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トライアングル6話あらすじ&日本語訳vol.2

   

ジェジュン、イ・ボムス、イム・シワン、ペク‥チニ出演「トライアングル」6話の後半に進みます。

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ヤンハがディーラー研修の教官室へやって来た。

ヤンハ「お呼びですか?」

彼に気づくと、主任教官が立ち上がり、気まずそうに答える。

教官「…はい。本社のヒョン室長から連絡があったんです。これまで存じ上げずに失礼いたしました」
ヤンハ「…。」
教官「これまでに無礼や失態がありましたらお許しください」
ヤンハ「そんなものないですよ。僕に対して特別視や特別対応は必要ありません。これまで通りになさってください」
教官「…はい」
ヤンハ「知られたついでに頼みがあるんです」
教官「どうぞ」
ヤンハ「そのうち分かることですが、当分の間は他の生徒たちに僕のことを言わないでください」

「はい」教官は微笑んだ。

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「そうだ」ジョンヒの先輩ヒョンミが思い出して立ち止まった。

ヒョンミ「同期の中にユン・ヤンハっている?」
ジョンヒ「うん。どうして知ってるの?」
ヒョンミ「ちょっと~!その子のことでディーラーの女の子たち、大騒ぎよ」
ジョンヒ「^^;」
ヒョンミ「ねぇ、そんなにイケメンなの?」

「まぁ、一応イケメンね」ジョンヒは近くのソファに腰をおろした。

ヒョンミ「ちょっと、”一応イケメン”って何よ?」
ジョンヒ「別に…そうだってこと」
ヒョンミ「あんたが興味ないんなら、私が指名しちゃおうかな♪」
ジョンヒ「先輩、私のことスイートルームに呼んだの、あの人だよ」
ヒョンミ「え?あの時の…?(驚)ディーラー研修生のくせにスイートルームに?どうなってるの?」
ジョンヒ「あの人、私設カジノの借金も返してくれたの」
ヒョンミ「?」
ジョンヒ「それにね、今度マーケティング室長に赴任した女の人、いるでしょ?」
ヒョンミ「うん。うちのリゾートの大株主の娘だって」
ジョンヒ「その人と友だちみたい」
ヒョンミ「何よそれ。何かあるわね。間違いないわ」

「匂うわ」閉じていた目を開けると、ヒョンミは突然「チーム長!」と立ち上がる。
二人はそばを通りかかったチーム長に頭を下げた。

チーム長「あぁ、どうした?」
ヒョンミ「新入りディーラーのユン・ヤンハっていう人、何かあるんでしょ」
チーム長「あるって何が?何だ?」
ヒョンミ「もぅ!私ピンと来たんですから。教えてくださいよ。ねっ?」

チーム長は周りをうかがうと声を潜めた。

チーム長「会長の息子だ」
ジョンヒ「!!!」
チーム長「はぁ、ディーラーになって何がしたいんだか、あいつのせいで頭が痛いよ」
ジョンヒ「…。」
チーム長「とにかく、お前たちも睨まれるようなマネするなよ」

二人は茫然とチーム長を見送った。

ヒョンミ「ジョンヒ… あんたも聞いたよね。会長の息子だってさ!」
ジョンヒ「…。」
ヒョンミ「ちょっと待って。会長の息子があんたに惚れてるってことは?オ・ジョンヒ、あんたシンデレラになるのよ!」

ヒョンミは勝手に盛り上がって小さな歓声を上げる。

ジョンヒ「惚れてるなんて!」
ヒョンミ「ちょっと!あんたバカ?惚れてないなら、あんたにそこまでちょっかい出したりする?」
ジョンヒ「ホント羨ましいわぁ」
ジョンヒ「…。」

