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マンホール-不思議の国のピル4話あらすじ&日本語訳vol.1

   

ジェジュン(JYJ)、ユイ、チョン・ヘソン、バロ(B1A4)出演のKBSドラマ『マンホール 不思議の国のピル』4話のネタバレを、セリフの日本語訳やちょっとした感想も混じえながら紹介していきますね。

過去の世界で教会男との決闘に勝ったために、現在に戻ってみたら、町を破滅に追い込んだほどのヤクザ者に変わってしまっていたピル。
警察の追っ手を逃れ、危ういところでふたたびマンホールに吸い込まれることに成功したのですが…

さっそくGo~♪

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マンホールでふたたび過去へ飛んだピルは、ビーチで目を覚ました。

『2011年8月17日 12時03分
大学へも行けなかったピルの、彷徨える青春22回めの夏』

周囲を見ると、だんだんと記憶がよみがえった。「ここがどこかは知ってる」

ピル「覚えているけど、何でここに来たんだ?高校んときの教会に戻らなきゃいけないのに」

と、ピルは激しい吐き気を催した。

「こいつめ!」男の声がする。「ピル、どうしたんだ?」
「起床だ」男はピルの座っている椅子を雑に蹴った。

ピル「叔父さん、俺、間違えて来たんだ」

男…ピルの叔父は不思議そうに彼を見下ろす。「ん?」

ピル「もともとここへ来るはずじゃなくて…」
叔父「やれやれ、だらしのないヤツめ。仕事を手伝いに来たんじゃないのか?昼間っからグデングデンになりやがって。蟻のケツの穴ほども根気がないとお前の親父が言ってたが、ホントだったんだな」
ピル「叔父さん、そうじゃなくて」
叔父「何がだよ、こいつ!お前の親父から特命を受けた。お前の”人間改造”だ。今日からは容赦せんぞ。軍隊式でやるからな」

「起きろ!起床!」叔父の厳しい声が飛んだ。
ピルは勢いをつけて何とか立ち上がる。「頭が痛え」

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しばらくして…
ピルは二日酔いに痛む頭を抑えながら、再び転がっていた。

失敗だ!
ここで何をどうしろって?
こんなところじゃ何も解決しな…

と?
若い女が笑顔で彼を覗き込んだ。「?」

美女「オッパ、目が覚めた?」
ピル(心の声)「誰だ?お前」
美女「まだ寝てるの?思ったよりお酒弱いのね」
ピル(心の声)「ん?見覚えがあるぞ」
美女「もう少し寝てなきゃダメっぽいね」
ピル「…。」

朦朧としているピルを見て、女は去り際に再び笑った。「可愛い」
あまりのダルさに何も出来ず、ピルはまた椅子に沈んだ。”仇は酒だ…”

4話『愛は熱く!』

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「♪Rolly Polly Rolly Rolly Polly ~♪」車の中は大盛り上がりだ。
まばたきもせず、じっとハンドルを握っていたチンスクが、とうとうキレた。「ちょっと!!!」

チンスク「運転に集中できないわよ!」

ようやく歌が止んだ。

クギル「(タルスにくっついているチョンエに)空いてるんだから、こっち来いよ」
チョンエ「空間あけておきましょ」
タルス「その空間、俺にくれないか?暑いんだ」
チョンエ「チンスク、エアコンつけて。タルスさん暑いって」
チンスク「つけてるわよ」
スジン「車内が吹雪になってもタルスさんはきっと暑いわ。そんな熱いものが抱きついてるのに、焼死しないのが幸いよ」

「チンスク、いつ着くんだ?」後ろの荷台で小さくなっているソクテが口を開いた。

チンスク「…聞かないで」
タルス「(ソクテに)死んだと思って寝てろよ」
ソクテ「暑くて寝られないんだ。前に水ない?水ください」

助手席のスジンからリレーで後ろまでペットボトルが渡る。

ソクテ「チンスク、悪いけど凸凹を通る時はゆっくり行ってくれないか。おしりが痛いんだ」
チンスク「…。」
クギル「チンスク、何で同じBGMばかりかかるんだ?ビリヤード場じゃあるまいし。他のにしろよ」
チンスク「…。」
チョンエ「チンスク、暑いよ。エアコン強くして」
チンスク「…。」
声「窓開けろよ」「チンスク」「歌が…」

