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夜警日誌あらすじ&日本語訳12話vol.1

   

チョン・ユンホ(東方神起ユノ/ユンホ)、チョン・イル出演、「夜警日誌」12話前半、ドラマのあらすじを掴みながら、台詞を丁寧に日本語に翻訳していきますね。

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「これは… 疱瘡です」ムソクの言葉に、リンは愕然とした。
ここに倒れている宮人たちが、皆、疱瘡(天然痘)に冒されているというのか…。

宮人たちに近づこうとしたリンを、即座にムソクが遮る。

ムソク「近づいてはなりません」
リン「!」

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疱瘡神はその後も都のいたるところに病をまき散らした。
一人ひとり病を植え付けて回るまでもない。
飲み水を狂わせてしまえばいいのだ。

宮廷を出てきたリンたちが見たものは、至るところで倒れている人々と、次々と死体を運び出す行列だった。

リン「疱瘡が広がっている」
トハ「それじゃ…疱瘡神のしわざですか?」
リン「疱瘡神?!」

振り返ったリンに、トハが無言で頷く。

ムソク「疱瘡神などではありません。単なる病気、痘瘡です。大蛇を追っていたりするから、単なる病気さえ…」
リン「君は先に帰れ」
ムソク「!」
リン「我々で疱瘡神や大蛇… 鬼神についてもっと深く話し合うことにするから」
ムソク「…。」
トハ「…。」

リンはトハの手を取り、ムソクを置いて歩き出した。

ムソク「!」

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「ここは蝿だらけだ!」チャン氏は宿の中を飛び回る蝿に苛立っていた。
いつも穏やかなサゴンが諌める。「来たのが疱瘡神じゃなくて蝿なんだから、良かったと思わなきゃ」

オンメ「赤い字で護符を書いて、身に付けるなり飲み込むなりすれば防げるって聞いたけど、私たちも1つずつ持ってる方がいいんじゃないかしら」
チョヒ「そうよ。それにね、朝、鶏が鳴いたときに四神の名前を21回唱えればいいんですって」
チャン氏「君たちは全く!そんな迷信に振り回されちゃ駄目だ。自分自身を信じなきゃ」
オンメ「まぁ…そうでしょうね」

そこへトハがリンと一緒に帰って来る。
ちょうど2階から降りてくるところだったサンホンは、二人の深刻な表情に緊張を募らせた。

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「秘蔵庫の扉は閉じられていました」鍛冶場に移ると、リンは状況をサンホンに報告する。

リン「まるで最初から壁だったように、全く開かなかったのです」
トハ「変です。私たちが行った場所に間違いないのに…」
サンホン「サダムが何か術を使った可能性があります」
リン&トハ「…。」
サンホン「もしかしたら、今後さらに厳しい戦いになるかもしれません」

「何でこう良くないことばかり…疱瘡神まで現れるなんて」サゴンがぼやく。

サンホン「何より先にサダムの行方を探す必要があります。きっと都を出てはいないでしょう。12年探していた大蛇から、そう簡単に離れるはずがありませんから」

「…。」リンとトハが黙って目を合わせた。

#トハちんは何でここで「梅蘭房でサダムを見た」って言わないんだ?
前回、今のサンホンのセリフと同じ「そう簡単に都を離れるはずがない」って言いながらウロウロしてるうちに、ムソクから教えてもらって梅蘭房に来たのに。ストーリーの都合があるにしても、不自然だわー。

+-+-+-+

宮廷入りしたリンが見たのは、街の中と変わらぬ非常事態だった。
疱瘡に倒れた人々が慌ただしく運ばれているのを、リンは茫然と見送る。

彼がまずやって来たのは、大妃殿だ。

「今日はこのままお帰り下さいとのことです」訪ねて来たリンに、イ尚宮が告げる。

リン「御祖母媽媽が心配なのだ。お顔を見ずに帰るわけにはいかない。通してくれ」

戸惑うイ尚宮に構うことなくリンが入ろうとすると、中から大妃の声が聞こえてきた。

大妃(声)「宮廷への出入りは控えなさいと言ったはず」
リン「…。」
大妃(声)「それなのに、何日も経たないうちに訪ねてくるとは。もう帰りなさい」
リン「御祖母媽媽、心配で来たのです。痘瘡が広がっていますので」
大妃(声)「大丈夫。だから、もう帰るのです」
リン「…。」
大妃(声)「この祖母を本当に心配しているのなら、私の言ったことを肝に銘じなさい。いいですね?」
リン「御祖母媽媽!」
大妃(声)「イ尚宮!早く大君をお見送りしなさい」

