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空から降る一億の星(韓国版)あらすじ&日本語訳 8話前編

   

ソ・イングク、チョン・ソミン、パク・ソンウン主演、tvN韓国ドラマ【空から降る一億の星】、8話の前半、詳細なセリフの日本語訳を交えながら、あらすじを紹介していきます。

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静かな取調室で、ユリはポツリポツリとその夜のことを話し始めた。

ユリ「気がついたら… ミヨンの家だったんです」

そっと扉を開いて覗いてみると、ミヨンと恋人のチェ・サンフンが見える。
「行こう」「行かない」二人はそう言い争っていた。

ユリ「喧嘩してるみたいでした。そのうちサンフンが帰って、ミヨンが戻ってきました。それから、覚えてるのは…」

「血」ユリの頭の中に残っているのは、床を流れるおびただしい量の血だ。
「血が…」血溜まりの向こうに、うつ伏せに倒れ、ピクピクと痙攣する人影が見える。

ユリ「思い出せない」
ジングク「ユリ」
ユリ「思い出せません」

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翌朝早く、ジンガンは病院へ走っていた。
スンアの母親が声を震わせて電話をしてきたのだ。

スンア母(電話)「スンアの車が事故に遭ったとしか言わないの。警察もそれ以上何も言わない。ジンガン… 一緒にいた人は死んだって」

交差点の向こうで、ビルに備え付けられたオーロラビジョンがニュースを報じている。

『ニュース速報 NJグループ チャン・ウサン専務、交通事故で死亡』
『雨に濡れた道での加速が招いた惨事』

「!!!」衝撃でジンガンの身体がぐらりとよろめく。
彼女の感じていた言いしれぬ不安は… 現実になった。

『同乗していたペク氏(27歳)は重体』

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尻込みするユリを連れ、ジングクはミヨンのマンションへやって来た。
エレベーターを降り、廊下を進む。
「気づいたら部屋の中だったんだろう?」そう言いながら、玄関のパスワードを入れた。

ジングク「辛いだろうが、入ってみれば思い出すさ」

さきにジングクが中に入る。
ユリは耐えられず、逃げ出した。

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ユリを追って下まで駆けてきたジングクは、わざと捕まえず、彼女の逃げる後をつけた。
どこから出てどの道を通り、どこで曲がったか。
道中、どの防犯カメラがフェイクなのか、まだしっかり頭に入っている。

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手術室から医師が出てきた。

医師「手術は上手くいったので、命に別状はありません」

スンアの母親がこみ上げた涙に顔をおさえる。

医師「ただし、経過を見守りませんと」

スンアの母は少し離れて待っていたジンガンに思わず抱きついた。「助かったって!」

#わかる。腹が立ってビンタした相手でも、娘が死ぬかと思うと、そんなのどうでもいい。いてくれるだけで有難い。そして、前から疑問だったがスンアが父親はどうした?

そこへ近づいてきたのは、ウサンの秘書だ。
秘書はジンガンを一瞥し、「話がある」とスンアの母を連れ出した。

入れ替わりで駆けつけたのが、ジングクだ。

ジングク「スンアは?」
ジンガン「手術、成功したって」

「良かった!」ジングクはホッと息をつき、妹の手を握る。

ジングク「大丈夫か?驚いたろ」
ジンガン「だけど、お兄ちゃん… なんだか変なの」
ジングク「?」

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ジンガンが病院の中庭で待っていると、兄が走ってきた。
妹を待たせておき、病院の案内カウンターへ寄ってきたのだ。

兄「ここにはいないって」
妹「いない?」
兄「夜中に交通事故で運ばれたのは、死んだチャン・ウサンとスンアだけだそうだ」
妹「そんなはずが…」
兄「キム・ムヨンがスンアの車に乗ってたのは間違いないのか?」
妹「間違いない。ハッキリ見たわ。キム・ムヨンはスンアの運転する車の助手席に乗っていて、後ろをチャン・ウサンが自分で運転して追いかけてた。それなのに、キム・ムヨンが話に出てこない。ニュースでもスンアがチャン・ウサンの車に乗ってたように言われてるし。違うわ、そんなの嘘よ。スンアのおばさん、私に電話してきて言ったのよ。警察から連絡があって、スンアの車が事故に遭ったって」
兄「…。」
妹「お兄ちゃん、あいつに何かあったみたい」

「ジンガン」妹の両腕を支えるように、ジングクは彼女をベンチに座らせる。「落ち着いて話すんだ。最初からゆっくり」

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署へ向かいながら、ジングクは妹の話を反芻していた。

「何日か前、チャン・ウサンがキム・ムヨンを殴ったの。ゴロツキを雇って」

ムヨンが痣だらけになっているのを、ジングクも知っている。
一方的に殴られたと、ムヨンはそのとき言ったのだ。

「そのときからだと思う。なんだかすごく不安で、何か起きそうな気がして…」
「あいつ言ってたの。殴ったゴロツキたちは何も知らないって。訴えるにしても、立ち向かうにしても、命令した張本人を相手に、ちゃんとやるって」

