韓国ドラマから美しい言葉を学ぼう

韓国ドラマのあらすじや詳細日本語訳を紹介!プロデューサー/SPY/夜警日誌/トライアングル/主君の太陽など

プロデューサー6話あらすじ&日本語訳 vo.3

      2015/06/04

キム・スヒョン、IU、コン・ヒョジン、チャ・テヒョン、出演、KBS韓国ドラマ「プロデューサー」6話、終盤です。

+-+-+-+

スペシャルショーの会場ではすっかりステージが組み上がり、楽器のセッティングや照明チェックなど、各スタッフが最終調整を行っていた。
芸能局から派遣された新人PDたちが、ステージを担当するイェジンから指示を受ける。

イェジン「もうじき歌のリハーサルが始まるから、出演者と楽屋を予め全部チェックして。スンチャン」
スンチャン「はい、先輩」
イェジン「あんた今日はスタンバイ担当よ。各自の歌の2曲前に楽屋からこっちへスタンバイさせて、連れて来る前に私たちに知らせてね。それからマイクの確認と、退場するときの動線も伝えて」
スンチャン「はい、先輩」
イェジン「それから、チョンシク」
チョンシク「はい、先輩」
イェジン「あんたは子ども合唱団を担当して。あの子たち、騒いでウロウロしたら大変だから。特に事故のないように注意して」
チョンシク「ご心配なく。僕、児童福祉学科出身ですから」
イェジン「ホント?」
チョンシク「ええ!」
イェジン「じゃ、上手くできそうね」

そこへホンスンとテホCPがやって来る。

ホンスン「VIPの動線は確認しておいたぞ。駐車場から楽屋、座席まで完璧にな」
イェジン「そんなのあんたが自分でやっといて。いちいち私に報告しないでよ」

「外でジャージャー麺でも食べてこよう」テホCPが言う。「リハが始まったら時間もないだろうから」

イェジン「結構よ。あとでサンドイッチでもとりますから、この子たちと」

「じゃあ」テホCPとホンスンはさっさといなくなった。

イェジン「あぁ、シンディがいつ来るか、時間を確認してみて」
スンチャン「はい」
イェジン「…。」
スンチャン「…先輩」

+-+-+-+

駐車場でシンディが車から降りたところへ、後ろから歩いてきた人が声を掛けた。「お、シンディ!」
笑顔で手を上げたのはイ・スンギだ。

シンディ「久し振り!」
イ・スンギ「どうしてたんだ?元気にしてたか?」
シンディ「うん、まぁね」

「?」イ・スンギはハッと向こうに視線を向けると、重たい荷物を持ち上げるのにに四苦八苦しているスタッフにサッと駆け寄る。「忙しそうですけど、大丈夫ですか?」
荷物を持つのを手伝ってやると、イ・スンギはニッコリと手を振った。「お気をつけて!」

1922

#まるで絵に描いたようなイ・スンギ(笑

「何やってんのよ」シンディが呆れた顔で脇を通ると、イ・スンギも一緒に歩き出す。「大変だよ」

イ・スンギ「見てみないふりもできないし」
シンディ「知らんぷりしなさいよ。知り合いでもないのに」
イ・スンギ「そんなことできないよ、俺、いいイメージで売ってるし」
シンディ「ホント疲れる生き方ね。私みたいに生きればいいのに。悪口も言われてさ」
イ・スンギ「俺だって君が羨ましいよ。どこでも好きなようにキレてさ」
シンディ「(ジロリ)」
イ・スンギ「俺はさ、イメージがあるから外で怒った記憶もない」

そう言いながら、後ろを通った人に再びニコヤカに挨拶をする。

シンディ「何でそんなイメージつけたのよ?」
イ・スンギ「デビューのときは何もわかんないだろ?とりあえず成り行きだから」
シンディ「ストレスたまらない?」
イ・スンギ「そりゃたまるよ。けど、集まりがあるんだ」

