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主君の太陽9話あらすじ&日本語訳 vol.1

   

瀕死の霊魂も死ぬ前に訪れたくてたまらない魅惑のキングダム。
そんなキングダムが舞台の「主君の太陽」9話です。

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幽霊と戦う防空壕の勇姿。제대로 쓸모가 있나 보네~^^

では早速♪

ソファに座り、じっと1点を見つめているチュ君。
そばにいるテ嬢が立ち上がろうとすると、視線だけが動いた。

チュ君「…。」
テ嬢「お水でも1杯お持ちしようと思って」
チュ君「いい。いらない」
テ嬢「ずっと見てましたけど、チャ・ヒジュさん、社長のそばにはいませんね」
チュ君「守るべき人のそばに行ったんだな」
テ嬢「…。」
チュ君「15年の間、犯人の正体に俺が気づきはしないか、ときどき監視に来てたんだろう」
テ嬢「チャ・ヒジュさんが犯人だって、どうして他の人に話さなかったんですか?」
チュ君「あいつが生きてれば言ってた。どこまでも追いかけて捕まえろって、ただ恨んだろう。けど…俺の目の前で死んでしまった。あいつも誰かに利用されたんだと、可哀想だと思う気持ちもあったんだ」
テ嬢「…。」
チュ君「それなのに、一緒にいた犯人を”守るべき人”だって言うのか…」
テ嬢「…。」
チュ君「これで分かった。俺は完璧に騙されたんだ」
テ嬢「…。」
チュ君「15年前に一発やられて以来まだ引きずっていること、今日もう一発やられて目が覚めた気分だ」
テ嬢「…辛かったでしょうね」
チュ君「…。」
テ嬢「心配したり慰めたり、そんなことしなくていいっておっしゃったでしょう?」
チュ君「…。」
テ嬢「どんなに辛かったのかな。吐き出すことも出来ずに…」
チュ君「…。」
テ嬢「傷口を塞いでしまったら、余計に痛いでしょう。怖くて今でも文字が読めないなんて…。最低女」

チュ君が彼女をみると、テ嬢は微笑んだ。

テ嬢「ヒジュさんに会ったら絶対言ってやりますから。”この最低女!”」
チュ君「…。(微笑)100億のレーダー。いろいろと役に立つな」
テ嬢「…もう100億じゃないですよ。社長のお金がどこにあるのか、探せないでしょう?ネックレスは犯人のところにあるはずなのに」

チュ君はゆっくりと考えを巡らせた。「お前の信じたいように信じろ」…父の言葉が思い出される。

チュ君「もしかしたらそれも…完璧に騙されたのかもしれないな」

+-+-+-+

カン・ウは依頼人に状況を報告していた。

カン・ウ(電話)「消えたネックレスの行方を確認できない限り、チャ・ヒジュさんについて何も話さないとのことです」
チュ君父「もうこれ以上、私を信じたくないようだな」
カン・ウ「もっと慎重に動くべきだったのに、申し訳ありません」
チュ君父「いずれにせよもうすぐ韓国へ戻るつもりだった。(写真を見つめる)これを見れば話も変わるはずだ」
カン・ウ「これで僕はキングダムから撤退します」
チュ君父「いや。私が戻るまでいてくれ」
カン・ウ「チュ・ジュンウォン社長に知れた以上、ここにはいられないでしょう」
チュ君父「(笑)そんなことはないぞ。私から吹っかけたことだ。私の息子なら、カッとなって追い出したりはしない。放っておくだろう」

+-+-+-+

チュ君「僕は知らぬ顔をしてカン・ウチーム長を放っておく…父には分かっているはずです」

チュ君はキム室長の前で、自分に語るように呟いた。

チュ君「僕が苛立てば、余裕でかわして見せ、さらに苛立たせる。父はそんな人です」
キム室長「…。」
チュ君「適当に無視していれば、自らやって来て、言うことがあるなら話すでしょう」

+-+-+-+

再びチュ君父。

チュ君父「私はな、女とも息子とも駆け引きが重要だと思っている。マリアの誕生祝いをしてやってから帰るつもりだ」
カン・ウ「…。」
チュ君父「その時にまた会おう。カン・ウ」