チンスクは発狂して思い切りハンドルを切った。

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休憩所の前に車を停め、皆は整列してチンスクから説教を受けるハメになった。

チンスク「私だって貴重な時間を割いてバカンスに行くの。それなのに、これってバカンス?ねぇ!」
皆「…。」
チンスク「車を借りるのも私!朝から準備したのも私!運転も私!図体一つ乗っけて行くだけのヤツらがゴチャゴチャ言ってんじゃないわよ!自分たちで運転しな!」
皆「…。」
チンスク「ご飯食べてクソしてキッカリ20分後に集合。遅れたら置いていくから。OK?」

「解散」皆はさっと散った。

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あいかわらずピルは浜辺でノビていた。
「ダメ… ダメだ… 全部燃えてる!」夢にうなされてガバッと起き上がった瞬間、叔父が思い切りバケツの水をぶっかけた。

叔父「そんなら火を消さないと!」
ピル「わぁっ!」
叔父「こいつ、店をまかせておいたら眠りこけやがって!暑くてたまらねぇのに、何が燃えるってんだ?一緒に飲んだとき何て言った?先にツマミを食っておけば、次の日楽だって言ったろうが!」

「火?」ピルの中で記憶が蘇った。「そうだ、火だ!あぁ、大変だ!」

叔父「こいつめ、正気じゃねぇな。酒の代わりにシンナーでもやったか?」
ピル「大変なんです、叔父さん!」

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休憩所にいるチンスクに、スジンが飲み物を持ってきた。「マートで一番高いものよ」

スジン「運ちゃんのために特別サービス♪」
チンスク「チッ、礼儀を知ってるヤツが一人いたのね」

「ねぇ、笑って」スジンはチンスクに顔を寄せ、カメラのレンズをこちらに向ける。
シャッターを押す瞬間、チンスクはまだ拗ねたまま口角を上げた。

スジン「何でみんなを呼んだのかな?ピルは」
チンスク「何でって、みんな呼べばあんたも来るからでしょ。あんただけ呼ばれたら行く?あたしたちはただの付き添い」
スジン「でも、ファミリー団結大会やろうって言ってたわ。叔父さんがあの辺で顔が利くからって」
チンスク「わぁー、周到ね。あんた知らないのよ。ポン・ピルの邪悪で執拗な一面を」
スジン「どういうこと?」
チンスク「…まぁね」
スジン「何のことよ?」

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休憩所を出て出発しようとしていたチンスクたちの車の前に、一台のオープンカーが停まった。
ヒョイと手を上げたのは… 教会男!

教会男「みんなどこ行くんだ?」
スジンたち「!!!」
教会男「スジン、久しぶり」
タルス「(クギルに)教会のヤツじゃ?」
クギル「あぁ、そうだ」

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走る車の中で、スジンは憂鬱そうに黙り込んでいた。

クギル「”丸太で仇に会う”って言うが…。あいつら時間さえあれば半殺しにしてやるのにな」

※正しくは”丸太橋で仇に会う”

タルス「言うだけでいいなら、俺は世界征服だってやるぞ、ナポレオンみたいにな」
チョンエ「あぁ!離婚した旦那に偶然会ったら、こんな感じなのかな?(タルスに)私、賢いでしょ」
チンスク「(スジンの辛そうな表情をチラリと見て)チョンエ、あんた!いつかそのお喋りのせいで痛い目に遭うわよ。体以外なんの取り柄もないんだから!」
チョンエ「言っちゃ悪かったかな…?」
スジン「いいのよ、私に男を見る目がなかったんだから。(溜息)バツの悪い記憶が蘇るわ…」
チンスク「(スジンに)サングラスかけときな。顔が真っ赤よ」
クギル「なぁ、あっちは3人。こっちは男3人。一発やってやるか?」
タルス「戻れないのをわかってて、そんなこと言うもんじゃない」
クギル「そうか、ソクテがいるんだ。(後ろを指差し)こいつはアテにならない。マイナスだ」

「わぁ!」運転席でチンスクが叫んだ。「海だ~!」

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そうだ…。
あの夏、スジンが遊びに来てた。
それが…

「ダメだ!」ピルは立ち上がった。「ここは危ない、ダメだ!」
スジンに連絡しようとして、電話を取り出すと充電切れ。
叔父さんの電話を借りると、番号が思い出せない。
充電器を使いに、彼は海の家へ走った。

