韓国ドラマから美しい言葉を学ぼう

韓国ドラマのあらすじや詳細日本語訳を紹介!セリフを題材にした文法解説も

トライアングル14話あらすじ&日本語訳vol.1

   

ジェジュン(JYJ)、イ・ボムス、イム・シワン(ZE:A )主演、「トライアングル」14話、セリフの日本語訳を交えつつ、あらすじを追っていきます。

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幼い僕は小さい弟をおんぶしています
夜で… 暗くて… 寒くて
兄は僕に、弟を守れって…
そして、兄は行ってしまいました…

「怖いです」辛い記憶の中で、ヨンダルの涙は止まらなくなっていた。

シネ「続けても大丈夫ですか?辛ければそう言ってください」

ヨンダルは大きく息を吐き出し、呼吸を整える。

シネ「それでは、2つ目の扉が開きます。そこに何が見えますか?」

ヨンダル「黒い車。ジープが庭に乗り入れてます」

ヨンダル「おじさんが…おじさんが弟を連れて行くんです」

ヨンダル「僕は弟を守らなきゃいけないのに… 弟を奪われました」

記憶の奥深くで、幼いヨンダルは寮母さんの手を振り払い、弟を乗せた車が走り去るのを追いかけた。
泣き叫ぶ声が、ヨンダルの頭の中に響く。

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ヨンダル「弟を乗せたジープが行ってしまいました」

ヨンダル「弟を守れもしないで…」

後の言葉が続かず、嗚咽でヨンダルの胸が大きく揺れる。

ヨンダル「僕のせいだ…。ごめんよ、兄さん」

シネ「ヨンダルさん、大丈夫ですか?」

ヨンダル「兄さんが帰ってきたら、何て言えばいいんだろう…」

ヨンダル「兄さんに申し訳なくて… すごく怖いんです」

ドンス「…。」

シネ「ヨンダルさん、そろそろ戻る時間です。私が5つ数えたら、目を開けてください」

「5,4,…」

ヨンダルの瞼の裏で、最後に彼を振り返った兄の顔が蘇る。

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#↑カウントダウンでこれを出す編集最高。こうやって翻訳後に緑字を入れてるだけで涙がでるよ。

「3,2,1」

ヨンダル「…。」

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目を開けたヨンダルは、少し周囲を確かめるように視線を動かすと、もう一度ギュッと目を閉じた。
涙が目尻からすっとこぼれ落ちる。
大きく息をつくと、彼は手で目元を拭い、体を起こした。

ヨンダル「…。」

ドンス「何してたんだ?」
シネ「失くした記憶を取り戻すために催眠療法をしてたの」
ドンス「そんなこと出来るのか?」
シネ「忘れていた記憶を探しあてたの、ドンスさんも見たでしょう?」
ドンス「…。」

ぼんやりと座っているヨンダルに、シネが声を掛けた。

シネ「ヨンダルさんが見た場所、どこだか思い出せますか?」

「いいえ」ヨンダルは小さく首を横に振る。

シネ「ご両親は?ご両親の姿は?」
ヨンダル「…わかりません」

ドンスはソファに腰を下ろす。

ドンス「兄と弟がいたようだが、二人の名前は思い出せないか?」
ヨンダル「…。」
ドンス「それが分かれば身元照会ができる。ホ・ヨンダルじゃない、お前の本当の名前を考えてみるんだ」

ヨンダルが長い溜息をつく。

ヨンダル「よくわかりません」
シネ「いいわ。今日はここまでにしましょう。短い時間だったけど、感情を消耗してとてもつらかったはずだわ。ゆっくり休んでください」

「はい」弱々しく答えたヨンダルの横顔を、ドンスはじっと見つめた。

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ヨンダルが帰ってからも、ドンスはずっと考え込んでいた。
「何を考えてるの?」シネが飲み物を運んできて声を掛ける。

ドンス「あぁ。ヨンダルのことをな。兄と弟がいると言った時、本当に鳥肌が立った」
シネ「どうして?」
ドンス「いなくなった弟たちが思い浮かんだんだ」
シネ「ドンスさんの弟じゃないかって?」
ドンス「ちょっと… そうかもしれないと思った」
シネ「本当に弟ならどうだと思う?」
ドンス「ヨンダルのヤツ、これまでどんなに苦労して生きてきたか全部知ってるのに… どんな顔で兄貴だなんて言えるんだ」