そう言って、イ・スンギは声を潜めた。「あまり言えない話なんだけど、”良持会”ってのがある」

イ・スンギ「”良いイメージを持つ芸能人の会”だよ」

イ・スンギ「会長はジェソク先輩で、俺と…ジヌションのション先輩知ってるよな?あと何人か会員がいるんだ。そこでストレスも発散してさ」
シンディ「どうやって?」
イ・スンギ「捨て犬の奉仕活動だとか、寄付バトルだとか」
シンディ「…。」
イ・スンギ「ション先輩、この間CF撮った分を全部寄付しちゃってさ。あーホントに!俺も奮発するつもりなんだ」

「…。」シンディはただあんぐり口を開けて、彼を見上げた。
そうしているうちに、彼は近くで転んだ子どもに駆け寄る。{大丈夫?」

イ・スンギ「(子どもの母親に)いやぁ、可愛い子ですねぇ。写真撮影して差し上げましょうか?」

+-+-+-+

シンディは楽屋で鏡を見つめていた。
「ちょっと…」メイク担当者のブラシを軽く避ける。「メイクがキツくないですか?」

シンディ「すごく気が強そうに見えるわ」
メイク担当「え?今回のアルバムのコンセプトに合わせて…」
シンディ「コンセプトもいいけど、ステージがいつもワンパターンだから」

「ちょっとこんな感じで」彼女は顔の前で手をパッと開く。「ラブリーで可愛く見えるように」

メイク担当「あぁ…」

「わかりました」メイク担当は少し皮肉めいた表情でメイクボックスを振り返った。
「ねぇ」シンディは後ろで見守るマネージャーに声をかける。

シンディ「いつもリハの前にPDが来て説明してくれたりしなかったっけ?」

#シンディはちょっと照れくさい時、耳や首に手を持って行く癖があるね^^

シンディは鏡越しにマネージャーを見つめる。

マネ「あぁ、シンディ、俺さ、君が疲れてるだろうから、収録時間までゆっくり休めるようにって」
シンディ「…。」
マネ「”誰も来ないでくれ”…そう言っといた」
シンディ「………。」
マネ「違ったか?ダメだったのか?」

+-+-+-+

シンディの楽屋にイェジンが来ていた。

イェジン「マネージャーさんがね、ADを寄越したらシンディの格に合わないから、メインPDが説明に来て欲しいって。それで舞台セッティングの合間に、こうして私自ら来たんですよ」

皮肉たっぷりに言い、イェジンは微笑んでみせた。
シンディもバツが悪そうに微笑む。「そこまでなさらなくて良かったのに」

シンディ「動線チェックをしたかっただけなんですよ。だから、例えば一番下のPDさんとか、そういう方がしてくださればいいんです」

「そうよね?」そう言って、イェジンは後ろを振り返った。「スンチャン!」

シンディ「?」

シンディがゆっくり後ろを振り返る。

1929

#あかん、ニヤける。シンディのわかりやすさが可愛すぎるわ

「はい、先輩」スンチャンがイェジンに呼ばれ、中へ入ってきた。
澄ました顔で、シンディは小さく頭を下げる。

イェジン「スンチャンがすぐ前で待ってますから、準備が出来たら出て来てくださいね」
シンディ「(お澄まし)」
イェジン「この子が動線とか全部説明しますし、リハーサルの準備も手伝いますから」
シンディ「わかりました、PDさん」

しおらしいシンディの態度に首を傾げると、イェジンはスンチャンを連れて楽屋を出た。

シンディ「(お澄まし)…。」

+-+-+-+

「はぁ、合わないわ」楽屋を出た途端、イェジンがボヤく。「あの子とはホント合わない!」

そのとき…「姉さん!!!」
突然誰かが駆けて来て、イェジンに後ろから抱きついた。

好イメージ代表、イ・スンギ選手だ。

イェジン「わぁ!スンギ!!」

二人は嬉しそうに抱き合う。

イェジン「嬉しい!」
スンギ「ホント嬉しいよ。元気だった?」
イェジン「うん!」
スンギ「姉さん、またキレイになったな。わぁ、信じられないよ。前より若返った」
イェジン「何言ってんのよ」

二人が手を取り合って喜ぶ前で、スンチャンはじっと黙って待つ。

スンギ「こちらの方は?」
スンチャン「?」
スンギ「あぁ、すみません!僕、スタッフの方々の顔はほとんど覚えてるんですけど」
イェジン「ううん、この子は入ったばかりの新人PDよ。ペク・スンチャン」
スンギ「やっぱりね」

