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トライアングル10話あらすじ&日本語訳vol.2

   

ジェジュン、イ・ボムス、イム・シワン、ペク‥チニ出演「トライアングル」10話の後半に進みます。

+-+-+-+

ピルサンはユン会長の部屋を訪れていた。

ピルサン「ヤンハに権限を与えすぎではないでしょうか。役員から随分不満の声が上がっています」
ユン会長「役員たちの動揺を煽っているのは君だと言うじゃないか」
ピルサン「はい?」
ユン会長「今回、カジノにいる君の配下たちをヤンハが全て追い出したと報告を受けた。そのせいでヤンハを牽制しているのか?」
ピルサン「誤解です、会長」
ユン会長「私はまだ君の能力を信じる。私の信頼をくだらないことに使うな。私にしたように、ヤンハをしっかり助けるんだ。それが君のすべきことだ」
ピルサン「…。」

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「調べはつきましたか?」ヤンハが静かに身を乗り出した。
彼の前でキム常務が「はい」と答える。

キム常務「チャン・ドンス氏について調査したファイルです」

差し出されたファイルをヤンハが受け取った。

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#↑ほら、一番下に君の名前が書いてあるよ!”チャン・ドンウ”って!

キム常務「チャン・ドンス氏は舎北出身で、父親はドンジン炭座の鉱夫でしたが、事故で亡くなっています。当時、父親は労働組合長だったそうです」
ヤンハ「!…労働組合長と?!」
キム常務「はい。チャン・ジョングクと言いまして、ストライキを起こして会長を困らせていた人物です」
ヤンハ「…。」
キム常務「どうなさいました?」
ヤンハ「いえ。下がって結構です」

キム常務が席を立つ。
ヤンハの中で離れていた点と点が繋がった。あの日、コ・ボクテが父を責めていた話が鮮やかに蘇る。

コ・ボクテ「私は会長のために、この手を血に染めた男です。会長の命令で殺したチャン・ジョングクを、まさかお忘れじゃないでしょうね」
コ・ボクテ「殺人教唆で繋がった私たちの因縁は、会長が一方的に断ち切れるものじゃありませんよ」

ヤンハ「…。」

コ・ボクテを排除するために迎え入れた男は、自分たちの敵でもあった。
ヤンハは深く考えに耽る。

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ジョンヒは同期の新人ディーラーたちと休憩時間を過ごしていた。

ディーラー1「VIPルームにはガラの悪いお客様は少ないんでしょう?一般ラウンジは酷いんですよ。お客様同士で喧嘩はするし、ディーラーに文句言うし」
ジョンヒ「表面的には礼儀正しい振りをしてるけど、こっちだって同じですよ。負けて喜ぶ人はいないでしょう?」
ディーラー2「ところで、ジョンヒさんはどうしてVIPルームに配属されたの?」
ディーラー3「噂では本部長のコネだって。本部長と親しいんですか?」

「あぁ…」答えに窮し、ジョンヒは困って俯いた。
そこへ誰かに名を呼ばれ、彼女は振り返る。
ジュノだ。
彼女は席を立つと、ジュノの袖を引っ張った。

ジョンヒ「あんたのお陰で助かったよ」
ジュノ「何で?」
ジョンヒ「あの子たちがくだらないこと言うから」

「頼んでたことは?」ジョンヒが尋ねる。

ジュノ「あの日、ホ・ヨンダルがイカサマをやるんじゃないかって、監視カメラの検証までしてたらしい」
ジョンヒ「それじゃ、私まで疑われてたの?」
ジュノ「いや、そういうわけじゃないよ」
ジョンヒ「検証結果は?」
ジュノ「イカサマの痕跡は見つからなかった」

「分かった。ありがとう」ジョンヒは頷いた。

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薄暗い自宅で、シネは憂鬱だった。
父の顔が頭から離れなかったのだ。

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#この椅子、素敵♪

 