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シネ「ヨンダルさんの記憶に浮かんだ場所さえ分かれば、糸口が掴めるはずだけど、簡単に行きそうにはないわ」

ドンスは頷いた。

ドンス「催眠療法ってやつ、またやるのか?」
シネ「ヨンダルさんが希望すればね」
ドンス「…。」

#シネは精神科医だけあって本当に聞き上手。見ている私まで安心する^^

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ヨンダル「…。」

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部屋に戻ってからも、ヨンダルは昼間思い出した記憶の断片を、ずっと考えていた。
そこへノックの音が響く。

ジョンヒが器の載ったトレイを持って入ってきた。

ジョンヒ「シッケなんですけど、飲んでみてください」
ヨンダル「シッケですか?」

彼はジョンヒが差し出した器を受け取った。

ヨンダル「甘酒好きなんです。僕たちシッケを甘酒って言うんですよ」

ヨンダルが顔をほころばせる。

ジョンヒ「”僕たち”って、ヨンダルさんの他に誰のことですか?」

思いがけない質問に、ヨンダルはハッキリしない答えを探す。

ヨンダル「どうしてか分からないけど、昔から甘酒って言ってたんです」

ヨンダルはそう言って楽しげに笑い、シッケの器を口にした。
「旨いなぁ」一口飲んで、ヨンダルは顔を輝かせる。
ヨンダルの反応に、ジョンヒもニッコリ微笑んだ。

ヨンダル「豚肉炒めと豆もやし汁と甘酒、この3つはお祖母さんから作り方を習っておいてほしいな」
ジョンヒ「どうして?」
ヨンダル「いつでもジョンヒさんに作って貰えるでしょ」
ジョンヒ「(笑)調子に乗りすぎ♪」
ヨンダル「強引なのが好きなんでしょ?」

ジョンヒは笑った。、

ジョンヒ「ソウルに何しに行ってたんですか?」
ヨンダル「あぁ、精神科の先生に催眠治療をしてもらったんです」
ジョンヒ「催眠治療?」
ヨンダル「俺、幼い頃の記憶がないんです」
ジョンヒ「…。」
ヨンダル「だから、自分に家族がいたのか、故郷がどこなのかも分からなくて。でも、催眠療法なら記憶を取り戻せるかもしれないって聴いたんです」

「どうだったんですか?」ジョンヒがヨンダルの顔を覗きこんだ。

ヨンダル「忘れていた記憶の欠片、いくつか浮かんできました」
ジョンヒ「それって…何ですか?」
ヨンダル「俺には兄さんと弟がいたみたいですね」

驚いたように、ジョンヒが小さく息をついた。

ジョンヒ「探せるんですか?」
ヨンダル「いえ。まだぼんやりと思い浮かんだだけで」
ジョンヒ「兄弟がいるなら…見つかるといいですね」

ジョンヒの微笑みに応えつつ、彼は少し寂しそうに溜息をついた。

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コ・ボクテは一人静かに考えを巡らせていた。
ユン会長との会話をじっくりと反芻する。

~~~~

ユン会長「昔、ドンジン炭座の時代、チャン・ジョングクが起こしたストライキは我が人生最大の危機だった。その危機を解決してくれたのは君だったな」
コ・ボクテ「…。」
ユン会長「今になってチャン・ジョングクの息子がさらなる危機を生み出した」
コ・ボクテ「チャン・ドンスのことですか?」
ユン会長「今回も君に解決してもらいたい。これ以上は見ていられないからな」

コ・ボクテは食い下がる。

コ・ボクテ「私が解決すれば、何をくださるんです?」
ユン会長「チャン・ジョングクを排除したとき、君は私の命令に従うだけのゴロツキだった。だが、今やテジョングループや永宗島の事業を共にしているんだ」
コ・ボクテ「…。」
ユン会長「今回のことは私だけでなく、君にとっても危機だと分からないか?」

「ははっ」コ・ボクテが小さく笑う。

コ・ボクテ「チャン・ドンスのヤツ、私の首にもナイフを突き立てていたのを、うっかり忘れていました。不徳の致すところで、どうぞお許しください(ペコリ)」

#はぁ?!

ユン会長「チャン・ドンス、あいつを見くびるな。かなり緻密に準備しているにちがいない」

