オーマイビーナス Oh my Venus 6話あらすじ&日本語訳vol.2
シン・ミナ、ソ・ジソブが出演!「オーマイヴィーナス」6話の後半です♪
さっそくGoGo♪
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「ホントにやったのね♪」3人組から送られてくる証拠写真を見て、ジュウンは顔を輝かせた。「わぁ可愛い!」
そこへ秘書のヒョンジョンが入ってくる。「先生、今日も残業ですか?」
ジュウン「ううん、もう帰って。片付けて帰るから」
秘書「はい。先生、もうダイエットやめてくださいよ。このままじゃ死んじゃいそう」
ジュウン「(笑)私も死ぬ思いだけど、甲状腺を治さなきゃ」
秘書「あぁ…。私、体重の割りに筋肉量が多いって病院で言われたんです」
「また明日」秘書が出て行った。
と、片付け始めたジュウンは嬉しそうに鼻歌を歌う。「晩餐なんていつ以来かしら!」
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「店は工事中!」ヒョヌの声に、ジュウンはガックリうなだれてお腹をさする。
彼女はヒョヌの家に来ていた。
ジュウン「死にそうだよ…ミンジュン」
ヒョヌ「(食べ物を少し持って来て)これ食べな」
ジュウン「何でよりによって今日工事する必要があるわけ?」
ミンジュン「お母さん、おばさんに何かあげてよ(ジュウンのお腹をつつき)おばさん、腹ペコだよ」
「行儀悪いったら!」ヒョヌがミンジュンを叱る。「お遊戯会の練習でもしなさい」
ミンジュンをソファから追い立て、ヒョヌはそこに座った。
ヒョヌ「あの子、父親に似てリズム感ゼロなのよ、全く」
ジュウン「(微笑)」
ヒョヌ「開業以来初めて工事する日に来るなんて!うちに何もないのに」
ジュウン「とにかく噛み合わないよね」
ヒョヌ「そうよ。噛み合わないまま私たち16年つき合ってんだから」
「ところであんた」ヒョヌがジュウンの痩せた顔を覗きこんだ。「昔の雰囲気になったね」
そして、お腹をみて顔をしかめる。
ジュウン「ボディだってすぐ戻るわよ。国家試験のときくらい頑張ってるんだから」
ヒョヌ「あはは!落ちてばっかだったくせに」
ジュウン「もう!水差さないでよ」
ヒョヌ「(溜息)性格悪くて友だちもいないくせに… 一体どこで暮らしてるの、最近?」
ジュウン「もっと性格悪い人間がいるのよ。友だちってわけじゃないけど… 近いかな」
「友だち?」マッサージマシンでのヨンホの挑発が不意に蘇り、ジュウンは慌てて振り払う。
ジュウン「何でもない。心配しないで」
「追い出されないか心配」ジュウンは呟いた。
「あんた、ひょっとして…」ヒョヌがピンと来てジュウンを指差す。「例のセクシーフェロモン男?」
ヒョヌ「その人と何かあるの?」
ジュウン「セクシーだけでどーすんのよ。性格も態度も最悪なのに」
ヒョヌ「(ニヤニヤ)」
ジュウン「部屋もたくさんあるし、下宿みたいなものよ。他にも男の人たちがいるし」
ヒョヌ「男の人たち?!わぁ、誰かさんは養育費を上げてやるって言われて大喜びしてるのに、誰かさんは男たちと同居?」
「!」ジュウンが身を乗り出した。「コPD、仕事上手く行ったの?」
ヒョヌ「アメリカ行ってたでしょ。ジョン・キムの家を見つけたんだってさ」
「何ですって?!」ジュウンが思わず大声を出した。
ヒョヌ「どうしたのよ?」
ジュウン「どうやって?間違いないって?ジョン・キムがその家に入るの見たの?」
ヒョヌ「それなら大騒ぎになってるはずでしょ。関係者の証言で、30%は確実だって」
ジュウン「…。」
