SPY(スパイ:JYJジェジュン主演)1話あらすじ&日本語訳vol.2
JYJキム・ジェジュン、コ・ソンヒ出演、「SPY」1話。後半に進みます。
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カフェに入ったソヌは、一人で寂しい思いをさせた恋人を懸命になだめた。
「大丈夫?」彼は彼女の手のツボをマッサージしながら言った。「血抜きする?」
※血抜き=胃の具合が悪いとき、ツボに悪いものが溜まっているからと、指先を針でさして少し血を抜く療法
胃もたれで、ユンジンは胸をトントンと拳で叩いた。「あー、もうおしまいだわ」
ユンジン「もう駄目よ」
ソヌ「駄目なんかじゃないって。みんな喜んでたじゃないか」
ユンジン「ううん。お母さんに完全に睨まれちゃった」
ソヌ「今日の様子なら、母さんホントに気に入ってたって。ものすごい人見知りなんだから」
「女同士の微妙な世界が分かってないわ」ユンジンが軽く毒づく。
ソヌ「信じないんだな。それなら、母さんに電話して訊いてみるから」
「母さん、ユンジンはどうだった?」ソヌはふざけて繋がっていない携帯に話し掛ける。
「変なことしないでよ!」ユンジンは慌てて笑った。
「私の故郷…」ユンジンが静かに切り出す。
ユンジン「言うんじゃなかったかな」
ソヌ「…。」
ユンジン「共感してもらいおうと余計なこと言っちゃって、お母さんを気まずくさせちゃったみたい」
ソヌ「それが何で気まずいんだよ」
ユンジン「ソヌさんが平凡な人に出会って幸せになってほしいと思っていらっしゃるのに…」
ソヌ「…。」
ユンジン「きっと今まですごく苦労なさったはずだわ」
ユンジンの呟きに、ソヌは黙って考えを巡らせる。
ユンジン「苦労して築いた家庭に私みたいな人間が割り込むのは、有り難く思われないかも」
ソヌは小さく息をつく。「平凡よりも、特別がいいんだ」
ユンジン「…。」
じっと見つめるユンジンの手を、ソヌはもう一度握り直す。
ソヌ「俺… 君に初めて会った瞬間、この人をものにするって心に決めた。君だってそうだろ」
ユンジンは黙って頷いた。
ソヌ「それでいい。これを”幸せ”って言うんだ」
手を伸ばし、彼女の頬を撫でる。
彼の優しさに、ユンジンは思わず嬉しそうに微笑んだ。
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目隠しをされたまま、車はどこかへ向かっている。
女はどうしようもない恐怖に震えていた。
不意に車が停まり、彼女一人を下ろすと、車はすぐ発進した。
女性「…。」
そっと目隠しを外し、まわりを見渡してみる。
そこがどこなのかはさっぱり分からない。
彼女は恐る恐る歩き出した。
通りの向こうから彼女を見張っている若い男が一人。
(#ソヌを襲った一味のメンバーですね。一人結構イケメンがいるなぁと覚えてた:笑
バスが彼らを遮るように通り過ぎると、次の瞬間、女性の姿は消えていた。
男性「!!!」
裏通りへと逃げた女性を、男が全速力で追いかけた。
彼女はいくつも角を曲がり、目についた小さなビルに駆け込むと、階段を上がった先の漫画喫茶に飛び込む。
フロアの突き当りまで行き着くと、彼女はトイレの窓から外へ飛び出し、そこへちょうど通りかかったタクシーに乗った。
しばらく走ったところでタクシーを降りると、彼女は公衆電話のBOXに入る。
女性(電話)「自首… 自首したいんです」
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ソヌは自宅で母の用意した朝食を摂っていた。
ヘリム「あの子、家はどこなの?昨日は送って行くのにすごく時間が掛かったみたいだけど」
ソヌ「”あの子”はないだろ。ユンジンって言ってよ」
ヘリム「先走っちゃダメよ。もう新婚のつもり?」
ソヌ「ユンジンはいい子だよ。息子を信じて、任せてよ」