~~~~

コ・ボクテ「…。」

そこへ、側近が見慣れぬ男を連れて入ってきた。

側近「この男に任せれば一度で解決できるはずです」

「お前は刀を使わせりゃなかなかだろう」コ・ボクテは男を見上げて考える。

コ・ボクテ「…。」

連れて来た男に自信のある側近は、コ・ボクテのGoサインを待った。

コ・ボクテ「帰っていいぞ」
側近「?」

男は黙って頭を下げ、部屋を出て行く。

側近「会長、どうなさったのですか?」
コ・ボクテ「今チャン・ドンスが死ねば、一番最初に捜査線上に浮かぶ人物は誰だ?」
側近「…。」

#それ、前回、逆に側近が会長に「今、チャン・ドンスを殺したら会長が…」的な話をして窘めたよね。
ひっくり返してすぐ使うのもありなの?ありなの?
ついでに言うと「チャン・ドンスを殺したらヤバイ」と言いながら、その前に拉致した挙句殺そうとしたよね。したよね?

コ・ボクテ「これは刀で解決することじゃない。体ではなく頭を使わねば」
側近「…。」

「それでだ」コ・ボクテが慎重に話を進める。

コ・ボクテ「今回の適任者は…スチャン、お前だ」
側近改めスチャン「!!!」

#名前で呼ばれることがないので、ずっと「側近」のまま、名前で書くタイミングを失っていた彼が、折り返しを過ぎてようやく「スチャン」に昇格しました☆私、結構好きなのですよ、この方。

スチャン「はい?」
コ・ボクテ「お前が解決しろ」
スチャン「…。」

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コ・ボクテはまっすぐスチャンを見つめる。
緊迫した沈黙が流れた。

+-+-+-+

ヤン社長は、事務所へやって来たチャンマダム&マンガンコンビと共に、ゴーストップ(花札)の真っ最中だ。
絶好調のヤン社長は、盛大に決め手を打つ。
これまで二人のカジノでスッた金を取り戻そうとするヤン社長に、マダムたちがと一斉に抗議の声を上げた。

ヤン社長「カジノで俺の金を吸い上げた時はシラッとしてたくせに、何騒いでんだ。スリーゴーだぞ、スリーゴー!」

そこへ扉が開き、入ってきたのはクク刑事だ。
マダムとマンガンは慌てて花札を隠し、ごまかし笑いをする。

#まぁ!今日はなんと鮮やかなピンクのストライプで♪

クク刑事はソファの肘掛けに腰を下ろし、軽く皮肉を言うと、すぐ本題に入った。

クク刑事「最近ホ・ヨンダルはどうしてます?」
マンガン「ヨンダルがどうしたんです?」
クク刑事「出所してから随分おとなしいのが怪しくてね」
ヤン社長「おとなしいのが罪とでも?」
クク刑事「私はね、ヨンダルのことなら何でも分かるんですよ。あいつがおとなしいのはまさに何かやらかす前だ」

「とにかく、私に連絡するように言ってください」クク刑事はそう言って帰って行った。

マンガン「クク刑事の言う通りだな。ヨンダルのヤツ、最近おとなしすぎて怪しいぞ。そう思うだろ?」

「そうだわ」チャンマダムも頷く。

マダム「刑務所に行ってからは完全に別人よ」
ヤン社長「心を入れ替えて静かに暮らしてるのに何がおかしいんだ?金を出せよ。100万ずつだ」
マダム「途中で止めたのに何がお金ですか!」

マダムたちはさっさと立ち上がり、逃げるように退散する。

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チャンボンはミン社長の事務所にいた。

ミン社長「ヨンダルをどうしてご存知なんです?」
チャンボン「刑務所で会った。あいつに命を救ってもらったんだ」
ミン社長「そんな縁のために大きな仕事を任せるんですか?」
チャンボン「君は私から何を学んだんだ?私は縁だけで自分の金を任せたりしない」
ミン社長「?」
チャンボン「金商売とは何だ?良く言えば証券や投資だが、結局は博打と同じだ」

「あいつは大きな博打が出来る」チャンボンは頷いた。

チャンボン「学校の門もくぐれなかった私が、これだけ成功したのは何故だと思う?大きな博打は習ってできるものじゃない。生まれ持った才能だ」
ミン社長「ヨンダルにそんな才能があるとお思いなんですか?」
チャンボン「ある。まだ自分の才能の大きさに気づいていないだけだ」

