韓国ドラマから美しい言葉を学ぼう

韓国ドラマのあらすじや詳細日本語訳を紹介!プロデューサー/SPY/夜警日誌/トライアングル/主君の太陽など

夜警日誌あらすじ&日本語訳24話(最終話)vol.2

   

チョン・イル、チョン・ユンホ(東方神起ユノ/ユンホ)出演、「夜警日誌」最終回、いよいよ後半です。
あらすじの中で表情や心の動きも拾いながら、台詞もまじえて最後まで丁寧に翻訳していきますね。

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静かな朝が訪れた。

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誰もいない正殿で、キサン君は12年間毎日座ってきた玉座を見つめていた。
その目は晴れ晴れとしており、常に何かに怯えていた昨日までの彼とは別人のようだ。

そこへやって来たリンは、静かに王の隣に立った。「殿下」
リンの姿を見て、キサン君は嬉しそうに微笑んだ。

キサン君「リン」
リン「私、殿下を欺き天に背いた不倶戴天の罪人、サダムを成敗いたしました」
キサン君「サダムを?!それはまことか?」

リンは神妙な顔で頷き、その場にひざまずいた。

リン「殿下に国璽をお持ちしました」

そう言って、リンは両手で万波息笛を差し出す。
キサン君は黙ってそれを手に取った。

リン「殿下、私は王命を拒んで夜警師となり、左道を扱いました。これは国是(国の理念)に背く大罪です。私を罰してくださいませ」

「リン」キサン君は静かに口を開く。

キサン君「本当に鬼神が見えるのか?」
リン「…。」
キサン君「本当のことを言ってくれ」
リン「私は鬼神を見ることが出来ます」

キサン君は穏やかに微笑み、頷いた。

キサン君「鬼神の見える者だけに王の資格があると聞く。それはすなわち、他の者には見えぬ暗い部分にまで注意を向けることの出来る者だけが、王になれるということだ」
リン「殿下…」
キサン君「月光、そなたこそ真の王だ。余はそなたに譲位する」
リン「殿下!それはなりません」

キサン君はリンの前に腰を屈めると、その手に国璽を握らせる。
顔を上げたキサン君の目は、涙で潤んでいた。「弟よ…」

リン「!… 兄上」
キサン君「お前に玉座を奪われるのが怖くて、余は… 長い間お前に嫉妬してきた」
リン「…。」

「だが…」キサン君は玉座に視線を移す。

キサン君「御祖母媽媽が仰ったように、この座は権力を享受するのではなく、極めて重要な責任を遂行する座だ」
リン「…。」
キサン君「お前ならしっかりやり遂げると、そう信じる」

俯いたリンの目から、涙がこぼれ落ちた。

キサン君「どうか聖君となり、泰平の御代を成してくれ」
リン「…兄上!」

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キサン君はリンの両手にもう一度しっかりと国璽を握らせ、立ち上がる。
そして、リンに向かい、深々と礼をした。

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「万歳!!!」宿にソン内官と左相(霊)が駆け込んでくる。

トハ「?」
ソン内官「譲位です。譲位ですって!」
ランイ「!」

奥からサンホンが駆け寄った。

サンホン「譲位ですって?」
左相「殿下が大君に王位を譲られたぞ!」
サンホン「それは本当ですか?」
トハ「大君が王になられるってことですか?」
ソン内官「そうですとも!!!」

「何のこと?大君媽媽が王様になられるんですか?」キョトンとするオンメに、サンホンが嬉しそうに頷く。
「良かったわ!」オンメは思わずサンホンにしがみついた。

#こんなに喜んでも、とことんソフトで声を張らないサンホンがステキすぎる

トハ「…。」

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部屋へ戻ると、トハは服の整理を始めた。
服を畳むうち、手首の帯に目が留まる。

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中殿から先代王へ、先代王からトハへ、トハからリンへ、リンからトハへ。
それは計り知れない愛の詰まった帯だった。

