空から降る一億の星(韓国版)あらすじ&日本語訳 4話前編
ソ・イングク、チョン・ソミン、パク・ソンウン主演、tvN韓国ドラマ【空から降る一億の星】、4話の前半、詳細なセリフの日本語訳を交えながら、あらすじを紹介していきます。
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「幻想ですね」沈黙の後、ムヨンが言う。
ジングク「署で見ていた殺人犯っていうのも、自分だったんだろ」
ムヨン「…。」
ジングク「チェ・サンフンではなく… 鏡の中のお前」
ムヨンは困ったように溜息をつく。「えぇ。俺が殺しました」
ジングク「…。」
ジングクの真顔を見て、ムヨンは思わず笑った。「そう言ってみたいな」
ムヨン「ドラマの見すぎですよ。俺は映画のつもりだったけど。ファンタジー」
ジングク「…。」
「仕事に行かないと」ムヨンは部屋へ向かって歩き出す。
「キム・ムヨン」呼びかけると、ジングクが何かを投げた。
とっさにムヨンが左手で掴んだそれは、スノーボールだ。
ジングク「左利きだな」
「両利きですよ。完璧な」そう言って、ムヨンは右手でスノーボールを振ってみせる。「スノーボールか」
ジングク「お前ならそれをどこに置く?帆船の横か、それとも天使の横か」
ムヨン「天使」
ジングク「そうだ、天使」
ムヨン「…。」
ジングク「面白い話をしてやろうか。妹を知ってるだろ。妹に仲のいい友だちがいるんだが、その子のブレスレットが切れたのをボーイフレンドが直してくれたそうだ。後で調べたら、前と全く一緒だったらしい。石が20個以上もあったのに、最初と全く同じように直した」
ムヨン「わぁ、不思議だな」
ジングク「もっと不思議な事がある。ウォニョン交差点のビラで殺された女子大生がな、スノーボールをたくさん飾ってた。殺されたとき、間違いなくそれが床に落ちたんだが、誰かが元通りに並べたんだ。今度は50個以上」
ムヨン「同じヤツかな」
ジングク「あぁ。お前だ」
ムヨン「僕?」
「じゃあ違うな」ムヨンは苦笑する。「俺が直したのはスンアのブレスレットだけだから」
ジングク「…。」
「あ」ムヨンは手元のスノーボールを見つめた。「天使」
塀の上にスノーボールを置き、それを順に隣へ移動させる「帆船、トナカイ」
ジングク「…!」
ムヨン「雪だるま、花… 天使。やっぱり天使がいいな。回転木馬だから」
ジングク「大人をからかって楽しいか」
ムヨン「…。」
ジングク「お前はもう容疑者だ。今日から捜査線上にあがった。期待してろ、エンジンが掛かったから」
「ファイト」ムヨンは拳を握ってみせ、歩き出した。「捕まえたら、誰だったか教えてください。50個なんて…わぁ、マジで気になるな」
背を向けた瞬間、ムヨンの顔からサッと笑みが消える。「…。」
扉の隣に置かれた赤いボックスを一瞥し、彼はドアノブをひねった。
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ジングクが家に戻ると、すでに車で待っていた妹が口を尖らせた。「遅いよ」
妹「遅刻しちゃうわ」
兄「キム・ムヨン、スンアとつき合ってるって言ってたろ」
妹「知らんぷりしてって言ったでしょ」
兄「止めろ」
妹「?」
兄「止めるんだ。もうヤツに会わせちゃいけない」
妙にシリアスな兄の様子に、ジンガンは理由も聞けずに黙り込んだ。
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昨夜、家族との夕食会をすっぽかしたスンアの元に、ウサンが会いに来ていた。
ウサンの車の後部座席。
二人は右端と左端に別れ、殺伐とした空気に包まれていた。
スンアが前を向いたまま車のキーを差し出す。
スンア「残りは車の中にあるわ。ウサンさんに貰ったもの全部」
ウサン「昨夜、食事の約束をしたのを忘れたのかと訊いたんだが… これが答えか?」
スンア「あの人といたの」
ウサン「…!」
「寝たわ、彼と」ウサンを振り返り、スンアが言う。
ウサン「!」
スンア「後悔はしない」
スンアのまっすぐな目を見て、ウサンは吹き出した。「…後悔しない?」
スンア「…。」
彼女のふっくらした頬を強くつまむ。「スンア」
ウサン「後悔が何なのかも知らないくせに、後悔しないって何だ?」
そう言って、頬をつまんだその手を乱暴に突き放す。
運転手にキーを渡すと、ウサンはスンアの顎を掴み、振り向かせた。「俺を見ろ」
