韓国ドラマから美しい言葉を学ぼう

韓国ドラマのあらすじや詳細日本語訳を紹介!プロデューサー/SPY/夜警日誌/トライアングル/主君の太陽など

主君の太陽11話あらすじ&日本語訳 vol.1

      2013/10/01

ゴミ箱の蓋もクルクル弾んじゃうワクワクいっぱいの王国。
そんなキングダムが舞台の「主君の太陽」11話です。

1613

早速~

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「テ嬢、俺はお前を愛してるようだ」

思いがけない言葉に、テ嬢は言葉を失った。

チュ君「さぁどうする?」
テ嬢「…。結婚するとか、キャンディーになれとか言ってたのに、今度は愛してるって?からかってるんですか?」
チュ君「高い結婚を破談にし、手足が縮みそうなセリフまで飛ばして連れて来たのが、からかってるように見えるのか?」
テ嬢「社長、怖い顔してどうしちゃったんですか?」
チュ君「初めてお前が幽霊を見たって飛びかかってきたとき、俺だってふざけてると思ったし、怖いとも思った。お前がそう感じるのは分かる」
テ嬢「…。」
チュ君「だが俺は受け入れたろう。お前も受け入れろ」
テ嬢「(キョトン)受け入れたら何か…変わるんですか?」
チュ君「どう言えばいいかわからないが、例を一つ挙げてやろう」
テ嬢「(頷く)」
チュ君「今後お前が”手を握って眠ろう”と言ったら、俺はいくらだって楽しめる」
テ嬢「私が触れないように、わざと言ってるんですか?」
チュ君「…。」
テ嬢「社長のことしつこく触るのは、楽しみたいからじゃないですよ。必要に迫られてどうしようもなく触ってるって、ご存知でしょう?」
チュ君「お前にはハッキリした理由があるだろう。だがな、俺には理由がなくなった。計算に合わなくなったのに、なぜそんなことしてるのか疑問に思ってたんだが…」
テ嬢「…。」
チュ君「お前のことが…(俯く)好きになったからだった」
テ嬢「!(ようやく驚く)」
チュ君「俺の勝手で振り回すことになるから、結婚を盾にしてみようともしたし、計算できるようキャンディーにしてみようともしたが、お前は嫌だと言ったろ」
テ嬢「…。」
チュ君「俺なりに最善は尽くした。もう心のままにやる」
テ嬢「…。」
チュ君「振り回されれずに耐えるのが、今からお前の役目だ。持ち堪えてみろ」
テ嬢「理解できないわ。私のこと好きなら、”耐えろ”じゃなくて、自分の方へなびけって言うべきじゃないですか?」
チュ君「これがお前一人落とそうとする甘い告白に見えるか?(首を横に振る)落とそうとしてもなびくなという”苦い警告”だ」
テ嬢「なびいちゃ駄目なら口説かないでください!」

「待ってくださいよ。今真面目な話してるんですから!」テ嬢はわずらわしそうに後ろにいる幽霊に文句を言う。
「後で来てくださいよ!」チュ君は驚きもせず、じっとそれを待った。

テ嬢「つまり、俺はお前が好きだけど、お前は俺のこと好きになるな、そういう話…」
チュ君「(うんうん)」
テ嬢「(後ろの幽霊に)待ってくださいってば!今その…キャッ!」

その瞬間、伸びてきた手がテ嬢のクルリと抱き寄せた。

テ嬢「!…。」
チュ君「離れてる間も会いたかった。心配もしたし。電話しようか…携帯を見つめているのが情けなくて、電源を切ってた」
テ嬢「そんなこと言って私どうしたら…」