~~シネは誕生日の父を家へ招待していた~~

父「離婚って…?突然どういうことなんだ?」
シネ「突然じゃないわ。私、ピルサンさんと別居して2年になるんです」
父「シネ!」
シネ「すみません」
父「一体何が理由なんだ?」
シネ「私、彼を愛してはいません」

「愛…」父は溜息をついた。

父「全ての夫婦が愛のために生きているわけじゃない」
シネ「…。」
父「一度結んだ縁。それを守るために、辛いことがあってもお互い力を合わせて生きるのが結婚なんだ」

「誤った縁なんです」シネは落ち着いていた。

シネ「私は最初からそう思っていました」
父「私のためだったのか?」

シネは何も言わず俯く。

父「私のために、望みもしない結婚をしたのか?」
シネ「…。」
父「否定しないということは、そうなんだな」

「そうだ」父は納得したように小さく頷く。

父「お前はずっとドンスのことが好きだった」
シネ「…。」
父「それでもな、お前は出来の悪い父親に苦労ばかりしたんだから、学歴がなくて一生刑事で終わるドンスより、ヒョン君のように家柄が良くて能力のある人を亭主にしてやりたかった」
シネ「私にとって、一番能力があって尊敬出来る人はお父さんでした。ドンスさんの学力と職業だって、劣っているなんて一度も思ったことはないわ」
父「…。」
シネ「これ以上、自分自身に嘘をついて生きたくないんです」
父「…。」

~~~~

シネ「…。」

シネの携帯が鳴る。

シネ(電話)「どうしたの?」

「今、ちょっと会えますか?」電話の向こうからヤンハの声が聴こえる。

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ドンスは料理屋を覗いた。

ドンス「おばさん!」

「チャン班長!」馴染みの料理屋の女主人パ・ジュテが顔を輝かせると、ドンスは穏やかに笑いかけた。

ドンス「なかなか来られずにすみません」

「これを」彼は祝いの花を差し出す。
彼女は小奇麗な店を新しくオープンしたのだ。

女主人「もう、こんなものを!チャン班長の事情はわかってるのに、こうやって来てくれるだけで感激なのよ!」

「班長!」奥のテーブルにいたタク刑事が立ち上がって笑顔を見せる。
ドンスがやってくると、彼のスーツ姿にタク刑事は感嘆の声を上げた。

タク刑事「班長、すっかり出世しましたね。カジノ業界は潤ってるなぁ」

ドンスは席につき、さっそくグラスに酒をついだ。

タク刑事「いっそのこと辞表を出して、班長の部下になろうかな」
ドンス「馬鹿か」
タク刑事「はっはっはっ」

ドンスは懐から封筒を出すと、タク刑事の前に無造作に置く。

タク刑事「何です?」
ドンス「お前、家賃払えないんだろ。嫁さんに渡してやれ」
タク刑事「…。兄貴」
ドンス「それからな、絶対に良からぬことを考えるなよ。お前、コ・ボクテのレーダーに全部キャッチされてんだ」
タク刑事「…すみません」
ドンス「もういい。頼んでたことはどうなった?」

「あぁ、それですが…」タク刑事が話し始める。

タク刑事「テジョンカジノの大株主にイ・ヒョングンという人物がいるんですが、コ・ボクテに脅迫されているようです」
ドンス「何でだ?」
タク刑事「カジノの持ち株を渡せってね」
ドンス「…。」
タク刑事「自分たちが動けば阻止できそうです」
ドンス「いや、俺が何とかするから放っておけ」
タク刑事「…。」
ドンス「それで、調べてくれと言った件は?」

「見つけました」タク刑事が短く答える。
「…。」ドンスが息をつく。

ドンス「どこにいる?」
