マンホール-不思議の国のピル3話あらすじ&日本語訳vol.2
ジェジュン(JYJ)、ユイ、チョン・ヘソン、バロ(B1A4)出演のKBSドラマ『マンホール 不思議の国のピル』3話レビュー、後半です。
では、続きを~♪
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「この辺りか」通りに停まった車から、屈強な男が二人降りてきた。「ヤツめ、物騒なところで育ったもんだ」
男1「さぁ、さっさと終わらせようぜ」
男2「行きましょう」
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ピルは地べたに座り込み、マンホールとにらめっこをしていた。
ピル「こいつで高校時代に帰って、昔みたいに教会の男に負けてから、人生取り戻さないと…」
ピルは苛立ってマンホールを蹴る。「ビクともしねーじゃねーか!」
「どうやったら行けるんだ?」ピルが這いつくばってマンホールを覗き込んでいるところへ、屈強な男が二人、トンネルを抜けて姿を現した。
男1「あいつだよな」
男2「はい、間違いありません」
男1「一体何やってんだ?」
男2「さぁ…」
「おーい、ポン・ピル」男たちに呼ばれ、ピルはようやく気づいて立ち上がった。
ピル「今度は二人きやがったな」
男1「おとなしく一緒に行くか?それとも犬みたいに引っ張られて行くか?」
男2「待ってください。ただ引っ張っていくわけにはいかないでしょ」
「だな」男1が合図をした。「とりあえず捕まえようぜ」
伸ばしてきた男1の腕を、ピルは難なくつかむ。「お前、誰だ?」
男1「ううっ」
ピル「どこのヤツだ?言えよ」
二人の男たちは呆気なくピルの前に沈んだ。
ピルに使おうとしたスタンガンの電流を自分で浴びてしまった男2が、目を剥いたまま何やらつぶやいている。「お前は弁護士を選任することができ…」
ピル「何だ?何者なんだ?」
男のポケットを探ってみると、出てきたのは…警察の身分証!
ピル「何で警察がヤクザみたいなナリしてんだよ!アメリカみたいにスーツ来りゃいいんだ」
遠くからパトカーのサイレンが聴こえてくる。
ピルは慌てて逃げ出した。
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逃げ回った末に、ピルは公園のベンチに倒れ込んだ。
ピル「これば現実じゃない。夢なんだ。マンホールに落ちたばっかりに、何て目に遭うんだ?!」
ふと顔を上げると、向こうからカップルが歩いてくるのが見える。「あいつは…?」
ピルはさっと植木の陰に身を隠した。
カップルはベンチに仲良く腰を下ろす。
ピル「あの薬剤師じゃないか」
ジェヒョンと一緒ににいるのはスジンではない、別の女性だ。
女「海水浴に行ったときのこと、思い出すわね」
ジェヒョン「うん」
女「カフェで会えばいいのに、どうしてこんなところまで連れて来るの?」
ジェヒョン「あぁ、町中じゃ人目もあるし」
女「どうして?誰かに見られちゃいけないの?」
ジェヒョン「そういうわけじゃないけど、ここだって静かでいいだろ」
「もう」女性がジェヒョンの頬を手で包む。「”私のオッパ”、汗っかきね」
「”私のオッパ”?」聴こえてきた言葉に、ピルがハッと顔を険しく変えた。
女「ファーストキスのときもすごく汗かいてたわ」
ジェヒョン「そうだったかな」
女「ファーストキスも覚えてないの?」
「覚えてるさ」ジェヒョンは女性の手をそっと下へ外した。
女「それで、いつ来る?」
ジェヒョン「今日はちょっと無理だし…。最近ちょっと忙しいんだ。また連絡するよ」
「行こう」早々にジェヒョンは立ち上がった。
女「ちゃんと食べなさいよね。顔がやつれてるわ」
男「うん。どこへ行けばいい?何ていうホテルだっけ?」
女「(小声)ああ、前に行ったホテル、あったでしょ」
「ホ、ホテル?!」ピルは目を丸くした。
去っていくジェヒョンを追いかけようとして飛び出すと、通行人が驚いて震え上がる。「きゃあ!」
ピル「(通行人に)な、何だ?どうぞ行ってください。僕、悪い人間じゃありませんよ」
一瞬のあいだに、ジェヒョンたちの姿は消えていた。「どこ行ったんだ?」
ピル「ホテルだって?ホテルで女に会ってるのか?」