ウサン「約束を破ったら、まずは謝罪だろ。ん?」
スンア「…。」
ウサン「そうすりゃ俺だって考慮してやるのに。違うか?」
スンア「…。」
「降りろ」ウサンは冷たく言い放った。
スンアが乗っていた白い外車にウサンの運転手が乗り、先に去っていく。
ウサンは運転席へ移動し、降りたスンアに目もくれず、走り去った
スンア「…。」
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チョン・ミヨン殺害容疑で逮捕されたチェ・サンフンは、大勢の報道陣が見守る中、送検された。
「ついに送検ね」ジングクの心中を知らず、ソジョンが嬉しそうに声を掛ける。
ジングク「…。」
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仕事の合間をぬって、ジンガンはスンアに電話を掛けた。
代わりに電話に出た母親が、娘に携帯を差し出す。「出なさい」
「もしもし」スンアが電話に出ると、母はそのまま隣に腰を下ろした。
スンア(電話)「あぁ、ジンガン姉。そうだったわ!展示会があったからね」
ジンガン(電話)「展示?何の?」
立ち上がると、スンアは母に背を向けてデスクの手帳を開く。「待って。確認するから。たぶん月末までだと思うけど」
「待ってね」そう言って白紙のページを指でたどる真似をし、携帯に大急ぎで何か打ち始めた。
ジンガン(電話)「スンア、何のこと?」
そこへメールの着信音が聞こえる。「?」
スンア(メール)「助けて。家から出られないの」
ジンガン(メール)「出られないって、どうして?」
スンア(メール)「昨日外泊したのよ」
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アーツ社へ出向いての打ち合わせ中も、ジンガンは上の空だった。
兄がスンアとムヨンの交際を止めろと言い出したこと。
スンアがムヨンと外泊し、家に軟禁状態だということ。
彼らの問題で頭がいっぱいだった。
スンアはメールをこう結んだのだ。
”ムヨンさんと会わなきゃいけないの。頼めるのはジンガン姉しかいない”
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教会で葬儀が行われていた。
長年そこで暮らした修道女、チョンテレサが天に召されたのだ。
青年が一人入ってきて、一番うしろの席に腰を下ろす。
ムヨンだ。
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故人の旅立ちを見送りに、参列した人々が外へ出てきた。
#前話、スンアに「ご両親は?」と聞かれて、「母さんは小言ばかりで…」と話していたのが、このシスターですね。
棺の後ろに続いていたある修道女が、ハッと目を丸くする。「ムヨン?」
向こうに、ムヨンの姿が見えたのだ。
少し追いかけたところで、参列していたヤン・ギョンモ博士が声を掛ける。「誰だったんです?」
ヤン・ギョンモ博士「お知り合いですか?」
「ムヨンですよ」去っていく彼の後ろ姿を見送り、修道女は言った。
ヤン・ギョンモ博士「ムヨンが…?」
修道女「えぇ。テレサ様が亡くなったのを、どこで知ったのか…」
ヤン・ギョンモ博士「…。」
「間違いなくムヨンでした」そう言って、修道女は目に涙をにじませた。
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教会を後にして、ムヨンは人気のない道を一人歩いていた。
メールの着信音が響く。
”私、ユ・ジンガン”
ムヨンの同僚から連絡先を聞いたのだ。
ジンガン(メール)「土曜日4時、漢江の河川敷に来てって、スンアから」
ムヨン(メール)「それを何でお前が?」
ジンガン(メール)「家に閉じ込められてるって。携帯も没収されて」
ムヨン(メール)「何で?」
”何でって、あんたと外泊して” そう打って消し、ジンガンは力なく溜息をついた。「…。」
ムヨンの携帯に返信が届いたのは、ずいぶん経ってからのことだ。
ジンガン(メール)「時間守りなよ」
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ギター教室にやってきた中年男ユ・ジングクの大熱唱を、イム・ユリはうんざりした様子で眺めた。
