主君の太陽9話あらすじ&日本語訳 vol.2
ソ・ジソブ、コン・ヒョジン、ソ・イングク、キム・ユリ出演「主君の太陽(주군의 태양)」9話、後半に入ります。
そのうちクイズやりましょう。「この手はどのシーンのチュ君でしょう~?」って^^
では、早速~
ピアニスト、ルイ・ジャンは誰もいないホールのステージでピアノの蓋を開けた。
無造作に鍵盤を叩いてみる。
ホール近くの廊下を歩いていたカン・ウは、ハッとして立ち止まった。
カン・ウ「聞こえました?」
ハンジュ「…何かポンポン鳴ってますね。誰か中でピアノ触ってるのかな?」
カン・ウ「行ってみましょう」
ホールへ向かおうとした二人は、目の前に立っていたルイ・ジャンの妻の霊を通り抜けた。
二人「?!」
何か気配を感じ、足を止める二人。
ハンジュ「チーム長、今何かゾクッとしませんでした?」
カン・ウ「…。あっちを確認してください。僕はホールの中を確認しますから」
ハンジュと別れ、一人になったカン・ウは、さっき何かが触れた腕を触ってみた。
悪寒が走り、にわかに恐怖に襲われる。
カン・ウ「頭がおかしくなりそうだ」
ホールのステージ。
鍵盤の上に右手を広げたルイ・ジャンは、左手でピアノの蓋を掴んだ。
自らそれを右手の上に落とそうとし、怖くて顔をそむける。
そこへ、扉を開け、懐中電灯を片手に入って来た人物に気づき、ルイ・ジャンはそっとピアノの陰に身を隠した。
あちらこちらを慎重に照らしていたカン・ウの懐中電灯は、一瞬、壁際にいるルイ・ジャンの妻の姿を捉えた。
カン・ウ「何だ!」
ステージへと近づいていくカン・ウ。
ルイ・ジャンがかすかに顔を上げた。
カン・ウ「誰だ!」
ステージに駆け上がったカン・ウは、あっという間に隠れていたルイ・ジャンをひねりあげた。
カン・ウの手がピアニストの手を強く握る。
ルイ「手が!」
そこへ他の警備員たちが駆けつけた。
ハンジュ「あ、今度公演されるピアニストの方じゃ?」
カン・ウ「?!」
カン・ウの下で、ルイ・ジャンがまだうめき声をあげていた。
+-+-+-+
ルイ・ジャンは右手に包帯を巻き、副社長室で憮然としていた。
ルイ「自分が演奏するピアノの状態を確かめに来たのに、こちらの保安チームがいきなり走ってきて、手をこんなふうにしてしまったんですよ」
叔母「その点については本当に申し訳ありません」
副社長「けどね…」
叔母「…。」
副社長「うちの警護チーム長の話では、大怪我をするほど強く押さえてはいないそうですが?」
ルイ「この手でデリケートな演奏をするんです。それなのに動かないんですよ」
副社長「…。」
ルイ「公演はできません」
叔母「…。」
副社長は頭を抱えた。
+-+-+-+
顧客センターへやって来たハンジュが、テ嬢と姉に事情を説明する。
ハンジュ「そのルイ・ジャンとか何とかの奥さんが死んでスランプだったらしい。どう考えても仕掛けられたに違いないよ。うちのチーム長はジョーカーを引いちまったんだ」
カン・ウの様子がいつもと違ったと聞き、考えこむテ嬢。
彼女はルイの元へ向かった。
テ嬢「特別顧客センターのテ・ゴンシルといいます。私と少し話していただけますか?」
ルイ「僕に話すことはありません」
ルイが立ち去ると、テ嬢は止めることもなく、彼が立っていた所を見つめた。
テ嬢「私、あなたのこと見えるんです」
そこにいたルイ・ジャンの妻の霊がテ嬢を見つめ返した。
テ嬢「ルイ・ジャンさんの奥様でしょう?」
霊「…。」
+-+-+-+
足早に売場を見まわっていたチュ君は、あるネックレスの前で足を止めた。
チュ君「…。」
『太陽のように輝く愛をお贈りください。
太陽のように明るく輝く愛のために…』
チラリとネックレスを見やり、歩き出そうとすると、キム室長が遅れて口を開く。
キム室長「太陽ですね」
チュ君「何がです?」(←答えるのが早すぎて怪しい
キム室長「これですよ。こういった物をお守りのように持っていれば、テ嬢も安心でしょうに」
チュ君「お守り?」(←何でもないように装いすぎ
キム室長「テ嬢が私にこんなことを言ってたものですから」
~それは少し前のこと~~
大切に手に持ったペンを、テ嬢がキム室長に差し出した。
テ嬢「これ、社長が毎日サインするのに使っていらっしゃるものですよね?」
キム室長「(頷く)」