タク刑事「ヨンイの方にお住いです」
ドンス「直接会ったのか?」
タク刑事「えぇ」
ドンス「どんな様子だ?」
タク刑事「いや、それが…」

タク刑事は何か言いたいのを堪え、酒の瓶に手を延ばした。

ドンス「どうした?」
タク刑事「…。」
ドンス「大丈夫だ。話してくれ」

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料理を持って女主人が厨房から出てくると、ちょうどタク刑事が立ち上がった。

女主人「何?食べないで帰るの?」
タク刑事「戻らなきゃいけないので」

タク刑事はドンスを残し、店を後にする。
ドンスはテーブルにもたれかかり、やるせない溜息をついた。

女主人「何かあったの?顔色が悪いよ」
ドンス「…母が見つかったそうです」
女主人「!…チャン班長と弟たちを捨てて逃げたっていう?どこにいるって?」

ドンスはグラスに酒を注ぎ足すと、ぐいと飲み干した。

ドンス「…。」

+-+-+-+

「食事は済んだの?」ヤンハを家の中へ案内しながらシネが尋ねる。

ヤンハ「はい」
シネ「コーヒー淹れようか?」
ヤンハ「酒をください」

二人はソファに並んで座り、ヤンハは酒を、シネはコーヒーを一口すすった。

ヤンハ「チャン・ドンスさんのこと、父に紹介してくださいましたよね?」
シネ「うん」
ヤンハ「どんな人なんです?」

「どんな人って」シネは笑った。

シネ「ドンスさんの身上については、もうテジョングループで十分把握してるはずよ」
ヤンハ「コ・ボクテ会長に随分執着していますが、なぜだかご存知です?」
シネ「そうね…。ドンスさんが新人刑事のとき、同期が二人、コ・ボクテ会長のせいで死んだって聞いたわ。私が知ってるのはそれで全部だけど、気になるなら直接聞いたら?」
ヤンハ「…。」
シネ「何か問題でもあるの?」
ヤンハ「いえ、気になっただけで」
シネ「…。」

+-+-+-+

「チャン・ドンスがチャン・ジョングクの息子なのか?」ヤンハはすぐに父の耳に入れた。

ヤンハ「はい」
ユン会長「…。」
ヤンハ「チャン・ドンスさんが父親の死にまつわる秘密を知っているかどうか、それを知って意図的にテジョングループに入ったのか、それはまだ分かっていません」
ユン会長「…。」
ヤンハ「いずれにしても、いつか災いの元になりますから、前もって備えておいたほうがいいでそう」

ユン会長は深く息をつく。

ユン会長「危険な敵ほど近くに置いたほうがいい。近くに置いて対処するのが一番賢明だ」
ヤンハ「はい、そうします」

+-+-+-+

ヨンダルが離れの部屋から出てくると、ちょうどピョンスも母屋から出てくる。

ヨンダル「学校か?」
ピョンス「はい」
ヨンダル「お姉さん、出勤したか?」
ピョンス「はい。何で訊くんですか?」

「お前な」ヨンダルはピョンスの髪をグシャグシャと撫でる。

ヨンダル「訊いちゃ悪いか」
ピョンス「お兄さんは出勤しないんですか?職業は何?」
ヨンダル「俺?」

「何て言えばいいのかな?」ヨンダルは素で考える。

ピョンス「僕、知ってるよ」
ヨンダル「何だよ?」
ピョンス「チンピラ」
ヨンダル「何?誰がそんなこと言った?」
ピョンス「皆だよ。皆言ってる」
ヨンダル「お前、お姉さんにそんなこと言っちゃダメだぞ」
ピョンス「お姉ちゃんだって知ってますよ」
ヨンダル「…。」

何も言えないヨンダルの前を、ピョンスは学校へと駆け出していった。

