韓国ドラマから美しい言葉を学ぼう

韓国ドラマのあらすじや詳細日本語訳を紹介!プロデューサー/SPY/夜警日誌/トライアングル/主君の太陽など

夜警日誌あらすじ&日本語訳24話(最終話)vol.1

   

チョン・ユンホ(東方神起ユノ/ユンホ)、チョン・イル出演、「夜警日誌」最終回前半です。
ドラマのあらすじを掴みながら、セリフも丁寧に日本語に翻訳していきますね。

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トハの元へ向かおうとしたその瞬間、大蛇が覚醒した。
サンホンがリンを制する。「大蛇が目覚めました」

サンホン「私と副護軍でトハを助けますから、大蛇を破壊してください」

「…。」リンは後ろ髪引かれる思いで、縛られているトハを見つめた。

トハ「大君、私は大丈夫です。早く大蛇を倒してください!早く!」

「トハを頼む」リンはムソクに託し、手に持った四寅斬邪剣をまっすぐ彼に差し出した。
「…。」ムソクが掴んだのは、四寅剣の柄の部分だ。
そのまま黙って刀を抜くと… リンの腹を突き刺した。「!!!」

トハ「!!!…大君!!!」

ムソクが刀を抜くと、リンはその場に崩れ落ちる。
ムソクとサンホンはリンの両脇を抱え、そこから連れ去った。

トハを見張っていたホジョは、動くことなくその成り行きを見守った。
一体何が起きたというのか…?

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地下の秘蔵庫を突き破った大蛇は、塔内中央の大きな柱の周りを、とぐろを巻くように回った。
サダムが見守る目の前で、大蛇はゆっくりと塔の中を昇っていく。

サダム「龍神が昇天なさるぞ!!!」

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戻ってきたムソクとサンホンは、怒涛の勢いで兵士たちをなぎ倒した。
ホジョと剣を交えたサンホンは、激しい競り合いの末、ホジョの腕に傷を負わせる。

その隙に、ムソクがトハの元へ駆け寄り、腕を繋いでいる縄を剣で叩き斬った。

トハ「副護軍!なぜ大君を刺したのですか!なぜ!!!」
ムソク「大君の意志です」
トハ「…え?」
ムソク「大君は大蛇の本体を倒しにいらっしゃったのです」
トハ「どういうことですか?」

「大君に会わなければ」トハが背を向けたところに、ちょうどサンホンが立ちはだかった。

サンホン「大君の御身体は3人の守護霊たちが守る。早くここを離れるのだ」

「早く!」トハの腕を掴み、彼らは駈け出した。

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負傷した腕を押さえ、ホジョが塔の入り口までやってくると、そこへサダムが中から出て来た。

ホジョ「マゴの巫女が逃げました!」

「…。」サダムの視界に、トハを連れて逃げる夜警師たちの姿が見えた。

サダム「何人たりとも龍神のご意志を阻むことは出来ぬ」

サダムは慌てるどころか、笑みさえ浮かべた。
大蛇が順調に塔を昇っている今、もはや彼には恐れるものなどなかったのだ。

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誰もいない建物の影に運ばれたリンは、意識を失ったまま横たわっていた。
3人の守護霊が彼を取り囲む。

ランイ「リン… 絶対に無事戻ってくるのよ」

生死の境で、リンは炎の燃え盛る異世界にいた。
容赦なく飛び掛ってくる黒い気を四寅斬邪剣で振り払いながら、リンは少しずつ前へ進む。

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「大蛇を消し去るためには、地獄にある大蛇の本体を破壊せねばなりません」リンが見つけ出したのは驚くべき方法だった。

#ここで前回の内容に戻ってみると、リンが見ていた夜警軍日誌の右頁の絵は、リンのいる地獄ですね。

「どうやって地獄へ行くのですか?」地下室で話を聞いたムソクが尋ねる。

リン「君が四寅剣で私を殺してくれ」
ムソク「そんなことは出来ません!」
リン「四寅剣は邪悪な鬼神を滅する剣だ。四寅剣で刺しても、しばらく魂が抜けるのみ。また身体へ戻ってくることが出来る」
ムソク「大蛇の本体を破壊できなければ、どうなるのですか?」

「もし失敗すれば…」じっと黙っていたサンホンが口を開く。「大君の魂は永遠に地獄を彷徨うことになるでしょう」

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絶対に失敗する訳にはいかない。
リンは決意を新たに、険しい地獄を進んだ。