「初めまして」イ・スンギは自らスンチャンの手を取り、深々と頭を下げる。

スンギ「今日のステージ、よろしくお願いします。僕、ステージはすごく久し振りで」
スンチャン「あぁ…。ところで、イ・スンギさん、歌も歌われるんですね」
スンギ「え?」
スンチャン「いや、あの、僕、俳優さんだとばかり思ってたんですけど。前に”噂のチル姫”でのワン・セジャ(※王世子と同音)がすごく印象的で」

「あはははは」スンギが明るく笑い声を上げる。「ファン・テジャ(※皇太子と同音)ね」

スンギ「ファン・テジャだったんですよ、キャラクター名が。ワン・セジャじゃなくて、ファン・テジャ」
スンチャン「あぁ、そうだ。ファン・テジャ!母がすごく好きで」
スンギ「えぇ^^」
イェジン「この子何言ってんだか。もちろんスンギは俳優としても作品がすごくたくさんあるけど、もともとは歌手としてデビューしたのよ。それに、大ヒット曲もあるんだから。私が一番好きな曲♪ ”姉さんは僕の女”!」

「あはは」とスンギが笑い、小声で訂正する。「”僕の女”ね」

イェジン「え?」
スンギ「歌のタイトルがね、”姉さんは僕の女”じゃなくて、”僕の女”」
イェジン「そうだった?そうそう、そうだわ。それに他にもあるじゃない。私が結婚するとき、祝歌にするつもりよ」
スンギ「あぁ^^」
イェジン「”俺と結婚してくれる~?”」
スンギ「”結婚してくれる?”ね」
イェジン「…。」
スンギ「ただ”結婚してくれる?”だから。”俺と”はなし」
イェジン「そうだそうだ♪ ねぇ、そんなのまぁいいじゃない。私がこの曲好きだってことが大事なんだから」

「そりゃそうだよ」そう言ってスンギはイェジンと腕を組む。「コーヒーでも一杯どう?」

イェジン「そうする?(スンチャンに)コーヒー飲んでくるよ。あんたはシンディーのリフト、スタンバイしといて」

沈黙しているスンチャンを残し、二人はあっという間に遠ざかっていった。

+-+-+-+

「…。」イ・スンギと仲良く消えていくイェジンをじっと見ていると、後ろのドアが開く。
シンディが出て来て、そっとスンチャンの後ろに近づいた。「PDさん」
「あ!はい!」スンチャンが驚いて振り返ると、シンディは楽しそうに笑った。「うふふ♪」

シンディ「何をそんなにビックリしてるんですか?」
スンチャン「…。」
シンディ「行きましょ」

「えぇ、行きましょう」二人は連れ立って歩き出した。

後ろからマネージャーとスタイリストが顔を覗かせる。

マネ「たった今、シンディ笑ってたよな?」
スタイリスト「えぇ」
マネ「あざ笑ったわけでもないし、鼻で笑ったわけでもないし、ただ明るく笑ったよな?」
スタイリスト「えぇ」

+-+-+-+

スンチャンとシンディは舞台袖にいた。
おとなしく立っているシンディに、スンチャンが不器用にマイク装置を取り付ける。
腰にトランスミッターをつけるのに、スンチャンが彼女の腰に両手を回した。

シンディ「………。」

ようやく体を起こしたスンチャンは、じっとシンディの顔を見つめ、考え始める。

シンディ「?」
スンチャン「シンディさん、少しだけ失礼します」
シンディ「え?」

スンチャンは彼女の頬の横にすっと手を差し込み、サイドの髪を後ろにかき上げた。

シンディ「!」

かき上げた髪をもう片方の手で後ろから迎える。
ドキリとして、シンディはスカートをぎゅっと握った。

1924

サイドの髪をかき上げたまま、彼はピンマイクのワイヤーを持ち、彼女の耳に掛け直した。
彼はずっと耳元を見たまま、何事もなかったように彼女から離れる。
「…。」止まっていたシンディの呼吸が戻った。