#とりあえず落ち着けピル。そういうとこだぞ。

充電器に電話を差し込んだところで、裏から聴こえてきたのはクラクションの音だ。

ピル「あいつらもう来やがった!遊びに行くときだけは超早いんだから」

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「ダメだ!帰れ!」車を降りたスジンたちに、ピルは大慌ててで駆け寄った。「絶対来ちゃダメだ!早く帰れ!来ちゃダメなんだって!」

スジン「真っ黒に日焼けしちゃって」
ピル「マジで早くソウルに!」
チンスク「何よそれ?」

チンスクが車のキーをぽいとピルに渡すと、皆揃って海へと駆け出した。

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皆がさっそく海辺ではしゃいでいる中、チンスクは海の家で一息ついていた。
そこへ戻ってきたピルは、まだまだ説得を試みる。「よく聞けよ」

ピル「火事になるんだ。今夜、火事が起きる。でも、誰も怪我はしない。だけど、ある男がスジンを助けて、二人は付き合うことになる。二人に火がつくんだ!」
チンスク「何言ってんのよ!」
ピル「ここで火事が起きるんだって!」

叔父が入ってきて、水鉄砲で水を掛けた。「そんなら火を消せって」

チンスク「こんにちは!」
叔父「おお!ソウルから来るといってたお友だちですね!」
チンスク「はい。(ピルを指差し)この子がさっきから火が…」
叔父「いやいや、気にせんでください」
ピル「叔父さん、今日ホントに火事が起きるんだってば!」

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一人になり、ピルは海で遊ぶ仲間たちをぼんやり見つめた。「あぁ… 確かに」

ピル「覚えてるわけないな。あいつらにとっちゃ初めてなんだから」

#今頃(;・∀・)マジオチツケヨ

ピル「はぁ、どうすりゃいいんだ?!ホントまいったな」

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クギルたちは手分けしてテントを張り始めた。
そこへ姿を現したのは教会男だ。
「ここがいいな」彼はスジンの姿を見つけ、ニヤリとする。「俺たちもここにしよう」

教会男「知ってるヤツらも多いし」
仲間「どこだ?」

教会男はスジンの方を指差した。

仲間「あぁ、あの美人?」

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皆の説得を諦め、ピルは火事に備え始めた。
バケツに水を汲み、せっせと運ぶ。「今日の火事は俺が阻止するんだ」

スジン「ピル、それ何?」
ピル「火事になるから… いや、火事になるかもしれないから持っていかないと」

走っていくピルをチンスクは不思議そうに見送る。「さっきから何で火事火事って?不吉だわ」

タルス「もしスジンが来てなかったら、あんなに一生懸命だったかな?」

「俺は違うと思うな」タルスがニヤリとした。

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皆は遊び疲れてパラソルの下で一休みだ。
ピルの顔に日焼け止めを塗ってやっているのは、スジンだった。
照れてスジンの顔が見られず、ピルの視線は自然と下へと…。

