夜警日誌あらすじ&日本語訳2話vol.1
チョン・ユンホ(東方神起ユノ/ユンホ)、チョン・イル主演、「夜警日誌」2話前半、ドラマのあらすじを掴みながら、主な台詞を日本語に翻訳していきますね。
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川の流れる音が瑞々しく響く。
王によって助けだされたマゴ族の巫女は、千年花を咲かせるため、精神を集中させた。
苔の間に芽吹いていた千年花は、みるみるうちに伸び、美しい紫の花を咲かせる。
その途端、巫女の顔が歪んだ。
首の烙印が光ると、赤い妖気を放ち、千年花を包む。
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右相パク・スジョンは、眠っているリンの元を訪れていた。
彼の娘も一緒だ。
娘「私が看病いたします、中殿媽媽」
中殿「いいのよ」
娘「顔色がよろしくありません。このままでは中殿媽媽までお倒れになるのではと心配です」
中殿は右相を振り返ると、「心の美しい子ですね」と微笑んだ。
いつも話題はリンのことばかりで、最近はリンが心配で眠れないと、右相は娘のことを話す。
そこへ大妃が現れる。
大妃「何をしているのですか。誰の許しを得て病に臥している大君に近づいたのです?!」
右相「申し訳ありません、大妃媽媽。微力ながら少しでもお役に立てればと」
大妃「お断りです」
右相「…。」
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右相はその足で大妃殿へ詫びに向かった。
右相「大君の看病で大妃媽媽まで具合を悪くされるのではないかと心配です」
大妃「私は病気になろうと構いはせぬ。大君が回復し、この祖母が死ぬのなら願ってもないことです」
右相「一日も早く回復され、世子の冊封をお受けになり、ご婚礼を挙げねばなりませんのに」
大妃「…。」
右相が隣の娘をチラリと見る。
大妃「婚礼はキサン君が先です」
右相「キサン君ですと?!」
大妃「(右相の娘に視線を移し)美しい子ですこと。年はいくつなの?」
娘「9歳になります」
大妃「そうか」
「殿下から知らせがあったとか?」右相が慌てて話題を変えた。
大妃「秘蔵庫長から連絡がありました。数日のうちに視察を終え、お戻りになるとか」
右相「ふむ。秘蔵庫長といいますと、王室の秘蔵庫を守る者では?」
大妃「殿下が寵愛しているのです。武術に秀でていて、此度の外出でも特別に抜擢されたと聞いています」
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大妃殿を出てきた右相の娘は、寂しそうに顔を曇らせた。
娘「大君様にもっとお目にかかりたかったのに、悪い鬼神のせいで罪もなく苦しまれるなんて」
右相「これ!まだ鬼神の話をするつもりか?」
娘「…。」
右相「大妃媽媽の前で絶対それを口に出してはならんぞ。今お前に一番大事な人はこの父ではない。大妃媽媽だ」
娘「だけど、本当に見たんですから。男の人が大君を助けるのも」
娘は向こうを通り過ぎる軍官を指さした。「あの服を着ていました!」
秘蔵庫を守る軍官たちだ。
右相「!!! 騒ぎの中で、あの服を着た者を本当に見たのか?」
娘「(頷く)」
右相は部下を呼び、秘蔵庫の軍官たちと出入りした者の名簿を内侍府から手に入れるよう命じた。
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王は野営地にいた。
マゴ族の少女が、花束を作り、王のもとへやって来る。
少女「綺麗でしょう?千年花はこの野花と似ているんです。みんな見間違うんですよ」
王「千年花はどうなったのだ?」
少女「心配なさらないでください。うちのお姉さんはマゴ最高の巫女なんです。信じてくださいね」
穢れのない少女の微笑みに、王も思わず笑みをこぼす。
王「名前は何と言うんだ?」
少女「トハです。ヨナの妹、トハ」
トハは王の手首に巻かれた赤い帯に目を留め、「あ!」と小さな声を上げた。
トハ「椿の花ですね」
王「中殿がくれた物だ。余の帰りを待っていることであろう。リンも、中殿も…」
トハ「王子様はきっと良くなります。王様が勇敢にお守りになったじゃありませんか」
王「…。」
トハ「私にも素敵なお父さんがいたらなぁ」
「…。」王はトハの頭を優しく撫でた。
そこへサンホンがやってきた。
サンホン「マゴ族から知らせが届きました。千年花を持ってくるそうです」
王は立ち上がり、急いでその場を後にする。
トハはふと王が足元に落とした物に気づき、それを拾い上げる。
中殿が王に持たせたお守りだった。
トハ「王様!王…。後でお返ししなきゃ」
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日がすっかり暮れた頃、王のもとへ巫女ヨナが戻ってきた。
その手には大切に千年花を携え…。
王「成功したのか?」
ヨナ「はい、殿下」
王「よくやった!お前の真心が大君の病を治すであろう」
王は千年花が収められた器の蓋をそっと外してみる。
満足気に花を見つめた王は、密かに漏れでた黒い妖気に、知らぬ間に包まれた。