+-+-+-+

シネは緑に囲まれた川沿いの道路を走らせていた。

シネ(電話)「私、休暇に出かけるところなの」

「どこに?」ドンスがデスクで資料を調べながら尋ねた。

シネ「舎北のリゾート」

ドンスの手が止まった。

ドンス「舎北?」
シネ「ドンスさんの故郷に一度行ってみたかったのよ。ドンスさんのトラウマを治療するのに、一度行ってみようと思って」
ドンス「…。」
シネ「時間があればドンスさんも来て」
ドンス「…。」
シネ「来たくない?」
ドンス「あぁ、時間作ってみるよ」

+-+-+-+

「休暇が欲しいんです」ドンスはさっそく隊長に願い出る。

隊長「あぁ、それがいい」
ドンス「…。」
隊長「監査室の件は俺が何とかして収拾つけるから、頭でも冷やして来い」

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舎北の街の中へやって来たシネは、歩道を歩いている青年に目を留めた。
ヨンダルだ。
彼女は軽くクラクションを鳴らし、路肩に車を停める。

ヨンダル「?」

彼は自分を呼び止めた主がシネだと気づくと、あまり歓迎しない様子で彼女が降りてくるのを待った。

シネ「お久しぶりですね」
ヨンダル「どうしてこちらへ?」
シネ「休暇よ」

「あぁ」ヨンダルは気のない返事をして目を逸らす。

シネ「私は会えて嬉しいのに、どうしてそう緊張してるんです?」
ヨンダル「僕みたいなヤツらは、警察を見るととりあえずビビるものなんですよ」
シネ「怖がる必要はないわ」

「そうだ」シネはふと思い出して口を開く。

シネ「ホールダムの上手い人を紹介してくれって言ってたでしょう?今、会いに行くところなんだけど、紹介しましょうか?」
ヨンダル「どうしてそう僕に興味をお持ちなんです?」
シネ「そうね…広域捜査隊で会った時から、なぜか気になったの」
ヨンダル「僕の惨めったらしい過去に同情なさったんですか?」
シネ「同情というより憐憫と言っておこうかしら」

ヨンダルは困ったように微笑んだ。

ヨンダル「僕にそういう気持ちを抱かないでください」

ヨンダルはそのまま彼女の前を立ち去る。
シネはやはり気になって、彼の後ろ姿をしばらく見送った。

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シネの車がホテルの前に到着すると、ヤンハが出迎えた。

シネ「顔色がいいわね」
ヤンハ「ソウルさえ離れれば良くなるんです」
シネ「それは卑怯な心理だってわかってるよね?」
ヤンハ「卑怯でも仕方ありませんよ。とりあえず自分を大事にしなきゃ」
シネ「とにかく嬉しいわ」
ヤンハ「まずは登山にします?」
シネ「そうね」

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ミン社長の前に二人の男が向き合って座っていた。
闘犬賭博から足を洗った男ヒョンタク。そして、ヨンダルだ。

ミン社長「こちらは夫の故郷の後輩。舎北に来て間もないから、ヨンダル、あんたが助けてやって」
ヒョンタク「ペ・ヒョンタクです。よろしく頼みますよ」

ヒョンタクが右手を差し出す。
「まぁ、そうしましょう」ヨンダルはその手を無視し、ソファにもたれかかった。

「これからどうする?」宙ぶらりんになったヒョンタクの右手に目もくれず、ミン社長がヨンダルに尋ねる。

ミン社長「やりたいことがあれば言いなさい。何でも協力するわ」
ヨンダル「とりあえず私設カジノから手に入れようと思ってるんです」
ミン社長「チャンマダムは強敵よ。戦争するつもりなの?」
ヨンダル「いえ。一滴の血も流さずに手に入れる方法がありますから、金を回してくだされば大丈夫です」
ミン社長「いいわ。やってみましょう」

「では」ヨンダルは終始余裕の表情で話し終えると、ミン社長の元を後にした。

ヒョンタク「(笑)若造め。生意気ですねぇ」
ミン社長「生意気なのがあいつの財産よ」

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シネとヤンハは並んで山道を歩いていた。
登山道は緩やかで、若い緑がとても爽やかだ。

