オーマイビーナス Oh my Venus 11話あらすじ&日本語訳vol.2
シン・ミナ、ソ・ジソブが出演!「オーマイヴィーナス」11話の後半です。
さっそくスタート♪
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チェ理事がキム・ソンチョル理事長の元を訪れていた。
チェ理事「キム・ヨンホ新任理事長の歓迎、えらく盛大ですね」
キム理事長「…。」
チェ理事「事実であろうとなかろうと、スキャンダルに理事たちのボイコット、ご苦労があれこれと」
キム理事長「この程度は別に」
チェ理事「理事たちの意見は一貫してますが、新任理事長とは食い違っているもんでね」
キム理事長「…。」
チェ理事「61周年記念式典に合わせて、前もってサインしてくだされば、円満に助け合えるでしょうが」
そう言って、チェ理事長が差し出したのは、VVIP検診センターの企画書だ。
先日、ヨンホが「全面的に再検討を」と一蹴したものだった。
キム理事長「もう私の管轄じゃないと思うが」
チェ理事「…そうですか。理事たちが新しい理事長を受け入れないと困ると思いますがね。61周年、期待ですな」
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駐車場に車を停めたところで、ジュウンの携帯が鳴った。
画面の名前に、ジュウンの顔がパッと輝く。
彼女は画面を自分に向けて、笑顔を作った。
ヨンホ(ビデオ通話)「男が出入りしやすい家にしろとは言ったけど、ここまでしなくても」
ジュウン(ビデオ通話)「?」
彼が携帯の向きを変えると、画面いっぱいにミンジュンの顔が映った。
ジュウン「わー、ミンジュン!」
ミンジュン「叔母さん、いつ帰って来る?この叔父さん、運動ばかりさせるんだ」
ジュウン「ふふふ、叔父さんはそういう人なのよ。もうしばらく頑張ってて、叔母さんが帰るまで。お菓子買って帰るからね」
ヨンホはまん丸なミンジュンの顔を眺めた。「どこかでよく見たビジュアルだな」
ヨンホ「可愛かったなぁ」
「叔父さん、僕おしっこ!」ミンジュンが駈け出した。「すぐ行くから」ヨンホが言ってやる。
ヨンホ(ビデオ通話)「成長途上の若芽、上がり方は知ってても降り方を知らないんだから。大物になるぞ」
ジュウン(ビデオ通話)「カン・ジュウンDayの延長だと思って。人生の別の甘味。」
ヨンホ「こじつけだな」
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ジュウンが会いに来たのはヒョヌだ。
ヒョヌ「そんなことしてミンジュンのお祖母さんが逃げちゃったらどうするのよ」
ジュウン「…そうなんだよね」
ヒョヌ「そうなったら筋肉ムキムキさんだけじゃなくて、ミンジュンにとっても大変なことよ。ミンジュンのお祖母さんがいなきゃ、私一人でどうやって育てるの」
「正直なところ…」ジュウンは静かに口を開く。
ジュウン「無念ながらも前科があるから、あんたが嫌がるんじゃないかって心配だったの」
ヒョヌ「冗談言わないで。ミンジュンが生まれた時から、ミンジュンのお祖母さんが育ててくださったんだから!義母も実母も育ててくれなかった私の息子をよ」
「何てこと言うのよ」ヒョヌは悲しそうに俯いた。
#こんな人の多いカフェでする話じゃないよねぇ。肝心なところはすっ飛ばしてるし。
ヒョヌ「とりあえず様子を見て」
ジュウン「さすがイ・ヒョヌね」
「あんた私の友だちよ」ジュウンが握手の手を差し出した。
ヒョヌがその手を握り返し、店の入口に目をやる。「あんたの友だちが他にも来たわよ」
入ってきたのは、スジンとコPDだ。
ヒョヌ「コPD?!この人ったら全く…」
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「おい、元旦那」ヒョヌが敵対心剥き出しでコPDの元へやって来る。