※ジングクが歌っているのは、양희은の”이루어질 수 없는 사랑”(1973)
ジングク「この曲知らないのか?俺たちの頃はみんな覚えたんだけど」
「さよなら~♪」再び歌いだしたジングクを、ユリはたまらず遮る。「おじさん」
ユリ「おじさん、ギター習いに来たんじゃないでしょ」
ジングク「習いに来たんだけど。ここはいい先生が多いって言ってたから」
ユリ「誰が?」
ジングク「キム・ムヨン」
ユリ「… おじさん何者?」
「キム・ムヨンの…」ジングクは胸ポケットから身分証を出す。「ご近所さん」
「…。」黙り込み、ユリはPCに視線を戻した。
ジングク「キム・ムヨンはチョン・ミヨンとつき合ってたんだろ」
「え?」ユリが呆れて笑い出す。「誰と誰がつき合うって?」
ジングク「それとも君かな?君はキム・ムヨンのこと好きなんだろ」
ユリ「バカ言わないで。誰が30にもなる年寄り好きになるわけ?」
「年寄りって」ジングクが思わず笑う。「30歳で…ひどいな」
ジングク「キム・ムヨンが聞いたら泣くぞ」
ユリ「おじさん、警察なんでしょ」
「もう一度見せてやろうか?」ジングクが再び身分証をかざす。
ユリ「どうしてムヨンさんのことを?」
ジングク「注意喚起だ」
ユリ「…。」
ジングク「チョン・ミヨンの事件、俺はキム・ムヨンを疑ってる」
ユリ「…。」
ジングク「気をつけろ。君だって下手にかばうと大変なことになる」
平静を装いながら、ユリの心の中で不安が次第に大きくなっていた。「ムヨン… ムヨンさんを疑ってるって?」
ジングクがうなずく。
ユリ「どうして?ムヨンさんはミヨンのことあまり知らないわ」
ジングク「そうなのか?」
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「再捜査?」驚くチョロンに、ジングクはうなずいた。「うん」
チョロン「いまさらどうやって?しかも僕ら二人で」
ジングク「もしも別のヤツが犯人だったら?最悪の場合、第2の被害者が出るかもしれないだろ。それがイム・ユリだったらどうするんだ?」
チョロン「第2の… 被害者?」
ジングク「(うなずく)」
チョロン「そんなぁ、僕はチェ・サンフンが犯人だと思うけど」
ジングク「本当にそうなのか、そうであってほしいのか、どっちだ?」
チョロン「どっちもです」
ジングク「再捜査するのか、しないのか、どっちだ?」
「…。」チョロンは困ったように周囲を見回す。「できない… んですよ」
ジングクが眉間にシワを寄せた瞬間、チョロンの携帯が鳴った。
「メールが来たので」チョロンは逃げるように席を立った。
チョロン「(メールを見て)あ、ジンガンさんだ」
ジングク「?」
チョロン「土曜日、ディナーの約束をしてたんですけど… ランチにしようって」
ジングク「おい、今そんなのどうでもいいだろ」
チョロン「大事なことですよ」
少し考えて、チョロンがジングクの隣に戻ってくる。「課長、この雰囲気で訊いていいのかわかりませんけど」
チョロン「… ジンガンさんの誕生日っていつです?」
ジングク「やれやれ、こいつは…。4月7日だ」
チョロン「4月7日!はははっ!4月7日か。それから、生まれた時刻は… いつでしょうね?」
ジングク「こいつ、若いくせに迷信みたいもん信じやがって。相性占いでもするつもりか?」
チョロン「…。」
ジングク「そういうお前はいつなんだ?何年何月何日…何時だ?」
#チョロン可愛いよチョロン♪
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車の助手席に揺られていたイ班長は、ハッと歩道に視線を向けた。「あれ、オム・チョロンじゃないか?」
端正に制服を着込んだチョロンが、若い女性と歩いているのが見える。
「あいつ、非番なのに制服なんか」運転席で同じ3班のファン捜査員が笑う。「彼女に”いいカッコ”したいんでしょうね」
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「ごめんなさい、久しぶりだったのに」並んで歩きながら、ジンガンはチョロンに詫びた。
チョロン「食事は食事ですから。コーヒーも飲んだし。次の非番はどうしようかな♪」
そのとき、クラクションが鳴って、脇に車が停まった。
「オム・チョロ~ン!」イ班長が窓から声を掛ける。。
#わざわざUターンしてからかうなんて、許されるのせいぜい大学生までじゃない?
