韓国ドラマから美しい言葉を学ぼう

韓国ドラマのあらすじや詳細日本語訳を紹介!プロデューサー/SPY/夜警日誌/トライアングル/主君の太陽など

プロデューサー10話あらすじ&日本語訳 vo.1

   

チャ・テヒョン、コン・ヒョジン、キム・スヒョン、IU出演、KBS韓国ドラマ「プロデューサ」10話、パート1です。

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スンチャン:
제가 좋아하는 책에 이런 말이 나옵니다.
사람이 충분이 강렬하게 소망하는 것, 그것은 정말 이루어진다.
사실 저는 내가 누군가를 좋아한다고 해서 그 사람이 나를 좋아하게 만들 수는 없다,
그런 건 노력으로 되는 일이 아니다… 라고 생각하는 편이었거든요.
그건데 오늘 신디씨의 노래를 들으면서 그런 생각이 들었습니다.
소망한다면 노력해야 한다. 표현해야 한다.
그러면 그 마음이 가 닿을 수도 있다…
僕の好きな本にこんな言葉があります。
強烈に望めば、それは本当に叶うと…。
実は僕、自分が誰かを好きになったからって、その人も僕を好きにさせることはできない、
そういうのは努力して成ることじゃない…そう思っていたんです。
だけど今日、シンディさんの歌を聴いているうちに、こんなふうに感じました。
望んでいるなら努力すべきだ、表現するべきだ。
そうすれば、その気持ちが届くこともあるって…。

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彼はお店に立ち寄り、輝く白いバラと『告白パンダ』を買うと、車を飛ばした。
高鳴る胸をおさえながら…。

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家の近くまで帰って来ると、スンチャンはイェジンに電話を掛ける。「先輩、僕、スンチャンです」

スンチャン(電話)「今どうされてますか?」
イェジン(電話)「家に帰る途中」
スンチャン「どこですか?」
イェジン「家に向かう脇道があるでしょ?その辺だよ」

「わかりました!」スンチャンは深く深呼吸をすると、駈け出した。

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「このままうちにいてくれ。お前が行ってしまうのは…嫌だ」

新しい部屋を貸しに出そうと、唐突に言い出したジュンモは、イェジンにそう理由を告げた。

息を切らし、立ち尽くすスンチャンの目の前で。

スンチャン「…。」

#このときのスンチャン、ショックとか悲しいとか、そんな単純な顔じゃないのがものすごく印象的

ふと振り返ったイェジンが彼に気づく。「ペク・スンチャン」
「…はい」彼はそれとなく告白パンダを背中に隠し、二人に近づいた。

イェジン「あんたも近くにいたのね」
スンチャン「…。」

ジュンモがチラリとスンチャンの背後を見る。「それ何だ?」
イェジンの視線は、もう一つの手に持っている花に移った。「?」

スンチャン「(ジュンモに)先輩にお渡しするものじゃありません」
ジュンモ「誰もくれなんて言ってないぞ」
イェジン「スンチャン、あんた何か用があるの?」
スンチャン「…。」
イェジン「電話したでしょ?どこにいるかって」

二人の視線が彼に集まる。
「…。」スンチャンは少し躊躇すると、白い光の花をまっすぐイェジンに差し出した。

イェジン「私にくれるの?!」

「わぁ」イェジンは嬉しそうに花を受け取った。「綺麗!」
喜ぶ彼女を見つめているスンチャンを、ジュンモがそっと見る。「…。」

イェジン「けど、どうして私にくれるの?」
スンチャン「あ… 帰り道で人にもらったから」
イェジン「そうだったんだ、ふふっ。タダで貰ったとしても、その瞬間この先輩のことを考えてくれたってことが大事よ」

「ジュンモなんてね」彼女は黙っているジュンモを指さす。「タダであげるって言われても、貰うこと自体面倒くさいんだから」

ジュンモ「俺がいつ?!高いものは貰うぞ、俺だって」

イェジンはスンチャンをチラリと見て苦笑いをした。

イェジン「(ジュンモに)さっきの話は帰ってしよう」

「行こう」イェジンを真ん中に、3人は並んで歩き出した。

2019

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「ただいま」スンチャンが家に帰って来ると、ソファで果物を食べていた両親と姉が迎える。「おかえり」

