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Oh my Venusオーマイビーナス11話あらすじ&日本語訳vol.1

   

ソ・ジソブ、シン・ミナ主演のKBSドラマ「Oh my Venus(オーマイヴィーナス)」11話、あらすじと共に、台詞を丁寧に訳していきますね。

頑張るぞっ!

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「時期ってやつはな、遅いよりは早いほうがいいもんだ」チェ理事が言う。

ウシク「…。」

黙っているウシクに、チェ理事はパンと手を叩き、行動を促した。
ウシクはその場で電話を取り出した。「あぁ、コPD」

ウシク(電話)「放送してくれ」

#普通に電話するシーンさえ、いちいち煮え切らない感じになってきたね… ウシクさん。

+-+-+-+

家の前まで帰ってきたヨンホの車は、瞬く間に待ち構えていた記者たちに取り囲まれた。

記者「キム・ヨンホさんがジョン・キムだっていうのは事実ですか?!」
記者「アンナ・スーとの関係が事実なのか一言お願いします!」

「抑えろ!!!」運転席でミン室長が電話の相手に怒鳴る。

0165

ヨンホ「…。」
ミン室長「申し訳ありません。ジョン・キムとアンナ・スーの記事が出てしまったようです。ひとまずここを離れます」

ミン室長はアクセルを踏んだ。

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ヨンホたちはひとまず人目につかない橋の上に場所を移した。

ヨンホ「明日、アンナ・スー側が公式に反論記事を出すはずです」
ミン室長「万が一に備えていらっしゃったのですか?」
ヨンホ「苦杯は一気飲みすることにしましたから。だけど、人が重視するのは事実かどうかじゃないですよね」
ミン室長「事実かどうかより、知っているかどうかですから。より大勢が知って騒ぐほど、事実になるのが世の中です」
ヨンホ「…。」
ミン室長「論峴洞のヴィラだけでなく、本家も会社も騒がしくなっているようです」

ヨンホが苦痛にかすかに顔を歪める。

ミン室長「どこか静かなところへ…」
ヨンホ「1日だけ」
ミン室長「?」
ヨンホ「いや、数日だけ…」
ミン室長「…。」
ヨンホ「…もうそんなふうに逃げるわけにはいきません。逃げるなと言ったのは僕なんですから」
ミン室長「(頷く)」

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「どこかいいところに行くみたいだな」ジュウンの元を訪ねてきたヨンホは、心配するジュウンとは裏腹に、不思議なほど穏やかだった。

ジュウン「どうして電話に出ないの?大丈夫なんですか?」

小さく頷き、彼は目を伏せた。「家の前に記者がたくさんいて」

ヨンホ「帰りたくないんです。ホテルも同じだ」

「ホテルに泊まりたいと思います?」ヨンホはそう言って微笑んだ。
それは、かつて家に帰れなくなったジュウンが言った言葉だ。

ジュウン「部屋は一つだし、お手洗いも一つだけど、入って」
ヨンホ「…。」
ジュウン「あなたの… 地球外に」

「搭乗」彼女はヨンホの体に優しく腕を回した。「出発」

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ヨンホをベッドに休ませると、彼女はまず温かい飲み物を渡した。

