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空から降る一億の星(韓国版)あらすじ&日本語訳 12話前編

   

ソ・イングク、チョン・ソミン、パク・ソンウン主演、tvN韓国ドラマ【空から降る一億の星】、12話の前半、詳細なセリフの日本語訳を交えながら、あらすじを紹介していきます。

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ワインの栓抜きを買いに出かけたムヨンは、なかなか戻ってこなかった。
近くでサイレンの音が聞こえる。
ジンガンはいよいよ不安になり、ムヨンの電話を鳴らした。

鳴ったのは、ベッド脇に置き忘れた彼の携帯電話だ。

ジンガン「!」

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ウォニョンマートの店主は「ワインの栓抜きはないと言ったら、すぐ出て行った」、コンビニエンスストアの店員は「50分ほど前に帰った」と、訊きに来たジンガンに告げた。

ジンガン「…。」

コンビニエンスストアの前で、ムヨンの足取りはぷつりと途絶えてしまったのだ。

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診療所に鍵を掛け、帰宅しようとしたヤン・ギョンモ博士は、門を入ったところに男性がうずくまっているのに気づいた。
酔っ払いだろうか?
「あの…」ヤン博士は警戒しながら声を掛ける。

男性の腹部に、赤い血が滲んでいた。「!」

ヤン博士「大丈夫ですか?!」

倒れ込んできた男性を抱き起こして、ヤン博士はハッとする。「…ムヨン?」

ムヨン「お久しぶりです…」
ヤン博士「ムヨン、しっかりするんだ!」

ヤン博士は急いで119番に電話を掛けた。「119番ですね?」
と、電話を握るその手をムヨンが払い除けたのだ。

ヤン博士「ムヨン?」

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ジンガンは管轄の派出所を訪れていた。

警察官「ひとまず家でお待ちになったほうがよろしいかと。今夜入った通報に、キム・ムヨンという名前はありません」
ジンガン「でも、ウォニョン1洞の方からサイレンの音が聞こえたんです」

「あぁ、それ」別の警察官が立ち上がった。「さっき酔っ払いがタクシーの運転手に暴行しましてね」

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ジングクは歩いて帰宅し、血に染まった手をきれいに洗うと、そのまま辞職届をよどみなく記した。
心は不思議なほど落ち着いていた。

ジングク「…。」

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119番通報を拒否したムヨンを診療所へ連れ帰り、ヤン博士は手当を施していた。
容態は落ち着いたようだ。

#ヤン博士が治療したの?お腹刺されたのに?血を吐くほどだったのに?凄くない?!

右肩と腕に火傷の痕が連なっている。
ヤン博士は彼と会った昔のことを思い起こした。

ヤン博士「…。」

それは釣りに訪れていた湖の畔だった。
博士の視線は、半袖姿だったムヨン少年の火傷の痕に釘付けになったのだ。「君…!」

脱がせたムヨンの服を片付けようとして、何かがパタッと床に落ちた。
財布だ。

開いてみると、そこに一枚の写真が差し込んである。

ヤン博士「!」

#ここでヤン博士の反応が「!」だったかどうかは不明なのですが、「ドーン」という効果音が入っていたので、そう書きました(笑)

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突然ジングクが出した辞職届に、イ班長は思わず笑った。「何だよ、朝から。縁起でもない」

ジングク「昨日ウォニョン交差点であった事件、俺がやった」
イ班長「ウォニョン交差点の事件?それ、犯人捕まったろ?」
ファン捜査官「えぇ、現場ですぐ連行したって聞きましたよ」
捜査官「なんでみんなタクシー運転手に横柄なんですかね」
ジングク「別件だ。ウォニョン警交差点の横断歩道、9時半」
イ班長「?」
ジングク「ナイフで人を刺した」

「!」一瞬で場の空気が凍りついた。

イ班長「昨日の通報を確認しろ」
捜査官「ありませんよ。さっき確認しましたけど、特に何も」
ジングク「…。」

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「ナイフで刺した?!」チョロンから話を聞いて、ソジョンは目を丸くした。

チョロン「はい。一体どうなってるのか…!ジェミン先輩が調べたんですけど、一切通報は入ってないらしくて」
ソジョン「ユ課長はどこ?」
チョロン「わかりません。部屋にはいらっしゃいませんけど。どういうことか僕が調べてみましょうか」
ソジョン「いいの、まずはユ課長の話を聞いてみるわ」