抱きしめていた彼女を離す。

チュ君「こういうことに耐えろと言ってるんだ。お前は断言したろ、大丈夫だって」
テ嬢「…。」
チュ君「俺は信じる」

彼女は身体から力が抜けたように後ずさった。
チュ君が笑顔で彼女の手をn握る。

チュ君「ふむ。吐き出したらスッキリしたな。行くぞ」(←ゲラゲラ
テ嬢「…。」

#チュ君はスッキリしたらしいが、私はこの時点でクタクタ

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カン・ウとイリョンはまだそこにいた。

イリョン「テ・ゴンシルにとってチュ社長はこの世に一人しかいない特別な人だって。自分でそう言ったわ」
カン・ウ「…。」
イリョン「チュ社長は結婚まで破棄してあの子を迎えに来た。あんたの入り込む余地はないわ」
カン・ウ「そうだな」
イリョン「分かってるなら、もうあの子のこと見てちゃダメよ!
カン・ウ「それは俺の問題だ。お前も分かったならもう俺のこと追い回すな」
イリョン「…。」
カン・ウ「退屈でちょっかい出してくるんだと思って気にしなかったけど、本気なんだったらもうやめろ」
イリョン「私、本気なんじゃないわ!私、テレビでもドキュメントはやらないの。娯楽だけよ。あんたのこと追い回すの、バラエティでランニングマン(※韓国のバラエティ番組)撮ってるみたいだったわ」
カン・ウ「…。」
イリョン「あんたに言われてやめるんじゃなくて、私が飽き飽きしてやめるのよ!」
カン・ウ「それは良かった。中に友だちがいるんだろ。入れよ」

カン・ウは彼女を残して歩き出した。

イリョン「…ユ・ジェソクだって ”出てくれてありがとう、また出てくれ” って言ったのに、何様のつもりでやめろなんて…?」

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手を繋いで歩くチュ君とテ嬢。
テ嬢はよく理解できないチュ君の気持ちを一生懸命考えていた。

テ嬢「私がやたらと触るもんだから、(?)」
チュ君「そんなことでお前を迎えに来たりはしない。もちろんお前は人並み外れた第六感を発してるがな、その六感とは違う」
テ嬢「…。」
チュ君「いずれにしてもお前の発するテレパシーに俺がなびいたのは確かだな」
テ嬢「(やっと理解)そしたら私たち、こうやって手を繋いでデートしてるんですか?今」
チュ君「どこか行きたいところあるか?」
テ嬢「行きたいところはたくさんあるけど、夜はちょっと怖いし…と思ったけど、こうやって手を握ってれば、どこにでも行けるわ!」
チュ君「俺はそういう男だ、お前にとってな」
テ嬢「社長の手を握ってれば、夜店にも行けるし、深夜映画も観に行けるし、夜景だって観に行けそう!私、前に高いところへ夜景を観に行ったら、ウロウロしてるオバケたちがみんな私についてきて、ちっとも観られずに出て来たんです」
チュ君「高い所が好きなら明日飛行機でも飛ばして空から見物するか?」
テ嬢「どこにでも、私と一緒に行ってくれるんですか?」
チュ君「今日はピッタリくっついててやる。俺が楽しんでるから」
テ嬢「(嬉々)えーと、それじゃどこ行こうかな?南大門にしようかな、東大門?海に行こうかな?どうしよう!」

握った彼の手を頬に押し付け、嬉しい悩みに浸るテ嬢。
そこへ、チュ君の携帯が鳴った。

チュ君「えぇ、キム室長。えぇ。分かりました」

短い電話を切る。

テ嬢「社長、私、決めました!」
チュ君「今日は俺の行く所へ一緒に行こう」(←感動。一人で帰れって言わないんだー♥
テ嬢「どこに?」
チュ君「きっとこの国で一番金持ちの集まる席になる」

顔を輝かせるテ嬢の服装を、チュ君はもう一度確認した。

チュ君「まず服を買いに行こう。高級な黒い服にな」
テ嬢「♥♥♥」

+-+-+-+

黒ずくめになった二人が立っていたのは、葬儀場だった。

チュ君「ジャイアントグループの会長が亡くなった。喪主はジャイアントモールの社長だ」
テ嬢「(溜め息)私をここに連れて来るのに、”愛してる”とまで言わなくてもよかったのに」
チュ君「…。タイミングが狂っただけだ」
テ嬢「信じません。レーダー起動しますから」