ヨンホ「今日のカン・ジュウンはフェロモンぷんぷんだな」

ジュウンはさっき着ていた黒いワンピースにカーディガンを羽織っていた。

ジュウン「フェロモンぷんぷんは自分だけの特典だと思ってた?色気だって先にやった者勝ちよ」
ヨンホ「スイート・ルームじゃなきゃ眠れないんだけどな」

「スプリングが全然」ヨンホがベッドのマットを軽く叩く。

ジュウン「ルームなら十分でしょ、何がスイートよ。床で”この野郎”と寝る?」

「…。」ヨンホがまた小さく顔を歪ませた。「”スウィート”にしてくれないなら、寝室を貸して出ててくれないかな」

ジュウン「何も考えないで寝てくださいね。悩むのも心配も明日にして。どうせ明日もするなら、わざわざ今日することないもの」

ヨンホは足を庇うようにそっと寝返りをうち、彼女に背を向けた。「心地よく艶めかしい夜が思い浮かんだら呼ぶから」

「私、シャワーしないと」ジュウンが立ち上がった。

ヨンホ「何か忘れてないか?」

ジュウンは小さく微笑むと、慣れた様子でエクボキッスを飛ばした。「これでいいでしょ」

ヨンホ「…よし」

ジュウンが出て行った途端、ヨンホは膝の痛みに呻き声を上げた。

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知らんぷりをして部屋を出たジュウンは、寝室の外で悶々と時間を過ごした。

0166

「出ててください。誰かが治せるようなものじゃないんです」前に発作を起こした時、彼はそう言って助けを拒んだ。
今度も彼女が出来ることは… 彼を一人にしておくことしかなかったのだ。

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ジュウンは携帯を手に取った。「あ… ジュンソンさん。私です」

ジュウン(電話)「ヨンホさん、うちにいますから。心配しないでくださいって」

「兄貴、ひょっとして」ジュンソンが言う。

ジュンソン(電話)「あぁ… 弁護士さん、ご存知だったんですね」

「私…」ジュウンの目から涙がこぼれ落ちる。「私どうしたらいいのかしら」

ジュウン「あんなに辛そうなのに、私にできることは何もないんです」
ジュンソン「知らないふりしててください。兄貴は、自分が苦しいよりも、大事な人が苦しんでるほうが辛いんです」

そう言って、ジュンソンはぎゅっと唇を噛みしめる。「兄貴は… 僕にとって父のような方なんです。どうかよろしくお願いします」

ジュウン「私にとっても… たった一人しかいない人だもの。こちらこそよろしくお願いしますね」
ジュンソン「はい」

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電話を切ると、ジュンソンはその場に座り込んだ。「…。」

0167

~~~~

アメリカにいた頃、ジュンソンの生活は荒れに荒れていた。
ギャングに追われ、血を流しながら潜んでいたところを、偶然通り掛かったのがヨンホだった。

「しっかり抑えろ」ヨンホはカバンの中からガーゼを出し、腹の傷口に被せる。

ヨンホ「それ以上動いたら、足がダメになるぞ」

ヨンホはジュンソンの足を軽く触って確かめると、その辺に落ちている板切れを拾い上げ、足を縛った。「この足で逃げて来たのか」

ヨンホ「無謀なのか立派なのか…」
ジュンソン「お前に何が分かんだよ」
ヨンホ「足が折れてんだ」

そこへ追手が戻ってくる声が聞こえた。

ジュンソン「!」
ヨンホ「!」

+-+-+-+

ヨンホはジュンソンを家へ連れて帰って来ると、丁寧に手当を施した。

ヨンホ「血圧は正常だし、顔色を見るに血液も足りてる。鎮痛剤も飲んだし」
ジュンソン「何なんだよ、お前」
ヨンホ「ありがとうって言葉をそんなふうに習ったのか?」

0168

痛がる腕にヨンホが手を掛けたのを、ジュンソンは反射的に振り払った。
上腕部に、星の形のタトゥがある。

ヨンホ「親御さんは?亡くなったのか?」
ジュンソン「…。」
ヨンホ「(頷く)親御さんがいないなら留学じゃないだろうし、それなら養子か。養父母は?行く場所は?」

「黙れ!」ジュンソンは苛立って机をひっくり返す。

ジュンソン「関係ねぇだろ。何なんだよ、お前!!!」
ヨンホ「ひねくれやがって…。”お前”じゃない、”兄貴”だ」

「病んでるヤツに弱くて、危険な目に遭ってるヤツにはもっと弱い人間だ」ヨンホはポツリと言った。

ジュンソン「同情なんかいらねぇ。いらねぇぞ!!!」

「同情か…」そう呟いて、ヨンホは右膝をめくった。「同情じゃなくて、同病相憐だ」

※同病相憐=病気に苦しむ人が、互いに憐れみ合うこと

ジュンソン「?」
ヨンホ「腹が立つし、暴れたいだろうな。暴れたきゃ暴れろ。その代わり、銃やナイフじゃなく、ルールのあるところでだ」

ヨンホは包帯を無造作に投げて寄越す。「手でも拭いとけ」

ヨンホが部屋を出て行くと、ジュンソンは震える手で包帯を巻いた。「…。」

#このシーン、変に捻ったやり取りもないし、シンプルでいい。
全部こうだといいのに。