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「練習じゃ上手くいくんだがなぁ」ギャンブルに行けないヤン社長は、事務所のテーブルでバカラごっこに熱中していた。
そこへジャンスが口笛を吹いてやって来る。

ジャンス「またぁ、何やってんすか、親父」
ヤン社長「いいところに来たな。ここんとこ舎北じゅうに広がってる噂の真相は一体何だ?」
ジャンス「(ニヤニヤ)」
ヤン社長「ヨンダルのヤツがVIPルームで数10億稼いだってのはホントか?」
ジャンス「はぁ、噂を信じちゃってさ」
ヤン社長「デマってことか?」
ジャンス「デマじゃないですけどね、だからって全部ホントってわけじゃ…」
ヤン社長「こいつ、一体いくら勝ったんだよ?言ってみろ」

「はぁ、言っちゃダメなんだけどな」ジャンスは父の耳元に顔を寄せると、囁いた。
聞くなり、ヤン社長は息子の腕をピシャリとはたく。

ヤン社長「一晩でそんなに勝てるわけないだろ。お前ら、またイカサマやったんじゃないのか?」
ジャンス「やってないって!堂々とやって勝ったんだから!」
ヤン社長「そうか?ホ・ヨンダルのヤツ、とうとう大当たりを引いたな。一晩で強運をいくつも引き寄せたんだ」

「いやぁ、ホ・ヨンダル。かっこいいぞ」親友を褒めちぎる父親に、ジャンスも笑顔が溢れる。

ヤン社長「やはり俺は人を見る目があるんだ」
ジャンス「ずっとヨンダルのことバカにしてたでしょ、親父は」
ヤン社長「こいつ、ホントにバカにしてたら自分の下に置いたりするか?辛く当たったのは、あいつを思ってのことだ」

「言い訳しちゃって」ジャンスは愉快に笑った。

ジャンス「OK、俺からヨンダルによく言っておきますよ。俺の親父だから許してくれるさ」
ヤン社長「あぁ、ヨンダルによく言ってくれ」

ニヤリと笑うと、ヤン社長はまた息子の腕を叩く。

ヤン社長「父親に言う台詞か?!」

+-+-+-+

ヨンダルはまだ部屋にいた。
一人で居ると、ジョンヒのことが自然と思い出される。

ジョンヒ「私、ホ・ヨンダルさんより優れてることなんて一つもありません。学校では勉強の出来ない問題児だったし、地元出身者の優遇制度でどうにか就職したんです」
ヨンダル「…。」
ジョンヒ「両親もいないし、祖母と弟たちを養わなきゃいけない苦しい状況で」

「だから、私に対して恥ずかしいなんて思わないでください」そう言ってジョンヒは微笑んだのだった。

彼は携帯を手に取り、彼女のメールを眺める。

ジョンヒ(メール)「私、賭博が怖いです。大金が行き来するゲームを、他でもないホ・ヨンダルさんがやっているのが、なぜか不安でした。私、ホ・ヨンダルさんには賭博に人生を賭けてほしくないんです」

「…。」ヨンダルはコ・ボクテの言葉を思い出す。

~~ヨンダルがコ・ボクテの元を訪れたときのこと~~

コ・ボクテ「お前のことはチャン・ドンスを捕らえる猟犬だと思っていた。だが、今回は正直お前を見直した」
ヨンダル「…。」
コ・ボクテ「お前は俺の部下に相応しい」
ヨンダル「…。」
コ・ボクテ「昔、舎北でクズだと言われ、チンピラとして生きながら、いつかは成功してやるともがいていた自分を見ているようだ」
ヨンダル「…。」
コ・ボクテ「ホ・ヨンダル」
ヨンダル「はい、会長」

「いや」コ・ボクテは身を乗り出す。

コ・ボクテ「もう”兄貴”と呼んでもいいぞ」
ヨンダル「…。」
コ・ボクテ「ヨンダル」
ヨンダル「はい、兄貴」

「はははっ」コ・ボクテは満足気に笑う。

コ・ボクテ「お前は今から俺の部下だ」

頷くヨンダルに、コ・ボクテは再び高らかに笑った。

