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ネイルもカンタービレ(のだめカンタービレ韓国版)あらすじ&日本語訳 最終話vol.2

   

チュウォン、シム・ウンギョン主演、「ネイルもカンタービレ/明日もカンタービレ」(韓国版のだめカンタービレ)16話(最終回)後半です。

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イラクとシウォンが手を繋いでノートPCの画面を覗いているのは、イラク父の店のテラス席だ。
「お前が留学する前にペアルック着ないか?」イラクが提案する。

シウォン「いいって。ペアルックなんて子どもみたい」
イラク「どこが子どもなんだよ。それなら、大人らしくペア… 下着はどうだ?」

そう言いながら思わず笑うイラクに、シウォンも笑う。「オーバーなんだから!」

イラク「何で?ペア下着もいいじゃないか」
シウォン「いいってば」

そこへイラクの父がやって来て、乱暴に料理を置いた。

イラク父「お前たち何でここでデートするんだ?よそへ行け!ここしか来る場所ないのか?」

シウォンが明るく笑ってイラク父を見上げる。

シウォン「イラクがお父さんのお手伝いをしなきゃいけないから、ほとんど時間がないって言うので」
イラク父「…。」

「あ、そうだ」シウォンが持って来た包みを差し出す。「これ、イラクがお父さんにって用意したんです」
「?!」イラクが驚いて目を丸くした。

シウォン「1日に3回ずつ飲んでくださいね。(イラクにニッコリ)そうだよね?イラク」
イラク「え?あ…あぁ!」

どうにかこうにかイラクがシウォンに合わせると、そこでようやくイラクの父が嬉しそうに包みを手にした。「こんなものまで用意しなくていいのに」

イラク父「(シウォンに)うちのイラクは最近父親の健康にまで気を遣うんだから」
シウォン「私たち、もう少し遊んだらお手伝いしますね」
イラク父「手伝いなんていいんだ!遊びなさい。お前たちは遊ぶのが親孝行なんだから」

「遊びなさい」イラク父は二人にニッコリ微笑み、背を向けた。

イラク「(小声で)何であんな物買うんだよ?」
シウォン「高い物じゃないから」
イラク「悪いって」
シウォン「いいの^^」

父を気遣ってくれるシウォンが愛しくて、イラクは彼女の手を握った。
仲の良い二人を、イラク父はそっと振り返る。

イラク父(心の声)「心遣いがイラクの母親そっくりだ」

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R☆Sオケは新しい指揮者にユヌを迎え、活動を続けていた。

※ヴェルディ 歌劇「運命の力」序曲

順調に進んでいるところで演奏をストップさせると、ユヌは楽譜をめくる。

ユヌ「ヴィオラ、A音のトレモロは大変だよね。そこは16分音符で行こう。コントラバスはあまり遅くならないようにね」

タニャやミニたちが笑顔で頷く。

ユヌ「10分休憩して、続きをやろう。管パートの口唇が緩んじゃうといけないから」

皆笑顔だ。練習室の雰囲気は実に良かった。

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受付の前へやって来ると、ユジンは手に持った封筒を差し出した。
キョロキョロと後ろを付いてきたネイルは、女性スタッフが中身を確認するのを嬉しそうに見守る。

スタッフ「参加確認が取れました。順番を決めるカードを引いてください
ネイル「?」
ユジン「あぁ、演奏順を決めるカードだ。一つ選べよ」

ネイルが目の前に並んだカードから一枚を選ぶ。
12番だ。

ユジン「最後だな」

ネイルは選んだカードをスタッフに渡す。

スタッフ「リハーサルと本番の時間を確認して、絶対に遅れないようにしてくださいね
ユジン「OK.ステージはどこですか?
スタッフ「あちらです
ユジン「ありがとう

ユジンがさっさと踵を返すと、ネイルはよくわからないまま彼に続いた。

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二人が入ったのは公開練習室だ。
ステージで女性が弾くピアノにネイルは釘付けになった。

※ショパン ピアノソナタ No.2 変ロ短調「葬送」

じっと聴き入っていた彼女は、チラリと隣りのユジンの顔色を窺い、俯いた。

ユジン「…。」

ネイルの心中を察したのか、ユジンは彼女の腕を掴み、急いで外へ出る

ユジン「ルーウェイだ」
ネイル「ルーウェイ?知ってる人ですか?」
ユジン「韓国でリサイタルをしたこともあるピアニストだ。どうしてここに…?」

そこへ通りかかった先ほどの女性スタッフを、ユジンは呼び止めた。

ユジン「ルーウェイもコンクールに出るんですか?
スタッフ「えぇ。ご存知ありませんでした?

