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夜警日誌あらすじ&日本語訳20話vol.1

      2014/10/18

チョン・ユンホ(東方神起ユノ/ユンホ)、チョン・イル出演、「夜警日誌」20話前半、ドラマのあらすじを掴みながら、セリフも丁寧に日本語に翻訳していきますね。

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「宮廷で内紛が?!」領相が行動を起こしたことは、すぐに大妃へと伝えられた。

イ尚宮「領相大監が!領相が兵を挙げたそうです」
大妃「領相が?!」

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「領相、反逆を起こすつもりか?」二人きりで向き合うと、キサン君が静かに問うた。

領相「国政を正し、苦しむ民の救おうとする忠誠心です」
キサン君「黙られよ!」
領相「…。」
キサン君「口さえ開けば毎日”忠誠、忠誠”と…。一体誰のための忠誠だと言うのだ!」
領相「…。」
キサン君「余を追いやり、誰を推戴するつもりだ?月光か?それとも領相自ら王位に就こうと言うのか!」
領相「国政が正常化されるまで、摂政を行うつもりです」
キサン君「摂政?!」
領相「当分はここでお過ごしください。接見は全て私の許可を得ていただきます」
キサン君「何と!許可を?!私を幽閉するというのか!」
領相「私の大義をご理解いただけると信じております」

「…。」絶句するキサン君に小さく会釈すると、領相は部屋を出る。
怒りを爆発させたキサン君は、雄叫びを上げ、食膳をひっくり返した。

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昭格署を脱出したリンたちは、守護霊である左相と共に、身を潜めながら宮中を移動した。
宮中は案の定、パク・スジョンの兵で一杯だ。

リン「工事現場で殿下を殺そうとした証拠が出るのではないかと、先手を打ったのだろう」
ムソク「殿下の元へ行かなければ」

立ち上がろうとしたムソクの腕を、リンが押さえた。

リン「耐えるんだ」
ムソク「反逆を阻止せねばなりません。大君にも殿下と王室を守る義務があるのです」
リン「それを知らぬわけがなかろう。だが、今我々二人であやつらをどうやって阻止するというのだ?」
ムソク「ならばこのまま黙ってみていろとおっしゃるのですか?」
リン「策を練ってから行動しよう」
ムソク「…。」

リンの言葉に、ムソクは逸る心を押さえた。

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領相はすぐに大妃の元を訪れた。

大妃「領相、なぜ挙兵されたのですか」
領相「私は正気を失った殿下がまた凄惨な事件を起こすのを阻止するため…」
大妃「お黙りなさい!」
領相「…。」
大妃「中殿が遺した血書を見ました。そこには中殿を殺したのが領相だと」
領相「先代王に自刃を命じられたのは、大妃媽媽でした」

「えぇ、私がそう言ったのです」大妃が頷く。

大妃「狂気に冒されて中殿を殺し、大君を殺し、さらに多くの人たちを死に追いやるのではないかと恐れ、私が自刃せよと命じたのです」
領相「私は大妃媽媽のご意思に従ったまでです」
大妃「領相が王室と大君を守ってくれるものと、私はそう信じました。しかし、領相が中殿を殺し、全て先代王に被せていたとは!」
領相「捏造された流言飛語に過ぎません」

「流言飛語?!」大妃は呆れて絶句する。

領相「国政が正常化するまで摂政を行います。国璽をお渡しください」

※国璽(こくじ)=国権の象徴として使われる王の印

大妃「国璽を手に出来るのは王のみ!」
領相「国事のために借りようとしているのです」

苛立った大妃が拳で卓を叩く。「お黙りを!」

大妃「領相の野望を満たすために王の狂気を利用するのを、これ以上見過ごしはせぬわ!」

「よくお考えください」領相はあくまで冷静を貫いた。「また来ます」

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「大妃殿を封鎖せよ」外へ出てきた領相は、兵士たちに命じた。
直ちに兵士たちが動き出す。

領相「国璽を探さなければ。国璽さえ手に入れれば、大妃の許可など必要なくなる」
手下「月光大君はどうなさいますか?逮捕命令を出しましょうか」
領相「今はまだだ。月光の一挙手一投足をしっかり監視せよ。誰に会っているのか、何を企んでいるのか」

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祠堂へ戻ってきたサダムは、さっきと様子が変わっているのに気づき、俄に緊張を高めた。
彼がすぐに確かめたのは、掛け軸だ。

サダム「!!!」

そこに閉じ込めたはずのトハの姿が跡形もなく消えているではないか!