「…。」頑なに拒絶する大妃の前に、リンはこれ以上為す術もない。
後ろ髪引かれる思いで大妃の部屋を見つめると、彼は仕方なくそこを離れた。

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突然牢に入ってきた武官に両脇を抱えられ、スリョンは外へ連れ出された。
彼女が連れて来られたのは、重罪人を取り調べる尋問場だった。

スリョン「…。」

彼女は尋問椅子に座らされ、手足を縄で縛られる。

スリョン「解いてください。私を誰だと思っているのですか?私は… 私は領相大監の娘なのです。私の父は領相大監なのです!!!」

「そのくらい誰でも知っておろう」不意に静かな声が聞こえてきた。

スリョン「?」

顔を上げたスリョンの目に映ったのは、王だけに許される龍の紋章だ。

スリョン「 殿下!」

ゆっくり振り返ると、キサン君は冷ややかに彼女を見下ろした。「久しぶりだ、スリョン嬢」

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「領相の望むものを手に入れさせて差し上げましょう」サダムの提案を、領相パク・スジョンは思い返していた。
そこへ、派閥の官僚たちが慌ただしくやって来る。

大臣「領相大監、大変なことになりました。こんなところにいらっしゃる場合ではありません」
領相「?」
大臣「殿下がご令嬢を尋問なさっているそうです」
領相「何と!殿下が尋問を?!」

#これも前回、「殿下自ら尋問するって」って聞いて、領相が「何と!」ってビックリしてましたよね。
前回は予定で、これは今現在…ってことだけど、こういうのがあると、観てる方はダレちゃうんだよなぁ。

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容赦無い拷問に、スリョンの白い衣服には真っ赤な血が滲み、彼女の叫び声が尋問場に響き渡る。
苦しむスリョンの姿を、キサン君は壇上で堪能した。

「殿下!」聞こえてきた声に、キサン君は一旦拷問の手を止めさせる。
やって来たのは領相だった。

キサン君「何か用か?余は領相の去就について思案しているところだ。それなのに、こんなところまで来られては…」
領相「それよりもっと重要なことがあります」
キサン君「もっと重要なことが?一体何だ?」
領相「都に痘瘡がはびこっております」

「よく分かっておる」キサン君はつまらなそうに視線を逸らした。

領相「思っているよりも深刻です。屍躯門からひっきり無しに死体が運び出されているのです」
キサン君「患者を収容し、薬を与えて拡大を阻止するつもりだ。領相は自身の安危を案じられよ!」
領相「一国の領相が我が身の安危だけを案じていて宜しいのですか!」
キサン君「!」
領相「痘瘡に使う薬剤は、現在梅蘭房にしかございません。梅蘭房が薬を提供しなければ、民は皆死ぬことになるのです!」

「それは余が!!!」キサン君は思わず立ち上がった。

キサン君「余が指示すること!」
領相「…。」
キサン君「領相は口出し無用だ!」

キサン君はそのまま尋問を投げ出し、その場を去る。
王の後に続き、護衛官や内官、女官たちが一斉に歩き出す中、領相と目を合わせた右相ミン・ジョンソは、無言でほくそ笑んだ。

人がいなくなると、領相は厳しい表情を不意に和らげ、後ろにいる愛娘を振り返った。

領相「…。」
スリョン「お父様…」

娘の痛々しい姿に、領相は唇を震わせる。

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それでも、ここで取り乱すわけにはいかないのだ。
すがるように見つめる娘を残し、彼は立ち去った。