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突然塔の外壁を突き破り、勢いづいた大蛇が夜空へと飛び上がった。

キサン君「あの獣は一体何だ!!!」

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茫然と見上げる彼らの前で、築き上げた蒼天塔がみるみるうちに崩壊していく。

左相(現)「殿下、お逃げにならなければ!」
キサン君「塔が崩れる…。余の治世を象徴する塔が崩れていく!!!」

「早くお連れするのだ!」左相の命令で、皆が一斉にキサン君を取り囲み、避難を始める。
混乱は頂点に達した。

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狂気に苛まれた兵士たちの殺し合いは、領相が囚われている牢の前にまで及んだ。

牢の中で父と共にいたスリョン(←何で?!)は、外の様子に驚き、父に駆け寄った。

スリョン「宮中で何か起きたようです」

領相は娘の言葉が聞こえているのかいないのか、両手を顔の前に合わせたまま、祈るように震えるだけだ。

スリョン「…お父様?」

ゆっくりと顔をあげた領相は、真っ赤に染まった目で娘を見る。
そして、いきなり両手で娘の首を締め上げた。「!!!」

領相「お前を殺し、龍神の貢物にしてやる!!!」
スリョン「!!!」

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塔を飛び出した大蛇は、広い宮中をうねるように飛んだ。
トハを連れ、サンホンたちが逃げていく姿を追いながら、サダムは両手を広げる。

サダム「龍神に捧げるマゴの巫女はあそこにおります!」

サダムが杖で指し示した途端、大蛇は身を翻した。「!!!」

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「マゴの巫女を渡すのだ」サダムが彼らの前に進み出る。

サンホン「ここは我々が何とかする。早く逃げろ」

トハがその場を離れ、サンホンとムソクの命がけの戦いが始まった。
時間は稼いだものの、彼らは結局サダムの放つ気に、二人共地面へ倒れこんでしまう。

サダム「龍神よ!マゴの巫女を貢物として捧げます!龍神族の新たな世を開いてくださいませ!!!」

大蛇が人々を弾き飛ばしながら、逃げるトハへとまっしぐらに進む!

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死に物狂いで進んだリンは、ようやく大蛇の本体のそばまで辿り着いた。

夢中で走り続けたトハが、ハッとして後ろを振り返る。「!!!」

「頑張るのよ!」ランイは愛する息子の手を握り、温かい言葉をかけ続けた。
リンの手を握り彼女の手から、青白い気が光る。

「鬼滅!!!」リンは大蛇の本体めがけて護符を放つ。
四寅剣を振り上げたとき、大蛇の本体が口から吐き出した黒い気がリンを襲った。「あっ!!!」

トハを追ってきた大蛇が、いよいよトハに狙いを定め、飛び掛かる!

最後の力を振り絞り、リンは大蛇の本体に四寅剣を振り下ろした。「!!!」

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「!!!」トハめがけて突進した大蛇は…
…次の瞬間、塵のように消え去った。

トハ「…?」

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#すみません 関西の方だけニヤリとしてください^^;

「!!!」待ちに待った瞬間に目を輝かせていたサダムは、まるで時間が止まったようにその場で固まった。

サダム「?」

広い宮廷には無数の死体とともに、突然の静寂が訪れる。
大蛇が…跡形もなく消えてしまったのだ。
事態が飲み込めず、誰もが目を見開いて辺りを窺った。

そのとき、不気味に立ち込める霧の向こうから、誰かが歩いてくるのが見える。

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あれは… リン!

トハ「…大君!」

リンへと駆けていくトハの姿を、サダムは茫然と目で追った。(←ここ笑うとこ

サンホンとムソクは彼が駆け寄ったトハを抱き止めるのを見届け、大きく息をついた。

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トハ「ご無事で良かった!」

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「ならぬ…。そんなはずはない…」サダムはガックリとその場に膝をつく。「龍神様!!!」
絶望した彼の叫びが、虚しく響いた。

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ハッと我に返った領相パク・スジョンは、娘の首を締め上げていた手を緩めた。