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家へ帰ろうと橋を渡っていたスジンのところへ、突然ピルが駆けて来た。「スジン!」
スジン「わっ!ビックリした!」
ピル「何でみんな俺をみりゃビックリすんだよ?なぁ、もっとビックリすることがあるんだ。マジで驚くなよ。俺、何を見たと思う?例の薬剤師さ、お前と結婚するってヤツ、あいつ女がいるぞ」
スジンが呆れたように笑った。「いきなり何よ」
ピル「そらみろ、知らなかったろ。そんなことだろうと思ったんだ。あいつ、女とホテルで会う約束してたんだから!」
スジン「?」
「二人で何してたかって言うとさ」ピルはスジンを橋の欄干まで追い詰める。「こんなふうにくっついて」
ピル「(女のマネ)ジェヒョンさんって汗かきでしょ。ファーストキスのときもたくさん汗かいて…なんて言いながら、(スジンの頬に手をやり)手で触って」
スジン「きゃっ!」
ピル「結婚相手がいるのに、そんなことしちゃダメだろ」
スジン「…。」
ピル「そんなの本当の愛じゃない」
スジン「あのさ… ちょっと離れてくれない?」
ピル「…。」
スジン「気まずいよ」
ピル「スジン、お前が見てればよかったのに!」
スジンはたまらず胸に抱えたカバンを振り回した。カバンがゴツンとピルの頭に当たり、彼はふらふらとそこへ倒れる。
あぁ、そうだったのか…。ぼんやりした意識の中で、ピルはようやく気づいた。
マンホールに吸い込まれた時、あれは12時だった…。
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すっかり日が暮れていた。
公園のベンチに倒れ込んだまま朦朧としているピルを、スジンは泣きそうになりながら懸命にハンカチで仰いだ。
頭の中がクリアになってくると、ピルはハッと目を開ける。”夜12時に出発し、昼12時に帰ってきたんだ”
「そうだ」彼はガバッと起き上がった。「過去にいたのは12時間だ」
スジン「ピル、大丈夫?」
ピル「ここ、どこだ?」
「あっ!今何時?」ピルは慌ててポケットから携帯を出し、ホッと息をついた。
スジン「ねぇ、あんたみたいなのがどうして一発で気絶しちゃうのよ?ビックリした…」
ピル「(頭をおさえ)骨が砕ける音がしたぞ」
「え?」スジンは我に返ってバッグを見た。
慌てて中のカメラを取り出してみると… 「あぁ、壊れちゃった」
ピル「あ… ごめん」
スジン「殴ったのは私なのに、あんたが謝ることないよ…」
ピル「俺がうまく当たれば壊れずに済んだのに」
スジンは思わず笑った。「その言い方、超可笑しいね」
ピル「笑うとやっぱイイな」
”俺の心臓もはちきれそうだ” 心の中でそう付け加える。
スジン「…え?」
戸惑うスジンを、ピルはじっと見つめる。
スジン「ちょっと、そんなに見つめないで。(カメラを指し)また殴られるわよ」
ふっと笑い、ピルは前へ向き直る。「お前は俺のこと怖くないのか?他のヤツらはみんなビビるのに」
スジン「変だけど、あんたの目を見たら、私に危害は加えないって確信できるの」
ピルは少しはにかんだように頷いた。
スジン「ところで、ジェヒョンさんに女の人がいるって、どういうこと?」
「あぁそうだ!」ピルはまっすぐスジンの方へ向き直る。「しっかりしろよ、あいつ、極悪だぞ」
スジン「ジェヒョンさんはそんな人じゃないわ。人違いよ」
ピル「…。」
スジン「だけどあんた、どうしてジェヒョンさんのこと知ってるの?3年ぶりに帰ってきたのに」
ピル「俺はな、あいつを絵に描いてみろって言われても、そっくりに描ける。魂の仇みたいなヤツだ」
舌打ちをするピルの頭を、スジンは心配そうに見つめた。「殴っちゃったせいかな。大丈夫?」
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ベンチにいる二人を窺いながら、黒いジャケット姿の男が電話を掛けていた。「私です」
男(電話)「”レンガ”のヤツは顎が砕けて病院送りになりました」
※昼間、スジンのアトリエを出たピルを連れて行こうとした男ですね。武器にレンガを持ってました。
男(男)「えぇ、作戦を変える必要がありそうです」