ヒョヌ「法律諮問でも頼もうってわけ?よりによってオ・スジンに?」
コPD「おい、前妻。知らんぷり出来ないのか?」
ジュウン「(スジンに)あんたどうしたの?」
スジン「業務上の状況だから、タメ口はやめましょう」
ジュウン「(呆れ)」
ヒョヌ「何バカげたこと言ってんのさ」
手が出そうになったヒョヌをジュウンが止め、外へと引っ張った。「行こう」
コPD「…。」
スジン「(睨む)」
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「ミンジュン~!叔母さん、帰っ…」明るく帰ってきたジュウンは、部屋の中を見て顔を輝かせた。
ジュウン「♪♪♪」
ソファで仲良く眠っていたのはヨンホとミンジュンと”この野郎”だ。
彼女が楽しそうに眺めていると、ヨンホが目を開け、シーッと人差し指を立てた。
うーんと伸びをすると、そのまま両手を広げる。
ジュウンは素直に彼の膝に乗った。
ヨンホ「たくさん稼いで来た?」
ジュウン「はぁ、お金持ちの息子は何もわかってないんだから。ロー・ファームの弁護士は給料制なんですよ」
ヨンホはニッコリ笑い、彼女の手の甲にキスしようとして躊躇った。「手、洗いました?」
彼女は無理やり手の甲を彼の唇にくっつける。「赤ちゃんじゃあるまいし」
ジュウン「あ、そうだ。この家にいる間、”心地よく艶めかしい夜”は夢にも見ないでくださいよ」
ヨンホ「!」
彼女はさっさと立ち上がる。「19禁はナシ!」
ジュウン「ミンジュンが帰っても、ミンジュンがいると思って”7禁”を守ってくださいね」
ヨンホ「はぁ… 地球外は予想外だったな… ハズレだ」
ジュウン「(笑)韻を踏むのが好きね」
※지구밖(地球外)、예상밖(予想外)、쪽박(ひさご=小さな失敗を意味する)。全て韻を踏んでいます。
ジュウン「”車出してくるから茶が出てきたら茶を持って車まで来て”とか」
ヨンホ「”車出してくるから茶が出てきたら茶を持って車まで来て”。珠玉だな」
※以前、カフェでヨンホが言った台詞。차(車=茶、同音異義語)
#上手いこと考えついたからってさー、何度も台詞にして主張する癖ホントやめようよ。
ヨンホ「あ、洗面台にカップルリングがあったけど」
ジュウン「…!」
ヨンホ「前の彼氏への未練か、それとも、貴金属への物欲か?」
ジュウン「一度捨てたんだけど… また取り戻したんです」
ヨンホ「…。」
ジュウン「ウシクがくれたものだけど、15年も付けてたものだから、もう私のものでもあるし。捨てろって言うなら捨てるわ」
#いよいよおかしい…。ヨンホは指輪見つけたからっていちいち言う人かね?
ヨンホは手を伸ばし、もう一度膝の上に彼女を連れ戻す。
ヨンホ「捨てたくなきゃ捨てなくていい。何一つ捨てるものなんてないんだから、カン・ジュウンは(甘える)」
ジュウン「19禁はダメだって言ったでしょ」
+-+-+-+
ヒョヌが迎えに来ると、ヨンホはミンジュンにリュックを背負わせてやった。「叔父さんが教えてやった体操、ちゃんとしろよ」
ヨンホ「のびのび体操(ストレッチ)だ。OK?」
「OK!」ミンジュンが元気にガッツポーズで答える。
ヒョヌ「あら♪そしたらミンジュンも将来フェロモンさんみたいになるかしら♪ふふふっ」
ヨンホ「それは… 断言できないけど」
ヒョヌ「…そうか。とにかくありがとうございます」
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二人になると、寝室でジュウンの説教が始まった。
ジュウン「今、ジョン・キム事件が勃発してガフンの理事長になるかならないかの局面だってわかってますよね」
ヨンホ「…。」
ジュウン「こんなときに心地よく艶めかしい夜を過ごしたいっていうのは、どう考えても無理があるわ。しかも私は身持ちが固い方だから」
ヨンホ「……。」
ジュウン「とにかく、私は精神が体を支配してると思ってるから。あなたの地球外、私の空間では精神をしっかり括りつけてくださいね。OK?」