「少し休みましょ」シネが声を掛けると、二人はそばに見つけたベンチに腰を下ろした。

シネ「ディーラー研修を受けてるんですって?」
ヤンハ「えぇ」
シネ「わざわざそんなことまでやるの?」
ヤンハ「建前はカジノの基本を一から学ぶってことなんですけど、実は好きな人ができたんです」
シネ「ディーラーなの?」

ヤンハは黙って頷いた。

シネ「誰なのか気になるわ。女性に興味のなかったユン・ヤンハを惑わせた人」

ふっと笑ったヤンハはとても穏やかだった。

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帰宅しようとしたジョンヒは誰かに呼び止められる。
マーケティング部の男性だ。

ジョンヒ「あぁ、ジノ」
ジノ「今帰り?」
ジョンヒ「うん」
ジノ「新しく来た室長が君の身上を調べて報告しろって言うんだ」
ジョンヒ「どうして?」
ジノ「俺だって分かんないよ」
ジョンヒ「…。」

ジョンヒはヤンハの部屋でスジョンと出くわしたことを思い浮かべ、顔を曇らせた。

ジノ「どこまで報告しようか?」
ジョンヒ「任せるよ」
ジノ「昔遊んでたってことも?」
ジョンヒ「それは秘密だよ」

二人は笑顔で別れる。

+-+-+-+

ヨンダルはジャンスたちに指示し、ある男性を高級料理店へ招いた。
背広にハットを被り、足を引きずっているは、会社を経営していながらギャンブルにのめり込んで全てを失い、物乞いをしてはカジノに通うあの男だ。

ジャンス「チョン会長、久し振りに好きなだけ召し上がってください!全部ご馳走しますよ」
チョン会長「金をくれよ」
ジェリー「もちろんですよ!金も差し上げますから、ご心配なく」
ヨンダル「お前ら何してる。早く注文をお聞きしろ」

テーブルに料理が並び、チョン会長はご馳走を貪った。

チョン会長「それで、私になぜこんなことを?」
ヨンダル「会長、カジノでずいぶん金を落とされたでしょう?」
チョン会長「知ってるくせに聞くヤツがあるか」
ヨンダル「僕に秘法を教えてください。バカラで金を得る秘法を」
チョン会長「馬鹿め。それを知ってりゃ物乞いなどやっておるか」
ヨンダル「それでも200億も失えば、秘法くらいは知っておられるんじゃないですか?」

「ない」チョン会長は言い切る。

トライアングル JYJジェジュン

ヨンダル「…。」

「一つだけ」短い沈黙の後、チョン会長が人差し指を突き出した。

チョン会長「あるにはあるんだが」
ヨンダル「…。」

ジャンス「何です?それは」

チョン会長は何も言わず、食事を続けた。

ヨンダル「ジャンス、何してる?」

ヨンダルに言われ、ジャンスはカバンから金を出すとチョン会長に握らせた。

ヨンダル「さぁ、教えてください」

048

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家に帰ると、ジョンヒは今日明らかになった複雑な状況を思い浮かべた。

ヤンハが会長の息子であることがわかり、そのヤンハと親しい大株主の娘が自分のことを調べている。

彼女は立ち上がった。

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カフェで待っていると、仕事帰りのヒョンミがやってくる。
「さっきも会ったのに、どうしてまた?」ヒョンミは彼女の正面に腰を下ろした。

ヒョンミ「この子ったら、シンデレラだと思ったら嬉しくてたまんないんでしょ!」
ジョンヒ「先輩、お金貸して」
ヒョンミ「え?ちょっとぉ~、私お金なんてないよ」
ジョンヒ「貯金してるのがあるでしょ」
ヒョンミ「…。」
ジョンヒ「ホントに申し訳ないんだけど、利子はちゃんとつけるから」
ヒョンミ「会長の息子が全部返してくれたのに、お金、何に使うの?」
ジョンヒ「それは訊かないで。ね?」

