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Oh my Venusオーマイビーナス最終話あらすじ&日本語訳vol.1

   

ソ・ジソブ、シン・ミナ主演のKBSドラマ「Oh my Venus(オーマイヴィーナス)」16話、あらすじと共に、台詞もできるだけ拾って訳していきますね。

あと1話だーーっ!

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駐車場に車が停まっても、ジュウンは助手席ひたすら指輪を見つめ、幸せに浸った。
指輪には、手のひら側にピンクの毛糸の端が結びつけてある。

ヨンホ「もうそれくらいにしなよ。指輪が溶けちまう」
ジュウン「人のこと淫らだなんて言えないわよ。指輪にマフラーぶら下げようだなんて」
ヨンホ「え?マフラーに指輪をぶら下げたんだろ?」
ジュウン「ブー!メインはマフラーだもの。指輪はお金で買った物だけど、マフラーはコーチが一目一目編んだ物だから」
ヨンホ「(ニッコリ)」
ジュウン「指輪は… マフラーにくっついた別冊付録♪」

ジュウンはシートベルトを外した。「行きますね」
「降りなくていいですから」ジュウンがそう言ったあときには、ヨンホはすでに運転席のドアを開けていた。

ジュウン「もう!降りなくていいって言ってるのに」

後ろのトランクを開けると、ヨンホは彼女の”気合の入ったスーツケース”を取り出す。

ヨンホ「几帳面だな」
ジュウン「あぁ(苦笑)」
ヨンホ「ここに入ってるセクシーでキュートな子たちには、そのうち会おうと伝えて」
ジュウン「(うんうん)」
ヨンホ「それで、何で若芽の家に?」
ジュウン「(左手をヒラヒラ)指輪自慢するの」
ヨンホ「あまり遅くなりそうなら泊まって」
ジュウン「(うんうん)」
ヨンホ「それから、お祖母さんと父さんには僕が…」
ジュウン「もう!焦っちゃって。ステップ・バイ・ステップ、一歩ずつゆっくり行きましょ」
ヨンホ「…。」
ジュウン「私、誰に何と言われようと一生コーチと一緒ですから。だから、誰も傷つかないように、そうしましょうよ」

ヨンホは彼女の左手を取ると、両手でしっかり握った。「カン・ジュウンと恋愛する男は、本当に幸せ者だな」

ジュウン「(笑)あんまり嬉しくて、毎晩夢に出てくるくらいなんですって。それで目からハートが飛び出すんですって」

「行きますね」そう言うジュウンの手を、ヨンホは名残惜しそうに離した。

+-+-+-+

「何よ?」ジュウンを家に上げると、ヒョヌはいつもの様に素っ気なく言った。

「あぁ、頭が!」そう言いながら、ジュウンはわざとらしく左手で頭を押さえる。

#もーいちいちめんどくさい:笑

「キャーーーッ」めざといヒョヌはその瞬間目を丸くした。「あらまっ!」

ジュウン「私、セクシーフェロモンに指輪貰ったわ」
ヒョヌ「(嬉!)何よ~、指輪もらったってバツイチ女に自慢しに来たわけ?」
ジュウン「それと… ガフンの会長が会おうって」
ヒョヌ「!」
ジュウン「彼のお祖母さん」
ヒョヌ「!…どうしよう、あんたひょっとして土に埋められるんじゃ…?」
ジュウン「ちょっと!!!」

+-+-+-+

ジュウンは清心丸(※神経が高ぶったときに飲む薬)をゴクリと飲み込んだ。
「今すぐ孫から離れなさい!!!」向かいでヒョヌが女傑イ会長を想定してまくし立てる。

ジュウン「!」
ヒョヌ「まさにこれよ」
ジュウン「もう、ビックリした。ねぇ、こんな事態まで予想するのやめようよ」
ヒョヌ「違うかな?」
ジュウン「あんたが義理のお母さんに初めて会ったときみたいにやってみて」
ヒョヌ「ちょっと!コPDのお祖母さんがガフンの会長だったら、私、離婚するわけないでしょ」
ジュウン「はぁ… 怖くてたまらないわ。どうしよう」