カン・ウは電話を切り、そこに立ち尽くした。

チュ君父の元にマリアがやって来る。
誕生日パーティーに招待した友人はみんな来ることになったと。
彼は持っている写真をマリアに見せた。

※前回画像を載せた、ヒジュとマリアが二人で移っている写真。

チュ君父「(マリアに)それなら、このとき一緒に写真を撮った友人も来るんだな?」
マリア「えぇ」
チュ君「それなら、この女の子を知っている友人も一人くらいは来るかもしれないな」
マリア「そうね」

+-+-+-+

顧客センター。
テ嬢はヒジュとネックレスの写真を見つめていた。

テ嬢「(写真のヒジュに)出て来て。ちゃんと説明してくださいよ。彼が辛いでしょう?」

テ嬢はチュ君が思わずガックリともたれ掛かったその手を…表情を思い浮かべた。

テ嬢「あんな話は聞きたくなかったはずよ」

+-+-+-+

社長室。

キム室長「ネックレスがお父様のところで見つかったら、テ嬢はどうなるんです?」

チュ君はデスクにまっすぐ向き直った。

チュ君「これ以上は…使い道がないですね」
キム室長「テ嬢が来てからは騒がしかったのに、また静かになりますね…」
チュ君「…。」

+-+-+-+

キングダム内を戻ってきたカン・ウは、向こうからやって来るテ嬢と出会った。
二人の間に静かに流れる緊張感。

カン・ウ「チュ・ジュンウォン社長から僕について聞きましたか?」
テ嬢「(頷く)…えぇ」
カン・ウ「あなたがチャ・ヒジュさんと関係のある人物ではないかと、僕は調査していたんです」
テ嬢「それで私と社長がどういう関係なのか、しきりに訊いたんですね」
カン・ウ「…。」
テ嬢「私、嫉妬だと誤解してました」

テ嬢は悲しく笑った。

カン・ウ「すみません」
テ嬢「いっそ最初から正直に話してくれれば、私も話してあげられたのに」
カン・ウ「…。」
テ嬢「カン・ウさん」
カン・ウ「…。」
テ嬢「全部お話します。とりあえず静かなところに行きましょう」

テ嬢に導かれ、カン・ウは戸惑いながら一緒に歩き出した。

+-+-+-+

連れ立って歩いていくテ嬢とカン・ウを、反対側の通路でチュ君とキム室長が見守っていた。

キム室長「カン・ウチーム長は意図的にテ嬢に接近したようですが、テ嬢は怒っていないようですね」
チュ君「もともと怒りっぽい性格じゃないが、それでも内心は腹を立てているでしょう」

+-+-+-+

人気のないところまでやって来たテ嬢たち。
テ嬢は何かを探し、辺りを警戒している様子だ。

カン・ウ「何を探してるんです?」

テ嬢が振り返る。

テ嬢「カン・ウさんの目には見えないんです」
カン・ウ「?」
テ嬢「下手に話したら、私も社長も頭がおかしいと思うだろうから、適当な場所を探してるんです」

テ嬢は近くのベンチに座っている霊に視線を向けた。
ベンチでうとうとしている女性客の隣に、猫の霊が座っている。
テ嬢は声を潜めた。

テ嬢「カン・ウさん、私、人には見えないものが見えるんです」
カン・ウ「?」
テ嬢「私… オバケが見えるんです」
カン・ウ「…!」
テ嬢「他の人たちには、ただの火やゾクッとする寒気くらいに感じるものが、私には見たり聞いたり出来るんです」
カン・ウ「(恐怖)テ・ゴンシルさん、僕に腹を立てて、こらしめてやろうと怖い話を?」
テ嬢「(首を横に振る)カン・ウさん、すごく嫌がるから、話さないでおこうと思ったんだけど、話さないでいたら社長と私の関係は説明できないんです」
カン・ウ「…。」
テ嬢「私、死んだチャ・ヒジュさんと話すために、社長のそばにいたんです」
カン・ウ「!…死んだ人と話をするって?」
テ嬢「(頷く)」
カン・ウ「…。」

テ嬢はゆっくりとベンチに視線を移した。

テ嬢「そこのおばあさん、可愛がっていた猫が死んだみたい」
カン・ウ「…。」
テ嬢「可愛い白猫が、今、隣にいるわ」
カン・ウ「僕には猫なんて見えません」
テ嬢「(カン・ウに視線を戻す)私には見えるんです」
カン・ウ「!」

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テ嬢がその場を離れると、カン・ウはベンチのおばあさんに声を掛けた。