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ベンチを離れ、ピルはスジンと並んで歩き出した。
スジンの肩へと伸ばした手は、彼女にどうしても触れることができず、虚しく宙を舞う。
ピル「ぶらっと一回りする?警察もいないし、夜の空気が気持ちいい」
スジン「(笑)ちょっと~。デートじゃあるまいし。数年ぶりに会ったのに、まるで昨日も会ったように言うのね。オーバーなんだから」
「帰るね」スジンはさらっと言った。「あんたも帰りなよ」
ピル「送っていくよ」
スジン「送るって何よ。私はね、(指輪を見せ)相手のいる身なんですから」
ピル「…。」
スジン「時が来たら、絶対結婚式に来てよね」
笑顔でさっと手を上げ、スジンは背を向けた。
ピル「…。」
あぁ…。遠ざかっていくスジンの後ろ姿を、ピルはじっと見つめる。「映画じゃこういうとき一度くらいは振り返るのに。心残りでさ」
ピル「(思い出して)あんな子がいるのに浮気?」
背を向け、反対側へ歩き始めたピルは、走って戻ってきたスジンに気づくことはない。
「ピル…」呼びかけようとした声を、スジンは彼の背中を見て飲み込んだ。「ぶらっとしようと思ったのに、息が合わないね」
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薬局のカウンターに、飲み干した栄養ドリンクの瓶がいくつも並んでいる。
新たに一本ズズッと飲み干し、ピルは声を上げた。「何だよ?」
「はい?」ビクリと立ち上がったのは、ジェヒョンだ。
ピル「タダなんだろ?」
ピルはもう一本、蓋を開けた。
ジェヒョン「でも、他のお客様の分も要るのに、一人で7本も…」
ピル「おい、お前、女にモテるのか?」
ジェヒョン「え?」
ピル「一度に2人、3人とつきあったり?」
ジェヒョン「い、いいえ」
ピル「おい!」
そこへまたパトカーのサイレンが聴こえてくる。「!」
ピル「お前、これから俺と”接触事故”起こすことになりそうだな。また会おうぜ」
ジェヒョンの肩をドンと小突き、ピルは薬局の裏口へと姿を消した。
先輩薬剤師「知り合いなのか?!」
ジェヒョン「いいえ。”接触事故”ってどういう意味でしょう」
先輩薬剤師「さぁ。あまりイイ感じじゃないな」
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一人でトンネルの中を歩いていたスジンは、ふいに妙な気配を感じて後ろを振り返った。「?」
飛びついてきた男たちに口を塞がれたのは、次の瞬間だ。
スジン「!!!」
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警察の追跡をかいくぐり、ピルはチンスクの屋上部屋へたどり着いた。
「開けてくれ」扉を叩くと、中から出てきたのはソクテだ。
ピル「お前が何でここに?」
ソクテ「えっ?あぁ… チンスクのPCが壊れたって言うから。お前、大丈夫なのか?警察が探してるんじゃ?」
ピル「それで来たんだ。12時まで匿ってくれ」
「誰か来たの?」部屋の中でチンスクの声がする。
扉の前にソクテが立ちはだかっていたのを、中からチンスクがドアで押しのけた。
チンスク「あれ?ピル…。どうしたの?」
ピル「ちょっとだけここにいさせてくれ。警察が…」
中に入りかけて、ピルはハッと立ち止まる。「待てよ」
ピル「ソクテ、お前何で知ってんだ?俺が警察に追われてるって」
チンスク「確かに」
ソクテ「えっ?あぁ、カンっていうか」
チンスク「ふざけないで。鈍感のくせして」
ソクテ「俺だってわかるさ」
ピル「…。」
チンスク「ピル、警察に追われるなんて、あんたまた何やらかしたの?」
うなだれるピルの背中を、チンスクはパンと叩いた。「しっかりしなよ」
ソクテ「そうだよ、しっかりしろ」
チンスク「(ソクテに)あんたは黙ってな」
「おい!ポン・ピル」男が突然姿を現した。
公園でピルたちを監視し、ボスに電話を掛けていた黒ジャケットの男だ。
男「(電話を差し出し)お前に電話だ。お前の女と関係があるから、とにかく出てみろ」
「ピルか?」電話を受け取ると、相手の声が聴こえた。
ピル(電話)「誰です?」
ボス(電話)「俺だ。”兄貴”」
#おおお~っ!トライアングル再来~!