「わかった。わかったわよ」ヒョヌは体勢を立て直し、片膝を立てて座った。「(年配者の口調で)歳はいくつ?」

ジュウン「(しおらしく)薬局の封筒には33歳とあります」
ヒョヌ「職業は?お父様は何を?」
ジュウン「弁護士です。父は…亡くなりました」
ヒョヌ「(嫌気が差し)もうやらない」
ジュウン「何でよ?!」
ヒョヌ「胸が痛むわ」
ジュウン「(頭を抱え)どうしよう!」
ヒョヌ「お小遣い渡しなさいよ。考えてみたら、うちのお義母さんも、お小遣いあげたときが一番嬉しそうだっ…」
ジュウン「…。あんた、どうかしてるわ。ガフングループの会長だってば!全財産叩いたって、お小遣いにもなるかどうか」
ヒョヌ「そうだったね。はぁ、会長ホントに羨ましいな」

#急に何が羨ましいのか分からず…。

「そうだ!」ヒョヌがパンと手を叩く。

ジュウン「何?」

#イ会長にちゃんと返事送ったのか、私はそれがずっと心配。

+-+-+-+

ジュウンは実に微妙なアンサンブルスーツを手に、鏡の前に立っていた。

ヒョヌ「すごく慎ましく見えるわ!」
ジュウン「…。」
ヒョヌ「恥ずかしいのは少しの間だけよ、ジュウン」
ジュウン「これを着たら何が変わるわけ?」
ヒョヌ「印象が変わるでしょ。第一印象がどんなに大事か。この服、うちのお義母さんがすごく気に入ってたのよ。残っててよかったわ」
ジュウン「オールドすぎない?」
ヒョヌ「ガフンの会長はもっとオールドだって。こういうのを慎ましいと思う年代なんだから」
ジュウン「(頷く)そうかもね」

と頷いて、ジュウンはハッと気を取り直す。「これは違うと思うな」

ヒョヌ「何で?」
ジュウン「清心丸、もう一つだけ飲むわ」
ヒョヌ「飲み過ぎだってば」

ジュウンは落ち着かない胸を押さえ、ソファに腰を下ろして大きく息をついた。
そのとき、着信音が鳴る。

コーチ(メール)「ふむ。寝る前の報告がないな」
ビーナス(メール)「あっ、お休みなさい」

「眠れそうにないけど」ジュウンは呟いた。

+-+-+-+

翌日。

ジュウンはオフィスのデスクでぼんやりしていた。
そこへ秘書のヒョンジョンがやってくる。「先生、チェ・スンジャさんとおっしゃる方がいらしてますけど」

ジュウン「あぁ!お通しして」

+-+-+-+

やって来たスンジャは本当に穏やかな表情をしていた。
プレゼントされた真っ白な暖かい手袋を、ジュウンは嬉しそうに見つめる。

スンジャ「お礼をしたいのに、差し上げられるようなものがなくて」
ジュウン「そんな…。ありがとうございます、ミンジュンのおばあさん。あ… ジュンソンさんのお母さん」
スンジャ「あぁ…」
ジュウン「あの… 旦那さんはいかがですか?」
スンジャ「少し前に面会に行って来たんですけど、だいぶ良くなってました」

#えっ?どうしてるのかなぁと思ったら…。

スンジャ「済まないって言って…」
ジュウン「良かった、本当に。接近禁止を申請して、離婚して訴えて…そうなさるより、まずは治療をなさったほうがいいと思ったので」
スンジャ「そうですね。もっと早くそうすれば良かった」
ジュウン「ジュンソンさんも幸せそうだし、私も本当に嬉しいです」
スンジャ「息子もいるし、息子のガールフレンドも可愛らしいし…。私がこんな幸せを授かっていいのかしらって」
ジュウン「資格は十分におありですよ」

