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マンホール-不思議の国のピル15話あらすじ&日本語訳vol.2

   

ジェジュン、ユイ、チョン・ヘソン、バロ出演のKBSドラマ『マンホール 不思議の国のピル』15話レビュー、後半です。

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ピルの叔父の家は正面が販売用のカウンターになっていて、海を訪れた客にドリンクを振る舞っていた。
スジンが戻ってみると、叔父がカウンター前の掃き掃除をしている。

スジン「叔父さん」
叔父「おぅ?」
スジン「お掃除なさってるんですね」
叔父「あぁ、そろそろ営業しなきゃな」
スジン「もう海兵隊の服は着られないんですか?」
叔父「あはっ!最近ガールフレンドが出来てね。小綺麗にしないと」
スジン「うふっ♪」
叔父「もうすぐ昼飯の時間だし、腹が減ったろ。ピルがガールフレンドに食べさせようって、向こうで何かどっさり作ってたから、行ってみなよ」
スジン「(微笑)叔父さん、コーヒーを2杯お願いします」
叔父「コーヒー?二人で?水入らずで?いいねぇ」

スジンはポケットからクレジットカードを出した。「これで」

叔父「そんなのいいんだよ!知らない間柄じゃあるまいし」
スジン「お世話になってるんだし、コーヒー代くらい出させてください」

叔父はクレジットカードを受け取り、ベンチを指差した。「少しだけ座って待ってなよ。美味しいの作ってやるからさ」

スジン「冷たいのをお願いします」

「お嬢さんのこと、ピルはまだ大好きみたいだな」店の中へまわり、コーヒーを作りながら、叔父がカウンター越しに言った。

スジン「…。」
叔父「焦らすのはそれくらいにして、気持ちを受け入れてやってくれよ」

スジンはニッコリ微笑む。「あ、叔父さん、ひょっとしてカメラありませんか?あったら一日だけ貸してもらえないかと思って」

叔父「カメラ?あぁ、古いのが一つあるにはあるが。ちょっと待ってなよ」

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ジェヒョンが持っているスジンの携帯にメールが入った。

『大韓カード承認 カン・スジン 9,000ウォン一時払い 月光カフェ江陵店』

カードを使用したことで、スジンの居場所がジェヒョンに伝わってしまったのだ。
ジェヒョンはすぐさま家を出た。

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マンションの前へ出てくると、ジェヒョンは車の鍵を開けた。
そこへ向こうからやって来たチェ警査が声を掛ける。「パク・ジェヒョンさん!」

「!」ジェヒョンは咄嗟に急いで車に乗り込み、アクセルを踏んだ。

ジェヒョン「どうして俺を訪ねてきたんだ?ポン・ピルが通報したのか?」

ジェヒョンは自分の携帯を取り出し、電源をオフにした。

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ピルはカフェ横のスペースで青空クッキングの真っ最中だ。
野菜をたっぷり刻んで鍋に投入すると、今度は卵を割り、フライパンに流し込む。
「ピル」二人分のコーヒーを手に、スジンがやってきた。「何してるの?」

ピル「あぁ、部屋にいればいいのに」

コーヒーを受け取り、ピルは器用に片手でフライパンを揺する。

スジン「こんなにいっぱい作ってるの?!」
ピル「お前に食べさせようと思ってさ、ポンシェフが久しぶりに実力発揮してるんだ」

「見てろよ。簡単に見えるけど、すごく難しいんだから」目玉焼きの下にフライ返しを差し込むと、クルリと裏返してみせる。

スジン「おぉ~!上手」
ピル「あはっ」
スジン「ピル、これ持ってってさ、海辺で食べようか」
ピル「いいね」

ピルは彼女の腕にぶら下がっているカメラに目を留めた。「カメラ、どうしたんだ?」

スジン「叔父さんに借りたの。景色がいいから、久しぶりに写真でも撮ろうと思って」

「またイケてる被写体になってやらないとな」ピルが腕を組んで見せると、スジンが思わず笑う。

ピル「待ってな。すぐ食べ物包むから。弁当箱どこだっけ」

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「いい天気だな」お弁当をぶら下げ、ピルはスジンと並んで海辺の小道を歩いた。