+-+-+-+

街角のテレビでもジャイアントグループ会長死去のニュースが報じられていた。
弔問を済ませた叔母・副社長夫婦は、故人について話す。

副社長「イ会長は最後に夫人や息子をみんな追い払って、別荘で愛人と過ごしたらしいよ」
叔母「家族的でクリーンだと評判だった人が、土壇場に大きく裏切って逝ったのね」
副社長「葬儀場にその女が現れるんじゃないかって、みんな超緊張してるようだな」
叔母「息子さん、どんなにショックを受けたのか、泣いてもいなかったわ」

+-+-+-+

チュ君とテ嬢は並んで葬儀場に入った。

チュ君「あの人がジャイアントモールの社長だ」

弔問客を迎えるその人物の顔に、テ嬢が「うわぁ」と声を上げる。

#ストーリー上、重要人物だとずっと気になってたジャイアントモールの社長がこんな登場とは…。

チュ君「どうした?何か見えるのか?」
テ嬢「イケメンだわっ」
チュ君「!」
テ嬢「社長があんまり悪口言うから、卑劣であざとい顔してる人かと思ったのに…かっこいいわ」
チュ君「(怖い顔でテ嬢の顔を自分に向かせる)今はデート中だ。他の男を見てどうする?レーダー起動して幽霊でも探せ」
テ嬢「レーダー使ってるときは触らないでくださいよ」
チュ君「…。」
テ嬢「それに私、一件あたりで請け負うレーダーだって分かったますよね。お金持ちのオバケ捕まえるなら、高くつきますからね」
チュ君「…。」

そこへある男性が「お久しぶりです」とチュ君に声を掛けた。
席を外そうとしたテ嬢を捕まえ、「彼女です」とチュ君が紹介すると、自分の会社の記念行事にも一緒に参加して欲しいと男性はにこやかに話す。
男性が去ると、テ嬢はチュ君を睨みつけた。

テ嬢「お金持ちの知り合いも多いのに、彼女だなんて言ってどうするんですか?」
チュ君「お前の友だちの前でやったことを、俺の知り合いの前でやらないと矛盾するだろ」
テ嬢「…。」
チュ君「(レーダーの仕草)何か引っ掛かってこないのか?」
テ嬢「(キョロキョロ)まだないですね。探してみます」