「…。」ユジンが思わず黙りこむ。

ネイル「つまり…あの人より上手くなきゃ優勝出来ないってコトですよね」

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ネイルはすっかり意気消沈していた。
ユジンは彼女を街が一望できる丘の上に連れて来る。

ユジン「あそこに大聖堂が見えるだろ。あの後ろ側にするから」

「?」塀の上に腰を下ろしたネイルが、ユジンの視線の方を振り返る。

ユジン「オレたちが住む… オレたちの家」

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そう言って、ユジンは彼女をチラリと見る。
ネイルは拗ねたように後ろの景色から目を逸らした。

ネイル「あそこか…。オラバンが住むオラバンの家」

「…。」ユジンの視線がもう一度ネイルに向かう。

ネイル「あそこでご飯を食べて楽譜を見るんでしょーね。オラバンひとりで」
ユジン「…ソル・ネイル」
ネイル「私だってオラバンのために体にいい料理作ってあげたいのに、レシピがあったってロクに作れもしないし…」
ユジン「何で落ちる心配してるんだ?お前らしくもない」
ネイル「入賞できなかったら、オラバンひとり残して帰らなきゃいけないじゃないですか!」
ユジン「そうだな。入賞できなきゃオレひとりでいるしかない」
ネイル「…。」
ユジン「あそこにあるオレの家でな」
ネイル「もうひとりで住むつもりなんですね!」
ユジン「…。」
ネイル「私なしで?!ひどい!!」
ユジン「…。」
ネイル「金髪のお姉さんたちと浮気するんでしょ」
ユジン「(笑)金髪?アリだな」

「この浮気男!」ネイルが顔を歪める。

ネイル「私にバックハグしたばかりなのに!忘れちゃったの?!」
ユジン「他の女が言い寄る隙なんかないだろ。お前が24時間くっついてるだろうに」
ネイル「…。」
ユジン「そうだろ?これからもお前がくっついてるんだろ?」

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ネイル「…。それでも… ここには天才がうじゃうじゃいるから」
ユジン「…。」

そうやって拗ねながらも、ネイルはユジンの言葉が嬉しくて、恥ずかしそうに俯いた。
そこへユジンがポケットから取り出したのは…

ケースに収められた指輪だ。

ネイル「!!!」

「入賞したらやるつもりだったのに」ユジンがわざとそっぽを向き、ため息をつく。

ネイル「オラバン!…どうしよう!」
ユジン「つけとけ。入賞させてくれるお守りだ」

あまりの嬉しさにどうしていいか分からないネイルを前に、ユジンは小さく笑ってケースから指輪を取り出した。
彼女の左手を取ると、薬指にそれを嵌めてやる。

ユジン「これで優勝出来るだろ」

指輪を嵌めた手を見つめて顔を輝かせるネイルに、ユジンも満足気に微笑み、再び目の前の景色に視線を移す。

ネイル「いいえ」
ユジン「?」
ネイル「これじゃ優勝出来ません」
ユジン「ん?」
ネイル「指輪一つじゃどうしようもないですよ」(ぶっとばしてやる

ネイルはユジンの腕を掴み、引き寄せた。

ネイル「勝利のキスがないと」
ユジン「!」

ネイルが口唇を近づけたところで、ユジンが指で彼女のおでこを押し戻す。「あっち行け!」

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ネイル「オラバン、勝利のキスですよ!」

「嫌だ!」ユジンはネイルが突き出した口唇をパチンと叩き、急いで逃げ出した。

#このシーン、ユジン先輩が超カッコイイんですけど。
ユジン先輩のカッコよさの無駄遣い…。

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コンクールの女性スタッフはネイルの提出した書類と旅券を見比べた。