そこへ現れたのは… ランイだ。「行くの?」
トハは小さく頷く。

トハ「帰る時が来たみたい」
ランイ「行かないで、トハ。リンのそばにはあんたがいなきゃ」

「ごめんね、ランイ」トハはランイを見上げ、にっこり微笑んだ。

トハ「私はマゴ族の巫女。男の人と親しくしちゃいけないの。それを分かっていながら、大君のそばを離れられなかった」
ランイ「トハ…」

トハは荷物を袋に詰める。

トハ「大君が王様になられたら、賤しい巫女と付き合っちゃいけないでしょ。大君の重荷になりたくない」

荷物を詰めた袋を背負うと、トハは手首の赤い帯を外し、床の上に置いた。「…。」

トハ「これは置いていくね」
ランイ「!」
トハ「持って行ったら、見るたびに大君に会いたくなって、耐えられそうにないもの」

トハは一度立ち上がると、ランイの前に腰を屈める。

トハ「ランイ、私がここを去ったこと、大君には言わないで」
ランイ「!」
トハ「お願いね」

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「何?トハが発った?!」トハの意志に反し、それはすぐにリンの耳に入った。
ソン内官が知らせに言ったのだ。

ソン内官「はい!今からでも遅くはありません。早く引き止めにいらしてください!」
リン「…。」
ソン内官「大君様、早く!」

リンはそこで踏みとどまった。「…。」

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宿への道を歩いてきたムソクは、ふと立ち止まった。
彼の視線の先にあったのは、足早に発つトハの姿だ。

急いで追いかけようとしたところへ、ランイが飛び出してきた。

ムソク「!」
ランイ「トハを行かせてあげて」
ムソク「このまま黙って行かせるわけにはいかない。私が思いとどまらせる」
ランイ「トハがリンのために決めたことよ」
ムソク「しかし!」
ランイ「リンとトハ、お互いが心から望めば、いつか必ずまた会えるわ」

「…。」ムソクは小さくなっていくトハの背中をじっと見つめた。

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「主上殿下のおでましに御座います」一斉に官僚たちが頭を下げると、中央をリンが歩いてくる。

#え?まさか即位式?ここでやるの?違うよね?初めての会議だから皆オシャレしてるんだよね?

リン「余は朝鮮の国王として国家の安泰を守り、民のための国政を行うつもりだ。反目と戦争のない、和合と相生の政治、民生のための政治を行う」

彼は玉座に腰を下ろし、決意を確固たるものにした。

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リン「皆は余が王としての責務を果たせるよう、誠心を尽くして欲しい」

「主上殿下、万歳!!!」官僚たちが一斉に万歳の声を上げた。

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ひっそりと宮廷を出て来たキサン君を、ある男が門の前で待っていた。
ムソクだ。

ムソク:「殿下」

ムソクの顔を見ると、キサン君は穏やかな笑みを浮かべる。「ムソク」

キサン君「これ以上私を殿下と呼ぶんじゃないぞ。私はもう王ではない」
ムソク「…。」
キサン君「あまり案ずるな。ずっと宮廷の中で暮らしてきたから、世の中へ出て行くのが怖い気もするが、心は実に穏やかで、軽快だ」

キサン君はそう言って、ムソクの手をしっかりと握った。
何度もムソクの手を擦り、涙に言葉に詰まらせては、懸命に笑みを見せる。「ムソク…!」

ムソク「…。」

#あかん、涙…。
ムソクも呼びかけるキサン君に答えたいんだけど、「殿下と呼ぶな」と言われたから、一生懸命それを守ってるんだよ。
だから何も言えない状態なんだよね…。

キサン君「これまで出来の悪い王のために実に苦労を掛けた」

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「…。」じっとキサン君を見つめるムソクの目から、一筋の涙が流れ落ちる。

キサン君「ありがとう、ムソク」
ムソク「…殿下!」

キサン君は潔く背を向けると、たった一人で宮廷を後にした。
ムソク、そしてこれまで世話をして来た内官や尚宮たちが、静かに頭を下げ、長年仕えた主を送った。

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大殿にいるリンは、ムソクが訪ねてきたと聞き、嬉しそうに顔を綻ばせる。
中に入って来たムソクは端正に頭を下げ、ひざまずいた。「お呼びですか」

リン「そなたに司憲府の長を任せたい」
ムソク「!」
リン「その剛直な性格で朝廷の紀綱を糺してくれ」
ムソク「私は… 官職につくつもりはありません。命令をお取り下げ願います」
リン「なぜだ?」
ムソク「私は職を辞し、鬼神を退治する夜警師として生きるつもりです」
リン「…。」

リンの顔に小さな笑みがこぼれた。

リン「左道を信じなかった副護軍が、夜警師として残るとは」
ムソク「…。」
リン「人間というのは実に分からぬものだ」
ムソク「…。」
リン「引き止めたい気持ちは切実だが、そなたがそうしたいのであれば、允許しよう」
ムソク「ありがとうございます」