スンチャン「はい。できました」

「えぇ」シンディはウンウンと素早く頷いた。

スンチャン「あとはリフトのリハーサルがあるんです。ステージが始まるとき、キューサインが出たら、リフトがステージに上がるのと同時に登場される形になります」

シンディはまたウンウンと小刻みに頷く。「えぇ、知ってます」

+-+-+-+

スンチャンはリフト装置の確認をしていた。
危険がないか足場を確かめると、自分が中に入り、外のシンディに手を差し伸べる。「さぁ」

シンディ「…。」

シンディが手を伸ばすと、スンチャンが中へと彼女を導く。
手をつないだまま、二人は狭いリフトの中で向き合った。

1925

緊張するシンディに構わず、スンチャンが説明を始める。「ここで待っていただいて…」
彼はヘッドフォンに耳を澄ました。「(マイクに)はい、これから上がります」

リフトが突然ガタンと上がり始め、スンチャンは咄嗟にシンディの体を支えた。「あっ!」
リフトは少し動いたと思ったら、すぐに止まる。

スンチャン「もともとこんなに揺れるもの…なんですよね?故障したんじゃないのかな?」

「すごく作りが荒く見えるから」スンチャンは彼女を両手で抱えたまま、キョロキョロと辺りを見回す。
「もともと揺れるんです」シンディはやっとのことでそう言った。

スンチャン「あぁ、はい。それなら良かった」

リフトが再び上がりだす。「おっと!」
彼女を両手で支え… いや、彼女にしがみついているスンチャンの間近で、彼女はぎゅっと手を握りしめた。

スンチャン「大丈夫ですか?」
シンディ「…えぇ」

リフトがすっかりステージの上まで上がり、二人にライトが当たる。
眩しさに閉じた目を、二人はゆっくり開いた。

スンチャン「あぁ、こうやって上がるのか」
シンディ「PDが出演者を守らなきゃいけないのに、自分が怖がってどうするの?」
スンチャン「え、そんなに怖くなかったですけど?」
シンディ「怖くないなら、これ、離しましょうよ」

スンチャンはシンディの腕をがっしり掴んでいる手にようやく気づく。「あぁ!」

照れたように笑うと、スンチャンはワイヤレスマイクに何やら話しながら、シンディの前を離れた。

シンディ「…。」

+-+-+-+

「今日のジャージャー麺、ちょっと量が多かったかな」のんきな二人、テホCPとホンスンが腹を押さえながら戻ってくる。

テホCP「腹がもたれる」
ホンスン「俺も消化が悪そうだ。コーラでも飲んだほうがいいかな」

そこへ現れたのは局長だ。「お前たち、どこ行ってた?ステージを留守にして」

テホCP「僕らで進行会議をしようかと」
局長「飯はまだだろ」
テホCP「…えぇ。局長もまだですか?」
局長「さっさと行って食べてこよう。今日の食堂はジャージャー麺らしい」

「…。」二人は黙って目を合わせる。

局長「行こう」
テホCP「ホンスンと行って来てください」
ホンスン「!」
テホCP「ステージを空けっぱなしには出来ませんよ。出演者もそろそろ到着する頃ですし」
局長「(頷く)」
テホCP「ステージは僕が見てますから、ホンスンと行って召し上がってください、局長」
局長「そうだな。VIPが早く来ることもあるし。やはりこうしてみるとテホは責任感が凄いな」
ホンスン「いや、先輩、僕が…」
テホCP「いや、俺はいいんだ。局長にお供して行って来い」
局長「(ホンスンに)何だ?私と食べたくないのか?」
ホンスン「違いますって!そんなはずありませんよ。ちょうど僕、ジャージャー麺食べたかったんですから」