スジン「(気づいて)下げちゃダメ」
ピル「!」
スジン「上がってきて」

ピルの首をスジンがギュッと上に引き上げる。「上がってきてってば!」

ピル「(モジモジ)塗ってくれなくてもいいって…」
スジン「ほんの数日ですっかり田舎っぽくなっちゃって!(顎をぐい)顎!」

「どれだけ塗ってればいいのかな」そうつぶやきながら頬に日焼け止めを塗ってくれるスジンを、ピルはそっと見つめた。

ピル(心の声)「何で結婚すんだよ?俺を置いて…」

一人ぼっちでピルたちを眺めていたチンスクの元へ、ようやくソクテが駆けて来た。「チンスク、日焼け止め♪」

チンスク「もう塗った。失せな」
ソクテ「…。」
チンスク「キレイな景色が台無しよ」

「そういう仲だったのか?」ふいに聞こえた声に、スジンとピルは顔を上げた。「?」
教会男だ。
立ち上がったピルに続き、スジンも慌てて立ち上がる。

教会男「妬けるな」
スジン「遊びに来たんなら大人しく遊んで帰ってよ」
教会男「久しぶりに一緒に遊ぼうぜ。俺たちもあっちにテント張ったから」

ピルがスジンを自分の背後に隠し、男を睨みつけた。「こいつ、暑さにやられたのか?」
他の仲間たちもゾロゾロと周囲に集まってくる。

「スジン」ピルはスジンを振り返った。「お前は何ともないから。そっちに座ってろよ」

ピル「(教会男に)お前、死にてえのか?!」
教会男「ふふん、何をおっしゃっているのやら」
ピル「教会で俺にあれだけやられたのに、もう忘れたのか」
一同「???」
スジン「(教会男に)せっかく遊びに来たのにやめてよ。(ピルに)ちょっと!しっかりして」
教会男「女の前で、無い勇気を振り絞るヤツは大勢いる。すぐに後悔することになるのに。そうだろ?スジン」

「それは…」言いかけたスジンを、ピルがもう一度思い切り自分の背後に引き戻す。「!」

ピル「(教会男の仲間に)兄貴たち、こいつはもう忘れてるみたいだが、高校んとき俺にメチャクチャにやられて、それで目が覚めて公務員を目指してるヤツなんだ」
一同「?????」
ピル「今からでも謝れば…」

まくしたてるピルの頬に、固い拳が飛んできた。「!!!」
”そりゃないだろ~” 心のなかで叫びながら、ピルはキレイな放物線を描き、バタリと倒れた。

ピル(心の声)「変だな。あのとき間違いなく俺が勝ったのに、どうなってんだ?」

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ハッと気づいたピルの目に入ったのは、心配そうに覗き込んでいる仲間たちの顔だ。

ピル「?」
スジン「ピル、大丈夫?気がついた?」
ピル「高校んとき、教会であいつとタイマン張って、俺が負けたのか?」
ソクテ「覚えてないのか?お前、木っ端微塵だったぞ」
ピル「俺が?!」
タルス「辛い記憶は忘れなきゃならないが、こうもたびたびあると…」

あぁ…
ピルはようやく悟った。
マンホールで再び飛ぶと、もともとの過去に戻ってしまうんだな…。
いくら変えても、もともとの過去にリセットされるんだ。

「みんな大概にしなよ」チンスクが皆をたしなめる。

皆「?」
チンスク「それでも立ち向かったのはピルだけだった。あんたらいつもファミリーファミリーって言うくせに。そんなファミリー、犬にくれてやりな!!!」

#よく言ったぁあああ!!!

クギル「おい!これでも俺らは年長だぞ」
タルス「俺たちも年長として最善は尽くしたんだ」

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教会男たちのテントに、スジンがやって来た。
男が差し出したジュースの缶を受け取り、スジンはふぅっと大きく息を吐き出す。

スジン「今まで生きてきて、すごく恥ずかしかった”告白”が2度あるわ」
教会男「?」
スジン「1度目は高校の時。(ピルがいる方を指差し)あんたが殴ったあいつに告白したこと。こっそり写真撮って、手紙を送ったの。直接言うのは照れるから。はぁ、あのときは読まれるのがホントに恥ずかしかった」

「わかるよ」男が言う。「残りの一つは俺とだろ。まわりくどい言い方よせよ。飽々する」
「…。」スジンはすぐには答えず、ジュースの缶の蓋を開け、一口すすった。「残りの1回は…」

スジン「またあいつよ」
教会男「?」
スジン「さっきあんたが会いに来たとき、またあいつが庇おうとしたわ。あいつ、私にはいつもあぁなの。私に何か起きたら、自分が代わりにひっかぶるのよ。それで私にこう言うわ。”スジン、お前は何ともない、心配するな”」

「…。」話しながら苛立っているスジンを、教会男はじっと見つめた。

スジン「それで告白しちゃったのよ、心の中で。すごくバツが悪いわ… 直接言えなくて」
教会男「俺には言えるのに、何で?」

「…。」教会男を見上げ、スジンはふっと表情を和らげる。「本当に好きになったら、直接は言えないのよ」

教会男「…。」
スジン「私が好きだって知ったら、私のこと好きな気持ちが冷めちゃうんじゃないか、離れていっちゃうんじゃないか…それで言葉にできないんだわ」
教会男「…。」

スジンは男に飲みかけのジュースを握らせる。「噂、聞いたわ」

スジン「あんた、私に会いたくて学校で情報収集してたんだって?」
教会男「…。」
スジン「ここにだって、私たちが旅行に来るのを知ってて付いてきたんじゃない。違う?」