スリョン「お父様…」

止めどなく涙を流しながら、それでもスリョンは真っ直ぐに前を見据えた。

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+-+-+-+

帰宅すると、ムソクはいつものように下男に刀を預け、縁側に腰を下ろした。
家の中で待っていたイナが出てきて、隣で兄の顔を覗き込む。

332

「…。」ぼんやりと庭を眺めると、小さく息をつき、ムソクは自室へと戻って行った。

イナ「…。」

+-+-+-+

「イナ…!」その夜、夢にうなされたムソクは妹の名を呼んだ。

338

イナの背中がどんどん遠ざかっていく。
「イナ!」不安に駆られたムソクが手を伸ばすと、イナはようやく兄を振り返った。

ムソク「イナ…」

いつものイナの穏やかな表情に彼はホッと安堵した。
が、そのときだ。
後ろから不気味な女が現れると、大切な妹に寄り添った。

疱瘡神だ。

ムソク「!!!」

「イナ!!!」ムソクは思わず布団から飛び起きる。

+-+-+-+

イナは夢中で逃げていた。
それでも、疱瘡神は容赦なく彼女の前に立ちふさがる。

イナ「!」

近づいてきた疱瘡神は、イナの顔にかざした。

+-+-+-+

イナはあっさり疱瘡神に捕まり、その仲間へと引き入れられてしまった。
共にサダムの元へやって来ると、赤黒い邪気が彼らを包む。

333

「疱瘡神を…」
「それは月光大君が…」
「月光大君が疱瘡神を…」

風が木々を揺らすと、まるで葉がこすれて音を立てるように囁き声が聞こえる。

#この囁き声、キサン君の声っぽいね。

街の子ども「お母さん、変な声が聞こえるよ」

どこからか聞こえてくる不思議な声に、街中の人が耳をそばだてた。

「疱瘡神を呼んだのは月光大君だ!」

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歩いていたサンホンは、人々の話にふと足を止めた。

町人「全部月光大君の仕業なんだって?」
町人「あぁ、そうさ!疱瘡神を呼ぶために、毎夜祈祷してたらしい」
町人「毎夜?!」
町人「本当だって」
町人「大君ともあろう人が、何てことを!」
町人「君も気をつけろよ」

334

#町人の話に足を止めただけで、なぜいちいちキュンとさせる顔をするのだ

サンホン「…。」

サンホンは空を見上げた。
黒い邪気が縦横無尽に渦巻き、街を駆け巡るのが見える。

「疱瘡神を呼んだのは月光大君だ!」
「兄上の座を奪うためにやったんだ」

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「殿下、今日はお帰りくださいませ」
大妃殿に挨拶にやってきたキサン君は、大妃から面会を断られ、眉をひそめた。

キサン君「何だと?このまま帰れ?余は御祖母媽媽にご挨拶に来たのだ。それなのに、このまま帰れと?」
イ尚宮「大妃媽媽がそのように仰せです」
キサン君「御祖母媽媽まで余を無視なさるのか!皆で余を馬鹿にしているのであろう!」
イ尚宮「そ、そんなことはございません。殿下、どうかお気をお鎮めくださいませ」
キサン君「気を鎮めよ、気を静めよと… もううんざりだ!」
イ尚宮「殿下!」
キサン君「御祖母媽媽も一国の王を無視なさるのですか!御祖母媽媽にご挨拶に来た孫なのです!月光が相手でも同じようにあしらわれるのですか!」

「主上、今日はもうお帰りください」部屋の中から大妃の声が聞こえた。

キサン君「御祖母媽媽!」

キサン君は無理やり扉を開け、中へ入ろうとする。
扉は固く閉ざされ、鍵が掛けられていた。

イ尚宮「殿下!どうか大妃媽媽のご意思にお従いくださいませ!」
キサン君「なぜ開かないのだ!早く開けるのだ!早う!!!」

「今すぐ扉を開けてください!!!」力任せに扉を引っ張るキサン君の耳に、大妃の声が聴こえる。「おやめなさい、主上!」

キサン君「扉を開けてくれと言っているのです!!!」

とうとう扉をつなぎとめていた鍵が外れ、扉が開く。
「!」キサン君は中へ飛び込んだ。
彼の目に入ったのは… 病に臥せっている祖母の姿だった。
生気のないその顔には、赤い斑点がいくつも現れている。