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帰りのタクシーの中で、ジュウンはさっそくジョン・キム関連のニュースを調べた。
ジュウン(独り言)「(呆れて)世界を股にかけて遊んでらっしゃるわね」
少し考えて、彼女は電話を掛けた。
ジュウン(電話)「ジウンさん、スピーカーにしてくれます?」
ちょうど食卓で食事をしていたジウンが、さっと電話をスピーカーに切り替える。
“Everybody,stop!!!” 響き渡ったジュウンの声に、3人共凍りついた。
ジュウン(電話の声)「いま口に入れようとしてる有機農野菜および味のない肉の塊、いますぐ下ろしてください」
彼らは顔を見合わせ、無言でフォークを皿に戻した。
#素直に言うこと聞いたヨンホを見て、ジウンが笑いをこらえてるのが何とも楽しい^^
ジュウン(電話の声)「”カン・ジュウンのように暮らす” 食事ミッション!外食!以上。伝達終わり!」
電話が切れた。
ヨンホ「…。」
ジュンソン「外食ってことはレストランか?」
ジウン「Oh! Ma’amはお姫様になりたいんだな♪ 僕、スーツ着るよ。エブリバディ正装スタイル!」
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真っ黒なスーツに身を固めたイイ男3人が、店の看板を見上げた。
そこはごくごく普通の食堂だ。
ジュンソン「ちょっとやりすぎたかな」
引き返そうとしたヨンホを、すかさずジュンソンとジウンが捕まえる。
ヨンホ「離せ」
ジュンソン「たった1日じゃないですか。弁護士さん、痩せようと本当に苦労なさったんですから」
ヨンホ「痩せたからって偉そうにすることか?自分のためなのに」
ジウン「兄貴、Ma’amは超健気なんだぞ」
ヨンホ「俺は小麦粉食べられないんだってば」
二人はヨンホ兄貴を引っ張り、無理やり店へ連れ込んだ。
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エプロン姿でキョトンとする彼らの前で、ジュウンは幸せそうにジョンを頬張った。
ジュウン「何してるんです?さっさと食べなさいよ」
「美味しそうだ!」ジウンがさっそく一口かじる。「おぉ!ホントに美味しい!」
ジュンソン「じゃあ僕も少しだけ。体重調整中なので」
ジュンソンも食事に手を伸ばす。
ジュウン「もう!私なら階級上げるわ」
ジュウンは一口フォークに刺し、ニヤリとすると、それを目の前のヨンホに差し出した。「あぁん♪」
ヨンホ「(フォークをチラリ)下ろしてください」
ジュウン「食べてみて。超美味しいから」
ヨンホ「僕はいいです。どんな味か知ってるから」
ジュウン「私ほどは知らないはず♪」
ジュウンの目配せで、両脇の二人がまたヨンホを捕まえた。
ジュンソン「兄貴、すみません」
ジウン「Sorry, because today is カン・ジュウンday!」
ヨンホ「お前ら、明日覚えてろよ」
「口を開けて」ジュウンはさらに近づいた。「あぁん♪」
真っ赤なトッポッキ(かな?)がヨンホの口にヒョコッと飛び込む。
ジュウン「ゴールイン!」
ヨンホ「炭水化物は食べないのに。あぁ、しょっぱい」
ジュウン「今日だけ食べましょうよ。炭水化物食べないで生きていけるわけないでしょ」
ヨンホ「(モグモグ)お姫様じゃなくて、大食い妖精だな」
ジュウン「(照れ笑い)妖精だなんて♪」
「さて」ジュウンが場を仕切る。「順序にしたがって証拠写真撮影に入りますね」
ヨンホ「ちゃっかりしていらっしゃる」
「ほら、近寄って」ジュウンの声で皆が近づく。「変顔!」
#얼굴몰아주기=集合写真で主役以外は変顔をし、主役の可愛さを引き立たせること。
ジウン「兄貴、変顔するんだよ。Hurry up!」