ヘリム「…。」
そこへ、ソヌの携帯の着信音が鳴った。
チラリと画面を見ると、ソヌは立ち上がる。「行かなきゃ」
ヘリム「休みなのにどうしたの?」
ソヌ「急用だから、今すぐ出て来いって」
玄関へ向かうソヌをヘリムは追いかける。「公務員に急用なんて…」
「これ、飲んでいきなさい!」渡したグリーンジュースをソヌが一気に飲み干すのを、ヘリムは満足気に見守った。
ソヌ「母さん、僕がどうしてユンジンのこと好きなんだと思う?」
ヘリム「?」
「母さんに似てるから」ヘリムの顔を覗き込むように言うと、照れて膨れっ面を見せる母の反応に、ソヌはニッコリ笑った。
「行ってきます!」ソヌは元気に家を出た。
そこへ部屋から出て来たウソクが妻に声を掛ける。「久しぶりに、気晴らしでもしに行こうか?」
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駐車場の車の中で、ヒョンテはカーステレオに合わせて熱唱していた。
#Carmina Burana. あちこちでBGMに使われている曲ですねー
そこへ出て来たソヌが車に気づき、窓をノックする。「先輩、キム・ソヌです」
ヒョンテは涼しい顔で窓を開けると、車内に音楽が流れているのを思い出し、慌ててOFFにした。
ソヌ「ここへ来るように連絡があったんです」
ヒョンテ「あぁ、分かってる。乗れよ」
ソヌが助手席に乗り込むと、ヒョンテは後部座席に置いてあったファイルを拾い上げる。
ヒョンテ「1時間前、スパイだって女から電話があった。自首したいってな。その女が言うには、今、大変な状況らしい。北朝鮮のチャン・ソンテクが失脚… いや、退陣した後、工作組織が一新されたらしいんだが、新しくやって来た責任者が、南へ派遣されたスパイたちを片っ端から殺してるってさ」
ソヌ「事実なんですか?」
ヒョンテ「さぁな。脱北者を狙った懸賞金目当ての単純な事件かもしれないし。まともな話なら、俺たちのパートで何年か追わなきゃいけなくなる」
「大事なのは…」眠そうに目をこすっていたヒョンテが、ソヌを振り返った。
ヒョンテ「情報が本当なのか嘘なのか、そこだ。俺たちに必要な情報なのか、そうじゃないのか」
ソヌ「接触の際の合言葉は?」
ヒョンテ「2ページ目だ」
ソヌがファイルのページをめくる。
ヒョンテ「オレたちが”もうすぐ雨が降りそうですね”って言ったら、向こうは”風も吹きそうですよ”、そう答えるはずだ」
車が走りだした。
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ソヌたちがたどり着いたのは、人通りの多い川沿いだ。
対岸ではいくつも旗が掲げられ、市民運動に人がおおぜい集まっていた。
ヒョンテ(電話)「おい!集会やってる場所で作戦組むヤツがあるかよ!」
段取りを整えた同僚に文句を言うヒョンテの隣で、ソヌはじっと周囲を観察した。
ヒョンテ(電話)「何?向こうから一方的に?それなら日を変えろとかすりゃいいだろ」
「!」そのとき、フードを被った女性が集会の前を横切って行くのがソヌの目に止まった。
彼はそっと目で追う。
続いてもう一人… 彼は目についた若い女性を順にチェックした。
ヒョンテ(電話)「お前な、脳みそ付いてんなら考えろよな。まぁいい、何かあっても現場がどうのこうの言うなよ」
電話を切ると、ヒョンテはソヌの見ている方へ向き直る。
ソヌは橋の上に視線を移し、そこで目を細めた。「?」
橋の上に、同じイヤモニターをつけた男性が何人も立っている。
他に配備された職員たちだ。
あまりに目につく彼らの姿に、ヒョンテがマイク越しに叱る。「目立ちすぎだ!」
ヒョンテ(マイク)「イヤモニターに手を掛けるなって!お前、映画でも撮ってるのか?」
そこへ、少し怯えた様子で若い女性が橋を渡ってくるのが見える。
自首すると電話した彼女だ!