母「マクワウリ食べなさい」
スンチャン「いえ、疲れてるから休みます」

スンチャンはそのまま自室へ引っ込んだ。

姉「スンチャン、あの先輩にいじめられてるんじゃないの?」
父「何のことだ?」
母「あぁ…どうしよう!」

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スンチャンはひどく疲れた様子でデスクの明かりを点けた。

スンチャン「…。」

2020

両手で抱いた告白パンダを、彼はじっと見つめる。
腕のスイッチを押すと、彼の声が聴こえてきた。

선배는 항상 본인 입으로 나는 세다, 센 여자다라고 말하시지만
제가 지난 두달간 선배를 옆에서 지켜보며 내린 결론은
선배는 그리 센 분이 아닙니다.
오히려 자기방어적 과잉반응 형태로 반응을 하는 경향이 있는 사람이라고 생각됩니다.
그러니까 사실상은 여리고 약하고 따뜻한 사람인 셈이죠.
先輩はいつもご自分のことを”自分は強い、強い女だ” そうおっしゃいますけど、
僕がこの2ヶ月間、先輩を見ていて出した結論は、
先輩はそんな強い方ではありません。
むしろ、自己防衛的に過剰に反応する傾向のある人だと感じます。
つまり、実際には脆くて弱く、温かい人だということです。

2021

최근에 그런 내적 자아와 외적 자아의 불균형에서 오는 외로움을 느끼게 되신 선배는
자신의 옆을 지켜주고 이해해 줄 어떤 존재를 바라고 계신 것 같습니다.
선배를 무작정 좋아하고 선배가 웃는 게 그냥 좋고
옆에 있고 싶어하는 그런 누군가를 말입니다.
このところ、そんな内的エゴと外的エゴのアンバランスさから来る寂しさを感じていらっしゃる先輩は、
そばで見守り、理解してくれる存在を望んでいらっしゃるように思います。
がむしゃらに先輩が好きで、ただ先輩の笑っているのが嬉しくて、
そばにいたいと思っている、そういう誰かです。

2022

선배가 보기엔 아직 어리고 부족하고 어설프겠지만
이런 저라도 괜찮으신다면
이런 제 마음이라도 괜찮으시다면
제가 선배 곁에 있고 싶습니다.
先輩の目にはまだ幼く、未熟で不格好でしょうけど、
こんな僕でも良ければ…
こんな僕の気持ちでもいいのならば…
僕が先輩のおそばにいたいんです。

2023

누가 저한테 그랬거든요.
진심을 잘 들키는 사람이라고.
그런데 남들에게 잘 들키는 제 진심이 선배에게는 들켜지지 않는 것 같아요.
誰かが僕に言ってました。
本心がすぐ表に出る人だって。
だけど、他人にはすぐわかる僕の気持ち、先輩は気づいていないみたいです。

2024

#少し訳で簡潔にしてますが、分析表現が小難しくて、そして、どこまでも素直で誠実。
とても彼らしい告白で、訳していて泣けてきました。

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ジュンモとイェジンは、ぎこちない雰囲気のまま家へ帰ってきた。
狭い玄関で靴を脱ごうとしてぶつかった瞬間、天井の明かりが消える。「?」
ジュンモがセンサーに向かってパンと手を叩くと、再び明るくなった。
「貸しに出せって?」その瞬間、イェジンが言う。

ジュンモ「え?…あぁまぁ、月極でも」
イェジン「あと1週間もないのに」
ジュンモ「ちょっと急かな。とりあえず空けておいて、不動産業者に頼むとか。俺が調べてみようか?」
イェジン「今大事なのはそんなことじゃないでしょ?」

「そうだな。大事なのはそこじゃない」そうジュンモが言った途端、また明かりが消える。
今度はイェジンがさっと手をかざすと、また明かりがついた。

ジュンモ「…。」
イェジン「じゃあ何?」
ジュンモ「え?」
イェジン「何よ?」
ジュンモ「単に俺の意見だ。俺、お前と一緒に住むのも悪くはなかったし」
イェジン「悪くはなかった?」
ジュンモ「いや、良かったし」
イェジン「(笑)良かったし?」
ジュンモ「揚げ足取るなよ。良かったって。それもダメなのか?」

イェジンが呆れたように笑った。「あんたさぁ」

イェジン「私がご飯を作ってやって、掃除もしてやって、洗濯物もときどきしてやって。そういうのが楽だったんじゃないの?」
ジュンモ「おい!」
イェジン「そうでしょ!ちょうど良かったのに、私が出て行くって言うから、行くなって言ってるんじゃないの?」