ヨンホ「僕が何したっていうんだ?」
ジュウン「…。」
ヨンホ「精神が体を支配する…。断言できる?」
ジュウン「(笑)私、断言・珍談・諺・心配事までなんでもやるわ」(※全部原語で韻を踏んでます)
ヨンホ「(頷く)OK」
彼が不意に彼女のシャツのボタンに手を伸ばす。
ジュウン「(隠し)おっと」
ヨンホ「ボタンちゃんと閉めて」
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その後…。
ジュウンはベッドで”この野郎”を抱き、ヨンホはその隣の床に布団を敷いて眠っていた。
ヨンホ「…。」
起き上がったヨンホは、熟睡しているジュウンを眺め、そっと部屋を出る。
PCを立ち上げると、彼はニュースをチェックした。
ニュース動画の記者「理事長就任が予定されているガフングループ61周年記念式典は、変更なく実施されます。関係者によると、もともと理事長就任が予定されてはいるが、正式に明らかにされたことは何一つないということで、憶測での過熱報道は自制してほしいとのことです」
携帯が鳴る。
ミン室長だ。
ミン室長(電話)「収拾を進めていますが、マスコミも理事たちも一筋縄ではいかない状況です」
ヨンホ(電話)「…。」
ミン室長「もう溢れてしまった水だとお考えになって、沈着に成り行きを見守られてはと…」
ヨンホ「えぇ。溢れた水は、拭くよりも乾くのを待ったほうがいいこともありますから」
ミン室長「あの… カン・ジュウンさんの家にはいつまで…」
ヨンホ「ヤキモチ妬きだな」
「おやすみなさい」ヨンホは電話を切った。
ヨンホ「…。」
+-+-+-+
スジンは家で一人、ワインを飲んでいた。
そこへ玄関のチャイムが鳴る。
「スジン!」ウシクの声だ。「車があったぞ。開けてくれ」
スジン「…。」」
鍵の暗証番号を入れる音がする。「ごめんな。入るぞ」
「!」スジンはハッとして立ち上がった。
スジン「誰が入っていいって言ったのよ?出てって」
ウシク「そんなに入られたくないなら、あんな暗証番号にしちゃダメだろ。まさか彼女の誕生日も知らない男だと思ってたのか?」
スジン「…。」
二人はソファに少し離れて腰を下ろした。
ウシク「コPDのこと、突き止めたのか」
スジン「私はキム・ヨンホ理事長の外部法務チームなのよ。依頼人に問題が起きたら解決するのが私の仕事。キム・ヨンホ理事長の国際免許証、不法入手したのは明らかだわ」
ウシク「スジン…」
「…。」スジンはたまらず立ち上がった。「帰って。お願いよ」
+-+-+-+
ウシクを置いて寝室へ引き上げると、スジンはぐったりとベッドに体を横たえた。
スジン「人生って… まるで塩水みたい。飲んでも、飲んでも…」
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後日。
デスクで忙しく作業をしているところへ、ノックの音が響く。「?」
訪問者の顔を見て、ジュウンは顔をしかめた。
スジンだ。
「はぁ」彼女は入ってくるなり大げさに溜息をつく。「相変わらず整理整頓ができないようですね、カン弁護士」
ジュウン「副代表は時間に余裕がおありなんですね。美化委員長まで兼任なさるとは」
スジン「はぁ、何を着ようか悩んでたんだけど」
ジュウン「?」
スジン「明日。ガフン61周年記念式典」
ジュウン「…。」
スジン「だけど、行けないかもしれないんですって。キム・ヨンホ理事長、参席するかどうか決まらないみたいで」
ジュウン「…。」
スジンは興味深げにジュウンの顔を覗きこんだ。「キム・ヨンホさんがジョン・キムだって、知ってたんですか?」
#ジュウンが日に日に美しくなりますなぁ。
ジュウン「…。」
スジン「あぁ、それでこんなにシューッと痩せたのね、カン弁護士」
ジュウン「質問は書面で提出してくださると嬉しいんだけど。クシャクシャにして捨てるから」