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ジングクはまるで記憶でも失ったようにベンチでぼんやりしていた。
そこへ駆けてきたのがソジョンだ。「一体どういうこと?」

ソジョン「人を刺したって本当なの?」
ジングク「あぁ… ナイフで刺した。あいつを」
ソジョン「ユ課長!!!」
ジングク「…。」
ソジョン「正気?あなた警察官なのよ。それなのに…!どうしてそんなことを?」

「これしか方法がなかった」ジングクがポツリと言う。

ソジョン「方法がないって… 一体どうしたのよ?そんなの方法でもなんでもないわ」

ソジョンは頭を抱えた。「正気じゃないって自分でわかってる?」

ジングク「…。」

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不安に苛まれながら仕事をしていたものの、ジンガンはやはり早退を申し出た。

会社を出て向かったのは、ムヨンの職場だ。
ムヨンは連絡もなしに無断欠勤していた。

いよいよ何かあったに違いない。
ジンガンはソジョンに電話を掛けた。「キム・ムヨンがいなくなったんです」

「キム・ムヨンが?」ソジョンの視線が、ギクリとPCモニターへ向かう。
ちょうど昨夜のウォニョン交差点の防犯カメラ映像を調べていたところだ。
横断歩道の前にうずくまっている男性の姿が見える。

ジンガン(電話)「昨日の夜、急にいなくなって。どうしたらいいのか…」

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ムヨンの自宅へ戻ってみるものの、そこに彼の姿はなかった。

『どうしたの?連絡して』置いていった彼女のメモ書きが、そのままテーブルの上に残されている。

#ごちそうがキレイに片付けられてるのが気になる…。

「事件があったって話は聞いてないわ」ソジョンは電話の向こうでそう言った。
自分が調べてみるから、心配しないで待っていなさいと。

手がかりはない。
ジンガンには待つ以外に出来ることがなくなった。

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ムヨンはベッドの上で目を覚ました。
「気がついたか」そばで本を開いていたヤン博士が声を掛ける。

ムヨン「…はい」
ヤン博士「人を驚かせるにも程がある」
ムヨン「何時ですか?」
ヤン博士「10時。昨日は一体何があったんだ?」
ムヨン「夜ですか?」

ヤン博士が頷いたのを見て、ムヨンは困ったように溜息をついた。「10時か…」

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携帯が鳴る音に、ジンガンはふと目を開けた。
ムヨンの家のソファでうたた寝していたのだ。
画面に表示されているのは、知らない番号だった。「もしもし?」

「…俺だ」聞こえてきた声に、ジンガンがハッと息を漏らす。「!」
ムヨンだった。

ムヨン(電話)「もしもし?」

「何なの?あんた」ジンガンは涙を堪え、声を震わせた。

ムヨン(電話)「ごめん。心配したろ」
ジンガン「…。」
ムヨン「友だちの家なんだ。すごく久しぶりに会って」
ジンガン「友だちの家?!そんなの信じろって?あんた、栓抜き買うのに携帯も置いて行ったのよ」
ムヨン「おかしいのはわかってる。でも、ホントに何でもないんだ。後で全部説明するから」
ジンガン「今言って。何があったのよ?…どこか怪我したの?」
ムヨン「そんなんじゃないって。お前が心配すると思って電話したんだ。怪我とかじゃないから」
ジンガン「どうしちゃったの?何なのよ、ホントに!」
ムヨン「辛いのはわかる。でも、何でもないんだ。ホントに久しぶりに会ったから、名残惜しくて」
ジンガン「こんなの辛すぎるよ」
ムヨン「…。」

「辛すぎる」そう繰り返し、ジンガンはそのまま電話を切った。
安堵と悲しみと怒りで、涙がとめどなく溢れた。

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部屋の扉の前でムヨンが電話を終えるのを待つと、ヤン博士は今来たように部屋へ入った。
ちょうどムヨンが立ち上がろうとしている。「洗濯した服がまだ乾いてない。横になれ」

