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韓国ドラマのあらすじや詳細日本語訳を紹介!セリフを題材にした文法解説も

空から降る一億の星(韓国版)あらすじ&日本語訳 最終話前編

   

ソ・イングク、チョン・ソミン、パク・ソンウン主演、tvN韓国ドラマ【空から降る一億の星】、16話(最終回)前半、詳細なセリフの日本語訳を交えながら、あらすじを紹介していきます。

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境内のベンチに、ジングクとムヨンは並んで腰を下ろした。

ジングク「本当に… 君がやったのか?」

否定もしないまま、ムヨンは前を見つめている。
ジングクは大きく息を漏らした。「一体なぜ… どうして人を」

ムヨン「そんな話をしに来たんじゃないんです」
ジングク「じゃあ何だ?」

ムヨンがゆっくり顔を上げた。「ジンガン…」

ムヨン「今みたいに暮らせますよね?」
ジングク「ジンガン?」
ムヨン「えぇ。今みたいに、これからも」
ジングク「それはどういう…」

そう首を傾げ、ジングクはハッと表情を変える。「今日のこと、ジンガンと関係があるのか?!」

ムヨン「そんなんじゃないですよ」
ジングク「…。」

ムヨンは唐突に立ち上がり、ジングクに向き直る。「感謝します」

ムヨン「それを言いたくて来たんです」
ジングク「何を…俺に感謝してるんだ?」
ムヨン「妹のユンを…守ってくれて」

「君の妹?ユン?」ジングクは狐につままれたような顔でムヨンを見上げる。

ムヨン「…。」
ジングク「チョンユンが?!ジンガンが君の妹?」
ムヨン「…。」
ジングク「いやいや、違うぞ。一体誰が…。ジンガンが君の妹なもんか」
ムヨン「?!」
ジングク「君に妹なんていない。カン・スングの子どもは君1人だけだ。一体誰がそんなことを…」

ムヨンがようやくフッと小さく息をつく。「違ったんだな…」

チャン・セランに衝撃の事実を告げられたあのときのことを、ムヨンは思い返した。
「もしや」と思っていたところを肯定され、疑おうともしなかったのだ。
何てことだ。そのために俺は…
ムヨンは愕然と天を仰いだ。

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「お名前は?」捜査官の質問に、ジンガンは粛々と答えた。「ユ・ジンガンです」
ここは管轄署内の取調室だ。
ジンガンは任意の取り調べに応じていた。

捜査官「住民番号は?」
ジンガン「900407-2810518です」
捜査官「キム・ムヨンさんとはどういうご関係です?」
ジンガン「恋人でした」

そう言って、ジンガンは言い直す。「恋人です」
思いのほか口調が強くなり、捜査官が思わず顔を上げた。「…。」

捜査官「キム・ムヨンがチャン・セランを殺したこと、いつ知りました?」
ジンガン「本当に彼が殺したんですか?」

「じゃあ違うとでも?」捜査官は微かに嘲笑を浮かべる。

ジンガン「はい。違うと思います」

「しっかりしてくださいよ」捜査官は腕を組み、身を乗り出した。

捜査官「ニュースじゃ“容疑者”って言ってるから、まだ容疑者だと思ってるんですか?ここじゃすでに“犯人”なんですよ。身上も公開されてるし」
ジンガン「…。」

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管轄署の前に車を停め、ジングクは考え込んでいた。「…。」
ここへ来る前にソジョンから聞かされたことが、重くのしかかっていたのだ。

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ソジョン「言っておかなきゃいけないことがあるの」
ジングク「何だ?」
ソジョン「ジンガンね、あなたの本当の妹じゃないこと、知ってるわ」
ジングク「え?!」
ソジョン「中学のときから知ってたそうよ」

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ジングク「…。」

ジンガンが出てくるのが見えて、ジングクは車を出て手を上げた。「ジンガン!」

妹「あ、迎えに来なくていいって言ったのに」
兄「辛くなかったか?」
妹「うん。知ってるとおりに答えた」

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ジンガンを助手席に乗せて車を走らせながら、ジングクはじっと思い返していた。