王「…。」
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リンの病状は快方へ向かっていた。
中殿「リン、本当に偉いわ。よく戦ってくれたわね。あとは、殿下が戻られる前に目覚めればいいのよ。出来るわね?殿下がお知りになれば、どれほど喜ばれることでしょう」
「殿下…」中殿は夫の帰りを待ちわびていた。
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王はすっかり普段の温和な目つきを失っていた。
手に持った千年花を脇へ置くと、ゆっくりとヨナに近づく。
強くヨナを抱き寄せ、口づけた。
ヨナは密かに微笑む…。
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王は石化した大蛇の体と共に宮廷に帰還した。
大蛇を秘蔵庫へ運び入れようとしたサンホンは、不審に思った軍官に止められてしまう。
荷車のそばに黙って立っていた王は、いきなり刀を抜き、軍官を斬り捨てた。
サンホン「!!!…殿下」
王は血に染まった刀で他の門番たちを指す。「彼らの口は禍のもとだ」
王「処理せよ」
サンホン「ですが殿下!この者たちは任務に忠実であっただけです」
王「お前の意見など問うた憶えはない」
門番たちは即座に連行される。
王の変化に、サンホンは大いに戸惑った。
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無事意識を取り戻したリンの元へ友人たちが訪れていた。
そこへ、王が昨夜帰ったことを知らせに、ソン内官がやって来る。
大喜びするリンの前で、一人顔を曇らせる子どもがいた。
リンが落としたカブトムシを拾った、あの子どもだ。
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「無事戻りました」戻った王の報告に、母である大妃は胸をなでおろした。
大妃「大きな成果を上げたと聞きましたよ。月光大君のために探していた高貴な品も手に入れられたとか」
王「はい」
大妃「喜ばしいこと。ところで、何か大きな戦利品を持って帰られたと聞きましたが」
王「…。」
大妃「一体何なのか… この母にもお見せくださいな」
王「白頭山の記念に持ち帰ったただの石です。わざわざご覧になるほどの物ではございません」
大妃「あぁ、そうですか。それでは、また今度」
王「…。」
大妃「殿下がお戻りになり、月光大君の具合も随分良くなりました。あとは予定通り世子冊封式を執り行なうだけです」
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大妃殿を出た王を、中殿が待っていた。
無事帰還を喜ぶ中殿に、王の態度はなぜか氷のように冷たかった。
中殿「お帰りになったと、今朝になって聞いたのです。なぜ便りをくださらなかったのですか?」
王「便りとな…。余がいない間、あらゆる男たちが中殿を喜ばせようと努力しただろうに、余の便りなど待つ必要もなかったのでは?」
中殿「何を仰るのですか、殿下?」
王は振り返ると、驚く中殿に感情のこもらない視線を送る。
中殿「!」
王「(微笑)どうしたのです?中殿の品行を云々したのが気に障ったのか?ただの冗談ですよ。何をそう驚くんです?」
中殿「ご冗談が過ぎます!」
王は声を上げて笑うと、あっという間にその目に狂気が宿る。
王「そんなに怒るとは、却って気になるな。余のいない間、中殿の品行がどうであったのか」
中殿「殿下!」
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「あれは何だろう?」宮中を歩いていたリンは、廊下の向こうを指さした。
彼の視線の先に、忌々しい黒い妖気が渦巻いているのが見える。
ソン内官「?」
ソン内官がキョロキョロしている間に、その妖気は消え去った。
どうやらリンだけに見えていたようだ。
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大殿に大臣たちが集まっていた。
大臣たちのすすめ通り、王は世子の冊封式を右相に任せる。
右相「殿下、冊封式を預かるにあたり、憂慮していることがございます」
王「憂慮とは?」
右相「世子という重要な座につくには、大君はまだ幼すぎます。そばで支える妃を選ぶことが急務かと存じます」
王「幼いと?幼い月光大君には世子の座が務まらぬと申すのか?」
右相「世子妃がおられれば、世子にとって大きな力になることでしょう」
王「余の息子だ。一介の大臣に過ぎぬそなたが、恐れ多くも大君の年齢を云々するのか!」
声を荒げる王の前に、右相は慌ててひれ伏した。「お詫び申し上げます!」
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「父上!」大殿を出てきた王に、リンが駆け寄ると、無邪気にしがみついた。
リン「父上!ようやく戻られたのですね!」
王「…。」
リン「もうすっかり良くなりました。父上をお待ちしておりました!」
王は無表情で息子を見下ろす。