領相「???」

奪われていた彼の魂が、大蛇の消滅により戻ってきたのだ。
彼が手を離すと同時に、娘のスリョンは父の懐にぐったりと倒れる。

領相「スリョン?」

「スリョン、しっかりするのだ!」彼は慌てて娘を抱き起こす。
「私は何ということを?!」娘を抱きしめ、彼はむせび泣いた。

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愛する人の帰りを待つオンメは、一人静かに祈り続けた。

オンメ「天地神明に祈ります。旦那さんが無事でありますように」

祈る彼女の後ろで、肩を組んで支えあう3人の夜警師が入ってくる。
トハも一緒だ。

オンメ「旦那さん!」

彼女は、真ん中で苦しそうに胸を押さえるサンホンの姿に目を丸くした。「一体どうしたんですか!」

サンホン「…大丈夫です」
オンメ「大丈夫なわけないでしょう!早く横になってください!」

サンホンが離れると、トハはリンを振り返った。「本当に大丈夫なんですよね?」

リン「心配するな。四寅剣は主人を傷つけたりはしない」
トハ「…。」
ムソク「大君も少しお休みになったほうがいいでしょう」
リン「サダムが生きている。まだ終わったわけではない」

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サダムはフラフラと祠堂へ戻ってきた。
「龍神は…龍神は消滅なさったぞ」サダムは自嘲の笑い声を上げる。

サダム「月光め!!!お前の体をズタズタに切り裂き…地獄の火の海に投げ込んでやる!!!」

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夜が明けた。
昇ってきた太陽は、昨夜の惨劇を照らしだす。

「蒼天塔が崩れてしまった!」翌朝になっても、キサン君はおろおろとそればかり繰り返した。

キサン君「一体どうすればいいのだ?」

「塔と一緒に王としてのお前の権力も崩れたのだ」何も出来ないキサン君に、幻が毒づく。

キサン君「余のせいではない!怪物が塔を潰すのをお前も見たではないか!」

幻は静かに首を横に振る。

幻「いつも他人のせいにして責任を避ける者に、王座に就く資格はない」

#この本物と幻、途中で入れ替わるハプニングがあったけど、はっきりしていることは、肉体を持つ方が常に愚かだってこと。

キサン君「…。」
幻「そろそろその鬱陶しい龍袍を脱ぎ、王座を降りろ」
キサン君「やめろ…。何も言うな!!!」

そこへ突然入って来たのはサダムだ。

サダム「殿下、昨夜のことは全て月光大君と夜警団が起こしたのです。あやつらを残らず捕らえてください」
キサン君「何と?!… いや、月光の仕業ではない気がする」
サダム「戯言はおやめください!」
キサン君「!」
サダム「月光大君を捕らえ、殺し!塔を… 塔をもう一度建てるのです」
キサン君「?!」
サダム「蒼天塔よりもっと高く、雄大な塔を!!!」
キサン君「一体何を言っているのだ?重い赴役と租税のため、国庫はもう破綻している。民心も失墜し、下手をすれば反乱が起きそうなのだ!」

激昂したサダムが獣の雄叫びを上げる。

キサン君「!!!」

サダムはキサン君の首を両手で締め上げた。

サダム「よく聞け。お前は私の言う通り動く傀儡に過ぎぬ。拒むならば、今この場で殺してやろうぞ!」
キサン君「!!!」
サダム「今すぐ王命を下せ。分かったか!」

キサン君が必死で頷くと、サダムは王を床へ乱暴に叩きつける。「!!!」

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「手伝いましょうか?」台所のオンメのところへ、トハがぶらりとやって来た。

オンメ「大丈夫。薬は真心だって言うでしょ?旦那さんの薬は私が煎じるわよ」

どこか嬉しそうなオンメに、トハは笑みを浮かべる。

オンメ「あ、そうだ。トハ、聞いた?」
トハ「?」
オンメ「領相大監、謀反罪で千里離れた巨済島に帰るらしいわよ」
トハ「え?」
オンメ「人の運命って分からないものね。この間来たあのお嬢さんも、奴婢になって一緒に行くらしいわ」

#生きとったんかーい パート2

トハ「!」
オンメ「不自由なく育った良家のお嬢様が一夜にして賤女になるなんて… この先どんなに悲惨かしらね」
トハ「そんな…!」

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すっかり弱っている領相は、スリョンに抱えられるようにして義禁府から外へ出て来た。
「お嬢様、お可哀想に…」嘆く下女に、スリョンは気丈に言う。「泣くのはやめなさい」