テ嬢はチュ君から離れて歩き出したテ嬢は、弔問客用に食事の用意されているテーブルに一人座っている幽霊に目を留めた。
それは遺影の写真と同じ人物だったのだ。

テ嬢「会長」

テ嬢が声を掛けると、故会長はゆっくりと顔を上げた。

#この俳優さんまで幽霊にするとは-ー!よぉく似合うけど(笑

テ嬢はチュ君の元へ戻ってくる。

テ嬢「会いましたよ」
チュ君「誰に?」
テ嬢「(遺影を指し)あの方です。会長でしょう?」
チュ君「あぁ」
テ嬢「私に頼み事をされたんです」

母親を気遣うジャイアントモール社長をチラリと見て、彼女は続けた。

テ嬢「息子に絶対知られちゃいけないことがあるそうなんです。それを消してほしいって」

二人は奥にいるジャイアントモールの社長をもう一度見つめた。

会長の亡くなる前、倒れている父親を発見し、搬送させたイ社長は、テーブルの上に置いてある香水の瓶に気がついた。
そっと匂いを嗅ぐと、その目に疑惑が浮かぶ。

一人になったイ会長は、父の遺影を見つめた。

イ社長「生涯騙してきたのに、最後の最後にバレましたね、父さん」

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葬儀場を出たチュ君たちは車に乗り込んだ。

テ嬢「最期の瞬間、一緒にいらっしゃったのは会長が生涯ひそかに愛していらした女性だったそうです。その方の物を片付けて欲しいって」
チュ君「色恋沙汰には関わりたくない」
テ嬢「…。」
チュ君「最期の瞬間、ビジネス上で重要な秘密を残せばお互い良かったのに」
テ嬢「ジャイアントモールの社長さん、泣きもせずにとても浮かない表情だったわ」
チュ君「?」
テ嬢「父親が愛人を持ったまま亡くなったのがショックだったみたいです」
チュ君「いつだって愛人を囲ってる俺の父親みたいな人間だっているんだ」
テ嬢「…。」
チュ君「隠していた女が現れたら、遺産問題で騒がしくなるな」
テ嬢「…。」
チュ君「その女が現れて、ジャイアントモールの社長に爆弾を投げつけたら、知らんぷりしてろ」
テ嬢「いい人みたいなのに、爆弾は阻止してあげなきゃ!」
チュ君「!…お前、誰の味方なんだ?」
テ嬢「(ニッコリ)明日の午後、一緒に行きましょ。清平の別荘はここから2時間くらい掛かるから、日が暮れる前に戻って来られるわ」
チュ君「俺の別荘は楊平にあるけどな」
テ嬢「自慢ですか?!」
チュ君「…。」
テ嬢「会長の別荘が清平にあるって言ったんです」
チュ君「俺はお前と爆弾処理に清平まで行くつもりはない。楊平へ遊びに行くんなら今すぐ出発するがな」
テ嬢「(嬉々)楊平?」
チュ君「(うんうん)」
テ嬢「すんごくいい所なんでしょ♪」
チュ君「(うんうん)」
テ嬢「(真顔に戻る)何して遊ぶんですか!結構です」
チュ君「心配するな、テ・ゴンシル。お前の手だけ握って眠ることだって出来るんだ。俺はお前を信じてやったのに、お前が俺を信じてくれないと、ものすごく寂しいだろ」
テ嬢「…。」

チュ君が車のエンジンを掛けようとすると、テ嬢が慌ててその手をピシャリと叩いた。

テ嬢「どこ行くんですか!」
チュ君「…。」
テ嬢「私、社長と楊平には行けませんから」
チュ君「行かないさ!それぞれ家に帰るんだ。…何考えてんだよ」
テ嬢「…。」
チュ君「家まで送るから」
テ嬢「何でそう人をもてあそぶんですか?からかってるんですか?」
チュ君「…俺は今、お前の幽霊ごっこに付き合ってるんだ」
テ嬢「…。」
チュ君「俺もお前も住む場所は違うし、幽霊ごっこが楽しいわけでもないのに。…お前が好きだから。一緒に楽しみたいだけだ」
テ嬢「…。」
チュ君「もう幽霊は怖くないから一人でも大丈夫だと思うんなら、遊びはやめて家へ帰れと送り返す」
テ嬢「…。」
チュ君「終着点は必ずあると言ったろ。それもお前の責務だ」
テ嬢「そうですね。いつかわ終わらせなきゃ」
チュ君「…。」
テ嬢「雷の夜に出会ったオオカミとヤギみたいにならないように」
チュ君「そいつらどうなったんだ?」
テ嬢「絵本もあるんです。読めるなら一度読んでみればいいわ」
チュ君「俺が絵本も読めないだろうって受け流したのか?」
テ嬢「!(首を横に振る)」
チュ君「そう出るなら今から楊平に行くぞ」

#行きなさいって

エンジンがかかる。

テ嬢「あぁもう、好きにしてくださいよ。私、手だけ握って眠るつもりありませんけど?」
チュ君「!」
テ嬢「(笑)楽しく遊んで引き返すんでしょう?私、ちゃんと理解してます。今は家の前まで送ってください。ここ、葬儀場だからオバケがついて来るかも」
チュ君「そうだな。それでも念の為に…」

チュ君は指でチョンと彼女の肩を触ると、ニッコリ微笑んで車を発進させた。

#チュ君が自分で運転してるのがすごく新鮮で、それだけでスペシャル感満載♥

+-+-+-+

叔母夫婦は兄であるチュ君の父と会っていた。

叔母「チュンウォンがまた結婚を破棄したんです。お兄さんが来る機会に”太陽”を片付けようと思ったんだけど、豪快に壊れてしまったわ」
チュ君父「何度目だ?3度目か、4度目か」
叔母「…。」
副社長「(元気に指で)4度目です。女の呪いだって話がまた出たんです」
チュ君父「(妹に)お前から見ても、チュンウォンがそんなことをするのはチャ・ヒジュのためだと思うか?」
叔母「今回は間違いなくそうじゃありません。パンシルって子がいるんですよ」
副社長「パンシルじゃなくて、テ・ゴンシルですよ、コンシル」