スタッフ「書類と旅券の名前の綴りが違いますね

※旅券はソルがSEOL、書類ではSULとなっています。

スタッフ「本人確認が出来なければ、彼女はコンテストに出られません

彼女の話を聞いていたユジンは、思わず身を乗り出した。

ユジン「今すぐ綴りを修正しますので
スタッフ「一度受理された書類は修正出来ません
ユジン「英語の綴りが間違っているからって、参加資格を奪うんですか?!
スタッフ「規定ですので

「…。」ユジンは途方に暮れた。

#何なのこの意味不明な展開。本気で理解に苦しむわ。

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「ソル・ネイルが本人だって証明しなきゃならないの?」ソニョンの車の助手席で、学長ミナはユジンからの電話を受けた。

ミナ「旅券と書類の名前が違う?そんなミスするなんて。分かったわ、調べてみるから」

ミナが浮かない表情で電話を切る。

ソニョン「何?ユジンとネイルに何かトラブルでも?」
ミナ「とにかくソウルへ向かいましょ。行きながら説明するわ」

ソニョンは車をUターンさせた。

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ユヌはすっかり本番の衣装に着替え、控室にいた。
そこへイラクがやって来る。「ユヌ、舞台練習の時間だぞ」

彼らは笑顔を交わし、一緒に控室を出た。

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舞台ではさっそく皆本番の衣装で練習が始まった。

『ヴェルディの”運命の力”。
悲壮でありながらも、作曲家の精神のように雄壮な曲だ。
精神的圧迫により音楽を諦めたヴェルディは、運命の力に出会い、再び自らを奮い立たせた。
ヴェルディにとって生きる理由となったこの曲は、今の僕にどんな意味があるのだろうか…』

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手の痛みにより道を見失っていたユヌは、ネイルやユジンとの出会いで再び進むべき道を取り戻したのだ。

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車の中で、ミナはどこかに電話を掛ける。

ミナ「韓音大の学長です。私たちのミスなのはもちろん分かっています。ですが…」

大学ではト教授が走り回り、ネイルの資料を探した。

コンクール会場ではユジンが諦めきれずにスタッフに訴えた。

ユジン「今ここで署名すればいいのでは?
スタッフ「規定に背くことは出来ませんので
ユジン「ここまで来て諦めることなんて出来ません

すみません」背を向けるスタッフを追いかけようとしたユジンの前に、ネイルが現れた。
練習に集中できず、部屋を出て来たのだ。

ユジン「…。」

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再び練習室へ戻ると、ネイルはステージのピアノに触れた。

ネイル「行きたくないなんて心にもないこと言って避けてたから、バチが当たったんだ…」

彼女はふと思いついたように椅子に腰を下ろすと、ピアノを弾き始めた。

※シューマン ピアノソナタ No.1 嬰ヘ短調

会場の階段を上がってきた男性は、聴こえてくるピアノの音に方向を変えた。
彼は音の聴こえてくる部屋の扉を開けてみる。

その男性… チャ・ドンウはステージに近づくと、ネイルの演奏に顔をほころばせた。

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ユジンは練習室へ向かう階段を上がっていた。

スタッフ(声)「ソル・ネイルさんが本人だと証明できる人を連れてきて、身元保証をしてもらってください。審査員が認めるほどの人か、審査員のうちの一人であれば確かですね

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ネイルは演奏を終えると、拍手の音でチャ・ドンウに初めて気付き、立ち上がった。
チャ・ドンウは嬉しそうに彼女に近づく。

トンウ「偶然耳に入ったんですよ。誰のピアノだろうかと気になって入ってみたんですが… コンクールの参加者ですか?」
ネイル「はい。でも、参加出来なくなったんです」
トンウ「参加できない?なぜです?」
ネイル「あの… ひょっとしてピアニストのチャ・ドンウ… いえ、ユジン先輩のお父様ですよね?」
トンウ「息子をなぜ?」