ヒョンミは決心して頷いた。

ヒョンミ「分かった。あんたにアピールしとかなきゃいけないから、涙をのんで貯金下ろすよ」
ジョンヒ「ありがとう!ありがとう、先輩」

#うーん。気持ちは分からんでもないけど、この子、感心しないね。とことん感心しない。
そして、この先輩はすんごい可愛い。

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ホテルへ戻ったジョンヒは、ヤンハが現れるのを待ち、声を掛けた。

ヤンハ「帰ったと思ってたのに、どうしたんです?」

「これ」ジョンヒはバッグから封筒を出し、ヤンハに差し出した。

ヤンハ「?」
ジョンヒ「肩代わりしてくださったお金です」
ヤンハ「3ヶ月以内に返すって言いましたよね」
ジョンヒ「3ヶ月の間、ユン・ヤンハさんに気後れしたままでいたくないんです」
ヤンハ「…。」

ヤンハは封筒を受け取った。

ジョンヒ「それとお願いがあるんです。頼むから私に興味持たないでください」
ヤンハ「!」

049
ジョンヒ「私はね、生きていくのに精一杯で、ユン・ヤンハさんのお遊びに付き合う余裕なんかないんです。絶対にディーラーになりたくて、やっとチャンスを手に入れたのに、ユン・ヤンハさんのせいで夢を失いたくありません」
ヤンハ「どうしてそんな風に思うんです?」
ジョンヒ「ユン・ヤンハさんと私、違う世界の人間だってわかってますから」
ヤンハ「…。」
ジョンヒ「ユン・ヤンハさんが悪戯に投げた石ころが、私みたいな人間にはどうしようもない足かせになるんです。だから、どうか私を弄ばないでください」

彼女はそこまで言い切って冷たく背を向けた。

ヤンハ「…。」

+-+-+-+

ジャンスとジェリーはヨンダルを説得していた。

ジャンス「危険だって。ヤバすぎんだろ」
ジェリー「俺も難しいと思うよ、兄貴」
ヨンダル「どうだろうな…。ボロ儲けすんのが簡単なワケねーだろ。とにかくやるしかない」

ジャンスたちは困って顔を見合わせた。

ヨンダル「時間がないから、俺が言ったとおりに準備しとけ」

「分かった。やってみる」ジャンスが頷く。

+-+-+-+

二人と別れると、ヨンダルは間借りしているジョンヒの家へ戻ってきた。
門の前で、ちょうど帰ってきたジョンヒに出くわす。

ヨンダル「あの…」
ジョンヒ「はい」
ヨンダル「浮かない顔してるけど、何かあったんですか?」
ジョンヒ「ちょっと…惨めなことがあって」

「では」先に門を入ったジョンヒに、ヨンダルが続けた。

ヨンダル「あの…」
ジョンヒ「?」
ヨンダル「ちょっと気晴らしに行きませんか?惨めな気分、吹き飛ばしに」

+-+-+-+

ヨンダルはジョンヒをバイクの後ろに乗せ、海岸線を飛ばしていた。
荒々しい波が岩を乗り越え、車道にまで押し寄せる勢いだ。
彼は何も言わず、ただバイクを走らせる。
彼の背中に身をあずけ、ジョンヒの心は少しずつ晴れていった。

+-+-+-+

砂浜にバイクを止めると、二人は並んで海を眺める。

ヨンダル「少しは気が晴れました?」

ジョンヒはニッコリと微笑み、頷く。

ヨンダル「良かった」

波打ち際ギリギリまでジョンヒが近づくと、そこにじっと立っている彼女の背中をヨンダルは見つめた。
大きく口を開けると、ジョンヒは海に向い、ありったけの声で叫ぶ。

ジョンヒ「…。」

+-+-+-+

ヨンダルは何も言わず、ただジョンヒの隣に座って海を眺めた。
彼女の目からスッと涙がこぼれ落ちる。

ヨンダル「どうして泣いてるんです?」
ジョンヒ「分かりません。ただ…涙が勝手に」
ヨンダル「…。」
ジョンヒ「生きるのって、すごく憂鬱で辛いですね」
ヨンダル「…。」
ジョンヒ「ホ・ヨンダルさんは泣きたい時ってなかったんですか?」
ヨンダル「それで泣いてたら、俺は毎日泣きっぱなしですよ」
ジョンヒ「…。」