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ドンス「…。」

人気のいない寂れた住宅街の真ん中で、ドンスはヨンダルの言葉を思い出していた。

~~ヨンダルがアパートへ訪ねてきたときのこと~~

ドンス「そろそろ用件を話せよ」
ヨンダル「話したら頭がおかしいとか言うんだろうな」
ドンス「こいつ(笑)それは最初から知ってる。話してみろ」

ヨンダルの目が鋭くなる。

ヨンダル「俺がテジョンカジノを食っちまうんです。どうですか?」
ドンス「頭おかしいな。テジョンカジノを街の私設カジノと一緒にするなよ」
ヨンダル「ほらね。頭がおかしいって言うと思ったんだ」
ドンス「本当にそのつもりなのか?」

「えぇ」ヨンダルはまっすぐ前を見て頷いた。

ドンス「どうやるんだ?」
ヨンダル「俺、切り札を手に入れたんです」
ドンス「切り札?」

ヨンダルはドンスを見てニヤリと笑った。

~~~~

未だ正体の見えない切り札に、ドンスは大きく息をついた。

#もう私、ドンスが「はぁ~」「ふぅ~」って息をつくやつの恐怖症に陥ってるんですけど(泣

「班長!」そこへヨンダルがやってくる。

ドンス「お前!人を待たせんなよ」
ヨンダル「すみません。最近ちょっと忙しくて」

「おい!」ドンスはヨンダルの肩を叩く。

ドンス「誰だ?どこにいる?お前の切り札」
ヨンダル「そんなに急かさなくても。勝負には忍耐が必要なんですよ」

「俺に説教するようになったのか?」ドンスが笑うと、ヨンダルが余裕の笑みを見せる。

ヨンダル「行きましょう」
ドンス「どこだよ?」

「あっちですよ」ヨンダルが道の向こうを指す。
二人は連れ立って歩き出した。

「…。」物陰から顔を出したのはコ・ボクテの側近、スチャンだ。
彼は驚いた様子で二人の背中を見送ると、すぐに電話を取り出す。

コ・ボクテ(電話)「あぁ、俺だ」
スチャン(電話)「今、舎北なんですが、チャン・ドンスがホ・ヨンダルに会っているんです」
コ・ボクテ「何だって?あいつらが何故?」
スチャン「それはよく分かりません。ですが、嫌な予感がします」
コ・ボクテ「あいつらが何を企んでるのか確実に掴め」
スチャン「分かりました」

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電話を切ると、コ・ボクテは客人に話を戻す。
彼の元をピルサンが訪ねていた。

コ・ボクテ「折り入って話とは何だ?」
ピルサン「コ会長は随分ユン・ヤンハに振り回されているようですね」

コ・ボクテは笑った。

コ・ボクテ「仕方ない。あのガキが実権を握ってるんだから」
ピルサン「(苦笑)」
コ・ボクテ「俺はテジョンカジノと永宗島事業に全てを賭けた身だ。実権を握るヤツの機嫌を伺うしかない」
ピルサン「コ会長と私が手を組めば、その実権を我々が握ることも出来ます」
コ・ボクテ「どういうことだ?」
ピルサン「ユン・ヤンハはユン会長の実子ではありません」
コ・ボクテ「何だって?!」
ピルサン「養子です」
コ・ボクテ「年を取ってから妾に産ませた子だと聞いたが?」
ピルサン「世間的にはそういうことになっていますね。ユン会長の腹の中、私にはよく分かります。ユン会長はグループの後継者として育てただけ。それだけの能力がないと判断されれば、ユン・ヤンハは決して後継者にはなれません」
コ・ボクテ「…。」
ピルサン「私があんな幼いヤツに蔑まれて耐えている理由が、まさにそれです」
コ・ボクテ「それは面白いな」

コ・ボクテの言葉に、ピルサンは小さく微笑んでみせる。

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ヨンダルの行きつけの料理屋には、ドンスとヨンダル、二人の他に客はいない。
彼らが待っていると、扉が開き、チャンボンが顔を見せた。

ヨンダル「(ドンスに)ご挨拶を。僕がお話した方です」

「チャン・ドンスです」ドンスが頭を下げる。

チャンボン「私はアン・チャンボンです」
ドンス「!」

ドンスの頭の中に、以前聞いたシネの話が浮かぶ。

「アン・チャンボンと言って、明洞の私債市場にとどまらず、汝矣島の証券家たちまで相手にしてる人なんだけど、どうにかその人に会おうとしてるみたい」