「初めまして」ファン捜査官がニヤニヤして顔をのぞかせた。「奥さん?」
チョロン「そんなんじゃないですよ~」
「こんにちは」ジンガンがニコヤカに頭を下げる。
チョロン「ジンガンさん、うちの班長です」
ジンガン「あっ、強力3班の班長さんですか?兄をよろしくお願いしいます」
イ班長「兄?」
チョロン「ユ警査の妹さんなんです」
イ班長「…ユ警査の?」
ジンガン「はい!ユ・ジングクの妹、ユ・ジンガンと申します」
「あぁ、そうですか」イ班長は作り笑顔で答える。
「…。」急に話題が続かなくなり、イ班長は運転席を振り返った。「行こう」
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ジングクはデスクでじっと考えを巡らせていた。
彼の頭の中にあるのは、チョン・ミヨン、そしてムヨンとユリ、3人の関係性だ。
チョン・ミヨン殺人事件について情報を閲覧しようと、データベースを検索すると、アクセス権がないと撥ねられてしまった。
「…。」彼はイ班長のネームプレートをじっと見つめる。
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チョロンと別れたジンガンは、スンアを訪ねた。
「では、行ってきます」スンアを誘い出し、母親に頭を下げる。
スンア母「気晴らしさせてやって頂戴な」
並んで出掛けていく二人を見送り、スンアの母は顔をしかめた。「同じレベルの友だちとつき合えないものかしら」
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「生き返ったわ」門を出るなり大きく伸びをし、スンアはジンガンに抱きついた。「ありがとう」
ジンガン「これで良かったのかどうか…。車は?」
スンア「もうないの。バスに乗ろう」
「バスに乗りたいの」スンアは先に立って歩き出した。
「本当に… これで良かったのかなぁ」まだ罪悪感にかられるジンガンを、スンアが振り返る。「ジンガン姉はムヨンさんのこと知らないからよ」
スンア「ムヨンさんが私にくれたもの、知らないから」
ジンガン「何をくれたのよ?」
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ジングクが廊下に出ると、ちょうどそこへイ班長が帰ってきた。「チョン・ミヨン事件、アクセス制限を解いてくれ」
ジングク「送検になったからって、追加捜査まで阻止する権限はないだろ」
イ班長「言ってもムダだ。わかってるくせに」
「あぁ」歩きかけて、イ班長は立ち止まる。「ユ・ジンガン?」
ジングク「!」
イ班長「ユ・ジングク、ユ・ジンガン。兄妹っぽく文字まで揃えたんだな」
「…。」ジングクの視線が、ゆっくりとイ班長へ向かう。
イ班長「あのときの子どもだろ」
ジングク「…。」
イ班長「大きくなったな。見違えたぞ」
ジングク「…。」
イ班長「そんなピリピリするなよ。どうした?俺が何か言ったんじゃないかって?何も言ってないぞ。ユ警査の妹だって聞いて、食欲まで失せちまったのに… 何も言うもんか」
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廊下で立ち尽くすジングクに、ソジョンが明るく声を掛けた。「ユ課長!」
角を曲がったところで、彼女はイ課長との会話を全て聞いていたのだ。
ソジョン「非番なのにどうしたの?」
ジングク「あ、あぁ、まぁいろいろあって」
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「彼だったのね」ジングクの捜査手帳を前に、ソジョンが言った。「どうしてチョン・ミヨンの事件にこだわってるのかと思ったら」
ソジョン「キム・ムヨンだったんだわ」
ジングク「…。」
ソジョン「一体どうしてそんなに敏感になるの?彼にだけ」
ジングク「敏感か?」
ソジョン「うん。私からみれば、いくつか偶然が重なっただけよ」
ジングク「本当に?」
ソジョン「私の目のは平凡な子よ。敢えて変わってるところを挙げるとすれば、何ていうか… ちょっと独特な雰囲気があるっていうのかしら。ユ課長が気にしすぎなのよ」
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「ムヨンさん!」漢江のほとりで待っていたムヨンに駆け寄り、スンアが彼に抱きついた。
”ムヨンさんが何をくれたの?”