+-+-+-+

「オ・ジョンヒさんの身上調査結果です」ジノがスジョンに資料を差し出す。
スジョンが受け取ったところへ、会長到着の知らせが届いた。

#この人だけ何でこんな夏の装いなの

スジョンがエントランスへ駆けつけると、すでに他の役員たちが整列していた。
彼女は列に加わり、ホッとして待機する。
ちょうどそこへ、会長を乗せた車が入ってきた。
降りて来たユン会長に、皆が一斉に深く頭を下げる。

スジョン「お元気でいらっしゃいましたか?」
ユン会長「いやぁ、久し振りだなぁ。お父さんはお変りないかね?」
スジョン「はい」

ユン会長の後ろにいたピルサンは、そばにいたディーラー教育主任の女性に目で合図をする。
彼女は面白くなさそうに小さく彼を睨んだ。

+-+-+-+

ホテルの廊下で、ピルサンはディーラー教育主任と一緒だった。

ピルサン「久し振りだな」
女性「私のこと放置しすぎじゃない?」
ピルサン「前はそんなこと言わなかったじゃないか」
女性「電話にも出ないし、酷いわ」
ピルサン「分かったから、やめろ。ヤンハは?」
女性「しっかり研修受けてるわ」
ピルサン「よく見張って、何かあったらすぐ連絡するんだ」
女性「…。」

「じゃあな」ピルサンは女性と反対側に歩き出す。

そこへ誰かが声を掛けた。
ヤンハだ。

ヤンハ「いつ来たんです?」
ピルサン「あぁ、今会長と一緒にな」
ヤンハ「…。」
ピルサン「会長がお前に会いたいそうだ」

「分かりました」ヤンハが憂鬱そうに答えた。

ヤンハ「あ、シネさん、今来てますよ」
ピルサン「なぜ?」
ヤンハ「休暇です。僕が勧めたんですよ」
ピルサン「どこにいる?」
ヤンハ「ヴィラの方に」

+-+-+-+

ユン会長の元へキム常務がやってくる。

キム常務「コ・ボクテ会長がカジノVIPルームに予約を入れているそうです」
ユン会長「会おうと伝えてくれ」
キム常務「はい」

+-+-+-+

シネの滞在するヴィラにドンスが到着した。

シネ「来ないかと思ったのに」
ドンス「お前が俺の故郷に行くって言うから、阻止しなきゃいけないと思ってさ」
シネ「どうして?」
ドンス「わかんない。どういうわけか、お前の前では丸裸でいる気分になるな」
シネ「(笑)どうしよう。もうだいぶ見ちゃったけど」
ドンス「どこを見たんだ?」
シネ「幼いドンスさんが弟たちのために鉄くずを盗み出したような廃坑も見たし、ドンスさんが暮らしていたような古い家も」
ドンス「どうだった?」
シネ「どうしてドンスさんの心の中にいつも暗闇があるのか、少し理解できたような気もしたわ」

#ほんまかい!