テ嬢「出張に行ってらっしゃる間、持っていちゃ駄目ですか?お守りみたいに社長の持ち物を持っていれば、少しでも安心できる気がするんです」
それを聞いたチュ君はまんざらでもない。
チュ君「大丈夫な振りをして、俺のいない間のことが心配らしいな」
キム室長「ボールペンより、こういった物を一つあげれば、テ嬢も随分喜ぶでしょうに。古代には太陽が王だったでしょう? 主君を象徴するものでもあります」
チュ君「行きましょう」
ぶっきらぼうに歩き出すチュ君。
キム室長は残念そうに咳払いをし、後に続いた。
+-+-+-+
自宅に戻ったチュ君は、手に持った太陽のネックレスを不思議そうに見つめていた。
チュ君「何で買ったんだ?説明がつかん」
そこへ玄関のチャイムがなり、さっとネックレスを手に握っておいて扉を開けると、そこに立っていたのはテ嬢だ。
チュ君「何しに来た?」
テ嬢「キム室長にお聞きになってませんか?」
チュ君は思わずネックレスを隠し持った手を握りしめた。
チュ君「何を?」
テ嬢「キム室長に頼んでいたもの…社長のところにあるから、行って頼んでみろっておっしゃったんですけど」
チュ君「キム室長は知らないはずなのに…。一人で買ったのにな」(←素直すぎる
テ嬢「あるのは確かなんでしょう?失礼しますね」
チュ君「…。」
ニコニコ笑顔でさっさと家にあがるテ嬢。
1歩遅れて、チュ君は慌てた。
チュ君「お前のために買ったんじゃないぞ」
テ嬢「?」
チュ君「やらないからな」
テ嬢「?…何のこと言ってらっしゃるんですか?」
チュ君「…。(ネックレスをチラリ)お守りだ」
テ嬢「お守り?」
チュ君「…。」
テ嬢「社長もオバケが怖くてそんなもの買ったんですか?」
チュ君「……。」
テ嬢「家にいくつかあるから、欲しいって言ってくれればいいのに」
家の奥へ向かうテ嬢をチュ君が追いかけた。
チュ君「それなら何しに来たんだ?」
テ嬢「ルイ・ジャンさんのこと解決しようと思って」
「あっ」と立ち止まるテ嬢に、後を追っていたチュ君も驚いて立ち止まった。
チュ君「?」
テ嬢「私、ルイさんの奥さんに会ったんですけど…(声を潜め)今、一緒にここにいらっしゃってるんです」
チュ君「……。」
チュ君の視線がゆっくりとテ嬢から何もない空間へと移った。
チュ君「(小声)何で一緒に来たんだ?」
テ嬢「一緒に作るものがあるんですけど、オーブンがいるんです。社長のところへ行って頼んでみろって、キム室長が言うから。ドアを開けてくれたから、もう話はついてるんだと思ったんです」
チュ君「そうだったのか」
テ嬢「(うんうん)」
チュ君「(溜め息)」
テ嬢「ところで、いくらくらいのお守りを買ってくださったんですか?」
チュ君「知らん!(指を差し)オーブンはあっちにあるから好きなだけ使え」(←気をつけの姿勢になってる
テ嬢「はい」
+-+-+-+
キッチンで作業をするテ嬢の様子を眺めるチュ君は、ダイニングでじっと腕組みをし、視線だけを動かした。
見えない幽霊と会話をしながら、ごく普通に料理を進めるテ嬢。
彼はずっと握っていたペンダントをかざし、胸の中にうずまく疑問をぶつけた。
チュ君「こいつのために来たのかとビックリしてるうちに、あいつをキッチンに入れてしまったじゃないか」
テ嬢「(急に振り返る)クルミ、全部割りました?」
チュ君「(瞬時に隠す)今割ってる!」
チュ君はテーブルに置いてあった物(←これは何?)を手にとった。
チュ君「クルミよ。お前、贅沢だな。(割るのに使った道具を撫で)めちゃくちゃ高かったのに」
テ嬢は料理をしながら、ルイ・ジャンの妻から聞いた話をチュ君にも話して聞かせた。
テ嬢「ルイ・ジャンさんはかなり気難しい人みたい。演奏会の前は一つ一つ全部自分で決めた規則どおりに動くんですって。その段取りをするのが奥さんだったそうですよ」
~ルイ・ジャン夫人の生前~
練習中のルイの元へ、夫人が食事を持ってくる。
トレイの上にはクルミのタルトが乗っていた。
テ嬢「ピアノの練習中は食べ物の匂いが嫌で、自分の好きなシナモンの香りの強いパイしか食べなかったんですって。気むずかしい夫を、奥さんが陰のように世話したそうです」
焼き皿の上にパイシートが敷かれる。
テ嬢「奥さんしか知らないレシピでパイを作って届ければ、カン・ウさんとの誤解も解けるだろうって」
チュ君が持ってきた皿には、綺麗に割れたクルミが盛られていた。