サダム「誰だ!一体誰が我が結界を破り、マゴの巫女を連れ出した?!」

「月光?!」サダムは掛け軸を睨みつけると、怒りにまかせて掛け軸を破り捨てる。
そこへホジョがやって来た。「兵士たちが押しかけてきます!」

サダム「!」

彼らが祠堂を出ようとした時、ちょうど兵士が現れた。

サダム「何事ですか」
兵士「領相がお呼びです」

「こやつらを縛れ」命令を受けた部下の兵士たちが近づくと、サダムは手のひらから発した気で彼らを弾き飛ばす。
怒りを押さえ、サダムは静かに口を開いた。「案内してください。自分の足で行きます」

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サダムはすみやかに領相パク・スジョンの元へ案内される。
兵士たちが退室し、領相とサダムは二人きりになった。

サダム「大監、なぜこのように事を急がれたのですか」
領相「何と?」
サダム「挙兵する名分がないではありませんか!主上を暴君として廃位させたとしても、次の王位は月光大君に渡ることでしょう!」

「…。」領相は脇に立てた剣にゆっくり手を掛ける。「お前は一体誰の味方だ?」

サダム「!」

サダムの答えを、領相はじっと待つ。

サダム「蒼天塔の完成さえ遂げられれば、私にそれ以上望むことはありません」
領相「…。」
サダム「今、朝鮮で権力を持つ御方、まさに大監の味方です」

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「…。」領相が目を細め、サダムの表情を窺う。

サダム「まずは月光大君から排除なさいませ。それから主上に対処するのです」
領相「…。」

剣に掛けていた領相の手が、再び肘掛けへと戻る。
二人は無言で牽制し合った。「…。」

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「領相が反逆を…」キサン君は譫言のように呟いた。
「領相と月光が徒党を組んだんだ」そこへ口を開いたのは、体を奪われた本物(魂)だ。

#もうすっかり普通に進行してて、まだ入れ替わってるのかどうか、自信なくなってきた。

魂「お前を廃位させようとな」
偽物「月光は余を追い出せぬ!」
魂「子どもの頃から月光に嫉妬し、全部奪い取って来たじゃないか。その復讐だ」
偽物「違う!リンを守ってやったのだ!」

「ふっ」魂が鼻で笑う。

魂「王がどういうものか見せてやると言っておきながら… 結局お前もどうしようもないな」
偽物「違う!余が朝鮮の王だ!!!」

そこへやって来たのはサダムだ。「殿下、サダムにございます」
もはや偽のキサン君も、本物と何一つ変わりはしない。彼はいそいそとサダムを迎えに出た。

キサン君「領相はどうしているのだ?私を殺すつもりなのか?」

サダムは静かに笑みを浮かべた。「ご心配には及びません」

サダム「国璽がなければ、領相も下手に動くことは出来ないはずです」
キサン君「あぁ、そうだ!国璽!国璽があった!」

キサン君の反応に、サダムは注意深く切り出した。「国璽はどこにあるのです?」

キサン君「国璽は… 大妃媽媽がお持ちだ」
サダム「大妃媽媽の元に?」

「…。」サダムの視線が動いた。

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大殿を出てきたサダムをホジョが迎える。

ホジョ「どちら側に立たれるおつもりですか?」
サダム「龍神が昇天なされば、どうせ残らず掃き捨てる者たちだ。それまではお互い好きなように啀み合わせておけ」

「早くマゴの巫女を探すのだ」サダムの命令に、ホジョがただちに動いた。

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人気のない正殿に、誰かが足を踏み入れた。
領相パク・スジョンだ。

彼は王が座る玉座の前に立つと、じっとそれを見つめる。
彼の周りを黒い邪気が渦巻いた。

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領相「…。」

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「ここが夜警師たちの秘密集会所か」宿の地下室へやって来た左相(霊)は、物珍しそうに部屋の中を眺めた。

ソン内官「鬼神と夜警師が一緒にいるなんて、何だか妙な感じですね」

「領相…」重い空気の中、サンホンが口を開く。

サンホン「あやつが王座を奪おうとしているのは確かなのですか?」
リン「領相の兵士たちが宮中を完全に掌握しました」
左相(霊)「パク・スジョンは権力のためなら何だってやる人間です」
サンホン「…。」
リン「サダムが領相が手を組んだら大変です。そうなれば大蛇の昇天を止めることは出来ません」