カン・ウ「おばあさん、ひょっとして猫を飼っていらっしゃいましたか?」
おばあさん「飼ってたわ。でも、この間死んだのよ。雪のように白い…可愛い子だったわ」

おばあさんが見せてくれた写真を見たカン・ウが凍りついた。

カン・ウ「!」

+-+-+-+

チュ君は顧客センターの前にやって来た。
自分のやるべきことを言い聞かせるため、一人で呟く。

チュ君「役目がなくなったんだから、ここは撤収しなきゃな」

中に入ると、一人掛けの椅子でテ嬢が頭を抱えていた。
かすかに苦しそうな声が漏れる。

チュ君「(超小声)…泣いてるのか?」(←ププッ

次の瞬間、テ嬢が顔を上げる。

チュ君「…寝てたのか。泣いてるのかと思ったろ。腹も立ってないようだな」

ふいに奥に積んである箱が落ち、テ嬢がうめき声を上げた。
チュ君はゆっくりと部屋の奥を睨む。

チュ君「そこに何かいるのか?(テ嬢が眠っているのをチラリ)起こすな。こいつだって、ちゃんと眠ってこそ幽霊が見えて話も聞けるんだ。眠っているときはそっとしておけ」

チュ君は、テ嬢が眠っている椅子の肘掛けに腰掛け、幽霊を制するように両手を広げた。

チュ君「ここは防空壕だ。(手で振り払う)消えろ!」

眠っているテ嬢の頭を自分にもたれさせると、もう一度見えない幽霊に向き直る。

チュ君「…。」

1563

彼は防空壕の中でぐっすり眠っている彼女の寝顔をそっと見つめた。

テ嬢「私も社長に呼吸孔をあげたかったんです」

チュ君「まぁ…それなりに役に立つよな」

さらに、自分の脇に彼女の頭を引き寄せ、肩を包むように手を回し、知らんぷり(←ここで笑っちゃって一旦中断
テ嬢は夢のなかで嬉しそうに微笑み、チュ君の身体にしがみついた。

テ嬢「(夢)うふふっ♪」
チュ君「(超小声)いいだろ」(←キャーっ またシャツの胸元がいい具合にはだけてるのがたまらん
テ嬢「うふふっ あははっ」

+-+-+-+

テ嬢は気持ちよく目覚めた。
…と、彼女の前で楽しそうにニヤニヤ笑っている常連オバケにぎょっっとする。

テ嬢「あんたいたの?何で起こさなかったの?」

+-+-+-+

休憩室にやって来たテ嬢は、姉と二人で出前のお弁当を広げていた。
幽霊に頼まれて出前を取ったテ嬢に「オバケの人気者になってどーすんの」と突っ込む姉。

テ嬢「たしかに、あのおばさんも気をつけろって言ってたわ」

それは、以前出会った霊婚師。

霊婚師「飲み込まれないよう、気をつけねばなりませんよ」

姉「飲み込まれるって…何?」
テ嬢「死んだ人が私の体を利用して、また戻ってこようとするんだって」
姉「…。」
テ嬢「私の体を借りて言いたいことがあるとしたら、貸してあげなきゃ駄目かな?」
姉「(テ嬢を叩く)バカバカ!あんたに頭がオカシイなんて言ったことないけど、それを”頭がオカシイ”って言うのよ」
テ嬢「そうだよね…。そうやって完全に奪われたら、私、死んじゃうもん。それは嫌」

+-+-+-+

社長室に戻ってきたチュ君は、ヒラリと揺れた窓辺のカーテンに立ち止まり、何もいない空間を見つめた。

チュ君「何だ?さっき一言いわれたからって、ここまでついて来たのか?来ても無駄だ。俺には見えないし、聞こえないから。一つも怖くないぞ」

さっさとデスクにつくチュ君。
窓辺で彼を見つめていたのは…ヒジュだ。

+-+-+-+

ある男性が遺体冷凍安置室を訪れた。
妻の遺体の上に置いてあったバラの花を、新しいものと取り替える。

男「今日練習した曲を聴かせてやるよ。気にいるかな」

携帯電話に録音した音声を再生し、遺体の脇に置く。
エリック・サティのジムノペディがゆっくりと流れる。

もう1ヶ月、こうして通っている男性。その様子を眺める職員たちが噂した。
「妻が生き返るのを信じているようだ」と。

男「もうじき俺の演奏会だ。君が必要なんだ。戻って来い」

妻の遺体を見つめる彼の肩に、妻の霊が手を伸ばした。

+-+-+-+

世界的ピアニストRuyの演奏会は、キングダムのホールで予定されていた。
副社長が獲得したイベントだ。
妻を亡くしたばかりで指も動かないという噂が気がかりな叔母に、実際に会ったから大丈夫だという副社長。