「そばに居てほしいと思っていたのに…」リンは寂しそうに呟いた。
「殿下」ムソクは改めてもう一度呼びかける。

ムソク「トハが去ったのをご存知ですか」
リン「…あぁ」
ムソク「なぜ黙って行かせたのですか?」
リン「…それが最善だった」

ムソクは立ち上がると、トハが残していった赤い帯を差し出す。

リン「!」

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リンがハッとして見上げると、ムソクは何も言わぬまま、頭を下げてリンの前を去った。

#わー ええわー ムソクええわー 黙って行くとかなんやねんなー(涙

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正殿を望む見晴らしのいい回廊で、リンは赤い帯をじっと見つめた。

そこへ姿を現したのは、守護霊3人衆だ。

ランイ「リン」

振り返ると、リンはニッコリと笑った。「皆来たのか」
元気そうなリンの笑顔に、ランイも思わず顔を綻ばせる。

ソン内官「大君様、あぁ、主上殿下とお呼びしなくては」
リン「いいんだ。お前たちは礼儀を気にしなくて構わない」
左相「殿下、私共はお別れのご挨拶に参りました」
リン「何?別れとは?私のそばを去るというのか?」
ソン内官「私たちは大君を守るために三途の川を渡って来ました。役目は果たしましたから… もう帰らなければ」
リン「…。」
ランイ「リン、龍袍を着ているその姿、先代王を見ているようだわ」
リン「先代王?!」

「!」リンの目がみるみるうちに赤くなった。「!!!」

リン「母上!!!」
ランイ「…リン、私の息子」

二人の意識は一瞬のうちに時を越えた。

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中殿「リン、辛い年月をよく耐え抜いたわね。あなたが無事王位に上がって、母はもう… 心残りはないわ」
リン「母上!」

リンは涙に言葉を詰まらせる。

中殿「リン、大事な私の息子。必ずや聖君になりなさい」

「母上!行かないでください!!!」リンの目からとめどなく涙が溢れた。

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左相「殿下、中殿媽媽は我々がしっかりお供いたします。どうぞお元気で」
ソン内官「大君様、ずーっと時が経ったら、またお目に掛かります」

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二人は丁重に頭を下げる。
ただただ涙を流し、リンは彼らに何度も頷いた。

心から愛おしいリンを笑顔で見つめながら、3人衆はゆっくりと姿を消していった…。

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「朝鮮に二度と無念な死の起きないようにする」リンは官僚たちを前に述べる。

リン「国の過ちで死んだ者たちの慰霊祭を執り行い、残された遺族たちには補償を行う。また、班常(※特権階級と平民)の区別を撤廃し、奴婢は免賤させ、余は勿論、全ての民が国法の元、身分や地位による差別を受けない新しい世を開くこととする!」

「聖恩の限りにございます!」官僚たちが声を揃えた。

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リンの元を去った左相(霊)は、まだ気掛かりが残っていた。
彼がやって来たのは、田舎で過ごすパク・スジョンの元だ。

ソン内官「三途の川へ向かわずに、どうしてこんなところに来たんです?」
左相「やはり私はこの世に未練があるようだ」
ソン内官「なぜです?領相に復讐でもするおつもりで?」

左相の前で、パク・スジョンは縁台に腰掛け、ただ景色を眺めているだけだ。

左相「悪行の限りを尽くした末に、結局はこんなふうにくたばるとは…」

変わり果てたパク・スジョンの姿に、左相は声をつまらせた。

左相「共に学問に励んだ頃、国の天下を取ろうと誓い合ったことを覚えているか?」
パク・スジョン「…。」
左相「なぁ、友よ。人生というものは実に虚しいものだな」

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ぼんやりしていたパク・スジョンの表情が変わった。「…。」
彼はゆっくり、隣にいるかつての友を見上げる。

左相「君を許そう」

今やはっきり友の存在を捉え、パク・スジョンはその目に涙を流し、手を伸ばした。

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ソン内官「こうやって贖罪するのも悪くはないでしょうね…」