0252

「…。」スンジャはそれでも、慣れない幸せを持て余すように小さく溜息をついた。

ジュウン「(手袋を手に)ありがたく使わせていただきますね」

+-+-+-+

仕事の手を止めると、ウシクはふと携帯を手に取った。
通知は何もない。「…。」

そこへ誰かがドアをノックする。

ウシク「はい、どうぞ」

入ってきた人物を見て、ウシクは慌てて立ち上がった。

ヨンホだ。

ウシク「どうなさいました?」
ヨンホ「いや、通り掛かったので。(ソファを指さし)座っても?」
ウシク「えぇ」(←声がひっくり返りそう:笑

二人は向き合って腰を下ろした。

ウシク「理事長の出勤は来月の初めからだと聞きましたが」
ヨンホ「検討資料と事業計画書を持ってきたんです」
ウシク「?」
ヨンホ「親の七光りなのに、あんまり遊びすぎたら悪口言われるかもしれないし」

ヨンホは壁に貼ってある写真に視線を移した。「選手時代、よく怪我をされたそうですね」

ウシク「えぇ、それで引退しましたし」
ヨンホ「リハビリ…どこでされたんです?」
ウシク「主に日本やアメリカの方で。フランスでも。それが何か?」
ヨンホ「良かった」
ウシク「え?」

ヨンホは持ってきた資料の向きをクルリと直し、差し出した。「リハビリセンターの増築に関する来年の事業計画書です」

#最終回まで来てやっと、ウシクが元水泳選手だという設定に意味が出てきました(笑)

ウシク「収益性が低いので、理事の皆さんから反対が出ると思いますよ」
ヨンホ「だからお願いしに来たんです。僕の味方になってほしいって」
ウシク「僕を… 信頼なさるんですか?」
ヨンホ「センター長を信頼するというより、経験を信頼してのことです。砕けて… 破れた経験のある人にしかわからないことだから」
ウシク「…。」
ヨンホ「傷というのはそんな簡単に癒えたり回復するものじゃない。癌や重大疾病みたいに、長く辛い戦いだってこと」

ウシクは静かに頷き、小さく微笑んだ。

ヨンホ「そうだ。チェ理事はどうなさってます?」

#やっぱり…男同士のやり取りは自然で良いのよ。

+-+-+-+

暇を持て余し、将棋を打っている間も、チェ理事は悶々と落ち着かずにいた。
そこへ携帯にメールが入る。

「神仙の遊びには斧の柄も腐るっていいますね…。
会社で一度会いましょう。
キム・ヨンホです」

※신선놀음에 도낏자루 썩는 줄 모른다
諺:神仙が碁を打っているのを夢中で見物していた木こりが、ふと我に返ると、あまりに長い時間が過ぎていて、斧の柄まで腐っていた。
=楽しいことに熱中し過ぎると時間が経つのも忘れる、という意味

相手方が「将(※王手)」と声をあげた。

チェ理事「はぁ、詰んだな」

+-+-+-+

ジュウンは急いでレストランの階段を上がった。

#まさか本当にあの服着てくるとは!
でも、思てたんと全然違う!ババくさくない!