ピル「超いい写真が撮れそうだ」
スジン「そうだね」

スジンは足を少し引きずるようにして歩いていた。

ピル「まだ痛いみたいだな」
スジン「ううん、大丈夫」

ピルはさっと彼女の前に背を向けて跪く。「おぶってやるよ」

スジン「いいってば」
ピル「怪我してるから、特別に背中を貸してやるんだぞ。俺の背中は意外と広いんだから。ほら」
スジン「立ちなよ、早く」
ピル「ホントに大丈夫だから」

ピルは無理やりスジンを背負い、歩き出した。「おい、お前なんでこんなに軽いんだよ?ちゃんと食えよな」

スジン「ねぇポン・ピル、あんた大きくなったね。前はおんぶなんて出来なかったのに」
ピル「そんなことないだろ」
スジン「幼稚園のときは私がおんぶしてあげてたもん」
ピル「いつの話だよ!俺はな、幼稚園を出てから筋肉がついたんだから」

ピルの背中で、スジンがニッコリ微笑む。
「しっかりつかまってろよ」スジンを背負ったまま、ピルは駆け出した。

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二人は砂浜で最高に楽しい時間を過ごした。

ファインダーの中ではしゃぐピルを見つめるうち、スジンはこみ上げてくる涙を密かにのみこんだ。

スジン「…。」

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シートに並んで腰を下ろし、二人はピルお手製のお弁当を広げた。

スジン「おお~!それっぽい!」
ピル「俺が精魂込めて作ったお弁当だ。一口も残しちゃダメだぞ」
スジン「わかった」

「どれどれ」スジンが一口つまむ。「美味しい!」

スジン「料理も上手いのね。”婿にしたい男No.1”だわ」
ピル「やらないだけで、出来ないことなんか一つもないんだから。誰かに料理してやるのは初めてなんだ。光栄に思えよ」
スジン「わかった。ありがたくいただくね」

「ピル」スジンはそのまま箸をおいた。

スジン「私、やっぱり今日ソウルに戻らなきゃ」
ピル「今日?」
スジン「うん、いつまでもここにいるわけにはいかないでしょ」
ピル「もう少しゆっくりしてからじゃダメかな。このまま帰るなんて寂しいから…」

スジンは叔父から借りたカメラを差し出す。「これ」

ピル「?」
スジン「あんたとこうして時間を過ごすのは、これで最後になると思うの」
ピル「それどういう意味?最後って」
スジン「時間旅行で起こった出来事を聞いて、だいぶ考えたんだけど… 私たち、一緒にいないほうがいい気がする。あんたはいつも私のせいで危ない目に遭って、辛い思いばかりしてるでしょ」
ピル「いや、俺は辛いなんて思ったこと一度もないぞ。お前のそばにいられれば、それだけでいい。他に望むことなんて何もないんだ」

#ピラ!さらっと自然に凄い告白じゃないか♥

スジン「ピル、私、あんたにそうしてもらいたくないの」
ピル「?」
スジン「あんたが私のせいで不幸になるのは、これ以上見ていられない」
ピル「スジン…」
スジン「時間旅行してて、私と一度も上手くいかなかったって言ったよね。それは私たちが結ばれない運命だってことよ」
ピル「…。」
スジン「今だってそうだわ。私はもう結婚してるから、結ばれないでしょ」
ピル「パク・ジェヒョンがどんな人だか、お前ももうわかったろ。危険な人なんだ。どんな目に遭うかわからない」
スジン「あんたに会うのをやめるのは、ジェヒョンさんと何の関係もないわ。私が選択したことよ」
ピル「…。」
スジン「私、あんたに幸せになってほしいの。また時間旅行をすることになるか、この時間に留まることになるかわからないけど、今後どんな状況になったとしても… 決して私を選ばないで」
ピル「…。」


スジン「これ以上、私のせいで苦しまないでほしいの」

スジンは湿った溜息をつく。
「先に帰るわ。ゆっくりしてね」ピルを残し、スジンは立ち上がった。

遠ざかっていく彼女の背中に呼びかけることさえ出来ず、ピルは茫然と見送った。

#あぁ渾身のお弁当ㅠㅠㅠ

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ピルと別れて歩きながら、スジンの目から堪えていた涙が溢れ出した。
そうして涙を手のひらで拭うと、彼女は左手の薬指をから指輪を抜き取り、そのまま地面に落とす。
決済メールを頼りに江陵へやって来たジェヒョンが、彼女を見つけたのはその時だ。