黙っている男の肩に、スジンはドンと手を置いた。「目を覚ましな」

スジン「あんたみたいなのとは、もう付き合うこともないから」
教会男「…。」
スジン「二度とあいつに手を出さないで。いいわね?」

スジンがキッと踵を返す。
スタスタと去っていくスジンを、木陰でそっとチンスクが見送った。「…。」

教会男の仲間「偶然会ったんじゃなかったのか?」
教会男の仲間「何であんな生意気なんだ?」
教会男「はぁ、荷物まとめろよ。別んとこ行こうぜ。つまんねぇ」

#教会オッパはここで完全にジ・エンドですね。気持ちのいい幕切れ^^

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スジンが海の家に戻ってみると、ピルは殴られた頬をおさえ、一人うなだれていた。

スジン「大丈夫?」
ピル「…。」
スジン「殴られるのもいい加減にしなよ。運動してるヤツが何で殴られてばかりなわけ?」

スジンは気まずくて、さっとその場を後にする。

ピル「これでも昨日は強かったんだ…。(昨日のパンチを思い出しながら)昨日は…」

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クギルたちは手に思い思いの武器を持ち、砂浜を走っていた。

チンスク「どこ行くのさ?」
クギル「お前の指摘で目が覚めた。俺たちファミリーの力を見せつけに行くんだ」
タルス&ソクテ「おう!」
チンスク「ふざけてないで遊ぶ準備でもしな。遊びに来たんでしょ、喧嘩師に来たわけ?」
3人「…。」

呆れて去っていくチンスクを、3人は呆然と見送った。

ソクテ「(クギルに)兄貴、僕もチンスクに同感だよ」
タルス「(クギルに)やっぱチンスクは物分りがいいな。先に遊んでるよ」

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ビーチボールで遊ぶピルたち男性陣を、スジンたちはデッキチェアで並んで眺めた。

スジン「(チンスクに)ねぇ、ピルを見てよ。30分前に気絶してたように見える?」

そういって、スジンはカメラのシャッターを切った。

チンスク「だよね。誰が一緒にいても退屈しないだろうね。毎日イベントが起きるから」
チョンエ「ちょっと、わかってないわね。楽しい人より、頭のいい人と付き合わなきゃ。2世のこと考えてね」
チンスク「あんたはそうしないとね」
チョンエ「うん、私はそうしなきゃ」

と、そこへ…。「オッパ~♪」
突然男性陣のもとへ現れた若い女に、スジンの表情が変わった。?

「目が覚めたのね」ピルが仲良くしている…らしい、見知らぬ女性だ。
今朝、酔って朦朧としているピルに声を掛けていったのは、彼女だった。

若い女「何してるの?」
タルス「ピルのお友だちですか?」
若い女「えぇ」

「…。」ピルが困ったようにスジンを振り返る。

タルス「時間があればご一緒に…」
若い女「そうですか?」

彼女を加え、彼らは再びビーチボールを投げる。
「行こうよ!」戸惑うピルの手を、積極的な彼女が引いて駆け出した。

スジン「!」

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「クッスン」ピルの父が妻の名を呼んだ。
自宅のバルコニーにパラソルとデッキチェアを広げ、ささやかなバカンスの最中だ。

ピル父「一緒に横になるのも久しぶりだな」
ピル母「ふふ♪それ、”星の故郷”のセリフでしょ?恋愛中、一緒に観たわ。あぁ、私たちそのとき、すごくホットだったわ」
ピル父「僕は今でもホットだがな(手を伸ばす)」
ピル母「もう!日射病にでもかかった?」
ピル父「…。」
ピル母「ピルから連絡は?」
ピル父「元気でいるそうだ。ちゃんと面倒見てくれるだろう。ピルが幼い頃から親同然に可愛がっていたじゃないか」
ピル母「海、太陽、熱いビーチ!あぁ、どんなにいいかしら。青春がどんなに大事か、ピルにも早く気づいてほしいものだわ」
ピル父「一度過ぎれば二度と戻らない… ははっ、だけどあいつ、あんなザマでマトモに恋愛できるのか」
ピル母「父親に似たなら、火遊びも上手なはずだけど?」
ピル父「ふふっ、ふははは」

ピルの父は上機嫌で起き上がり、もう一度妻に手を伸ばした。

#『星の故郷(별들의 고향 1974年)』なんとなく気になって検索したらYoutubeにフルであったので、しばらく観ちゃいました(笑)