ヤン博士「人を縫ったのは20年ぶりだ。むやみに動けば縫い目が裂けるぞ」

「…。」ムヨンは諦めてベッドへ戻った。

ヤン博士「うちへ来た以上、許可するまでいなさい。イヤなら今すぐにでも救急車を呼ぶしかない。君が刑事事件に関わっているのは知っているよ。それさえなければ、君が止めても病院に連れて行くところだったんだ」
ムヨン「…。」
ヤン博士「ナイフの刺し傷だったが…どうしたんだ?ひょっとして、その事件と関係があるのかい?ユリと君の… 例の事件だ」
ムヨン「そんなんじゃありません」
ヤン博士「それなら?」
ムヨン「そういうの言いたくないから、ここへ来たんだけど」
ヤン博士「…。」
ムヨン「どうして知ってるんです?事件のこと」
ヤン博士「ユリの面会に行って、担当刑事に偶然会った。一体どこで知り合ったんだ?」
ムヨン「まぁ後になってみれば先生のお陰ですね」
ヤン博士「?」
ムヨン「担当刑事って?」
ヤン博士「ユ・ジングク刑事」

「あぁ」そう言って、ムヨンは苦々しく微笑む。

ヤン博士「あの人がどうかしたのかい?」
ムヨン「まぁちょっと… 面白かったから」
ヤン博士「ひょっとして、個人的な知り合いなのか?」
ムヨン「ちょっと。おじさんと僕、何ていうか… 敵でもないし友だちでもない、そんな仲かな」

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ジンガンが帰宅すると、食卓に兄が静かに座っていた。

ジンガン「…帰ってたの?」

「連絡あったか?」何もない宙を見つめたまま、ジングクが言う。「ヤツから」

妹「お兄ちゃん、何か知ってるの?」
兄「座れ」

恐る恐るジンガンが向かい側に腰を下ろしても、ジングクはまだ一点を見つめていた。

妹「何か知ってるのね」
兄「…。」
妹「電話はあったんだけど、何があったのか言わないの」

「俺が… 」ようやく彼は妹とゆっくり目を合わせた。「ナイフで刺した」

妹「え?」
兄「刺したんだ。俺が」
妹「お兄ちゃん!!!」
兄「後悔はしない。それしか方法がなかったんだから」
妹「どうかしてるわ!人を刺すなんて!」
兄「それ以上のことだって出来る。だからもう… あいつには会うな」

「…どうかしてるわ」ジンガンは立ち上がった。

兄「俺にとってはお前が第一なんだ」
妹「私のためだなんて言わないで!お兄ちゃんみたいな人たちに傷ついてきたのよ。我が子が大事で、他人の子はどうなってもいい… そんな人たちのせいで傷ついてきたんだから!」
兄「…。」
妹「お兄ちゃんだって知ってるでしょ。お兄ちゃんが傷つけてどうするのよ!私のお兄ちゃんなのに!私のお兄ちゃんなのに、そんなことしちゃダメじゃない!!!」

「か弱い人なの」ジンガンは兄の脚にすがりついて泣いた。「私よりもっと辛い生い立ちなのよ」

兄「…。」
妹「お兄ちゃんがそんなことしなくても、たくさん傷を負った人なの」

「寝ろ」兄は氷のような表情を崩すことなく、妹を残して部屋へ戻った。

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ジングクはソジョンに呼び出され、屋台へやって来た。
来なければ家まで押しかけると、メールで脅されたのだ。

「昼、ジンガンから電話があったわ」ジングクに酒を注ぎ、ソジョンが口を開く。

ソジョン「どうしても言えなくて、知らないふりするのにシドロモドロになった」
ジングク「…。」
ソジョン「彼がどうなったのか、調べてはみたわけ?」

ジングクは黙って酒を口に運ぶ。

ソジョン「タクシーに乗ってったわ」
ジングク「!」
ソジョン「何?一応気にはなってるの?心配?」

「いや」ジングクは首を横に振る。「そんなわけないだろ。俺がやったのに」
「いつからそんなキツイ人間に…」呆れて溜息をつき、ソジョンはグラスの焼酎をグイと飲み干した。「管制センターへ行って、防犯カメラの映像を見たの」