「あぁ!そういうことだ!」ジュンモはついカッとなってそう言い放った。

ジュンモ「お前といてホント楽だったからな」
イェジン「つまりあんた、私が出て行ったらお手伝いさん頼まなきゃいけないから、それが嫌だってこと?」
ジュンモ「あぁ全く!よくわかったな!そのとおり、それが嫌なんだ!」
イェジン「ちょっと、ラ・ジュンモ!」
ジュンモ「追い込んだのはお前だぞ。そういうヤツだって」
イェジン「もういいよ。あんたとは話し合いなんて出来ないね」
ジュンモ「こっちの台詞だ!」

二人はスタスタと家へ入ると、それぞれの部屋へ分かれた。

#あーあーあー ここまで気持ちのいい破れかぶれもなかなかないよね。

イェジン「最低!」
ジュンモ「あの鈍感め」

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二人の戦闘モードは翌日も続いていた。
「…。」「…。」デスク越しに睨み合うと、イェジンはスンチャンを呼ぶ。「ペク・スンチャン!」

スンチャン「?」
イェジン「お昼食べに行こうよ」

「はい」スンチャンが返事をすると、イェジンが歩き出した。「エレベーターの前にいるね」

ジュンモ「(憮然!)」

イェジンが行ってしまうと、今度はジュンモが声を掛ける。「ペク・スンチャン!」

ジュンモ「ロケハン資料、全部整理できたか?」

スンチャンがサッとデスクのファイルを手に取り、ジュンモに差し出す。
「ちょっと待った」スンチャンが行こうとするのを引き止めておき、ジュンモは熱心に資料をめくった。

「うわぁ」後ろから資料を覗き込んだイリョンが感嘆の声を上げる。「お前に何か頼んだら論文仕上げてくるよな」

イリョン「これだけ全部よくやったよ」
ハンナ「凄いわ!ペク・スンチャンPD、こういうのホントに上手」
スンチャン「えへへっ」
ジュンモ「こいつ、無駄にハイクォリティだな」

「お先に食事に行って来ます」遠慮がちに背を向けるスンチャンを、もうジュンモは引き止めなかった。

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イェジンはエレベーターの前で静かに待っていた。

スンチャン「何を召し上がります?」
イェジン「そうね、めちゃくちゃカッカして、アッツアツのもの。めちゃくちゃストレスもらっちゃって」
スンチャン「あぁ、それなら、アレにしますか?」

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「言ってみてよ」昼食のクッパを前に、イェジンはスンチャン相手にストレスをまき散らした。

イェジン「同じ男として、ジュンモが何であんなこと言うんだと思う?」

「…。」スンチャンは黙って一匙すくい、パクっと口に入れる。

イェジン「だってさぁ、最初はそうだったのよ。行くなってどういう意味なのかなって思ったし、私が引っ越すのが嫌だなんて、何か他に意味があるんじゃないかって」
スンチャン「…。」
イェジン「あんたはどう思う?ねぇ、ねぇ」

「…。」スンチャンは二人の間に置いてあるカクテキを一つ摘み、彼女の匙に乗せた。

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スンチャン(インタビュー)「行くな、新しい家は貸しに出せ、俺と一緒に暮らそうって、それが男の立場でどういう意味なのかって、イェジン先輩が訊くんです。僕は好きだって意味だと思いますけど、そう言うのは嫌だったんです。イェジン先輩がその言葉を理解できずにいるのは、僕から見ても全く理解できないけど、男女で会話法がかなり違うことが、こういうときに幸いなんじゃないかって」

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食事をしながら、イェジンは頷いた。「つまりあんた、今困ってるってことね」

イェジン「私の質問に答えるのに」

「…。」スンチャンはじっとイェジンを見つめ、再び目を伏せる。

イェジン「同じ男から見ても、ジュンモがそんなこと言うのは他に意味があるんじゃなくて、お手伝いさんより楽だから、やりやすいからだって。そう思ってるってことでしょ?だから答えられずにいるんでしょ?」

#もう救いようがない

イェジン「そうね、訊くまでもない質問だったわ」

2025

「…。」スンチャンはカクテキをもうひとつ彼女の匙に乗せる。
彼女は浮かない表情で匙を口に運んだ。

スンチャン「僕も一つだけ質問を」
イェジン「?」
スンチャン「それで、引っ越しはなさらないんですか?」
イェジン「ちょっと!あんた何聞いてたの?私たち喧嘩したんだから!それなのに一緒に住めるわけないでしょ」
スンチャン「…。」