~~~~

ヨンダル「…。」

そこへ扉が開き、ヨンダルの部屋にジャンスが入ってくる。

ジャンス「おい、街ん中は大騒ぎだぞ」
ヨンダル「…。」
ジャンス「VIPルーム事件の噂が広まって、会う人会う人お前の話ばっかだ。お前、すっかり舎北のスターだ!」
ヨンダル「何がスターだよ。そんなもん知るか。ジェリーから連絡ないのか?」
ジャンス「ジェリーがどうかしたか?」

「兄貴、俺だよ」扉の向こうで小さな声がした。

ヨンダル「あぁ、入れよ」

扉が開き、ジェリーが息を乱して入ってくる。

ヨンダル「調べてみたか?」
ジェリー「あぁ、兄貴の思った通りだ」

ジェリーは小型カメラを取り出す。

ジェリー「俺たちの部屋に隠してあったぞ」
ジャンス「何だ?こりゃ。隠しカメラじゃないか!」
ジェリー「あぁ」

ヨンダルが慎重に口を開く。

ヨンダル「カジノが俺たちの計画をなぜ知っていたか、考えてみろ」
二人「…。」
ヨンダル「俺たちの計画を知っていたのは俺たち3人。それにミン社長とヒョンタク兄貴だけだ。けど、ミン社長とヒョンタク兄貴は俺たちの計画を漏らすはずがないし」
ジャンス「それじゃ…チャンマダムとマンガンだってことか?」
ヨンダル「ああ。あいつらが知ってたんだ」

+-+-+-+

ヨンダルたちはさっそく私設カジノに乗り込んだ。
「さぁ、家族の元へ帰る時間ですよ~!」入るなりジャンスが手を叩くと、客を無理やり全て帰らせる。
スタッフの一人がチャンマダムを呼びに走った。

客がいなくなった賭博場に、チャンマダムたちが出てくる。

マンガン「何だ?お客を追い出すとは何様だ!!!」

ヨンダルがゆっくりと立ち上がると、何も言わずいきなりマンガンを殴り飛ばした。
驚いたキム女史が悲鳴を上げる。

チャンマダム「何してんのさ!」
ヨンダル「理由はお前らの方がよく知ってるはずだ」
チャンマダム「!」

「おい、姐さん」ヨンダルはマンガンに寄り添うキム女史に視線を移した。

ヨンダル「俺を潰そうとしたのか?」
キム女史「ヨンダル!」
ヨンダル「俺がクズだってよく分かってんだろ。そんな俺に手を出した自分もクズだって分かんねーのか?」
キム女史「…。」
ヨンダル「今度つまんねーこと企てたら、ここは営業できなくなると思え」

「行くぞ」ヨンダルが背を向ける。

マダムたちに重苦しい空気が広がった。

118

#今日のマダムは髪をセットする時間があまりなかった模様^^

+-+-+-+

ヤンハはじっと考えていた。
コ・ボクテと父について、ドンスがどれだけ知っているのか、知っていてテジョングループに入ってきたのか。
そして、自分はどう対処すべきなのか。

そこへ、慌てた様子でスジョンが入ってくる。

スジョン「コ・ボクテ会長って知ってるよね?」
ヤンハ「あぁ」
スジョン「その人が父を脅迫してるらしいの。テジョンカジノの持ち株を渡せって」
ヤンハ「…。」
スジョン「どうしよう…」
ヤンハ「俺が処理するから、心配なさらないように言ってくれ」

+-+-+-+

ヨンダルはミン社長の事務所へやって来る。

ミン社長「ソウルでコ会長に会ってきたそうね」
ヨンダル「はい」
ミン社長「何て?」
ヨンダル「俺のこと猟犬だと思ってたけど、これからは自分の部下だと」

嬉しそうなヨンダルに、ミン社長がフッと笑う。

ミン社長「信じるの?」
ヨンダル「…。」
ミン社長「ヤクザに義理を求めるほど愚かなことはないわ」
ヨンダル「…。」
ミン社長「もう一度言っておくけど、コ会長はいくら事業家の振りをしても天性のヤクザよ」
ヨンダル「…。」
ミン社長「あの人に決して人生を賭けないで」
ヨンダル「…。」

