「ペ主任、僕、すごく疲れたんです。ホ・ヨンダルのようなヤツと争っている自分が情けなくて。もう何もかも煩わしいんです」
ペ主任「そうおっしゃらないでください。本部長に勝負を賭けた私はどうなるんですか」
ヤンハ「…。」
ペ主任「誰が何と言おうと、本部長は会長の息子です。我が子を捨てる父親がどこにいますか!」
ヤンハ「…。」
ペ主任「今、一番大事なのは本部長の意志です。自分からダメになってはいけません!」

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「…。」ヤンハはやりきれない思いで、テーブルの水を口にした。

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シネはキム専務と別れると、そのまま同じカフェにドンスを呼んだ。

シネ「今、キム専務に会ったの」
ドンス「何て?」
シネ「ユン会長がヤンハを捨てるかもしれないって…」
ドンス「!…なぜだ?」
シネ「ユン会長、ヤンハの能力にかなり失望したそうよ」
ドンス「だからって我が子を捨てるのか?!」
シネ「言ったでしょう?ユン会長はヤンハをテジョンカジノの後継者として育てたんだって」
ドンス「…。」
シネ「キム専務はヤンハが極端な選択をするんじゃないかって、恐れてるわ」
ドンス「!」

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「先輩!」ディーラー控室にミニョンが駆け込んでくる。

ミニョン「オ・ジョンヒが会長の指示で解雇になったって」
チョンジャ「え?!会長自ら解雇にするって、一体何やらかしたの?」
ミニョン「ユン・ヤンハ本部長との恋愛関係を会長が知って怒ったんですって」
ソンジュ「ホント?!」

「…。」チョンジャがニヤリと笑う。

ソンジュ「ねぇ、それってドラマに出てくる話よね」
チョンジャ「あの子、身の程も知らずに調子に乗りすぎたのよ」

そこへヒョンミが入ってくる。

ヒョンミ「何?この雰囲気」
ミニョン「オ・ジョンヒ、解雇だそうですね」
ヒョンミ「はぁー。何て噂が早いの?確定じゃないから、口に気をつけなさい」

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ピルサンの執務室にジョンヒがやって来た。
ピルサンは仕事の手を止め、デスクから立ち上がると、彼女の前まで出てくる。

ピルサン「連絡しようと思っていたんですが、ちょうど良かった」

「座ってください」ピルサンが先にソファに腰を下ろすと、ジョンヒは立ったまま口を開いた。

#「どうぞ座って」と言われているのに頑として座らないとか、こういう細かい要素の積み重ねで、彼女のキャラが出来てるんだよねぇ…。毅然としてると言えば聞こえはいいんだけど。

ジョンヒ「今回の人事処分、私は受け入れられません。納得できる理由を聞かせてください」
ピルサン「オ・ジョンヒさんの立場からすれば、当然そうでしょう。それでも、解雇しようと思えば理由はいくらでも作れるんです」
ジョンヒ「…。」
ピルサン「オ・ジョンヒさん、これは他でもない会長自ら指示した事項です。オ・ジョンヒさんとユン・ヤンハの関係が元で下った処分ですから、私にもどうにもなりません」
ジョンヒ「本部長にはすでにお話しましたが、ユン・ヤンハさんと私、何の関係もありません。会長が誤解なさっているんです」
ピルサン「…。」
ジョンヒ「ユン・ヤンハさんの一方的な感情のせいで、どうして私がこんな無念な目に遭わなきゃならないんですか?」
ピルサン「…。」
ジョンヒ「納得できる理由がないのなら、訴訟も辞さないつもりです」

ジョンヒは小さく頭を下げ、部屋を出て行く。

ピルサン「…。」

さて、どうしたものか…ピルサンは考えを巡らせた。

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スーツに着替え、カジノへ戻ってきたヤンハは、廊下でヨンダルに呼び止められた。

ヤンハ「…。」
ヨンダル「お前何やってんだ?責任も取れないくせに、何でジョンヒさんを苦しめる?」
ヤンハ「…。」
ヨンダル「ジョンヒさんはディーラーになるのが夢だった。ジョンヒさんにとって、それがどれだけ大事で切実なことだったか分かるか?それなのに、お前の勝手で夢をぶち壊すとは」
ヤンハ「…。」
ヨンダル「後始末も出来ないヤツが、何でジョンヒさんを傷つけるんだ?!」
ヤンハ「お前が偉そうにでしゃばることか?お前、ジョンヒさんの何なんだ?」
ヨンダル「!」
ヤンハ「自分が生きてきた人生、もうすっかり忘れたんだな」
ヨンダル「…。」
ヤンハ「ジョンヒさんのことが気になり始めたキッカケは何だと思う?お前みたいなクズを好きになるジョンヒさんが到底理解出来なかったからだ。お前みたいなチンピラに惹かれる姿を到底見過ごせなかったから!」
ヨンダル「…。」
ヤンハ「世間の人が皆俺を無責任だと非難しても、お前に資格はない!」

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「こいつ!」ヨンダルは思い切りヤンハに殴りかかる。
「立てよ」倒れたヤンハが再び起き上がると、もう一度殴り飛ばした。