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ボンボンホップカフェがオープンしたのは2011年のことだ。

店の前に祝いの花が並び、ミジャたちがチラシを配っていた。
「人付き合いが上手ね」にこやかにチラシを配るミジャを見て、従業員のユンミが漏らした。

ミジャ「?」
ユンミ「ミジャさんは人とすぐ友だちになるでしょ?」
ミジャ「(声を潜め)そんなの”偽物”よ。じっと見ないで。ボロが出るから」

そこへ郵便配達のバイクが通りかかった。
角を曲がろうとして、すっとバイクを停め、振り返る。「…。」
ソクテの父親だ。

美しいミジャを見つめる彼の時間が… 止まった。

#なーーーんや、それ!

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ピルと親しい…らしい若い女性を囲み、男性陣は笑顔が絶えなかった。
困惑しているピル以外は。

若い女性「来た途端、ピピッと惹かれたんです、自分でも知らないうちに」
タルス&クギル&ソクテ「マジで?!」

少し離れたところで、女性たちがジロリと振り返る。

若い女性「タイプってわけじゃないんだけど、何ていうか…ソウルの言葉であるでしょ?そうだ!”Feel(発音はピル)が来た”」

※ピンと来た、みたいなことですね。

ソクテ「あぁ、それは英語だな」
クギル「Feelかぁ」
若い女性「昨日、一緒に飲んだんです。ホント楽しく遊んだんだけど、お酒は弱かったわ」
タルス&クギル&ソクテ「マジで?!」
タルス「(ピルをチラリ)変だなぁ、酒豪なのに一体何に酔ったんだか?お前、酔ったフリしたんだろ」
ピル「えぇっ?」
タルス「酔ったフリだな」
ソクテ「(若い女性に)酔ったフリしたんですよ、それ」
若い女性「(ソクテに)ピルさん、彼女いないですよね?」
タルス「本人は何て?」

そっぽを向くピルを、女性がチラリと見た。

タルス「お前…?!」
ピル「こんな話やめて、楽しい話しよう」

「ちょっと」動揺を隠せないスジンに、チンスクが声を掛けた。「ストローは助けてあげなよ」
「?!」知らず知らずのうちに、ドリンクをすすっていたストローを噛み潰していたのだ。

チンスク「あいつ、才能が全くないわけじゃなさそうだわ」
スジン「(平静を装い)お似合いよね」
チンスク「やれやれ(スジンの肩をバン!)それならストロー噛み潰すのやめなって」
チョンエ「(女性を睨み)タルスさんに尻尾振ったら殺人沙汰になるわよ」

いよいよたまらなくなって、ピルが立ち上がる。「ちょっと行ってくる」
「どこ行くの?一緒に行こう」女性がすかさず後を追った。

ピルはスジンたちのところへ来て、声を掛ける。「ちょっと行ってくる。遊んでな」
「うん、わかった」スジンは余裕で微笑んでみせた。

チンスク「どこ行くのよ?」
ピル「あっちのペンションに、ちょっと…」
チンスク「ペンション行って何するつもり?」
ピル「(動揺)あそこのペンションに、えっと… 浮き輪を全部… か、回収」
チンスク「何、しどろもどろになってんのさ」
ピル「俺がいつ?!」
インスク「今よ」

「行ってくる」ピルは歩き出した。

スジン「…。」

+-+-+-+

ペンションへ行くと、置きっぱなしにされている浮き輪を、ピルはブツブツ文句を言いながら回収した。
ついてきた若い女性は彼の腕を掴み、いよいよ引き留める作戦に出始める。

ピル「ソウルから友だちが来てるから、また今度」
女性「ここまで来て戻るなんて、そんなのってある?ねぇ~」
ピル「ダメだってば」

なかなか乗ってこないピルに、女性は拗ねて、手に持った浮き輪を床に落とした。「わかったわ。一人で行ってくる」
優しいピルは彼女を放っておけず、結局二人で2階の部屋へ上がることになったのだ。