キサン君「御祖母媽媽!」
大妃「イ尚宮、主上を早く外へ」

「御祖母媽媽… 痘瘡ですか?!」目を見開き、キサン君は子どものように呟いた。

大妃「早く外に出るのです、主上」
キサン君「…。」
大妃「早く!」

「大変なことになります。早く外へ!」連れ出そうとするイ尚宮の手を振り払い、キサン君は祖母の枕元にひざまずく。

キサン君「御祖母媽媽!なぜ私におっしゃらなかったのですか!」
大妃「…。」
イ尚宮「殿下に害が及ぶのではないかと、大妃媽媽自ら扉を閉ざされたのです」

「イ尚宮!」大妃がイ尚宮を制する。

イ尚宮「これまで煎薬しか召し上がらずに…」
キサン君「御祖母媽媽!」

「主上、早く外へ」大妃は辛うじてそう言い、苦しそうに咳き込んだ。

大妃「御体を大切になさらなければ」
キサン君「…。」
大妃「外へ…早く出てください」

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「御祖母媽媽が… 御祖母媽媽が…」キサン君は混乱したまま、ふらふらと大殿へ戻ってきた。

キサン君「御祖母媽媽に御医(王の主治医)を送るのだ。御医を送れ、早く!」

「御医を送ってどうするんだよ」キサン君の幻影が顔を覗かせた。

キサン君「!」
偽キサン君「そうしてるうちに、お前にも疱瘡神が来るぞ。それでも御医を呼ぶって?」

キサン君はバツが悪そうに黙りこむ。(←このへんの表情がとってもリアルでいい♪

偽キサン君「お前が痘瘡になったら、一番喜ぶのは誰だろうな?きっと月光大君だ。まさに狙いはそこさ!だからしっかりしろよ」
キサン君「!」
偽「俺には見えるぞ。今、お前の体にくっついてる痘瘡の霊がな」

「ここにも!ここにも!」幻は怯えるキサン君をからかうように騒ぐ。「数えきれないくらいだぞ!」

キサン君「黙れ!!!」

キサン君はただちに人を呼んだ。

キサン君「祈祷をおこなう。斎戒沐浴をし、御祖母媽媽と民の回復を祈るのだ」

※斎戒沐浴=祈りを捧げるために、飲食や行動を慎み、沐浴をして心身を清めること

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リンの屋敷前には多くの人々が詰めかけていた。
何も知らずに外へ出てきたリンは、思いがけない光景に唖然とするばかりだ。
リンの姿を見ると、人々は逃げるようにさっといなくなる。

ソン内官「はぁ、苛々するわ」
リン「皆、なぜこちらを見ていたのだ?」
ソン内官「全く馬鹿げた話ですよ!あの人たち、疱瘡神を…」
リン「?!」
ソン内官「…若様が呼んだって言うんです」

「疱瘡神を?」あまりの見当違いに、リンは思わず苦笑いを浮かべた。「話にならない」

左相(霊)「お気をつけください。都の気運が良くありません」
ランイ「そうだね。今日みたいな日は家でじっとしてなよ。ね?」

優しく見つめる3人衆に小さく笑うと、リンはすぐに表情を引き締める。「心配するな」
出掛けて行くリンの後ろ姿に、ソン内官はヤキモキして足を踏み鳴らした。

ランイ「…。」

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「おじさんも夜警師だったんでしょう?」トハの標的はサゴンにも及んだ。