「あれ?」イェジンがスンチャンを見る。「あんた、今笑った?」
「?」唇をぎゅっと噛み締め、彼は顔を上げた。

2026

イェジン「笑ったの?ははっ、ホントどうにかなりそう。あんた面白いの?」
スンチャン「(唇ぎゅーっ)」
イェジン「私がフランクに接してあげてるからって」
スンチャン「(ニヤニヤ)」
イェジン「笑わないでよ!!!」

+-+-+-+

車の中でシンディはじっと待機していた。
運転席で、マネージャーがイライラしている。

「待ち時間、もっと長くなる?」シンディが目を開けた。

マネ「思ったより人が集まってて。整理するのに時間が掛かってるみたいだ」

溜息をつき、シンディは再び目を閉じる。
「ところで…シンディ」マネージャーが話を切り出した。

マネ「代表に…一度負けてあげたらどうかな?」
シンディ「え?」
マネ「キム室長から聞いたんだけど、今の状況はホント昔のユナと同じだって。俺はそのとき新入りで、何がどうなってるのかちっともわからなかったから」

話が深刻にならないよう、マネは努めて笑顔を見せる。

マネ「今こうやって抱き合わせをしてるのは、予告編みたいなものらしい。本編に入ったら、ホントに殺伐となるって」
シンディ「…。」
マネ「キム室長はあのとき、ユナのマネージャーだったろ?まだユナに申し訳ないって」
シンディ「ユナさんがどうしてるか、キム室長は知ってるの?」
マネ「知らないって。全く」
シンディ「…。」
マネ「噂だけはたくさんあるだろ。国外に出たとか、整形中毒になってるとか。とにかく口にするのも辛いような話ばかりだ。いい話なんてひとつもない」
シンディ「…。」
マネ「だからさ、シンディ、代表に… 一度だけ謝って」

「あと何分掛かるか聞いてきて」シンディは彼の話を断ち切り、頑なに目を閉じる。
「…あぁ、わかった」マネージャーはそれ以上無理に言わず、いつものように穏やかに微笑んだ。

+-+-+-+

マネージャーが出て行ったところへ、着信音が鳴った。「?」
アンチカフェの運営メンバーで作っているグループだ。

メンバー「最近のシンディ、あちこちすごくたくさん出てません?」
メンバー「バカらしい番組にもよく出てるし、叩くネタが多くていいとは思いますね」

溜息をつき、シンディがコメントを送る。「はい。来週はもっとスケジュールがあるみたいです」

メンバー「シンディジョラさん、ひそかに情報通ですね。ひょっとして関係者ですか?」

「関係者?」シンディが再びコメントを送った。

メンバー「シンディの関係者ってことです。シンディの事務所は最近、新人を抱き合わせで売り出してる感じですけど」

「そうなんですよ…ちょっと酷くないですか?」シンディは思わずそう返信する。

「?」メンバーから即座に疑問が帰ってきた。
「いえ…」シンディが慌てて返す。「そうかもってことです」

メンバー「とにかく最近加入者数も急増してますし、運営陣で一度オフ会をやろうと思うんですけど。シンディジョラさんも参加してくださいますよね?」

「ふはは」シンディは笑った。「アンチが私にオフ会しようって?」
彼女は携帯を放り出し、頭を抱えた。

+-+-+-+

ジュンモは一泊二日の会議室にやってきた。
”スターウォーズチーム使用中” ドアの張り紙をクシャクシャと握りつぶし、中へ入る。

「かなりザワついてますね」会議が始まると、ジヨンが言った。「試験番組がすごく強いって」

ハンナ「うちの打ち切り説がまた出ちゃった」
イリョン「たった4週で打ち切りの危機だなんてな」
ミンジョン「試験番組はうちの後続だって、ホントですか?」
ジヨン「私たちどうしたらいいんでしょう」

「どうするって何をだよ」ジュンモが言う。「やれるとこまでやるしかないだろ」

ヒョングン「誰もうちに関心ないんですよ」
ジュンモ「何言ってんだ!俺たちにはまだ6.8%の視聴者がいらっしゃるんだぞ」
イリョン「それならとりあえず、編集とかそういうの、全部見直すべきじゃないかな?」
ジュンモ「何もそこまで」