ピル「俺は一人っ子で兄貴はいないんだけど」
「ぷはははは」男は一瞬の沈黙の後、愉しげに吹き出した。「笑いのセンスがあるな」
ピル「?」
ボス「お前の拳を見込んで俺がスカウトしたんだ。飛ばれちゃ困るな。お前にいくら投資したと思ってる?」
ピル「投資ってなんだ?」
ボス「おい!!!(気を取り直し)そんな出方じゃ痛い目を見るぞ。お前のフィアンセ、ここにいるんだから。俺たちと一緒にな」
ピル「フィアンセ?」
ボス「美人だな。名前は…スジンだったか?」
奥でさるぐつわをされ、スジンが懸命に何かを訴えようとしていた。
ボス(電話)「もうすぐ結婚するそうだが…。こいつめ、結婚するならそう言えよな、他人じゃあるまいし。まぁいい、パーティでもしよう。早く来いよ。(舎弟に)おい、タイトルは?」
「ボンボン」奥で叫んだタイトなドレスの女は、ミジャだ。
ボス「ボンボン?」
「ピル、ボンボンだってさ」そう言い掛けた瞬間、電話はあっさり切れた。「も、もしもし?」
ボス「切れたな。大事なことだったのに…。(舎弟に)聞いてなかったら来られないよな?」
舎弟「…。」
ボス「聞いたかな?聞いたよな?掛け直すか?」
掛け直そうとする彼を、舎弟が止める。「兄貴、そりゃちょっと体裁が…」
ボス「格好悪いよな」
#いいキャラだね~^^
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ピルが電話を叩きつけるのを見て、黒ジャケットの男は逆上した。「まだ支払いが残ってるのに!!!」
ピル「スジン、お前らが連れて行ったのか?」
男「知っての通り、俺たちケリだけはきっちりつけるからな」
ピルが男を思い切り殴り飛ばし、駆け出した。「スジン!」
ノビている男に駆け寄ろうとしたチンスクを、ソクテが咄嗟に止める。「ほっとけよ。勝手に起きるだろ」
チンスク「何言ってんのよ!うちの家なのに。早く警察呼んで」
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雨に濡れながらピルの母が家の中へ戻ってきた。「急に降り出したわね」
ピル父「先にゴミを出しておけばよかったな」
ピル母「(外を振り返り)雨に濡れなければいいけど…」
父「雨に濡れてウロつきはしないだろ」
母「再生ゴミのことよ。回収箱が濡れたらお婆さんが大変なの」
父「あぁ、僕はまた… かつて我々の知っていたあの”クズ”のことかと」
突然雷の音がドンと響いた。
母「いきなりどうしたのかしら?まるで大変なことでも起きるみたい」
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大雨の中をピルは走った。
時間は11時15分。「時間がないな…」
彼はボンボンホップの前にいた見張りをなぎ倒し、店に入った。
ボス「おおっ!うちのホープ、ポン・ピルが”ホップ屋(ビールパブ)”へ!ははは」
代わる代わる立ち塞がる舎弟たちを払い除け、ピルはボスへと迫る。
ボスはむしろ宥めるようにピルに近づいた。「雨も降ってるのに、電話をくれりゃこいつらが傘でも…」
ピル「お前誰だ?」
ボス「!」
ピル「…。」
ボスは戸惑って周囲を振り返る。「どう反応していいやら」
ボス「俺が誰かって?」
ピル「(スジンを指し)あいつは解放してくれ。俺とは関係ない」
もがいているスジンのそばで、ミジャが「ほら、違うって言ったでしょ」と訴える。
ボス「(舎弟に)何で拉致したんだ?ピルの女だって言ったのに、違ったじゃないか!」
スジンに近づこうとしたピルに、舎弟たちがさっと立ち塞がる。
ピル「あいつの髪一本でも触ってみろ。大事故になるぞ。それに今日、俺は忙しいんだ。12時に行かなきゃならないところがあるから」
ボス「…。」
ピル「だから、優しく言ってるうちに、雨だしどこかで焼酎でも一杯でもやって、帰って足拭いて寝な」
ボスが手をたたく。「焼酎ねぇ」
ボス「いいだろう。それなら返すんだな。お前が借りて行った金。今すぐだ」
ピル「今時間がないから今度話そう。あいつは連れて行く」
舎弟たちがピルの肩を掴む。
ボス「雰囲気壊すのはよそうぜ。こいつらみんな日銭に飢えてるんだ」
苛立ちが募り、ピルはボスを突き飛ばす。「おい」
ピル「お前ら、俺の狂ったザマを見てーのか!」