チュ君父はテ嬢について、事前にカン・ウから話を聞いていた。

カン・ウ「テ・ゴンシルには霊を見る特別な能力があり、死んだチャ・ヒジュを見たそうです」
チュ君父「息子のような気難しい奴が、そんな根拠もない話を信じたのか?」
カン・ウ「えぇ。ですから、(ヒジュ似の女性の写真を指し)これがチャ・ヒジュだとは考えないでしょう」
チュ君父「カン・ウ、お前の目にはどう映った?その女をそばで見ていたんだろう?」
カン・ウ「僕もテ・ゴンシルさんの話を信じます」

「テ・ゴンシル…」チュ君父は見知らぬ謎の女性について、考えに耽った。

+-+-+-+

テ嬢のコシテルの前に到着すると、チュ君も車から降りる。

#降りて軽く車にもたれかかる動作も最高なのだ

テ嬢「お気をつけて」
チュ君「さっき言ってたオオカミとヤギの本、タイトルは何だ?」
テ嬢「本ですか?それ、アニメーション映画にもなってるから、それを見てください」
チュ君「(イラッ)」
テ嬢「…本は結末が暗いんです。それに本は読めないでしょう?」
チュ君「お前に読んでくれなんて言わない」
テ嬢「社長、考えてみたんですけど。遊ぼう、楽しもうって言われて、最初は気分悪かったんです。でも、私が周りの人にオバケの話をして、不吉だ、縁起が悪いって言われるよりはマシな気がします」
チュ君「…。」
テ嬢「だから、二人で一緒にいる間は仲良く楽しく遊びましょう」
チュ君「…。(表情が和らぐ)」
テ嬢「おやすみなさい」

頭を下げると、テ嬢は背を向けて家へ向かった。
後ろ姿を見送るチュ君の後ろを、帰ってきたカン・ウが通りかかる。

#3人の位置が前回と入れ替わってる!一番後ろなのがカン・ウなのは変わりないけど(涙

チュ君「(独り言)そうだな。仲良く楽しく遊ぼう。オオカミはオオカミの家へ、ヤギはヤギの家へ。無事帰って行くんだ」

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車が走り去り、カン・ウはあっという間にそこで一人になった。

+-+-+-+

中へ入ったテ嬢は、いっぱいになっているゴミ箱の前で首を傾げた。

テ嬢「そうよ。毎日こうやって満杯になってるのに、誰が空にしてるのかな?変ね」

そこへカン・ウがいつもどおり声を掛ける。

カン・ウ「テ・ゴンシルさん」
テ嬢「あ…カン・ウさん」
カン・ウ「さっき大丈夫でしたか?服はどうしたんです?弔問に行ったんですか?」
テ嬢「えぇ。一種のスパイです」
カン・ウ「チュ・ジュンウォン社長が連れて行って、あなたを利用したんですか?」
テ嬢「え?」
カン・ウ「チュ・ジュンウォン社長は、利用するためだってハッキリ言ってました」
テ嬢「…。」
カン・ウ「その言葉に違いはないですか?」
テ嬢「利用しているのも確かだけど、うーん、親しくなったし、楽しむことにしたんです」
カン・ウ「結婚を取りやめたと聞きました。あなたのためだって」
テ嬢「…。」
カン・ウ「もうあなただけを見るって、そう話したんですか?」
テ嬢「…。カン・ウさん、心が正直になれないときは痛みが答えをくれるって、そう言ったでしょう?」
カン・ウ「…。」
テ嬢「彼は正直に言ったんだから、痛みは… どうも私の受け持ちみたい」
カン・ウ「…。」