スジン「(余裕の笑み)一応外部法務チーム長なんだし、それくらい知らないと対処できないわ。コPDに内容証明が行きます」
ジュウン「?!… あぁ、それであの日…」
スジン「もちろん、イム・ウシクセンター長にも」
ジュウン「何ですって?」
スジン「キム・ヨンホさんの国際免許証を提供したのは、イム・ウシクセンター長よ」
ジュウン「!」
スジン「キム・ヨンホさんがジョン・キムだっていう決定的な情報を、イム・ウシクセンター長が提供したってこと」
ジュウン「そんな…どうして?」
スジン「そうね…。私も知りたいわ」
ジュウン「…。」
スジン「61周年記念式典、行けなくなったら残念ね。カン弁護士、往年のビジュアルが見られると思ったのに」
「じゃ」スジンは立ち上がり、部屋を出て行った。
ジュウン「…どうなってるのかしら」
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ジュウンが家へ帰って来ると、ヨンホの姿が見えない。「どこ行ったのかしら」
「帰りましたよ~!」大きな声で呼びかけたところで、ヨンホが裸にガウン姿で洗面所から出てきた。
ジュウン「!!!」
ガウンの胸元からチラリと覗く引き締まった体に、ジュウンの心に電撃が走る。「♥♥♥」
ヨンホ「掃除っていうのは埃ごとどこかに押し込むんじゃなくて、こう… 綺麗に」
ジュウン「(胸元に釘づけ)」
ヨンホ「何だ?淫乱妖怪にでも取り憑かれたみたいだな」
ジュウン「!」
ヨンホ「7禁はやめて、19禁にする?」
ジュウン「(火照る頬をおさえ)暖房の温度上げすぎじゃないですか?人の家だからって」
+-+-+-+
着替えて寝室を覗いてみると、ヨンホはベッドの上で資料をめくっていた。
ジュウン「…。」
彼はジュウンを見ると柔らかい笑みを浮かべ、またすぐに資料に視線を戻す。
さっきの興奮がまだ収まらず、彼女はぎこちなく部屋へ入ると、出来るだけ平静を装ってベッドの縁に腰掛けた。
ジュウン「明日、ベッドシーンでしょ?」
「!!!」言ってしまってから、彼女はしまった!と下を向いた。
ヨンホ「…。明日はパーティシーンじゃないか?ガフン61周年記念パーティ」
ジュウン「今日も泊まっていきます?」
ヨンホ「…。」
ジュウン「…。」
ヨンホ「フェロモン振り巻きすぎたかな?浮ついて仕方ないらしい、この人は」
ジュウン「…。」
ヨンホは資料をサイドテーブルに置くと、彼女に近づき、喉元に指を当てた。
ヨンホ「あぁ、脈がかなり速いな」
ジュウン「(手を振り払い)速いのは脈だけじゃないわ!(吐息)私から押し倒しちゃうかもしれないから、ここでキッチリ決着つけましょ」
ヨンホ「何を?」
ジュウン「だってぇ… 大邸のビーナスがフェロモン男と何日も一緒にいたのに(迫る)」
ヨンホ「(後ずさり)」
ジュウン「いや、慎ましさを捨てるってわけじゃなくてね。7歳の子どもたちだってチューはするもの」
ヨンホ「…。」
ジュウン「私たち、合わせたら80歳近くなるのに」
ジュウンはベッドの隅まで彼を追い詰めると、唇を突き出した。
ヨンホ「はぁ、弱ったな。疲れてるのに」
ジュウンはガッカリして溜息をついた。「寝れば?」
ジュウン「ぐっすり寝て美肌美人になればいいのよ」
彼女が背を向けた瞬間、ヨンホは彼女を捕まえ、一気にベッドへ押し倒す。「カン・ジュウンから仕掛けたんだからな」
ジュウン「お互い様よ。あんまり熱いのもどうかと思うけど…」
ヨンホ「(口紅の色?)ピンクか」
ジュウン「キュートかつラブリーにね♪」
ヨンホは彼女の頭にそっと手をやると、甘く口づけた。
と、その瞬間、玄関のチャイムが鳴る。
「理事長」…ミン室長の声だ。
「…。」二人は仕方なく起き上がり、呆然とベッドの縁に座った。「…。」
ヨンホ「地球外から戻らなきゃいけない時が来たな」
ジュウン「私、ミン室長とは合わないみたい」
ヨンホ「…。」
ジュウン「ヨンホさん、明日のパーティ参加されますよね?」