ソヌ「?」
ソヌはじっと彼女を観察した。
#こういうコート、彼すごく似合いますねぇ♪
ヒョンテ「(ソヌに)お前、銃持って来たよな」
「いえ、武装はしていません」ソヌは女性から目を離さずに答える。
ヒョンテ「何で持ってないんだ?お前、現場要員だろ」
ソヌ「そうですけど、ここに来いとしか言われなかったので」
ヒョンテ「バカか!スパイに会うのに丸腰で来るヤツがあるかよ」
ソヌ「…。」
ヒョンテ「(ソヌの腕のギブスを見て)骨折したヤツが来させるのがそもそもオカシイんだ…」
「…。」ソヌはゆっくりと橋の上に視線を戻す。
女性は不安な様子で、橋の真ん中にじっと立っていた。
ふと顔をあげた彼女の目が、ソヌの目と不意に合う。
彼女の視線を捉え、ソヌはまっすぐに彼女を見つめ返した。
ヒョンテ「撤収するぞ。人が多すぎるし、何かあったらオレたち死んじまうからな。作戦立て直して場所を変えるんだ」
ソヌ「次はないかもしれませんよ」
ヒョンテ「何?」
ソヌ「その間に死ぬことだってありますから。僕が接触します」
ソヌはそう言って、ヒョンテの答えも待たずに橋の方へと歩き出した。
ヒョンテ「おい!お前が死んだら誰が責…。あいつ!」
橋の上へと差し掛かったソヌは、そこでビラを配っている老女に声を掛ける。「おばあさん、お手伝いしましょうか?」
ビラを数枚受け取ると、ソヌは老女の前を通り過ぎた。
ヒョンテ(マイク)「周囲を固めて、万一に備えろ」
ソヌがゆっくりとマークした女性に近づく。
#こんなふうにまっすぐ見つめながら近づいて来られたら、眩暈するわ…
彼が差し出したビラを彼女が掴むと、彼はそっと言った。「もうじき雨が降りそうですね」
女性「!」
+-+-+-+
ソヌは女性の手を引き、地下鉄の階段を全力で駆け下りる。
その後にヒョンテも続いた。
改札口を抜け、ホームへやって来ると、通用扉を開け、さらに下へと階段を下りる。
そこにはもうひとつ線路があり、狭い通路を通り抜けると、薄暗い小部屋に辿り着いた。
待っていたソヌの同僚、上官たちが迎える。
ヒョンテがソヌの肩に手を置いた。「周囲に怪しいのが3人いた。今度から勝手に動くな。死ぬぞ」
ソヌ「すみません」
「ソヌさん」ジュンヒョクが近づいてくる。「腕はどう?」
ソヌ「すっかり良くなりました」
ジュンヒョク「そうか」
ソヌ「話が出たついでですが、いつごろ現場復帰できますか?」
ジュンヒョク「あぁ、その話はあとにして、まずはお互い挨拶だ。こっちのキム・ヒョンテ分析官とはもう仲良くなったようだし、こっちのノ・ウナ分析官とは昨日たくさん話したよな」
ジュンヒョクの隣にいたのは、昨日ソヌを取り調べた調査官だ。
ヒョンテ「ところで、対共捜査班の姿が見えないな」
ジュンヒョク「今回の件はこっちで主導することになった。分析班の判断が期待されてるから、みんなしっかりやろう」
「準備出来たか?」ジュンヒョクの問いに、ウナが答えた。「はい」
ジュンヒョク「始めよう」
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ヘリムは雪の積もったゴルフ場で持て余していた。
「娘さん、高3になるんでしょう?」奥様方の話に「えぇ」とほほ笑み、ヘリムは小さく息をつく。
向こうでは、夫がゴルフクラブ片手に男性たちと熱心に話していた。
ヘリム「…。」
「頑張りましょう」ウソクと握手を交わし、男性たちが車に乗り込むと、待機していた軍人が車を発進させる。
ヘリムは夫に並び、笑顔で車を見送った。
自分たちの車に乗ると、満足気な夫の隣でようやくヘリムがぼやいた。
ヘリム「あなたの言葉を信じた私が馬鹿だったわ」
ウソク「大変だったろう。すまないな」
ヘリム「久しぶりに気晴らししよう(※風に当たろう)なんて言うもんだから」
ウソク「(微笑)」
ヘリム「確かに風が冷たかったわ。のんびり出来なかったからかしら」
ウソク「夫婦同伴だから仕方なかったんだ。あの人たちに説明したいことがあってね。社運のかかったプロジェクトなんだ」
ヘリム「それなら先に言ってほしかったわ。無駄な期待せずに済んだのに」
「けど」ウソクはニヤリとしてハンドルを握る。「本当の目的はこれからだ」