ソジョン「知らずに見ていれば、刺されたも何も…酒に酔って道端にノビてるようにも見える。しばらくしてからタクシーに乗ってったけど、どこへ行ったのか、そこまでは確かめてない。確認しようか?」
ジングク「ジンガンに連絡があったそうだ」
ソジョン「何て?」
ジングク「訊かなかった。連絡があったと聞いただけだ」
ソジョン「まさかジンガンに言ってないわよね?」
ジングク「…。」
ソジョン「言ったの?ナイフで刺したって?!」
ジングク「…あぁ」

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ジンガンはもう一度ムヨンからの電話を思い出していた。

怪我なんてしていない。そんなんじゃないから心配するな。
彼は軽い口調でそう言った。

それなのに、兄が彼を刺したと言い出したのだ。

ムヨンが本当の事情を彼女に話さなかった理由は明らかだった。

ジンガン「…。」

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ヤン博士は、ムヨンの財布に入っている写真をじっと見つめていた。

ヤン博士「…。」

敵でもないし友だちでもない、そうムヨンが語ったユ・ジングクは、なぜかムヨンがヘサンで育ったことも知っていた。

写真の中にいるユ・ジングクがいるのは、ミョンソン大学ヘサン病院の前だ。
そして、その写真をなぜムヨンが持っているのか…。
「ユ・ジングク…?」ヤン博士は、古い記憶の中にその名前を探った。

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悶々とした末に、ジンガンは電話を手に取った。
さっきムヨンが電話してきた番号に、掛け直してみる。

ヤン博士の携帯が鳴った。「もしもし」

ジンガン(電話)「こんばんは。あの… 夜分申し訳ありません。さっきこちらの番号から電話があったんですが、ひょっとして…」
ヤン博士(電話)「あぁ、ムヨンですね」
ジンガン「はい」
ヤン博士「今、眠っていまして」

「あぁ、そこは病院なんですか?」ジンガンは幾分ホッとして尋ねた。

ヤン博士「一般的な病院ではありませんが、私は一応医者です」
ジンガン「そうですか。私、友人のユ・ジンガンと申しますが、大怪我をしたと聞いて… 大丈夫なのか気になって」
ヤン博士「えぇ、怪我はしていますが、危険な状態ではありません。傷が治るまで経過をみないといけませんが、そんなに心配するほどではありませんので、安心なさってください」
ジンガン「はい、ありがとうございます!」
ヤン博士「明日の朝ムヨンが起きたら、電話するよう言いますよ。さっきお名前をユ・ジン…」
ジンガン「いえ、いいんです!すみませんが、私から電話があったことは言わないでいただけると…」
ヤン博士「えぇ、そうしましょう」
ジンガン「ありがとうございます」

ジンガンは電話を切り、目の前でじっと手を合わせた。「…。」

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たった今電話のあった『ユ・ジンガン』を連絡先に登録し、ヤン博士はふと首を傾げた。「ユ・ジングク?」

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「考えてみたの」ソジョンが切り出した。「二つに一つ。どちらか決めなさい」

ジングク「何を?」
ソジョン「言ってたわよね。彼に会って以来、何かにだんだん追い詰められているみたいだって」
ジングク「…。」
ソジョン「そのとおりだわ。彼が現れてから、あなたおかしくなった。この調子じゃ何か起きるかもってビクビクしてたけど、結局本当に起きたのよ。刑事が人を刺すなんてことが!」

「…。」ジングクは眉間にシワを寄せたまま、酒を注ぎ足した。

ソジョン「これ以上良からぬことが起きる前に、ユ課長の探してる子がキム・ムヨンなのかどうか確かめる、出来ないなら忘れる。どちらか決めなさい」
ジングク「…出来るわけない」

ソジョンはバッグから本を一冊取り出した。
ヤン・ギョンモ博士の代表作、『トラウマと共に』だ。

ソジョン「キム・ムヨンは2章に出てる子なのよね?2章、どんなタイトルだと思う? “記憶を失くした少年”よ」
ジングク「記憶を失くした少年?」
ソジョン「そう。キム・ムヨンは幼い頃の記憶がないってこと」
ジングク「!」
ソジョン「あなた、いつからかキム・ムヨンが自分の探してる子だって信じてるわよね。だけど、実際に確認できたことは何一つない。全ては状況のみよ」
ジングク「…。」
ソジョン「それに、キム・ムヨンがその子だったとしても、何も覚えてないっていうじゃない。あなたさえ忘れれば、乗り越えられるわ。ジンガンだってこれ以上彼とつき合うことは出来ないはず。それでいいじゃないの」
ジングク「…。」
ソジョン「あなたさえ忘れれば、それでいい」