イベントの事は夫に任せておき、叔母はチュ君が中国出張に出ている間に、テ嬢を追い出すつもりだ。

+-+-+-+

チュ君はテ嬢を社長室に呼んでいた。

チュ君「テ・ゴンシルの役目を考えてみた」
テ嬢「…レーダー撤収ですか?」
チュ君「なぜ撤収させると思うんだ?
テ嬢「社長のお金を見つけられないなら、価値は0ウォンで、0ウォンなら追い出すっておっしゃったでしょう?」
チュ君「そうだったな。(彼女に向き直る)それで、自分の価値をいくらだと思う?」

1564
テ嬢「うーん。寛大にみて、顧客センターの職員としていただく分はいただいて…」
チュ君「…。」
テ嬢「防空壕の使用料を差し引いたら、マイナス…ですよね」
チュ君「価値の計算を金でするのか」
テ嬢「…。」
チュ君「お前も俺のそばで学んだようだな。お前、通帳は確認したか?給料が入ってるはずだが」

テ嬢はすぐに携帯から残高を確認する。

音声「お客様の残高は…」
テ嬢「はっ!!!」

驚いて絶句するテ嬢の表情を、チュ君は楽しげに見つめた。

テ嬢「社長!」
チュ君「お前のやった仕事に見合うように計算した。ワン会長の資金を誘致し、ホテルで起きた問題を解決した。それに対する報酬だ」
テ嬢「!!!」
チュ君「防空壕の使用料を引いても、かなり残ったろ」
テ嬢「(うんうんうん)」
チュ君「お前にはまだ価値がある。価値が計上できなくなれば、そのとき撤収だ」

そう言うと、再び彼女に横顔を向け、満足気に微笑んで襟を直した。(←可愛すぎる

テ嬢「ありがとうございます!オバケ何匹か捕まえたら、家まで買えそう!」
チュ君「お前、撤収だと言われたら静かに消えるつもりだったのか?」
テ嬢「毎日消えろって言われたから、そんなに傷つかなくって…。それでずっとくっついてたんですけど、今度”消えろ”って言われたら」
チュ君「消えろと言ったら…またつきまとったろ。3度言わなきゃな」
テ嬢「(微笑んで頷く)そうですね。でも、社長の人生から本当に去ってほしいときは…一度で聞き入れますね」
チュ君「これまで犬が吠えてるとでも思って知らんぷりしてたって?」
テ嬢「…。」
チュ君「(ニッコリ)消えろ」
テ嬢「ありがとうございます^^」

満面の笑みで出て行くテ嬢を、チュ君は笑顔で見送った。

+-+-+-+

社長室から出て来たテ嬢は、キム室長にも感謝の気持を伝える。
そこですれ違った叔母は、厳しい表情で社長室に乗り込んだ。

叔母「あなた、テ・イリョンさんと会いながら、取るに足らない”太陽”をまだそばに置いているの?」
チュ君「誤解なさっているようですが、テ・イリョンが”小さい太陽”、テ・ゴンシルが”大きな太陽”なんです(身振り付き)」
叔母「あの子の肩を持つの?」
チュ君「気がかりなら、誰でも呼んで食事の席を用意してください。行きますから」
叔母「それならね、今度中国に出張したら、セジン建設のパク・ソヒョン嬢があちらに留学してるから会ってみなさい。あなたと結婚話があったのに、スキー場で足を骨折してウヤムヤになったお嬢さん、覚えてるわね?」
チュ君「会ってみますよ。それで安心なさいますね?」
叔母「そうね。中国に大きな太陽は昇らないわね?」
チュ君「天気予報では、中国出張の間に台風が来るそうですよ」
叔母「太陽を見ることはなさそうね。ここにも大雨が降るそうよ」
チュ君「(コーヒーを飲み)…あぁ、熱い」

+-+-+-+

顧客センターにやって来たカン・ウは、そこで朦朧としていた。
目の下にはどんよりとしたクマが染み付いている。

テ嬢「カン・ウさん、しんどいですか?」
カン・ウ「死んだ猫が本当に白かったんです。それを考えていたら一睡も出来ませんでした」
テ嬢「ごめんなさい。私、怖がらせたくなくて、話さないつもりでいたのに」
カン・ウ「ここにもいるんですか?」(←駄目!そんなこと聞いちゃ駄目!