スジン「…ジェ、ジェヒョンさん」
ジェヒョン「スジン」

近づいてくるジェヒョンに合わせるように、スジンは後ずさりをし、怯えたような目で彼を見た。

ジェヒョン「スジン、話し合おう」
スジン「…。」
ジェヒョン「少しだけ僕の話を聞いてくれ」
スジン「…。」

「お願いだ」彼女を見つめるジェヒョンの目は、とても静かで真っ直ぐだった。

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スジンとジェヒョンは海辺のベンチに並んでいた。

スジン「どうしてここがわかったの?」
ジェヒョン「君が落とした携帯、僕が持ってた。決済メールを見て来たんだ」
スジン「…。」

ジェヒョンが彼女の表情を窺うように覗き込む。「僕に失望したろ」

ジェヒョン「僕があんなことをしたと知って、すごく驚いたと思う」
スジン「…。」
ジェヒョン「僕も自分で自分が許せないよ」
スジン「昨夜、私とピルが一緒にいたとき… わざと轢こうとしたの?」
ジェヒョン「君がポン・ピルさんといるのを見て…」

スジンが重苦しく目を閉じた。「…。」

ジェヒョン「すごく腹が立って、あの瞬間、思わずやってたんだ」
スジン「腹が立つからって、やっていいこと?!それで… 通り魔暴行もやったの?」
ジェヒョン「自分でもわからないんだ。腹が立った瞬間、自分で自分が制御できなくなる。いつも後悔するけど統制できなくて、自分でも参ってるんだ」
スジン「私、ジェヒョンさんがそんなことしたなんて、今でも信じられないわ。ジェヒョンさんはいい人だったのに、どうしてそんなことしたの?」
ジェヒョン「…。」
スジン「ううん。どんな言い訳をしたって、ジェヒョンさんがやったことは見過ごせないわ」

「ジェヒョンさん」俯いているジェヒョンに、スジンは真っ直ぐ向き直る。「自首して」

ジェヒョン「…。」
スジン「犯した罪を償って、治療を受けるのよ。そうすれば、良くなるかもしれないわ」
ジェヒョン「あぁ、わかった。自首するよ。その代わり、一緒に行ってくれる?」

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鼻歌を歌いながら小道を自転車でやって来たピルの叔父は、ふと足を止めた。「?」

#叔父さん、この歌好きだね^^

スジンが見知らぬ男とベンチに座っているのが見える。
さらに少し行くと、向こうからピルが一人で歩いてくるのに出くわした。「ピル!」

ピル「どこか行くの?」
叔父「あぁ、買い物にな。(後ろを指差し)スジンにお客が来てたぞ」
ピル「お客?」
叔父「あぁ、背が高くて、小綺麗なハンサム男だったな」
ピル「…。」
叔父「一体何者だろうな」

「!」ピルは弁当包みを叔父の自転車のカゴに突っ込み、全速力で駆け出した。

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海岸前の駐車場へ駆けつけると、ちょうどジェヒョンが車に乗り込むのが見える。
車が走り出すのを見て、ピルは急いで自分の車へ向かった。

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チェ警査は派出所へ戻り、駐車場の防犯カメラ映像をチェックしていた。

一台の車が入ってくる。
降りてきた男がトランクを閉め、歩きながら黒い帽子とマスクを脱いだ。

#で、どこ?

「あぁ!」チェ警査が痛恨の表情で天井を仰ぐ。「パク・ジェヒョンが犯人だったか」

チェ警査「担当刑事に連絡しろ」
シン巡査「?」
チェ警査「通り魔暴行犯の防犯カメラ映像を入手したってな」
シン巡査「は、はい」

チェ警査はもう一度画面のパク・ジェヒョンを恨めしそうに見つめた。

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これ以上じっとしちゃいられない。
警察へ行こうとしたスジンの母を、夫が宥める。「もう少し待ってみよう」
そこへドアを開けたのは…当の警察だ。「ごめんください」

両親「?!」
チェ警査「あ、玄関が開いていたので…失礼します」
スジン父「どうなさいました?」
チェ警査「カン・スジンさんはいらっしゃいますか?電話に出ませんし、家にもいらっしゃらないようでしたので、こちらに来てみたんです」
スジン父「なぜスジンを?」
スジン母「スジンに何かあったんですか?」
チェ警査「いえいえ、そうじゃないんです」
スジン父「それなら、なぜスジンを探しておいでなんです?」