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ムヨンはまどろみの中で、また夢にうなされていた。
兄弟とおもちゃで遊んでいるうちに、ひとりぼっちで誰かを探している場面に移り変わっている。
ふと前を見ると… ジンガンが悲しげに自分を見つめていた。

『こんなの辛すぎる』

彼女の震える声が頭の中に響いた。

クラクションを鳴らし、目の前を大きなトラックが通り過ぎる。
振り返るとそこにミョンソン大学ヘサン病院の看板が見えて、誰かがムヨン少年に呼びかけた。

『坊や』

白衣姿の男性だ。
医師だろうか。
メガネを掛けたその男性は、太陽の光と重なり、眩しくぼやけている。

「ムヨン?」

間近で彼を呼ぶ声に、ムヨンは夢から引き戻された。「!」
ヤン博士が心配そうに彼を見下ろしていた。「ずいぶんうなされていたね」

ムヨン「…。」
ヤン博士「服はそこに置いてある。1時間後にまた来るから」
ムヨン「先生」
ヤン博士「?」
ムヨン「ヘサン病院に知り合いはいませんか?」
ヤン博士「へ、ヘサン病院?」
ムヨン「はい。ミョンソン大学ヘサン病院です。先生もミョンソン大学だから、ヘサンに知り合いの先生がいないかと思って」
ヤン博士「調べてみればいるだろう。なぜだい?」
ムヨン「僕、そこにいたような気がして」

「そうか?」ヤン博士は探るような目で、それでも柔らかい口調を崩さずに尋ねる。「何か思い出したのかい?」

ムヨン「わかりません。病院の前で誰かに呼び留められた気がするんだけど…」
ヤン博士「調べてみよう。ヘサン病院に同期がいるかどうか」

「…。」ヤン博士はムヨンに背を向けると、ひそかに顔をこわばらせた。

#難しい…。映像を見ていると、ヤン博士が動揺しつつ平静を装っているのが視聴者には感じ取れるんだけど、訳の中にそれをどれだけ書いてしまっていいのかどうか。こういうのが一番難しいです^^;

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戸惑う同僚たちが見守る中、ジングクは淡々とデスクの荷物をまとめた。
「本当に… 辞めるんですか」尋ねるチョロンに、ジングクは黙って微笑む。

#いい相棒だったのに、すでにすごく遠くに感じるね、チョロンㅠㅠ

そこへやって来た班長は、話があると彼を呼び出した。

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誰もいない会議室で2人になると、イ班長はジングクを見て溜息をついた。「やれやれ」

イ班長「あのときと何一つ変わらないな。いくら調べたってそんな事件ないっていうじゃないか!」
ジングク「…。」
イ班長「いいさ、あんたの言う通り、本当に刺したとしよう。それで良心が咎めて辞めたくなったとしよう。あんたはそれでいいとして、俺たちは?ただでさえチョン・ミヨン事件で懲戒だの何だの危うい状況なのに、どういうつもりなんだ?!」

悔しそうに顔を歪ませるイ班長を前に、ジングクはただぎゅっと口をつぐんだ。

イ班長「昔の出来事を考えたら、あんたは俺にものすごく負い目があるはずだ」

ジングクは頷き、素直に口を開く。「すまなかった」
「すまないと思うなら!!!」素直に謝るジングクに、イ班長はむしろ苛立ちを募らせる。

イ班長「つべこべ言ってないで、おとなしくしてろよ」

「俺が…」イ班長はポケットからジングクの辞職届を出し、怒りに任せて引き裂いた。「好きで引き留めてると思うか?」

イ班長「辞めるんなら、よそへ移ってから辞めろってんだ!!!後ろ足で砂をかけるような真似しやがって!!!」

イ班長はツカツカと出口へ向かい、部屋を出た。

ジングク「…。」

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ここで区切ります。

イ班長がただジングクを嫌っているとか、バカにしているとか、そんなことじゃないのがよくわかりますね。本当はジングクの能力をよくわかっているからこそ、彼の不可解な行動に腹が立って仕方がない、やり切れない、そんな苛立ちが伝わってきます。

 - 空から降る一億の星

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