ヨンホ「いくら変顔しても俺のほうがイイ顔だからな」
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「イム・スターはゴルフやるのか?」廊下を歩きながらチェ理事が言う。
ウシク「まだ初心者です」
チェ理事「おい、ゴルフはビジネスの基本だぞ。そのうち一緒に回ろう」
ウシク「えぇ」
ウシクの電話が鳴った。
彼はチラリと表示を確かめ、電話をポケットに戻す。
チェ理事「おい、何遠慮してるんだ。受けろよ」
「すみません」ウシクはその場で電話を取った。「はい、イム・ウシクです」
電話の向こうの一声は意外なものだった。「江南警察署ですが」
ウシク「警察が何のご用で?… えぇ、わかりました」
ウシクはそのまま電話を切る。
チェ理事「何だ?飲酒運転でもしたか?」
ウシク「(笑)たいしたことじゃありません」
チェ理事「大仕事が控えてるんだ。体も用心、心も用心、口にも女にも用心しろ」
ウシク「えぇ、理事」
+-+-+-+
スジンは駐車場の車の中にいた。
ウシクの姿が見えたので、声を掛けようとしたものの、彼の様子を見て躊躇する。
スジン「?」
彼はすぐ自分の車に乗り込み、考えこんだ。
と、そこへ電話が鳴る。「あぁ、スジン」
スジン(電話)「どこ?」
ウシク(電話)「オフィスだけど」
スジン「…まだ?いつ終わる?」
ウシク「しばらく掛かりそうだ。忙しくてさ」
スジン「そう… わかったわ。お疲れ様」
ウシク「あぁ、電話するよ」
電話は切れた
彼の小さな嘘に不安を抱いたまま、スジンは車が出て行くのを見送った。「…。」
+-+-+-+
ウシクが警察署へやって来ると、以前ジュウンといざこざを起こして捕まった男性が刑事と面談していた。
「弁護士のヤン・ギョンジュンです」一緒にいた弁護士が名刺を差し出す。
ウシク「イム・ウシクです。暴力ですって?」
ヤン弁護士「ここで否認なさるんですか?」
ウシク「そうじゃなくて…」
ヤン弁護士「2014年11月17日午後、依頼人が全治3週間にあたる被害を受け、脅迫もあったと認識していますが」
ウシク「脅迫?」
ヤン弁護士は胸ポケットからボイスレコーダーを取り出し、再生ボタンを押した。
「今度またカン・ジュウンのそばをうろついたら、俺がぶっ殺す」彼自身の声が聴こえてくる。
ウシク(ボイスレコーダーの声)「見てたんならわかるだろ、俺にどんな資格があるか。カン・ジュウンに近づくな。警告じゃない、命令だ」
依頼人が黙ったまま勝ち誇った表情を浮かべた。
ヤン弁護士「依頼人が携帯電話で録音なさったものです。ぶっ殺す、近づくな、警告じゃない、命令だ… 平凡な市民にとっては十分な脅しになると思いますが」
「見過ごせる問題じゃないな」刑事が言う。
刑事「(ウシクに)お知り合いに弁護士は?」
「ここにいるわ」不意に後ろから声がした。「?」
そこにいたのはスジンだ。
ウシク「!」
「イム・ウシクさんの弁護士、オ・スジンです」スジンは涼しい顔で名刺を差し出した。
名刺を確認し、ヤン弁護士の表情が変わる。
+-+-+-+
久しぶりの晩餐を堪能して帰ってきたジュウンは、歯を磨きながらご機嫌だ。
ジュウン(熱唱)「私はバラに生まれたオスカル~♪情熱と華やかさの中で生きていく~♪」
※ジュウンの携帯の着信音にもなっている「ベルサイユのばら」主題歌。
今ジュウンが歌っていたのはサビの部分です。
ジュウン「そうよ。歯に何か挟まってこそ、歯磨きする甲斐があるってものでしょ」
鏡を眺め、彼女は嬉しそうに笑う。
と、そのとき、携帯から同じメロディーが流れだした。「?」
画面には「副代表」とある。
ジュウン「こんな時間に?今度はどんなネタでイラッとさせるつもり?」