ネイルはステージを駆け下りてきた。

ネイル「初めまして。私はユジン先輩の…」

そこへチャ・ドンウの背後で扉が開く。
入ってきたのはユジンだ。
振り返ったチャ・ドンウは意外な人物の姿に目を丸くする。

トンウ「お前がどうしてここに?!」

ユジンは父に静かに頭を下げた。

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場所を移し、ユジンは父と向き合って座っていた。

トンウ「ここへ来たということは、飛行機恐怖症はすっかり治ったようだな」
ユジン「はい」
トンウ「どうやって治した?」
ユジン「父さんが過程を気になさるとは思いませんでした」
トンウ「…。そうだな、過程は重要じゃない。これから何をするつもりか話してみなさい」
ユジン「ソル・ネイル… さっき会った女の子と一緒に留学するつもりです」
トンウ「…。」

二人の視線がぶつかる。

トンウ「コンクールの参加者リストにいないのに、なぜここにいるんだろうと思っていたが、ガールフレンドの世話を焼きに来たのか?」
ユジン「僕の留学準備も大切ですが、最優先なのはあの子のコンクールです」
トンウ「そんなことを言ってる自分が恥ずかしくないのか?」
ユジン「…。」
トンウ「お前が常に最優先に考えるべきなのは、お前の音楽であり、お前の未来だ」
ユジン「だからこそです」
トンウ「?」
ユジン「頼りにし、共に歩む人ですから」
トンウ「この道に”共に”なんてものはない。自分一人のことでも手に余るほどだ。一人で歩むか、徹底的にお前に合わせてくれる人を見つけるんだ」

「…。」ユジンは首を横に振る。「僕はそんな生き方はしません」
力強い彼の目を見て、父も頷く。「そのようだな」

チャ・ドンウは立ち上がった。

トンウ「この間のラフマニノフは悪くなかった」
ユジン「…。」
トンウ「大学オケにしては、聴いてやるだけの価値はあった」

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父が足早に去って行くと、ユジンは思わず嬉しくて笑みを浮かべた。

ユジン「父親に褒められるって… こんな気分なんだな」

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ネイルの出場権の問題で、ユジンはシュトレーゼマンにも相談の電話を掛けた。

シュトレーゼマン(電話)「ザルツブルグコンクールの審査員は極秘事項です。参加してみないと分かりませんヨ」
ユジン(電話)「事前に接触することはできないということですか?」
シュトレーゼマン「Oh、ベイビは何事も簡単にはいきませんネ。調べてはみますが、審査員リストが分かったとしても、会うのは難しいでしょう」

しばらく経ってから、ユジンは待ちきれずにまたシュトレーゼマンに電話を掛ける。

ユジン(電話)「まだ審査員が誰だかわからないんですか?」
シュトレーゼマン(電話)「お待ちなさい、ワタシも今待っているところなんですから」
ユジン「もうすぐ始まるんです。それから身元保証をしてもらっても遅いんですよ」
シュトレーゼマン「ヤキモキしているのはオマエだけじゃないですヨ!」
ユジン「…すみません」

「もういいんです」自分のために一生懸命になってくれるユジンに、ネイルが横から声を掛けた。

ネイル「出来るだけのことをして、それでもダメなら、次のチャンスを待てってことなんです。だからもう…」
ユジン「まだオレに出来ることはある」

そこへ女性スタッフが二人に近づいてきた。

スタッフ「ソル・ネイルさん
二人「?」
スタッフ「コンクールに出られることになりましたよ
ユジン「なぜです?
スタッフ「審査員の一人が身元保証をなさいましたので

こちらへどうぞ」ホッとする暇もなく、ネイルは女性スタッフの後に続いた。

#何なのこの意味不明な展開パート2。

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ステージの上ではNo.9の札をつけたルーウェイが演奏していた。
ステージの正面には演奏を見つめる5人の審査員が並んでおり、その中央にはチャ・ドンウの姿がある。

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「審査員の中にチャ・ドンウがいますヨ」ユジンはシュトレーゼマンから電話で告げられる。