「元気でいるんだぞ」懸命に両手を伸ばす共に、左相は短く最後の別れを告げる。「また会おう」

二人は静かに姿を消した。

パク・スジョン「…。」

家の中からスリョンが出て来ると、父親の隣に腰を下ろした。

スリョン「お父様、風が冷たいですわ。中へ入りましょう」

父の腕を取り、スリョンは立ち上がった。
そこへ、下女が駆けてくる。「お嬢様!」

スリョン「どうかしたの?」
下女「王様が班常の区別を撤廃して、全ての罪人に赦免令を下されたそうです!」
スリョン「殿下が?!」
下女「大監様とお嬢様の刑もじき解かれるはずです」

「お父様!」スリョンは黙って立っている父を振り返った。

スリョン「殿下が私たちをお赦しになるそうです」

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そう言って、スリョンはふと父の頬の涙に気づき、指先でそっと拭った。

スリョン「…。」

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去った者ばかりではない。
サンホンは変わらず、宿の鍛冶場で鉄を打っていた。

そこへぶらりと顔を見せたのは、リンだ。
彼は変わらぬサンホンの後ろ姿に、思わず笑みを浮かべる。
思わせぶりに咳払いをすると、そこで初めてサンホンは背後に立っている王に気づいた。

サンホン「殿下!」

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#こんな嬉しい再会でも超ソフト♥

リン「また鍛冶屋を始めたと聞いた。鬼神を怯えさせていた夜警隊長が、農具を作っているとは!」

サンホンは笑った。

サンホン「これからは鬼神を斬る剣よりも、人を助ける物を作るつもりです」

「旦那さん!」そのとき、ふたたび懐かしい声が聞こえた。「食事が出来ましたよ」
振り返ったリンの姿に、オンメが息を呑む。「殿下!!!」
慌てて頭を下げようとして、オンメは大きなお腹を抱えた。

リン「!」

嬉しそうに向き直ったリンに、サンホンは照れて下を向いた。

#オンメさん、おめでとう おめでとう!嬉しいわー

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久しぶりにリンは地下室へ下りた。

リン「共に鬼神を追った日々が懐かしいです」

そこへふらりと戻ってきたのはムソクだ。

ムソク「殿下!」
リン「副護軍。元気だったか?」

ムソクは手に鬼神を封じた護符つきの瓶を持っている。

リン「鬼神を捕らえてきたのか?」
ムソク「清渓川で婦女たちを驚かせていた若い男の鬼神です」
サンホン「私が夜警師を辞めてからは、副護軍が鬼神を捕らえるために駆け回っているのです」
ムソク「すべきことをしているだけですので」

「君は…」黙っていたリンが口を開く。「もう夜警師を辞めるべきだ」

ムソク「何をおっしゃるのですか?」
リン「もう朝鮮に夜警師はいらぬ」
ムソク「いけません、殿下!いくら殿下の御命令でも、夜警師として生きるという誓いを破るわけにはいきません!」
リン「…。」

ムソクは頭を下げ、地下室を出て行く。

サンホン「副護軍!」

リンはムソクを追った。

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「!」宿の食堂で、ムソクは激痛に顔を歪めていた。
腹を押さえた指には、鮮やかな血がついている。

そこへやって来たリンは、ムソクの様子に驚くこともなかった。

リン「君が鬼神と関わるほどに、その傷は深くなるだろう」
ムソク「私の選んだ道ですから。受け入れます」
リン「君を助けようと三途の川へ向かったこと、覚えているか?」
ムソク「…。」
リン「そのとき、死神と約束をしたのだ」
ムソク「約束ですか?」

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「どうするのだ?」死者を連れ戻しに来たリンに、死神は迫った。

死神「何の代償もなく戻ることは出来ぬ。選択するのはそなた自身だ」

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リン「人間はこれ以上鬼神に干渉しない。それが約束だった」
ムソク「ならば、この世を彷徨い、人間に危害を加える鬼神たちを放っておけと?」

リンは静かに頷いた。「人間界は人間の法で、鬼神の世界は鬼神の規律で治めることになる」

リン「今後、人間と鬼神が互いの世を侵すことはなかろう」
ムソク「…。」
リン「良い政治を行うつもりだ。一度で全てを成し遂げるのは難しいだろうが、無念の死を嘆く怨霊を作らぬよう、最善を尽くす」
ムソク「…。」
リン「副護軍」
ムソク「?」
リン「余を信じ、随(したが)ってくれ」

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リンはムソクとサンホンを伴い、かつて夜警師たちが使っていた秘密の詰め所へやって来た。
そこには夜警武器をはじめ、道具類、日誌や資料、夜警に関わるあらゆる物が集められる。