恨めしそうな顔で来た道を戻っていくホンスンを見送り、テホCPは愉しげに笑った。

+-+-+-+

ステージではイェジンがスタッフと進行の確認をしている。

イェジン「これ、順序が変わったんだよね?」
スタッフ「はい」

確認を済ませると、イェジンはステージ中央にじっと待機しているシンディをチラリと見た。

スタッフ「スライドをお願いします」

ステージ脇に待機していたのは、スライド式の大きな台だ。
上には楽器やアンプ類が並んでいる。

イェジン「シンディさん、1曲目のリハーサルやりますね」

シンディは彼女の声が聞こえないのか、目をつぶったまま何も反応しなかった。

イェジン「何よ、あれ。リハ途中でヨソごと考えてるなんて」

横から出て来たスライド台がどんどん近づいて、中央で目を閉じているシンディに迫ってきた。

イェジン「あの子、何で退かないの?」

「!!!」イェジンは慌てて走って行くと、シンディを突き飛ばし、自分もその場に転がった。
イェジンが起き上がろうとしたところにスライド台が突入する。
イェジンは足元をすくわれる形で、スライド台の上に乗り上げ、勢いで頭を床に打ちつけた。「!!!」

+-+-+-+

「おい!大変だ!!!」同期たちと歩いていたスンチャンのところへ、仲間が血相を変えて走ってくる。

同期「ステージで事故が起きたんだ!タク・イェジン先輩が今救急車に乗せられて…」

「!!!」仲間が言い終わるのも待たずに、スンチャンは夢中で駆け出した。

同期「…歌手、誰だっけ?そっちは穴に落ちて…」

+-+-+-+

ジュンモたち一泊二日班は、カメラを持ってロケハンに出かけていた。
そこへ、ジュンモの携帯にメールが入る。

『同期愛-ホンスンさんがグループへ招待しました』

ジュンモ「こいつ、また始まったか」

ボヤきながらも、ジュンモは面倒くさそうに「参加」を押し、携帯をしまった。「ヒョングン、とりあえずこっちを撮って」

+-+-+-+

全速力で走り続け、スンチャンは近くの病院へ駆け込んだ。
「あの、KBSのステージ事故で」受付に尋ねると、係が確認する。「あちらです」

急いでカーテンを開けると、ベッドに横になっていたシンディが驚いて目を見開いた。

シンディ「!」
スンチャン「え、シンディさんがどうしてここに?」
シンディ「どうしてって…。怪我したから来たんですよ」
スンチャン「それじゃ、イェジン先輩は?」
シンディ「…さぁ。どこ行ったって言ってましたっけ。私のことこんな目に遭わせておいて」

シンディは面白くなさそうにそっぽを向く。

~~~~

事故の瞬間、大きな音を聞きつけて、たくさんのスタッフが集まってきた。
すぐに起き上がったイェジンはシンディの姿を探す。

イェジン「シンディ、どこ行った?!」

シンディはステージ上のリフトの穴に落ちていたのだ。

イェジン「ちょ、ちょっと… 何でそんなとこにいるの?」

「…。」シンディはペタリと座ったまま、痛む足首を押さえた。

~~~~

「あぁ…そうだったんですか」ようやくスンチャンに状況が見えてきた。

スンチャン「それじゃ、イェジン先輩はどこに…」

+-+-+-+

「だってさ、あの子何であそこに落ちるわけ?」病院の待合室で、イェジンはスンチャン相手に主張した。

イェジン「めちゃくちゃビックリしたんだから」
スンチャン「僕、先輩が怪我なさったのかと思って。とにかく良かったです」

「ちょっと、私だって怪我したわよ」彼女は赤く腫れた腕を見せた。

イェジン「私も怪我したんだけどさ、シンディの怪我のほうが酷いから、私がマシに見えるのよ。でも、結構な怪我なんだから!」
スンチャン「…。」
イェジン「私だって患者なのよ!」
スンチャン「…えぇ」

言いたいだけ言って、ようやくイェジンはスンチャンを振り返った。「あんた、何でこんなに汗だくなの?」
「あぁ、まぁ」スンチャンは照れくさそうに笑う。
「もう!」イェジンは再び苛立ち始めた。「シンディと私、同時にここに着いたんだけどさ」

イェジン「それなのにあの子、さきに検査だの何だの全部してもらってさ、私はどうよ?ここでじっと座ってんのよ。芸能人の特権?」

イェジンがまくし立てるのに、スンチャンは静かに微笑む。

イェジン「ペク・スンチャン!」
スンチャン「(微笑)」

+-+-+-+

ジュンモたちは色とりどりの花が咲く公園を、撮った写真を見せ合いながら歩いた。
そこへまたジュンモの携帯にメールが入る。「全く、何だよ!」

ホンスン(LINEグループ)「同期の皆さん、今リハ中に事故が起きました。同期のタク・イェジンが怪我をして病院へ運ばれ、僕がタク・イェジンの代わりに演出をしなければならない状況です。僕は接待しなきゃならないから、誰か代わりに演出してくれる人は…」