その名前を聞いた時、ヨンダルは驚いた様子を見せたのだった。

「とんでもない財産があるらしいけど、罰金を払うのが嫌で刑務所に入るほどの頑固者なんですって」

ドンス「!」

そのアン・チャンボンが、思いがけず今ドンスの前にいた。

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「おい、お前が何であの人と知り合いなんだ?」チャンボンと別れると、ドンスは待ちきれずに尋ねた。

ヨンダル「刑務所で会ったんですよ」
ドンス「何だって?」
ヨンダル「有り金全部スッたホールデムのテーブルでAを2枚握っている時に、最後の切り札がズバッと現れたんです。A+を掴んだってことですよ」
ドンス「何でお前に手を貸してくれるんだ?」
ヨンダル「俺にも分かりません。とにかく、あのご主人がテジョンカジノに金を提供する条件は、カジノに人材を送り込むことです。班長が行ってください」
ドンス「?!お前が行けばいいだろ。何で俺が?」
ヨンダル「俺は小学校へも行ってないんですよ。俺より学のある班長さんがユン・ヤンハと戦ってください。班長さんは刑務所でもカジノのこと猛勉強したでしょ?」
ドンス「…。」

「よし」ドンスが小さく呟く。

ドンス「お前が掴んだ切り札、俺が有効に使おう」

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見つめ合う二人の視線はエネルギーに満ちていた。

+-+-+-+

「なぜ彼を使わなきゃならない?」ミン社長の事務所へ戻ると、チャンボンはヨンダルに尋ねた。

ヨンダル「テジョングループのユン・テジュン会長が、昔ドンジン炭座のオーナーだったこと、ご存知ですか?」
チャンボン「知っているさ」
ヨンダル「チャン班長のお父さんは当時ドンジン炭座の労働組合長だったそうです。それが、ストライキが起きると、ユン会長は今やテジョングループの大株主であるコ・ボクテに命令して、チャン班長のお父さんを殺したんです」
ミン社長「!」
チャンボン「チャン・ドンスがユン・テジュンとコ・ボクテに復讐をすると…」

「はい」ヨンダルが頷く。

チャンボン「復讐に目が眩んで、正しい判断が出来ないこともあるが」
ドンス「以前はそうでしたが、僕と一緒に刑務所で暮らすうちに変わったんです。目が眩んで台無しにするようなことは、絶対にありません」

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ミン社長「…。」
チャンボン「分かった。君を信じてみよう」

「私はこれで」チャンボンは席を立ち、帰って行った。
扉が閉まると、ミン社長は急いでヨンダルを呼び戻す。

ミン社長「何考えてるの?!自分に舞い込んだ好運をなぜ追い払ったりするのよ!」
ヨンダル「そんなんじゃありません。ご心配なく」
ミン社長「何が違うのよ?!自分が行くべき場所を何で他人に譲ったりするの?!」
ヨンダル「自分の得意なゲームがあるのに、むやみに他のゲームに手を出して儲ける人間がいますか?」
ミン社長「…。」
ヨンダル「僕は自分の得意なことだけやればいいんです」

ヨンダルはとても落ち着いていて、言葉に迷いがなかった。

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ユン会長はヤンハを会長室へ呼んだ。

ユン会長「自分の人間をカジノに送り込むとは、経営に干渉するということじゃないのか?」
ヤンハ「…。」
ユン会長「誰を送り込むつもりなのか調べてみたか?」
ヤンハ「いいえ」
ユン会長「油断しすぎじゃないのか?」
ヤンハ「ご心配なく。誰が来ようと決して経営権を侵害されない自信があります」(←根拠なし
ユン会長「…。」
ヤンハ「ところで、チャン・ドンスはどう処理なさるんです?」
ユン会長「私に任せろと言ったろ」
ヤンハ「おっしゃってください」
ユン会長「コ・ボクテに任せた」
ヤンハ「…。弱みを握られたらどうなさるんですか?」
ユン会長「いや。この機会にあいつも一緒に処理するつもりだ」
ヤンハ「!」

短い沈黙が流れる。

ヤンハ「お言葉は分かりました」

ヤンハは退室しようと立ち上がる。

ユン会長「今週末、時間を作れ」