上の階へあがると、個室の扉の前に男性が立っている。

ジュウン「あの…カン・ジュウンです」

イ会長の側近が扉をノックした。「会長、カン・ジュウンさんが到着なさいました」
「お通ししなさい」中から声が聴こえる。
「!」ジュウンの緊張は最高潮に達した。

+-+-+-+

立派な個室で、ジュウンはイ会長とふたりきりで向き合っていた。
しばらく黙ってジュウンを見ていたかと思うと、イ会長は脇のバッグを手に取る。

ジュウン「!」

ジュウンはすかさず手元に用意していた封筒を突き出した。

イ会長「?」
ジュウン「もし封筒をくださるおつもりなら、私から先に差し上げようと思いまして」

思わぬジュウンの先手に、イ会長は封筒と彼女を見比べる。

ジュウン「お金ではありません。私の血液検査結果です」
イ会長「?」

#ほぅ、なるほどね

イ会長は何もいわず、ひとまずバッグを元に戻す。

ジュウン「私、1ヶ月まえまで甲状腺機能が低下していたんですが、1ヶ月まえに完治したんです。それをお伝えしたくて」
イ会長「…。」
ジュウン「一生暮らせるような大金をくださったり、恥ずかしい思いをさせられたり… とにかくどんなふうに反対なさったとしても、私はヨンホさんから離れられません」
イ会長「…。」
ジュウン「どんなに反対なさったとしても… それでも私、ヨンホさんのそばにピッタリくっついてます」

そう言って、ジュウンはギュッと目をつぶった。

ジュウン「申し訳ありません」

0253

イ会長は静かに頷く。「歳を取ると頑固になるんです」

ジュウン「…。」
イ会長「それに…歳を取ると」

そう言って、イ会長はもう一度バッグに手を伸ばす。
取り出したのは…ハンカチだ。
「口を拭わないといけないことが増えてね」イ会長はハンカチで口元を押さえた。

ジュウン「会長…!」
イ会長「カン・ジュウンさん」
ジュウン「(緊張)はい!」
イ会長「その服装以外に、今、特に反対するつもりはないけど?」

「!!!」ジュウンは思わず立ち上がった。「ありがとうございます!」

ジュウン「慎ましく見せようと思って…。申し訳ありません」
イ会長「ただし、条件があります」
ジュウン「…条件ですか?」
イ会長「嫁入り品を盛大にいただきたいわね」

※혼수(結需=結婚するとき、夫の親族に用意する贈りもの)

ジュウン「…。」

#条件提示はあったものの、結局これまた普通に許可(笑)
検査結果を出したのは、単に嫁としての健康アピール?ヨンホのおかげで健康になったとか、そういうのと絡めるのかと思ったら…。

+-+-+-+

帰りの車の中で、イ会長はじっと考えを巡らせていた。

思い浮かぶのは、孫の病室の前に佇むジュウンの姿だ。

「具合が悪くても構わないから、絶対に帰ってきてください」
「忘れないで。堪えられているなら、まだ限界じゃないって。信じていれば出来るって」

イ会長は、彼女が涙ながらに訴えるのを、廊下の向こうでじっと見ていた。
会長を隣で支えているのはヨンホの父、キム代表理事だ。

0254

ジュウン「ごめんなさい。どんなに愛してるか、今まで言えなくて」

イ会長はそのまま背を向けたのだった。

#お祖母ちゃんだけでなく、親父も一度にカタが付いてることに注目(笑

+-+-+-+

「兄貴!」ジウンが嬉しそうにキッチンへやって来た。

ジウン「イジンが賞を取ったぞ。人気スター賞だ」
ジュンソン「ふぅん」
ジウン「受賞コメントで、”愛してます、J.J.S”って。これって間違いなくチャン・ジュンソン!兄貴だな!」
ジュンソン「…。」

ジウンがからかってお腹をくすぐる。

ジウン「兄貴は人気スターの恋人だ」
ジュンソン「何言ってんだ。ジムに行くぞ」
ジウン「(イジンの真似)あんたのファンなんだからぁ!このバカまぬけ~!」
ジュンソン「それヤメろって!頼むから」

+-+-+-+

ジュンソンが更衣室へやってくると、どこからともなくイジンが現れた。
知らん顔してジュンソンがロッカーを開けると、彼女は持っていた小さな箱を開け、取り出した腕時計を彼の腕に嵌めた。

腕時計の画面には…ジュンソンとイジンのツーショット写真!