~~~~

+-+-+-+

ヨンホとの出会いを思い返し、ジュンソンはゴロンとその場に寝転がった。

と、そこへ誰かが静かに入ってきて、彼の隣に寝転がる。

ジュンソン「?」

イジンだ。

#そのシーンの繋がりでイジン出す?!

ジュンソンは彼女を見ると、また天井を見上げた。「今日はそっとしておいてほしいんですけど」

イジン「何もしないわ。ただ隣にいるだけですから。じっと横になって」
ジュンソン「…?」

不思議そうに見るジュンソンをチラリと見ると、彼女はニッコリと微笑んだ。

イジン「”(TVコメント風に)寂しい人にはなおさら寒い冬です。困っている隣人を助けて、思いやりを分け合いましょう。皆さん、ファイト♪”」
ジュンソン「…。」
イジン「私、応援と癒やし専門の芸能人なんですから」
ジュンソン「(溜息)全く…」
イジン「誰か隣に横になってれば、慰めになるんじゃないかな。しかもCFクイーンのチャン・イジンなんだし♪」

#結局うるさい…

ジュンソン「理由も知らないでどうやって慰めるんですか」
イジン「理由知らなきゃ慰められないんですか?悲しいのは一緒でしょ」
ジュンソン「…。」
イジン「私たち、進展早いわ♪ キスしてすぐ添い寝なんて」

+-+-+-+

すっかり朝になって、ヨンホが寝室から出てきた。
台所に立っていたジュウンが、何事もなかったように微笑む。

ヨンホ「…。」

ソファで待ち構えていたジュンソンとジウンが揃って立ち上がった。

ジウン「(わざとらしく)N…Nice weather!なんか今日は超いい気分だな。だろ?ジュンソン兄貴」
ジュンソン「(もっとわざとらしく)あ、あぁ、今日… 今日は何事もなかったみたいに肩まで軽いな」
ヨンホ「お前らそこで何してんだ?」
ジュウン「はぁ、下手くそな演技」
ジウン「(ヨンホに)Ma’amが、いつもどおり何もなかったみたいに振る舞えって言ったんだ」
ジュンソン「言いました」
ジュウン「それ、いつもどおりですか?!」

「皆さん、ごはんにしましょ」ジュウンがダイニングテーブルに料理を運んだ。「(ぶつぶつ)はぁ、狭い家なのに図体縮めてほしいわ…」

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皆が見守る前で、ジュウンはご飯に目玉焼きとコチュジャンを乗せ、グチャグチャと混ぜた。

#場所がヨンホ宅からジュウン宅に移り、よりジュウンの主導権が強くなった…ということですね^^;

ヨンホ「(エプロンを摘み)エプロンまでするのは大げさだと思うけど」
ジュウン「大げさじゃないわよ。(皆に)冷蔵庫にあるものを総動員したんだから、感謝して食べてくださいね」
ジウン「(うんうん)」

「それから、ごま油を一滴」ジュウンが混ぜたご飯にごま油を垂らす。

ヨンホ「そのごま油、どれだけ発酵してることか…」
ジュウン「昨日お母さんが送ってくれたんですから」

「あーん」ジュウンが混ぜご飯を匙に取り、ジウンに差し出す。

ジウン「(もぐもぐ)Ma’am!ファンタスティック!超美味しいよ」
ジュウン「これぞ白ご飯の真理ってヤツですよ」

ジュウンがもう一匙すくうと、ヨンホがすかさずその手を押さえ、隣の皿のミニトマトを彼女の口に入れる。
彼女は次の一匙をジュンソンに差し出した。
「一口だけ!」ジュンソンはそう言ってチラリとヨンホを見ると、ひと思いにガブッと噛みついた。「♪」