ユジン(電話)「父が審査員なんですか?!」
シュトレーゼマン(電話)「ワタシの知るチャ・ドンウならどうにもならないでしょーが、ひょっとしたら息子の頼みなら聞いてくれるかも…」
ユジン「僕の知る父なら…どうにもなりません」

そう言って、ユジンは「この間のラフマニノフは悪くなかった」という父の言葉をぼんやりと思い浮かべる。

ユジン「でも…記憶の中の父とは少し変わったような気もしますね」

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ネイルは衣装に着替え、控室で順番を待っていた。
そこへユジンが入ってくると、彼女の前に腰を下ろす。

ネイル「もう少ししたら私の番ですよね」

「うん」ユジンが頷く。

ネイル「…。」
ユジン「余計なことは考えるなよ。自分の部屋で練習してると思えばいい」

「私の部屋、私の部屋」目を閉じて唱えるネイルを、ユジンは温かい目で見つめた。

ネイル「正直言うと、もう優勝しなくてもいいんです」
ユジン「?」
ネイル「ピアニスト ソル・ネイルをみんなに見せられるから」
ユジン「そうか?」
ネイル「はい」

ネイルが突然ドアを振り返る。「私、呼ばれませんでした?」
「呼ばれたのかな?」落ち着かずに立ち上がったネイルの手首をユジンが掴み、座らせる。「呼ばれてないって」

ユジン「優勝出来なくてもいいんだろ?」
ネイル「それでも… 優勝したいもん」

複雑な表情を浮かべるネイルの手を、ユジンは黙って握った。

ユジン「上手くやれるから」

二人が微笑みあったところで、ノックの音がした。「Missソル・ネイル、あなたの番ですよ

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ネイルの演奏が始まった。
ユジンは会場の一番後ろで、そっと彼女を見守る。

#ザルツブルグコンクールって、つくづく変わってるよね。

『まるで小さな蝶の羽ばたきが暴風雨を起こすかのように…
些細な事が全てを変えてしまうことがある。
ゴミの中から聴こえてきたピアノの音…
あの朝がなければ、今オレたちはどこにいるだろう』

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自分の人生を大きく変えたであろう彼女との出会いに思いを馳せ、
ユジンは小さく微笑んだ。

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韓音大の小さなレッスン室にネイルはいた。
両手にはめたオラバン&ネイル人形が嬉しそうに跳ねる。

「先輩!とうとう私も留学できることになりました!」
「おめでとう、ネイル。ご褒美をやろう。こっちへおいで」
「ダメです!ご褒美だけじゃ満足できません。私は愛のチュー♥がほしいの!」
「そそそ…そうか?」

人形が体を寄せ合ったところへ、突然誰かの手が割って入る。
ミニだ。

ミニ「ユジン先輩から連絡ないの?」
ネイル「…うん。まだない」
ミニ「あ、今日荷造りするんでしょ?」
ネイル「まぁ一人で出来るよ」
ミニ「一人でどーすんの。私が行くまで待ってなよ。一人でイジイジしてないでさ」
ネイル「ホント?家まで手伝いに来てくれるの?」

そう言って、ネイルはオラバン&ネイル人形を向ける。「ミニミニ~♥」

ミニ「行かない」
ネイル「あ、ごめん」

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ト教授はアン教授と話しながらレッスン棟へ向かう。

ト教授「来年の新入生には育てがいのある学生が大勢いるとか。今から意欲が湧きますよ」
アン教授「そうですね。うちの大学は雰囲気がいいって、学生たちがたくさん集まったそうですよ」
ト教授「遊ぶつもりで来る学生は歓迎できませんね」
アン教授「ト教授も遊ぶのはお好きじゃないですか。おならソングを完成させたんですから」
ト教授「それはソル・ネイルの教育のためにやったことですから!」
アン教授「でも面白かったでしょう?」
ト教授「まぁ、悪くなかったですね」

二人は愉快に笑い合う。

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「R☆Sオケのプロとしての旗揚げ、うまく進んでいますわ」ミナがシュトレーゼマンに言った。

シュトレーゼマン「Oh、卒業後もそのまま?最初だけ支援してやれば、すぐ軌道に乗るでしょうネ」
ミナ「同窓会を説得しなければなりませんけど、うまくいくはずです。あの子たち、自分の力で一歩ずつしっかり進んでいるわ」