強力3班へやってくると、皆がチャン・ウサン死亡を報じるTVを見つめていた。

記者「本日夜中の0時15分、雨に濡れた道にハンドルをとられた車が、ガードレールを突き破り、10m下へ墜落しました」

画面が警察の記者会見に切り替わる。

交通警備課長キム・サンジン「制限速度を守らなかったドライバーが、雨の中、急カーブで減速できずに事故が発生したとみられます。ドライバーが死亡しており、正確な状況は…」

イ・ギョンチャル班長が立ち上がり、TVを覗く。「おぉ、サンジン先輩か」

ファン捜査官「お知り合いですか?」
イ班長「あぁ、昔、同じチームだった先輩。老けたなぁ」
ファン捜査官「昔のチーム?」

「あったんだ」イ班長はそう言って、ジングクをジロリと見る。「誰かさんのせいでおじゃんになったチームが」

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ジンガンも職場へ遅れて顔を出した。
ファン代表が彼女に駆け寄る。「スンアさんは?大丈夫なの?」

ジンガン「えぇ、幸い峠は越えました。手術が上手くいって」
代表「良かったわ。顔は見て来た?」
ジンガン「はい。だけど、まだ意識がなくて。手術は上手くいったけど、何日か様子をみないといけないそうです。まだ安定したわけじゃなくて」
代表「そうよね。10mも下に落ちたのに、行きてること自体奇跡じゃない?」
ジンガン「…。」

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昼食を前にして、ジングクはどうにも食が進まず匙を置いた。

ソジョン「何よ?もう食べないの?」
ジングク「あぁ、ゆっくり食べな」
ソジョン「手術、上手くいったんでしょ。良かったじゃない」

「だから食べなさいよ」ソジョンが差し出した匙を、仕方なく手に取る。
一口すすって、ジングクはポツリと言った。「キム・ムヨンが消えた」

ソジョン「消えたってどういうこと?」

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回収口から食器を返し、ソジョンは話し続けた。「もっとビックリしたのは…」

ソジョン「キム・ムヨンがペク・スンアとつき合ってたってことよ」
ジングク「少しの間だけだ」
ソジョン「それで?NJ側がキム・ムヨンを隠してると思ってるわけ?」
ジングク「よくわからんが、事故自体を統制してるのは確かだ。ニュースもそうだし。ジンガンの言った通りなら、墜落したのはスンアの車も含めて2台なのに、そんな話、全く出てないだろ」
ソジョン「財閥たちって本当にそんなこと出来るのかしら」
ジングク「…。」
ソジョン「わぁ、怖すぎる。まさか彼、どうにかなったわけじゃないわよね」
ジングク「まさか」

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ジンガンはムヨンの家を訪れた。
主の気配はなく、電話にも応答はない。
ドアの前でうずくまった彼女は、可愛い鳴き声に顔を上げた。「?」

子猫だ。

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街の動物病院からジンガンが出てくるのを、ちょうど車で通りがかったジングクが呼び止めた。「ジンガン!ユ・ジンガン!」
ぼんやり横断歩道を渡っていくジンガンは、なかなか兄の声にも気づかず、何度も呼びかけて、ようやく振り返った。

妹を助手席に乗せ、ジングクはボヤく。「呼んでも気づかないほどボンヤリして」

妹「…。」
兄「なんで動物病院に?」
妹「あ… 子猫のエサを買おうと思って」
兄「子猫?」

「飼ってもいないのに、エサなんか…」そう笑って、ジングクはハッと言葉を飲み込む。
子猫を抱いていたムヨンの姿が蘇ったのだ。「…。」

妹「キム・ムヨンのこと、何かわかった?」
兄「まだ」
妹「失踪届、出そうかな」
兄「お前がなんで?」
妹「人がいなくなったからよ」
兄「だから、なんでお前が?お前に関係ないだろ」
妹「関係ないって何よ。心配だから届け出るんでしょ」
兄「届出も捜査も俺がやる。お前はおとなしくしてろ」
妹「…。」
兄「返事がないぞ」