ピル(心の声)「俺、あの子と何かあったのか?なかったのか?ちっとも思い出せない!嫌な予感がする…」

2階には彼女が友人と滞在している部屋があった。
部屋で浮き輪を回収し、さっさと逃げ帰ろうとしたピルを、女性は懸命に引き留めた。

女性「今日は友だちも帰ってこないから、私一人じゃ怖いんだからぁ!他の部屋には男の人もいるのに」
ピル「友だちが待ってるから」
女性「行かないでよ。怖いんだってば」

ピルがハッと目を見開いた。「思い出した!」

女性「何を?何も思い出さなくていいわよ」

”このクズ!” 軽蔑して自分を指差すスジンとチンスクの姿が蘇ったのだ。
「ダメだ!」ピルは焦って彼女を突き飛ばした。「これは罠だ!」

ピル「そうだ。ひどいダメージだったんだ。あの後しばらく、あいつら俺のこと人間扱いしなかった」

部屋を出て行こうとしたピルの後ろで、女性が尻もちをついたお尻を押さえて泣いた。「痛いよぉ」
「ごめん、大丈夫か?」ピルが彼女のお尻を覗き込んだその時…
スジンとチンスクが登場したのは、まさにその時だ。「わぁ~~!」

チンスク「やるわね、ポン・ピル!」
ピル「わっ!」
チンスク「続けなよ、途中だったんでしょ」
スジン「わー、ホント!」
チンスク「(床にころがった女性もののパンツを拾い上げ)脱がしたの?」
ピル「違う!」
スジン「ガッカリだわ!ソウルから友だち呼んでおいて、女と真っ昼間っから」

「ところで、どちらさん?」若い女性がまるで別人のように冷たく言った。

チンスク「(女性を突き飛ばし)あんたには関係ないわ」
ピル「いや、俺はこの浮き輪を!」
スジン&チンスク「…。」
ピル「たった今、、階段を上がってきて…」
チンスク「またしどろもどろ!」
若い女性「何この人たち? ”ウリオッパ(私のピルさん)”の知り合い?」
スジン&チンスク「ウリオッパ?!」

「はははっ」チンスクが嘲笑をあげ、ピルの手とスジンの手を繋がせる。「この子とこの子は、そういう仲なの。わかった?」

チンスク「(女性に)帰りな!」
女性「(ピルに)私をからかったわけ?」
ピル「…。」
女性「はぁ、こっ恥ずかしい」

「出てって」女性は手のひらを返したように、ピルに背を向けた。

チンスク「(女性に)バイバ~イ」

”ごめん、いい男に出会ってくれ” ピルは心の中で女性に詫びた。”君も実に立派な…”
ゴクリとツバを飲み込んだピルを、スジンとチンスクが睨みつけた。

スジン「何見てんのさ?」
ピル「はっ!」
スジン「(怒って肩をドン)追いかけな!追いかけてって抱きしめなってば!」
チンスク「(スジンに)本性がわかったから、私たちは撤収」

「ちっとも惜しくなんかないから、行きなってば!」スジンは怒りに任せてもう一度ピルを蹴り飛ばした。

一人残され、ピルは悔しさに悪態をつく。「もうちょっと早く思い出せば良かったのに!」

+-+-+-+

怒りの収まらないスジンが、チンスクに手を引かれてペンションを出て来た。
まだ2階に向かって罵声を浴びせるスジンを、入れ違いに中へ入ろうとしたカップルが驚いて振り返る。

「?」ジェヒョンだった。

「俺が何したっていうんだよ?」踏んだり蹴ったりで1階へ降りてきたピルは、ジェヒョンに気づき、愕然とした。
あ、あいつは!

ピル(心の声)「薬剤師のやつ、何でここに?偶然か?」

ピルはテーブルで見つめうジェヒョンと女性の間に、険しい顔で割り込んだ。「おい!」

ピル「何でお前がここに?」
ジェヒョン「僕をご存知なんですか?」
ピル(心の声)「あぁ、こいつはまだ俺のこと知らないよな」
女性「ねぇ、知ってる人?」
ジェヒョン「いや、俺は初めて会ったけど」
ピル「…。」
ジェヒョン「僕のこと、ご存知なんですか?」
ピル「い、いえ、僕が勘違いしたみたいです」

「すみません」ピルは取り繕うように微笑み、その場を逃げ出した。

+-+-+-+

ここで区切ります。

慶尚道訛りの女の子のエピ、かなり無理矢理でしたね。
訳してて、ずっと気持ち悪~いまま…。

 - マンホール-不思議な国のピル ,