車が静かに走りだした。
+-+-+-+
ウソクたち夫婦がやって来たのは、静かな別荘地だ。
管理人「元々はある夫婦が老後のために作ったんですがね、旦那さんが死んでしまいまして。それで安く売りに出したってわけですよ。引っ越してくる前に亡くなったので、家は新品です」
ウソク「えぇ。少し見せていただきます」
二人は主のいない別荘の周辺をゆっくりと歩いた。
ウソク「いいだろう?」
ヘリム「そうね」
ウソク「有り金をかき集めれば何とかなりそうだし…」
ヘリム「?」
ウソク「引っ越してしまおうか?」
ヘリム「この人ったら世間知らずね」
ヘリムは落ちている枝を拾い上げ、雪の上にグラフを書き始める。
ヘリム「これが私たちの財産だとすると、住宅ローンがまだ残ってるでしょ。ヨンソの大学資金もいるし、ソヌも結婚させなきゃ。老後に家だけあってどうするの?食費がなきゃ」
ウソク「うーむ」
ヘリム「今のマンション売ったって無理よ」
ウソク「今回のプロジェクトさえ上手く行けば、この家を買って、子どもたちだって二人共結婚させられるよ」
ヘリム「(皮肉っぽく)そりゃありがたいわ」
ウソク「何だ?私を信じてごらんよ」
ヘリムが楽しそうに笑うと、ウソクはついさっきこっそり摘んであった綺麗な野草の束を差し出した。
思いがけないプレゼントに、ヘリムが顔を輝かせる。
ウソク「君には今まで随分気苦労を掛けたね。でも、全てうまく行ってるじゃないか。これからは自分たちの幸せを考えよう」
ヘリムはニッコリ微笑み、何度も頷く。
ウソク「だから、ソヌが付き合ってる女の子も受け入れてやってくれよ」
ヘリム「無駄におまけを付けるんだから!(ニッコリ)分かったわ、考えてみる」
二人は腕を組み、仲良く歩き始めた。
+-+-+-+
自首してきた女性の取り調べが始まった。
ウナ「名前と所属を仰ってください」
スヨン「チョ・スヨン。労働団225局所属です」
ウナ「年齢は?」
スヨン「24歳です」
ウナ「韓国に来てから、これまでどんな指令を受け、どんな工作活動をしましたか?」
スヨン「最初は情報収集をしてたんですけど、最近はお金を稼いで北朝鮮に送ることしかしていませんでした」
ウナ「自首を決心したきっかけは何です?」
スヨン「仕事をしていてお金が余ったら、北にいる家族にもお金を送るんです。私だけじゃなくて、南にいる工作員はみんなそうしてます。それなのに…!」
ウナ「…。」
スヨン「今回、北の保衛部から来た人が、それを口実に私たちを焼却場に引っ張っていって、一人ずつ焼き殺してるんです。死にたくなくて自首しました」
スヨンが話しているのを、ジュンヒョクたちに混じってソヌもじっと見守った。
ウナ「あなたのいう仲間たちを今チェックしているんですけど、本当に存在しているのか確認できませんね」
スヨン「ほとんど死んだんだと思います。私も捕まって死ぬところだったんですから!」
ウナ「でも、死んでないでしょ?怪我もなさってないようだし」
スヨン「!」
絶句するスヨンの前で、ウナは涼しい顔で咳払いをした。
ウナ「もう一度訊きます。今まで話したことは全て事実ですか?」
スヨンは突然怒りを爆発させ、立ち上がって北朝鮮訛りで叫んだ。「嘘だったらここに来るわけないでしょ!!!仲間はみんな死んだのに!!!!!」
+-+-+-+
取り調べブースから、ウナが出てくる。
ヒョンテ「なぁ、アメリカで勉強したって自慢してたくせに、あんな興奮させていいのか?」
ウナ「知らないくせに言わないでくださいよ。興奮したときに真実が出るんですから。方言で話したのを見れば分かるでしょ?」
ヒョンテ「けど、憎まれてどうするんだよ。ここからどう話すつもりなんだ?」
ジュンヒョク「おい、やめとけ」
「僕が一度やってみましょうか」ソヌが口を開いた。
ジュンヒョク「?」
ソヌ「僕もあの人と同じ現場要員ですから。話が通じる気がするんです」
彼はモニター画面の中で落ち着かずにウロウロしているスヨンを見つめた。
+-+-+-+
ソヌが小さな取り調べ室に入った。
スヨン「人を替えたのね。次はどうするんです?」
ソヌはそれには答えず、手に持っていたタブレットを机の上に置く。
スヨンはまだ興奮しており、息が荒かった。