「それは駄目ですよぉ」ソン内官が身をよじらせる。

ソン内官「大蛇が甦ったら、小さな鬼神たちを残らず食べてしまいます」
トハ「このままサダムの思い通りにはさせません」
サンホン「…。」

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客がいない宿の一階には、サンホンが一人、御馳走が並ぶ席についていた。
彼の元に、オンメが笑顔で酒を運んでくる。
それを受け取ると、サンホンは向かいの席の椀にそれを注いだ。

向かいの席にいたのは… 左相(霊)とソン内官だ。
彼らは目の前の椀が満たされていくの見て心を躍らせる。

オンメ「どうぞお召し上がりください」
ソン内官&左相「え?」

自分たちに話しかけるオンメに、二人は驚いた。

左相(霊)「我々が見えるのかな?」
ソン内官「まさかぁ」
オンメ「今日は鬼神の方々も、違う違う!亡くなった方々もお越しだと聞きました。こちらは祭祀酒、こちらはお供えのご飯です」

「好きなだけお召し上がりください」彼女は最大限の笑顔で彼らに勧める。
守護霊2人組はさっそく酒と御馳走にありついた。
嬉しそうな彼らの様子に、向かいで見ているサンホンも思わず笑顔になった。

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左相(霊)「死んで以来、酒を呑んだのは初めてだ!」
ソン内官「そうですねぇ。大監のお宅は三族滅門(=一家滅亡)の刑に遭われましたから」

左相は感慨深い表情を浮かべると、オンメを指さし、サンホンに話しかけた。

左相「こういう女性を嫁にしなきゃ駄目だ」
サンホン「?」
ソン内官「そうですよぉ。本当に美味しいです。ふふふっ」

サンホンは笑ってオンメに説明した。「皆さん喜んでおいでです」

オンメ「私、旦那さんのお客様なら、鬼神だろうと人間だろうと誰でも歓迎です」

いつでも積極的なオンメに、サンホンは困って咳払いをする。
そんな明るいオンメを、ソン内官たちは嬉しそうに見上げた。

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宿の裏庭にリンが出てみると、トハは一人、椅子に座ってぼんやりと物思いに耽っていた。
彼は黙って隣に腰を下ろす。

トハが手首を押さえているのに気付き、リンは彼女の手首にそっと触れた。「怪我をしたのか?」

トハ「結界から脱出するときに、ちょっとひねったみたいです」
リン「気をつけないと」

リンは彼女の手を取り、手首の具合を覗きこんだ。
「大丈夫です」トハは慌てて手を引っ込める。
「大丈夫なわけがない」そう呟きながら、リンは顔を曇らせた。

リン「帰れと言われて… 寂しかったろう?」

「…。」トハは小さく微笑むと、遠くへ視線を移した。「分かっています」

トハ「私を心配しておっしゃったことだって」
リン「…。」
トハ「最初は… 目下の人間を馬鹿にする傲慢な有閑人だと思っていました。だけど、一緒にいるうちに、私みたいに寂しい人なんだなぁ…そう思って。そうしているうちに、いつの間にか私の心が大君で一杯になってしまったんです」
リン「トハ…」

トハは前を向いたまま首を横に振る。

トハ「好きになっちゃいけない。何度も気持ちを抑えようとしたけど、上手くいきませんでした」
リン「…。」

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トハは不意にリンを振り返ると、彼の目をまっすぐ見た。

トハ「私がして差し上げられることは、去ることだけです」
リン「…。」

「だけど…」目に涙が滲み、トハは言葉を詰まらせる。「だけど…」

トハ「大君のために出来ることがあって… 嬉しいです」
リン「!」

リンが握っている手をそっと引き抜くと、トハは歩き出した。

リン「…。」

リンも力強く立ち上がると、足早にトハの後を追う。
そして、後ろから彼女を捕まえた。

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トハ「!」
リン「行くな」
トハ「…。」
リン「私のそばにいれば危険だし、帰ったほうがいいと分かってはいる。それでも、自分の気持ちがどうにもならないのだ」

リンはトハを自分の方へ振り向かせた。

リン「命を捧げてもお前を守ろう」
トハ「!」
リン「そばにいてくれ、トハ…」
トハ「大君!」

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リンは大切なトハを優しく抱きしめた。

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翌日。

#ってまだ翌日だったのか

正殿には官僚たちが勢揃いしていた。

扉が開き、入って来たのは領相パク・スジョンだ。
彼はゆっくり官僚たちの前に進み出た。

領相「主上の狂気症状がひどくなり、これ以上の国政遂行は出来なくなった。よって、私が朝鮮の長として摂政を行うこととする」

「何ということを!」官僚たちが口々に異議を唱えた。

右相「領相!一体どういうことですか。何を根拠に摂政を行うと?」
領相「…。」
右相「殿下に謁見し、ご意向を伺わなければ」
領相「殿下は狂気症状がひどく、誰も謁見は叶わぬ」
右相「大妃媽媽はお許しになったのですか」
領相「…。」