チュ君「結局、これはみんなカン・キャンディーのためだったってことか?」
テ嬢「(困った表情)私がお化けの話しちゃったから、カン・ウさん、ものすごく驚いたんです」
チュ君「甘~いカン・キャンディーだと思ったら、マタ・ハリ(スパイ)カン・ウだったのに、それでも助けたいのか?」
テ嬢「カン・ウさんは謝ってくれたし、絶対に知りたくなかったことを教えちゃって申し訳ないし…」
チュ君「…。」
テ嬢「公演がキャンセルになったら、社長にとっても損害でしょう?」
チュ君「だからクルミ割ったろ」
テ嬢は料理を再開した。
レシピは非常に細かく、ルイの妻から何度も指摘が入る。
チュ君「(イラッ)何でそう神経質なんだ?」
振り返った拍子に腰がぶつかる二人。
その瞬間、そばに居た霊が消えた。
テ嬢「はっ!もう!触っちゃ駄目でしょ!話してたのにいなくなっちゃったじゃないですかー!」
チュ君「俺に苛ついてるのか?」
テ嬢「!」
チュ君「いつもは幽霊を消してくれって触るくせに、今度は追い払ったからって俺に…!(呆れて言いよどむ)怒るんだな」
テ嬢「(恐縮)ごめんなさい。話している時に消えちゃって、びっくりしたんです…」
チュ君「…。」
テ嬢「すごく気難しい人で、少しでも味が違うと食べないって言うから…。ごめんなさい」
チュ君は乱暴に冷蔵庫を開け、シャンパンを取り出した。
チュ君「これでも一杯やって、自分で作れとそいつに言え」
テ嬢「…そういうのは危険だって言われたんです」
チュ君「…。」
テ嬢「失敗したら、私の体を全部奪っちゃうかもしれないって」
チュ君「…。」
チュ君は一度キッチンに置いたシャンパンを、何も言わず、あっという間に冷蔵庫に戻した。
チュ君「お前、絶対に酒は飲むな!そんなに危険なら、絶対に飲むなよ」
テ嬢「(うんうん)…はい」
チュ君はホッとして小さな溜め息をついた。
彼が心配してくれたことが嬉しくて、恥ずかしそうに俯いて微笑むテ嬢。
振り返ると、そこにはルイの妻が戻っていた。
再び料理が始まった。
またぶつかりそうになったチュ君に、今度は優しく「気をつけてくださいね」と声を掛ける。
チュ君は少し離れたところで、彼女の様子を見守った。
+-+-+-+
カン・ウはホールのピアノの前で悶々としていた。
そこへ、イリョンが顔を覗かせる。
イリョン「サラリーマン!やらかしたんだって?クビになる心配してるの?」
カン・ウ「今複雑なんだ。出てってくれ」
彼女はニッコリ笑い、彼の横にドンと座った。
カン・ウ「!」
イリョン「クビになっちゃいなよ。あたし専属のボディーガードになってほしいな」
無邪気に言い、彼の腕に自分の腕を絡ませた。
カン・ウはうんざりしてその腕を外す。
カン・ウ「いつも自分のことばかりで、相手のことはお構いなしか?理解に苦しむな、お前の世界は」
イリョン「あたしは… あんたが仕事失うこと心配してるだろうと思って、慰めたつもりだったのに。気を悪くした?」
カン・ウ「…。」
イリョン「(頭を押さえ)はぁ…サラリーマンの世界はさっぱりわからないわ」
カン・ウ「(ふと思いつく)お前さ、自分と違う世界の人間を好きになったら、どんな感じだと思う?」
イリョン「とりあえずは好きじゃなくなる努力はしなきゃね」
カン・ウ「それが無理だったら?」
イリョン「突っ走るしかないよ」
カン・ウ「思ってもみなかった怖ろしいものが現れるかもしれないのに…耐えられるか?」
イリョン「もっと好きになればいいのよ。好きになりすぎたら盲目になるって言うでしょ?目がくらむほど好きなのに、怖いものなんか目に入ると思う?」
カン・ウ「(素直に納得)そうだな。もっと好きになればいいのか」
イリョン「(得意げ)」
カン・ウ「…簡単だな」
イリョン「(咳払い)あたし、まだ目がくらむほどあんたのこと好きってわけじゃないから!」
カン・ウ「(↑聞こえてない)…良かった」
カン・ウは立ち上がり、強い足取りで歩き出した。
イリョン「心配で来てやったのに、人の話も聞かないで!!!(ピアノの椅子をがっしり掴んで我慢)ここで追いかけたらあたし、目が眩んでるのよ。あたし、まだそんなんじゃないんだから!!!…違うもん …違うのに」
+-+-+-+
暗くなったキングダム内を歩くカン・ウは、向こうの通路を歩くテ嬢とチュ君に気づき、立ち止まった。