スヨン「また質問するんですか?」
「そこに座ってください」ソヌが優しく声を掛けると、スヨンは驚いて彼を見つめた。
ソヌは先に椅子に腰掛けると、立ち尽くしているスヨンを見上げる。「さぁ、そろそろ具体的な話をしましょうか」
すっかり静かになったスヨンが腰を下ろした。
ソヌ「北の保衛員たちに捕まったのはどこです?」
ソヌは空撮地図をタブレットに表示させ、彼女に差し出した。
ある地点を彼女が黙って指先で指す。
ソヌ「その後、バンに乗せられて、どこかへ連れて行かれたと…。次の目的地までどのくらい掛かりました?」
「…。」スヨンが記憶を辿るように視線を巡らせる。
スヨン「だいたい1時間くらい…」
ソヌは、地図で彼女が指した付近をズームアップさせた。
ソヌ「到着して何があったんです?」
スヨン「私たち… 私たちを一人ずつ焼き殺したんです」
スヨンの脳裏に凄まじい記憶が甦る。
~~~~
目隠しをしたスヨンに、仲間が訴える声が聴こえる。「監督官と話をさせてください!全部説明しますから!」
「監督官に会いたいのは俺の方だ」そういうと、保衛部のリーダーは感情のこもらない声で言った。「死刑」
次々に仲間が引っ張られていく。「死刑」「死刑」
~~~~
ソヌ「他に特に気になったことは?」
スヨン「最後の10分くらい、車がガタガタ揺れてました」
ソヌ「…。舗装されてない道か…」
ソヌは地図に視線を落とし、気になる地点をタッチした。
ソヌ「何か他になかったですか?匂いとか、音がしたとか」
スヨン「…。静かで… 強くはなかったけど、腐ったような匂いがして」
ソヌ「…。」
スヨン「近くに重機みたいなものがあったのか、騒音がしてました」
ソヌ「今着てるのは、そのときと同じ服ですね?」
「ちょっとすみません」ソヌは彼女の方へ回り込むと、彼女の服を嗅いだ。
ソヌ「死体の臭いですね」
「死体を焼却する場所か…」彼は席に戻り、考えを巡らせる。
彼はマップの検索窓に「火葬場」と打ち込み、周囲に検索を掛けた。
該当箇所にオレンジ色のピンが点灯する。
スヨン「!」
ソヌはその場所をズームさせた。「ここですね」
ソヌ「なぜスヨンさんを殺さなかったんでしょう」
スヨン「死んだ仲間たちが集めたお金を全部見つけて来いって、そう言ったんです。そうじゃなきゃ、北にいる家族も皆殺しにするって」
ソヌ「顔は見たんですか?」
スヨン「見ました。ハッキリは見てないけど… 顔の片方に火傷の痕があって…」
~~~~
目隠しを外されたスヨンは、恐る恐る顔を上げた。
男が一人、目の前で彼女を静かに見下ろしている。
中国でソヌを襲い、そして、生かした男であった。
~~~~
スヨン「昔、訓練を受けていた頃に聞いたことがあるんです。中国で作戦に失敗して、長い間収容所にいたって。ある女性が原因で失敗したって聞いたんですけど… 」
ソヌ「女性?」
スヨン「同僚だったけど、死んだそうです」
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「接待ゴルフまでして、またすぐ仕事?」夫と別れたヘリムは、電話で思わず漏らす。
ヘリム「分かったわ、新居のためね。帰るときチーズケーキでも買ってきてくださいな。ヨンソが夜食に食べたいって。…知らないわ、勉強もしないくせに。どうしてホールで買うのよ!誕生日でもないのに、一切れでいいの」
家に戻ってくると、彼女は夫に貰った野草の束をキッチンに飾った。
そのとき、玄関のチャイムが響く。「どなたです?」
玄関まで歩いて行くと、ヘリムは何の気なしに扉を開けた。
ヘリム「?」
そこに立っていたのは… あの男だ。
男「ソンエ、久しぶりだな。いや、今はヘリムと言ったか」
#一話冒頭で写真を見た時、「ソヌ」って言ったと思い込んでましたけど、ヘリムの前の名前ですね。ソンウかも。
訂正します。
ヘリム「!!!!!」
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ここでエンディングです。
うん、面白い!
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