「直してくださる約束でしょう?」リンは持って来たカブトムシの籠を差し出した。
リン「また僕と遊んでくださいますよね?」
王「大君はいつまで幼い子どものように振る舞うのだ?」
リン「え?」
王「もうじき世子冊封がある。重要な座につくのだから、もう以前のように行動しては駄目だ」
リン「だけど、約束なさったじゃありませんか」
「なぜ言うことを聞かぬのだ!」突然の王の怒鳴り声に、リンは驚いて後退りする。
王「甘えるなと言っておろう!」
リン「父上…」
悲しむリンを残し、王は足早に立ち去った。
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ヨナとトハは、仲良く並んで星空を見上げていた。
トハ「お姉さん、あれは織女星でしょ?」
ヨナ「そう。あなたが生まれる時、一番輝いていた星よ。七夕の日だったから、織姫と彦星が会っていたのでしょうね」
トハ「それなら、私も彦星のような方と出会うのかな?」
ヨナ「そうね。あなたはいつかいい縁に巡り会えるわ。その人が守ってくれて、共に大きなことを成すのよ。あなたが生まれた時、お母さんがそう予言なさったの」
トハ「…。」
ヨナ「私のように巫女にならなくていいのよ」
トハは胸元から王が残した赤い帯を取り出す。
トハ「これ、王様の物なの。お返ししなきゃいけなかったのに…私が王子様みたいな素敵な人と出会えるように、お姉さんが祈って」
ヨナ「私の祈りは… もう天地神明に通じないわ」
トハ「お姉さんの祈りは通じるに決まってるよ。マゴ族最高の巫女なんだもん」
ヨナ「…。」
ヨナは王とのくちづけを思い浮かべ、目を伏せた。
そして、手首から鈴を外し、妹トハに握らせる。
ヨナ「私はもう巫女じゃない」
トハ「?」
ヨナ「白頭山の巫女がしてはいけないことをしたの。私はあやつと… あやつと… 取引をしてしまったよの」
トハ「取引?」
ヨナ「ごめんね、トハ。ごめん…」
トハ「お姉さん、どうしたの?祈ってくれなくてもいいよ、ごめん」
そこへ、ふいに背後から足音が近づくと、ヨナはゆっくり立ち上がった。
龍神(ヨンシン)族の残党がヨナを連れ戻しに来たのだ。
ヨナは男たちに両脇を抱えられ、あっという間に連れ去られた。
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「お姉ちゃんが連れて行かれたの!」トハはすぐ集落へ駆け込んだ。
タンゴル「鐘を鳴らせ!人を集めよ!」
トハを撫でたタンゴルは、その手に握られたヨナの鈴を目にした。
タンゴルに不安が広がる。
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ヨナが洞窟へ連れて来られると、布で顔を覆った男が立ち上がった。
サダムだ!ヨナは愕然とし、思わず後ずさりする。
サダム「マゴ族の巫女の気が千年花を咲かせ、白頭山を守った。次はお前が約束を守る番だ」
ヨナ「!」
サダム「マゴ族の巫女の力で、我を治療せよ」
サダムはヨナの後ろへ回ると、彼女の服を真っ二つに引き裂いた。
首の呪印に手をかざすと、そこから赤い妖気が広がる。
サダム「命をかけた最後の仕事だ。真心を尽くせ!」
ヨナ「龍神のため… 私の気を全て捧げましょう」
ヨナの呪印から出てきた妖気がまっすぐサダムへと向かう。
サダムの顔が赤く包まれると、ヨナはその場に崩れ落ちた。
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王はサンホンを従え、大蛇の体が秘蔵されている部屋へ足を踏み入れた。
王「北方視察で手にした最大の収穫だ」
サンホン「本当にここに置いておくおつもりなのですか?」
王「何か問題でも?」
サンホン「死んだのかどうか確かではありません。地下へ置いておくのは危険です」
王「無駄な心配だな。ただの戦利品だ」
サンホン「しかし殿下!」
王「余はここに置くつもりだ。ここは余の治世を後代に伝える業績となるであろう」
そのとき、サンホンは異変を感じ、懐の磁針を取り出す。
針が統制を失い、小刻みに震えていた。
サンホン「!」
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携行している鬼針盤が王のそばで激しく反応したことを、サンホンは領議政に告げた。
領議政「殿下に鬼気が憑いていると?!どういうことだ?」
サンホン「鬼針盤が間違いなく殿下に反応したのです」
領議政「!」
サンホン「何が起きているのか定かではありませんが、今夜すぐにでも対処せねばなりません」
領議政「だが、もう世子冊封式も目前だ。下手に動いて、人目を引くわけにはいかん」
サンホン「ならば、鬼気を抑える結界を早く回復させなければ」
サンホンはそばに建っている石像をチラリと見た。
サンホン「石像の修理を急いでください」
領議政「ふむ。君は殿下に憑いた鬼気の正体を探るのだ」
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ここで一旦区切ります。
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