彼女は拒否ボタンを押し、鏡の中のお腹を見つめた。「はぁ、食べ過ぎたかな」
ジュウン「明日また運動するもんね♪」
そこへ、また電話が鳴る。スジンからだ。
ジュウン(電話)「何?こんな時間に」
「警察署?!」ジュウンの顔色が変わった。
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「来たわ、参考人が」スジンの声に、不安げに待っていたウシクが顔を上げる。
ジュウンを見ると、彼は気まずそうに俯いた。
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「15年ですか」刑事が資料を見て言う。
ジュウン「(ウシクと顔を見合わせ)はい」
スジン「お互い初恋で、15年恋人だったんです。別れたからといってすぐ他人になるわけじゃないでしょう、一般論として」
スジンが淡々と述べる。
スジン「見知らぬ男が元彼女をストーキングし、脅威を与えていると判断される状況であれば、情状酌量の余地は十分あると思いますが。損害は刑事処罰の基準に満たない程度ですし。あ、もちろん、診断書を発行した病院の調査もお願いします」
刑事「ストーキングの証拠が不十分だったので、役に立つかと思って参考人を。(ジュウンに)CCTVを調べるようにおっしゃった、ほら、あの”保護者のような”方、一緒にいらっしゃったんですよね?」
ジュウン「あの方は関係ないんです。もう…お呼びになったわけじゃないですよね?」
「来ましたよ、参考人が」そう、もう呼んでしまったヨンホが満を持して登場した。
ジュウン「!」
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「あのさ…スジン」警察署を出てくると、ウシクは先を歩くスジンに呼びかけた。
スジン「私より(後ろにいるジュウンを見て)二人で話すことがあると思うわ」
ウシク「…。」
スジン「先に行くわね」
スジンはニッコリ微笑むと背を向けた。
ジュウン「はぁ、全く…」
ウシク「(気まずそうに)元気そうだな」
ジュウン「痩せ細ったのに元気そうだって?…何であんなことしたのよ?」
ウシク「ごめん。おおげさだった」
ジュウン「…。」
ウシク「お前のそばに誰もいないからと思って、念の為に」
ジュウン「…。」
ウシク「同情みたいなやつだ」
ジュウン「私のそばに誰もいないのは、全部あんたのせいだから。何が同情よ?!」
ウシク「別れたからって知らんぷり出来るか?通りすがりの人があんな目に遭ったって助けたさ。お前こそおおげさだ」
ジュウン「感謝感激ね。これでいい?」
ジュウンが歩き出す。
ウシク「あの男の正体、知ってんのか?」
ジュウン「…何?」
ウシク「お前が思ってるより遥かに立派な人ってこともある」
ジュウン「(笑)あんた、嫉妬してんの?自分よりカッコよくて気に入らない?」
ウシク「向こうは遊びなのに、お前一人突っ走ってるんじゃないかと思ってな。あまり考えられないことだから…」
ジュウン「どこまででしゃばるんだか。あんた暇なの?(叩く仕草をして)ぶっ飛ばしてやろうかしら」
ウシク「(怒)その言い草!女の子が何でそう壊れんだよ?」
ジュウン「どこに”女の子”がいるわけ?」
ウシク「…。」
ジュウン「私もあんたも、15年前より15年分年取ったのよ。弁護士になりたかった私は弁護士になって、水泳選手だったあんたは大企業の幹部になった。それくらい長い時間よ」
ウシク「…。」
ジュウン「何で壊れてくのかって?体重が増えて、贅肉がついたからって、私は今も昔も同じカン・ジュウンよ。よく考えて。15年前と何が変わったのか」
ウシク「…。」
ジュウン「スジンは有能な弁護士よ。私よりずっとね。大したことにはならないわ」