テ嬢「社長が呼んだら来ますよね?」
チュ君「こんな時間に呼んだら怒るだろうな」
テ嬢「…。」
チュ君は、テ嬢が抱えているクルミパイの箱を指さした。
チュ君「これに効果がなけりゃ、公演も何もかもおしまいだ」
テ嬢はチュ君の肩をトントンと叩き、「大丈夫ですよ」と呟いた。
二人の様子を見つめていたカン・ウの表情は、急激に曇っていく。
到底見ていることができず、遂には俯いてしまった。
結局後をついて来たイリョンも、彼の視線の先にテ嬢がいることに気づく。
イリョン「大きいテ嬢のことだったの?あぁ…最悪。もっと好きになれって言っちゃったのに」
+-+-+-+
ルイ・ジャンは今夜も遺体冷凍保存室を訪れていた。
いつものようにバラの花を取り替え、妻の顔を見つめる。
ルイ「僕は… 君なしで演奏できそうにないよ」
そのとき、電話が鳴った。
+-+-+-+
社長室には、いつにもまして緊張した空気が流れていた。
黙って座っているルイ・ジャンの前に、テ嬢がパイの箱を置く。
ルイ「こんな時間に呼び出してどうしようっていうんです?」
テ嬢がチュ君を振り返ると、チュ君は何も言わずに頷いてみせた。
テ嬢が箱を閉じているリボンを開くと、中からパイが現れた。
ルイ「…。」
テ嬢「ここにはピアノの黒鍵の数と同じだけクルミが入っていて、白鍵の数と同じだけヒダをつけてあります」
ルイ「?!」
テ嬢「これを食べれば、失敗せずに演奏できるんでしょう?」
ルイ・ジャンが身を乗り出した。
ルイ「それをどうして?」
テ嬢「…。」
ルイ「それは僕と…妻しかしらない規則なのに」
テ嬢「奥様が教えてくれました」
ルイ「?」
テ嬢「あなたが指をわざと痛めようとしたとき、カン・ウさんがあなたを助けるように、奥様が導いてくれたそうです」
ルイ・ジャンはじっと目の前のパイを見つめた。
ルイ「それなら…あのとき、妻が僕を見ていたんですか?」
テ嬢「先生は指を痛めていないわ。ちゃんと動くでしょう?」
ゆっくりと…ルイ・ジャンは包帯を巻いた指を動かした。
と、その手で突然テ嬢の手を掴む。
ルイ「僕の妻が見えるんですか?!」
テ嬢「…。」
ルイ「僕にも!僕にも見せてください。話をさせてください!」
テ嬢は悲しい目で首を横に振った。
ルイ「ここにいるって言うのに!僕には見ることも感じることもできない」
テ嬢「…。」
ルイ「一度だけ!たった一度だけ!!…妻に会わせてください」
テ嬢「…。」
ルイ「あんまり突然行ってしまったから… 別れの挨拶も出来なかったんだ」
ルイ・ジャンはテ嬢の膝の上で、人目もはばからず泣き崩れた。
テ嬢は、後ろで夫を見守っている妻の代わりに、ルイ・ジャンの背中を優しく撫でる。
#「離れろ、離れろ」と仕草で訴えるチュ君^^
+-+-+-+
包帯を外したルイ・ジャンは、その足でカン・ウを訪ねた。
ルイ「あなたが私の手を傷つけたことはありません」
カン・ウ「…。」
ルイ「申し訳ありません」
カン・ウ「怪我をなさったのでなくて幸いです。ですが、こうして来てくださった理由は何ですか?」
ルイ「妻の言葉を伝えてくださった方が、あなたに必ず謝罪してくれと」
カン・ウ「奥様は亡くなったと聞きましたが」
ルイ「(微笑)妻はいつでも僕のそばにいました」
緊張してあたりに視線を動かすカン・ウ。
ルイ「今では確信しています。(明るく笑う)完璧な演奏をしますよ。妻が隣にいますから」
カン・ウ「…。」
+-+-+-+
社長室には、まだ重苦しい空気が漂っていた。
テ嬢「人が突然亡くなったら、残された人はそれを受け入れられないことが多いんです。ルイ・ジャンさんはそのケースですね」
チュ君「パイも焼いたし、演奏会も無事やることになったんだから、そんな心配までお前がしてやることはない」
チュ君は厳しい表情で身を乗り出した。
チュ君「お前な、あんなふうに誰でも彼でも手を握ったり抱きしめてやったりしていいと思ってるのか?あの男…(無意識に突き立てた指に気づき、手を引っ込める)しがみついてたじゃないか」
テ嬢「あんなに泣いてるのに仕方ないでしょう?」
チュ君「俺が止めなかったら、一晩中すがりついて泣いたろうな」
テ嬢「…。」
チュ君「お前、あんなに他人の心配はするくせに、自分の心配はしないか?」
テ嬢「…。私の何ですって?」