「我々が大妃殿を訪ねて確かめよう」右相が立ち上がると、議場は騒然となった。

領相は慌てることなく手にした剣で床をドンと突く。
扉が開き、兵士たちが雪崩れ込んでくると、あっという間に彼らを取り囲んだ。

領相「当分の間、主上殿下と大妃媽媽には誰も謁見出来ぬ。すでに殿下の許可は得た!我が意志を拒んだ者は、御命に歯向かったものとみなす!」

こうして、領相は朝廷を制圧した。

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大殿へ向かう廊下には、領相の兵士たちがズラリと監視の列を作っていた。
リンはその中を歩いて行く。

大殿の前まで来ると、彼はその異様な光景を振り返らずにはいられなかった。

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リンが中へ入ってくると、キサン君は待ちかねていたように彼の手を固く握る。

#ついさっき「王には誰も会えない」って誰か言ってなかったか?

キサン君「リン!外の様子はどうだ?領相はどんな命令を出したのだ?」

キサン君の手は小刻みに震えており、リンは驚いて王の顔を見た。「…。」

キサン君「ひょっとして… 兵士たちが余を殺しに来るのではないだろうな」

震えるキサン君の手を、リンは両手でしっかり包んだ。

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リン「殿下、案じることはありません。私が副護軍と共に、必ずや殿下をお守りします」
キサン君「そうだ、ムソク…。ムソクは永遠の忠臣だから、絶対に余を守り通すはずだ」

ホッとしたキサン君は、思い出したように鋭い視線をリンに向けた。

キサン君「もしかして… お前が領相と手を組んだのではないのか?」
リン「殿下!」

キサン君はリンの手を思い切り払いのける。

キサン君「この座はもともとお前のものだったではないか!」
リン「!」
キサン君「お前はずっと余を恨んでいた。つまり、この間余を殺そうとしたのもお前、夜警師たちと結託して宮中に鬼神を呼び入れたのもお前だ!今度は領相を盾に王位を取り戻そうとしているのであろう!」
リン「殿下!」
キサン君「そうはいかぬぞ!お前の腹黒さを知らぬとでも思ったか?お前の本性は必ずや暴いてやる!」

#はぁ そろそろいい加減付き合いきれないね

「今すぐ出て行け!」キサン君はそう叫び、早々に奥へ引っ込む。
「…。」頑なな王の前で、リンは絶句する他なかった。

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リンは続いて大妃の元へやって来た。
大妃殿の前まで来ると、領相の手下である武官が彼の行く手を遮る。

リン「何の真似だ?大妃媽媽にご挨拶に来たのだ」

「大君を今すぐ退宮させよとの、領相大監のご命令です」領相の手下は、実にふてぶてしくそう告げた。

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大妃殿を離れたリンの前に、サダムが現れた。

サダム「マゴの巫女をよくぞ探し出されましたな」

「退け」無視して進もうとするリンの前に、サダムがさらに立ち塞がる。

リン「!」
サダム「あの娘を連れておられても、大君の役には立ちません」
リン「…。」
サダム「もしトハを引き渡してくださるなら、私は大君の側につき、王室の力になりましょう」

「そなたが一体どんな方法で王室を助けると?」リンの言葉は皮肉に満ちていた。
サダムはまるでずっと先を見通すかのように、遠くへ視線を移す。

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サダム「領相の兵士たちを追い出して差し上げましょう。此の国と王室を守るのか、それとも、全てを失って女を一人手に入れるのか…」
リン「…。」
サダム「…ご選択ください」
リン「サダム!!!」

サダムが鋭い目で振り返る。

リン「どれだけ差し迫ろうとも、お前の邪悪な力を借りたりはしない」

「大君!!!」今度はサダムの声が響き渡る。

サダム「よく考えてご覧ください。答えをお待ちしておりますよ」

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そうやってリンの心を巧みに挑発し、サダムは去って行った。

リン「…。」

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領相パク・スジョンは部下を集めていた。

領相「宮中を全て調べてでも、国璽を探し出さねばならぬ」

そこへ顔を見せたのは娘のスリョンだ。
突然入って来た彼女を、咄嗟に兵士が制止する。

スリョン「退きなさい!」

「下がっておれ」領相は兵士たちに退室を命じた。

二人になると、スリョンは小さく頭を下げる。「お父様に確かめることがあります」

領相「確かめる?」
スリョン「お父様が本当に望んでおられるのは何ですか。殿下を立ち直らせようとなさっているのか、それとも、お父様のご意志を新たに立てようとなさっているのか!」
領相「お前が口を出すことではない」
スリョン「月光大君をどうなさるおつもりですか」
領相「月光とお前には最初から縁がなかったのだ。朝廷のことに口を挟むな」
スリョン「お父様!」
領相「もう出て行け!」