「行くわね」ジュウンは背を向け、歩き出した。
+-+-+-+
一人警察署に残ったヨンホは、調書にサインを終えた。
刑事「ご協力ありがとうございます。お帰りいただいて構いません」
廊下を歩きながら、ヨンホは考えにふけっていた。「…。」
「お互い初恋で、15年恋人だったのに、別れたからといってすぐ他人にはならないでしょう」ウシクの弁護士が話すのを、彼は後ろで耳にしていたのだ。
彼は電話を取り出した。「ミン室長、頼みがあるんです」
ヨンホ(電話)「ちょっと私的なことで」
+-+-+-+
外へ出てくるなり、ヨンホは誰かに呼び止められた。「すみませんが」
ヨンホ「?」
ウシクが待っていたのだ。
ウシク「もうご存知かもしれませんが、今後ご挨拶する機会がありそうだったので」
「ガフンセンター長のイム・ウシクです」ウシクが握手の手を差し出した。
ヨンホ「…。(握手)僕はまだ決心がつかなくて。ひょっとして、カン・ジュウンさんのことで?」
ウシク「いえ。考えてみたら、心配する資格はありません」
ヨンホ「…。」
ウシク「参考人陳述、ありがとうございます」
ヨンホ「とんでもない。行ってもいいですよね?(ニッコリ)カン・ジュウンさんは寒がりなんで」
ウシク「…。」
ヨンホ「力になれたなら幸いです」
「では」ヨンホはウシクに何ら動じる様子も見せず、あっさりと背を向けた。
ウシク「…。」
+-+-+-+
警察署を出て駐車場へ入ると、ヨンホは車の前で待っているジュウンの後ろ姿を見て、思わず駈け出した。
#萌えるーーーっ!
ヨンホ「タクシーで帰ったかと思った。自立的なタイプだから」
ジュウン「どうせ同じ家に帰るんだし。ガソリンの無駄でしょう?」
ヨンホはポケットからキーを出し、車を解錠した。
「あぁ、寒い!」そう言ってジュウンはさっさと車に乗り込んだ。
ヨンホ「…。」
+-+-+-+
家へ帰ったスジンは乱暴にヒールを脱ぎ捨て、スリッパに履き替えた。
そのままぼんやりと壁にもたれかかる。
スジン「…。」
~~~~
彼女は、工学部首席の男子学生を紹介された、あの日のことを思い出していた。
無理やり二人きりにされ、さんざん侮辱されたところを、実は助けてくれた王子様がいたのだ。
それは、ジュウンと一緒に出て行ったはずのウシクだった。
工学部の学生を殴り飛ばすと、彼は言った。「そんなふうにしか言えないのか」
ウシク「誰にそんな口聞いてんだ!」
スジン「ウシク…」
学生「お前、イム・ウシクだろ」
ウシク「あぁそうさ!俺はイム・ウシクだ。訴えるか?訴えろよ!(スジンを見て)友だちのオ・スジンは国家試験にパスしたし、ガールフレンドのカン・ジュウンだってもうすぐパスするんだから」
スジン「…。」
「行こう」そう言って、ウシクは彼女の手を取った。
「!」彼の手の甲に血が滲んでいるのを見て、スジンは息を呑む。「ウシク、怪我してる!」
ウシク「俺は大丈夫。お前は大丈夫か?」
頷く彼女に、彼はもう一度優しく言った。「行こう」
~~~~
あのとき、自分に向けられたウシクの優しさは、今まだジュウンに向かっていた。
ウシクが工学部生に言ったとおり、彼女は弁護士として彼を弁護したが、それはジュウンのために彼がやったことに対してだった。
スジン「…。」
+-+-+-+
「ちょっと待って!」ジュウンの声に、ヨンホは車を停めた。
ジュウン「カン・ジュウンDayが30分残ってるから、コーヒー1杯OKでしょう?」
ヨンホ「(溜息)睡眠障害があるのわかってます?こんな時間にコーヒー飲んだら…」
ジュウン「コーヒー飲まなくたって、どうせ今日は寝られないもの」
「だから1杯だけね」ジュウンは急いで車を降りていく。