「その…」チェ警査の顔がにわかに真剣味を帯びる。「パク・ジェヒョンさんについてお訊きしたいことがありまして」

スジン父「パク・ジェヒョン?うちの婿ですか?」
チェ警査「えぇ。近隣で起きている通り魔暴行をお存じですね?」
スジン父「はい。それがうちの婿と何の関係が?」
チェ警査「パク・ジェヒョンさんは有力な容疑者なんです」
スジン両親「えぇっ?!」

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スジンを助手席に乗せ、ジェヒョンの車が走っていた。

ジェヒョン「昨夜はポン・ピルさんと一緒だったのか?」

#さっきベンチで話してた時とまるで表情が違う。すごく冷たい目で、何を考えてるのか今度はスジンが不安そうにしてるね。車に乗せりゃこっちのもの感がすさまじい(゚Д゚;)

スジン「うん」
ジェヒョン「まさか同じ部屋に泊まったわけじゃないよな」
スジン「そんなわけないでしょ」
ジェヒョン「そうだな、スジンがそんなことするわけない」

車が分岐路を右へ折れる。
「?」スジンが不思議そうに道路標示を見上げた。「ソウルへ戻るんじゃないの?」

ジェヒョン「…。」
スジン「どうしてこっちの道に?」
ジェヒョン「どこかで気晴らしでもして行こうよ」
スジン「いきなりどういうこと?自首しに行くんでしょ」
ジェヒョン「イギリス旅行にも行けなかったし、このまま戻るのは勿体ないじゃないか。時間はあるんだから、ゆっくり帰ろう」

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ピルは懸命にジェヒョンの車を探していた。
そこへ電話が鳴る。
「ポン巡査!」チェ警査だ。

ピル(電話)「チェ警査、今、話の出来る状況じゃ…」
チェ警査(電話)「今、カン・スジンさんと一緒にいるのか?」
ピル「え?」
チェ警査「一緒にいるなら、急いでソウルへ戻って、陳述してもらわないといけないんだ」

「はぁ」チェ警査が顔を歪める。「ポン巡査の言ったとおり、パク・ジェヒョンが犯人だった」

ピル「!」
チェ警査「パク・ジェヒョンの奴、携帯も切って連絡がつかないところをみると、先に勘づいて逃げたようだ」
ピル「パク・ジェヒョン、今江陵一帯をカン・スジンと逃走中です」
チェ警査「何だって?!」
ピル「今、追跡しているところです」

そのとき、前方の車の向こうに視界がひらける。
そこに、ジェヒョンの車が見えた!

ピルがアクセルを踏み込むと共に、ジェヒョンもバックミラーの中に彼の車を見つける。「!」

チェ警査(電話)「ポン巡査!どうした?」

2台の車が、同時にスピードを上げる。
ジェヒョンは次々と前の車を追い越した。

スジン「急にどうしたの?」
ジェヒョン「…。」

信号が黄色に変わる。
ジェヒョンの車が突破した瞬間、それは赤に変わった。
ピルの目の前で、為す術もなく車が遠ざかっていく。
「あぁ!!!」悔しさにピルは叫び声を上げた。

ピル(電話)「パク・ジェヒョンの車を見失いました。ひとまずこの一帯を探します」

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すっかり日が沈んでいた。
静かなコテージのキッチンで、ジェヒョンが二人分のステーキを焼いている。
スジンはダイニングに座り、不安げにあたりを見渡した。

「お腹すいたろ?」ジェヒョンが振り返る。「少しだけ待ってなよ。すぐ出来るから」
スジンは思い切って立ち上がった。「ジェヒョンさん」

スジン「こんなことしてないで、ソウルへ帰ろう。戻って自首しようよ、ジェヒョンさん!」

「…。」ジェヒョンが手に持ったトングをコトンと置く。
冷たい金属音がキッチンに響いた。

ジェヒョン「僕と一緒にいるのがイヤなんだね」
スジン「え…」

ジェヒョンの冷たい目に圧倒されて、スジンは言葉を失う。
怯える彼女を見て、ジェヒョンはふっと笑みを見せた。「こういう時間は久しぶりだろ。今は何も考えずに楽しもうよ」
彼女の肩を掴み、椅子に押し戻す。「座ってなよ」