チュ君「明日。俺は明日から1週間お前の世界からいなくなるのに、心配じゃないのか?手を握って抱きしめてくれる肝心の人間が消えるのに、不安じゃないのか?」
テ嬢「うーん。最近はオバケも前ほどじゃないんです。
チュ君「…。(肩透かし)」
テ嬢「追い込まれているときはただただ怖かったけど、余裕が出来たら…ただ見えるだけって感じで」
チュ君「…。」
チュ君は腕を組み、彼女を見つめたまま後ろにもたれ掛かった。
チュ君「そうか?それじゃ、俺が一番大事にしてるボールペンはどこに行ったんだろうな?」
テ嬢「はっ!!!」
チュ君が再び身を乗り出す。
チュ君「ボールペン。出せ」
テ嬢「(ぶつぶつ)キム室長、黙っててくれると思ったのに」
テ嬢がカバンをゴソゴソ探りだすと、チュ君も同時に自分のポケットを探った。
テ嬢「あれ?ないな」
チュ君「(ゴソゴソ)」
テ嬢「失くしちゃったみたい。お給料から引いてください!」
そう言うと同時に、彼女はチュ君の前から逃げ出した。
その瞬間、チュ君がポケットから出したネックレスは、彼女の目にはもう入らない。
#あ゛ーーーーー
チュ君「…………。そうだな、テ・ゴンシル。ボールペン持ってけ!!!」
彼は行き場を失ったネックレスを見つめた。
+-+-+-+
翌日。
テ嬢が出勤すると、部屋の前でルイ・ジャンが待っていた。
公演で着る服をいつも妻が選んでくれるから、テ嬢の助けがいると。
意気揚々とテ嬢を連れ、出掛けるルイ・ジャン。
その様子を見ていたカン・ウは、社長室を訪ねた。
カン・ウ「ルイ・ジャンさんの死んだ妻、テ・ゴンシルに見えているんですか?」
チュ君「あぁ。そのおかげでカンチーム長は窮地から脱出したんだ」
カン・ウ「昨日一緒にいるところを見ました。チュ社長は彼女の世界を全て信じ、理解しているんですか?」
チュ君「テ・ゴンシルは人並み外れたレーダーを持っている。俺はそれを利用しているんだ。受け入れるのが難しいなら、知らんぷりしてろ」
カン・ウ「利用しているというのは、チャ・ヒジュさんを見るためですか?」
チュ君「…。」
チュ君は覗いていた望遠鏡から視線を外した。
チュ君「そうだ」
カン・ウ「それなら、あのピアニストが死んだ妻に会うためにテ・ゴンシルさんを利用しているのと同じことですね。それでそばに置いていたんですね」
チュ君「…。」(←ドアップ横顔永久保存すべし!
カン・ウ「テ・ゴンシルさんが特別なんじゃなく、特別な他の人を見るために利用している…。そうですか?」
チュ君がゆっくり振り返り、カン・ウを見る。
カン・ウはチュ君へとまっすぐ向けた視線を外すことはなかった。
二人の間に沈黙が流れる。
ふたたびチュ君は彼に背を向けた。
チュ君「そうだ」
カン・ウ「それでは失礼します」
清々しい表情で去っていくカン・ウとは裏腹に、チュ君はにわかに苛立ちを募らせた。
チュ君「100億のレーダー。額面は確かなのに、ピアニストと一緒にされるとえらく気分が悪いな」
+-+-+-+
テ嬢が衣装を選ぶと、ルイ・ジャンは「まさに妻の好みだ」と微笑んだ。
さっそく彼が服を脱ぎ始めると、テ嬢は戸惑った。
テ嬢「私、奥様じゃないでしょう?着替えるところまでお手伝いは出来ないと思うんです」
ルイ「あぁ…。そうですね。あなたを通さずに直接会えればいいのに…。着替えてきます」
ルイ・ジャンが別室へ消えた。
そこへテ嬢姉がシナモンティーを持ってくると、テ嬢は「これでいいか」と見えない妻に香りを確認させる。
姉「何、何?ここにまたどなたかいらっしゃるわけ?」
テ嬢「今日ここで演奏するピアニストの奥様。代わりに付き人やってるのよ」
うんざりして「何やってるのよ!」と声を荒げる姉。
テ嬢「奥さんがそばにいないと演奏できないのよ」
姉「…。」
テ嬢「けど、あんまり気難しいから、いっそのこと直接やってくれって奥さんに言いたいわ」
姉「もう!何言ってんのよ、全く!一度憑依されたら乗っ取られることもあるんでしょ?!」
テ嬢「そんなの、私がしっかりしてたらそんなことないよ」
二人の会話に、着替えているルイ・ジャンが聞き耳を立てた。
話しているうちに、テ嬢はさっき見つからなかったチュ君のボールペンを見つける。
テ嬢「あっ!出張なのに…!」
テ嬢はボールペンを手に走りだした。
+-+-+-+
出発前。
チュ君は渡せなかった太陽のネックレスをじっと見つめ、表情を歪めた。