ヤンハ「何かあるんですか?」
ユン会長「ハンチャングループのソ会長が、令嬢を連れてゴルフをしたいそうだ」
ヤンハ「…。」
ユン会長「ソ会長の娘、お前も知っているだろう?お前もそろそろ結婚を考えねばな」
ヤンハ「気が進まないんですが」
ユン会長「なぜ?」
ヤンハ「好きな女性がいます」
ユン会長「誰だ?」
ヤンハ「まだ僕一人で想っているだけなんです」

「時が来ればお話します」ヤンハは頭を下げ、部屋を出た。

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シネはドンスが過ごした孤児院を訪れていた。
職員との話を済ませ、門へと向かう坂道の上に立つ。

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彼女は周りの風景を注意深く見渡し、ゆっくりと歩き出した。

+-+-+-+

ドンスがカフェへやって来た。
ドアを開け、シネの姿を見つけると、ドンスは明るく微笑み、彼女の前に座った。

シネ「ドンスさんのいた孤児院に行ってきたの」
ドンス「なぜ?」
シネ「当時の院長がどこにいるか調べたくて」

ドンスは溜息をつき、彼が来るまでシネが読んでいた本に手を伸ばした。

#シネの読んでいた本。”디퓨징(defusing)”。調べてみると、精神科医と医学ジャーナリストの共著で、『憤怒』の実態とそれを解く方法を記した本。ドンスの憤怒調節障害のために読んでいたのかもしれませんね^^

ドンス「無駄だよ。俺も刑事になってから何度も探したけど、見つけられなかった」

「それはドンスさんが刑事として才能がなかったのよ」シネが笑う。

シネ「私、見つけたけど?」
ドンス「!」

「どうやって?」ドンスは何気なく開いた本を閉じる。

シネ「まだ確認中だから、ハッキリしたら話すわ。期待していいわよ」
ドンス「…。」
シネ「ところで、何かいいことでもあった?久しぶりに機嫌が良さそうだわ」

「そういうことがあってね」ドンスが笑った。

シネ「何?」
ドンス「俺の計画、ヨンダルのお陰でずっと楽になりそうだ」

+-+-+-+

「先輩!!!」ディーラーの控室にチョンジャの子分が駆け込んでくる。

ソンジュ「オ・ジョンヒがラスベガスに行くって、聞きました?!」
チョンジャ「何それ?!」
ソンジュ「ディーラーカジノ大会に優勝したボーナスで、会社から行かせてもらうんですって」
チョンジャ「…。」

「羨ましい!」他のディーラーたちから声が漏れる。

ソンジュ「けど、もっとビックリするのはね、本部長と一緒に行くってこと」
チョンジャ「それホントなの?!二人でハネムーンってワケね」

ちょうどそこへヒョンミと仲睦まじく入ってきたのは当のジョンヒだ。

チョンジャ「オ・ジョンヒ、あんたラスベガスに行くんですって?」

「本部長と一緒に」チョンジャの言葉に、ジョンヒは黙り込んだ。

ヒョンミ「あれって本部長と一緒に行くんだったの?」
ジョンヒ「そんなんじゃないよ」
ソンジュ「しらばっくれちゃって。マーケティングのユナさんから直接聴いたけど?」
ジョンヒ「…。」
チョンジャ「本部長とは何もないって言ったくせに、どうなってるわけ?」
ジョンヒ「違います。違いますから!」

+-+-+-+

「ファラン」女性主任は廊下で誰かに呼び止められる。

ファラン「?」

ピルサンだった。

彼女が近づくと、ピルさんは左右を振り返り、人がいないのを確かめた。

ファラン「いつ来たんです?」
ピルサン「たった今だ。ユン・ヤンハに動きは?」
ファラン「しばらく落ち込んでたけど、資金誘致に成功してからは機嫌もいいわ」
ピルサン「…。」
ファラン「あ、恋愛中だって噂もあるし」
ピルサン「恋愛?誰と?」
ファラン「ディーラーです。オ・ジョンヒっていう」
ピルサン「本当にディーラーなのか?」
ファラン「えぇ。地元出身者の優遇制度でディーラーになったんですけど、父親は鉱夫で、じん肺症で亡くなったそうですよ」
ピルサン「鉱夫の娘か…」

頷いたファランは、ピルサンの肩越しに誰かを指す。

ファラン「ほら、あの子です」
ピルサン「?」

ピルサンは振り返り、視線の先でジョンヒが通り過ぎるのを見送る。
「…。」ヤンハの弱点を掴む糸口が出来たのだった。