ムヨンと付き合うのを断固反対する自分に、ジンガンは首を縦には振らなかった。
思春期の頃だって、こんなに兄に反抗することはなかったくらいだ。

「お兄ちゃんにそんなふうに言われたら、私どうしたら…?!お兄ちゃんに申し訳なくて何て言ったらいいか!!!私の思春期がどうだったっていうの?お兄ちゃんに申し訳なくて… お兄ちゃんの顔を見るだけで、お兄ちゃんの後ろ姿見るだけで、息も出来ないほど苦しかったのが私の思春期よ!!!」

ジンガンは泣きながらそう訴えた。
あのときは理解できなかったが、今ならその気持ちがよくわかる。
ジンガンがそんな思いを胸に秘めて生きてきたことに、自分はずっと気づかずにいた。

赤信号で車が停まった。
目の前のビルの大型ビジョンに、ニュースが流れている。
セランの家の駐車場を出てくるムヨンの防犯カメラの映像が映し出されていた。

妹「お兄ちゃん」
兄「うん」
妹「みんながそう言うなら、そうなんだろうね」
兄「何がだ?」
妹「キム・ムヨンのこと」
兄「…。」
妹「みんなキム・ムヨンが殺したって言ってるでしょ」
兄「…。」

信号が青に変わる。
ジングクはゆっくりアクセルを踏み込んだ。

ジングクがソジョンから聞かされた話は、ジンガンが実の妹ではないと知っている、ということだけではなかった。

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ソジョン「あのことも知ってるわ。あなたとキム・ムヨンの父親とのこと」
ジングク「ジンガンがカン・スングのことを?」
ソジョン「ごめん。私が話したの」
ジングク「!」
ソジョン「でも、仕方なかったのよ。半分はどこかで聞いて知ってたみたい」

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考えた末、ジングクは途中で路肩に車を停めた。
「?」ジンガンが不思議そうに外を覗く。

兄「ジンガン」
妹「?」
兄「お前の名前は… チョンユンだ。ハン・ジョンユン」
妹「…。」
兄「すまなかった。もっと早く話してやれなくて」
妹「…。」
兄「まずはムヨンを探し出そう。そうしたら全部話してやるから」

「うん」ジンガンは小さく頷いた。

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長い間暗がりの中でうずくまっていたムヨンは、おもむろに起き上がった。
すっかり夜になっていた。

そこは幼少期を過ごしたクムア山の廃屋だ。
改めて見ると、家の中は酷い状態だった。
壁のスイッチを押してみても電気はつかず、台所の蛇口を捻っても水は出ない。

マッチでろうそくに火をつけて明かりをとると、ムヨンは家の中を片付け始めた。
ガラクタを拾い集め、外へ運び出す。
空を見上げると、真っ暗な闇の中に星が無数に輝いている。
虫や鳥の声がどこからか聞こえてきた。

「ジンガンは誰なんです?」ムヨンは、ジングクとの会話を反芻した。

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ムヨン「僕の妹じゃないなら、なんで僕の記憶の中や、家族の絵の中に?」
ジングク「可愛がっていたから。家族より大事にしてたからだ」
ムヨン「僕が?」
ジングク「あぁ。ジンガンの名前はハン・ジョンユン。名前はあったが、4歳になるまで出生届も出ていなかった。両親がカルト教団に嵌っていたから」
ムヨン「…。」
ジングク「君のお母さんを引き入れたのが、ジンガンの両親だ。君のお母さんは夫に黙って家の保証金を持ち出し、お前を連れて家を出た」

「…。」ムヨンは思わず溜息をついた。「それで、父さんは母さんを…」

ジングク「あぁ。それに… ジンガンの両親を殺した」
ムヨン「!!!」
ジングク「ジンガンは君のお父さんが殺したハン・ジョンス、パク・ジョンへの娘だ」
ムヨン「…。」

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ジングクもまた、眠りにつけず、布団の中でムヨンとの会話を思い返していた。

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辛い事実を知ってなお、ムヨンの言葉は力強かった。「ジンガンはこのまま知らずに生きていけますよね?」