その問いに、スンアは”私”と答えた。
”私、ムヨンさんと一緒にいるときだけ、本当の自分でいられるの”
幸せそうなスンアを眺めながら、ジンガンの胸にその言葉が蘇る。
「7時でいい?」二人に近づき、ジンガンは明るく言った。
スンア「7時… 半かな」
ジンガン「OK. 7時半にここで」
「時間ないから解散ね」さっと手を振り、ジンガンはそこを立ち去った。
「どうしてた?」「別に」反対側へ歩き出し、ムヨンはジンガンの背中をそっと振り返った。
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「乾杯」ソジョンが差し出した酒を前に、ジングクは頑なに腕組みをした。
ソジョン「チッ… 結局飲むくせに」
ジングク「飲まないぞ。仕事中の人間を真っ昼間から連れ出して、何が酒だ」
ソジョン「飲みたい気分にさせてあげよっか」
ジングク「…。」
ソジョン「さっき… イ・ギョンチャルと話してたこと、全部聞いたわ」
ジングク「…。」
ソジョン「一発お見舞いしてやりゃよかったのに。いくらろくでなしでも、ジンガンのことを…」
言いながら無性に腹が立ち、ソジョンはグイと酒を流し込んだ。
「美味しいな」ジングクは淡々と刺し身を褒める。
ソジョン「私ね、ユ課長に言いたくてたまらないことがあるんだけど」
「これ1杯だけ飲んだら言うわ」さらに飲もうとするのをジングクが取り上げ、飲み干した。「やめとけ」
ジングク「言わんとしてることが何であろうと… 言うな」
ソジョン「忘れなさい。ユ課長」
「ハハハ」ジングクが静かに笑う。「結局言うんだな」
ソジョン「だってさ… 人間ってそんなに立派なもの?違うわ。人は誰だって失敗しながら生きていくの」
ジングク「失敗か…」
ソジョン「25年よ。もういいじゃない。それだけ経てば忘れたっていいわ」
「ふふふ」ジングクはただ微笑むばかりだ。
ソジョン「それに、ジンガンがどれだけ綺麗か!あんな美人に育てただけでも、ユ課長には資格がある。幸せになる資格!」
ジングク「わかった。わかったよ」
「飲みたい気分になったから、もういいぞ」ジングクは酒をつぎ、彼女に笑いかけた。「飲もう」
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何をするでもなく、ジンガンは一人、川辺を歩いて時間を過ごした。
ベンチで携帯を開き、写真に顔をほころばせる。
ヘサン病院の前で、ジングクが女の子にアイスを差し出している写真だ。
ジンガン「…。」
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ホテルの部屋に入ってみると、そこは照明でほんのりピンクに染まっていた。
「”ゆっくりお休みください”って、そういう意味なのね」先に立って部屋に入り、スンアが言う。
「面白いわ」まだドアのところに立っているムヨンを、笑って振り返る。
ムヨン「大丈夫なのか?」
スンア「もちろん。来ようって言ったの私なんだし」
「それじゃ、”休んで” いけばいいよね」ベッドの縁にそわそわと腰を下ろした。
手を浮かしたまま握ったり開いたり、落ち着かない様子だ。
ムヨン「…。」
スンア「どうしたの?」
ムヨンは彼女の足元にしゃがみ、その手を握った。「出よう」
スンア「え?」
ムヨン「潔癖症でシーツにも触れないくせに」
「そんなことないよ」スンアは両手をシーツの上にペタッと置いてみせた。「ちゃんと触れるわ」
ムヨンは彼女の手を取り、立ち上がる。「こういうとこイヤなんだ、俺」
「…。」スンアも立ち上がり、彼に抱きついた。「愛してる」
ムヨン「…。」
答えの代わりに、ムヨンは彼女を抱き寄せる手に力を込めた。
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ここで一旦区切ります。
イム・ユリ、周りの評判どおり生意気なんだけど、見ているうちにどんどん可愛く見えてくるから不思議。
ムヨンの前では素直だったり、ムヨンのこととなると顔が変わっちゃうわかりやすさがいいんだよな。
ちょっとムッチリしてるのも可愛い(笑)
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