0169

ヨンホ「(ニッコリ)」
ジュウン「さっさと食べて、衣装と装備を整えて集合よ!」
皆「?」
ジュウン「運動しなきゃ。雨が降ろうと風が吹こうと雪が降ろうと毎日するんじゃないの?」
ジュンソン&ジウン「おぉ~」
ヨンホ「装備?」
ジュンソン「どんな?」

ジュウンはヨンホがいつもやるように、皆に手招きしてみせた。

ジュンソン「?」
ジウン「?」
ヨンホ「…?」
ジュウン「コリアントレーニングの真髄を見せてあげるから」
皆「???」

+-+-+-+

彼らは完璧な防寒具に大きなサンバイザーを付け、公園に集合した。

ジウン「Ma’am、俺たちロボコップみたいだ!」
ジュウン「(うんうん)」
ジュンソン「不思議と前は見えますね」

#普通にコマーシャルコメントし始めた…

ヨンホ「一体何を…」

ジュウンがヨンホのサンバイザーの前つばを下に押しさえ、顔を隠した。「ヨンホさんは顔を見られちゃいけないはずよ」

ジュウン「さぁ、手のひらを出来るだけ強く前後に叩きながらついて来て!」

ジュウンは前後交互に手を叩き合わせながら、坂道を登り始めた。
「Ma’am、俺も!」ジウンが後を追いかける。

ヨンホ「…ジュンソン。何て言うか… ウォーミングアップだと思うことにしよう」

二人もおとなしく後に続く。

それが済むと、次は背中を木の幹にぶつけながら腕を開く運動だ。

ヨンホ「何で木にこんなことを?木が何か悪さでもしたんですか?」
ジュウン「あぁ、これはね…」

「めちゃくちゃ血行にいいんだから!」近くにいるおばさんが答える。

おばさん「私なんか10年毎日やってるから風邪も引かないよ。やれやれ、男のくせにヨロヨロしちゃって!もっとしっかりやれないのかい?お嬢さんの方が上手いね、あんなふうにやってみなさいよ!真似して!」

そこから完全に3人の優男はおばさんたちの餌食だ。「お兄さんもやってみなさい!」
「老廃物が出るんだから!」そう言って彼女たちは無理やり彼らの腹をマッサージする。

ジュンソン「僕は腹筋があるので…」
おばさん「腹筋が何さ!すっかり固まっちまってるんだから。ほぐしてやらなきゃ。(腹を揉み揉み)明日見てごらん!老廃物がスーッと出るからさ!」

そっと逃げようとしたヨンホの前に立ち塞がったのは、ジュウンだ。「どこ行くんです?」

ヨンホ「(弱気)専門家の目で見るに、血行っていうのは…」
ジュウン「(構わず腹のマッサージ)」
ヨンホ「あっ!せっかく鍛えた腹筋が!」
ジュウン「腹筋が何よ。明日見てごらんなさい。老廃物スーーーッと出るから!」
ヨンホ「腹筋に責任とってくれるんですか?」
ジュウン「ヨンホさんの腹筋は私の思い通り。Noは受け付けません」
ヨンホ「(笑)」

次は二人組になって手押し相撲だ。

#隣でふっ飛ばされてるジウンと”大丈夫か”と優しく言ってやるジュンソンが好き。

ジュウンが両手で押してくるのを、ヨンホは無表情で受け流し続けた。「まさか慰めてくれてるのか?」

ジュウン「何でそんなこと?ガフンだのジョン・キムだの、全部我が招いたことじゃない」
ヨンホ「我が?」
ジュウン「前に私に言ったでしょ。体が疲れれば心が穏やかになるって」
ヨンホ「…。」