119

+-+-+-+

その頃、ヤンハはコ・ボクテに直接会いに出向いていた。

コ・ボクテ「チャン・ドンスをテジョングループの番犬にするとはな」

コ・ボクテは妙な展開に笑った。

コ・ボクテ「あいつがテジョングループを守れると思うか?」
ヤンハ「ひょっとしてチャン・ドンス氏の過去をご存知ですか?」
コ・ボクテ「俺があいつの過去を知ってどうする?」
ヤンハ「チャン・ドンス氏はコ会長が殺したチャン・ジョングクの息子です」
側近「!!!」

コ・ボクテが大きく目を見開き、身を乗り出した。

コ・ボクテ「何だと?」
側近「…。」
コ・ボクテ「それは本当か?」
ヤンハ「はい」
コ・ボクテ「…。」
側近「チャン・ドンスは父親がなぜ死んだのか知っているんですか?」
ヤンハ「それは僕にも分かりません」
側近「…。」

コ・ボクテと側近は深刻な表情で目を見合わせる。

120

ヤンハ「今、首にナイフを突きつけている敵がいるのに、コ会長と我々が争うことはないと思いますが、いかがです?」
コ・ボクテ「…。」
ヤンハ「一つ提案をしましょう。コ会長が我々の手を取ってくださるなら、テジョンカジノの持ち株はもちろん、永宗島の複合リゾート事業に参加するチャンスも差し上げましょう」
コ・ボクテ「!」
側近「…。」
ヤンハ「テジョンカジノの持ち株を手に入れようと、株主たちを脅しているようですが、そんなことはおやめください。容易い方法があるのに、なぜ無茶を?」
コ・ボクテ「君の手を取れば、それでいいのか?」
ヤンハ「えぇ。他に条件はありません。ごく簡単な頼みを一つ、聞いてくだされば結構です」

「何だ?」コ・ボクテは小さく笑う。
ヤンハの顔から微笑が消えた。

ヤンハ「ホ・ヨンダルを処理してください」
コ・ボクテ「!」
ヤンハ「牢屋に閉じ込めていただければ」

ヤンハの意外な提案に、コ・ボクテは口を固く結んだ。

+-+-+-+

ジャンスとジェリーは営業中の私設カジノのテーブルを監視して回っていた。
堂々とのさばる彼らに、チャンマダムとマンガンは不快感を露わにする。

マンガン「あいつらの顔、ずっと見てなっきゃいけないのか?」
マダム「見なかったらどうだってのさ?」
マンガン「ボスは何やってんだ?あんなヤツらに勝手な真似させて」
マダム「追い出す策を立ててるところよ。待ってなさい」

ヨンダルがやって来ると、好調な売上にジャンスたちは上機嫌だ。

ジェリー「ホールデムのテーブルにカモがいるぞ。一発やるか?」
ヨンダル「カモを相手にしてどーすんだ。好きにさせておけよ」

そこへ大声を上げて誰かが入ってくる。

男「取締りだ!!!」

場内がにわかに騒がしくなった。

ジャンス「警察だ!どうしよう!!!」
ヨンダル「とにかく出るぞ」

彼らが走りだしたところへ、正面のドアから警察が踏み込んでくる。
反対側の出口も同時に塞がれた。

ヨンダルたちはそれ以上為す術もなく立ちすくんだ。
「手錠をかけて連行しろ」指揮をとるクク刑事の合図に、警官たちが一斉に動く。

クク刑事「ヨンダル、お前ってやつは」

ヨンダルの腕にクク刑事が手錠を掛けた。

ヨンダル「…。」

+-+-+-+

ミン社長の事務所にヒョンタクが駆け込んでくる。

ヒョンタク「姐さん、ヨンダルが警察に連行されました」
ミン社長「なぜ?」
ヒョンタク「警察が私設カジノに踏み込んだようです。ヨンダルがあそこを引き受けたから、オーナーと見做されたんですよ」