ムヨン「約束してください。今みたいに暮らせるって」

ジングクは黙って頷いた。

ムヨン「OK。じゃあこれで」

立ち上がったムヨンの腕を、ジングクは掴んだ。「自首するんだ」

ムヨン「…。」
ジングク「自首しよう。それしか方法はない」

ジングクにぎゅっと掴まれた腕を、ムヨンはチラリと見た。

ムヨン「腹が立ってしかたないんです。何かに翻弄されてるみたいで、我慢できないくらい腹が立つんです」
ジングク「…。」
ムヨン「ちょっと考えてみないと」

ムヨンが背を向けようとすると、ジングクは彼の腕を掴んだ手に力を込めた。「ムヨン…!」

ムヨン「おじさんは悪くありません。ヤン先生も」

そう言って、ムヨンはジングクを抱きしめた。「どうせおじさん、僕には勝てないんだから」

ジングク「…。」
ムヨン「僕に負い目があるから、ちっとも勝てなかったでしょ」
ジングク「…。」
ムヨン「3日だけください。3日経ったら連絡しますから」

半ば諭すように言い、ムヨンは背を向ける。
ジングクはそれ以上彼を引き留めることが出来なかった。

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すっかり片付いた山小屋で、ムヨンは小さな机に向かっていた。
まだ何も書かれていないノートのページをひとしきり見つめると、ムヨンは1行目に記した。

【遺書】

「…。」いざ書いてみると、途端に悲しみが押し寄せる。
手にしたボールペンをぎゅっと握りしめる、手の甲で涙を拭った。

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「ダメだ、ムヨン!!!やめろ!!!」ジングクは夢でうなされてハッと目が覚めた。
不吉な夢だった。
夢の中で、拳銃を持ったムヨンが自分自身の頭に引き金を引いたのだ。

体が冷汗でじっとりと濡れていた。
慌てて部屋を飛び出してみると、リビングのソファでジンガンが静かに彼を見ていた。

妹「…。」
兄「ジンガン。そこで何してるんだ?」
妹「お兄ちゃん、彼になんであんなことしたの?」
兄「え?」
妹「なんで刺したのよ?」

唐突な質問に、ジングクは戸惑うばかりだ。「え?」

妹「彼が憎いんじゃなくて、すまないと思ってたんでしょ?それなら謝らなきゃ。怖いなら許してくれって言わなきゃ。それなのに、刺すなんて」

「そうだな」ジングクは頷いた。「俺が悪かった」
ジンガンも頷き、声を震わせる。「お兄ちゃんが悪かったのよ」

兄「…。」
妹「お兄ちゃん、彼はね、お兄ちゃんが思ってるような人じゃない。私に言ったのよ、生まれ変わりたいって。それなのに、人を殺すわけないわ。私は信じない。彼の口から聞くまでは絶対信じないから」
兄「…。」
妹「私、風邪なんかじゃないの。しばらくすれば治るような、そんなものじゃない。私… 私は彼がいないとダメなの。彼がいないと死んじゃうわ」

「…。」ジングクは妹の隣に腰を下ろし、優しく抱き寄せた。「心配するな。俺が見つけるから」

兄「絶対見つけ出して… 」

その後の言葉は見つからない。「心配するな」

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翌日、ジングクはヤン・ギョンモ博士を訪ねた。
「何としても引き留めるべきでした」ムヨンをそのまま行かせてしまったことを、ジングクは後悔していた。

#それを話せる人がいてよかった。

ヤン博士「父親が殺人犯だと知って、ムヨンが感じた怒りや失望。それがすべて自分への嫌悪に変わるのを目の当たりにしました」
ジングク「!」
ヤン博士「そんなムヨンが殺人を犯したなら、もはや自分自身に耐えられないでしょう」
ジングク「だからこそ絶対に見つけないと」

「見つけます」ジングクは繰り返した。

ヤン博士「はい。ムヨンが行きそうなところ、私ももう一度調べてみます」
ジングク「ありがとうございます、先生」

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チャン・ウサンとチャン・セラン、二人の実子を立て続けに失ったチャン・イルゴン会長が韓国へ降り立った。

記者(テレビ)「長男チャン・ウサン専務に続き、長女チャン・セラン常務まで、実子をすべて失ったチャン・イルゴン会長は、悲痛な表情を隠せないものの、取材陣の質問に一切答えることなく、空港を後にしました」