ジュウンの攻撃を受けていた両手を不意に引っ込めると、彼女は勢い余ってヨンホに抱きついた。「あっ!」

ジュンソン&ジウン「おぉ~♥」
ヨンホ「こいつらの見てる前で全く…」
ジュウン「あら♥」
ヨンホ「(小声)もう1回もう1回(サンバイザーのつばを下げて)はぁ恥ずかしい」

+-+-+-+

仕事に出掛けるため、車に乗り込んだジュウンを、ヨンホが見送りに出た。

ジュウン「苦手な勉強頑張った甲斐があったわ」
ヨンホ「(ニッコリ)」
ジュウン「プーになっても養ってあげるから、姉さんを信じてなさい」

ジュウンが窓から頬を突き出す。
ヨンホは周りをキョロキョロと見渡すと、チュッと頬に口づけた。

ジュウン「留守番お願いしますね。たくさん稼いできますから」
ヨンホ「(時計を見て)遅刻しそうだ。(ペコリ)行ってらっしゃいませ」
ジュウン「行って来ます」

ジュウンの車を見送り、クルリと振り返ると、そこに黒い車が停まっているのが目に入った。

ヨンホ「!」

降りてきたのは、ミン室長だ。

ヨンホ「…。」

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「おっしゃったとおり、アンナ・スー側から反論記事が出ました」車の後部座席に並んで座ると、ミン室長が言った。

ミン室長「明け方から報道各社を回っています。全て防ぐことは出来ませんが、当て推量での報道は収まるでしょう」
ヨンホ「(頷く)朝弱い人なのに」
ミン室長「皆様が…お待ちです」
ヨンホ「…。」
ミン室長「お着替えをご用意してあります」
ヨンホ「いいえ。このまま行きます」

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ヨンホは実家前を取り巻く報道陣の中を帰ってきた。

ヨンホが帰ってきたという知らせに、イ会長は静かに頷く。「ようやく帰ってきたわね…我が子が」

イ会長「そのお嬢さんは誰なの?弁護士だと言ったわね」
ミン室長「…。」
イ会長「隠居したからといって、本当に隠居老人だと思ってるわけじゃないでしょうね」
ミン室長「申し訳ありません」
イ会長「ヨンホの立場を知っているあなたがこうでは困るわ。ヨンホの地位を固めてくれる配偶者が必要なこういうとき、徳成製薬の令嬢くらいなら、ヨンホの相手として不足はないと思うけれど」
ミン室長「…。」
イ会長「離れの修理が終わったら、ヨンホを連れて戻って来なさい」

「…。」ミン室長は「はい」とはすぐに言えず、口ごもった。

イ会長「…。」
ミン室長「…はい、会長」

+-+-+-+

お茶を用意するため、ヘランは今日も台所で召使たちに指示を出していた。

ヘラン「(召使の持って来た壷を見て)それじゃなくて、桔梗茶がありますから。それを持って来てください」
召使「はい、奥様」
ヘラン「お義母様はお腹の具合が良くないから、梅茶を用意してくださいね」

+-+-+-+

ヨンホは父親の前に静かに跪いた。

ヨンホ「ご心配をお掛けして申し訳ありません」
父「こうして戻ってきたのは、自分の座は放棄しないという意思だと理解しよう」
ヨンホ「…。」
父「…立ちなさい」
ヨンホ「(正座したまま)」
父「何かあってはいけないと、鞭の一つも打ったことのない足だ」
ヨンホ「…。」
父「早く強くなれ。自分の座を守り通すんだぞ」
ヨンホ「…。」
父「時間があまりないかも知れん」
ヨンホ「はい、父さん」
父「61周年の就任式まではとにかく静かにしているんだ」