#黒スーツ!黒スーツ!☆゚’・:*:・。,ヽ(≧∇≦) (≧∇≦)ノ ,。・:*:・゚’☆
そこへキム室長がやって来て声をかける。
キム室長「主君、もう出発しなければ」
チュ君はヒラリとネックレスを手のひらに収めた。
チュ君「分かりました」
+-+-+-+
キングダム内を進むチュ君は、ふと「いつもおじさんオバケのいるゴミ箱」に目をやった。
「ちょっと…」とキム室長に声を掛け、ゴミ箱に近づくと、注意深くノックし、誰もいない空間を覗きこんだ。
チュ君「そこにいらっしゃるお方、テ・ゴンシルと親しいのか?」
彼はポケットからネックレスを取り出した。
チュ君「これをここに捨てるから、あいつが拾うなり何なり、好きにしろと」
チュ君は脇のベンチの角にネックレスをぶら下げた。
+-+-+-+
ゴミ箱おじさんは、忠実にチュ君の意志を守った。
ベンチで他の客が休もうとすると、盛大にゴミ箱の蓋を回し、追い払う。
彼は大事な友人に、預かり物を渡さなければならないのだ。
+-+-+-+
テ嬢が社長室へ駆け込んだときには、もうそこにチュ君の姿はなかった。
テ嬢「…。もう行っちゃったのね」
+-+-+-+
ルイ・ジャンは用意されたお茶のカップの一つに、不審な錠剤を落とした。
みるみるうちにそれは溶けて消えていく。
ルイ「君がいなくて眠れなかった夜に飲んでいた薬…。それが、君を呼び出してくれそうだ」
彼は衣装ラックに掛かった女性用のドレスを撫でた。
ルイ「もう少しすれば…これを着た君に会える」
そこへテ嬢が戻ってくると、彼はにこやかに微笑んでみせた。
お茶の入ったカップを二つ手に取り、片方を「飲んで」とテ嬢に差し出す。
テ嬢「私が?」
ルイ「お茶を飲むくらい、代わりにやってくれてもいいでしょう」
テ嬢がカップを受け取り、強いシナモンの香りに顔をしかめながら口へ運ぶ。
ルイ・ジャンの微笑みが静かに消えると、人知れず扉が閉まった。
+-+-+-+
空港のロビーで待ち時間を過ごしていたチュ君は、携帯電話を取り出した。
画面に表示された連絡先は「消えろ」。
テ嬢の電話が鳴り始めたとき、ルイ・ジャンは床に転がったカップを拾い上げているところだった。
ソファで気を失っているテ嬢のそばで。
ルイ「この人はもう準備ができているのに、君はいつやって来るんだ?」
そっとテ嬢の上に覆いかぶさったルイ・ジャンの妻は、そのまま彼女の中へと入っていった。
テ嬢が静かに目を開くと、その目が赤く光った。
+-+-+-+
叔母と副社長は仲良く連れ立って、ルイ・ジャンの控室を訪れた。
ルイ・ジャンの隣には、背中の大きく空いたドレスを着た女性が、彼らに背を向けて立っている。
叔母「ルイ・ジャンさんのコンディションはいかがかとご挨拶に参りました」
ルイ・ジャン「私は完璧です。この人がいるから」
叔母「こちらはどなた?」
真っ赤な口紅をひいたテ嬢が振り返り、二人に冷たく微笑みかけた。
叔母「?!」
副社長「パンシル?!」
叔母「パンシル???」
ルイ「私が演奏できるようにしてくれる、私の永遠のミューズです。公演後はご挨拶できそうにありませんね。すぐフランスへ発ちますので」
目の前の状況が全く理解できず、何も言葉が出ない二人。
ルイ「(テ嬢に)リハーサルを見てくれるでしょう?さぁ」
ルイ・ジャンにうながされ、テ嬢は冷たい表情で歩き出した。
+-+-+-+
ルイ・ジャンとテ嬢(妻)は、廊下でカン・ウとすれ違った。
彼女に一瞬笑顔を見せたカン・ウは、様子の違うテ嬢に気付く。
+-+-+-+
出国ゲートへやって来たそのとき、チュ君の携帯が鳴った。
チュ君「どうしたんです?」
副社長「君、テ・ゴンシルと別れたのか?」
チュ君「そんな話のために電話したんですか?出張に出かける人間に」
副社長「テ・ゴンシル、今ルイ・ジャンと一緒にいるんだ」
チュ君「そうですか。断れなかったんだな」
副社長「君も知ってるのか?テ・ゴンシル、本当にルイ・ジャンのミューズなのか?」
チュ君「何ですって?」
副社長「完全に別人みたいだった。あぁ、フランスに一緒に行くってことも知ってるのか?」
チュ君「どこに行くって?」
副社長「ルイ・ジャンと一緒に行くって!公演が終わったらすぐにだ!」
チュ君「!!!」
チュ君の視線が激しく動いた。
頭のなかを良からぬ考えが駆け巡る。
#副社長、グッジョブ!!!