「おい!俺、先に帰るから!」ジュンモは駆け出した。

+-+-+-+

局長と歩きながら、テホCPは困ったように頭を掻いた。

テホCP「スライド台にぶつかっていれば怪我もマシだったのに。イェジンがオーバーに押したもんだから、シンディがリフト穴に落ちて余計に怪我したんですよ」
局長「イェジンは何でそんなことしたんだ?」
テホCP「ですよねぇ」

#気の毒に…。

テホCP「自分なりに事故を防ごうとしたんでしょう。イェジン本人も腕を怪我してますから、叱るのもどうかと」
局長「ピョン代表が我々を訴えようとするんじゃないか?」

「…。」二人は沈痛な顔で黙り込んだ。

+-+-+-+

「どこにいるの?」ピョン代表がやって来た。

「うちのシンディを穴に落とした女PDはどこなのよ!」彼女が探しているのはイェジンの方だ。

+-+-+-+

「入院しなきゃならないって?」イェジンがスンチャンと一緒に病院の廊下を歩いてくる。

スンチャン「はい。検査もたくさんあるし、少なくとも4日はいなきゃいけないって」

二人がシンディのいる病棟へやって来る。
警備をしていた男性に身分証を示し、中へ入ろうとした彼らを、ピンク色のTシャツを来た集団が呼び止めた。「あの~」

男性「僕たちシンディの公式ファンクラブ「イップシンディ」の会員なんですけど」

※「イップシンディ」は「可愛い」と「シンディ」が掛け合わされた言葉かと^^

男性「PDさんたちならご存知かと思って。誰かが僕たちのシンディを押したって聞いたんです」
イェジン「!」
スンチャン「!」
男性「リハーサルの途中、誰かが後ろから」
イェジン「私は何も知りません。私はえっと、私もシンディのファンで…」

「ご存知ありませんか」男性がスンチャンに尋ねる。

スンチャン「(ドキリ)」
男性「ひょっとして!うちのシンディさんの靴紐を結んでくださった新人PDの方じゃ?」
スンチャン「確かにそうですが…」
イェジン「この子も何も知りませんよ」

「行こう」イェジンはスンチャンの腕を取り、逃げるように奥へ進んだ。

+-+-+-+

個室のドアを開けると、イェジンは気まずそうに手を振った。「シンディ、具合はどう?」

イェジン「大丈夫?」

「ご覧のとおり」シンディは不機嫌そうに首を押さえた。

イェジン「ホントにごめん」
シンディ「いいんですよ。わざとなさったわけでもないし」
イェジン「やっぱり賢いわ。わかってるのね。私はホントにあの瞬間シンディを助けなきゃって、その思いだけだったんだから」
シンディ「(ジロリ)」
イェジン「力の加減が出来なかったのはごめん」
シンディ「…。」

シンディは後ろのスンチャンに助けを求める。「ちょっと、あんたも何とか言ってよ」

スンチャン「あ、僕はその場にいませんでしたから」
イェジン「(ジロリ)」
スンチャン「あ、だけど、先輩がホントにわざとなさったわけじゃないっていうのは同感で」
イェジン「(うんうんうん)」

「やめてください」シンディが言う。「私もPDさんを恨んだりしてませんから」

スンチャン「…。」
シンディ「おかげで久々に貰えた休息っていうか…。久し振りに3時間以上ぐっすり眠れましたから」

そこへ扉が開き、入ってきたピョン代表が部屋にいる面々をさっと窺う。「…。」
彼女はまっすぐマネージャーに近づくと、いきなり彼の頬をひっぱたいた。

ピョン代表「あんた何してるの!シンディが事故に遭ったとき、何してたのよ!」
マネ「申し訳ありません」

「マネージャーさんにはどうしようもないわ」シンディが彼を庇った。

シンディ「私のステージで私がしくじって怪我したんだから」

ピョン代表がシンディに顔を緩める。「うちのシンディ、優しいのね」
彼女はシンディに近づき、ベッドの縁に腰を下ろした。「大丈夫よね?」

ピョン代表「”お母さん”、あなたのスケジュール調整してて遅くなったの。並大抵のことじゃないわよ。キャンセルした今日明日の放送とイベントだけで10件あったわ。損害のことは言わないでおきましょう。あなたがこんな具合なんだから。だけどあなた、あさって日本に行く予定はキャンセルできないわ。企業イベントだもの、違約金が高いのよ」