二人は中へ入り、そのまま広い庭へ出た。

シネ「そうだ!私、あの人に会ったわ。ホ・ヨンダル」
ドンス「どうして?」
シネ「街中で偶然会ったの」
ドンス「…。」
シネ「ドンスさんとあの人、妙に似てるわ」

ドンスは思わず笑った。

ドンス「あいつとどこが似てるんだよ」
シネ「もちろん、顔はホ・ヨンダルの方が男前よ」
ドンス「…。」
シネ「だけど、目が似てるわ。悲しい目」

ドンスは何も言わず、溜息をついた。

シネ「ホ・ヨンダルの方が男前だって言ったから、気分悪くしたんじゃないよね?」
ドンス「(ゲラゲラ)お前と一緒にするな」

そこへ入ってきたピルサンは、庭から聞こえる笑い声に気づき、立ち止まった。

051
ドンスと笑っている妻は、自分の前では決して見せることのない、実に楽しそうな顔をしていた。

ピルサン「…。」

ピルサンは気を取り直し、庭に出る。
「どうしたんだい?」笑っている妻に、さりげなく声を掛けた。
シネは表情を強ばらせた。

シネ「あなたは?」
ピルサン「僕は会長のお供だ。(ドンスに)お久しぶりです」
ドンス「えぇ」
ピルサン「(シネに)君が休暇中だってヤンハに聞いたんだが、(ドンスをチラリ)一緒に来たのか?」
ドンス「いいえ。僕は他の用事で来ていたんですが、シネがここにいると聞いて少し寄ったんです」

「帰るよ」ドンスが遠慮して声を掛けた。

ピルサン「久し振りにお会いしたんですから、一緒に食事でもしましょう」
ドンス「いいえ、結構です」

「じゃあな」ドンスはシネを残し、その場を後にする。

+-+-+-+

車に乗りこむドンスの顔はひどく苦々しかった。

トライアングル イ・ボムス

+-+-+-+

ドンスの車が去って行くと、ピルサンは妻の横顔に向かって口を開いた。

ピルサン「君、あの人といるときは実に寛いでみえる」
シネ「…。」
ピルサン「彼の前では、君は自然に笑顔を見せていたが… どうして僕は一度も見たことがないんだろうな」

シネが硬い表情で振り返ると、そこで二人の目が合う。
長い沈黙が辺りを包んだ。

+-+-+-+

リゾートのカジノをチャンマダムたちが訪れていた。
顔見知りの客のテーブルを覗いては、後ろから歓声を上げて盛り上げる。
「今日は運がいいわね!」チャンマダムがバカラに勝った客を讃えた。

客「ありがとう」

振り返った客がマダムの後ろにいるキム女史に気づく。

客「どちらさん?」
マダム「あぁ~!あたしと親しいお姉さんなんですよ。キム社長にご紹介したくって」

二人は会釈を交わす。

マダム「うちのお姉さんと仲良くしておけば悪いことはないですよ~」
客「そうだね。一度食事をしましょう」
キム女史「えぇ、社長」

「Go!Go!」マダムたちは景気良くテーブルを離れた。
と、そこへマンガンが何かに気づいて足を止める。

向こうからミン社長とヨンダルが連れ立って歩いてくるのが見えた。

キム女史「!」
マダム「ヨンダルのヤツ、何で魔女と一緒なの?」

ミン社長たちも、3人に気づいて立ち止まる。
ヨンダルの姿を、キム女史はただ悲しげに見つめた。

ミン社長「営業に来たの?」
マダム「何気安く話し掛けてんのさ?」
ミン社長「気安くしないなら、あんたみたいな青二才に敬語で喋れとでも?」
マダム「(イライラ)」
ミン社長「またぶたれたなかったら、おとなしく消えなさい」
マダム「何ですって!」

マダムが振り上げた手を、マンガンが即座に掴んだ。
「離してよ!」マダムが騒いでいる隙に、キム女史がヨンダルの手を引く。

キム女史「ちょっと話があるの」

+-+-+-+

「あんた、何なの?」キム女史はヨンダルを責め立てた。

キム女史「何であの女といるのよ?」
ヨンダル「事業上の関係ですよ。ビジネスパートナーてやつ」
キム女史「そのビジネス、私とじゃダメ?」
ヨンダル「姐さん、惨めったらしくどうしたんです?」
キム女史「…。」