ふいに「もう上がってください」と話を打ち切るカン・ウ。

カン・ウ「ゴミは僕が片付けておきますから」
テ嬢「カン・ウさん、毎日満杯になってるのを片付けてくれたのはカン・ウさんだったんですか?!」
カン・ウ「これについては正直に言わないとな。えぇ、僕です」
テ嬢「毎回?」
カン・ウ「…負い目があるでしょう?」
テ嬢「…。」
カン・ウ「(ボソッ)好きだって言ったこと」
テ嬢「…。私たち、一緒にやりましょう」

テ嬢が階段を上ろうとする。

カン・ウ「テ・ゴンシルさん。死んだチャ・ヒジュさん、本当に見たんですか?」
テ嬢「…えぇ」

+-+-+-+

副社長と叔母は、マンション前で対向車とぶつかりそうになり、外へ出た。

向こうの車から降りてきたのは、この前もジョギングしているところを見かけた美女だ。
彼女は、イギリスから帰国したばかりで、逆になった運転席になれないと丁寧に詫びた。
そのうちお茶でも…と挨拶を交わす両者。

再び走りだした副社長夫婦の車を、女性は冷たい視線で見送った。

女性「チュ・ジュンウォンの叔母様でしょう?」

彼女の後ろには今夜もまた、悲しい目で見つめるヒジュの霊が佇んでいた。

+-+-+-+

亡くなったイ会長の別荘に管理人夫婦がやって来た。
「この部屋は初めて入る」と言いながら、息子のイ社長が来るまでに片付けておこうとする彼ら。

夫「君、会長さんの愛人、見たか?」
妻「ときどき愛人が出来たのは気付いてたけど、ここに連れて来てこっそり会ってたのは知らないわ」

夫婦がテーブルの上の物を片付けようとすると、突然テーブルがガタガタと揺れだした。

イ会長(霊)「触るなーーーー!」

夫婦「!」
夫「いきなり何でこんなにゾッとするんだ?」
妻「他人が触るのを亡くなった方が嫌がってるんだわ」
夫「息子さんが来て片付けるまで、そのままにしよう」

二人は逃げるように出て行った。

イ会長は自らテーブルの物に触ろうとし、悪戦苦闘する。
掴もうとしても指が空を切るのだ。

+-+-+-+

翌朝もチュ君は望遠鏡からジャイアントモールのある風景を眺めた。

キム室長「ジャイアントモールの会長が亡くなったばかりなのに、愛人の胸で息を引き取ったと話題になっています」

望遠鏡を覗いていた目が物憂げにそこから離れる。

チュ君「ジャイアントモールの社長、頭が痛いでしょうね」
キム室長「(キングダムへの車両進入問題で?)もうすぐいらっしゃるはずです」
チュ君「分かりました」
キム室長「テ嬢も…」
チュ君「?!」
キム室長「その方に会いたがっていましたが」
チュ君「…。」

チュ君が顧客センターにやって来る。

#しっかりお茶して談笑するスペース作ってある(笑)。「相談員」とか名刺に書いてあったしね

テ嬢「会長がその後現れないから、息子さんのそばならと思って」
チュ君「お前、今や自分から幽霊探して歩いてるのか?怖くないのか?」
テ嬢「その方は怖くなくて…悲しそうに見えたんです」

葬儀場を思い出すテ嬢。

テ嬢「葬儀会場で見たとき、その方からかなり濃い香りがしたんです。香水の香りのようで調べてみたら、これだったんです」

テ嬢はテーブルの前に置いた香水を手にとった。

テ嬢「会長の慕う女性の香り」
チュ君「…。」
テ嬢「ひょっとしてその香りが私からすれば、私にもう一度話しかけてくれるんじゃないかしら」

テ嬢は瓶の蓋を開け、シュッと一吹き、自分に香水を吹きかけた。

チュ君「幽霊を誘惑するつもりか?」
テ嬢「わざわざ誘惑しなくても、オバケには人気があるって言ったでしょう?(誰もいない空間に向かい、ニッコリして)そうでしょう?」

チュ君はテーブルに多めにコーヒーが置いてあるのに気づいた。

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このシンプルなシャツ姿、好き

チュ君「ひょっとして今、同僚の幽霊たちとティータイム中か?」
テ嬢「もともとコーヒー好きの子がいて。他の人たちもお連れしたみたい」
チュ君「…もしかして、ゴミ箱おじさん?」
テ嬢「その方はあそこに居座って身動きしないんです。何も言わないし」
チュ君「(遠い目)そうだな。あの幽霊とは仲良くないらしい」