ジュンソン「これ、何だ?」

#おっ、タメ口になってる♥

イジンは咳払いをすると、自分の手首に嵌めた時計を並べる。お揃いの写真だ。「手錠よ」

ジュンソン「…。」
イジン「私という名の牢屋に閉じ込めたんだもん♪」
ジュンソン「他の人がいるかもしれないんだから、これからは急に入ってくるなよ」
イジン「(シュン)受賞コメント、聞きました?」
ジュンソン「(帰り支度をしながら)ジウンに」

イジンが突然ジュンソンの胸ぐらを掴んだ。

ジュンソン「!」
イジン「私をいつまで向日葵にさせるんですか?!」

※向日葵(ひまわり)は、韓国語で해바라기。해(太陽)+바라기(欲する、望む)で、いつも太陽を欲していることが語源になっています。そこから、一人の人をひたすら一途に想うことが、しばしば向日葵に例えられます。해바라기の해(太陽)の部分を、相手の名前に変えて言うことも。

イジン「私のほうがずっと好きだから、狂ったみたいに1年も追っかけ回したのに!」
ジュンソン「…。」
イジン「人を好きになるのは別に悪いことじゃないのに… 傷つかなくちゃいけないなんて」

「…。」ジュンソンは一旦ロッカーの扉を閉め、彼女に向き直る。「イジン」

0255

#かっこいいねぇ♥ ひたすらかっこいい♥

イジン「(イジイジ)何…?」
ジュンソン「俺はもともとあまりタメ口を使ったりしない。名前を呼ぶときも苗字を取ったりしないし」
イジン「…それが?」
ジュンソン「男が普段やらないことをやるってことは、思いがあるからで、その思いっていうのは…」
イジン「(嬉)待って!」
ジュンソン「?!」

「あん♥」イジンはトロケるように彼の胸に倒れこんだ。
戸惑いながらも、ジュンソンはかすかに顔をほころばせる。

イジン「それ以上聞いたら嬉しくて気絶しちゃいそう」

ジュンソンは俯く彼女を見つめると、ふいにチュッと口づけた。

イジン「!」

驚いた彼女の表情を眺めると、今度はゆっくりと… 熱く口づける。
後ろに追い詰められ、彼女の背中の当たったロッカーが、コトンと小さな音を立てた。

+-+-+-+

ジュウンの家に入ってきたヨンホは、家の中を見渡した。「?」
「何もなかったら、終わってから家に来て」そう言われていたのだ。「あまりいそがないでね」

「カン・ジュウン?」寝室の扉を開けると、彼女はベッドの上にいた。
彼が入ってきても、腕組みをして視線はじっと前を向いたままだ。

ヨンホ「?」
ジュウン「私、今日ヨンホさんのお祖母さんにお会いしたの」

「!」ヨンホは小さく溜息をついた。彼女の深刻な表情に察しがついたのだ。

ヨンホ「言ってくれないと」

ヨンホは彼女の隣に腰を下ろし、手を握った。「大丈夫?」

ジュウン「お祖母様が…」
ヨンホ「僕が何とかするから」
ジュウン「ヨンホさんには無理」
ヨンホ「…。」
ジュウン「かなりの嫁入り品をお望みなの」
ヨンホ「…え?」
ジュウン「…。」
ヨンホ「ってことは、反対しないって?で、嫁入り品って?」

たっぷり勿体つけると、ジュウンはゆっくりと言った。「ひ・ま・ご」

ヨンホ「…何?!」

危険を察知して逃げようとしたヨンホを素早く捕まえ、ジュウンは彼をベッドに押し倒した。

#一本!