「4日は入院しなきゃいけないって」イェジンが口を挟む。「検査しなきゃいけないことがたくさんあるんです」
「だよね?」イェジンに促され、スンチャンも同意した。「はい。少なくとも4日は」

ピョン代表「?」
イェジン「ピョン代表、私、タク・イェジンといいます。なんというか、今回の事故のある種、主犯…」
ピョン代表「…。」
イェジン「だけど私は…」
ピョン代表「割り込まないでいただけます?黙ってていただきたいの」

「キム室長、何してるの?」ピョン代表が振り返る。

キム室長「あ、PDさん、私がお送りします」
イェジン「(ピョン代表に)ピョンエンターは大きな事務所じゃないですか。シンディが数日休んだだけで潰れるの?」
スンチャン「医師の診断もあるのに、患者の意志を無視してそんなふうに…」
イェジン「(うんうん!)」
スンチャン「仕事をしなかったら金銭的に損害だとか、そうやって強要なさるのは、いけないことだと思いますが…。これは若干、脅迫罪に関連することだと」
イェジン「だよね!ダメだよね!私もそう認識してるけど?」

#頑張れー!

1926

 

+-+-+-+

病室を出て来たイェジンとスンチャンは、再びシンディを守る正義のファンクラブ会員たちと対峙した。

イェジン「…。」

イェジンは黙ってスンチャンの手をギュッと握る。

スンチャン「?!」

突然のことに戸惑い、スンチャンは彼女の横顔をチラチラと見る。
彼の手を固く握ったまま、彼女はファンたちの間を突き抜けた。

#スンちゃん、ニヤけすぎやろ

+-+-+-+

車は一向に動かなかった。
タクシーの中で、ジュンモは焦りばかり募らせる。
イェジンは電話を切っており、依然として繋がらなかった。

※彼が「ジュンバル」なら、彼女も「イェバル」になってますね。

+-+-+-+

イェジンとスンチャンはファンたちから逃れ、エレベーターで下へ向かっていた。
「…。」じっと黙っているイェジンの横顔を、スンチャンはエレベーターの壁ごしに窺う。

+-+-+-+

ピョン代表が手帳を広げてスケジュールを熱心に話す隣で、シンディはぼんやりと物思いに耽った。

+-+-+-+

「接待しなきゃならないのに!」ホンスンはボヤきながら、それでも副調整室でしっかりキュー出しを行っている。

+-+-+-+

家で一人イライラしているのはイェジンの弟、イェジュンだ。「何日喧嘩してんだよ、全く!」

弟「この家が一番いいのに」

+-+-+-+

【06 放送事故の理解
いくつ発生しても また起きる】

+-+-+-+

病院の前にタクシーが停まったとき、ちょうどイェジンとスンチャンは外へ出て来たところだった。
「おい、タク・イェジン!」ジュンモがタクシーから飛び出してくる。
イェジンは腕を押さえ、今にも泣きそうに顔を歪めて微笑んだ。

ジュンモ「シンディは?」
イェジン「…。」
ジュンモ「来る途中でホンスンと話したんだ。シンディが怪我したんだって?」
イェジン「…。」
ジュンモ「お前、何で人の番組の出演者を…」

イェジンを心配して飛んできたにも関わらず、ジュンモはしきりにシンディの名前を口にした。

イェジン「うん、あの子、怪我したわ。私のせいでね。1206号だから、行ってみなよ」
ジュンモ「お前、どんだけおっちょこちょいなんだよ!」
イェジン「…。」
ジュンモ「いつか事故起こすと思ったんだ」