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+-+-+-+

マーケティングルームにジョンヒがやって来た。

ジョンヒ「ジュノ」
ジュノ「どうした?」
ジョンヒ「チャ・ユナさんはどこ?」

「あそこ」ジュノはキョトンとして向こうを指す。
ジョンヒは振り返ると、ミーティングスペースにいるユナの元へ向かった。

ジョンヒ「チャ・ユナさん、どうしてそんな噂を吹いて回るんですか?」
ユナ「何のことです?」
ジョンヒ「私が本部長とラスベガスに行くって、皆に言って回ってるそうじゃないですか」
ユナ「あぁ、違うんですか?私、本部長本人から聴いたんだけど」
ジョンヒ「違います。だからそんなこと言わないでください」

#そりゃ、ディーラーのソンジュがヤンハから直接聞くことはないだろうけど、だからって、抗議に行くのにまずユナに会いに行って、イチイチ2段階確認しなくても…。
マーケティング部の俳優さんをひと通り映す必要があったのかもしれないけど、ソンジュの台詞で「ユナさんから聴いたわ。本部長がそう言ってたって」って言えば済むのに、もたつくわー。

+-+-+-+

ヤンハは執務室でスジョンと話していた。

スジョン「ごめんね。お父さんがそんな決定を下すなんて」
ヤンハ「イ会長の決定は僕も想定外だったけど、解決したから気にすることないよ」

そこへ、怖い顔をしたジョンヒが入ってくる。(←ノックの音さえも怖い
彼女がそばへ来ると、ヤンハは柔らかい笑顔で彼女を見上げた。

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#おんぶされてたチビヤンハ、雰囲気がホントよく似てて感動する
チビッコ3兄弟のキャスティングは、今のところこのドラマ最大のヒットだ^^

ジョンヒ「お話があって来ました」

「どうぞ座って話してください」スジョンが立ち上がると、部屋を出て行った。

ヤンハ「座って^^」
ジョンヒ「結構です」
ヤンハ「…。」
ジョンヒ「ラスベガスに行くのは本部長と一緒だって、皆そう思ってますけど、そうしなきゃならないなら私は行きません」
ヤンハ「…。それなら一人でどうぞ。いいでしょう?」(←ここの言い方、こっちまで切なくなるね
ジョンヒ「いいえ。結構です」

ジョンヒはそれだけ言って頭を下げ、立ち去ろうとした。

ヤンハ「オ・ジョンヒさん」

ジョンヒが立ち止まる。

ヤンハ「話しましょう。ちょっと座ってください」
ジョンヒ「…。」

いつもと少し違うヤンハの真摯な態度に、ジョンヒはソファに腰を下ろした。

ヤンハ「こんなところでする話じゃないけど、外で会おうと誘ったら断られそうだから、今しましょう」
ジョンヒ「…。」
ヤンハ「ジョンヒさんと一緒にラスベガスへ行ったら、僕はプロポーズするつもりでした」
ジョンヒ「!」
ヤンハ「もちろん、ジョンヒさんの心に今誰がいるのか分かっているから、プロポーズを受け入れてくれるとは思っていません。けど、もたもたしていたらジョンヒさんが遠く離れてしまいそうで… 今言うべきだと思ったんです」
ジョンヒ「…。」
ヤンハ「これ以上、僕はオ・ジョンヒさんのそばで二の足を踏むようなことはしません。ホ・ヨンダルに向かっているジョンヒさんの心、僕が必ず手に入れます」

「何をしてでも」まっすぐで強いヤンハの目に、ジョンヒは何も言えずにただ彼を見つめ返した。

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ここで一旦区切ります。

ヤンハも最初からこうやって接していたら違ったかもしれないのに…今頃真摯になられると切なくなりますね。
「一緒にラスベガスに行こう!」って手を引くような強引な男がジョンヒは好きだけど、「ただし、好きな人に限る」のよ…。

ヤンハ、頑張れ…。

それにしても、ヨンダルの美しさが今回も際立っていることは言うまでもありませんが、それに加えて、眼差しがすごくいい!
ドンスやチャンボン、ミン社長に自分の思いを話す目に力がこもっていて、彼の成長を感じて惚れ惚れします。

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