チュ君は何もない彼女の首元を眺めた。

+-+-+-+

社長室に戻ったチュ君は、ベンチに掛けた太陽のネックレスを思い浮かべ、悶々としていた。

チュ君「気付いたのに拾ってないのか?気付いてないのか?あそこに捨てて行ったから気が悪かったかな?」

そこへ、ジャイアントモールの社長が来るからと、キム室長が呼びに来る。
落ち着かない様子のチュ君。

キム室長「そんなに気がかりですか?」
チュ君「全部吐き出したから気がかりなんてないはずなのに、まだ気になりますね」
キム室長「キングダムへの車両進入の件ですよね?」
チュ君「いいえ。いいんです」
キム室長「…。」
チュ君「キム室長、本を一冊手に入れてください」
キム室長「本ですか?主君が自分で本を読むおつもりですか?」

+-+-+-+

キングダム内を巡回するカン・ウは、向こうからキム室長を伴って歩いてくるチュ君に気付いた。

カン・ウ「チュ社長、会長にはいつお会いになりますか?キングダムホテルにいらっしゃいます」
チュ君「俺はいつもキングダムにいるから、好きなときに会いに来るよう言え」
カン・ウ「自分から説明に来られるような方ではないとご存知でしょう?」
チュ君「俺も自分から尋ねるような息子ではないとご存知のはずだ」
キム室長「お二人とも同じだから今回も合いそうにありませんね」
チュ君「キム室長」

睨まれて視線を逸らしたキム室長が、エントランスを指さした。

キム室長「ジャイアントモールの社長がお見えですね」

眺めの良い上の階からその光景を眺めるチュ君。

+-+-+-+

ジャイアントモールの社長は、ちょうどそこを通りかかったテ嬢とすれ違うと、立ち止まって呼び止めた。
その様子を厳しい表情で見つめるチュ君とカン・ウ。

イ社長「独特な香りですが、何という香水ですか?」
テ嬢「名前は覚えていないんですが、瓶をお見せすることはできます」
イ社長「お願いします」
テ嬢「ご案内します」

二人で歩き出すテ嬢たち。

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キム室長「二人でどこかへ行くようですよ!あっちは会議室じゃないのにな。二人でテ・ゴンシルオフィスへ行くようですね」
チュ君「ジャイアントモールの社長、一度きりしか見ていない女になぜついて行くんだ?」
カン・ウ「そばに何かがいると言ったんじゃないですか?」
チュ君「いるのは確かだ。そいつがどこかに使いに行けと頼んだらしい」
カン・ウ「そこはどこですか?」
チュ君「ジャイアントモールの会長の清平の別荘だ」
キム室長「あぁ、清平の別荘がどこにあるのか知りたくて、イ社長に会いたいと言ってたんですね」

同時にキム室長を睨みつけるチュ君とカン・ウ。

キム室長「それじゃ二人で一緒に行くんでしょうねぇ。

チュ君&カン・ウ「(ジロリ)」
キム室長「あぁ、ジャイアントモールのイ社長は奥さんもいないし、お父さんが亡くなって気力が衰えているでしょうに、テ嬢が慰めになりますねぇ!」

自分を刺激しようと力説するキム室長の顔を覗き込むチュ君。

キム室長「清平か!太陽の下で心の整理ができるとてもいい場所でしょう」

キム室長を睨みつけるチュ君の後ろで、カン・ウの声が飛んだ。

カン・ウ「そういうものがいるときに、ついて行ってやるのが社長の役割じゃないんですか?」
チュ君「…。」
カン・ウ「あの人と二人で行かせるわけにはいかないでしょう」
チュ君「…。あぁ、面倒だから俺は行きたくないんだが、仕方ないから行かなきゃな(ニヤリ)」
キム室長「(ニヤリ)」