テ嬢は困ったように、長く息をついた。

カン・ウ「テ・ゴンシルさんの周りにはいつも!… (小声で)そういうのがいるんですか?」
テ嬢「まぁ…ちょっと」
カン・ウ「(ドキドキ)」
テ嬢「でも、そんな怖いのばかりじゃないんですよ。オバケだからって長い髪を振り乱して、目は真っ黒…そんなのばかりじゃないんです」
カン・ウ「(恐怖)もういいです!…分かりました。はぁ、もう言わないでください」
テ嬢「分かりました。もう言いませんから」
カン・ウ「…。」
テ嬢「辛かったら私の言ったことは無視して、”あいつは住む世界が違うんだ”って、そうやって知らんぷりしてください」
カン・ウ「チュ・ジュンウォン社長はどうしてあなたのこと信じたんですか?」
テ嬢「社長は私にとって、とても特別な人だから…」
カン・ウ「知らん顔していたら、あなたの世界がどういう世界なのか、僕は知ることが出来ないでしょう?」
テ嬢「信じてくれって無理強いは出来ないけど、私、ヒジュさんの霊が見えるだけで、犯人とは何の関係もないんです」
カン・ウ「これからも見守ります。怖いものは嘘をついた罰だと思って、耐えてみますから」
テ嬢「…。」

立ち上がり、部屋を出ていこうとしたカン・ウは、床においてあったダンボールに足をぶつけ、縮み上がった。
恥ずかしそうに出て行くカン・ウ。

テ嬢「…あんなに怖がってるのに、ただ信じてくれって言う訳にもいかないな。どうしよう…」

+-+-+-+

裏口からスタッフスペースに戻ってきたカン・ウは、柱の陰から肩に手を掛けた人物を瞬時に取り押さえた。
イリョンがいつものようにうめき声を上げる。

イリョン「また何すんのよ!」
カン・ウ「…人間か(手を離す)」
イリョン「人間じゃないわ。女神よ!」
カン・ウ「(ジロリ)」
イリョン「(ニッコリ)」

飽き飽きして立ち去ろうとするカン・ウ。

イリョン「ちょっと、サラリーマン」
カン・ウ「…。」
イリョン「顔色悪いわ。女神に付きあおうって言われたから、ドキドキして眠れなかったのね?」
カン・ウ「女神も鬼神(幽霊)のうちの一つだ。俺はそういうの本当に嫌いだからな。帰れ」
イリョン「あんたに重荷なら、女神じゃなくて一般人になったげる」
カン・ウ「…。」
イリョン「(ニコニコ)テ・ゴンシルの裏調査、今日はしないの?
カン・ウ「しなくていい。お互い全部分かったから」
イリョン「終わっちゃったの?あぁ、面白かったのに」
カン・ウ「…。」
イリョン「じゃ、どこかで食事しよ。交際初日の記念にね」
カン・ウ「誰が誰と付き合うんだよ。俺は嫌だって言ったろ」
イリョン「嫌だってはねつけても、結局はこっちに傾くはずよ」
カン・ウ「…。」
イリョン「後から気付いてみれば、今日が初日ってことになるわ」
カン・ウ「そうか?」
イリョン「(うんうん)」
カン・ウ「それなら付き合ったことにして、俺たち別れよう」
イリョン「!」
カン・ウ「テ・イリョンさん、一日、いや、(腕時計をチラリ)1分30秒だったけど、いい思い出をありがとう」
イリョン「…。」
カン・ウ「幸せになってください」

1565

彼女の肩に手を置き、カン・ウは保安室へと戻って行った。

イリョン「あぁー!サラリーマン口説くのってめちゃくちゃ難しい。はぁ…」

+-+-+-+

まだ22分地点ですが、仕事の都合があるので、ここで一旦区切ります。
続きはまた^^

カン・ウの憔悴っぷりがとてもリアルで… 可愛くて笑っちゃいますね。
チュ君もカン・ウも、テ嬢の前で見せる顔が変わって、今後が楽しみです。

 - 主君の太陽 ,

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