シュトレーゼマンが彼女を振り返った。

#ミナ様のネックレスが凄い。最後に超気合入れたんですね

ミナ「?」
シュトレーゼマン「自分でうまくやれる子たちを心配するのはそれくらいにして、そろそろ私たちの話をしましょう。これから一緒に何をするか、そういう話をネ」

ミナはシュトレーゼマンを見つめ、穏やかに微笑んだ。

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R☆Sオケのメンバーが揃う練習室にイラクがそわそわとやって来た。「みんな聞いたか?」

イラク「R☆Sオケがプロになるって話。プロならこれからも続けられるだろ!」

「オレは賛成」ユヌが真っ先に手を挙げた。「やっぱりうちのコンマスは大したもんだね」
「お前最高♪」イラクが返す。

イラク「必ずしも留学せずに国内で成功できる見本になればいいって学長も望んでいらっしゃるし、まぁ、そんなに心配しなくても。オレたち楽しくやってるだろ?」

スミンやミニが笑顔で頷く。

イラク「これからもこのままでずっと、な」
ユヌ「その前にオレたち、イベント公演やろうよ」
イラク「イベント公演?」

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「これは先輩との思い出が一番詰まってるのに…」ネイルはなかなか荷物の整理が出来ずにいた。

ネイル「これも!全部大事なのに捨てられないよーーっ」

ネイルがぬいぐるみを抱きしめて唸っているところへ、ユジンがやって来る。
彼はいきなり彼女のぬいぐるみを掴んだ。「全部捨てろ!」

ユジン「出国直前までグズグズ荷造りしてるつもりか?」
ネイル「宝物なのに捨てられませんヨー!」
ユジン「全部拾い物じゃないか」
ネイル「それでも、拾ってきたのは拾う価値があったからですヨ…」
ユジン「だから、何でもかんでも拾ってくるな」
ネイル「一人で荷造りするって言ったでしょ。何で来たんですか」
ユジン「こんなことだろうと思ったからな。お前ん家のゴミを全部持って行くんなら、留学は取り消せ!」

「駄目です!」ネイルはユジンの手からぬいぐるみを取り戻す。「絶対捨てられませんから!」

#はぁ 溜息しか出ない

二人仲良く押し問答をしてるところへ、イラクたち3人組がやって来た。

ミニ「記者の人たち、あれを見ても”ソン・スジに続くクラシック界のアイドル”なんて言えるかな?本当の姿、暴露しちゃおうか」
イラク「ほっとけよ。その御蔭でオレたちR☆Sオケも話題になったんだからさ」
スミン「ザルツブルグコンクールなんかで優勝したら、普通は変わっちゃうのに。あの子全然変わんないね」

しばらく大騒ぎを見物したところで、イラクたちは二人に声を掛けた。「さぁ、ユジン、ネイル!」

イラク「オレたちと行くところがあるんだ」
ユジン「どこに?」
ネイル「どこ?」

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皆が韓音大のいつものロビーに勢揃いしていた。
1階のフロアにはグランドピアノも用意してあり、そこにはネイルが座る。
階段、そして2階の廊下にもオケのメンバーがズラリと並んだ。

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皆の視線の先で指揮をするのはユジンだ。

※モーツァルト ピアノ協奏曲21番

『何もしないうちは、僕は何者でもなかった。
一人ぼっちでいるうちは、一人でいるのが当たり前だった。
楽器同様にさまざまな人たちに会い、音を合わせ、和音を作るうちに、
音楽が全てだった世界に、人が見えるようになった』

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『まだ下手で失敗ばかりして、もどかしい思いばかりだけど、
”共に”という言葉を学びながら、
僕たちは一歩ずつ、自分たちの音符を辿っている』

407

いよいよネイルのピアノが入る。
皆の温かい視線が彼女に向かった。

『柔らかく甘く… カンタービレ、歌うように』

408

#知ってるこれ。ETでしょ

~~~~ 完 ~~~~

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最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。

 - のだめカンタービレ(韓国版) ,