嬉しそうに駆けていく彼女を静かに見送り、ヨンホは表情をやわらげた。
ヨンホ「…。」
+-+-+-+
「ここで一番甘いのって、ホワイトチョコとミントチョコですよね?」ジュウンがカウンターで店員に言う。
店員「はい。どういったものになさいますか?」
ジュウン「両方ください」
財布を持っていないのに気づき、彼女は携帯でIT決済の画面を見せる。「これで払えます?」
「えぇ勿論」店員が携帯を機械に通し、決済を済ませた。
ジュウン「(車のほうを振り返って)お金貸してくれなんて言いに行ったら、飲めなくなるところだったわ」
+-+-+-+
ミン室長が一団を連れて乗り込んだのは、さっきヨンホがいた江南警察署だ。
#1話に1度はミン室長♥
刑事「何のご用で?」
ミン室長の合図で隣の部下が名刺を出す。
ミン室長「先ほどイム・ウシクさんへの控訴状を受理されたと思いますが」
刑事「えぇ。和解して取り下げられましたよ」
ミン室長「噂が漏れるといけませんので、(小声で)私とちょっと話を」
刑事「…。」
+-+-+-+
しばらくして、ミン室長は来た時と同じように颯爽と警察署を出てくる。
ミン室長(電話)「処理いたしました。私的な出来事でも、他の誰かにとっては公的な出来事になり得ます。ご注意くださいませ」
「苦情と小言もご注意くださいませ」電話の向こうでヨンホが答える。「OK?」
電話を切ったところで、誰かが車の窓をノックした。
+-+-+-+
店の中でドリンクを待っていたジュウンは、ヨンホが車から出てきたのを見て首を傾げた。「?」
彼の車の前にレッカー車が停まっていて、彼がその運転手と話しているのが見える。
ジュウン「故障かな?」
ヨンホが車に戻ると、急に雨が降りだした。
ふとカフェを見ると、ジュウンが手で雨をしのぎながら出てくるのが見える。
笑顔で駆けてくる彼女の姿に、彼はかすかに時間がとまったような感覚に襲われた…。
ヨンホ「…。」
「どこが故障したんです?」急いで助手席に乗り込むと、ジュウンが行った。
ヨンホ「…。さぁ」
「カン・ジュウンDayは10分残ってるから、文句言わないでくださいね」彼女がドリンクを差し出す。
彼はしぶしぶそれを受け取った。
ジュウン「人生の甘味も知らないなんて」
ヨンホ「…。」
ジュウン「人はモムチャンだって言うだろうけど、悲しいことかもしれないわ」
ヨンホ「”カン・ジュウンみたいに暮らす”作戦、スッキリしました?僕にやられた分、発散できたから」
「ホントはプレゼントだったんだけど…」ジュウンは少し恥ずかしそうに目を伏せる。「甘味も知ってほしくて」
ヨンホ「…。」
ジュウン「人間の基本権利に幸福追求権っていうのがあるんです。人間は誰しも幸せでいる権利と義務があるってこと」
「どんな人でもね」ジュウンは微笑んだ。
ジュウン「体にはちょっと申し訳ないけど、心にとっては(ドリンクをチラリと見て)この子が幸福追求権みたいなもので」
ヨンホ「(頷く)僕に、カン・ジュウンさんの幸福追求権をプレゼントしてくれたわけか」
ジュウン「1日くらいは赤信号でも青信号でもない、黄信号でちょっと休んで行ければいいなって」
ヨンホ「…。」
ジュウン「差し出がましいけど、ちょっと辛そうに見える時があったんです。それで」
ヨンホが黙って彼女を見ると、ニッコリ笑っていたジュウンが慌てて目をそらす。「!」
ジュウン「車を直すのにもうしばらく掛かりますよね。ちょっとぶらっとして来ますね」
「じっとしてられなくて」ジュウンが逃げるように車を出て行く。
ヨンホ「…。」
+-+-+-+
さっきのカフェに戻ってみると、もうそこは閉店した後だった。
彼女は雨の中、とにかく店の前のパラソルの下に入る。
どうしよう、すぐ戻るわけにもいかないし…。