「ヨンダルさん、やめて」突然のジョンヒの声に、ヨンダルはハッとして振り返った。

ジョンヒ「お願いだからやめてください、ヨンダルさん」

「…。」ヤンハが苦い表情で体を起こした。

ジョンヒ「私、このまま夢を諦めたりしません。このまま引き下がったりしないから、ヨンダルさんが腹を立てる必要はないんです」
ヨンダル「…ジョンヒさん」

ジョンヒの視線がヤンハに移る。

ジョンヒ「ユン・ヤンハさん」
ヤンハ「…。」
ジョンヒ「私、ユン・ヤンハさんのことは恨みません。だから、これ以上私のために辛いことを起こさないでください」
ヤンハ「…。」

「…。」もう一度ヨンダルの目をじっと見ると、ジョンヒは二人に背を向けた。

+-+-+-+

「遅かったねぇ」帰って来たジョンヒに祖母が声を掛けると、ジョンヒはニッコリ微笑んだ。

ジョンヒ「一杯だけ呑みたくてね」
祖母「そうかい^^部屋で休みなさい」

ジョンヒは祖母に背中から抱きついた。

祖母「おやまぁ、酒臭いよ」
ジョンヒ「お祖母ちゃん」
祖母「あぁ」
ジョンヒ「ごめんね」
祖母「?」
ジョンヒ「私、お祖母ちゃんに楽させてあげるって約束したのに…毎日苦労ばかりかけて」
祖母「何が苦労なんだい」

「座りなさい」祖母はジョンヒの腕をとり、座らせた。

祖母「苦労なんて何もしてないよ」

愛おしそうにジョンヒの手を両手で撫でる。

祖母「両親のいないあんたにこんな大きな家を背負わせて、年頃なのに新しい服の一つも買ってやれずに、弟たちの面倒をみているあんたが…本当に有難くて、済まない気持ちで一杯だよ」
ジョンヒ「もう少し待ってて、お祖母ちゃん。私、もっとたくさんお金を稼いで、おばあちゃんを旅行に連れてって、美味しいものだってたっぷり食べさせてあげる」

「そうだね、そうしよう」祖母は孫娘の頭を優しく撫でた。

「お姉ちゃん、僕は?」横で宿題をしていたピョンスが無邪気に尋ねる。

ジョンヒ「ピョンスは何かしてやろうと思っても、何も理由がないわ」
ピョンス「…。」
ジョンヒ「勉強が出来るなり、ちゃんと言うことを聞くなり。いくら探しても、いいところがないじゃない」
ピョンス「何だよー」
ジョンヒ「嘘!違うよー。お姉ちゃん、冗談言ったの。こんな可愛いらしい弟、他にいないよ」

「そうでしょ?」ジョンヒは弟のまんまるい頬をつまんだ。
「お酒臭いよ!」嫌がる弟に、ジョンヒは頬にチュッと無理やりキスをする。

妙に人懐っこいジョンヒを、祖母はどこか不安げに見つめた。

+-+-+-+

薄暗い自室に入ってきたジョンヒは、鏡の前にガックリと腰を下ろしたときには、すでに溢れる涙を止められないでいた。
次から次へと涙がこみ上げ、彼女は苦しくなって胸元のネックレスに触れる。

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+-+-+-+

ヨンダルもデスクでじっと考え込んでいた。

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ヨンダル「…。」

彼は立ち上がると、暗い部屋を後にする。

+-+-+-+

まだ鏡の前で茫然と座り込んでいると、ジョンヒの電話が鳴った。

ジョンヒ(電話)「えぇ、私です」

「ジョンヒさん」電話の向こうで、ヨンダルの優しい声が聞こえた。

ヨンダル「俺、今家の前にいるんです。ちょっと出て来られますか?」

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家を出ると、彼女は逸る気持ちを抑えられずに、細長い階段を駆け下りた。
彼の姿を探し、キョロキョロと辺りを見回す。

開けたところまで出てきたものの、彼の姿は見当たらない。

ジョンヒ「…。」

途方に暮れたところで、背後から声がした。

ヨンダル「ジョンヒさん」
ジョンヒ「!」

ハッとして振り返ると、そこに自分を見つめているヨンダルがいた。

ヨンダル「…。」
ジョンヒ「…。」

二人はお互い見つめ合ったまま、黙って近づく。
そっと彼女の肩に手を掛けると、彼はジョンヒを抱き寄せた。

ヨンダル「…。」

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ヨンダルは髪をそっと撫で、大切に頬を包み込むと、ゆっくりと彼女の唇にくちづける。
ジョンヒの目から一筋の涙がこぼれ落ちた。

+-+-+-+

「本当にユン・ヤンハを追い払ったのか?!」ピルサンの知らせにコ・ボクテが驚いて声を上げた。

ピルサン「養子縁組まで来られるかどうかは分かりませんが、テジョングループの後継者の座を追われるのは間違いありません」
コ・ボクテ「それならテジョンカジノは誰が譲り受けるんだ?」
ピルサン「私がどれほど長い間、骨を折ってきたと思われます?」
コ・ボクテ「…君が?!」