ヨンホ「!」
ジュウン「私、柔道6ヶ月習った女よ。3本線なんだから。(エクボキッスを飛ばす)」
ヨンホ「あっ…。はぁ、このエクボには全く…」
ジュウン「(ジーッ)」
ヨンホ「3本線?あと1本増えたら青帯だな」
ジュウン「そしたら何?」
ヨンホ「4本になったら、その時考えよう」
ジュウン「えぇ?!」

ヨンホが一気に体勢をひっくり返し、彼女の上にまたがった。

ジュウン「あっ!」
ヨンホ「とりあえず、体で話し合わないとな」
ジュウン「(わくわく)」

+-+-+-+

と、ジュウンはヨンホ宅のトレーニングルームで関節技を掛けられていた。「あーっ!」

ジュウン「4本線取ったら覚えてなさいよ!」

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取っ組み合いを続ける二人を、ジュンソンとジウンは不思議そうに眺めた。

0257

ジュンソン「お二人で何してるんだと思う?」
ジウン「ラブシーンにも見えるし、アクションシーンにも見えるし」
ジュンソン「(頷く)」
ジウン「どっちでもいいや(笑)」

+-+-+-+

ベッドルームでセクシージュウンに迫られても、ヨンホは何とか跳ね返した。「4本線だ」

「この野郎!」ジュウンは、ミニ”この野郎”の双子に怒鳴りつける。「あんたたちのパパ、どこ行った?」

+-+-+-+

ある日…

クローゼットルームで着替えようとしていると、ボトムスのボタンを外そうとした彼の手を、突然ジュウンが捕まえる。

ヨンホ「あぁビックリした!カン・ジュウン、頼むから…」

彼女が黙って差し出したのは…
4本線の入った柔道の帯!

ジュウン「4本線~♪」
ヨンホ「とりあえず!服を着替えてから」
ジュウン「(脱ぎかけの彼のシャツを見て)もう!どうせ脱ぐのに着替えても仕方ないでしょ」
ヨンホ「(帯を指し)これ、公認された人から貰った物に間違いない?確認しないと」

0258
ジュウン「(イライラ)明日、本家に行くんでしょ!私の嫁入り品がーっ!」

「…。」しばらく考えると、ヨンホは彼女の腰を抱いた。「ひとまず心地よく艶めかしい夜だけ。OK?」
彼に抱き上げられ、ジュウンは指で丸を作る。「OK」
彼女を抱きかかえたまま、ヨンホはベッドへ向かった。

0259

+-+-+-+

美しい韓服に身を包み、ジュウンはヨンホにエスコートされて、イ会長の待つ本家を訪れた。
「ご挨拶いたします」正式な礼をしようとしたジュウンを、イ会長が素っ気なく止める。「私たちが祝うのは陰暦正月だから」

ジュウン「!」

「食事にしましょう」そう言って、イ会長は二人の前を離れた。

ヨンホたち「(困る)」
父「(目で奥を指し)連れて来なさい」

ヨンホが小声でぼやく。「史劇じゃあるまいし」
ジュウンはシュンとして後ろを振り返った。「ミン室長、私、オーバーでした?」

ミン室長「(首をかしげ)少し。お食事をどうぞ」

+-+-+-+

食事を終えると、ジュウンはミン室長と共に、リビングに移った。

召使「何かご入用でしたら…」
ジュウン「あ… 大丈夫です」
ミン室長「大丈夫です。戻ってお休みください」

そこへヨンホがやって来て、彼女の隣に腰を下ろす。

ジュウン「(小声)私、ちょっと胃もたれしたみたい」
ヨンホ「(小声)ホント?薬飲まなきゃいけないくらい?」
ジュウン「ううん、ほんのちょっとだけ」

「手を」ジュウンの手を取ると、ヨンホはツボを押さえた。

ジュウン「(痛みで)あっ!」
ヨンホ「(向かいにいるミン室長に)治療です。誤解なさらずに」
ミン室長「何も言ってませんよ」

ジュウンが周りをキョロキョロと見る。「ところで…」

ジュウン「いつもこんなに静かなんですか?」
ヨンホ「まぁ大抵」

「今日は貴重なお客様がお見えで、少し騒々しい方ですが」ミン室長が嫌味を言う。

ジュウン「騒々しい?…。お祖母様はどちらに?」
ミン室長「部屋に」
ジュウン「お父様は?」
ヨンホ「部屋に」
ジュウン「ダメだわ。私、孫の嫁としてOK貰ったんですよね?」
ヨンホ「そう…だけど?」
ミン室長「(嫌な予感)」
ヨンホ「何するつもり?」