「…。」ジンガンは答える代わりに、力なく窓の外へ視線を移した。

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翌日。

スンアの意識は依然として戻らなかった。
しばらくベッド脇にただただ寄り添うと、ジンガンはロビーへと下りてくる。
そこへ、ウサンの秘書だった男が前を通り過ぎた。

ジンガン「すみません」

「?」秘書が振り返り、怪訝な顔で彼女を見た。

ジンガン「チャン・ウサン専務の秘書でいらっしゃいますよね」
秘書「そうですが」
ジンガン「キム・ムヨンさんをご存知ですよね」
秘書「キム・ムヨン?」
ジンガン「先週木曜日の夜、ウォニョン洞にいらっしゃったでしょう?」
秘書「私が?」
ジンガン「ウォニョン印刷所の建物の前で私とぶつかったじゃないですか。キム・ムヨンっていう人の家の前で」
秘書「何のことだか…」
ジンガン「!」
秘書「人違いだと思います」

「では」小さく頭を下げ、秘書は背を向けた。

ジンガン「どこにいるのか、それだけ教えてください!」
秘書「…。」
ジンガン「あの人… 生きてるんですか?」

「…。」立ち止まったものの、秘書は振り返ることなく、曲がり角の向こうへ姿を消した。

ジンガン「…。」

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ジングクは、交通警備課長として今回の事故を担当したキム・サンジンを訪ねていた。
イ班長の話したとおり、彼らはかつて一緒に働いた仲間だ。
久しぶりに会いに来たジングクを、サンジンは屋台へ誘った。

「けしからんヤツめ」、酒をつぐなり、サンジンは不義理なジングクに不平を漏らした。

サンジン「いくら礼儀がなってないと言ってもだな、お前のお母さんが亡くなったのを、3年も経ってから人づてに聞かされるなんて」
ジングク「そうですよね、申し訳ない」
サンジン「悪いと思うなら飲め」
ジングク「…。」
サンジン「飲んで、明日帰れ。じゃなきゃ、二度と会わんぞ」

「そうしましょう」ジングクはもう一度懐かしい先輩とグラスを合わせた。

サンジン「ところで、どうした?用もなく会いに来たはずはないし」
ジングク「キム・ムヨンはどこにいるんです?」
サンジン「キム・ムヨン?」
ジングク「一昨日のチャン・ウサンの事故当時、一緒にいた男です。どこへ隠したんです?」

「…。」サンジンは黙ってジングクを見つめる。

サンジン「こいつめ、俺から事情聴取か」
ジングク「直球過ぎたかな。いやいや、先輩が教えてくれたでしょ、ストレートに行けって。ぐいっと突っ込めば…」
サンジン「ポンと飛び出すってな」

二人は顔を見合わせて笑う。

サンジン「そこまで教えに忠実なヤツが、なんで下で働いてた鼻ったれに使われてるんだ?イ・ギョンチャルのチームにいるんだろ」
ジングク「えぇ。それって恥かな」
サンジン「ただの恥じゃないぞ。とんでもない恥だ」

「ところで」サンジンの声からおどけた調子が抜ける。「なぜ知りたがる?」

サンジン「知り合いなのか?その男」
ジングク「ええ。あれこれ勘ぐらずに、知ってることを教えてください。今、どこにいるんです?」

「わからん」サンジンはそれでも首を横に振った。

ジングク「…。」
サンジン「本当に知らないんだ、俺だって」

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チャン・ウサンの葬儀が行われていた。
葬儀会場を出た姉のセランは、エレベーターに乗り、上を目指す。
葬儀用の帽子を取り、涙を拭うと、エレベーターが止まった。
そこはV.I.P病棟だ。

奥の部屋の前でウサンの秘書が見張っている。
中へ通されると、セランはベッドをそっと覗き込んだ。

ベッドの上で眠っているムヨンを。

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「目撃者じゃないか」サンジンの話は続く。

サンジン「あっちの立場からすりゃ神経をとがらせるのも無理はない。いつ目覚めるかもわからないし、目覚めて何を言い出すかもわからない」
ジングク「意識がないってことか」
サンジン「今は知らんが、事故当時はそうだった。だが、重体ってわけじゃなさそうだ」
ジングク「…。」
サンジン「ところでお前、20億の小切手、見たことあるか?」
ジングク「20億の小切手?」

「あぁ」頷いて、サンジンは声を落とす。「この件、痴情のもつれだ」

ジングク「痴情?」
サンジン「あぁ。女性のバッグから20億の小切手が出てきたんだが、包んでいた紙にメモ書きがあった。きっと男が書いたものだ」

「何だったかな」サンジンが記憶を辿る。「愛かどうかよくわからないが、とにかく一緒に発とう… そんな内容だ」

ジングク「…。」
サンジン「俺が思うに、二人でコッソリ逃げようとして見つかったんだろう。死んだ財閥に」
ジングク「…。」

「事故当時」サンジンはさらに身を乗り出す。「チャン・ウサンは泥酔状態だった」

サンジン「先を走っていた女の車が雨でスリップしたんだが、そこへ思い切り突っ込んだ。2台とも全く同じ高さで衝突してる」
ジングク「チャン・ウサンがブレーキを踏まなかったってことか?」
サンジン「そうだ。ブレーキを踏んでいれば、後ろの車は前の車の下に吸い込まれるはずだろ。衝突位置ももっと下じゃないと。だが、衝突の高さはほとんど水平だった。どう思う?俺と一緒に死のう、そう決心して突っ込んだんだ」