彼女は困って辺りを見渡した末に、その場でドリンクを口にした。
+-+-+-+
ヨンホ「…。」
彼は雨の中ドリンクを飲む彼女を見つめながら、ある日のことを思い出していた。
帰国後、父の元を尋ねたときのことだ。
「人生はそう甘くない」そう冷たく言う父に対して、彼は絞りだすように言った。「御存知の通り、甘味を知らずに育ったので…」
そう、辛く孤独に生きてきた彼に、ジュウンがもたらしてくれた小さな幸せこそ、初めて知った”人生の甘味”だった。
+-+-+-+
「それにしても甘すぎる」ヨンホの声に、ジュウンは振り返った。「!」
ヨンホが傘をさして立っている。
ジュウン「ビックリした」
彼は持って来た傘を畳むと、パラソルの下に入り、彼女と並んだ。
ジュウンのドリンクをひょいと取り上げると、素知らぬ顔をして飲む。「甘っ!」
ジュウン「私のなのに」
ヨンホ「人生最悪の日、また更新されたかな」
ジュウン「傘、畳まないほうがいいわ。武器になるかもしれないもの」
「…。」ヨンホはじっと彼女の横顔を覗きこんだ。
ジュウン「そんなに見ないでくださいよ。(頬を触り)エクボは私のですから」
ヨンホ「(じーーーっ)」
ジュウン「(ウシクの警告を思い出し)からかわないでください。(車のほうを見て)いつ直るのかしら」
ヨンホ「何が?」
ジュウン「車が故障したんでしょう?」
ちょうどレッカー車が去っていくのが見えた。
ヨンホ「レッカーが故障したんですよ」
「???」ジュウンが目をパチクリさせる。「え?」
ジュウン「だって… じゃあ私たち何で待ってたんです?」
ヨンホ「いいじゃないですか。せっかくだから人生の甘味も経験して」
「…。」ジュウンが困ったように前へ向き直る。
ヨンホはまた彼女の顔を覗き込み、彼女の頬を探るように指先で撫でた。
「あっ…」ジュウンが声を漏らした瞬間、小さくエクボがあらわれる。
ヨンホ「不思議だな」
ジュウン「からかわないでくださいってば」
ヨンホ「ちっともわかってないんだな」
ジュウン「?」
ヨンホは二人の前にパッと傘を開いた。
不意に周りの景色と分断され、そこに小さな空間が生まれる。
ヨンホ「からかいたい女に… 男は他のこともやりたがる」
ジュウン「!」
ヨンホ「カン・ジュウンさんの体は僕の思い通りだから」
彼の指がそっと彼女のメガネを外す。「Noは受け付けません」
長い指を彼女の首に回し、引き寄せると… 口づけた。
+-+-+-+
ここでエンディングです。
幸せなんだけど…
幸せなんだけど…
幸せなんだけど…
もう少しズバッとシンプルな展開と台詞回しになりませんか?
ジソとミナちゃんの魅力、ヨンホとジュウンのキャラで十分楽しめますが、このエンディングへ至るプロセスにもう少しインパクトがあると嬉しかったな。
警察に呼ばれたのは随分前に起きた出来事のせいで、ヨンホが来たのも直接ジュウンのためではありません。
ウシクとジュウンの長く深い関係を知ったことは、ヨンホの気持ちをかなり刺激したとは思うけど、警察署の前でウシクと話して何となくクールダウンした空気になってるし。
急に降って湧いたレッカー車も、傘をさしたり閉じたりしてるのも(最後に傘を広げたのは武器にされないためか?笑)、やたらとエクボ見てるのも「作家さん苦労してるなぁ」っていうのが見える気がしてちょっとモヤッとしますね。
まぁそれはそれとして、ヨンホもジュウンも本当に好き。
特にヨンホはいい具合に年取ってて(笑)、冷静で穏やかなところが私は本当に本当に見やすいです。
こうやってジュウンに癒やされながら、大人の余裕でリードしてほしいなぁと♪
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