ジュウンはニヤリと微笑んだ。

+-+-+-+

呼ばれてリビングにやって来たイ会長とキム代表理事は、一体何が始まるのかと、中央に立つジュウンを見つめた。

ジュウン「お祖母様、お父様、そしてミン室長。2016年が健康でご多幸でありますように、歌を一節献上いたします」
ヨンホ「(すがるように)あの、カン・ジュウンさん、もう一度だけ考え直した方が…」
ジュウン「ミン室長、キュー♪」

ミン室長がスマートフォンの画面をスライドする。
流れてきた明るい音楽に乗せて、ジュウンは歌い踊り始めた。

♪ 『100歳人生』

60歳であの世から私を迎えに来たら
まだ若いから行けないと伝えて

70歳であの世から私を迎えに来たら
まだやることがあるから行けないと伝えて

80歳であの世から私を迎えに来たら
まだ使いでがあるから行けないと伝えて

90歳で… ♪

辛抱たまらなくなり、ヨンホは立ち上がった音楽を止めた。

ヨンホ「(ジュウンの手を掴み)もうやめて、こっちへ来るんだ。(祖母たちに)お祖母さん、父さん、この人…」

その瞬間、愉しげな笑い声が上がった。「あははは!」
イ会長だ。

全員「(キョトーン)」
イ会長「あははははは!迎えが来ても行けないと伝えろって?」

イ会長の様子に、父のキム代表理事も顔をほころばせる。

ジュウン「(ヨンホの腹を小突き)もう!途中で切っちゃったから、80歳までしか出来なかったじゃない!」
ヨンホ「…。」
イ会長「それくらい私に長生きしてくれって?ん?(笑)」

祖母は実に嬉しそうに手を叩いた。

ジュウン「はい、お祖母様!もともと150歳まであるんです」

「私たち皆、元気に暮らしましょう~♪」ジュウンが曲の結びの部分を歌ってみせた。

0260

ジュウン「(ヨンホに)こうやって終わるのに、途中で切っちゃうんだから」

まだ笑い続けているイ会長に釣られて、ついにはキム代表理事まで声を上げて笑い出した。

+-+-+-+

すっかり打ち解けた彼らは、一箇所に集まって記念撮影だ。
ジュウンが向けたカメラに、皆が顔を寄せた。

ジュウン「さぁ!年明け記念、お祖母様に”変顔集合”です」

※前にも出てきましたが、主役以外、皆が変顔をして、主役を可愛く引き立ててあげる写真の撮り方です。

ジュウン「(キム代表理事を振り返り)お父様、申し訳ないんですけど、顔をクシャッとさせてくださいね」
ヨンホ「(固い顔のミン室長に)ミン室長、証明写真じゃありませんよ」
イ会長「私はどうすればいいの?」
ジュウン「可愛く笑ってくださればいいんです」

「1,2,3!」皆で初めて撮った写真は、思いがけず素敵で、忘れられない物になった。

0261

+-+-+-+

ここで一旦区切ります。

ジュウンが思い切った行動で皆を自分側へ引き込んでしまう展開は良かったですね^^
新年の最終回だから許される「何でもあり」な感じはしますが(笑)

『100歳人生』の歌、90歳では「自分で行くから催促するな」、100歳では「良い日良い時を選んで行くから」、120歳では「極楽往生出来る日を待っているから」、150歳では「私はもうあの世に来ているから」と続きます。
※歌詞にはバージョンによって違いがあります。

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