ノックの音がして、女性が入ってきた。「すみませんけど、ここ何時まで使われます?」

ジヨン「どうして?」
ハンナ「どちら様ですか?」
女性「私、スターウォーズの一番下の作家なんですけど。ここはもともとうちの会議室なのに」

「…。」ジュンモが顔を上げた。
一泊二日のスタッフたちが呆れて、皮肉な笑みを浮かべる。
「私と外で話しましょう」ミンジョンが立ち上がった。

女性「2時までに空けてくださらないと」

「私と話しましょう」ミンジョンはとにかく女性を追い出すように、一緒に外へ出た。

ふっと息をつき、ジュンモが身を乗り出す。「全体的に整備し直そう」
皆が頷いた。

ジュンモ「字幕、音楽、そういうのも全部検討し直してな、パワフルな予告を作ってスターウォーズの最後につけるんだ」
イリョン「全部やり直すには手が足りないな。予告は一番下に一度やらせてみましょうよ」
スンチャン「?」

ジュンモの視線が隅っこのスンチャンに向かう。

ジュンモ「ダメだって!あいつに任せられるかよ、こんな大事な時に」

「やってみます」スンチャンが言った。

ジュンモ「やるって?」
スンチャン「はい、一生懸命やります」
ジュンモ「一生懸命なら誰でもやるんだ。上手くやらなきゃダメなんだ」
スンチャン「上手くやります!」
ジュンモ「そうか?」
スンチャン「はい」
ジュンモ「よし、そんなら一度やってみろ」

よっしゃと言わんばかりにイリョンが頷く。

ジヨン「おぉ~」
ハンナ「予告デビュー?」
ジュンモ「30秒だからって甘く見るなよ。その予告を見た人に”わぁ、こりゃ見なきゃ大変!”、そう思わせなきゃいけないんだ」
ヒョングン「爆笑取れれば尚更よしだ」

「爆笑を…」スンチャンが律儀にメモを取る。

イリョン「感動もなきゃ」
ジヨン「一番大事なのは、放送時間を認知させることだわ」
スンチャン「つまり、すごく気になって、放送時間がハッキリわかって、感動もあり、その中にパン!と爆笑があって、”わぁ!この番組見なきゃ大変だ”って、危機感まで感じるもの…ですか?」

#ゲラゲラゲラ

「そのとおり!」皆が頷いた。

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「そんなの全部ムリですって!」いつもの道具部屋でキンパを食べながら、FDくんが即座に否定した。

FD「全部逃しちまう。予告で一番失敗するのはそういうヤツなんだから。あれこれ全部見せようとして、どれも失敗するんです」
スンチャン「…。」
FD「面白くもない難しい予告を作っておいて、放送時間の告知だけはハッキリ出すでしょ?そうしたら皆、”あぁ、その時間は間違っても見ないでおこう”って、そう決心するんですよ」

「あぁ、逆効果だと」メモを片手に、スンチャンが言う。

FD「だからってあまり頑張ることないですよ。どうせ先輩たちが全部直すだろうから。いつまでもタダ飯食わせるわけにもいかないから、やらせたんでしょ」
スンチャン「僕、入社してタダ飯食べたことありませんよ」
FD「本人がどう思ってようと、先輩たちの立場から見れば、まだオマケですよ、オマケ。食事のとき以外、何の使い途もないんだから。出前アプリみたいな存在っていうか」

「見ていてください!」スンチャンの語気が強くなる。

スンチャン「出前アプリがどれだけ上手く予告を作るか!」
FD「…。」
スンチャン「すごく気になって、放送時間をハッキリ知らせて、感動がある中にパン!と爆笑が起きて、番組を見なきゃ大変だって危機感まで感じさせるような予告、絶対作ってみせます!」

2028

#ゲラゲラゲラ 頑張れスンちゃん

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テレビ局の周囲を歩いていたホンスンは、ある人影を見て、慌てて陰に隠れた。
向こうの通りを歩いてくるのはコ・ヤンミだ。

彼はKBSの託児所の入り口にいた。

彼女が通り過ぎ、ホッと緊張を解いた瞬間、突然現れたヤンミに彼は壁へ追い込まれる。

ホンスン「何を… なさってるんですか?」
ヤンミ「キムPDさんこそ、この建物に用はないはずですけど?」
ホンスン「僕、もともと子どもが好きで」
ヤンミ「…。」
ホンスン「ここに入ろうとしてたわけじゃなくて、職場に戻ろうとしてたところなんです」