+-+-+-+
ルイ「君とこうやって会えて嬉しいよ。このまま発てば、また前のように一緒に暮らせる」
テ嬢(妻)はルイ・ジャンに微笑みかけた。
ルイ「誰か気付いて止めに来るかもしれない。僕一人で公演を終わらせるから、君は家に戻って隠れているんだ」
テ嬢(妻)「…。」
ルイ「僕一人で演奏するから、君は早く行ってくれ」
テ嬢(妻)「ルイ」
ルイ「?」
テ嬢(妻)「あなた、一人でやれるじゃない。私がいなくても」
ルイ「今は緊急を要するから言ってるんだ」
テ嬢(妻)「そうね。人は状況が違えば変わることもあるわ」
ルイ「…。」
テ嬢(妻)「私はもういないの。だから、あなたも変わらなきゃ駄目」
ルイ「君はここにいるじゃないか」
テ嬢(妻)「少しの間借りただけよ。最後にあなたの目を覚まさせるためにね」
そう言って、彼女はルイ・ジャンの頬を打った。
ルイ「!」
テ嬢(妻)「私がいなくなって腑抜けになったあなたを見てちょっと嬉しかったわ」
ルイ「…。」
テ嬢(妻)「ずっと影のようにあなたの隣にくっついて生きたけど、私なしに平気でいたら気分悪かったでしょうね」
ルイ「僕のせいで息が詰まって、僕の元を去ったのか?」
テ嬢(妻)「…。」
ルイ「そうだったのか?」
テ嬢(妻)「…。」
ルイ「君の心臓が突然止まったのが僕のせいだなんて、耐えられなかったんだ!他の理由を見つけなきゃ、君を送り出せなかった!!!」
テ嬢(妻)「心臓が動いている間はあなたのために生きたわ。心臓が止まった私のことは…どうか手放して」
ルイ「…。」
テ嬢(妻)「あなたのあらゆることを私が準備し、最後の華やかな舞台には、あなた一人で上がったわ。もうあなたが一人でやりなさい」
ルイ「…。」
テ嬢(妻)「あなたは極度に神経質なんじゃない。ただの怠慢よ。直しなさい」
ルイ・ジャンの目に涙が浮かんだ。
表情一つ崩さない妻の前でがっくりと崩れ落ちると、妻を呼びながらひざまずいて泣いた。
+-+-+-+
カン・ウたちは、ホールへと急ぐチュ君の姿に驚いて立ち止まった。
カン・ウ「!」
ハンジュ「あれ?主君は中国に行ったはずなのに」
+-+-+-+
ルイ・ジャンの演奏するジムノペディが静かに流れる。
「テ・ゴンシル!」
チュ君が控室の扉を開けると、テ嬢はソファでその音色に耳を傾けていた。
チュ君の姿を認めると、かすかに微笑んだ。
テ嬢(妻)「来たんですね。チュ・ジュンウォンさん」
チュ君「うちへ来て、クルミを割らせたご夫人か?」
彼女は腕を組み、ソファにもたれ掛かった。
テ嬢(妻)「テ嬢を救いに来たのかしら?」
チュ君「俺が来たからには、あんたはもう…出て行くんだ」
チュ君が1歩近づくと、彼女が急いで口を開いた。
テ嬢(妻)「このまま行ったら、秘密を教えてあげられないわ」
チュ君「…。」
テ嬢(妻)「気にならない?この人があなたのことどう思ってるか」
チュ君「…。」
テ嬢(妻)は穏やかな表情でチュ君をじっと見つめた。
~それはクルミパイを作った夜のこと~
一生懸命クルミを割るチュ君を振り返り、微笑むテ嬢。
キッチンに向き直った彼女は、自分を見ているルイ・ジャンの妻に気づき、照れくさそうに笑った。
テ嬢「あの人のこと好きなのかって?…バレちゃいました?でも、あの人は好きな人がいるんです」
そう言うと、テ嬢はもう一度振り返り、チュ君をじっと見つめた。
テ嬢「だから秘密ですよ。秘密」
テ嬢(妻)「私が見た秘密、教えてあげてもいいわ」
チュ君「知りたくなんかない」
テ嬢(妻)「なぜ?知ってしまったら、お金で計算できなくなるから?」
チュ君「…。」
テ嬢(妻)は立ち上がった。
テ嬢(妻)「とっくに計算できないでいるのに、どうしてそばに置いているの?」
チュ君「…。」
テ嬢(妻)「あなたの秘密も気になって、この体から抜けたくなくなるわ」
チュ君「よく見てろ。消えるんだ」
チュ君はまっすぐ彼女に向かった。
両手で彼女の顔を包み込むと、一切のためらいなく口づける。
彼女がそれを受け入れると、静かに青い魂が立ち上り、消えて行った。
そばに置かれた鏡が、証人のように物言わず二人の光景を映し出す。
そっと唇を離すと、魂を失ったテ嬢は彼の胸元へ倒れこんだ。
キスシーンよりも、私はこっちの方が激萌え。彼女を受け止めてハッとする瞬間がたまらなくいい
チュ君「!」
ためらった彼の手は…ゆっくりと彼女の細い体を抱きしめる。
守るように、優しく。
+-+-+-+
ソファで眠っているテ嬢の顔をチュ君は見つめていた。
彼女の手を握る指に、ひとりでに力が入る。
テ嬢「…!」
彼女がピクリと体を動かし、彼の手をすり抜けると同時に、チュ君は立ち上がり部屋を出て行く。
目を開けた彼女の視界に、去っていく彼の後ろ姿がぼんやりと映った。