#いや~、たくさん喋ってくれたねぇ、サンジン先輩。ジングク兄の理解者がいて嬉しいな。

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「ハッ!」いつの間にか自室でうたた寝をしていたジンガンは、ビクリとして起き上がった。
何かあったのかもしれない。
彼女はムヨンの家へと走った。

もう何度もそうしたように…。

玄関のドアノブをガチャガチャと回して見るも、さっき来たときと何も変わりはない。
その場にうずくまり、ジンガンは… 泣いた。

ジンガン「どこにいるの…?」

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翌朝。

「ビアグラス?」ジングクはチョロンから電話で報告を受けていた。

チョロン(電話)「はい。チョン・ミヨンの誕生パーティの写真に映ってたビアグラスです。今、チョン・ミヨンの舞踊科の同級生に会ってきたんですけど、練習室に同じグラスがあったんです」
ジングク(電話)「そうなのか」
チョロン「ええ、夏にビールのイベントに行って、チョン・ミヨンたちもみんな一緒に貰ったそうで」
ジングク「あぁそうだ。そのグラス、ビールフェスティバル用に作ったって聞いたぞ」
チョロン「えぇ、そうなんですよ。もう少し調べたいんですけど、課長は今どこに?」

ジングクはサンジンの勤める警察署の前だ。
サンジンが見送りに出てきたところだった。

ジングク(電話)「2時間ほどで戻るから、後で会おう」

電話を切ると、ジングクは車のドアを開けた。「行きます」

サンジン「あぁ」

ジングクが車に乗り込むと、サンジンがさっと手を伸ばし、運転席のサンバイザーに紙幣を挟んだ。「ほら」
「ちょっと!金なんて」ジングクが返そうとするも、サンジンは取り合わない。「チビに菓子でも買ってやれ」

ジングク「何が菓子ですか!チビももう30ですよ」

突き返された金を、それでもサンジンはサンバイザーに押し込んだ。「買ってやれって」

ジングク「…。」
サンジン「あんなに小さかった子を30まで…。そんな人生がやり切れなくてな」

「…。」ジングクはわざと明るく笑ってみせる。「わかった。買ってやろう、菓子」
「今度こそ行きます」そう言ってシートベルトを締めるジングクに、サンジンは躊躇いながら切り出した。「ジングク」

サンジン「キョンチャルから何か聞かなかったか?」
ジングク「何を?」
サンジン「あの子が会いに来たって」
ジングク「あの子って?」
サンジン「お前が探してた男の子」

「!」ジングクの顔つきが変わった。「あの子が会いに来たって?いつ?」

サンジン「20年は経つ。お前がソウルへ移って3ヶ月だったかな。警察署へ会いに来たんだ」
ジングク「!」
サンジン「その日、俺はいなくて。キョンチャルが会ったんだ」
ジングク「…。」

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秋の田舎道
ラジオから流れる歌
沸騰しているヤカン
そして、誰かの構える銃が…

火を噴いた瞬間、ベッドの上でムヨンはハッと目を覚ました。

ムヨン「!」

ここはどこだろう。
冷静に自分の状況を探る。

病院だ。

手すりに手をかけ、ゆっくりと起き上がると…
正面に座っているウサンの秘書が、まっすぐこちらを見つめていた。

秘書「…。」
ムヨン「…。」

#この秘書さん、なかなかいいですね~。ちょっとロボットみたいというか、無機質で何を考えているのかわからない感じが。

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前のめりでウォニョン警察署へ帰還したジングクは、さっそくイ・ギョンチャル班長を捕まえた。「なんで言わなかった?!」

ジングク「あの子が警察署に会いに来たって」
イ班長「何言ってんだ?!」
ジングク「俺が探してた子、お前、会ったんだろ」

「やめろよ!」掴まれた腕を、イ班長は力いっぱい振り払った。

ジングク「何を話した?あの子に何て言ったんだ?」
イ班長「いまさらそんなもの…!」

ジングクの真剣な目に、イ班長は言葉を飲み込む。「!」

イ班長「…帰れと言った」
ジングク「何?」
イ班長「帰れと言ったんだ。お前の会いたい人間はここにいないから、今すぐ失せろとな!」

「何だって?」ジングクの顔が悲痛に歪む。

イ班長「だってそうだろ。あんたソウルに逃げて、もういなかったじゃないか!」

絶句するジングクを睨みつけ、イ班長は憮然と立ち去った。

ジングク「…。」

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ここで区切ります。

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