スリョンはそれでも食い下がる。

スリョン「お父様が挙兵なさろうと摂政をなさろうと、私は構いません。ですが、万が一、大君を害するようなことがあれば、私は親子の縁を切ります」
領相「何と?お前のその態度が大君をさらに危険に追い込んでいるとなぜ分からぬ!」

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「…。」スリョンは大きな目で父を睨みつけると、踵を返した。

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「大妃媽媽が気掛かりで、訪ねて参りました」会いに来たスリョンの前で、大妃は苦々しい表情を隠せずにいた。

大妃「宮中が乱れていて、心が鎮まらないわね」
スリョン「父のためにご心配をお掛けし、申し訳ありません」
大妃「あなたに何の非があるの。月光がどうしているか… それが心配だわ」
スリョン「媽媽、大君に伝えることがあれば、おっしゃってください。私がお伝えします」

「有り難いわ」大妃は顔をほころばせる。

スリョン「…。」

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屋敷の庭で一人、考えに耽るリンを、トハとランイはそっと遠くから見つめた。

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到底声を掛けることも出来ず、トハはランイと庭の階段に腰を下ろす。

トハ「大君、心配事が多いみたい」
ランイ「子どもの頃からそうだった。心配事が出来るたびに、解決しようとして、あんなふうに佇んでたの」

「子どもの頃?」トハが不思議そうにランイを見る。

トハ「どうして大君の子どもの頃を知ってるの?」

ランイはニッコリ微笑み、トハの手首に視線を落とす。
そこには、トハの鈴輪と共に、リンの母が先代王に託した赤い椿の帯が巻いてあった。

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ランイ「リンがくれたの?」
トハ「…うん」
ランイ「大切な物をあげたってことは、あんたのこと本当に大事に思ってるんだね」
トハ「?」
ランイ「リンが寂しくないように、そばでしっかり面倒を見てあげてくれる?…トハ」
トハ「ランイ… あなたまさか!」

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ランイは澄ました顔で立ち上がり、どこかへ去って行った。

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スリョンがリンを訪ねていた。

スリョン「大妃媽媽にお会いして来ました」
リン「御祖母媽媽は…お変わりなく?」
スリョン「お元気でいらっしゃいます。大妃媽媽が今夜、人目を忍んで来てほしいとのことです。大妃殿の裏門を開けておくと」
リン「!」
スリョン「父のために大君がお怒りなのはよく分かっています。でも、父と私は違います」

「もうスリョン嬢には本心を話したはずです」リンは視線を逸らしたまま、そう言った。

スリョン「これ以上朝鮮に留まれば、危険になるばかりです。もう少しすれば梅蘭房の商団が大国へ向かいますので、大君がいらっしゃるなら、私もついて行きます」

危険が迫っているのは事実だ。
リンは即座に断ることも出来ず、苦渋の表情を浮かべた。

+-+-+-+

リンの部屋を出たスリョンは、庭でトハと出くわす。

スリョン「あなたがなぜここに?」
トハ「…。」
スリョン「あなたがそばにいれば、大君が余計に辛くなると分からないの?!」
トハ「私だって大君の元を去ろうとしました。でも、それが本当に大君のためになることじゃないって、気づいたんです」
スリョン「何ですって?大君のためだなんて、口で言うだけなら何も難しいことじゃないわ」
トハ「…。」
スリョン「本当に大君のためを思うなら、今すぐ大君のそばを離れなさい。あなたへの最後の頼みよ」

言葉を失うトハを冷たく睨み、スリョンは去って行った。

+-+-+-+

ここで一旦区切ります。

前もそうでしたけど、リンの屋敷の庭でランイが出てくるシーン、お天気がよくてものすごく素敵。
ランイの顔が透き通るように綺麗で、つい見とれました。
あのシーンで「いったん区切ります」にしたかったわ。

それにしても、領相にせよサダムにせよ、このドラマは悪役の安定感が素晴らしいですね。
今回特に、領相役のイ・ジェヨンさんの表情は、ワンショットでずっと映っていても全く飽きさせず画面が持つし、かといって演技が大袈裟じゃなくてさりげない。
さすがです。

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