「やめてよ」イェジンが淡々と言う。

「どこ怪我したんだ?見せてみろ」ジュンモがイェジンの腕を掴む。
「離して!」イェジンが咄嗟に彼の手を振り払った。

ジュンモ「!」
イェジン「おっちょこちょいの私が事故起こして、あんたの番組の出演者が怪我して、あんたに迷惑かけて、あんたを困らせたのよ!」
ジュンモ「…。」
イェジン「ホントに悪かったわ」

吐き捨てるように言い、彼女は歩き出す。

スンチャン「…。」

+-+-+-+

どうしようもなく惨めだった。
涙をこらえきれず、イェジンは思わず両手で顔を覆う。

キョロキョロしながら走ってきたスンチャンが見つけたのは、ベンチで泣きじゃくっているイェジンの姿だった。
「…。」彼はゆっくり彼女に近づき、静かに彼女を見つめる。
「またあんた?」イェジンが顔を上げ、涙を拭うと、スンチャンはポケットから丁寧にたたんだハンカチを出し、差し出した。

ハンカチで目頭を押さえると、イェジンをまた悲しみの波が襲った。

イェジン「あんたさ、何でいつも私がやらかすとこ見てんのよ?」
スンチャン「…。」
イェジン「もう行って。一人にしてよ」

「ごめんね、今日は」ずっとそばに付き添ってたスンチャンに、彼女はそう言って詫びた。

スンチャンがそっと口を開く。「先輩」

イェジン「?」
スンチャン「僕も… ごめんなさい」
イェジン「…何が?」
スンチャン「僕も… やらかしそうだから」

1927

「…。」イェジンが黙って彼を見上げる。
スンチャンがすっと近づくと、彼女を優しく抱き寄せた。

1928

+-+-+-+

【エピローグ】

「姉さん!」イ・スンギがイェジンに抱きついた。
抱き合い、手を取り合って喜び合う二人の前で、スンチャンは何も言えずにジロジロとスンギを見る。

その後…。

一人、廊下を歩いてきたスンチャンは、ふと立ち止まり、ゆっくり後戻りした。
楽屋の扉には「イ・スンギ様」の文字。

さっと左右を振り返り、誰もいないのを確かめると、扉の名前に落書きを始める。

と、突然扉が開き、中からスンギが出て来た。「!」

スンギ「…さっきお会いした新人のペク・スンチャンPDさんですね!」
スンチャン「えぇ、正解です」
スンギ「よっしゃ!前はすぐ思い出せたのにな」

#二人が絡んでるの、なんだかワクワクするね♪

「またお目にかかりましょう」スンギは握手の手を差し伸べた。

「ムン作家!」スンギは通りかかったスタッフに駆け寄り、荷物を持ってやる。「元気でした?」

しばらくその姿を眺めると、スンチャンはニヤリと笑って反対側に歩き出した。
楽屋のドアに、「様」が真っ黒く塗りつぶされた「イ・スンギ」のプレートを残して。

+-+-+-+

「プロデューサ」6話はここまでです。

イェジンの気持ちになって癒され、シンディの気持ちになってドキドキし、
スンチャンの気持ちになってワクワクし、ジュンモの気持ちになってやり切れなくなる。

どの登場人物の気持ちにもより添えて、見ていて楽しいです。

例えば、病室でイェジンとスンチャンが「シンディを休ませるべきだ」と熱弁を振るうシーン。
事故を起こしたPDとして勇気を出したイェジンにも、彼女を一生懸命フォローするスンチャンにも、そして、フォローしてもらって嬉しいイェジンにもうなずけるし、じっと黙って二人を見ている張本人のシンディの心中はどんなだろうと考えてしまう。
そうやってそれぞれの立場から丁寧に描き続けてくれるといいなぁと思います。

最後にスンチャンに抱き寄せられたのは、彼女が若い頃、泣いているときにジュンモに抱き寄せられた記憶と、彼女の中で重なるもの。
忘れられないその記憶が、スンチャンとの記憶で塗り替えられるのか、それとも昔の記憶がかえって鮮やかになるのか、とっても見ものです♪

今週も長い長い翻訳に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
コメントやTwitterでのリプライ等、大きな励みになっています。ありがとうございます。

 - プロデューサー