ピルサンがそっと身を乗り出す。

ピルサン「コ会長が私に力を貸してさえくだされば、不可能なことではないでしょう」

コ・ボクテは目を細めた。

コ・ボクテ「本当にそうなるなら、何だってしてやろう」

二人は静かに笑いあった。

#ずっと見てきて、かなり冷静で頭がいいであろうピルサンが、こうやって綿密にコ・ボクテと通じているのがいまいちよく分からないんだよねぇ。

+-+-+-+

見晴らしのいい川の畔を、シネはヤンハとのんびり歩いていた。

シネ「何日か会わない間に、すっかり生気がなくなったわね」
ヤンハ「このところ酒をたくさん飲んだからですよ」
シネ「聞いたわ。カジノから手を引いたって。これからどうするの?」
ヤンハ「分かりません。もう一度父に認められようともがくべきなのか、それとも、自分の無能ぶりを認めて全部放棄するべきなのか」

シネはヤンハを振り返る。

シネ「ヤンハ、あなた能力は十分にあるわ」
ヤンハ「…。」
シネ「それを信じられないユン会長に問題があるの。あなたには何の問題もないわ。弱気にならないで、ちゃんと耐えるのよ」
ヤンハ「…。」

「そうやって味方になってくれる人がいないのは、僕の生き方が間違ってたってことでしょう?」ヤンハが呟く。

シネ「いいえ。あなたの味方になってくれる人は確実にいるわ」
ヤンハ「?!」

336

#はぁー 良かったー 今度は言わずにいてくれたよ

+-+-+-+

カジノ内をヨンダルが颯爽と歩いてくる。

何故か多少ニヤけつつ…。

「ドンチョル」そこへ現れたドンスが彼を呼び止めた。

ヨンダル「兄さん」
ドンス「…。」
ヨンダル「兄さん、ハン・ミョンジェの件はすっかり片づいたし、ユン・ヤンハのヤツもテジョンカジノから手を引かせたよ」
ドンス「!」
ヨンダル「残りはユン・テジュンとコ・ボクテだけだ」

喜ぶ弟を悲しく見つめ、ドンスは溜息をついた。

ドンス「ドンチョル…」
ヨンダル「早く終わらせて、夢見たとおりに暮らすよ。そのうち、兄さんにもジョンヒさんを紹介する。あとは…ドンウを探すだけだ」

「ドンウ、見つけたんだ」ドンスは吐き出すようにそう言った。

ヨンダル「え?どうやって?」

何も知らないヨンダルは、パッと顔を輝かせる。

ヨンダル「今どこにいるんだ?」
ドンス「ドンウは… お前のそばにいる」
ヨンダル「?… それどういう意味だよ」

「…。」なかなか口に出せずにいた言葉を、いよいよ告げる時だった。

ドンス「ユン・ヤンハがドンウだ」
ヨンダル「!!!」
ドンス「ユン・テジュン会長がドンウを養子に迎えて育てたんだ」

337

+-+-+-+

ここでエンディングです。

うーーーん。
かなり盛り上がる展開だったんだろうけど、訳した手応えが全くないという^^;

20話まで来て、満を持してのキスシーンがこうよく分からない展開で訪れるとは。
どこからどう突っ込んでいいものやら、もうお手上げです。
ヨンダルが一人で悩んだ末に、どんな気持ちで彼女に会いに来たのか、そういった肝心のところが伝わってこない。

せめてもう少しキレイな場所でやらせてあげなよ。
ただでさえ、カジノやら会長室やら、出てくる場所がワンパターン過ぎて鬱屈としてくるんだから。

ドンスは神出鬼没で何だか不自然だし、ヨンダルがラッキーカジノ(ハンチャングループ)にスパイまで用意して働きかけてた件は、結局あんな終わり方だし、ぶつ切りでなかなか気持ちが乗りませんねぇ。

今回良かったところは(←また取ってつけたみたいですね)、ミョンジェから勝ち取った全60億を、約束を守ったら全部返すようにとヨンダルが要請したこと。そして、ミン社長がすんなりOKしたこと。下手に恨みを買わないほうが身のためとも言えますが、このへんの考え方は悪役たちときっちり区別されていて、気持ちがスッとします。

さてさて、ドンスからまたストレートに聞かされて(このドラマ、ホントに全部これですね)、ヨンダル→ヤンハは割りとすんなり感情が解ける気がするんですが、逆は根が深そうです。
あの嫌悪感は兄だと聞いたからって消えそうにないと思うけど、そのへん韓国人は感覚が違うかなぁ。
兄と戦っていたこと、仇に育てられたことにショックを受けて、さらに壊れてしまうのか、それともシネの言う通り、味方を得て強くなるのか。
クライマックスへ向けて、どうかヤンハの立ち直りだけは丁寧に描いてほしいです。
今までこれだけ嫌なヤツに描いてきたんですから。

今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
読み返して自分でもイヤになるほど苦言だらけ…。申し訳ないです。

 - トライアングル ,