歩き始めたチュ君の後を追い、愉快そうに手をたたくキム室長。
残されたカン・ウは、テ嬢が消えた方向を見つめた。

+-+-+-+

イ社長を顧客センターへ連れて来たテ嬢は、香水の瓶を差し出した。
香りを嗅ぐと「この香りに間違いない」と、すぐに彼は瓶を返した。

テ嬢「会長から香っていたものでしょう?」
イ社長「父をご存知なんですか?」
テ嬢「一度お会いしたことがあります」
イ社長「ひょっとして、あなたですか?」
テ嬢「…。」
イ社長「母は香水を使いません。ときどき父から他の女性の残り香がするときがありましたが、僕は父を信じていました」
テ嬢「私は違います」
イ社長「それは良かった。こんなに若い女性なら、僕は父をもっと嫌悪したでしょうから」

イ社長は部屋を出て行く。

テ嬢「(溜め息)お父さんを憎んでいるのね。(ハッとして)あっ!清平の別荘がどこにあるのか聞いてなかった!」

部屋を飛び出そうとすると、そこへやって来たチュ君と出くわす。

テ嬢「はっ!」

チュ君「テ・ゴンシル。清平へ行こう。一緒に行ってやる」
テ嬢「爆弾処理は嫌だって言ったのに?」
チュ君「いや。会長には何度かお会いしたが、恥部は隠してやらないと」
テ嬢「?」
チュ君「(ニッコリ)行こう」

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おいでおいでと手招きし、先に歩き出すチュ君。

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副社長がハンジュを呼び出した。

ハンジュ「今度は何のためにこの軽口がご入用なんですか?」
副社長「テ・ゴンシルとチュ社長の噂は君の口のお陰で随分広まったし、今度は君の口じゃなくて耳が必要なんだ」
ハンジュ「耳ですか?何を聞き出したいんです?」

代わりにアン代理が口を開いた。

アン代理「テ・ゴンシルは韓国大に入学したものの、卒業は出来ませんでした。大きな事故に遭って卒業直前に辞め、あの状態になったと聞いています」
ハンジュ「…。」
副社長「どんな事故だったのか、君が詳しく調べてくれ」
ハンジュ「それを何故?」
副社長「チュ社長はすっかり心を持って行かれてるようだが、事故で大きなハンデを持っている女なら、結婚までプッシュできないだろう?それを予め知っておきたいんだ」

+-+-+-+

「仲良くなっちゃったから気が引けるなぁ」
溜め息をつきながらカフェへ入って来たハンジュに、テ嬢姉が飲み物を差し出した。

テ嬢姉「副社長ラインの軽口、誰?」
ハンジュ「保安チームじゃないみたいです。広報みたいですけど?」
テ嬢姉「そう?」
ハンジュ「その軽口、最近はテ・ゴンシルさんの過去を嗅ぎ回ってるって噂もあるんです」
テ嬢姉「コンシルの過去って何よ」
ハンジュ「昔、事故に遭ったんですって?いつです?」
テ嬢姉「…7年前」
ハンジュ「7年…随分前ですね」
テ嬢姉「退院してからは4年。3年も寝たきりだったから」
ハンジュ「大きな事故だったんですね!どんな事故だったんです?交通事故?」
テ嬢姉「もう、事故のこと考えるだけで私、心臓がバクバクして…話したくもないの、本当に」
ハンジュ「あぁ~。お姉さん、気苦労が多いですね。ところで今夜、夕食でも一緒にいかがです?」
テ嬢姉「夕食?」
ハンジュ「いや、心臓がバクバクするって言うから、牛ハツ(心臓)の焼き肉でもと(笑)あははははっ」
テ嬢姉「あはっ。そうしよううかな。私、牛ハツ大好きなんだよなぁ~」
ハンジュ「あはははっ!OK」

機嫌よく持ち場に戻るテ嬢姉。「牛肉に塩を振ってる気分だ」とハンジュは表情を曇らせた。

+-+-+-+

仕事があるので、ここでいったん区切りますね。
現在、一切読み返していない状態なのですが、見苦しいところがありましたらごめんなさい!

 - 主君の太陽