トハ「それなら、姉について何か知ってるんじゃないですか?そうでしょ?」

「本当に知らないんだ」サゴンはうんざりして顔を上げる。

サゴン「言われた通り記録してただけだから」
トハ「おじさん!」

そこへリンが現れる。
「トハのヤツもずいぶん焦ってるみたいです」場所を移すと、サゴンはそうリンにこぼした。

サゴン「サダムを探しに行くっていうのを、私と兄貴でやっとこさ止めたんですから」

※そのサンホンがトハを一生懸命止めてるところは見せてくれないのか…。

リン「夜警師というのは鬼神を退治する人々だと聞きました。それなのに、なぜサダムや疱瘡神に対処できないのですか?」
サゴン「あぁ、それは… 生き残った夜警師の中で、術を使えるのは兄貴だけなんです。私はただ、日誌やらを書いていた書生でして」
リン「…。」
サゴン「鬼神を消したり封印したり、陣法を使って攻撃するには一人二人じゃ駄目で、たくさんの人が必要なんですが、兄貴一人じゃ全く足りないんですよ」

「…。」リンは小さく頷きながら、じっと考えを巡らせた。

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地下室へ降りてくると、サンホンは出番を待っている夜警師の兜に手を触れた。
ゆっくり部屋の奥へ進む。
そこに鎮座している剣を、彼は掴んだ。

「四寅斬邪剣も作れるのか?」
「それさえあれば、どのような怨霊も、邪悪な気も全て阻むことが出来る…そう聞いた」

四寅斬邪剣。
リンが尋ねた時、「そんな剣はどこにもない」と一笑に付した、その剣だった。

サンホン「…。」

彼は地図を開いた。
痘瘡が発病した地域を時間を追って辿ってみる。

サンホン「1日目、貞善坊で痘瘡が発病。3日目に隣の廣幸坊。5日目には寬仁坊。これが疱瘡神の移動経路だ。それなら今夜は… 」

335

サンホン「…壽進坊!」

彼は立ち上がった。

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サンホンの部屋を訪ねようとリンは2階へ上がってきた。
階段を上がった先にいたのはオンメだ。

オンメ「近頃お体の調子が良くないから、誰も通さないようにとおっしゃいまして…」
リン「…。」

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静まり返った夜の町に、疱瘡神が現れた。
いつものように病を振りまく場所を物色して進む疱瘡神の前に、ふと男が一人、立ちふさがる。

深く被った頭巾の奥で、鋭い目が光った。

336

サンホンだ。

目の合った疱瘡神が体を浮かせたその瞬間、サンホンは腰の袋から護符を抜き取る。
「ヤァ!」襲いかかってきた疱瘡神をかわすと、サンホンは疱瘡神めがけて護符を投げつけた。

すかさず手に持った四寅斬邪剣を抜く。
と、そのとき… 胸の傷に激痛が走った。

サンホン「あっ!」

サンホンの動きが止まったのを見ると、疱瘡神はその隙に逃げ出した。

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「大監!」屋敷の自室で眠っていたリンは、外で誰かが呼ぶ声に目を覚ました。

リン「?」

外で待っていたのはサゴンだ。
隣にトハも一緒だった。

サゴン「四寅斬邪剣が… なくなったんです」
リン「…。」
サゴン「兄貴一人で疱瘡神を退治しに行ったに違いありません。はぁ、あんな体で一人で疱瘡神と戦ったりしたら…」

途方に暮れて天を仰ぐサゴン、そして心配そうに見つめるトハの前で、リンはとても落ち着いていた。

リン「心配なさらないでください。私が… 私がどんな手を使ってでも阻止します」

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リンはトハと共に直ちにサンホンと疱瘡神を探しに出発した。
出没地域を絞って出掛けたサンホンとは違い、彼らには特に当てがない。
サンホンの姿はなかなか見つからなかった。

トハ「一体どこにいらっしゃるの?」
リン「…。」

そのとき… 不意にトハの鈴輪が震えだす。

トハ「!」

#そんな便利な物持ってたの、すっかり忘れてたよ。

トハは鈴輪が導く方向へと歩き出した。

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サンホンの剣を鮮やかにかわし、疱瘡神はむしろ楽しんでいるかのように笑みを見せた。
もう一度剣を構えた瞬間、疱瘡神は煙のように姿を消す。

サンホン「?」

彼女は後ろの建物の二階から、悠々と彼を見下ろすと、背を向けた。

サンホン「!」

逃すものか。
サンホンはさらに後を追う。

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建物の中へと疱瘡神を追い詰めると、彼は剣を喉元へと突きつけた。
疱瘡神が身を翻して正面を向いたとき、サンホンはすかさずその胸に護符を貼りつけた。