ヨンホ「もしかしたら、会ってもチュー出来ないかもしれないけど」
ジュウン「(微笑)公は公、私は私だから。行くにしてもどうせ外部法務チームとして行くんだし」
もう一度チャイムが鳴る。
ヨンホ「じゃあ行きます」
「あと少しだけ”心地よく艶めかしい夜”を」彼はジュウンのおでこにチュッとキスをし、立ち上がった。
#途中まで妄想か夢オチだと思った人、手あげて~。ストーリーも何もあったもんじゃないわ。もちろん美味しくいただきましたけど。
+-+-+-+
翌日。
式典会場はすでに多くの招待客で賑わっており、弦楽器隊の優雅な調べをBGMに、思い思いに談笑していた。
#タイタニックかい
「キム・ヨンホはどうするって?」チェ理事がウシクに言う。
ウシク「発表するようです。理事長の件」
チェ理事「強行か。こっち側の理事たちは全部寝返ったのか?」
何気なく振り返ったウシクは、向こうのテーブルにスジンが到着したのに気づく。
ウシク「外部法務チームが接触したようです」
+-+-+-+
ヘランは自宅のダイニングで、出掛ける用意を整えたまま、ただじっと硬直したように座っていた。「…。」
召使がやってくると、そっと声を掛ける。「奥様、お食事でも…」
ヘラン「…。」
+-+-+-+
ジュウンは黒いレースのドレスに身を包み、少し遅れて会場へ現れた。
別のテーブルにいるジュンソンとジウンに手を振り、スジンたちのテーブルにつく。「遅くなりました」
「おぉ、カン弁護士」エレガントな姿に、同僚がおもわず声を上げる。
スジン「素敵ですね」
ジュウン「ちょっと気合入れました」
彼女は携帯を確認する。通知は何もなかった。
スジン「緊張してます?」
ジュウン「?」
スジン「理事長本人でもないのにどうして?」
ジュウン「…ですね」
「会長が入場なさいます」司会者の言葉に、全員が一声陰立ち上がる。
イ・ホンイム会長が、後ろにキム・ソンチョル理事長を従えて入ってくると、一番前のテーブルに腰を下ろす。
イ会長の隣の席がぽつんと空いたままだった。
ジュウンは心配になってヨンホにメールを打つ。「どうして来てないんですか?」
しばらく待ってみるが、反応はない。
+-+-+-+
「ヨンホはどうなったの?」イ会長が隣のキム・ソンチョル理事長に尋ねた。
キム理事長「…。」
部下がやって来て、キム理事長にそっと耳打ちをする。「連絡がつきません」
キム理事長「調べるんだ」
「来ないみたいだぞ」彼らの様子を見て、チェ理事長がウシクに言った。
+-+-+-+
電話を掛けても反応のないヨンホに、ジュウンは居ても立ってもいられず立ち上がった。
彼女を見て、ジュンソンたちも後に続き、ヨンホを探して二手に分かれる。
建物内を探しまわり、彼女が何気なく入ったのは、静かな図書室?のような部屋だ。
慎重に奥へ進んでいくと… 棚の間に座り込んで膝を押さえているヨンホの姿があった。
#何だよそれー どこだよそこー
ジュウン「今日の主人公なのに」
ヨンホ「…参ったな。遅れそうだ」
ヨンホは痛みに顔を歪めた。
ジュウン「皆さん待ってるわ。お祖母様もお父様も、ジュンソンさんとジウンさんも、みんな」
ヨンホ「…。」
ジュウン「(抱き起こそうとして)立ちましょう」
ヨンホ「カン・ジュウン」
ジュウン「こうやって堪えられてるんだから、まだ限界じゃないわ」
ヨンホ「…。」
ジュウンは落ち着いて彼のネクタイを整え、両手で頬を包んだ。「私を見て」
ジュウン「信じれば出来ます。出来るって信じてるから」
+-+-+-+
ヨンホの来ない会場では、不安が広がっていた。
皆が席についたまま、何かあったのかと口々にざわめく。
そこへ、司会者がマイクを取った。「キム・ヨンホ理事長がたった今到着なさいました」
入口に立つヨンホを、ジュウンは静かに後ろで見守った。
+-+-+-+
ここでエンディングです。
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