052

大きな目でまっすぐに見つめるキム女史の前で、ヨンダルは背を向けた。

キム女史「ヨンダル!」

+-+-+-+

VIPループのソファに腰を下ろすと、ウェイトレスがコーヒーを運んでくる。
ミン社長が静かに口を開いた。

ミン社長「肝に銘じなさい。コ会長の信頼には、あんたの人生が掛かってるわ」
ヨンダル「…。」
ミン社長「この機会にコ会長の心を確実に掴むのよ」
ヨンダル「はい」

そこへ、コ・ボクテが側近を伴って入ってくると、二人は立ち上がった。

コ・ボクテ「ミン社長、久し振りだな」
ミン会長「あら、会長!お元気でいらっしゃいました?」
コ・ボクテ「まぁ、私は相変わらずだ」

ミン会長の隣で、ヨンダルは黙って頭を下げる。

コ・ボクテ「ミン社長、うちのヨンダルをしっかり面倒みてくれてるんだろうね」
ミン社長「もちろんですわ」

3人は向き合って席についた。
笑顔だったコ・ボクテの目が鋭くなる。

コ・ボクテ「俺の言ったこと、考えてみたか?」
ヨンダル「…。」
コ・ボクテ「チャン・ドンスのことだ」

ヨンダルはほとんど声にならない声で、辛うじて「あぁ」と答えた。

コ・ボクテ「俺はな、あいつを辞職に追い込むつもりでいたんだ。だがな、ヨンダル。お前がごく静かに消してくれればと思ってな」
ヨンダル「…。」
コ・ボクテ「静かに」

ヨンダルは返事に困り、思わずミン社長に助けを求める。
ミン社長が答えを促すうように目で合図をした。
目を閉じ、眉間にしわを寄せるヨンダル。
彼の返事を、コ・ボクテは辛抱強く待った。

ヨンダルは目を開けた。

ヨンダル「はい。やってみます」

「いいだろう」笑うコ・ボクテの前で、ヨンダルの表情は憂鬱だった。
そこへヨンダルの電話が鳴る。

ヨンダル「…。」

しばらく電話を見つめていた彼は、もう一度顔を上げ、コ・ボクテに告げた。

ヨンダル「チャン・ドンスからです」
ドンス「出てみろ」

ヨンダルは頷くと、なるべく自然に応答した。

ヨンダル(電話)「えぇ、班長さん」
ドンス(電話)「どこにいるんだ?」
ヨンダル「カジノです」
ドンス「おっ?俺もカジノにいるんだ。どこにいる?」
ヨンダル「!」

054

+-+-+-+

ここでエンディングです。

うーん。
うーーーん。

シネやドンスはすんなり見ていられるんですが、ヨンダルやジョンヒには「???」だらけです。

助けてもらって喜んでたのに、会長の息子だと分かった途端に怒り出し、海辺で泣いてるジョンヒにもついていけないし、成り上がろうと動き出したと思ったら、次のシーンじゃ急にジョンヒをバイクに乗せて走りだすヨンダルも、とってつけたような別の物を見せられてるみたい。全体的にヨンダルの人格が掴めなくて、なかなかストーリーに入っていけないですね。
悲しそうなキム女史の瞳の方が、よっぽど心にしみたワタクシです^^;

とは言え、そろそろ舎北を舞台にヨンダルとドンスの間でストーリーが本格化しそうで、そこに期待したいです。
ヤンハももっと出してね。

今回も長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。

 - トライアングル ,

Comment

  1. NAMU より:

    私は以前にもコメントを残しましたがほとんどJYJが出ている韓ドラしか観ていないのでユジナさんのたまに入る冷静なコメがとても新鮮で参考になります^^

    韓国記事によると6/3の10話~ヤンハとヨンダルの対立が本格的になりヤンハの出演が増えるそうです(^^)

    ヨンダルことジェジュンはほとんど出ずっぱりなので寝る時間がなく(>_<)撮影の休憩中は倒れ込むように車の中で休息をとるそうです(-"-)
    韓国ドラマの撮影って何でこんなに苛酷でまったく改善されないんでしょうね

    いつも本当にありがとうございます(^O^)

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