リン「夜警師の武器は全て封印する。二度と世にでることはないであろう。夜警師は伝説の中に残るのだ」

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恵民署は集まった患者や忙しく働く医員たちで今日も活気があった。

「スリョン」呼びかけられ、スリョンが顔を上げる。
嬉しそうに笑顔を見せると、彼女はこちらへやって来た。「お兄様」

訪ねてきたムソクは、鮮やかな武官姿だ。

ムソク「元気でいたか?」
スリョン「はい。お兄様はどうしておいででしたか?」
ムソク「これから辺境へ向かうところだ」
スリョン「え?ということは…」
ムソク「長い間抱いていた希望が叶うよう、殿下が允許してくださった。辺境の将帥となって蛮族を阻み、民を守ろう」
スリョン「それは良かった!」
ムソク「叔父上はどうなさっている?」
スリョン「まだ人の見分けもつきません。それでも、とても心穏やかなご様子です」
ムソク「お前も幸せそうだ」

「ここで患者たちの世話をするのが、私の進む道のようです」スリョンは明るく笑った。
「そうだな」ムソクも頷く。「健康でいるんだぞ」

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スリョン「はい、お兄様。ときどき便りをくださいね」

背を向けたムソクは恵民署を出ようとして、ふと立ち止まった。

「すみません」患者の呼ぶ声に、スリョンが戻っていくのが見える。
甲斐甲斐しく患者の世話をするスリョンの姿はとても美しく輝いていて、ムソクはそっと目を細めた。

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#このスリョン、まるで絵みたい。

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リンは一人考えに耽っていた。
手に持っているのは、母の遺した椿の帯だ。

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トハもまた、山の深くで都の方向を見つめていた。

そろそろ戻ろうと振り返ったトハは、目を疑う。「?!」

たくさんの家臣たちを連れ、木陰に立っているのは… リン?

トハ「?!」

「殿下!」トハは驚いて頭を下げた。

リンはまっすぐに彼女へと近づく。「…トハ」

リン「お前に返すものがあって、ここまで訪ねてきた」
トハ「?」

彼はトハの手を取ると、その手首に椿の帯を巻いてやる。
「…。」どうしていいか分からず、トハは俯いた。

そして、もう片方の手を取ると、リンは指輪を取り出した。

トハ「!」

それは… 大切な玉指環だ。
彼はそれをトハの指にはめた。

リン「トハ、これを受け取ってくれるか?」
トハ「!… 殿下?」

驚いて目を丸くするトハに、リンは以前と変わらぬ笑みを浮かべた。

静かに抱き寄せられ、彼の胸の中でトハは涙を流す。

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+-+-+-+

 

泰平蒼天塔が崩壊して以来、鬼神たちが出没することはなかった。
人間と鬼神が絡み合って生きる時代は終わり、
夜警団は解体された。
夜警軍日誌もまた封印され、その後、朝鮮に鬼神による混乱が起きることは、二度となかった。

+-+-+-+-+-+-+ 完 +-+-+-+-+-+-+

これで全24話の翻訳は完結です。

とてもおもしろかった先代王時代を終え、それからはひたすら忍耐でした。
まるで戦隊モノのような作りや、切れ切れで少しも盛り上がらない脚本に首を傾げることも多く、翻訳が辛い作業となっていたのが正直なところです。まぁ、作業自体が辛いのはいつものことなんですが…^^;

でも、サダムが死んだ後、この最終話後半の30分で、苦労が涙とともに綺麗さっぱり流れて行きました。
前半の最後に書いたとおり地味でしたが、一つ一つのセリフや俳優さんたちの表情、どれもこれもが心に滲みて、訳しながら何度も手を止めて泣きました。

「鬼神に関わらない約束」っていうのが、最後の巨大なツッコミどころであり、本当は数行吠えておきたいところですが、もうやめておきますね。

はぁ、良かった。たくさん泣いてスッキリしました。

これまで、毎回長く、そして難解な翻訳にお付き合いいただきまして、本当にありがとうございました。
いつも訳すだけで精一杯で、いただいたコメントやリプライにお返事が出来ず、申し訳ありません。
皆さんが書いてくださる感想は、何よりも力になります。
ツッコミにひとこと同意してくださるだけで、どれだけやる気が出たか(笑)

今回は特に俳優の皆さんの演技が素晴らしく、またぜひ他のドラマで新しい姿を観たいと、それを楽しみにしたいと思います。

ご愛読、ありがとうございました。

yujina

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