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ジンガンが家に1人でいるところへ、訪ねてきたのはソジョンだ。
ジンガンの顔を見るなり、ソジョンはまず玄関の暗証番号を変えさせる。「これでやっと安心して眠れるわ」

ソジョン「誕生日とか個人情報に関係のある番号じゃないわよね?」

妙にこだわるソジョンに、ジンガンは首を傾げた。「ソジョンさん… キム・ムヨンのことがあるから?」

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ソジョンが帰った後、ジンガンはソファで考え込んでいた。
思いがけない話をソジョンから聞かされたのだ。

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ソジョン「実はね、キム・ムヨンがここへ来てたの」
ジンガン「ここに?うちの家?」
ソジョン「うん。こっそり二度も。そのうち一度は銃を持っていたわ」
ジンガン「銃?!」

「まぁ」ソジョンは笑顔を見せる。「そんなことはないと思うけど、念のためにね」

ジンガン「もしかして、お兄ちゃんが父親を… 死なせたから?」
ソジョン「…。」
ジンガン「いつのことですか?」
ソジョン「あなたが残業だからって、うちでお兄さんとごはんを食べてくれって連絡くれた日」

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メッセージアプリを開き、ソジョンに送ったそのメールをたどる。
あのとき…
ソジョンにメールを送った後、すぐにムヨンからもメールが届いたのだ。

ムヨン(メール)「今日、残業何時まで?」
ジンガン(メール)「早く終わって10時かな?」

芋づる式に、ムヨンが奇妙な質問をしたのが思い浮かぶ。
警察は4交代制で、ジングクはいつが非番なのか。
なぜそんなことを聞くのか、そのときも不思議に思ったのだ。

ジンガン「…。」

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「ムヨンさんのことで来たのね」ユリは淡々と言った。
面会室のガラス越しに座っているのは、ジンガンだ。
自分の知らないムヨンの姿が見えてくると、ユリの話が聞きたくなったのだ。

ユリ「確かに… 私もニュースで見てショックだったから」
ジンガン「ユリさんは、彼がチャン・セランを殺したと思ってますか?」
ユリ「ジンガンさんは?」
ジンガン「信じられません」
ユリ「私は殺したと思うけど」
ジンガン「!」
ユリ「ムヨンさんって、その気になればなんだってやるわ。決心したらそれ以上のことだって」
ジンガン「…。」
ユリ「でも、人を殺したらキム・ムヨンじゃなくなるんですか?少なくとも、何の理由もなく手を出したりするような人じゃないわ」

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麓の小さな商店で買い物をすると、ムヨンは再び山小屋へ戻ってきた。
テーブルの上にコンロと鍋を置き、買ってきた米を炊く。
生まれ変わるには、暖かい家で暮らさなきゃ… ジンガンがそう言ったのだ。

炊きたてのごはんをお椀によそい、スープとキムチ、海苔を添える。

ムヨン「いただきます」

ジンガンと米を炊いたときには、照れくさくて出なかった言葉だ。
いざ口にしてみると、胸のあたりがふわりと軽くなったように感じられた。

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ここで区切ります。
最終話になり、こんな大変な状況の中でも、このドラマ全体を包んでいる落ち着いた雰囲気はそのままでイイですね。

今回、ムヨンとジングクのシーンがとても良かったです。
「腹が立って仕方ないんです」こんなふうにムヨンがジングクに対して素直に気持ちを漏らすのは、初めてだったので^^

ジンガンがムヨンの妹ではなく、同じく親が新興宗教に嵌った別親の子どもだったのは「やられた」という感じでした。
ムヨンも騙されてましたが、完全に視聴者のミスリードを誘ってましたね^^;

でも、単に山小屋で一緒に育ったというだけなら、これまでの話で辻褄の合わないところが多々出てきます。(例:わかりやすいところで、ソジョンが「ムヨンがあのときの子なら、ジンガンと好き合っちゃダメだ」とジングクに言ったセリフがありましたね)
そこで、“ムヨンの父親がジンガンの両親を殺したから”という別の理由が用意されていて、矛盾が解消されているのが上手いなぁと思いました。

 - 空から降る一億の星