+-+-+-+

夫の部屋の前まで二人分のお茶を持って来ると、ヘランは中へ入るのを躊躇していた。「…。」
そこへヨンホが出てくる。

ヘラン「食事をなさって行ってください。久しぶりに帰られたんですから」
ヨンホ「いいえ。祖母と父をよろしくお願いします」

頭を下げると、ヨンホはそこを後にした。

+-+-+-+

ジュウンが尋ねたのは、弁護士キム・ヨンハンの元だ。

キム・ヨンハンは彼女の持って来た資料をめくる。
ジュンソンに関するものだ。

キム弁護士「臨月の妊婦が夫を殺害した。だが、臨月の妊婦が夫からひどい暴行を受けていた状態で、確かお腹の子を守ろうと夫を押しのけて逃げようとしたんだと記憶していますが…」
ジュウン「!」
キム弁護士「当時は家庭内暴力、被害妻、そういう概念が全般的になかったからね」

ジュウンはキム弁護士が持って来た資料をめくる。
そこに出てきたのは、事件を起こした当時のジュンソンの生母の写真だ。「!!!」

キム弁護士「司法でも、事情も何も、ただ夫を殺した妻だと…。おそらく刑期いっぱいに服役したと思いますよ。獄中で子どもを産んだと聞いたのが最後だと思います」

+-+-+-+

チェ・スンジャが家へ帰って来ると、玄関の前にブティックの袋が置いてあった。「?」
中に入っていたのは赤い綺麗なコートだ。

スンジャ「!!!」

彼女はコートを抱きしめ、込み上げてくる涙を堪えた。

すぐにコートを袋に戻し、通りまで走る。
向こうにジュンソンがぼんやり立っているのを見つけると、彼女は走って行って袋を押し付けた。「人の家の前に何でこんなもの置くんです?!」

ジュンソン「あの… そんなつもりじゃなくて… 寒そうにしていらっしゃったから、ただ…」

涙が溢れそうになり、スンジャは思わず顔をそむける。

スンジャ「私が寒かろうが関係ないでしょ」
ジュンソン「…。」
スンジャ「二度とこんなことしないでください。二度と…」

困ったようにじっと俯いているジュンソンを、スンジャはそっと見た。「二度と… 訪ねて来ないでください」

+-+-+-+

ヨンホはジュウンの家へ戻っていた。

#何しに実家帰ったんや、さっき。父に土下座しただけか。

買ってきた食材を冷蔵庫に入れていると、玄関のチャイムが鳴る。

ヨンホ「?」

「フェロモンぷんぷんさん!」ドアの向こうでヒョヌが呼ぶ声がした。

ヒョヌ(声)「開けてください。思い出伝道師のイ・ヒョヌです!」
ヨンホ「今、僕しかいないんですけど」

+-+-+-+

ヨンホは不思議そうに見つめるコ・ミンジュンと睨み合っていた。「…。」
「礼!」ヒョヌの号令で、皆ペコリと頭を下げる。

ミンジュン「こんにちは」

「お母さん、おしっこ!」顔を上げるなり、ミンジュンはトイレに向かった。

ヒョヌ「ジョン・キムにガフンの後継者にセクシーフェロモンまで…。3つも肩書があるのも知らずに、ニートだなんて言っちゃって」
ヨンホ「あぁ…えぇ」
ヒョヌ「未婚の男女が二人っきりでいるのはどうかと思って… って言うか… ミンジュンを預けるところがなかったんだけど、ちょうど1日お暇だって聞いて」
ヨンホ「?!」
ヒョヌ「あははっ♪ あ、元夫のコPDはご心配なく!仲良かったら離婚してませんから。あははっ♪」

ヒョヌはミンジュンのリュックをヨンホに押し付け、お手洗いに声を掛ける。「ミンジュン、お母さん行ってくるから、後でね!」
彼女は逃げるように玄関へ向かった。

ヨンホ「あの…!」

「叔父さぁん、僕、トイレから降りられないよ」お手洗いからミンジュンの声が聞こえた。

ヨンホ「…。降りなきゃいけないか?… 大きい方か?」

+-+-+-+

ここで区切ります。

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