「お行きになって」ヤンミがさらに顔を近づける。

ホンスン「あの…腕をどけていただかないと…」
ヤンミ「あの夜の出来事… 口外してはなりませんわ」

「!」ホンスンがぎゅっと口を閉じる。

ヤンミ「もともと、あちこち噂して回るのがお好きですから」
ホンスン「僕ですか?そんなことないですけど」

ヤンミはそっと体を離した。「今夜お会いしましょう」

ホンスン「!」
ヤンミ「あの夜のこと… 始末をつけないと」
ホンスン「今夜ですか?」
ヤンミ「なぜ?嫌ですか?」
ホンスン「いいえ!そんなわけが…」
ヤンミ「時間と場所はメールします。受け取ったらすぐ削除して」

彼女はそっと彼の唇に指先を触れた。「何か付いていたわ」

+-+-+-+

裏を再利用できる紙をためておく箱が一杯になっていた。
「これ、人の手じゃないの?」紙をめくりながら、ミンジョンがいう。

女性スタッフ「誰かの手首みたいだけど。失敗したのかな」
ミンジョン「それにしては枚数が多すぎない?」
女性スタッフ「はぁ、ヤンミ先輩に知れたら大変!」

後ろを通りかかったホンスンが凍りついた。「!!!!!」

あの晩… 彼らはせっせと動くコピー機の上で、情熱的な時間を繰り広げたのだ。

腕らしきものが写った紙をじっと見ていたタジョンが、ゆっくりとホンスンを振り返る。
二人は何も言わず、彼の腕とコピー用紙の腕を見比べた。「…。」

+-+-+-+

イリョンとヒョングンが楽しそうに編集室を覗きこんでいた。
そこへジュンモがやってくる。「何してんだ?」

中でPCに向かっているのはスンチャンだ。

イリョン「スンチャンのヤツ、アカデミー受賞作でも作ってる雰囲気だ」
ヒョングン「夜通しやってたみたいですよ。ほら、服が一緒でしょ」

ジュンモも一緒になって中を覗いた。

足元にはたっぷりの水をセットした加湿器、机の上にはペットボトルやお菓子がズラリ。
スンチャンは真剣な表情で編集作業に向かっていた。

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スンチャンは画面を見ながらソーセージをかじる。
「遠足か?」突然声がして、彼は後ろを振り返った。
いつの間にかジュンモがいた。

スンチャン「あ、今やっと食べ始めたんです」
ジュンモ「見せてみろ」
スンチャン「まだ完成してないので、困るんですけど」
ジュンモ「いいから見せてみろって。お前ポン・ジュノかよ?完成も何もないだろ」

スンチャンは再生ボタンを押した。

「…。」ひと通り見ると、ジュンモはふっと笑った。「やり直しだな」

スンチャン「良くないですか?」
ジュンモ「お前、俺に責任感がないの知ってるよな?」
スンチャン「はい」
ジュンモ「…。」
スンチャン「あ、いえ…いいえ!」
ジュンモ「お前、先輩たちが直してくれるだろうと思って、こんなふうに作ったかもしれないけどな、俺はお前が作ったのをそのまま流すぞ。番組がダメになったら、お前の作った予告がつまらなかったせいだ」
スンチャン「…。」

ジュンモは出ていこうとして、ふと振り返る。「ところで」

ジュンモ「なんでシンディがいないんだ?予告に」
スンチャン「え?いますよ。ここにツーショットもあるし、その前にもあるし」
ジュンモ「目に入らないだろ。ちっとも浮かび上がってこない。印象に残らないんだ」
スンチャン「…。」
ジュンモ「どんなに立派なカメラマンが撮った写真より、両親が我が子を撮った写真のほうが遥かにいいのは何でだと思う?愛情だ。PDは自分の番組の出演者を無条件で愛さないと。それでこそいい絵になるんだ」
スンチャン「…。」
ジュンモ「シンディの魅力は何だ?」

「えっと、シンディさんの魅力は…」スンチャンが画面を見る。「歌がうまいこと?」

ジュンモ「そらみろ。自分が撮った出演者の魅力もわからずに、どうやって予告を作るんだ?お前にわからないのに、他の人にわかると思うか?」

ジュンモが出て行くと、スンチャンは改めて画面の中のシンディを見つめた。

2027

+-+-+-+

ここで区切ります。

 - プロデューサー