スリョン「お父様の命が助かっただけでも有り難いことよ」

そこへ見物人の後ろから飛び出してきたのは、トハだ。
「!」二人はすぐに言葉が見つからず、しばらくお互い見つめ合った。

スリョン:
운명이라는 게 참 원망스럽구나.
난 20년이 걸려도 얻지 못한 대군의 마음을 너는 쉽게 얻었으니.
運命というのは本当に恨めしいわ。
20年掛かっても手に入らなかった大君の心を、あなたは簡単に手に入れたのだから。

トハ:
아씨…
お嬢様…

スリョン
네가 참 부럽다.
あなたがとても羨ましい。

トハ:

スリョン:
단 한순간이라도 대군께서 나만을 바라봐 주신다면
내 너로 살아보고 싶구나.
ほんの一瞬でも大君が私だけを見つめてくれるなら…
私はあなたとして生きてみたい…。

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「先は長い。出発するぞ!」役人の声に、列が動き出した。

トハ「!」

どうすることも出来ないトハの前を、スリョンが通り過ぎて行く。
後ろ姿を見送るトハの目は、涙に潤んでいた。

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「サダムの言うとおりだ」短剣を手に、キサン君は呟いた。

キサン君「余は王座に座っている傀儡に過ぎぬ。こんな地獄の目に遭うなら、いっそのこと…」

キサン君は短剣の鋭い刃先を、自らの首に押し当てる。
ひと思いに斬り裂こうとしたそのとき…

「主上!!!」

力の限り叫んだその声は… 亡くなった大妃ではないか。

キサン君「?!」
大妃「なんという馬鹿な真似を!」

大妃が彼の目の前に立っているのが見える。

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キサン君「御祖母媽媽…!」
大妃「生きているときは、いつもリンが心配だったけれど、いざ三途の川を渡ろうとしたら、主上が気掛かりで逝くことが出来ませんでした」
キサン君「…御祖母媽媽!」
大妃「どうか… 命を大切になさいませ」
キサン君「私は… 生きながら死んでいるのです。この先もっと大きな過ちを犯して国を窮地に陥れ、民を苦しめるのではないかと怖いのです!」
大妃「主上、過去の過ちを悔いているのなら、引き返す道をお探しなさい」

キサン君の目からとめどなく涙が流れる。

大妃「賢明な方ですから、主上にはお出来になります」

嗚咽するキサン君にゆっくりと近づくと、大妃は包み込むように彼を抱きしめた。
キサン君は彼女の胸で子どものように泣く。
長年彼の中で鬱積していた苦しみが、涙と共に溶け出して行くようだった。

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二人の様子をじっと見つめていたのは、キサン君の劣等感が作り出した幻だ。
幻は泣きじゃくっている自分をしばらく見ていたかと思うと、そのまま静かに姿を消した。

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守護霊3人衆が偶然目にしたのは、リンの屋敷にこっそり忍びこむホジョの姿だ。

左相(霊)「あやつ、サダムの手先じゃないのか?」
ソン内官「どうしましょう。また大君様に危害を加えるつもりじゃ?」

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ホジョは誰も居ないリンの部屋を物色していた。
彼が手に取ったのは、棚の上にあった千年花だ。
千年花を手に出て行くところを見届けると、3人衆はすぐに宿へ向かった。

ソン内官「大君様、サダムの手下が千年花を盗んで行きましたよ!」
リン「何?千年花を?」
トハ「!」
ムソク「サダムが何か企んでいるに違いありません」
トハ「千年花は万物を癒やし、力を与える有能なものです。サダムが千年花の力を悪用したら、大変なことになります!」

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千年花の放つ輝きに、サダムは顔を輝かせた。「おぉ、千年花!」

サダム「これさえあれば、龍神がいなくても大きな力が手に入る!」

サダムはさっそく千年花に両手をかざす。
花が虹色の光を放ち、龍神破壊の怒りですっかり変異していたサダムの肌をたちまち元通りにした。

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昭格署へと駆けつけたリンとムソクを、外へ出て来たホジョが迎えた。

ムソク「ここは私が受け持ちます。サダムの始末を」

「頼む」リンはホジョをムソクに任せ、一人、昭格署の中へと急いだ。

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祠堂に踏み込むと、リンはサダムの背に刀を向ける。

リン「お前の果てしない欲望のため、多くの人々が死んだ」
サダム「…。」
リン「大蛇が破壊されても尚、欲を捨てられないのか!」
サダム「龍神は人間の愚かな欲望が創りだしたものだ。いつか再び甦り、人間共を襲うであろう」
リン「黙れ。お前もまた、その愚かな人間の一人に過ぎぬ」