「テ・ゴンシルさん!!!」
入って来たのはカン・ウだ。
カン・ウ「大丈夫ですか?」
テ嬢「あ…カン・ウさん。私、ここで眠ってたみたい」
カン・ウ「チュ・ジュンウォン社長が来てたんじゃないんですか?」
テ嬢「社長が?出張に行ってるでしょう?」
カン・ウ「…。」
そこでテ嬢は初めて自分の服装に気づいた。
#良かった、カン・ウに先に話してあって。とりあえずホッとした。
テ嬢「これ何?どうしてこんな服着てるの?」
カン・ウ「ルイ・ジャンと一緒にいたこと、覚えてないんですか?」
テ嬢「…。何かあったみたい」
カン・ウ「…。」
テ嬢「私、何やってたんですか?」
カン・ウ「本当に…大丈夫ですか?一緒に帰りましょう」
彼女はカン・ウの差し出した手を取った。
+-+-+-+
チュ君は再び空港のロビーへ戻っていた。
何も言わず、何もせず、ぼんやりと前を見つめている彼に、キム室長が注意深く声をかけた。
キム室長「テ嬢は大丈夫ですか?」
チュ君「僕が…大丈夫じゃないんです」
キム室長「…。」
チュ君「彼女を僕のそばに置かせようと苦労なさったんでしょう?」
キム室長「ご存知でしたか」
チュ君「なぜそんなことを?」
キム室長「主君が変わっていく姿が嬉しかったんです」
チュ君「彼女がそばにいれば…僕はこれからも変わるでしょうね」
キム室長「…。」
チュ君が吸い込んだ息が微かに震えた。
チュ君「僕は…変わりたくはないんです」
人気のないロビーで、静かに時間は流れた。
+-+-+-+
1週間後。
#拍子抜け あんなに心配したのにさ(ボソッ
テ嬢はいつものように荷物を運び、キングダムを歩いていた。
テ嬢「今日帰ってくるわ。はぁ、1週間って長いな」
とそのとき、ゴミ箱の蓋が激しく回った。
テ嬢「キャッ!おじさん、何のご用ですか?…え?何があるんですか?」
ゴミ箱の周りをキョロキョロした彼女は、ベンチの角に掛かっているネックレスに気付いた。
テ嬢「あれ?」
テ嬢はそのネックレスを拾い上げた。
テ嬢「これ、何ですか?… 社長が?ホントに?」
彼女の顔がパッと輝いた。
テ嬢「太陽だ!綺麗だなぁ」
そこへハンジュが慌てて走ってきてテ嬢に声を掛けた。
ハンジュ「聞きました?」
テ嬢「何をですか?」
ハンジュ「あぁ、まだ知らないんだな。まぁ雷みたいに突然降って湧いたことだから」
テ嬢「何が?」
ハンジュ「主君が中国から帰ってきたんですよ」
テ嬢「ホントですか?」
テ嬢は大喜びで駈け出した。
ハンジュ「ちょっと!話聞いて行きなよ!!!あぁーショック受けるぞ、こりゃ大騒ぎだ」
+-+-+-+
下へ駆け下りたテ嬢は、そこに立っていたキム室長を見つけた。
テ嬢「キム室長!社長、お帰りになったんですか?」
キム室長「あ、えぇ。お戻りです」
テ嬢「楽しかったですか?」
キム室長「あぁ、それが…」
そこへ通りかかった叔母夫婦。
テ嬢は慌てて姿勢をただし、頭を下げた。
叔母「キム室長、このお嬢さんにも話しました?」
キム室長「いえ、まだ…」
叔母「テ・ゴンシルさん、チュンウォンに会ったら祝ってやってください」
テ嬢「?」
叔母「うちのチュンウォン、いいえ、チュ社長、結婚するのよ」
テ嬢「…?」
叔母のそばで副社長が気まずそうにそっぽを向き、キム室長が無言で俯いた。
叔母「あぁ、来たわ。あれがチュ社長と結婚するお嬢さんよ」
テ嬢が恐る恐る振り返ると、見慣れぬ若い女性を脇に連れたチュ君が向こうから歩いてきた。
まっすぐに…。
彼はテ嬢に少しも視線を向けることなく、彼女の前を通り過ぎた。
テ嬢「!!!」
+-+-+-+
ここでエンディングです。
武装した最後のチュ君の表情、懐かしいイヌクを思い出しましたわ(遠い目
両手で顔を包み込んでキスするのも、恋しいイヌクを思い出しましたわ(遠い目
…と、それ以外に何か書こうとするんですが、いろいろあって何も言えねー状態です。
前からそうですが、私は初見で観ながら訳してるので、今、観終わった直後なわけですよ。
チュ君の気持ちもわかるし、テ嬢の気持ちも分かる。
それだけに、何も言えねー です。
まぁ、邪魔子は邪魔子だから邪魔子なのが邪魔子が邪魔子たる所以なので、彼女自身がそうチュ君の心をこねくり回すことはないと安心していますが…。
ただいま、10話放送直後。リアルタイムでご覧の皆さんの反応を覗き見するに、こりゃさっさと続きを観るしかないね。
ではでは!
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Comment
感謝です!ありがとうございました。
ユージナさんは、カンイヌクを思い出されるのですね!私イヌクを思うと今でも胸が痛いくなります。。。脱線して済みません!主君の太陽で韓国語!楽しく勉強しています。