「…。」底知れぬ恐怖にスジンの息は荒くなった。
何とかしなければ…。
向こうの椅子の背もたれに、ジェヒョンの上着がかかっている。ポケットから覗いているのは彼女の携帯だ。
ジェヒョンの目を盗んでそれを抜き取ると、彼女はこっそりピルに電話を掛け、そのまま膝の横に置いた。

ジェヒョンが出来上がった皿をテーブルに持ってくる。「お腹空いたろう?先に食べてなよ」
「うん、ありがとう」努めて自然に、スジンは笑顔を見せ、携帯をチラリと見る。
ピルとの通話が繋がっていた。

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「もしもし?」ピルは路肩に車を停めた。「スジン?」
スジンの応答はなく、代わりに電話の向こうで会話をしているのが漏れ聞こえてくる。
「スジンの好きなステーキの完成だ」ジェヒョンの声だ。
ピルはイヤホンを押さえ、会話に耳を澄ませた。

飲み物を注ぐ音が響く。
「食べて。材料がなかったから、美味しいかどうか」
「うん」
「どう?美味しい?」
「うん、美味しいわ。ところで、湖にこんな別荘があるなんて知らなかったわ」

「!」ピルの目が鋭くなる。

「話したことなかったかな。両親から譲り受けた別荘があるって話した気がするけど」
「あぁ、そうだったかも。すごく素敵な湖ね。何ていう湖?」
「ハヌル湖だよ」
「へぇ、ハヌル湖?!ふーん」
「いい名前だろ。夜明けに霧が出るのを見ないとね。本当に綺麗なんだ」
「うん、見なきゃ」
「来て良かったろ?」

#小鼻の脇のかすかに汗ばんでる感じがたまりませぬ

「ハヌル湖!」ピルはカーナビゲーションにその名を打ち込み、エンジンを掛けた。

上機嫌のジェヒョンとワイングラスをカチンと合わせ、スジンはこっそり電話を確認する。
通話はすでに3分繋がっていた。

+-+-+-+

湖畔の細い道を、ゆっくり入ってくる車のヘッドライトが照らす。
しばらく進んだところで、ピルは車のエンジンを切った。

#今、普通に”ソヌは…”って間違えて書いちゃった(笑)さっきからSPYが懐かしくなってたもんだから^^

車を降り、周囲を見回す。
コテージの前にジェヒョンの車が停まっており、家の中に灯りがともっていた。
ここだ。

+-+-+-+

食事を終え、ジェヒョンが食後の紅茶を持ってくる。「スジン」

スジン「何?」
ジェヒョン「韓国を出ないか?」
スジン「…どういうこと?」
ジェヒョン「自首したら服役することになる。そうなったら、君一人で寂しく過ごさなきゃいけないだろう?」
スジン「…。」

ジェヒョンが突然彼女の両手を固く握った。「誰もいないところへ行って、二人で暮らそうよ」
「ジェヒョンさん」スジンが引っ込めようとした手を、ジェヒョンはさらに強くつかまえる。

スジン「!」
ジェヒョン「僕は君さえいればいいんだ。他に誰も必要ない」

#皮肉なことにピルが海岸で言った言葉とほぼ同じ…。

慎重に家に近づいたピルは、扉の向こうにスジンの姿を確認する。
ジェヒョンの肩越しに、スジンがピルの姿に気づくと、ピルが”そのままじっとして”と手で制した。

スジン「…。」

しかし、スジンは視線を戻すのが一瞬遅かったのだ。
「?」彼女の目が外へ向かっていることに、ジェヒョンが気づいてしまった。
「どうした?何かあるの?」ジェヒョンはゆっくりと後ろを振り返る。

スジン「!!!」
ピル「!!!」

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ここでエンディングです。
無鉄砲ピルがいつの間にかキレッキレの敏腕になってて、見惚れましたわ。

それにしても、ジェヒョン氏は冷たい視線はもちろん、今となっては微笑んだ目すらゾクッとしますね。
よくぞこんなに美しい人をキャスティングして、特異な雰囲気に仕立ててくれたものです。
相当な悪者なのに、ちっとも憎悪の感情が浮かばない。

 - マンホール-不思議な国のピル ,

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