ボス「!おい、弟、落ち着けよ」
ピル「あいつに触ったら大事故になるって言ったろ」
次の瞬間、店内は大乱闘になった。
舎弟たちが次々とやられる中、ボスはコソコソとカウンターの陰に逃げ込む。
隣で舎弟が取り出した携帯を、ボスがさっと手に取った。「もしもし?通報したいんですが」
ボス(電話)「わたしゃ罪もない市民なんですがね、どこかの凶悪なヤツが…」
言いかけた途端、彼はピルに胸ぐらを掴まれた。
ボス「は、話し合おう」
と、容赦なく殴り飛ばされ、バタリと倒れると、そこはシーンと静まり返った。
+-+-+-+
通報を受けてチンスクの屋上部屋へやってきたのは、昼間、ピルを捕まえようとして失敗した、屈強の二人組だ。
警察2「話が違うじゃないか」
チンスク「文句言われても…」
警察1「(黒ジャケットの男に)ポン・ピルに殴られたんじゃないのか?」
男「ち、違いますよ」
警察1「そんなら何で気絶した?」
男「ええっとその… たまにそうなるんです」
警察官の電話が鳴る。
警察1「通報者の方」
ソクテ「はい」
警察1「この人、ポン・ピルのヤツに殴られたんですよね?」
ソクテ「あ、はい」
チンスクが即座にソクテの口を塞ぐ。「さぁ、わかりません」
チンスク「外に出てみたら、雨に濡れてノビてたんです」
警察1「何だ?通報内容と違うじゃないか」
ちょうど警察官2が通話を終えた。「この近くで集団暴行事件の通報が入ったんですがね」
黒ジャケットの男がハッと目を見開いた。
警察1「暴力団までのさばってるのか?めちゃくちゃだな」
警察2「そうじゃなくて、一人が集団をボコったそうですよ」
警察1「何だって?!」
黒ジャケットの男が立ち上がる。「気にせず仕事にお戻りください。私は大丈夫です」
男「雨だしどこかで焼酎でも引っ掛けて、帰って足拭いて寝ますよ」
「ご苦労様です」男は逃げるようにその場を立ち去った。
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ピルはスジンの手を引き、懸命に逃げた。
追っ手は増えるばかりだ。
草陰に身を潜めると、スジンが座り込んだ。
ピル「大丈夫?怪我はないか?」
スジン「…大丈夫」
時刻は11時45分だ。
ピル「スジン、俺、行かなきゃならないところがあるんだ」
スジン「…。」
ピル「心配するな。すぐ戻ってくる」
「ピル」立ち上がった彼の腕を、スジンが掴んだ。
スジン「自首しよう。私、全部説明するから。一緒に行こうよ、ね?」
「…。」ピルは少し考えを巡らせた。「スジン」
ピル「俺さ…」
遠くにふたたびパトカーのサイレンが聴こえてくる。
ピル「お前はここにいろよ。何ともないから」
スジン「…。」
#スジンが学校の鏡を割ったときと同じですね^^
ピル「俺のこと信じられるよな?」
じっとピルを見つめ、彼女は頷いた。
一人走っていくピルの後ろ姿を見送るスジンの目に、涙が滲んだ。
+-+-+-+
ピルはマンホールへの道をまっすぐ歩いた。
もう一度戻るんだ!
教会で殴られればいい。
もしマンホールが動かなかったら…?
いや、そんなはずはない。
そんなはずは…。
いつしか彼は再び駆け出していた。
立ち塞がった警察官を殴り飛ばし、パトカーを乗り越えて、ひたすらマンホールへと。
俺に一回だけチャンスをくれ!
俺はマジで戻りたいんだ!!!
そして…
12時の鐘が鳴ると共に、ピルの姿は煙のように消えた。
+-+-+-+
やったぁ~!
大喜びでマンホールに吸い込まれたピルがたどり着いたのは…
のどかな夏のビーチ?
ピル「ここ、どこだ?陸上部の合宿所か?」
あれ?目に入ったのは、ビーチパラソルに海の家。
人の気配は全くない。
ピル「何だ?こりゃ何だよ?ここはどこなんだ?どこに連れて来やがっったんだ?くそマンホールめ!!!」
ここじゃねえぞ!!!
彼の叫び声が、広大な海に響いては消えた。
+-+-+-+
ここでエンディングです。
スジンとのシーン、いいね。
ピルはまっすぐで頼もしいし、スジンも素直。
ピルはちょっと単純ではあるけど、過去だろうと現在だろうと、そのときそのときの彼の気持ちで動いてるから、安心して見ていられます。
さて、次は何が起きて、みんなどう変わるかな?
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