リンがサダムに飛び掛かると、すぐさまサダムは杖で受け止める。
リンは刀部屋の隅へ弾き飛ばされた。

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ムソクとホジョ。
祠堂前での戦いは、どちらかが死ぬまで終わらない決戦だった。

ムソクが不意に腹を押さえる。
古傷が急に疼き始めたのだ。
ムソクが怯んだ隙に、ホジョは彼を押し戻し、トドメの剣を振るった。「!!!」

そのとき…

ホジョの後方からクナイが飛んでくる。
ホジョがそれを弾いた隙に、すかさずムソクは背中からホジョを突き刺した。

ホジョ「!!!」

いつしか降りだした雨の中、ホジョはゆっくりと崩れ落ちた。

トハ「副護軍!」

#えー ここは死闘の末ムソク一人で倒せばいいじゃん 危ないところをトハに助けてもらって勝つなんてさー

「大丈夫ですか?」クナイを投げたトハが駆け寄る。
彼女はキョロキョロとリンの姿を探した。「大君は?」

ムソク「サダムを倒しに」
トハ「!」

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飛ばされた衝撃で動けないリンは、手からこぼれ落ちた剣を拾おうと、懸命に手を伸ばした。
サダムはゆっくりと杖の先をリンの胸元に差し出す。
杖の先から出ている真っ赤な気が、リンへと流れ込んだ。

リン「あぁっ!」

ひと思いに杖を突き刺そうと、サダムが杖を振り上げたその時…!
「駄目!!!」ムソクと共に駆け込んできたトハが叫んだ。

「これは!」サダムはトハの顔を見て、愉しげに笑みを浮かべる。「マゴの巫女が自らやって来るとは」

トハ「千年花の気を全て手に入れさせてあげるわ。大君を放して!」
サダム「お前の姉ヨナがしたように、私に力を貸すと?」
トハ「…。」

「いいだろう、大君を助けてやる」サダムが承諾した。

リン「ならぬ!トハ!!!」

#うーん めちゃくちゃ大きな取引だと思うんですが。祠堂の隅でうずくまってるリンを助けるため?
地味すぎて身悶えするわー。

サダムが伸ばした手を…
トハは握った。

ニヤリと笑うと、サダムは杖をドンと突き、トハもろとも姿を消した。

リン「トハ!!!」

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森の中、トハは千年花に向かい祈祷を捧げていた。
千年花が放つ虹色の光が、トハの前に立つサダムへと注がれる。

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サダム「?!」

いつしか彼自身が虹色の光を発していた。
みなぎる力に、サダムが顔を輝かせる。

サダム「我自ら龍神となり、この世を支配しようぞ!!!」

高らかに笑うサダムとは逆に、トハは見るからに弱っていた。

トハ「…!」

次の瞬間!

千年花の光が消えたかと思うと、突然現れた黒い気に包まれる。

サダム「?!」

サダムはたちまち黒い気に囚われ、動けなくなった。「!!!」

サダム「これは… 一体… どうなっているのだ!」
トハ「千年花の気を過度に吸収すれば、その気が毒となって… 人を飲み込んでしまうのよ」
サダム「…何と!」

黒い気に体の自由を奪われながら、サダムは力を振り絞り、ぐったりしているトハの首を両手で締め上げた。

トハ「あっ!!!」

ここまでか…
そう思われた時、突然青白い光がサダムの胸を貫く。「うっ!!!」

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リンだ!
彼はムソクと二人で強力な結界を破り、駆けつけたのだった。

胸を貫いた四寅斬邪剣をリンが引き抜くと、サダムはトハの首を締めていた手を緩め、よろよろと立ち上がった。
「…。」次の瞬間、彼は自ら発火し、激しく燃え始める。「あぁあ!!!」

リンとトハが見守る中、サダムは燃え盛る炎の中で狂ったように笑った。

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ムソクが待つ祠堂に、リンたちが戻ってきた。

#完全にどこでもドア

ムソク「サダムは?どうなったのですか?」
リン「自らの欲望に勝てず、自滅した」
ムソク「!」
リン「二度と甦ることはなかろう」

リンの確固たる言葉に、ムソクはホッと息をついた。

+-+-+-+

ここで一旦区切ります。

サダムの独壇場でした。
サダムいなくなっちゃったら、あとどんだけ地味なんだろうか…

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