疱瘡神「!!!」

+-+-+-+

ずっと呪文を唱え続けていたサダムが突然胸を押さえ、苦しむ。

サダム「あっ!!!」

彼の気は疱瘡神と繋がっているのだ。

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護符に力を奪われた疱瘡神は、サンホンから逃げようと、ふらふらと地を這った。

サンホン「…。」

とうとう追い詰めたのだ。

サンホン「二度と… 二度と人間界に足を踏み入れるな」

今度こそサンホンは四寅斬邪剣を振り上げる。
「!」そのとき、再びサンホンが苦痛に顔を歪めた。

サンホン「!!!」

誰かがサンホンの真後ろで、背中に邪悪な気を送っていた。
イナだ…。

「あっ!」その場に崩れ落ちるサンホンに、イナはそれでもまだ涼しい顔で邪気を送り続けた。
そこへ駆け込んできたのはリンとトハだ。

リン「やめろ!!!」

イナはサンホンから目を上げると、リンたちを見た。

イナ「!」
トハ「イナ?!」

逃げ出すイナに、立ち上がった疱瘡神も続く。
リンはうずくまるサンホンに駆け寄った。

リン「大丈夫ですか?!」
サンホン「大丈夫… 大丈夫です」

サンホンの肩越しに、走って逃げていく疱瘡神の姿が見える。
「少しだけ待っていてください」リンとトハは疱瘡神を追い、駈け出した。

サンホン「大君!大君!!!」

+-+-+-+

疱瘡神を追いかけてきたリンとトハは、途中で急にその姿を見失った。

トハ「消えてしまいました」
リン「…。」
トハ「間違いなくここへ来たのに。ここへ…」

「ここは…」周囲を見渡した二人の視線が止まった。

トハ「ここは…!」

彼らの目の前に黒くそびえる豪華な門。
それは梅蘭房だった。

リン「梅蘭房だ…。なぜ梅蘭房なんだ?」
トハ「梅蘭房にはあの男が… サダムが潜んでいるんです」
リン「!…ということは、サダムが疱瘡神を呼び入れたのか!」

二人は肩を並べ、梅蘭房を見上げた。

337

+-+-+-+

ここで一旦区切ります。

前半の感想。「だからぁー、それ30分前に言おうよ」

疱瘡騒ぎでそれどころじゃないとはいえ、「守るために」と先に捕らえたスリョンは放ったらかしだし、トハちんはやっぱり疱瘡よりお姉ちゃん一筋っぽいし、ただでさえ疫病は見ていて気持ちのいいものじゃないのに、何だかスッキリしませんねぇ。

ただ、サンホンの様子やイナを見るに、もしかしたら剣豪ムソクが四寅斬邪剣を受け継ぐフラグが立ったのかな?と、まぁその辺が今後の楽しみです。

 - 夜警日誌 ,

Comment

  1. LOHAS より:

    毎回、スターの熱演が楽しみです。スリョンの迫力の演技にも痛そう、かわいそう、辛いわねと同情して観てしまいました。

    今回もドハの演技が淡白すぎて、
    サンホンが、ムソク妹霊から、邪気(鬼気)を浴びた後、苦しむところです。
    私は突っ込みを入れてしまいました。
    ドハのあまりにも、深い傷のサンホンを気遣うことすら曖昧に、リンの後を追う姿です。サンホンを覗き込んだなら、もう少し心配したら?と思ってしまいました。
    サンホンの傷には、ドハの心ここにあらずで、リンを追うことしか頭にないシーンです。

    10話でも、無銭のドハが、
    リンは宮廷に戻った後、『旅閣』のチョヒは「ドハが毎日窓の外ばかり眺めてる」と話す。リンが突然訪ねて来ても、常に居る。
    銭稼ぎの仕事はしていない。姉探しもしていない。リンから『お手当て』でも貰ったのかと思ったが、ドハは「私のことは私が… 自分でやります」リンの前を立ち去る。不思議。

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