ミン社長はムッとして手に持っていたペンを放り出し、電話を手に取った。

ミン社長(電話)「私です。ヨンダルが拘束されました。会長のお力が必要なんです」

電話の向こうから聞こえてきたのは、信じられない言葉だった。

コ・ボクテ(電話)「牢屋で腐らせておけ」
ミン社長「え?」
コ・ボクテ「忙しいから切るぞ」

一方的に電話が切れる。

ミン社長「このチンピラが!」

#頑張れ、ミン社長♥(←こっちも好き:笑

+-+-+-+

警察署の檻の中で、ヨンダルたち、それにマンガンとチャンマダムは、勢揃いでうなだれていた。
事態はただただ絶望的で、誰も何も言葉を発しない。

クク刑事の指示を受けた若い刑事が、チャンマダムとマンガンを外へ出した。

ジャンス「何だよ?何であいつらだけ出るんだ?」
ジェリー「兄貴!俺たちどうなるんだよ?!」
ヨンダル「心配すんな。コ・ボクテ会長が出してくれるはずだ」
ジャンス「そうだよな!」

ヨンダルは静かに待った。

+-+-+-+

ヤンハの携帯が鳴る。

ヤンハ(電話)「分かりました」

ヤンハは短い報告を受け、電話を切った。
静かに立ち上がると、窓辺に向かう。
ブラインド越しの柔らかな陽光を前に、彼はひそかにほくそ笑んだ。

121

+-+-+-+

「ジョンヒ!」廊下を歩いていたジョンヒは、ジュノに呼び止められた。

ジュノ「聞いたか?」
ジョンヒ「何を?」
ジュノ「ホ・ヨンダルが警察に捕まったらしい」
ジョンヒ「え?!」

廊下の角から出てきたヤンハは、驚いて絶句するジョンヒの横顔をそっと見つめた。

ヤンハ「…。」

122

+-+-+-+

「ホ・ヨンダル」自分を呼ぶ声に、ヨンダルは顔を上げた。
クク刑事が手招きをする。

立ち上がると、彼は柵越しにクク刑事のそばへ向かった。
「これで出られるのかな?」ジャンスたちが期待を膨らませる。

クク刑事「お前、私設カジノを引き受けたらしいな」
ヨンダル「…。」

123

ヨンダルは顔を近づける。

ヨンダル「どうなるんです?」
クク刑事「お前、戻れないぞ。検察に送致されて、刑務所行きだ」
ヨンダル「!!!」

+-+-+-+

ここでエンディングです。

いやぁ…。
ヤンハがヨンダルへの私的な恨みでここまでやるかなぁって、正直かなり引いてしまいますね。
単身コ・ボクテ側へ乗り込んで、こんな交渉が出来る器だってこともピンと来ず、すぐ父親の耳に入れてしまったのもちょっと拍子抜けです(笑)

まぁ、これでヨンダルがコ・ボクテと手を切って、また新しい展開になるんじゃないかと、そこは期待できそうですが。

ドンスの復讐心もヨンダル自身には関係がなかったし、これまでただ野心のみのどっちつかず状態で走ってきたヨンダルに、
そろそろ「彼の立場」ってものが出来るんでしょうか。

9話、10話ととにかくヨンダルが綺麗で、ひたすら目の保養になった週でした♪

今回も長文にお付き合いいただき、ありがとうございます。
たくさんの方が翻訳を楽しんでくださって嬉しいです^^

 - トライアングル ,

Comment

  1. nyaoko より:

    いつもありがとうございますm(__)m
    毎回楽しみに読ませていただいてます。
    これからもよろしくお願いしますm(__)m

  2. satsuki より:

    私の唯一の楽しみです♪
    いつも心より感謝しています。本当にありがとうございます。

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